森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.02.03
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カテゴリ: 感情の法則
年老いた親の介護、配偶者の介護について考えてみました。

集談会で認知症になり徘徊する親や配偶者の世話をしている人がいます。
また寝たきりになって、食事、洗濯、入浴、排せつなどの世話をしている人もいます。特に下の世話は耐えがたい苦痛をもたらすようです。
ある程度デイケア、ヘルパーさんに頼ることもできますがそれも限度があります。

森田先生は、親に対して不満や腹立たしいことがあっても、その感情はそのままでよい。
これをため直して、愛の心や感謝の気持ちを引き起こす骨折りと面倒を要しない。
ただ自分のなすべき事を、止むを得ずになし、なしてはならないことを、しかたなしになさなければよい。
この事を私は「自然に服従し、境遇に柔順なれ」と称して、その自然に発動する自分の感情をそのまま受忍する事を「自然に服従」といいます。

ただお母さんが、急に病気にでも起こった時には、これを捨てておく訳には行かないから、しかたなしに世話をする。
これが「境遇に柔順」であって、素直に我慢して、なすべき事をするのである。
そうすると、心が自然の流れに随うようになり、例えばお母さんに湯タンポを入れて上げるとすれば、いつとはなしに自分の仕事その事になりきり、湯タンポの加減も適当にできて、火傷をさせることもないようになる。

理屈で考えると、いやいやながらする事には間違いが多く、いやな心を取り直しておいて、朗らかにやればよくできると思うけれども、実際においては、今まで述べたように孝行をしようとして、孝行にならぬように、「思想の矛盾」になり、不自然の事は不可能の努力のために非常の抵抗となって、その結果は必ず間違いだらけになるのであります。
(森田全集 第5巻 554ページ)

森田先生はイヤな感情が湧き上がってくるのは仕方がないことだ。
イヤな気分のまま、なすべきことをし、なしてはならないことを控えることが大事になる。
不快な感情はそのまま持ちこたえて、介護をする相手が少しでも喜んでくれることを見つけて行動していると介護を通じて絆が深まると言われています。





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Last updated  2024.02.03 06:33:37
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
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