森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.03.18
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カテゴリ: 感情の法則
2014年10月31日の記事の再録です。

生き生きワークショップの時にこんな発言があったそうです。

ある女性の方が「今日ゴミ出しをしたときに人に会わなかったからよかった」と言われた。
これを聞いたある男性の方曰く。
私なら、「人に会うのがイヤだという感情はそのまま持ちながら、ゴミ出しをするという目的を果たしたのでよかった」と答えます。
森田理論をよく学習している方の模範解答のようですね。

このエピソードは感情の向き合い方についてそのヒントを与えてくれます。
ここでの眼目は湧き上がってきた感情にはきちんと向き合うことが大事であるということです。
普通は感情に向き合うよりも、その感情がよいとか悪いとかという価値評価をしてしまいます。
これはちょっと考えものだと思います。
なぜなら感情は向き合うものであって、評価をするべきものではないからです。

高良先生の青竹買いの話でそのことがよく分かります。
高良先生のところに入院していた患者さんが物干し竿にする青竹を買いに行った。
帰ってきて先生に「今日は赤面恐怖が出たので竹買いは失敗だった」
高良先生は「君の目的は立派な竹を買ってくることだ。症状が良くなっているかどうかを心配しているようではいけない」と言われた。

ここではネガティブな感情を抱えたまま、目的本位に行動することが大切だと言われています。
初期の段階では逃げないで行動できたのですから、良かったということになります。第一段階はクリアできました。これを継続していけば、表向き神経症は克服できます。

でもこの対応では神経症の葛藤や苦悩は軽減できません。
それは沸き起こってきた感情に対して、良い悪い、快不快、正しい間違いと是非善悪の価値判断をしているからです。
嬉しい感情はあってもよいが、不快な感情や醜い感情、自分が感じたくない感情は沸き起こってはいけないものだと思っているのが問題です。
森田理論では感情は自然現象であって人間が自由自在にコントロールすることはできないといわれています。
是非善悪の価値判断をするということは、自然現象に精一杯抵抗しているということになります。

ではどうするか。
すべての感情は池のなかの鯉のように自由に泳がせておくことが大事になります。
これは是非善悪の価値判断をしないで、感情にきちんと向き合うだけでよいということになります。

そうはいっても「言うは易く行うは難し」だと思います。
人間は是非善悪の価値判断をする生きものだからです。
でもこのことを理解しているかどうかはとても重要なことです。
理解していると、是非善悪の価値判断をしたときに踏みとどまることができるからです。10回の内1つか2つ自覚できるようになるかどうかはその後の生き方に影響を与えます。





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Last updated  2024.03.18 06:38:22
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