全840件 (840件中 501-550件目)
< 1 ... 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 >
昨晩(4日)、NHKの番組で「雪国の伝説杜氏」なるものを観たのだが・・・今では櫂入れを止めて、こうじ発酵に委ねる製法に変わってきているとのことで、酒造りが様変わりしているようです。ところで、4日の関西 NEWS WEBによれば「新温泉町に約50年ぶりに酒蔵」とのこと。但馬杜氏が地元に酒蔵を造ったのか・・・神戸市民も応援するでぇ♪2019.3.04新温泉町に約50年ぶりに酒蔵より 古くから酒造りの職人、杜氏(とうじ)を各地に送り出してきた新温泉町に、およそ50年ぶりに酒蔵ができ、仕込み作業が本格化しています。 酒蔵を開いたのは、新温泉町用土の「永雄酒造」で、乳製品の加工場を改修した施設で、先月から仕込みを始めました。4日は、経験豊富な2人の杜氏を含む4人が、蒸した米にこうじを混ぜ込む作業をしていました。 新温泉町によりますと、雪が多い但馬地域では、古くから農閑期の冬場に大勢の人が杜氏として神戸や京都など西日本各地の酒どころに出向いていました。一方、町内では昭和40年代には酒蔵がなくなったということで、地元に酒蔵ができて本格的な酒造りが行われるのは、およそ50年ぶりのことだということです。 前の町長で「永雄酒造」の社長を務める岡本英樹さん(68)は、「『但馬杜氏』の技術を継承していい酒をつくり、観光振興にもつなげたい」と話していました。仕込んでいる日本酒は来月上旬にはできあがり、地元を中心に販売するということです。昨年9月の神戸新聞で関連記事を見てみましょう。2018.9.19但馬杜氏の伝統守りたい 新温泉町に酒蔵開設へより 半世紀ぶりに本格的な酒蔵を復活させるプロジェクトが、兵庫県新温泉町で進んでいる。但馬杜氏の里と呼ばれる同町だが、日本酒造りをする酒蔵は町内に絶えて久しく、杜氏の高齢化や後継者不足にも直面している。酒蔵復活で、同町を中心に生産される酒米「兵庫北錦」を活用しながら若手杜氏への技術継承を図り、観光振興などにもつなげる。(小日向務) 酒造りは元々、冬を中心に行われてきたため、雪国の農村などからの出稼ぎが多かった。但馬杜氏は日本を代表する杜氏集団で、美方郡の山間部から多くの人材を輩出し、西日本各地で活躍してきた。但馬杜氏組合の本部は、現在も新温泉町に置かれている。 新温泉町内では古くから日本酒が造られていたが、1960年代半ばごろに途絶えたという。2000年代に京都市から移転してきた酒蔵もあったが、本格的な設立は約半世紀ぶりになる。岡本英樹さん(右)と田村豊和さん 事業に取り組むのは、前町長の岡本英樹さん(67)。自他共に認める日本酒好きで、町長時代から町内での酒造りを検討し、個人的に調べてきた。ただ、新規に酒造免許を取ることは難しいことが分かり、15年前から醸造をやめていた京都府京丹後市の酒造会社「永雄酒造」を今年初めに引き継ぎ、社長に就任。本社を新温泉町用土に移転した。 移転先は元牛乳加工施設で、敷地面積は約300平方メートル。改修して、年内に醸造タンクやこうじ室などを設置する。行政的な手続きを経て来年3月にも醸造をスタートする計画で、2年目には約20キロリットルの製造を目指し、その後生産量を増やしていくという。 但馬杜氏、丹波杜氏、越後杜氏などが、灘や伏見まで出稼ぎにきたようですね。
2019.03.05
コメント(0)
<(まなぶ@朝日新聞)新聞、「人生」考えるきっかけ>日頃から朝日新聞の記事をスクラップしてファイルしているのだが・・・新聞スクラップに関する池上彰さんの記事を見つけたのでスクラップしたところです。・・・それから、朝日デジタルがあるではないかと気づいたわけです♪スクラップファイルとデジタルデータをダブルで保存するところが、いかにもアナログではあるが、この記事をコピペしてみます。(朝日新聞から広告料をもらっているわけではないが、2019.2.26(まなぶ@朝日新聞)から転記しました)若者の就職活動、シニアの「第二の人生」探しなど、新聞は自分の未来を考える材料にもなります。今月19日に紹介した(上)に続き、新聞の有効な活用方法を池上彰さんに聞きました。■気になる記事はビリッ 私が得る1次情報は基本的に新聞です。それをきっかけにインターネットで検索したり、情報源の人に電話し「これはどういうこと?」と聞いたりして知識を深めます。 この流れについて、私は「フロー」と「ストック」という言い方をします。日々の新聞は「フロー」。流れていくものです。読んでいく中で引っかかり「あれ?どういうことだろう」と思ったら、リアル書店で専門書を買って読む。フローの新聞記事をきっかけに、自分で勉強することが「ストック」になる。 中東問題でいえば、昔は「中東問題ってそもそも何?」というレベルだったけれど、専門書を読むとパレスチナ自治区におけるイスラム原理主義組織の「ハマス」とパレスチナ自治政府主流派の「ファタハ」の違いを知ります。そうすると、新聞の国際面で「ハマスとファタハの対立が深刻化」という見出しを見ただけで分かる。 気になる新聞記事は切り抜くことがお勧めです。特に新聞記事を、「自分の人生」と関連づけることです。今、団塊の世代の人たちがどんどんリタイアしています。これからも増えます。第二の人生をどうすればいいか困っている人もいると思います。会社から切り離されたとたんぬれ落ち葉になったり、生きがいを失ったりするわけですね。 そんなとき「次の人生何をやろうかな」ということは、意外に自分では分からない。実は他人から見ると「あなたはこういうことが向いているよ」と言えることも多い。それを教えてくれるのが新聞記事です。ボランティア活動をしている人の「第二の人生でこんなことをしている」という記事が気になったら、ビリビリ破って取っておけばいい。次第に積み重なると「あ、俺はこういうことをやりたいんだ」とわかり、「これで第二の人生を歩もう」と自分を知り、新たな人生を歩むきっかけになる。 高校生や大学生も、将来どんな職業に就きたいか分からないとき、新聞を見て「こんな仕事がある」と気になれば破いて残せばいい。新聞はビリビリ破いていい。大事に取っておく必要はない。興味・関心がある記事をためることで、自分を客体化して見られる。「本当はこういうことがやりたい」と気づく。これが職業選択に役立ちます。 企業選択の希望は、商品やサービスを提供する「BtoC」(Business to Consumer・消費者向けビジネス)企業が多い。身近だから。でも、あまり知られていない「BtoB」(Business to Business・企業間取引)企業にも、日本経済を支える堅実な「BtoB」はいくらでもある。そういうことは新聞を見ると分かる。 いろんなことがAI(人工知能)に置き換えられていくのは間違いないけれど、そもそもAIのアルゴリズムは人間がつくっているわけですよね。AIによって思わぬ問題が起きたとき、どうするかも結局は人間であり、人間の倫理観だと思います。人間は「ここでやっちゃいけない」と止まるけれど、AI兵器なら情け容赦なく皆殺しにできる。そんな時どうあるべきか。AIがどんどん進んでいくとき私たちはどう生きるべきか、どう働くべきかを考えるきっかけをつくってくれるのが新聞記事だと思います。(聞き手・教育総合本部長 桜井透) *池上彰:1950年生まれ。ジャーナリスト。著書に「池上彰の新聞ウラ読み、ナナメ読み」(PHP研究所)、「書く力」(朝日新聞出版)など。(まなぶ@朝日新聞)新聞、「人生」考えるきっかけ池上彰2019.2.26
2019.03.05
コメント(0)
「草木国土悉皆成仏」という考え方は天台宗に出てくるそうだが・・・この極めて日本的な考え方について集めてみました。・NHK-BSの若冲4夜特集(2012年放映)・文化講演会「日本思想の本質」(2010年講演)・『老耄と哲学』(2015年刊)*****************************************************************************NHK-BSの若冲4夜特集に福岡博士がゲスト出演していました。「若冲の絵が草木国土悉皆成仏を彷彿とさせる」だって・・・・福岡博士は自然に寄り添う若冲を評価するが、自然を塗り替えようとするアメリカ主導の科学がクローズアップされるわけです。(大使の場合)博士がカルトがかった一神教の国からカミングアウトしたのも、わかるような気がします。虻に双鶏図(若冲ミラクルワールドより)【動的平衡】 福岡伸一著、木楽舎、2009年刊<「BOOK」データベースより>生命とは、絶え間ない流れの中にある動的なものである。読んだら世界がちがってみえる。哲学する分子生物学者が問う「命の不思議」。今まで体験したことのないサイエンス・ストーリー。 <大使寸評>胃を全摘した大使にとって、ガン細胞は切実な題材である。そういう意味で再読に耐えうる本といえるのです。Amazon動的平衡*****************************************************************************文化講演会「日本思想の本質」より■日本の基層文化 日本には、1万年以上続いた縄文時代がありました。森があり海がある島国に、東日本を中心として狩猟採集文化である縄文文化が栄えたのです。狩猟採集文化は、生きとし生けるものとの一体感を持っています。山や川も木や植物や魚も、みんな人間のように生きているものだという考え方です。■草木国土悉皆成仏の思想 こうした思想が日本文化の根底にあるところに、仏教が入ってきます。奈良仏教はほぼ中国仏教そのままですが、平安時代になると日本独自の仏教が出てきました。平安仏教は最澄の天台宗と空海の真言宗に代表されます。天台は顕教、あらわの教えというもので、真言宗は密教といいますが、その二つを合体させた天台密教という思想が出てきました。これを唱えたのは円仁や円珍で、比叡山は天台宗の本山というよりは、天台密教の本山だったのです。そこから出てきた結論が、天台本覚思想というものです。(中略)天台本覚論は、「草木国土悉皆成仏」という考え方です。草や木も、国や鉱物も生きていて、仏性を持っている。そして、それらはすべて成仏できる。植物ばかりか、国や国土、すなわち鉱物や自然現象も実は生きているというわけです。浄土教の思想、法然や親鸞の思想にも、これは受け継がれています。日蓮もはっきりとそれを語っています。また、道元の思想にも、天地万物が成仏できるというものがあります。これは、実に縄文時代以来の伝統的な思想だといえるでしょう。*****************************************************************************<『老耄と哲学』>図書館で『老耄と哲学』という本を、手にしたのです。梅原猛さんといえば、哲学者そのものであり言ってることも難しそうではあるが・・・読んでみるか。【老耄と哲学】梅原猛著、文藝春秋、2015年刊<「BOOK」データベース>より縦横無尽の教養と好奇心、鋭い批判精神に基づき、卒寿の年を迎えてなお果敢に発言し続ける…20年を超える新聞連載「思うままに」シリーズ最新刊。<読む前の大使寸評>梅原猛さんといえば、哲学者そのものであり言ってることも難しそうではあるが・・・読んでみるか。rakuten老耄と哲学『老耄と哲学』4:草木国土悉皆成仏
2019.03.03
コメント(0)
文大統領が登場し「積弊のちゃぶ台返し」に着手して以来、悪化する一方の日韓関係である。(こうなっては大統領任期の終わりを待つしかないのかも)朝日のインタビュー欄で、早稲田大学の浅野教授が「対立する国民感情 歴史認識共有し市民として連携」と説いているので、見てみましょう。(デジタル朝日の『(インタビュー)日韓を「和解学」する』を転記しました)******************************************************************** (インタビュー)日韓を「和解学」する 早稲田大学教授・浅野豊美さん 国交正常化から半世紀以上を経た日本と韓国は、歴史問題を前に関係悪化が止まらない。そこで欧州の紛争解決学を参考にしつつ、東アジアの歴史もふまえた「和解学」で解決の糸口を見いだそうとする動きがアカデミズムの世界で出てきた。日韓両国の「和解」の道とは? 研究を主導する早稲田大学教授の浅野豊美さんに聞いた。Q:日韓両国の政治関係の悪化はかつてない深刻さです。なぜこんな状況になったのでしょうか。A:日韓両国は1965年に国交を正常化しました。これは国家対国家の『制度としての和解』だったと言えます。65年体制などと言われますが、この時は日本による35年におよんだ植民地支配が合法か不法かをあいまいにして、いわば双方の『正義』を共存させました。グローバル化の時代となり、その矛盾が露呈してきた。 それでも80年代まではうまく機能していました。日本政界では超党派的な連携がみられ、日韓間でも自民党の知韓派と韓国の知日派が意思疎通を深め、役割を果たしてきた。だが、今はそういった、政治家も含めた『市民』としての連携自体がやせ細り、分裂してしまっています。大事なのは市民としてのつながりなのに、市民ではなく、多くが『国民』として対峙してしまっているため、現状のような関係になっています。Q:市民ではなく国民として向き合っている、とは?A:だれしも一人の人間ですが、市民と国民の両面を併せ持っています。国家の一員としての国民的アイデンティティーを持つのが国民。自由意思をベースに自ら考え、行動するのが市民。そう言えないでしょうか。日韓で政治家や研究者が市民としてつながっていた時は、相手に対する配慮や共感、思いやりがありました。それが今は、交流すればするほど不信感が強まるような状況です。Q:やせ細ってしまった市民のつながりを復元できますか。A:東アジアでは歴史紛争が頻発しています。それを克服するために、私たちは和解学という学問が必要ではないかと考え、研究を進めています。Q:和解学とは耳慣れません。A:近年は紛争解決学が欧米を中心に提唱されています。中東やアフリカの民族紛争や内戦の後の調停などを対象に、国家間のみならず部族や宗教をまたぐ集団間の紛争解決に力を発揮しています。 東アジアでは民主化が進むにつれ、被害者の救済が社会集団間の新たな紛争となって歴史問題が生まれています。日本から見れば韓国は、被害者という立場を政治的に利用する国、韓国からすると日本は加害者としての責任を受け止められない国と映り、互いの国民感情の対立や摩擦を増幅させるという悪循環。和解学は、地域特有の歴史的な空間を意識し、政府と社会集団が入りまじって、異なる次元を超えて展開される歴史問題に解決の方向性を与えようとするものです。これまでのナショナリズム研究をも加えた東アジア発の紛争解決学と言えます。Q:確かに日韓の被害者、加害者の認識は大きく違います。A:韓国の文在寅政権には、かつての軍事独裁の時代に民主化運動に携わった人が多くいます。東アジアの民主化は和解学から言えば、市民社会が歴史の解釈権を握ったことを意味すると思います。つまり韓国では体制の移行があった。しかし、日本ではたとえ与野党の政権交代はあっても、歴史認識の変化を伴うような体制移行は起きていません。日韓のそんな違いも対立を招いています。 歴史問題で日本政府はつねに最終的かつ不可逆的に解決済みだとか、国際法はこうだ、といった法的な論理を持ち出す。一方、韓国は軍事独裁で救済されなかった植民地支配の被害者を今日の人権規範に照らして救うのだと主張する。お互いに依拠する法的論理と『正義』がずれています。そんな対立を包摂するような大きな論理が必要です。和解学は、薄れてしまった市民社会のつながりを人工的に再生する取り組みです。 ■ ■Q:具体的にはどういったことをするのですか。A:なぜ紛争が起き、エスカレートし、解決が難しくなってしまったのかの認識を共有するためには歴史問題を避けずに堂々と議論できることが回復への第一歩となります。その際、熟議型民主主義ではなく、闘技型民主主義であたるべきだと考えています。Q:闘技型? 闘うのですか。A:暴力ではありません。熟議型民主主義は社会の利益を前提に最後は少数者に妥協を迫りますが、闘技型ではアリーナ(闘技場)という対話の空間を大事にしていくというのが基本的なコンセプトです。でも、闘技しながらもアリーナを壊さない。むしろ議論の果てに自分の変化に気づく。自分たちを動かす意欲や感情などを上手に競争のルールの中に入れるようにして、相手を尊重しつつ相手の論理も交えて説得を試みるのです。Q:対立は深刻です。そんなにうまくいくでしょうか。A:もちろん簡単ではないでしょう。でも、そういう場所がないと紛争は永久に続く。理想としての和解を絶えず追求していくための3原則を唱えています。 一つは正義が複数存在するという前提で、自分の正義を振り回さずに議論を進めること。正義の優越を競わないことです。二つ目は、互いの国民感情を近づけるような説得を議論の軸とすることです。感情を支えている記憶や規範を意識しないことには、そうした説得はできない。最後は互いの尊厳を認め合いつつ議論を続けるプロセスを大事にすること。政治には結論を出す期限が伴いますが、議論を続ける場所も必要です。Q:しかし、日韓ともにかなり過激な思想が存在しています。A:これから日韓の歴史がどうなるのか予想できませんが、もしも認識を共有できる方向に進むのなら、過激な主張は周辺化されざるをえなくなるでしょう。 ■ ■Q:みなさんは現在、どんな活動をしているのですか。A:和解学のプロジェクトは文部科学省の新学術領域研究に選ばれ、日本国内を中心に約50人の研究者が各班に分かれて研究を始めています。例えば、東アジア各地でメディアが流す情報が、いかに戦争や植民地にまつわる国民の記憶を形成してきたか、といったことを解明しようとしています。 日韓とも、相手国の代弁者にすぎないと見なされないような議論が必要です。韓国の高麗大などとも提携しています。来月にはブリュッセルで、旧ユーゴの紛争解決と東アジアの歴史紛争との比較が議論されます。Q:浅野さんのこれまでの研究と和解学は関係していますか。A:私は主に韓国併合や旧満州国などの植民地・帝国の法制度や、日本の敗戦後の賠償問題が連合国全体としてどう位置づけられたかを研究してきました。なぜ市民社会は弱いのか、国家はいかに作られたのかといった問題は、まさに和解学に通じます。 ■ ■Q:日韓は昨年秋に韓国の大法院(最高裁)が日本企業への賠償を命じた徴用工判決で激震が走っています。和解学の見地から、この問題をどう考えますか。A:日韓の市民が納得でき、国民としての政治観念にも矛盾しないようにする法的論理が必要です。双方の一方的な措置、つまり韓国大法院判決に伴う強制執行や日本の対抗措置としての制裁は互いの不信感を高めるだけで、誹謗中傷を含めた『暴力』にさえつながりかねない大変危険な行為です。Q:韓国側が受け入れるかどうかはともかく、日本政府は国際司法裁判所(ICJ)への提訴も辞さない考えを表明しています。A:今の日韓の法的な論理を競わせるのではなく、ICJに高い次元からの仲裁をしてもらうという前提であれば良いと思います。国内の裁判所は法的論理を競い合いますが、どの国の国内法も時代状況に合わせて変わっていく。国際社会は激しく変化しているのに、法を変えるような機関がありません。ICJがその機能を担い、日韓の国民をともに納得させられるなら、と思います。 あるいは紛争当事国の合意のもとに、植民地支配に伴う被害者救済のための人権委員会のような枠組みができないかと考えます。各国の措置から漏れた日本人孤児や在日外国人を含む人権被害者を国家の名誉とか国民の法的論理とは関係のないところで救済できないでしょうか。Q:もうすぐ植民地支配下で最大の独立運動「三・一運動」から100年という節目が来ます。A:日本の中では三・一運動が反日だと決めつけているような言説がありますが、あの時代に東アジアを意識し、朝鮮の国民的独立が大事なのだと高い精神性のもとに日本を説得しようと始まった動きだったと思います。欧州でノルマンディー上陸作戦の記念式典に、かつての敵味方の首脳らが参加するように、日韓の間で近代を記憶し、戦争犠牲者をともに追悼できるきっかけになってくれればと思います。(聞き手 編集委員・箱田哲也) *浅野豊美:1964年生まれ。専門は東アジア国際関係史。著書に「帝国日本の植民地法制」(大平正芳記念賞、吉田茂賞)など。(インタビュー)日韓を「和解学」する浅野豊美2019.2.27この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR10に収めておきます。
2019.02.28
コメント(0)
ブログで取り上げたNHKスペシャルを集めてみました。個人的アーカイブという趣きでんな♪なお、クローズアップ現代も一部ふくめています。NHKスペシャル放送予定********************************************************************【2019年】・NHKスペシャル『ノーベル賞会社員』2019.2.17・NHKスペシャル『アメリカvs中国 “未来の覇権”争いが始まった』2019.1.19【2018年】・クローズアップ現代『難問!どう遺品を整理』2018.10.25・NHKスペシャル『“脳” すごいぞ! ひらめきと記憶の正体』2018.2.04・NHKスペシャル『万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった』2018.1.14【2017年】・あなたの家電が狙われている2017.11.26・追跡 パラダイスペーパー2017.11.23・NHKスペシャル『人体 脂肪と筋肉 』2017.11.05・NHKスペシャル『 巨龍中国 一帯一路』2017.10.14・NHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク 』プロローグ2017.10.03【2016年】・NHKスペシャル『自閉症の君が・・・』2016.12.11・NHKスペシャル『終わらない人 宮崎駿』2016.11.13・NHKスペシャル「縄文 奇跡の大集落」2016.5.01・NHKスペシャル『狙われる日本の機密情報』2016.2.07・NHKスペシャル『世界は秘密と嘘(うそ)に覆われた』2016.1.24【2015年】・NHKスペシャル「縄文 奇跡の大集落」2015.11.8・NHKスペシャル『雇用激変』2015.10.24・NHKスペシャル『戦後70年、豊かさを求めて』2015.6.5・プラントハンター西畠清順2015.4.3・空き家列島の衝撃22015.2.17・空き家列島の衝撃12015.1.19【2014年】・本を読まない人が急増 2014.12.11【2013年】・再発・転移する元凶「がん幹細胞」が見つかった 2013.09.19・NHKスペシャル【メルトダウン】2013.03.10【2012年】・NHKスペシャル「中国文明の謎」32012.12.11?・NHKスペシャル「中国文明の謎」22012.11.11・NHKスペシャル「中国文明の謎」12012.10.14・NHKスペシャル「魚の町は守れるか」2012.2.12
2019.02.25
コメント(0)
先日、NHKスペシャルの平成史スクープドキュメント「ノーベル賞会社員」を観たが・・・興味深い内容であった。“ノーベル賞会社員” 科学技術立国の苦闘2019年2月17日「平成史スクープドキュメント」第5回は、ノーベル賞ラッシュに沸いた科学技術立国・日本の現実を見つめる。民間企業の一エンジニアとしてノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏。実は受賞後メディアの取材を遠ざけていたが、今回16年ぶりに密着取材が実現した。田中氏の知られざる苦闘の歳月から日本が新たなイノベーションを生み出す可能性を探るのは、平成の23年間クローズアップ現代のキャスターを務めた国谷裕子氏。会社によって研究環境を与えられた田中さんが16年ちかくも悩んでいたことは意外に思えたが、期待される者の悩みはアホな一般人には分からないのだろうね。でも、血の一滴でガン検診ができる研究成果を得られたことは、ノーベル賞第2弾にも匹敵する成果であり、やはりすごい人だったようです。田中さんの経験が裏打ちされた言葉であるが「偶然とは強い意思がもたらす必然である」との言葉は並みの会社員には出ない言葉であり、燦然と輝くわけでおます。それから、基礎研究に対する国の予算が削減されている実態も報告されたが・・・技術立国ニッポンの命脈を絶つような財務省、文科省の方針が、いかにもアホ(官僚的)であることか。この記事もNHKスペシャル・アーカイブ(改8)に収めるものとします。
2019.02.25
コメント(0)
久しぶりに(勝手に関西遺産)を紹介します。今回の出し物は、♪やっぱ好きやねん 大阪環状線、全駅違う発車メロディということで・・・通勤客の人なら、たいがい覚えている発車メロディを見てみましょう。2019.2.15(まだまだ勝手に関西遺産)♪やっぱ好きやねん 大阪環状線、全駅違う発車メロディより「♪やっぱ好きやねん」で始まるメドレーは、「♪食べ放題ヨロレイヒ~」とか、「♪飲んで飲んで飲まれて飲んで~」などなど大阪ゆかりの曲を巡って、「♪まわって、まわって、まわって、まわる~」がフィナーレ。JR大阪環状線の発車メロディーは、駅ごとに違うんです。桂雀三郎師匠 2015年3月22日は、世の中おしなべて平穏無事な日曜日だったが、ベテラン落語家の桂雀三郎師匠(69)にとっては忘れられない特別な日だった。 昼下がりになると落ち着かなくなり、JR大阪環状線の鶴橋駅(大阪市天王寺区)に向かっていた。ホームで耳をそばだてながら、午後3時に電車が発車するのを待つ。すると聞こえてきたのだ。「桂雀三郎Withまんぷくブラザーズ」のヒット曲「ヨーデル食べ放題」の歌い出しのメロディーが。 ♪焼き肉バイキングで食べ放題 食べ放題ヨロレイヒ~) 直後に電車のドアが閉まるのを師匠は大感激して見届けた。 「CDが10万枚以上売れたのは2000年のことやからね。ぼちぼち、『本業は歌手です』みたいなギャグは封印しよかと思てたとこやったから、ひさしぶりにドキドキしましたわ」 その日その時刻から、大阪市内をループしている大阪環状線の全19駅のホームで、「ドアが閉まります。ご注意ください」というアナウンスの前に、風変わりな発車メロディーが流れるようになった。普通じゃないのは、駅ごとにモチーフとなる楽曲が違っていることだ(曲目リストをご覧ください)。 それまで注意を促すアナウンスしかなかった大阪環状線で、こんなに凝りまくった発車メロディーを採り入れたのは、13年度から5ヵ年計画で「大阪環状線改造プロジェクト」が始まったためだ。 「アーバンネットワーク」と名づけられた、JR西日本の京阪神路線網の中で、大阪環状線は、19駅の乗降客数が1日116万人にのぼるドル箱路線だが、当時は右肩下がりの危機感に迫られていた。 「車両は古くて駅は汚いというマイナスイメージがまとわりついていたので、全面的なイメージアップに取り組みました。駅ごとに異なる発車メロディーを導入したのは、駅に愛着を感じてもらうためなんです」とJR西日本近畿統括本部の担当者は言う。 選曲には洒落も利いていて、新今宮駅がドボルザークの「新世界より」なのは、通天閣でおなじみの新世界が間近にあるから。逆に森ノ宮駅の「森のくまさん」は、「そのまんまやん!」と突っこまれるの覚悟のチョイスだ。コリアタウンにある鶴橋駅の「ヨーデル食べ放題」は、「ザ・焼き肉の街やから」という駅員の強力なプッシュがあった。 反響は、おおむね好評で、CD化の要望もあったという。 雀三郎師匠も、いまは噺(はなし)の枕で「鶴橋駅で使てもろてます」と語って盛大に受けている。(保科龍朗)【JR大阪環状線全駅の曲目リスト】 大阪駅「やっぱ好きやねん」(やしきたかじん)/天満駅「花火」(aiko)/桜ノ宮駅「さくらんぼ」(大塚愛)/京橋駅「ゆかいな牧場=大阪うまいもんの歌」(米国民謡)/大阪城公園駅「法螺貝」/森ノ宮駅「森のくまさん」(米国民謡)/玉造駅「メリーさんのひつじ」(米国民謡)/鶴橋駅「ヨーデル食べ放題」(桂雀三郎Withまんぷくブラザーズ)/桃谷駅「酒と泪と男と女」(河島英五)/寺田町駅「Life Goes On」(韻シストBAND)/天王寺駅「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)/新今宮駅「ドボルザーク交響曲第9番~新世界より」/今宮駅「大黒様」(文部省唱歌)/芦原橋駅「祭」(芦原橋太鼓集団『怒(いかり)』)/大正駅「てぃんさぐぬ花」(沖縄民謡)/弁天町駅「線路は続くよどこまでも」(米国民謡)/西九条駅「アメリカン・パトロール」(米国行進曲)/野田駅「一週間」(ロシア民謡)/福島駅「夢想花」(円広志)勝手に関西遺産13
2019.02.19
コメント(0)
朝日のコラム「ザ・コラム」にチャイナウォッチャーとも言える吉岡桂子記者の記事を見かけたので紹介します。*****************************************************************************2019年1月17日(ザ・コラム)米中の覇権争い 華為が切り分ける世界より ギャンブラーの聖地、米国のラスベガス。ホテルのカジノのスロットマシンにパンダや竜のイラストがチカチカと踊る。ここで開かれた年明け恒例の家電・情報通信技術の見本市「CES」を訪ねた。今年の主役は人工知能(AI)や次世代通信規格5Gをめぐる技術だ。出展した4500社のうち、1200社が中国企業。中国を狙いうちした米国の関税で経営が悪化した中小企業の一部が参加を取りやめ、前年より2割減った。 おりしも、北京では通商紛争にからんで米中政府が協議していた。貿易黒字や赤字の多寡よりも、技術覇権をめぐる根深い対立である。ビジネスの現場は、どう受け止めているのか。 ◇ まっさきに華為技術(ファーウェイ)を探した。中国当局の影響下にあるとして米国の政権や議会から安全保障上の懸念とされ、一般消費者向けを除いて米国市場から締めだされた。華為は疑いを否定し、5Gからの排除を「スター選手のいないNBA(米プロバスケット協会)」と言い切る。 展示は、パナソニック、韓国サムスン電子、米クアルコム、独ボッシュらにまじってセントラルホールにあった。地味だ。街のふつうの店のように携帯端末など商品を並べている。むしろ、新技術は本拠地深センで発表した。経営幹部が基調講演に登壇した2017、18年とうって変わって、会見もない。中国の有力企業は、日韓と違ってトップの派遣を控えていた。昨年末の華為幹部のカナダでの逮捕を受けて、米国への渡航を避けたとのうわさが飛び交った。 これに対して、若い企業はイキがよい。深センの「柔宇科技」が開発したタブレットの画面を折りたたむとスマホになる端末には、人だかりが絶えない。私もさわるのに20分も並んだ。83年生まれで、米スタンフォード大学の博士号を持つ劉自鴻さんが12年に創業したばかり。スマホにつないで360度画像を撮影できるカメラが話題の企業など、400社以上が深センから来ていた。 ぴかぴかのスタートアップ企業だけではない。「センター」から離れたテント仕立ての会場にも、中国企業がひしめく。電動おもちゃ、美容家電、受付用ロボット、小型電気自動車……。市場の動向にあわせて商品を巧みに変えながら生き残ってきた民間企業群だ。米中対立の中でも「ひとやまあててやろう」とする野心に満ちている。 中国政府は、こうした企業家たちを知的財産権や環境、労働者の人権や消費者保護などについて緩い規制で半ば放任し、巨大市場で競わせながら、成果を国力に還元してきた。梶谷懐・神戸大学教授が指摘する「権威主義的な政府と非民主的な社会と自由闊達な民間経済」が織りなす「共犯関係」を強みに、中国経済は力をつけた。 ◇ その「共犯関係」が、国家を背負って「センター」で踊る華為のような企業には、足かせにもなる時代がやってきた。 国家の命脈を握る通信設備を誰に委ねるか――。この問いには「権威主義的な政府と非民主的な社会」であることは、不信の材料となる。政府の意図に反する行動や問題の告発は難しく、企業は国家の強権から逃れられない。マスコミ嫌いで知られた創業者で経営トップの任正非氏(74)も表で反論を始めたが、華為の宿命ともいえる。 一方で、日本には同盟はすべてを覆う「宿命」かという問いが投げられている。 華為を5Gの市場から「排除」した米国に、日本や豪州は同調した。同じく米国と同盟を結ぶドイツなど欧州の多くは、独自に判断を留保する。新興・途上国は、安くて技術力がある華為を好む国が少なくない。国境を越えて利害が交錯する経済関係を離れて、華為を軸に世界が切り分けられたかのようだ。 米中の覇権争いは長く続く。米国からの「踏み絵」は「華為」で終わらない。当然ながら、日本と米国の国益が重なるときばかりではない。安全保障の範囲も明確とは限らない。事例ごとに理由を示し、借り物ではない言葉で消費者でもある国民に説明する必要がある。膨張する中国と向き合う隣国として、自ら調べる力も高めるべきだ。安保と生活に根ざす経済が交わる領域が、米中の主戦場の一つだからだ。*****************************************************************************朝日新聞の吉岡記者といえば、チャイナウォッチャーとして個人的に注目しているわけで・・・・その論調は骨太で、かつ生産的である。中国経済がらみで好き勝手に吹きまくる経済評論家連中より、よっぽどしっかりしていると思うわけです。ザ・コラム一覧に吉岡記者の中国論が載っています。<吉岡桂子記者の渾身記事24>:2018年10月4日<吉岡桂子記者の渾身記事25>:2019年1月17日
2019.02.15
コメント(0)
大使の新聞スクラップの一つに朝日新聞(終わりと始まり)シリーズがあるのだが・・・そこに載っていた「AI時代の警告」がええでぇ♪ということで、紹介します。(2019-2-07デジタル朝日からコピペしました)2019-2-07(終わりと始まり)AI時代の警告より テクノロジーが社会を変えることに現代人は慣れている。たいていの場合、それをよきこととして受け入れている。しかし社会の動きには勢いがあるから、失敗とわかっても撤退は容易ではない。原子力発電が好例。 * 人工知能(AI)はどうか? コンピューターの演算速度が指数関数的に上がり、記憶装置のコストが指数関数的に下がって、インターネットが普及、人間の知的労働の相当部分を任せられるようになった。産業革命で筋肉労働の多くを動力に譲ったのと同じことが起きようとしている。 楽観的な者は、暇になる分だけ人間は遊んで暮らせるようになると言う。 あるいはシンギュラリティの到来。こんな広告コピーめいた言葉を誰が作ったかと思うが、内容は「(真の意味での)AIが人間の能力を超える地点」ぐらいのこと。人間もずいぶん舐められたものである。 こういう言葉で世間を煽って産業を活性化するのは資本主義においては正しい手法なのかもしれないが、しかし科学はそれを疑わなければならない。 数学者・新井紀子の『AI VS.教科書が読めない子どもたち』はこれについての必読の書だ(ぼくは去年の暮れ、養老孟司さんに教えられてこれを読み、深く納得した)。 新井は2011年に「ロボットは東大に入れるか」(通称「東ロボくん」)というプロジェクトを起こして以来、AIの実力を検証してきた。チェスや囲碁などで人間に勝って威力を示してきたけれど、しかしこれは億単位の数の「過去問」ないし「教師データ」を参照するという、コンピューターが最も得意な分野でのこと。 コンピューター、英語の語源は「計算機」である。四則演算をするだけ。中国人が作った「電脳」という言葉が期待過剰だったのだ。コンピューターからは入れたものしか出てこない。 東ロボくんはなかなかの実力を持っている。2016年のセンター模試で偏差値57・1。東大に固執しなければ入れる大学はいくつもある。つまり今は人間がやっている仕事の多くはAIに置き換わられ得る。しかもこの変化は産業革命の時よりはずっと速く、対応が間に合わないほどの速度で進む。 年間五十万人の大学受験生の八割が東ロボくんに負ける! その実態を新井は、半沢直樹が失職すると表現する。融資の審査などAIまかせで済む。全雇用者の半数が仕事を失う。これは1929年の大恐慌を超える社会崩壊だ。 * では人間にできてAIにできないことは何か? 数学の文章題――「平面上に四角形がある。各頂点からの距離の和が一番小さくなる点を求めよ」。これがスパコンを使っても、宇宙開闢(かいびゃく)から現在に至る時間を費やしても、解けない。対角線の交点という解が出てこない。 新井は、東ロボくんプロジェクトは偏差値65あたりが限界だと言う。いくらコンピューターとメモリーの性能が向上しようが、人間の頭脳との間には越えられない一線がある。 センター入試、英語の「語句整序」問題を解かせるのに10億単語からなる3300万の例文を覚え込ませても、正答率は三分の一。 なぜか? 簡潔に述べれば、人間の問いに対して「AIは意味を理解しているわけでは」ないのだ。それらしい結果を求めて厖大な計算をしているだけなのだ。コンピューターにとって「意味」という言葉は何の意味もない。 ぼくなりに解釈すれば、「意味」の実体は欲望である。生存欲、物欲、性欲。要するに個体として他に抜きん出たいという欲望。進化の推進力、生物の基本原理。それが無生物であるAIにあるわけがない。だから「何のために?」が分からない。 新井紀子は数学的=科学的思考と社会性を結ぶプロデューサーとして優れている。東ロボくんだけでなく、中高生の基礎的読解力を調べる大プロジェクトの結果も説得力に満ちている。多くの学校や企業の協力を得ての累計二万五千人(執筆当時)を相手の調査(RST リーディング・スキル・テスト)は統計として十分に有意だ。 RSTの問題文は文学ではない。「義経は平氏を追いつめ、ついに壇ノ浦でほろぼした」と「平氏は義経に追いつめられ、ついに壇ノ浦でほろぼされた」が同義であるか否か、というレベル。そして、「中学生の半数は、中学校の教科書が読めていない」という結果に至る。同義文判定はAIが苦手とすることだから、そこで負けてしまっては人間の職場はなくなる。 小学生から英語とかプログラミングとか、官僚の思いつきで教育をいじるのは止めた方がいい。教科書文が読めなければ運転免許の取得もむずかしい。人口の半分がAIに負けて失職する。これは深刻な警告である。紙のスクラップとWebデータとで、重複保管になるのだが、ま~いいか。
2019.02.09
コメント(0)
<祝! 大坂なおみ♪>昨日のテレビは1日中、大坂なおみで持ちきりでしたね。(1日中 テレビをつけっぱなしの暇な大使であったが)大坂なおみ、日本女子の生涯賞金トップに!21歳で10億円突破、杉山愛超えより テニスの全豪オープン第13日が26日、オーストラリア・メルボルンで行われ、女子シングルス決勝で世界ランキング4位で第4シードの大坂なおみ(21=日清食品)は、第8シードのペトラ・クビトバ(28=チェコ)と対戦。7―6、5―7、6―4で勝利し、昨年の全米に続く4大大会優勝を飾った。 今大会の優勝賞金410万豪ドル(約3億2390万円)を獲得。これまで杉山愛が持っていた日本女子の歴代最多賞金獲得額を更新することが確実となった。第2セットで、チャンピオンポイントを3回落として取られたときは、正直なおみは負けたと思ったけど・・・第3セットで、気持ちを切り替えた精神力にはおそれいりました。ところで、にわかに、なおみ特需で1日中テレビに出ずっぱりとなった沢松奈生子さんが、大坂の前陣での高い打点を評価していました。高い打点での前陣速攻といえば・・・卓球のみまパンチと同じ戦法やないけ♪この戦法にはスピードと器用さとそれらを支えるパワーも必用であり・・・わりと日本人向きの戦法なんでしょうね。いや、大坂の場合は、日本人離れをしたパワーと評すべきかも♪なおみさんの人と成りがネットに出ていたので見てみましょう。二重国籍の大坂なおみが日本登録で出場する理由とはより 大坂なおみは北海道出身の母・環さんとハイチ出身の父フランソワさんとの間に大阪で生まれ、3歳で米国に移住した。二重国籍で、日本語は話す方が苦手。それでも、日本登録で出場し、「日本人」として初の快挙を成し遂げた。大坂が日本登録で出場する理由とは? ◇ ◇ ◇大坂が準決勝を戦う前、1人の米国女性記者が「彼女は本当は米国人よ」と言ってきた。その記者は、昨年10月のツアー最終戦WTAファイナルの時にも、米国の元世界女王キング夫人に「なぜ大坂を日本に持って行かれたのか」とかみついていた。3~4歳時、生まれた大阪から米国に移住した大坂は、日本の記憶はおぼろげだ。米フロリダ在住で言葉も英語の方が流ちょう。日米の二重国籍なため、米国記者が、米国を選んだ方がいいと思うのも当然かもしれない。ならば、なぜ大坂一家は、なおみをいまだに日本登録にしているのか。13年9月の東レ・パンパシフィック大会の時だった。日本テニス協会の女子代表コーチだった吉川真司氏(40)は、日本登録で出場していた選手をくまなくチェックしていた。予選1回戦で敗れたが、1人の初めて見る選手に、目がくぎ付けになった。それが15歳の大坂だった。「すごい才能だと思った」。すぐに当時の女子代表監督だった村上武資氏、植田実強化本部長に大坂の存在を報告。それ以来、日本に来たときは、味の素NTCで練習できるように取りはからうなど、地道な支援を続けてきた。吉川氏も代表コーチとして大会に派遣され、大坂が出場していれば必ずコンタクトを取り続けた。大坂は米国テニス協会のジュニア大会に多く出場しているが、目立った成績は残していない。米国では完全に埋もれた存在だった。大坂一家は米国協会に支援を申し込んだが、大して取り合ってもらえなかったという。しかし大坂が16年全豪で予選を勝ち上がり本戦で3回戦に進むと、米国協会は強烈なアプローチを仕掛けてきた。日米争奪戦の勃発だった。米国は女子代表監督が自ら乗り出し、多額の支援を約束したと伝えられる。だが大坂の父フランソワさんは、無名の時から娘を支援し続けた日本の恩義を尊重したという。だからこそ、いまでも大坂は日本で登録し続けるのだ。吉川氏は「僕は代表コーチとして手助けしただけ。コーチはバイン氏」と遠慮する。確かに、あくまで大坂の専属コーチはバイン氏だ。彼の手腕が卓越した大坂の才能を開花させたことは間違いない。母環(たまき)さんが、日本の文化や料理を娘に伝え続けなければ、大坂自身が「私のメンタリティーは日本人に近い」と認識することもなかっただろう。ただ、吉川氏がいなければ、大坂が「日本人」として4大大会の優勝杯を掲げることがなかったのも事実だろう。【吉松忠弘】
2019.01.27
コメント(0)
朝日のインタビュー記事、オピニオン記事をスクラップのように集めてみました。ネットでは記事の全文が見えないので、朝日デジタルから全文を転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも?(いい記事なんだから、無料で公表してほしいんだけど)あとで、見渡すとほとんどの記事が2大覇権国からみになっていました。【2019年】・(視界良考)荒木啓子さんと @安藤桃子監督の革命地・高知2019.1.20・(歩きながら考える)収容所の外国人、完了のない支配高橋源一郎2019.1.17・ハッカー集団、背景に中国政府かデジタル朝日2019.1.13・民主主義 生かすためにダニエル・ジブラット2019.1.08【2018年】・日中戦争前夜 絡み合う思惑浅田次郎2018.12.02・吉岡桂子記者の渾身記事24吉岡桂子2018.10.05・中露関係は「離婚なき便宜的結婚」廣瀬陽子2018.9.21・2030年未来予想図ジャック・アタリ2018.8.25・Gゼロの世界の先イアン・ブレマー2018.8.22・(耕論)鏡を見よう、日本エマニュエル・トッド2018.7.18・(ニッポンの宿題)個人データ どこまで岡嶋裕史2018.2.15・(ニッポンの宿題)やはり新築・持ち家?平山洋介2018.2.09・国家で実験ベーシックインカム2018.1.25【2017年】・(耕論)明治維新150年三谷博2017.12.20・(オピニオン)日米同盟の現在地佐藤丙午2017.12.19・(2017衆院選)岐路に立つ平和半藤一利2017.9.29・(ニッポンの宿題)重い住まいの負担川田菜穂子2019.8.8・(ニッポンの宿題)魚、食べ続けるために有路昌彦2017.6.21・取り残された白人たちJ・D・バンス2017.6.06・(ニッポンの宿題)シャッター商店街藻谷浩介2017.5.13・(耕論)緊迫の朝鮮半島平岩俊司2017.4.29・(耕論)史上初、罷免の底流小此木政夫2017.3.11・(ニッポンの宿題)人質司法の闇周防正行2017.2.24・外国人に国をひらく国松考次2017.2.01・(ニッポンの宿題)老朽化するインフラ宮本泰介2017.1.28・トランプ政権への期待オリバー・ストーン2017.1.24・(ニッポンの宿題)米軍基地のこれから佐道明広2017.1.14・(ニッポンの宿題)移民の受入れ方田村太郎2017.1.08・(ニッポンの宿題)老いるニュータウン石橋尋志2017.1.06・(シェアの時代:1)人と人、分かち合い変わる社会2017.1.01【2016年】・東京都は変わるのか上山信一2016.12.21・揺れる中東、100年前の分断クルド人政治学者2016.12.5・大統領を追い込んだ怒り康煕奉2016.11.30・保護者なき日本白井聡2016.11.25・(一語一会)雨宮処凛さん雨宮処凛2016.11.10・(耕論)AIと生きる新保史生2016.11.9・(耕論)変な国アメリカ?矢口祐人2016.11.8・北朝鮮を止めるには古川勝久2016.9.13・IT 30年後の未来2016.9.02・文化大革命50年徐友漁2016.8.31・(憲法を考える)公共のゆくえ桐野夏生2016.4.12・AIは人の脅威か、アルファ碁の圧勝北野宏明2016.4.09・テレビ報道の現場金平キャスター2016.3.30・中東安定への道世界銀行副総裁ハフェズ・ガネム2016.3.26・イランとサウジ田所昌幸・慶大教授2016.3.7・時流に抗う辺見庸2016.1.21・出版流通の壁新井敏記2016.1.20・選べない国で藤田孝典2016.1.04【2015年】・田園回帰1%戦略藤山浩2015.11.17・試されるアジア経済吉野直行2015.11.13・中国の自画像北京大学国際関係学院院長2015.10.30・イスラム過激派の系譜パリ政治学院教授2015.10.20・TPPの底流白石隆2015.10.07・変調する中国経済余永定、茅于軾2015.9.30・書棚から見える中国 書店「万聖書園」劉蘇里2015.9.12・世界経済、不安の正体猪木武徳2015.8.25・米国との間合い百旗頭真2015.8.06・「あの戦争」とは加藤陽子2015.8.05・日本の誇るべき力ジョン・ダワー2015.8.04・変わらぬダムに物申す宮本博司2015.7.04・生活保護のこれから 上山信一2015.6.30・米国、指導力の行方カート・キャンベル2015.6.20・若者の狂気と希望見つめる藤原新也2015.6.11・中ロ蜜月、その内実ロシア高等経済学院教授2015.6.10・台湾で日本軍にいた私辜寛敏2015.6.4・防衛指針改定、米の視点デビッド・シアー2015.4.29・隣国を、見直す徐賢燮2015.4.8・中国「官僚資本主義」 區龍宇2015.4.2・台湾、ひまわりの芽は邱義仁2015.3.21・IS 本質を見極めるロレッタ・ナポリオーニ2015.3.18・中華民族復興パトリック・ルーカス2015.2.25・分断される世界エマニュエル・トッド2015.2.19・中国、権力と文学閻連科2015.2.06・フランス社会の混迷マリーヌ・ルペン2015.1.27・何となく肯定、変わらない日本斎藤環2015.1.10・人類の未来のために川田順造2015.1.04・失われた平等を求めてトマ・ピケティ2015.1.1【2014年】・政治化するナショナリズムワンチョン2014.11.15・米国と世界のこれからフランシス・フクヤマ2014.11.8・日韓「愛国」の圧力千葉大学教授の趙さん2014.10.24・カジノで考える民主主義内田樹2014.10.21・紛争下で命をどう守る緒方貞子2014.9.17・成長戦略の「勘違い」冨山和彦2014.9.9・国家の枠を超えて中国人文学研究者2014.8.27・揺れ動く民主主義英オックスフォード大学教授2014.8.21・中国バブルの虚実梶谷懐2014.7.12・米政権が見る東アジアダニエル・ラッセル米国務次官補2014.7.7・変わるアジア太平洋マイケル・グリーン2014.6.20・新しい資本論トマ・ピケティ教授2014.6.14・「どん底」から見た中国政治・社会学者のユイさん2014.6.12・在宅医療で見えたもの太田秀樹さん2014.6.3・中国、成長の罠香港大学教授2014.02.26・米国から見る安部政権1年在米作家の冷泉彰彦さん2014.02.21・是枝監督の政治的発言2014.02.16・中国の「不動産バブル」大手不動産会社トップ2014.01.28・これからの日米 キャロライン・ケネディ2014.01.23・ 「満州国化」する日本山室信一2014.01.10【2013年】・人間本意の金融論米エール大教授2013.12.06・NRC委員長インタビュー「第一原発の教訓」 2013.12.05・ 国家は常に秘密主義に傾くAP通信社長2013.11.30・中国 国有企業の行方張維迎 2013.11.07・アレックス・カーさんへのインタビュー2013.10.10・安部政権と戦争の記憶キャロル・グラック 2013.8.21・中国と影の銀行陳志武 2013.08.02・技術者が見る原発事故名嘉幸照 2013.07.15・中国、労働者の権利は常凱 2013.06.22・アベノミクスに欠けるものスティグリッツ 2013.06.16・ アジア主義から見た中国中島岳志 2013.03.30・同盟強化、ですか榊原英資 2013.02.17・米の「アジア回帰」外交カート・キャンベル 2013.02.09・春の闘い何のため?ビル・トッテン 2013.01.31・本屋サバイバル松岡正剛 2013.01.23【2012年】・丹羽さん、ご苦労さんでした丹羽宇一郎 2012.12.23・華夷秩序に生きる精華大学院長イエン・学通 2012.12.13・反TPPの核心佐伯啓思 2012.12.02・北京大教授へのインタビュー賀衛方 2012.11.07・ジョン・ダワーさんのインタビュー2012.10.31・ 「原発ゼロ」方針に驚いたアメリカ米戦略国際問題研究所所長 2012.10.26・成功物語の裏面で米支配が…吉見俊哉 2012.09.06・米保守派の対中感アーロン・フリードバーグ 2012.08.29・米中不信の時代が来るのかケネス・リバソール 2012.07.22・ 金曜の夜、官邸前で 小熊英二 2012.07.21・尖閣問題で開いた傷口をどうするか?宮元雄二、他 2012.07.10・書籍販売の巨人:アマゾンジェフ・ベゾス 2012.05.24・チャイナマネーの正体 高西慶 2012.05.18・老いゆく中国 ツアイ・ファン 2012.04.21・政権を出た派遣村村長湯浅誠 2012.04.14・朝ドラ「カーネーションが終わったけど 渡辺あや 2012.04.06・五百旗頭真(防衛大学校長)のオピニョン2012.02.23・橋下さんのルール 橋下徹 2012.02.14・「真珠湾が教えるもの」加藤陽子 2012.02.08・ドルの落日行天豊雄 2012.02.07・日本は「中国化」しつつある與那覇潤 2012.02.03・デジタル最優先の新聞社ジョン・ペイトン 2012.02/17・国債暴落というオオカミが見える伊藤元重 2012.01.23・五百羅漢図に取り組む村上隆2012.01.17・『貧困の装置化』に対抗して内橋克人 2012.01.08・東アジアは壊れるか 白石隆 2012.01.06・ウォール街占拠の仕掛け人カレ・ラースン 2012.01.02
2019.01.21
コメント(0)
稀勢の里が3連敗となり、4日目には後援会が応援に来るという・・・さあどうする、どうなる?2019/1/15稀勢の里3連敗に場内シーン…横綱8連敗は単独最多より 進退をかける注目の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が前頭筆頭の栃煌山(31=春日野)に寄り切られ、初日から3連敗となった。 立ち合い踏み込んだがもろ差しを許し、投げを打たれて体を入れ替えられ土俵を割ると場内は水を打ったような静けさとなった。結び前の一番だったため、そのまま土俵下に残った稀勢の里は、ぼう然とした様子だった。 昨年9月の秋場所から3場所にわたって続く連敗は、ついに歴代横綱の中で、単独最長となる「8」まで伸びてしまった。たしかに、栃煌山戦を見ると体力もないし覇気も感じられない大敗けである・・・こんな大敗はミッドウェー海戦以来ではなかろうか(オイオイ)横綱昇進後に故障をおして出場した姿には日本中から声援がとんだが・・・あのときから(悪魔に魅入られたように)一抹の不安と判断間違いがとりついていたようです。しかしまあ、その時々の事情があったにしろ、これだけ判断ミスを繰り返すとは思いもよらなかったことでしょう。あまりすっきりしないが・・・人生にはこれだけの悲運、不運もあるという戒めとするしかないのかも。********************************************************************16日9時の報道によれば、稀勢の里の現役引退が田子ノ浦親方から表明されました。・・・やはり、そうか。
2019.01.16
コメント(0)
朝日新聞の記事をスクラップしているのだが・・・中国のハッカー集団の記事が聞き捨てならないので、デジタル記事としても残しておこうと思ったのです。・・・というわけで1/13デジタル朝日「時々刻々」から転記したのだが、紙のスクラップが増える一方で、いっこうに断捨離できない大使でおます。 経団連への不正アクセス事件をめぐり、米司法省が訴追した中国人ハッカー集団の関与の疑いが明らかになった。高度なハッキング技術を持った集団は「APT10」と呼ばれ、背景に中国政府の存在が指摘されている。日本も主要な標的になっているとされるが、国内では積極的な情報公開や共有がなされておらず、実態が見えづらい。 経団連は2016年秋の発覚まで2年以上にわたり、ハッカーからの侵入を受けていた。朝日新聞が入手した内部資料や関係者の証言から、サイバー攻撃を受けた経緯が見えてきた。 きっかけは14年7月1日、日中関係の団体から経団連の国際協力本部に届いた1通のメールだった。普段やりとりしている相手だったため、経団連の職員はメールに添付されていた、名簿のファイルを開いた。その瞬間、ウイルスによってパソコンのセキュリティーに穴が開けられた。2日後、新たな遠隔操作型のウイルスが送り込まれた。 メールはハッカーが送りつけたものだった。差出人は実在の職員の名前で、名簿も本物だった。送り元とされていた団体側も事前にハッキングされ、実在の職員のメールサーバーが乗っ取られていたことが後に判明した。 経団連のシステムの中に入ったウイルスは拡散を続け、2ヵ月後には、文書を共有するためのサーバーに潜伏。そこから、中国広東省にある通信事業会社のサーバーと通信を始めた。経団連のサーバーには政府とのやりとりや提言に関する資料などが保存されており、外部に情報を送信していた可能性が考えられる。ただ、情報が盗まれたかどうかは特定できなかった。 経団連のネットワークを監視する会社から「不審な通信がある」と指摘を受けたのは16年10月上旬。関係者によると、複数台あるサーバーのあらゆるファイルにアクセスされた痕跡が見つかったほか、経団連幹部のパソコンが別の種類のウイルスに感染していたことも判明した。このパソコンからは、メールの中身を抽出し、圧縮するプログラムも見つかった。 経団連は翌11月、ウイルス感染の疑いがあるパソコンやサーバーが計23台見つかったと発表。この後、数億円かけてシステムを総入れ替えしたという。当時の状況を知る幹部は「実在する団体と人物を名乗って本物のデータが送られてきたら、疑いなく開いてしまう。攻撃者の周到な準備が感じられる高度なサイバー攻撃だった」と振り返る。 APTとは「Advanced Persistent Threat」(高度な持続的脅威)の略で、日本では企業や組織を狙った「標的型攻撃」と訳される。米セキュリティー企業ファイア・アイが特定の組織に的を絞って攻撃する複数のハッカー集団を分類し、番号をつけて監視しており、「APT10」はその一つだ。ほかにもロシア系や北朝鮮系など、計40以上の集団に分けている。 同社の分析では、APT10は欧米と日本の建設や産業技術、航空宇宙、通信業界や官公庁を主な標的に、サイバー攻撃を仕掛けて機密情報の窃取を繰り返してきたという。ハッカー集団の規模や実態は不明だが、中国の国家安全保障や企業を後押しする情報を狙う動きがみられるのが特徴で、「中国政府の関与が疑われる」と指摘する。 米司法省は昨年12月、APT10のメンバー2人を訴追。「中国の国家安全省と協力して活動している」と指摘し、「国家ぐるみ」のハッキングだと位置づけた。司法省によると2人は差出人を装ったメールを送り、相手のパソコンをウイルスに感染させるなどの方法で、45以上の企業や米航空宇宙局、エネルギー省傘下の研究所などから大量の情報を盗み取ったという。経団連へのサイバー攻撃も同様の手口だった。 米国防総省出身でファイア・アイCEO(最高経営責任者)のケビン・マンディア氏は過去に朝日新聞の単独インタビューに応じた際、国家が背後にあるとみられる中国ハッカー集団の特徴について語っている。 「彼らは目的達成に向けて攻撃を延々と繰り返す。まるで決まり事に従うかのように規則正しい。そして盗み取った膨大な情報を決して表に出さない」 APT10が日本を集中的に攻撃している可能性は以前から指摘されている。 英国の国防関連企業のBAEシステムズ、コンサルティング大手PwCが英国立サイバーセキュリティーセンターと協力して17年4月に公表した報告書ではAPT10について「体系的に、日本の組織を狙っている」と指摘。外務省、国際協力機構、自民党などになりすました外部サーバーの通信先を使った攻撃が行われているなど、具体的な実態を明らかにした。 英語で書かれたリポートには、そこかしこに日本語の表記がある。「日米安保戦略対話提言(未定稿)」「事務連絡案内状」といった、APT10がウイルスを送り込んだメールの添付ファイル名や、「日本の教育機関を狙った『おとり』書類」といった文書ファイルも紹介されている。 調査結果についてBAEシステムズなど3者に取材を求めたが回答はなかった。だが関係者は匿名を条件に「APT10が日本を最も重要な標的とみているのは間違いない。リポート公表後、外部からサイバー攻撃があり、(3者は)表立った動きを控えているのだろう」と語った。 リポートにはAPT10の攻撃を受けたかどうかを確認できる情報が掲載されている。経団連が受けた攻撃も、ウイルスの通信先を記者が照合して特定できた。だが、日本でこうした情報がまとまった形で公開されることはほとんどない。 米司法省の訴追に合わせて、日本の外務省は支持する談話を公表し、菅義偉官房長官も会見で「民間企業、学術機関などを対象とした長期にわたる広範な攻撃を確認しており、断固非難する」と、特定のハッカー集団を名指しする異例の発言をした。ただ、政府などが被害を受けているかどうかについて菅氏は「わが国の能力を明らかにすることになるので、詳細は控える」とした。 陸上自衛隊の初代システム防護隊長でファイア・アイ日本法人CTO(最高技術責任者)の伊東寛氏は、サイバー攻撃を受けた組織が被害を公表すると不祥事とみなされる社会の風潮や、各省庁や業界団体がばらばらに水面下で情報共有の仕組みを作っている現状に課題があると指摘する。「昨年12月に成立した改正サイバーセキュリティ基本法で、政府が旗振り役となり業界横断的な情報共有の仕組みを作ろうとしており、この状況が改善されることを期待したい」(編集委員・須藤龍也)ウーム 日本が集中攻撃を受けてるようで・・・エライコッチャの状況でおます。ハッカー集団、背景に中国政府か2019.1.13
2019.01.16
コメント(0)
元旦の討論番組『元日SPニッポンのジレンマ』を観たのだが、興味深い討論番組であった。与那覇先生も、古市憲寿とともに進行役として登場していた。先生はしきりに「老人代表として」を連発していたが、まだそんな年頃ではないで。・・・ということで、ネットで番組サイトを覗いてみました。2019年1月01日新世代が解く! ニッポンのジレンマより■「元日SP2019 “コスパ社会”を越えて@渋谷」平成とは「コスパ=万能物差し」時代だった?何につけてもコスパは大事、その気分はわかります。でも「コストパフォーマンス至上主義」となると、なんだか世知辛い気がしませんか?その差は一体どこにある?コスパでは測れない価値とは?コスパを越える物差しとは?そして、コスパのさきに幸せはあるのか?舞台は渋谷ヒカリエ。効率的な議論でないことを恐れずに、10人の論客と「10年後のイメージ」を語り尽くします。テレビの討論番組といえば、かつては田原総一郎が進行役をつとめたが・・・今ではその役割を、古市憲寿、与那覇潤のお二人が務めているのか。世代代わりだなあ。・・・ということで、この番組を見ながらメモしました。渋谷の100人インタビューを題材にして、■10年後の自分、■「コスパ」という概念について2018年を振り返る、■AIが仕事を奪う?などが討論された。与那覇先生はお爺さん代表としてコメントしているのが面白い。・ゴールが「幸福」ならば、豊かさの再定義が必要・渋谷の再開発:若者の街、多ニーズに合わせた開発、・日本全員が生活保護になる?・10年後の自分:楽しい事を目指す、悪くすれば路上生活、でも餓死することはない、・個人がデータになって捕捉されている。・みんながコスパを意識するが、それは経営者マインドである・本を本屋で買うよりアマゾンで買うほうがコスパが良い・音楽創造でも、数字やコスパが要求されている。・昭和世代は社畜として働き老後にそなえたが、今の若者は資本蓄積に関するインセンティブがない。・ろうそくは2018年に一番売れた、光と闇という視点が必要・企業にはメジャラブル(測定可能)が必用であるが、短視眼的である・5Gには国家安全保障が絡むので、民衆は関与できない。・GAFAがムチャクチャに強いが、どう戦うべきなのか?・デンマークでは末端の消費者の力が強い・しゃべる技術より、聴くスキルも大事なんでは。・移民と技能実習生:多様な貧困者を排除してはいけない。・オリンピック施設建設には、移民労働者が欠かせない先頃読んだ与那覇先生の近著です。【知性は死なない】與那覇潤著、文藝春秋、2018年刊<「BOOK」データベース>より平成とはなんだったのか!?崩れていった大学、知識人、リベラル…。次の時代に、再生するためのヒントを探してーいま「知」に関心をもつ人へ、必読の一冊!【目次】はじめに 黄昏がおわるとき/平成史関連年表 日本編/第1章 わたしが病気になるまで/第2章 「うつ」に関する10の誤解/第3章 躁うつ病とはどんな病気か/平成史関連年表 海外編/第4章 反知性主義とのつきあいかた/第5章 知性が崩れゆく世界で/第6章 病気からみつけた生きかた/おわりに 知性とは旅のしかた<読む前の大使寸評>自身の「うつ」からカミングアップした著者の近作であるが・・・副題が「平成の欝をこえて」となっているのがええでぇ♪<図書館予約:(7/25予約、12/09受取)>rakuten知性は死なない『知性は死なない』4:言語・身体のマトリクスp145~148『知性は死なない』3:リベラルはなぜ衰退したのかp190~193『知性は死なない』2:「帝国適性」の高い中国p217~221『知性は死なない』1:「平成の欝」p10~13与那覇先生の日本人がこれほど「自信」と「余裕」を失ってしまった歴史的理由が興味深い。
2019.01.03
コメント(0)
朝日のインタビュー記事、オピニオン記事をスクラップのように集めてみました。ネットでは記事の全文が見えないので、朝日デジタルから全文を転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも?(いい記事なんだから、無料で公表してほしいんだけど)あとで、見渡すとほとんどの記事が2大覇権国からみになっていました。【2019年】【2018年】・日中戦争前夜 絡み合う思惑浅田次郎2018.12.02・吉岡桂子記者の渾身記事24吉岡桂子2018.10.05・中露関係は「離婚なき便宜的結婚」廣瀬陽子2018.9.21・2030年未来予想図ジャック・アタリ2018.8.25・Gゼロの世界の先イアン・ブレマー2018.8.22・(耕論)鏡を見よう、日本エマニュエル・トッド2018.7.18・(ニッポンの宿題)個人データ どこまで岡嶋裕史2018.2.15・(ニッポンの宿題)やはり新築・持ち家?平山洋介2018.2.09【2017年】・(耕論)明治維新150年三谷博2017.12.20・(オピニオン)日米同盟の現在地佐藤丙午2017.12.19・(2017衆院選)岐路に立つ平和半藤一利2017.9.29・(ニッポンの宿題)重い住まいの負担川田菜穂子2019.8.8・(ニッポンの宿題)魚、食べ続けるために有路昌彦2017.6.21・取り残された白人たちJ・D・バンス2017.6.06・(ニッポンの宿題)シャッター商店街藻谷浩介2017.5.13・(耕論)緊迫の朝鮮半島平岩俊司2017.4.29・(耕論)史上初、罷免の底流小此木政夫2017.3.11・(ニッポンの宿題)人質司法の闇周防正行2017.2.24・外国人に国をひらく国松考次2017.2.01・(ニッポンの宿題)老朽化するインフラ宮本泰介2017.1.28・トランプ政権への期待オリバー・ストーン2017.1.24・(ニッポンの宿題)米軍基地のこれから佐道明広2017.1.14・(ニッポンの宿題)移民の受入れ方田村太郎2017.1.08・(ニッポンの宿題)老いるニュータウン石橋尋志2017.1.06・(シェアの時代:1)人と人、分かち合い変わる社会2017.1.01【2016年】・東京都は変わるのか上山信一2016.12.21・揺れる中東、100年前の分断クルド人政治学者2016.12.5・大統領を追い込んだ怒り康煕奉2016.11.30・保護者なき日本白井聡2016.11.25・(一語一会)雨宮処凛さん雨宮処凛2016.11.10・(耕論)AIと生きる新保史生2016.11.9・(耕論)変な国アメリカ?矢口祐人2016.11.8・北朝鮮を止めるには古川勝久2016.9.13・IT 30年後の未来2016.9.02・文化大革命50年徐友漁2016.8.31・(憲法を考える)公共のゆくえ桐野夏生2016.4.12・AIは人の脅威か、アルファ碁の圧勝北野宏明2016.4.09・テレビ報道の現場金平キャスター2016.3.30・中東安定への道世界銀行副総裁ハフェズ・ガネム2016.3.26・イランとサウジ田所昌幸・慶大教授2016.3.7・時流に抗う辺見庸2016.1.21・出版流通の壁新井敏記2016.1.20・選べない国で藤田孝典2016.1.04【2015年】・田園回帰1%戦略藤山浩2015.11.17・試されるアジア経済吉野直行2015.11.13・中国の自画像北京大学国際関係学院院長2015.10.30・イスラム過激派の系譜パリ政治学院教授2015.10.20・TPPの底流白石隆2015.10.07・変調する中国経済余永定、茅于軾2015.9.30・書棚から見える中国 書店「万聖書園」劉蘇里2015.9.12・世界経済、不安の正体猪木武徳2015.8.25・米国との間合い百旗頭真2015.8.06・「あの戦争」とは加藤陽子2015.8.05・日本の誇るべき力ジョン・ダワー2015.8.04・変わらぬダムに物申す宮本博司2015.7.04・生活保護のこれから 上山信一2015.6.30・米国、指導力の行方カート・キャンベル2015.6.20・若者の狂気と希望見つめる藤原新也2015.6.11・中ロ蜜月、その内実ロシア高等経済学院教授2015.6.10・台湾で日本軍にいた私辜寛敏2015.6.4・防衛指針改定、米の視点デビッド・シアー2015.4.29・隣国を、見直す徐賢燮2015.4.8・中国「官僚資本主義」 區龍宇2015.4.2・台湾、ひまわりの芽は邱義仁2015.3.21・IS 本質を見極めるロレッタ・ナポリオーニ2015.3.18・中華民族復興パトリック・ルーカス2015.2.25・分断される世界エマニュエル・トッド2015.2.19・中国、権力と文学閻連科2015.2.06・フランス社会の混迷マリーヌ・ルペン2015.1.27・何となく肯定、変わらない日本斎藤環2015.1.10・人類の未来のために川田順造2015.1.04・失われた平等を求めてトマ・ピケティ2015.1.1【2014年】・政治化するナショナリズムワンチョン2014.11.15・米国と世界のこれからフランシス・フクヤマ2014.11.8・日韓「愛国」の圧力千葉大学教授の趙さん2014.10.24・カジノで考える民主主義内田樹2014.10.21・紛争下で命をどう守る緒方貞子2014.9.17・成長戦略の「勘違い」冨山和彦2014.9.9・国家の枠を超えて中国人文学研究者2014.8.27・揺れ動く民主主義英オックスフォード大学教授2014.8.21・中国バブルの虚実梶谷懐2014.7.12・米政権が見る東アジアダニエル・ラッセル米国務次官補2014.7.7・変わるアジア太平洋マイケル・グリーン2014.6.20・新しい資本論トマ・ピケティ教授2014.6.14・「どん底」から見た中国政治・社会学者のユイさん2014.6.12・在宅医療で見えたもの太田秀樹さん2014.6.3・中国、成長の罠香港大学教授2014.02.26・米国から見る安部政権1年在米作家の冷泉彰彦さん2014.02.21・是枝監督の政治的発言2014.02.16・中国の「不動産バブル」大手不動産会社トップ2014.01.28・これからの日米 キャロライン・ケネディ2014.01.23・ 「満州国化」する日本山室信一2014.01.10【2013年】・人間本意の金融論米エール大教授2013.12.06・NRC委員長インタビュー「第一原発の教訓」 2013.12.05・ 国家は常に秘密主義に傾くAP通信社長2013.11.30・中国 国有企業の行方張維迎 2013.11.07・アレックス・カーさんへのインタビュー2013.10.10・安部政権と戦争の記憶キャロル・グラック 2013.8.21・中国と影の銀行陳志武 2013.08.02・技術者が見る原発事故名嘉幸照 2013.07.15・中国、労働者の権利は常凱 2013.06.22・アベノミクスに欠けるものスティグリッツ 2013.06.16・ アジア主義から見た中国中島岳志 2013.03.30・同盟強化、ですか榊原英資 2013.02.17・米の「アジア回帰」外交カート・キャンベル 2013.02.09・春の闘い何のため?ビル・トッテン 2013.01.31・本屋サバイバル松岡正剛 2013.01.23【2012年】・丹羽さん、ご苦労さんでした丹羽宇一郎 2012.12.23・華夷秩序に生きる精華大学院長イエン・学通 2012.12.13・反TPPの核心佐伯啓思 2012.12.02・北京大教授へのインタビュー賀衛方 2012.11.07・ジョン・ダワーさんのインタビュー2012.10.31・ 「原発ゼロ」方針に驚いたアメリカ米戦略国際問題研究所所長 2012.10.26・成功物語の裏面で米支配が…吉見俊哉 2012.09.06・米保守派の対中感アーロン・フリードバーグ 2012.08.29・米中不信の時代が来るのかケネス・リバソール 2012.07.22・ 金曜の夜、官邸前で 小熊英二 2012.07.21・尖閣問題で開いた傷口をどうするか?宮元雄二、他 2012.07.10・書籍販売の巨人:アマゾンジェフ・ベゾス 2012.05.24・チャイナマネーの正体 高西慶 2012.05.18・老いゆく中国 ツアイ・ファン 2012.04.21・政権を出た派遣村村長湯浅誠 2012.04.14・朝ドラ「カーネーションが終わったけど 渡辺あや 2012.04.06・五百旗頭真(防衛大学校長)のオピニョン2012.02.23・橋下さんのルール 橋下徹 2012.02.14・「真珠湾が教えるもの」加藤陽子 2012.02.08・ドルの落日行天豊雄 2012.02.07・日本は「中国化」しつつある與那覇潤 2012.02.03・デジタル最優先の新聞社ジョン・ペイトン 2012.02/17・国債暴落というオオカミが見える伊藤元重 2012.01.23・五百羅漢図に取り組む村上隆2012.01.17・『貧困の装置化』に対抗して内橋克人 2012.01.08・東アジアは壊れるか 白石隆 2012.01.06・ウォール街占拠の仕掛け人カレ・ラースン 2012.01.02
2018.12.31
コメント(0)
ブログを綴りながら、隅っこにワンセグ縮小画面をセットして、NHKを観るとはなく付けっ放しにしているわけです。だけど、最近のNHKは東京色を強めている(ように見える)ので、関西在住の大使はややカンに障るわけです。…で、NHK放送が目障りになってくると、地方基地のMBSテレビに切り替えて気分をなだめるわけでおます。MBS「ちちんぷいぷい」の企画一覧より<昨夜のシンデレラ> 2009年3月、JR西日本がダイヤ改正で終電(最終電車)を早めた事を受けて、「☆印」で歓楽街の様子は変わるのかが話題になった。終電の12時前後に駅に駆け込む様子をシンデレラになぞらえ、久しぶりに大阪の夜を取材する事になった。4月改編から「昨夜のシンデレラ」に改題したうえで、15:55からレギュラー放送を復活。関西ローカル放送に戻った2010年4月以降も、16時前後で放送を続けている。【大使寸評】大阪の中小企業の悲哀と矜持が垣間見えるし、おもろい受け答えがええでぇ♪<西靖アナ、年齢41歳ですが結婚せずに独身です>MBS西靖アナ、2度目世界一周の旅!年齢41歳ですが結婚せずに独身ですより【大使寸評】西靖アナは「結婚できない」という身を切るような自虐が売りであるが、周りの皆さんが気にしている(笑)また、西靖アナは右の皆さんから嫌われているようだが・・・・・大使ににとっては、逆にそのあたりが評価できるわけです。ところで、NHKの感想であるが・・・東京色が強い、ターゲットは若者なのか(老人の思い過ごしか)、お笑い番組が総じて騒がしい等々で・・・ウッチャンなんかが出てくると、即、eテレ、その他に切り替えるのでおます。それから、関西出身だけど裏切者のようなサンマも許せないので、これまた他チャンネルに切り替えるのです。
2018.12.29
コメント(0)
ネットをめぐっていて、『大東建託の内幕』の出版を中止せよという記事があり気になったのです。MyNewsJapanの調査報道と企業の言論弾圧との戦いのようだが・・・このあと調べてみます。なんでこの記事が気になるのか? 買うにしろ、借りるにしろ、貸すにしろ、住宅は高額商品の最たるもので、庶民の夢でもあるのだが・・・新築に短絡するニッポンの住宅政策が気になるわけです。2018/12/25『大東建託の内幕』の出版を中止せよ―大東建託から版元に内容証明届くより MyNewsJapan連載を書籍化した『大東建託の内幕“アパート経営商法”の闇を追う』(同時代社)は、ことし6月の出版後1週間で初刷1,500部を完売、以後増刷を重ね、12月現在で1万4,000部が全国に流通し、この種のノンフィクション本としては大反響となった。 筆者の元には、同書を読んだ顧客や社員・元社員らからの悲鳴が連日届いており、新聞・テレビが長年黙殺してきた「大東建託商法」の問題の深刻さを雄弁に物語っている。こうした状況のなか、2018年12月12日、大東建託から出版元・同時代社に内容証明郵便が送りつけられた。出版は名誉毀損であるから、中止・回収し、今後発行しない旨の誓約書を出せ――というのだ。 同書を契機とした批判の高まりを無視できなくなり、名誉毀損訴訟による“恫喝”を企てているものと思われる。むろん筆者も出版社も「出版中止要請」に応じるつもりはない。不当な言論弾圧には断固として戦う決意を互いに確認し、「有事」を想定して警戒態勢に入った。【大東建託の内幕】三宅勝久著、同時代社、2018年刊<「BOOK」データベース>より“一括借り上げ(サブリース)で資産運用”の甘い罠。「こんなはずではなかった」と苦しむアパート経営者たち。契約を取るために犯罪に手を染める社員、パワハラが横行する職場、成果主義に追い詰められて自殺事件が続発ー。「いい部屋ネット」の大東建託で何が起こっているのか!<大使寸評>買うにしろ、借りるにしろ、貸すにしろ、住宅は高額商品の最たるもので、庶民の夢でもあるのだが・・・新築に短絡するニッポンの住宅政策が気になるわけです。rakuten大東建託の内幕新築に短絡する住宅ということで・・・以前とりあげた『居住の貧困』という記事をまるまる復刻します。*****************************************************************************<『居住の貧困』>我が家は、阪神・淡路大震災の後に、一戸建てのプレハブ住宅を建てたわけですが・・・たぶん、この震災がなければ木質系の在来工法を選んでいただろうと思うわけです。確かに地震に対してはプレハブ住宅が一番強かったが、プレハブ住宅が好きというのでもなかったのです。このように個人的な好き嫌いがあるのだが、この本でプレハブ住宅がどのように書かれているか、興味深いのです。【居住の貧困】本間義人著、岩波書店、2009年刊<「BOOK」データベース>より職を失い、住まいを奪われる人たち、団地で進む高齢化と孤独死、規制緩和がもたらしたいびつな住環境…。人権としての居住権が軽視され、住まいの安心・安全が脅かされている日本社会の現状を詳細に報告。社会政策から経済対策へと変容した、戦後の住宅政策の軌跡を検証し、諸外国の実態をもとに、具体的な打開策を提言する。【目次】第1章 住む場がなくなる/第2章 いびつな居住と住環境/第3章 居住実態の変容、そして固定化へ/第4章 「公」から市場へ-住宅政策の変容/第5章 諸外国に見る住宅政策/第6章 「居住の貧困」を克服できるか<読む前の大使寸評>我が家は、阪神・淡路大震災の後に、一戸建てのプレハブ住宅を建てたわけですが・・・たぶん、この震災がなければ木質系の在来工法を選んでいただろうと思うわけです。この本で、プレハブ住宅がどのように書かれているか、興味深いのです。rakuten居住の貧困プレハブ住宅と分譲マンションの出現で、街の景観が変わったほどですが、そのあたりを見てみましょうp137~142<プレハブ住宅の発展> 住宅産業としてのプレハブメーカーが登場するのも、1950年代から60年代にかけてです。たとえば、もっとも古い積水化学は47年設立ですが、ナショナル住宅産業が50年、ミサワホームが51年、大和ハウスが55年、積水ハウスが60年といった具合です。そして87年には日経・住宅供給ランキング130社の上位5位までを、これらプレハブメーカーが占めるまでに成長することになります。これは国の産業政策としてのプレハブメーカー育成策によるところが大きかったのです。 プレハブ住宅は当初、組み立て住宅と呼ばれていました。価格は安いが粗悪で、物置などに使われることが多かったのです。ところが、東京オリンピック直前の63年、住宅建築の需要に対応する名目で、建設省が省内に「建築生産近代化促進協議会」を設けてプレハブ住宅促進を打ち出し、「住宅建設工業化の基本構想」をまとめました。それ以降、プレハブ住宅が一挙に拡大することになります。 さらに71年、建設省と通産省が80年までに一戸建てプレハブ住宅を、75年当時の約半分の価格(床面積100平方メートルで500万円台)で供給しようという「ハウス55」なるプロジェクトをスタートさせます。それによって、供給拡大に一層拍車がかかることになり、従来工法による住宅供給を超えることになったのです。つまり、国の後押しがあって、プレハブ住宅の需要が増え、メーカーはその基盤を確かなものにしていったのです。 しかし、プレハブ住宅は戸建てが中心でしたから、都市空間を著しく改変するまでには至りませんでした。その都市空間が一変するのはマンションという集合住宅供給が住宅産業の主力になるに至ってからのことです。<大型分譲集合住宅の建築ラッシュ> 戦後の東京で分譲集合住宅が初めて登場したのは1956年のことです。日本信販の子会社であった信販コーポラスが新宿区四谷に建てた四谷コーポラスが最初です。この集合住宅は高級志向で、当時としては珍しいセントラルヒーティングを備えており、500万~800万円台で分譲されました。同年には東急代官山アパートが賃貸集合住宅として誕生しています。 こうした富裕層を対象としたものが大衆化するのは、秀和が60年に青山レジデンスという集合住宅を売り出してからだといわれています。これらはいずれも都心につくられましたが、60年代末になると、郊外に大型の団地まで現われることになります。田んぼの中に公団や公社の団地と同様な街が出現したわけです。 ただし、このあたりまでは民間集合住宅の開発によって、周辺住民が異議を唱えるほどに空間が改変されてしまうことはなかったように思われます。また住宅産業も今日ほど巨大化していませんでした。それが一変するのは中曽根内閣によって、民間による都市再開発が進められて以来のことではないかと思われます。 中曽根内閣による民間資本への支援策は、都市・建築規制の緩和と国公有地の払い下げの二つを中心に進められました。うち規制緩和は、83年4月に経済対策閣僚会議で「今後の経済対策について―規制の緩和策による民間投資の推進策」が決定されたのを受けて、一気に走りだします。政府に民間活力検討委員会が設けられ、その報告に基き、建設省がまとめた「規制緩和等による都市開発の促進方策」は、それまでの都市計画法や建築基準法が行ってきた規制策を大幅に緩和して、民間資本が都市開発に参入しやすくしようとするもので、きわめて多岐にわたるものでした。 それは例えば、都市計画を見直し、大都市中心部の住宅地を中高層住宅に代える、特定街区での容積率の割り増しを行い、複数街区では未利用容積の移転を可能にする、住宅を用途とした建築物に大幅な容積率の割り増しを認める市街地住宅総合制度を積極的に活用する、などといった内容でした。これにより民間資本は市街地に大型集合住宅を開発しやすくなったのです。 東京では、隅田川の景観を一変させた超高層の集合住宅が出現することになり、それに続き各所でいわゆるタワーマンションと称される巨大集合住宅の建設ラッシュが起こります。そして住民との間でさまざまな紛争を起こすことにもなったのです。こうした施策が「中曽根アーバンルネッサンス」といわれたのは前述している通りです。 <住宅産業の繁栄、住宅政策の貧困> 国公有地の払い下げについては、中曽根首相の指示で政府に国公有地等有効活用推進本部が設けられ、まず人口10万人以上の都市にある国有地163件(65ヘクタール)などを払い下げることが決定されます。これを受けて大蔵省理財局長の私的諮問機関、公務員宿舎問題研究会が、わずか1ヵ月の検討で、そのモデル第一号として東京都新宿区の西戸山団地(30ヘクタール)の払い下げを決めたのを皮切りに、各地で旧国鉄用地を含め、国公有地の払い下げが行われることとなります。 この西戸山団地の払い下げを1983年、随意契約で受けたのは、三菱地所を発起人総代とする出資者募集に応じた不動産業56社により設立された西戸山開発会社です。この会社の中心になったのは中曽根首相に個人献金をしていた人物でした。同社はそれまで中層400戸の団地を中高層670戸の集合住宅団地に再開発しました。(中略) いずれにしても、この中曽根民活はそれまでの都市における生活空間を経済空間に変え、これをきっかけに大手住宅産業とデベロッパーがますます巨大化していくことになります。 こうした直接、住宅政策によらない、むしろ産業政策として進められた住宅供給が中高所得層の住宅取得・改善に果たした役割は無視できないところですが、だとしたら住宅政策は、そうした住宅供給に応じられない低所得層を対象とした施策をより重点的に進めるべき公的責任があったはずです。 その公的責任が縮小するばかりなので、逆に住宅産業による住宅供給が隆盛の一途をたどり、低所得層まで無理をして住宅取得するケースが増えるのです。 その結果、ローン地獄や破産状態に追い込まれる人たちが増え、また居住貧困、居住格差が拡大し、さらには街全体が壊れていっているのは、どう見てもいびつとしかいいようがありません。・・・ということで、(ニッポンの宿題)やはり新築・持ち家?なんかを読み返してみようと思うのです。
2018.12.29
コメント(0)
日ごろブログをつづるうえで困ることといえば・・・難読漢字をどう読むか、どう書くか(打つか)というこということである。大使が往生こいた経験から、次のような解決策を得たので伝授いたします。・難読漢字の周りの短文を、そのままネット検索にかける・ネットの漢字辞書でヘン、ツクリを手がかりにして探す・中国の省名、地名は事前に一覧表を作っておく・中国の簡体字は日本語設定のパソコンの場合は書けない・台湾の繁体字は日本語設定のパソコンでも書けるようです(このあと試してみます)*****************************************************例えば、さんずいの漢字の読みかたがネットで330件も載っているので、ここを探せば全てのさんずいの漢字が読める(したがって打てる)わけです。「(さんずい)」が部首の漢字(330件)より氾 音読み ハン 訓読み ひろがる汀 音読み テイ 訓読み なぎさ その他 なぎさ,みぎわ汁 音読み ジュウ,シュウ 訓読み しる,つゆ その他 つら汎 音読み ハン,ホン 訓読み ひろい汐 音読み セキ 訓読み しお,うしお その他 きよ,しお汕 音読み サン(以降省略)*****************************************************中国の地名関連の記事を書く時に、書けない(打てない)漢字にでくわすことがあるので、以下のようにメモしておくと便利である。(特に浙江省など)<中国の地方行政区分>安徽省福建省甘粛省広東省の回りの貴州省海南省河北省黒竜江省河南省湖北省湖南省江蘇省江西省吉林省遼寧省青海省陝西省山東省山西省四川省雲南省浙江省台湾省 (実効支配していない)
2018.12.19
コメント(0)
日韓関係は政府間では最悪であるが・・・朝鮮日報の報道によれば、ソウルの繁華街では日式の専門店が活況を呈しているようです。大使が出張で訪れていた頃は、すし店やマグロ店などが見られるくらいだったが、今では様変わりしているようです。2018/12/12「進撃の和食」ソウルの繁華街はまるで日本より■今一番注目の街は「ジャパンタウン」 2006年に5272店だった「和食専門店」の数は、今年8月に1万7290店と3倍以上に増えた。ソウル市内の弘大入口駅・江南駅・ソウル大入口駅など若者が多く訪れる街には、日本風の建物に日本語の看板をつけた飲食店が並んでいる。20-30代の若者や外国人観光客の間で、弘大入口は「韓国のジャパンタウン」として有名だ。弘大入口、つまり弘益大学前の通りには和食専門店や日本風のスイーツ店が軒を連ねている。 旅行レビューのアプリで「弘大」と検索すると、「店員が日本の伝統的な服を着て、日本語であいさつする店」「日本の食文化を正しく楽しめる店」など、外国人が書き残したレビューが多数ヒットする。 和食専門店の開業は、最近の30-40代脱サラ組が最も希望する起業アイテムだ。11月15日午後、ソウル市江南区にある和食を専門に教える料理学校に行ってみると、受講生25人が日本料理や日本の製菓・製パン技術を教わっていた。情報技術(IT)企業で18年間働き、会社を今年辞めたソン・ウヒョンさん(45)は「手に職もないのに会社を辞めたら、結局は競争が飽和状態のチキン店を出すしかなくなるのではないかと心配になった。日本のドラマ『深夜食堂』のように得意メニューに絞り、職人魂を持ってやれば、少なくともつぶれることはないだろうと思って日本料理を教わっている」と語った。 受講生のほとんどは大企業・製薬会社・IT企業などを辞めた人々だ。この料理学校の理事長を務める中村哲氏は「受講生の70%以上が開業を準備中の30-40代。9年前に料理学校を始めたころは、韓国の和食店と言えば刺身店やすし屋だけだったが、今では日本の家庭料理からスイーツ専門店まで多種多様だ」と言った。■韓国人の舌をとりこにした「和食」 「和食」は韓国人の舌をとりこにした。仁川市内で暮らしているキム・ミンギョンさん(38)は一日3食のほとんどが日本の家庭料理だ。キムさんは「簡単に1人で食べられる物を探していて、好きになった。香辛料をたくさん使わずに素材の味を生かしているので、口によく合う」と言った。 ソウル大学農経済社会学部のムン・ジョンフン教授(フードビジネス・ラボ所長)は「1-2人と少人数で食べる食文化が韓国でも定着してきたことから、ひっそりと『1人飯』をするのが好きな日本の家庭料理が人気を集めているのだろう。中華料理屋や洋食が『たらふく食べた』という感じだとすると、和食は『あっさり食べた』という印象なので、昼食などで油っ気の多い物を避けて小食にとどめる最近のトレンドにも合っている」と分析している。ウーム 職人魂を持って臨むのか・・・職人魂とか老舗というコンセプトは韓国に最も欠けていたものだが、今では評価されているようで、それだけ生活が苦しくなっているのかも。
2018.12.13
コメント(0)
大阪商業大学准教授の原田禎夫さんがオピニオン欄で「大量消費 リサイクル限界」と説いているので、紹介します。(原田さんのオピニオンを11/17デジタル朝日から転記しました)環境への懸念から、ストローの廃止運動が盛り上がっています。海洋プラスチックごみ問題の「悪役」とされていますが、これ以外にも、ペットボトルやレジ袋などが海洋汚染に影響しているとされます。身の回りにあふれるプラごみ削減の解決策を考えます。■大量消費、リサイクル限界 原田禎夫さん(大阪商業大学准教授) 使い捨てストローをやめる店が広がり、プラスチックごみへの関心が高まっています。米国の海洋研究家チャールズ・モアらの著書「プラスチックスープの海」などを機に、海にたまったプラごみが世界的に注目されるようになったことが大きいと思います。 プラスチックは20世紀後半に広まり、容器や医療品から飛行機にまで使われるようになりました。安く大量に作れ、軽くて丈夫という利点のためです。身近な紙おむつの吸水ポリマーやマスクなどに使われる不織布もその一種です。 * しかしごみになるととても厄介です。木や紙と違い自然界で分解しないため、海に流れ込むと蓄積し、海流に乗って遠くの沿岸や海にも拡散します。やがて波や紫外線によって砕かれ、細かな破片や粒子「マイクロプラスチック」となって海中に残り続けるのです。 粒子になると表面積が増え、有害物質が吸着しやすくなる。魚や海鳥、そして人の便からもこの粒子が見つかりました。人の健康被害につながるかどうかはまだ判明していませんが、リスク評価ができないこと自体がリスクです。プラごみが漁業や観光などの経済活動に与える影響も重大です。 国連の調査などによると、海中のプラごみの7~8割が河川から流れたものでした。私は京都の保津峡をきれいにする活動をしていますが、川のごみではペットボトルが一番多く、食品容器、生活用品、ポリ袋が続いていました。 こうした「散乱ごみ」にはポイ捨ても含まれますが、そんなことをする人はごく一部で、街のごみ箱などから飛ばされてきたものも多いと思います。プラスチックの消費量が多ければ、散乱ごみも出てしまう。「全国川ごみネットワーク」は、ペットボトルだけで少なくとも4千万本が国内の河川に散乱していると推計しています。 日本には、ペットボトルやプラ容器を資源ごみとして回収し、再生利用するよう定める容器包装リサイクル法があり、ペットボトルのリサイクル率は84%と公表されています。実はその4割以上が主に中国で処理されていました。 しかし汚れたごみが多く、中国でも排出量が増えたことから、昨年末に中国は受け入れを停止。いま日本の港などには処理できないプラごみが積み上がっています。 * 便利さから日本は使用量を減らすよりリサイクルを重視してきました。しかし大量の散乱ごみやリサイクル可能量を考えると、脱プラスチックへシフトすべきです。国内ではプラごみを焼却した熱を工場で使う「サーマルリサイクル」が処理方法の6割近くを占めます。しかしこれは和製英語でそもそもリサイクルでもなく、環境に負荷はかかるが再生利用しきれないごみの焼却熱を利用しようという緊急避難措置です。それほどプラごみがあふれているのです。 脱プラスチックのためには、消費者のモラルや意欲に頼る現在の回収制度では不十分です。レジ袋の有料化やデポジット制など、消費者や事業者にインセンティブとなる制度を設けるべきだと思います。そして、必需品ではない使い捨てプラスチック品の利用は減らしていくことが近道でしょう。 ウミガメの鼻に刺さった痛々しい画像から、ストロー廃止運動は今年に入り広がりました。ただ国際的な調査では、ストローは以前から海岸で回収されたごみの上位の常連でした。日本でも容器リサイクル法の対象外であり、汚れが残ったり散乱しやすかったりなどリサイクルが難しい製品です。それに多くの場合、無くても支障はなく、すぐに使用をやめられるものなのです。「使い捨て文化の象徴」として、運動のシンボルになるのには理由があると思います。(聞き手・藤田さつき) ◇原田禎夫:1975年生まれ。専門は公共経済学。NPO法人プロジェクト保津川の代表理事として循環型のまちづくり活動も。 先日読んだ『海を脅かすプラスチック(ナショナルジオグラフィック2018年6月号)』です。(ニッポンの宿題)あふれるプラごみ原田禎夫2018.11.17この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR2に収めておきます。
2018.11.19
コメント(0)
大使はSNSとか「インスタ映え」などと聞くと、まず邪悪なモノという感じがするわけで・・・かなり流行から取り残されているわけです。が・・・でも、このたびフェイスブックから大量のアカウント情報が流出したと聞き、それ見たことかと思ったのです。2018/10/01Facebookの脆弱性にサイバー攻撃、約5000万ユーザーに影響より Facebookは、脆弱性が悪用され、アカウントのアクセストークンを不正に取得される攻撃を受けたことを明らかにした。約5000万のアカウントに影響があり、予防措置の対象となったアカウントとあわせ、あわせて約9000万件におよぶアカウントをリセットしたという。 同社によれば、脆弱性が存在していたのは、表示状態を確認するためプレビューを提供する「特定のユーザーへのプレビュー(View As)」機能。 Facebookにログインするためのアクセストークンを第三者が不正に入手し、アカウントを乗っ取ることが可能な状態で、同社では9月25日昼ごろに脆弱性が悪用されていることを発見したという。 同社では、2017年の7月に動画のアップロード機能を変更したが、その際の変更が今回の脆弱性に影響を及ぼしたとしている。ザッカーバーグの開き直りは、こうです。2018/10/02「裸の王様化」したザッカーバーグはユーザーの安心のために何をすべきかより Facebookは同日、ユーザーのプロファイルが、他の人に対してどう表示されているかという機能で、コードの欠陥をついてハッカーが侵入したと、ブログで発表した。実際の被害は現在不明だが、アカウントを乗っ取ることはできたとしている。このためFacebookは、影響を受けたとされるアカウントをリセットした。筆者をはじめ、数千万人が再ログインをしなければならなかった理由だ。 「欠陥なんてあっていいのかって思うけど、Facebookはいいと思ってるんだよ」過去に個人情報漏洩の報道後、「#DeleteFacebook」の呼びかけに応じてアカウントを閉鎖した友人は、こう言った。 アップルストアに勤める友人は、「アップルなら絶対にそんなことしない。ユーザーがきちんと対応するまで警告を続ける」と言う。もっとも、フェイスブックやインスタグラムの危険性は2017年時点から警告されていました。2017/11/01フェイスブックやインスタグラムを含むSNSが、「人間の心理学的な脆弱性を悪用する」意図で設計され、「いかに子どもの脳を破壊しているか」が元CEOより暴露されるより 私の子どもは小学6年生で、うちには共用の Mac パソコンがあるのですけれど、彼はよく YouTube を見たりしています。そういうのは放置しているのですけれど、YouTube でも「コメントしてはダメ」としています。 SNSは論外で、「もう少し大きくなるまでは絶対に関わってはいけないもの」ということにしています。代表的なものだと 今回のフェイスブックとかインスタグラムとか LINE とかですかね。そういうものは「良い悪いは考えなくていいので関わらないことにしましょう」ということにしています。 もちろん、自主的に判断する年齢になれば、あとは本人の責任ですが、最近のスマートフォンなどは最初からアプリがインストールされていたりいます。彼は今は小学生ですからスマートフォンは関係ないにしても、「スマホは中学生になっても高校生になっても買いません」とも言ってあります。連絡用には親など登録した相手だけに連絡できる「見守りフォン」みたいなのは持っています。 さらに、大使は2012年にGoogle+ はやばいかも?と「Google+」の危険性を予感していました。今となっては、GoogleのChromeが大使にとって最後の頼みのツールなので・・・頼みますよ、Googleさん。中国の情報市場に再度参入するGoogleであるが・・・「邪悪になるな」が社是であったグーグルは・・・・今は昔の感があるのです。…ということで、用心深い大使はミクシイ、フェイスブック、Google+、インスタ映えなどというモノには近づかないよう心がけてきたのです(笑)。
2018.10.29
コメント(0)
図書館で『偉いぞ!立ち食いそば』という本を、手にしたのです。そば文化の伝統が生きている地域といえばトウキョウである。・・・そのあたりを心して、ショージ君の立ち食いそば論を読んでみたい。【偉いぞ!立ち食いそば】東海林さだお著、文藝春秋、2006年刊<「BOOK」データベース>よりかけそば、チリチリ春菊天、つゆ浸しコロッケそば、サクサクジュクジュク玉ねぎ天…う、美味い!立ち食いそば@サポーターズのショージ君が挑んだ新境地。<読む前の大使寸評>そば文化の伝統が生きている地域といえばトウキョウである。・・・そのあたりを心して、ショージ君の立ち食いそば論を読んでみたい。amazon偉いぞ!立ち食いそば立ち食いそばから話題を変えて・・・黒川伊保子さんとの脳科学的かつ言語学的対談を、見てみましょう。p247~251<ことばの不思議を尋ねてみたら>■怪獣の名前がガギグゲゴなわけ東海林:黒川さんがお書きになった『怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか』(新潮新書)を半年ぐらい前に読んだらすごい面白くて、ずーっとお話ししたいと思っていたんです。黒川:ありがとうございます。東海林:(付箋で膨らんだ本を取り出して)今日ね、ぼく、すごい勉強してきた(笑)。黒川:わあ、そんなに分厚くなるまで。嬉しい! 恐縮です。東海林:この本は、ひと言でまとめると「ことばの音の響きには潜在的に人の心を動かす意味がある」ということを物理学、人口知能、脳科学、言語学の知識を駆使して説明しているんですね。黒川:はい。ことばには、私の造語で「サブリミナル・インプレッション」、潜在的な印象があると。東海林:たとえば?黒川:簡単に言うと、サシスセソとかシャシュショのSの音には爽やかさを感じ、T音に確かさを感じ、H音で解放され、N音で鼓舞されるんですよ。東海林:それは認知科学で「クオリア」と呼ばれているものに当るんですね。黒川:本にはそう書いたんですけど、あとになって「クオリア」ということばを使って、かえってわかりにくくしちゃったかなあと反省しているんです。東海林:どの辺を反省しているんですか。黒川:「クオリア」というのは、すごく大雑把に言うと、ピアノのミの音を聴いたときとか、レモンの匂いを嗅いだときみたいに、聴覚や嗅覚の五感から脳に浮かぶイメージのことなんですね。だから、ことばの音を聴いたときのイメージを書いたと思われちゃったけど、違うんですよ。東海林:そうすると、どういうことになるのかな?黒川:私が着目しているのは、音を出すときに口の中で起こる物理効果がもたらすイメージ。だから、音じゃなくて、喉や唇の力加減、息の流れ、唾の混じり方・飛び方なんかの物理効果が中心なんです。東海林:Kの音を例に挙げると…。黒川:私たちはKの音を出すとき、喉の奥をクッと締めて、息を喉にぶつけてブレイクスルーしているんですね。そうすると、息が最速で抜けて唾と混じらないから、ことばの中で一番乾いていると同時にスピード感も感じる。東海林:(確かめるように)カキクケコ…うん、そうですね。黒川:さらに、締めた筋肉を戻すとき、喉の奥が丸くなるんですよ。だから、K音だけで、硬さ、スピード感、ドライ感、丸さの五つのイメージを小脳が受け取るんです。大脳系の処理よりずっと早く。東海林:この本は小脳論ですよね。黒川:はい、そうなんです。だから、「クオリア」みたいな既存の理論を持ち出すべきじゃなかったかもしれません。ちょっと自画自賛になっちゃうけど、考えたことがあまりも斬新だったんですね。東海林:そうですよ。ことばの音にはもともと意味があるなんて、今まで誰も気がつかなかったでしょ。黒川:あまり自然で誰も意識してなかったんですね。東海林:結論から言っちゃうと、黒川さんの理論では、何で男の子に人気がある怪獣とかの名前にはゴジラとかガメラとかガンダムとか濁音が入ってるんですか。黒川:ブレイクスルー系のK、T、Pは緊張と放出の動作で出す音で、男性が整理的に持っている意識の質を刺激するんですよ。で、B、G、D、Zの濁音四音は、それにさらに振動雑音を加えて出す音なんです。だから、さらなる力強さと膨張感、飛び散る賑やかさが加わる。東海林:うんうん。黒川:つまり、射〇とか放尿の快感があるから、男の子は濁音が好きなんです。それで、怪獣の名前はみんな「ガギグゲゴ」になってるんですね。東海林:ああー、わかりやすい。本にはそこまでハッキリ書いてなかったじゃない(笑)。黒川:ちょっと科学っぽく聞こえるように、難しく言おうかなと思って(笑)。東海林:しかし、何でこんな研究をしようと思ったんですか。黒川:私、昔からことばフェチなんですよ。小さな頃からずーっとことばには意味とは別に、音の表情があると思っていたんです。それで、今日はあったかいことばが欲しいと思ったら、ボーイフレンドに「今日、私のことホタルと呼んで」とか頼んで言ってもらってた。東海林:夢見る少女(笑)。黒川:そういうことを人に伝えたかったんですけど、科学で伝えないとただのバカな女で終わってしまうから、口の中で起こっていることを物理的にものすごく細かく精査していって…。東海林:理論づけが始まった。黒川:そうです。人にナメられないために。東海林:アハハハ。それ、おかしいね。黒川:別に誰かに威張ろうと思ったわけじゃないんです(笑)。ウン 思いのほかアカデミックな対談であり、ショージ君を見直したのです♪『偉いぞ!立ち食いそば』4:ショージ君の偉業発案時点『偉いぞ!立ち食いそば』3:『富士そば』の丹社長との対談(続き)『偉いぞ!立ち食いそば』2:『富士そば』の丹社長との対談『偉いぞ!立ち食いそば』1:「特製富士」の全容
2018.10.25
コメント(0)
先日『火星で生きる』という本を読んだのだが・・・イーロン・マスク氏率いる「スペースX」など、どうしても眉ツバに思える部分が拭いきれなかったのです。だけど、wedgeの最新記事「人類はなぜ「月」を目指すのか?」を見ると、宇宙開発競走がより現実として意識されるのです。2018/10/23イーロン・マスク、ZOZO前沢氏…人類はなぜ「月」を目指すのか?より 人類が最後に「月」に行ったのは1972年12月、46年前になる。アメリカはアポロ11~17号まで合計12人を月に送った。長い間、月から遠ざかっていた人類であるが、21世紀になり、再び月を目指す動きが出てきている。 ZOZOの前沢友作氏がイーロン・マスク氏率いるスペースXのBFR(ビッグファルコンロケット)で月を周回してくるということが話題になったが、アメリカのみならず世界中の「宇宙Geek(ギーク)」たちが、着々と準備を進めている。アマゾンのジェフ・ベゾス氏率いる「ブルーオリジン」、テスラのイーロン・マスク氏率いる「スペースX」などだ。ブルーオリジンは、2019年から宇宙旅行のチケットを販売すると発表し、スペースXにいたっては、2024年に人類を火星に送り出し、2060年には火星に100万人を移住させるとしている。 もちろん、日本でも準備がはじまっている。今年7月、月・火星の探査活動を進める「国際宇宙探査センター」が宇宙航空研究開発機構(JAXA)に設置された。センター長に就任した佐々木宏氏に、なぜ人類は月を目指すのか聞いた。 そもそもどうして、「月」や「火星」をめざさなければならないのだろうか。「実際、地球が人類にとっていつまでも住み心地の良い場所であるという保証はありません」 恐ろしい話ではあるが、誰もその可能性を否定することはできない。多様な場所に生きる場所を確保しておくことは、リスクヘッジになる。「人が月や火星住むなんて夢物語じゃないの?」と笑い飛ばすことはできないのだ。「アポロ計画(1961年~72年)までは、アメリカとソ連の国威発揚や、行くことだけが目的の冒険的な意味合いが強い時代でした。現在は、より詳細な調査を行うために、月の周回軌道に宇宙ステーションを設置することが検討されています(アメリカが中心になって行われる『月近傍ゲートウェイ』。これが、現在運用されている国際宇宙ステーション(ISS)(補足:2024年までの運用継続が決定)の後継プロジェクトとなる)。JAXAでは、2021年度に小型月着陸実証機(SLIM)を、さらに2030年頃には欧州やカナダの宇宙機関と協力して人間を月面着陸させる計画です」 では、月面着陸して、いったい何をするのだろうか? 月には「ヘリウム3」と呼ばれる、核融合の燃料になる元素が存在するとされている。「ヘリウム3をスペースシャトル1杯分(25トン)地球に持ち帰って核融合に使うことができれば、アメリカが消費する電力の1年分が発電できると試算されています」(『世界はなぜ月をめざすのか』佐伯和人、講談社ブルーバックス) こんな夢のような資源もあるが、最も注目されているのは「水」だ。月の極域には「水(氷)」が存在している可能性が高いとされている。「月の水を使用することができれば、水素、酸素としてロケットの燃料にすることができ、地球から持っていくよりも効率的です」 つまり、月を開発することでより遠くの惑星や宇宙に行くための前進基地として使用することができるということだ。人間が住む環境としては、大気や磁場のない月よりも、大気や磁場のある火星のほうが好ましい。 しかし、地球から月までの距離は38万キロであるのに対して、火星は5759万キロと、月のほうが圧倒的に近い。しかも、月はいわゆる「うさぎの形」が見える側がいつも地球の方向を向いているため、自転する火星のように地球とは逆側を向いたときに通信が途切れるという心配もない。先日読んだ『火星で生きる』という本です。【火星で生きる】スティーブン・ペトラネック著、朝日出版社、2018年刊<「BOOK」データベース>より 2027年、流線形の宇宙船が火星に降りていくーいまや問題は火星に「行く」ことから、そこでどう「暮らす」かへと移った。 イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、マーズワンといった民間プレーヤーが宇宙をめぐって激しく開発競争を展開するなか、新型ロケットやテラフォーミング技術など、火星移住に向けた準備は着々と進んでいる。駆り立てるのは地球の危機と人類の探求心。数々の科学誌編集長を歴任したジャーナリストが、宇宙開発史から環境的・経済的な実現可能性まで、「最後のフロンティア」火星の先にある人類の未来を活写する。<読む前の大使寸評>表紙にTED Booksとシリーズ名が見えるとおり、いかにもアメリカの本でんな。…と、言いつつも借りた反米の大使でおます。rakuten火星で生きる『火星で生きる』5:第8章「ゴールドラッシュの再来」p172~177『火星で生きる』4:第6章「火星で生きる」p86~89『火星で生きる』3:民営化する宇宙開発競走p38~43『火星で生きる』2:夢の続きp13~15『火星で生きる』1:イントロダクション 夢p8~10
2018.10.24
コメント(0)
ソユーズ宇宙船の打ち上げ失敗が報じられているが、宇宙飛行士2人がよくぞ無事に帰還したものである。ロシアの宇宙飛行士訓練では、対Gはもちろん、水中や雪中のサバイバルも行なうそうで、とにかく安全に対する意識、技術には見るべきものがあるようです。BBC報道を見てみましょう。2018年10月12日BBCソユーズ宇宙船の打ち上げ失敗、ロシア当局が原因調査開始より■将来のソユーズ計画に与える影響は ロシアのユーリ・ボリソフ副首相は、「状況全体が安全を保証していると我々が考えるまで」有人飛行計画は実施しないと述べた。 有人飛行の中止が対米関係を傷つけるのではとの意見について副首相は、米国はこの中止を「リスクに関わるハイテク産業」の問題だと認識していると述べ、これによる関係悪化を否定した。ただボリソフ氏は、「もちろん問題の原因を隠したりしない。こういう状況で、そんなことは普通はない」と付け加えた。 米ロ関係に緊張が高まる中でも、宇宙分野での協力関係は続いてきた。NASAは自分たちのスペースシャトル計画を2011年に終了して以降、米国の宇宙飛行士をISSに運ぶため、ソユーズ宇宙船の座席確保に資金を投じている。 ロシアのタス通信は匿名の情報源の話として、ISSには十分な物資があるため、既にISSに滞在している乗組員は11日の打ち上げ失敗に影響を受けないと報じた。 しかしロシアのインタファクス通信は、ドイツ、ロシア、米国からそれぞれ派遣されてISS滞在中の宇宙飛行士3人が、打ち上げ失敗により来年もISSに留まらなくてはならなくなるかもしれないとする情報筋の発言を伝えた。ウン 旧ソ連の技術力では、今回の宇宙船からの脱出メカニズムといい、カラシニコフ小銃といい、開発時の方針が地味ではあるが骨太なところに感心するわけでおます。この記事も日米中の宇宙開発対決R2に収めておきます。
2018.10.15
コメント(0)
図書館で『コピペと捏造』という本を、手にしたのです。どこまでコピペは許されるのか?、どうしたらパクリになるのか?・・・わりと気になるので、この本を借りたのです。【コピペと捏造】時実象一著、樹村房、2016年刊<「BOOK」データベース>より【目次】序 どこまで許されるのか(パクリと創造の境界/パクリとパロディ、オマージュの違い ほか)/第1部 あらゆる分野にはびこるコピペとパクリ(歴史上に見られる盗用/小説に見られる盗用のパターン ほか)/第2部 バレないと困るパロディの世界(裁判になったパロディ事件/贋作もあるデザインのパロディ ほか)/第3部 怪しい捏造と改竄(結論ありきのテレビの捏造/ドキュメンタリーの捏造と真実の境界 ほか)/おわりに 厳しいだけではない寛容さを求めて(病理としてのコピペと捏造/むずかしいノンフィクションにおける判断 ほか)<読む前の大使寸評>どこまでコピペは許されるのか?、どうしたらパクリになるのか?・・・わりと気になるので、この本を借りたのです。rakutenコピペと捏造第2部「バレないと困るパロディの世界」の冒頭がええでぇ。<ツイッターに、>p116 これ2chでみつけたけど、なるほどなと思いました。 ・バレて困るのがパクリ ・バレると嬉しいのがオマージュ ・バレないと困るのがパロディー と書かれていました。 このように、オマージュとパロディは、見た人が元ネタを知っていることが前提になります。その元ネタを賞讃するのがオマ-ジュで、こき下ろしたり馬鹿にするのがパロディーということもできます。したがって、パロディは元ネタの作者から攻撃される危険はいつも持っています。訴訟和解前のデザイン面白いパロディを一つ見てみましょう。<「面白い恋人」事件>p133~134 「白い恋人」はロイズのチョコレートとならんで札幌・新千歳空港の代表的なお土産品です。ラングドシャークッキーでホワイトチョコレートを挟んだお菓子です。製造は1947年創業の石屋製菓で、1976年に発売開始、売上は年80億に上ります。 「白い恋人」という商品名についてですが、1968年フランス・グルノーブル冬季オリンピックの記録映画『白い恋人たち』を意識したことは間違いないようです。参考とした記事には、「取材協力 石屋製菓」と明記してあります。 さて大阪には「パチもん」ということばがあります。朝日新聞の記事(2011.1.12)によると、「もとは時計や指輪のニセモノをさす隠語」でつぎはぎを意味する「パッチ物」から始まったとのことです。この記事は見え見えに偽物とわかるものを持ち歩く「反骨精神」をテーマとしていますが、ここで「かなりウケる」と紹介されているのが「面白い恋人」というお菓子です。 これは数多くの人気タレントを有する吉本興業が大阪周辺で売り出したお土産品で、当初からパロディとして、デザインも似せてありました。元祖「白い恋人」の絵柄は山であるのに対し、「面白い恋人」は大阪城になっていますが、リボンの配置や縁のデザインなどよく似ています。 2011年11月に、石屋製菓が吉本興業を商標権の侵害と不正競争であるとして販売の差し止めを求めて提訴しました。この裁判は2013年2月に、「面白い恋人」の箱のデザインをを若干変更し、販売地域を関西に限ることで和解しました。したがって裁判所の判断はありません。 この事件について、北海道大学法学研究科教授田村善之は、商標的には「観念を異にして」おり、また「白い恋人」の市場に悪影響を与えたとはいえないので不正競争にもあたらないのではないか、と述べています。ただし「白い恋人」側としては、今後類似品が続々出てくる恐れを考えれば、勝てなくとも提訴するしかなかったかもしれません。『コピペと捏造』1
2018.10.13
コメント(0)
図書館で『超監視時代(ナショナルジオグラフィック2018年4月号)』という雑誌を、手にしたのです。監視時代、スズメと関心のあるテーマが並んでいたのが、借りる決め手になったのでおます。ヨハネスブルク郊外「対立の心理学」という章で、ナイジェリアでの対立を見てみましょう。p86~89<人間は他人を敵味方に区分し、集団をつくりたがるもの。その心理を科学でかえらるか:デビッド・ベレビー> 西アフリカのナイジェリアに、ソロモン・イグバウアとダヒル・バラという仲のよい2人の男性がいる。子どもの頃からの親友で、数キロしか離れていない互いの村をしょっちゅう行き来していた。似ていない点もたくさんある2人だが、この友情は生涯続くと信じていた。 イグバウアは40歳。東部のベヌエ州に位置するなだらかな平原で昔から農業を営んできた民族テイブのキリスト教徒だ。一方、42歳のバラはハウサという民族のイスラム教徒。ハウサは牛を放牧して暮らす遊牧民で、同じくイスラム系の民族フラニと関係が深い。 このように民族や宗教、言葉、文化、政治が異なると、死を招く事態も起こる。2人に会った場所から北に数百キロのところでは、イスラム過激派組織ボコ・ハラムが、自分たちの教えに反する人々を執拗に攻撃している。西アフリカに限らず、遊牧民と農耕民が資源をめぐって激しい対立を繰り広げる例も枚挙にいとまがない。人種、民族、国籍、宗教、党派・・・人間は集団を形成しては、別の集団との抗争に明け暮れている。 それでも、イグバウアが住むゾンゴ村と、バラの暮らすダウドゥ村はそんな争いとは無縁だった。みんなが食べていけるだけの土地が十分にあったからだ。牛が農地に入り込んだり、遊牧のルートが新しい柵で塞がれて言い争いになっても、解決する方法はあった。 しかしイグバウアとバラが成人し、それぞれが父親になった頃、ベヌエ州の人口が増えてきた。気候の温暖化で北部が乾燥し、良い土地が少なくなると、遊牧民は南へと移動した。作物が家畜に荒らされることが増え、新しい柵や農地が遊牧のルートを分断する。ハウサ=フラニをはじめとする遊牧民と、農耕民のおおらかな関係は過去のものになった。 それでもゾンゴ村とダウドゥ村の穏やかな共存関係は続いていた。ここに争いが起きるなんて、誰も思っていなかったとイグバウアの妻カトリンは話す。 だが、争いは起きてしまった。 2014年、二つの村に「危機」が降りかかる。民族と宗教と文化の違いが高い壁となって立ちはだかり、壁の向こう側にいるだけで断罪の理由となった。妄言が飛び交い、ついに襲撃と報復の連鎖が始まった。畑はめちゃくちゃにされ、家畜は殺される。農耕民テイブの村は焼き打ちに遭い、男性も女性も殺害された。 イグバウアとバラも、自分たちは誰も傷つけていないと言っていた。だがそれぞれの集団が敵対している以上、2人が敵同士になってしまったことに変わりはない。農耕民は遊牧民というだけで敵と見なしていたし、逆も同じだった。(中略) こんな不幸な出来事が世界中で起きている。人種や宗教、文化が違う者同士が何十年、時には何百年も仲良く暮らしていた。事態が突然変わり、よく知る顔が「彼ら」「敵」「あっち側」と呼ばれる存在になる。 集団と集団のぶつかり合いでは、個人という概念は消えて、相手への共感も信頼もすっかりなくなってしまう。ナイジェリアと同じことが、フランスや米国の移民と地域住民との間でも起こりうる。状況は異なるが、重要なのは状況が違っても起こるということ。つまり問題の根は同じなのだ。 人間は「同一性を求めてやまない」と進化心理学者のジョン・トゥビーは指摘する。それは仕方がない。人間は生まれつき「私たち」と「彼ら」を区別するようにできているからだ。脅威に直面すると、無意識にでも「私たち」を優先することは避けられない。 こうした性質は人間だけでなく、アリやサケ、サルといったほかの生き物にもある。しかし、集団の意識と行動が変わるのはほぼ人間だけだ。一つの国だったユーゴスラビアが分裂して、クロアチア人やセルビア人、ボスニア人が戦争をしたのはその一例。ルワンダのフツとツチのように、何世紀も前から同じ土地で生きてきた人々が同郷人でなくなるのは、人間の世界でしか起こらないことだ。 だが意識は変えられるというのは希望でもある。正義と平和を重んじ、互いを受け入れる方向へ変われる可能性もあるからだ。ナイジェリアだけでなく世界のあちこちで、紛争で引き裂かれたコミュニティーが復活しつつある。そこには意外な助っ人がいる。心理学の研究者たちだ。米国の都市では、コミュニティーの関係改善にも心理学の手法が役立っている。ウン ナショナルジオグラフィックといえば自然環境や動物の美しい写真の雑誌という認識であったが・・・わりといいメッセージ、お話しもあるやんけ♪【超監視時代(ナショナルジオグラフィック2018年4月号)】雑誌、日経ナショナルジオグラフィック社、2018年刊<商品の説明>より●超監視時代:安全を求める声と技術の進歩で、世界はかつてない監視時代に突入している。私たちは日々、数多くの監視カメラに見つめられ、プライバシーは過去のものになるのだろうか?●はじめてのスズメ:街角の植え込みや電線、公園のベンチに住宅の軒下......スズメは日常の風景に当たり前のようにいる。しかし、この小さな野鳥のことをどれだけ知っているのか?身近な鳥のあまり知らない素顔を見つめる。<読む前の大使寸評>監視時代、スズメと関心のあるテーマが並んでいたのが、借りる決め手になったのでおます。amazon超監視時代(ナショナルジオグラフィック2018年4月号)『超監視時代(ナショナルジオグラフィック2018年4月号)』2:イズリントン区の監視カメラ『超監視時代(ナショナルジオグラフィック2018年4月号)』1:「鳥たちの地球」シリーズ
2018.10.02
コメント(0)
<お役所仕事といえば>ニッポンのお役所仕事といえば、昨今では「Too Little, Too Late」という言葉に代表されるようにかなり残念なシステムとなっています。(少子化対策が特にひどいが)大使は、かつて異動があり2年間の特殊法人を経験したので、お役所仕事のノウハウが身に染みているのです。…で、ここで「お役所仕事のノウハウ」を一部披露します。毎年、夏場の概算要求シーズンともなれば大蔵省まで出向き・・・通産省の担当官(特殊法人の上級機関)が横で控えている中、新規事業の必要性、公共性なんかについて大蔵省の担当官にご進講するわけです。これがまさに概算要求の「小さく生んで、大きく育てる」極意であります。新規事業を民間に委託する場合は、ヒモなし入札が原則であるが、例外的に随意契約もあるわけです。随意契約とする場合は、委託先の唯一妥当性が問われるのは当たり前のことです。大使は会計検査院による会計検査も体験したので、「委託先の妥当性」の説明などは任してチョウダイ、得意中の得意でおます♪お役所仕事においては、無謬性と整合性などが最優先されるわけで…結果としてToo Lateにならざるを得ないのです。これでは中国の一帯一路に勝てるわけないですね。先日(27日)のNHK報道で、文科省官僚と大学関係者との贈収賄シーン(裏口入学)の会話録音が流れたが・・・まさに「おぬしもワルよのう」な会話でしたね。2年間の特殊法人生活では、政治家への忖度までは体験する機会はなかったけど…刑務所の塀の上を歩くバランス感覚は、何となく掴んだような気がするのです。しかしまあ、政治家に忖度した官僚が政治家によって梯子を外されて、犯罪者扱いをを受けるとは…バランス感覚もへったくれもない、生き馬の目を抜くような所業である。「おぬしもワルよのう」については官僚接待の生音声が明らかにする「霞が関ブローカー」の実態に詳しく出ています。
2018.08.29
コメント(0)
ジャック・アタリさんへのインタビュー <2030年未来予想図> 経済学者・思想家のジャック・アタリさんがインタビューで「国家のみ込む市場、「私が一番」の米中、友好国も容赦せず」と説いているので、紹介します。(8/25朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)20世紀以降、英米、米ソ、米中と2大国の関係が世界情勢を左右してきた。一方で市場のグローバル化に伴い、国家の力は弱くなってきている。保護主義が台頭し、北朝鮮の非核化が焦点となる中、日本や欧州は両大国とどうかかわるべきか。数々の予言を的中させてきたジャック・アタリさんに、2030年の未来予想図を聞いた。Q:数々の「未来」を予測してきました。A:06年に米国の住宅向け融資『サブプライムローン』の危険性を指摘し、翌年、実際に世界金融危機が起きたことが、よく引き合いに出されます。07年6月にiPhone(アイフォーン)が発売される前に、世界を自由に横断する『ノマド』が持つ情報発信機器として『オブジェ・ノマド』の普及を予測し、スマートフォンの大衆化を言い当てたとも言われました。Q:最近出版された「新世界秩序」(作品社刊)では、30年の世界像を描いています。A:世界のGDP総額は現在の2倍になり、地球上の総人口は15%増え、85億人に達します。うち70億人が携帯電話を持っているでしょう。大国はライバルを圧倒するのに手いっぱいで、自国の利益のためだけに立ち回り、市場のグローバル化が国家をのみ込みます。国境を越えた不正行為が増え、麻薬や売春などの犯罪経済が世界のGDPの15%を超えることでしょう。それは破局に直面し、無政府化とカオス化が進んだ世界です。Q:なぜ、そんな状況に。A:最も憂慮すべきは、最近の米国の関税攻勢に見られるような保護主義です。現政権は極端に走りがちなのが気がかりです。例えば、赤字の発生源だからと日本車の輸入自体を禁じるような……。保護主義が行きすぎると、世界経済は破局へ至ります。中国は歯車が破局へと自転しないよう、賢明な対応をしていると思います。日本と欧州は、共通の危機にさらされていると指摘しておきます。Q:どんな危機ですか。A:米中の2大国に加え、ロシアやインドなど近未来の大国は、友好国にすら容赦しなくなります。日本と欧州は、資本や高い技術を持ちながらも、守勢に立たされがちです。企業買収や技術移転などを通じ、悪い表現ですが『生き血を吸われる』危険がある。それを防ぐには、以前よりも多様化した同盟関係を結ぶ必要があります。 現代の市場が『ミー・ファースト』(私が一番)の原理で動いていることに、この傾向は起因します。市場は、本来なら『お客様が一番』のはずですが、実態は逆になっている。競争や宣伝で『私が一番』を唱えるありようは、ポピュリズムの原理と通底します。地球規模で利己主義と利他主義、つまり『自分の幸せのために』と『他人の幸せのために』という価値観がせめぎ合っています。Q:英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた際、「一国なら良くなる。まずは自国から」「昔はよかった」という考え方は短絡的で誤っていると批判しました。A:ミー・ファーストにも通じる考えですが、根底には『未来を恐れる』心情があります。米国も日本も同じ傾向にあります。誰でも昔は若かったし、時間もあった。でも懐古的で内向きな心情に浸る傾向は、望ましくありません。 ■ ■Q:現在の世界情勢と1910年代の類似性も指摘しています。A:本当にすごく似ています。10年代は、技術発展の時代でした。エレベーター、ラジオ、自動車、電力など、現在の私たちの生活の基盤を形作るものが続々と発明され、普及しました。これらの技術を背景に、強力なグローバリゼーションが進みました。ロシアや中国などで急激に民主化運動が広がったのもこの時期です。 そして反動が来ました。07年に米国で金融恐慌が起き、14年に第1次世界大戦が始まるまでの間、テロリズムやニヒリズムが広がり、保護主義とナショナリズムが台頭します。そして2度の大戦を経て冷戦が終結に至るまで、75年もの圧迫の時代に世界は突入してしまった。現在も急激な技術発展とグローバリゼーションが進む一方で一国主義や懐古趣味が広がっている。危険な兆候です。Q:以前、東シナ海や南シナ海での「日米対中国」の構造は大きな軍事的火種だと指摘しました。A:いま世界で一番リスキーなのは、米中のライバル関係です。北朝鮮への対応をめぐり、両国間に何かが起こる危険がある。ただ、強調しておきますが、中国は戦争を望んでいません。彼らが最も求めているのは『尊重されること』です。彼らの軍事力が米国に肩を並べるのは、2030年ごろだと私はみています。それまで中国は戦争を回避し続けるでしょう。 ■ ■Q:6月の米朝首脳会談は、緊張緩和に役立ったのでは。A:現時点では、何らかの成果をもたらしたとは言えません。最も重要なのは非核化の実現ですが、現在、その兆候は希薄です。このままだと米国は成果を求め、強硬手段に訴える危険性がある。10~11月ごろに、北朝鮮の核廃絶の意思が本物か否かが見えてくるでしょう。この時期が東アジアにとって、非常に重要な局面になると考えています。 米国の政策のまずい点は、間違った認識の上に成り立っていることです。例えば、旧ソ連の崩壊は、米国が考えている『経済制裁の成果』ではなく、ゴルバチョフが民主化を望んだからなのです。もし彼が民主化を嫌っていたら、ソ連という国は今も存在しているはずです。ベネズエラやキューバや北朝鮮も同じです。経済制裁は一層、非効率的な手段になりました。当時ソ連を支援した国は皆無でしたが、今は北朝鮮を中国が支えるでしょう。米国が北朝鮮やイランへの経済制裁が不首尾だったと判断すると、年末ごろ、強硬手段に訴える可能性があります。Q:日本の役割は。A:朝鮮半島の非核化に向け世界にキャンペーンを張るべきです。北朝鮮の核保有を許したら、イランや他の国の核保有を止められるでしょうか。日本は世界で唯一、核兵器の惨禍を体験した大義名分を持ちます。米国との協調も重要ですが、もっと幅広い回路を駆使し、持てるすべての外交力で、半島の非核化を目指すべきです。 NATOを発展させた組織への参加も、日本は検討するべきです。大西洋から環太平洋へと市場の中心が移動するなか、日本とNATOが同盟を結ぶのは、価値があります。米国も日本が他の相手と同盟するよりは受け入れやすいでしょう。30年後、欧州は共通の軍隊を持っているか、欧州自体がなくなっているか、そのどちらかだと私は考えています。日本と今以上の親密なパートナー関係を築くことは、双方にとって長期的に重要な課題だと思っています。 ■ ■Q:市場の中心が環太平洋に移動したとのことですが、東京は。A:世界経済の核となる『中心都市』は13世紀のベルギー・ブリュージュに始まり、8番目が1929~80年のニューヨーク、80年代以降はロサンゼルスというのが、私の持論です。東京は9番目の中心になる機会がありながら、逸しました。金融や官僚組織の古い体質、バブル対策の失敗、世界から優秀な人材を誘引できず、個人主義も未開花な点などが理由です。Q:失われた30年ですね。A:最大の課題は人口問題です。『1億人程度でいい』と言うかもしれませんが、減少は止まらないでしょう。女性にはもっと働きやすい環境が必要ですし、男性の育児休業だって取りやすくするべきです。家族政策は永続性が重要です。フランスは20年以上かけて人口減を食い止めたので、良いモデルになります。必要なのは文化的側面まで見据えた施策です。女性の地位を高め、出産や育児によりキャリアが不利にならない文化を定着させる努力が欠かせません。Q:「人口が減っても別段構わない」という意見もあります。A:日本は現在、公的債務がGDPの230%に達しています。この問題の深刻な点は、次世代の蓄えに依存して、現世代が生きていることです。経済も、環境問題も、年金や福祉も、課題が次世代へ先送りされている。人口が減少すると、国民の負担は破局的に深刻化します。施策の幅を狭め、相続放棄の出来ない借金を次世代へ課すことになるのです。Q:日本や欧州に、破局を回避する処方箋はないのでしょうか。A:未来志向の社会的な実験を専門的に担う銀行や環境犯罪を裁く国際法廷の創設、企業定款に次世代への貢献内容の明記を義務づけることなどを提言してきました。しかし実は、能力も、テクノロジーも、財源も、起業家も、独創的な人材もみなそろっています。 残っているのは力を合わせることです。『新世界秩序』に詳しく書きましたが、国境を越え、高い独創性を発揮する『超ノマド』と言うべき階層が現れ始めていることに、特に注目すべきです。危機感を共有した超ノマドたちが、既存国家の枠組みを尊重しながらも、資源や軍備、食糧生産、環境などの現状と展望を示すこと。それが第一歩になるはずです。(聞き手 編集委員・永井靖二) *ジャック・アタリ:1943年生まれ。81年にミッテラン大統領の特別顧問、91年に欧州復興開発銀行の初代総裁。現大統領マクロン氏の政界入りも主導した。2030年未来予想図ジャック・アタリ2018.8.25
2018.08.28
コメント(0)
図書館で『書物の文化史』という本を、手にしたのです。開けてみると、横書きで論文調であるが・・・薀蓄にあふれていて、面白い読み物になっています。表紙の副題「メディアの変遷と知の枠組み」が、この本の内容を表しています♪【書物の文化史】加藤好郎著、丸善出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文字の発生から紙の発明、印刷、出版、画像・映像に至るまで、世界中の書物(メディア)の歴史を、興味深いエピソードを交えて展開。モノとしての書物(メディア)を通じ、「文献文化」「知の枠組み」を考察。世界の各地域・時代に文献はどのような媒体(メディア)に載せられ、どのように読まれてきたかを図版も豊富に交えながら解説。「媒体(メディア)の制約と文献の仕組み」「媒体(メディア)の特性と知の枠組み」という切り口から「書物」の様々な現象を読み解くテキスト。<読む前の大使寸評>開けてみると、横書きで論文調であるが・・・薀蓄にあふれていて、面白い読み物になっています。表紙の副題「メディアの変遷と知の枠組み」が、この本の内容を表しています♪rakuten書物の文化史昨今の出版事情、書店事情について、見てみましょう。p167~168現代社会のコミュニケーションとは■現在の出版市場とは 出版市場における「紙の世界」では、収入の減少が続いているが、ネット販売は増えている。ルート別の販売額を日本出版販売「出版物販売額の実態」から2007年から2013年の6年間を比較すると次のとおりである。<2013年の販売額>1.コンビニ販売 3100億円(2007年から4割減)2.書店での販売 1兆2300億円(2007年から2割減)3.ネットの販売 1600億円(2007年から7割増)■大手書店のこれからの戦略 上記の状況において、大手書店が一つの挑戦を始めた。その方法は、出版社から直接本を買い取ることで、ネット書店からの供給を制限する戦略である。出版市場からネット販売への挑戦と言える。1.委託販売制度 通常の流通ルートは、出版社→取次会社→ネット書店および書店を含むシステムである。書店から出版社への委託することによるその売れ残りは、ネット書店および書店から出版社に返品される。現在、返品率は、40%であるが、この制度は、委託販売制度と言われ、「出版社+取次店」が、どの本を何冊程度の書店に卸すのかを決め、「出版社+取次店+書店」の3者で契約するものである。この返品率が多いことが問題になっている。2.紀伊国屋書店の取り組み 村上春樹氏の新刊「職業としての小説家」の初版10万部のうち9万部を紀伊国屋書店が出版社から直接購入した。このことで、ほかのネットや書店には1万部しか在庫が置けなくなり、販売に影響が出ることになる。 紀伊国屋の戦略は、売れ残りの在庫の危険性があるが、ライバルのネット書店への供給を絞り込むこと、取次店を通さない利益率も大きいことになる。紀伊国屋書店のミッションは「本来、本は(本)(店員)(消費者)の出会いがあって本を選ぶことにある」である。それは読書人口の増加につながる。ネット販売だけで本を選ぶことは、「現物を読めない」「人の評価にゆだねる」「本のブラウジングができない」等の危険性もある。■書店ゼロの自治体の数 現在書店がまったくない自治体も出てきている。出版業界の売上げは、2014年時点で1兆6000億円であるが、もし消費税が2%上がり、10%になっても出版業界の税収は320億円に過ぎない。 このことは図書が「文化の所産」であるという観点から見ても大きな影響が出ている。本が売れない理由はいくつかある。消費者のスマートフォンの購入が増加している点、また、国道沿いの書店、商店街の書店が撤廃することで、消費者が購入できない現状がある。買い物難民も増えている。このことは、大人の世界だけでなく子供たちも、本屋で実際に本に触れる機会が少なくなっている。 書店関係者は「本は薄利多売であるが、そのことが大きく崩れた。書店の取り分を増やさないと廃業が続く。単行本を売った代金は、出版社、出版の取次店、著者に分配される。書店に入るのは、定価の20%である。街の書店は、月に300万~500万売り、ようやく60万~100万円の利益が出る。店の賃料や人件費などがあり利益は少ない」と経営の苦しさを述べている。 以下は「書店ゼロの自治体数」(2015年5月)である 合計332(北海道47、福島22、長野35、奈良15、高知13、福岡13、熊本13、沖縄19、他)紀伊国屋書店の取り組みについては出版流通の壁に詳しく報道されています。『書物の文化史』2:書籍の電子化、保存『書物の文化史』1:印刷と出版の歴史
2018.08.25
コメント(0)
図書館で『書物の文化史』という本を、手にしたのです。開けてみると、横書きで論文調であるが・・・薀蓄にあふれていて、面白い読み物になっています。表紙の副題「メディアの変遷と知の枠組み」が、この本の内容を表しています♪【書物の文化史】加藤好郎著、丸善出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文字の発生から紙の発明、印刷、出版、画像・映像に至るまで、世界中の書物(メディア)の歴史を、興味深いエピソードを交えて展開。モノとしての書物(メディア)を通じ、「文献文化」「知の枠組み」を考察。世界の各地域・時代に文献はどのような媒体(メディア)に載せられ、どのように読まれてきたかを図版も豊富に交えながら解説。「媒体(メディア)の制約と文献の仕組み」「媒体(メディア)の特性と知の枠組み」という切り口から「書物」の様々な現象を読み解くテキスト。<読む前の大使寸評>開けてみると、横書きで論文調であるが・・・薀蓄にあふれていて、面白い読み物になっています。表紙の副題「メディアの変遷と知の枠組み」が、この本の内容を表しています♪rakuten書物の文化史書籍の電子化、保存について、見てみましょう。p136~137コラム14 書籍の電子化 書籍の電子化には二つの側面があり、一つは書籍が今まさに電子媒体として世に出ること、もう一つは歴史的にも貴重な文献も含めてすでに出版されたものが電子媒体として保存・公開されることである。技術的なことには滅法疎い筆者は、専ら後者の周辺事情について幾つかの事例を紹介する。 ほんの20~30年前までは「文献研究は金食い虫」と言われた時代であった。文献を利用したければ、例外なく電車やバス、それが海外であれば飛行機で足を運ばなければならなかった。継続して使いたければ、窓口や郵便での煩雑な申請で複写やマイクロフィッシュなどのモノとして手に入れる必要があった。 それが十数年来の急速な電子化で、「本物を手に取って」などと贅沢さえ言わなければ、国内、或いは所属先、」自宅のリビングに居てさえも目当ての資料の写真やデータに簡単にアクセスできる環境が整ってきたのである。現在四十代半ばの筆者でさえも自分自身の学生時分の情況とは隔世の感がある。 なぜ一般には馴染みのない貴重書や奇観書で電子化と公開が進むのか。それには先ず、「研究や学びで必要なひとが自由に平等にアクセスできるべき」という研究機関の矜持や使命感があるし、同時に、紙媒体の書物の保存のための対策が必要不可欠であったと言うことも重要な要因である。 たとえば、国立国会図書館のHPを開くと、国立国会図書館デジタルコレクションでは図書、雑誌、古典籍、博士論文、歴史的音源など様々なジャンル毎にデジタル化された資料が公開されている。 図書では主に明治以降の著作権がクリアされた洋装本が検索でき、NDC分類や年代、キーワードによる絞り込み検索も可能である。著作権がクリアされた文献は、デジタル画像の閲覧は勿論、枚数制限はあるものの必要なページをダウンロードすることもでき、すぐに入手できない資料の調べものには非常に重宝する。(中略) アメリカのInternet Arechiveも有名な文献検索サイトで、貴重書から最新のものまで様々な媒体が公開され、筆者の研究分野である近代中国語に関するものでも、英語を中心に横文字で出版された書物は多くがすでに公開されており、PDFやFull Textなど複数の形態のデータがいとも簡単に入手できる。ちなみに、同サイトの撮影・データ整理は全て中国・深センの企業が請負っている。 国内外の個別の大学や研究機関でもこうした取組みが増えている。国内の例では、伝統的に近代の東西言語文化交流の研究が盛んな関西大学の東西学術研究所アジア文化研究センターでは、元々研究者の取組みから発展したCSAC Digital Archivesが同大学所蔵の和書、漢籍、洋装本の他、個人や他機関が所蔵する西学東漸に関する資料、約二千数百点をデジタルデータで一般公開していたが、さらに2018年には、これまでの蓄積を発展させた関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU‐ORCAS)として、東アジア文化研究の「デジタルアーカイブ」の構築と、研究リソース・研究グループ・研究ノウハウがオープン化されたプラットフォームの形成を目指した活動をスタートしている。(中略) こうしてデジタル化のプラス面ばかりを挙げたたが、これほど環境が整うと却って「全体を俯瞰して個別を考える」という当たり前のことが難しくなる一面も否定できない。確かに一見ラクにはなったが、ピンポイントにしか目がいかなくなると、じつは本人も安直さに気づかないまま、常に「木を見て森を見ず」の危険と隣り合わせなのである。あくまで自分の目で資料を読み解いてこそ、という学びの原点もいま一度考えてみる必要があるかも知れない。『書物の文化史』1
2018.08.25
コメント(0)
図書館で『書物の文化史』という本を、手にしたのです。開けてみると、横書きで論文調であるが・・・薀蓄にあふれていて、面白い読み物になっています。表紙の副題「メディアの変遷と知の枠組み」が、この本の内容を表しています♪【書物の文化史】加藤好郎著、丸善出版、2018年刊<「BOOK」データベース>より文字の発生から紙の発明、印刷、出版、画像・映像に至るまで、世界中の書物(メディア)の歴史を、興味深いエピソードを交えて展開。モノとしての書物(メディア)を通じ、「文献文化」「知の枠組み」を考察。世界の各地域・時代に文献はどのような媒体(メディア)に載せられ、どのように読まれてきたかを図版も豊富に交えながら解説。「媒体(メディア)の制約と文献の仕組み」「媒体(メディア)の特性と知の枠組み」という切り口から「書物」の様々な現象を読み解くテキスト。<読む前の大使寸評>開けてみると、横書きで論文調であるが・・・薀蓄にあふれていて、面白い読み物になっています。表紙の副題「メディアの変遷と知の枠組み」が、この本の内容を表しています♪rakuten書物の文化史印刷と出版の歴史について、見てみましょう。p49~51■一枚もの木版による印刷【印刷のはじまり】日本最古の印刷物は、奈良時代、称徳天皇が恵美押勝の乱の平定を仏に感謝して、法隆寺など10大寺に奉納した百万塔の中に納められた陀羅尼経(図)である。図 百万塔陀羅尼経 印刷物自体に年代の記載はないものの、『続日本記』などの文献によって770年の完成であることは、ほぼ確実である。とすればこの「百万塔陀羅尼経」は、「印刷年代が明確な世界最古の印刷物」と言うことができる。しかしこれはもとより「世界最古の印刷物」であることを意味するものではない。 むしろここで読み取るべきは、100万部という超大量の印刷が行なわれたこと、そして塔の中に納められたこれらの印刷物は、決して「読まれる」ために作成されたものではないことである。仏への報謝物という仏典の存在は、読まれること以外の書物の機能といて考察することが必要である。 なおこの「百万塔陀羅尼経」が木版印刷なのか銅版印刷なのか諸説あって決着をみない。印刷の初歩段階として木版の方が想像しやすいが、この直前には東大寺の大仏が銅で鋳造されており、当時の金属加工技術が高かったことも明らかである。【仏典の印刷】平安時代以来の出版は奈良興福寺の春日版、高野山の高野版などの寺院によるもので、その内容はほとんど仏典ばかりであった。鎌倉時代になると、京都・鎌倉の禅宗寺院で五山版と呼ばれる寺院版がつくられた。この五山版は、それまでの寺院版と異なり、仏教以外の書物も多く含んでいた。これは禅僧が知的活動全般の享受者、発信者であったことを示している。 また五山版には、宋元時代以来の中国刊本を巧みに復刻したものも多い。翻訳せずに原典をそのままリプリントしたことは、少なくとも日本側には、東アジア漢文文化圏の正当な構成員であることを希求し、自負していたことを示していると考えることができる。実際、当時の日中の禅僧の行き来は、現在の学者の国際交流以上に盛んであったと言って差し支えない。 この時代までの印刷は、一紙面を一枚の版木に版画のように彫ってそれを印刷する「整版」という形式で行なわれていた。漢字のように文字種が多い東アジアの印刷では、この仕組みの方が主流であった。■活字の登場【活字の登場】印刷は、火薬・羅針盤とともに中国の三大発明とされ、世界中へと伝わった。活字に関しても、東洋の方が進んでおり、朝鮮は先進国で、13世紀にはすでに金属活字本がつくられている。 一方、西洋でも1450年ごろにはドイツのグーテンベルグが活版印刷を考案し、近代の西洋式活版印刷の祖となった。アルファベットは字種が少なく、漢字以上に活版印刷に向いているため、グーテンベルク以後、西洋では活版印刷が急速に発展していくこととなったが、東洋では西洋ほどの発展を見なかった。【日本への伝来】日本への活字印刷の伝来には二つのルートがある。一つは豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、大量の金属活字を略奪し日本にもたらしたことである。その活字は朝廷に献上され、それを用いて、漢籍や古典が出版され、これは慶長勅版と呼ばれて珍重されている。 もう一つは安土桃山時代のイエズス会宣教師によりもち込まれた活字印刷機を使って印刷されたキリシタン版である。しかし、残念なことにキリシタン版は、江戸時代のキリシタン禁制によりその書物の大部分が失われ、現在ではきわめて貴重なものとなっている。 活字印刷はその後徳川家康が木活字、次いで金属活字を用いて本の出版を行なっている。家康の死後この出版事業は途絶えたが、やがて民間でも木活字を用いた出版が行なわれるようになる。 こうした、江戸時代初期の活字印刷を古活字版と呼んでいる。しかし、この木活字は、摩滅しやすいこと、訓点やふりがなを付けることが不便といった理由から次第にすたれ、再び一枚の版木を紙一枚に対して彫り上げる整版印刷が主流となる。 ■出版のひろがり【商業出版の時代】寛永年間(1624~1645)ころに、まず京都で民間の本屋による商業出版が本格的に始まり、さらにそれは承応年間(1652~1655)には江戸、延宝年間(1673~1681)には大坂でも盛んに行われるようになった。 それ以降、江戸時代の出版はこの三都で主に行なわれるようになった。三都はいずれも幕府の直轄地であり、これは言論を動かす武器となりうる出版を、幕府の管理下に置く必要があったからだと言われている。【さまざまな出版物】さらに享保年間(1716~1736)のころからは色刷り技法が盛んに行われるようになり、江戸時代後期には多色刷りの華麗を極めたものへと発展していく。それらの絵本や浮世絵も、広く社会に受け入れられていった。江戸時代には、文字だけでなく、絵画、チラシなども含めて、実に大量の出版物がつくられ、出版文化が花開いたのである。【活字の復活】江戸時代後期、書写に代わる私的出版物として木活字印刷が再び行なわれるようになった。これを古活字版と区別して、近世木活字版と呼ぶ。幕末になると、西洋式活字印刷がオランダを通じて再び導入され、幕府、さらには民間へと広がった。そして、明治に入ると、大量の西洋文物の輸入とともに近代的活版印刷が到来し、盛んに行われるようになった。それに伴い次第に木版印刷はすたれていった。【そして現代へ】さて、その後、明治・大正・昭和と隆盛を極めた活版印刷であるが、昭和50年ごろからコンピュータを利用した版面作成技術が進歩・普及し、現在ではほとんどの印刷物はコンピュータ写植という、活字を用いない方法で行なわれている。この本も例外ではない。 そして、さらに、未来に向かい電子図書という、印刷物ではなく電子媒体としての情報が登場している。この現代の印刷革命、これからどのような変化を生み出すのであろうか。
2018.08.25
コメント(0)
国際政治学者のイアン・ブレマーさんがインタビューで「国際協調嫌う米国、強権体制進む中国、新たな冷戦の予感」と説いているので、紹介します。(8/22朝日から転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも)米国と中国の間で制裁関税と報復の連鎖が止まらない。保護主義に傾き、国際協調から背を向ける米国と、強権体制を強めつつ経済強国路線を突き進む中国は、国際社会をどこへと導くのか。リーダー役不在の世界を「Gゼロ」と形容する、米国際政治学者のイアン・ブレマーさんに聞いた。Q:なぜ米国のトランプ政権は中国に通商紛争を仕掛けるのでしょうか。A:トランプ氏は貿易赤字は悪いものだと、ひたすら信じ込んでいます。通商について何も知らないのです。側近の高官たちはそれをわかっていますが、大統領に直言できません。Q:台頭する中国への脅威論も背景にあるのでしょうか。A:米国主導の秩序に中国が取って代わろうとしています。かつて米国など西側社会には中国が消費者主導の経済になれば、政治改革は避けられなくなるとの楽観論がありました。だが、それは誤りだった。習近平国家主席は『終身元首』として権力を固めています。西側モデルを採用するつもりはないどころか、国際通貨基金(IMF)や世界銀行など米国主導の多国間協調と異なるシステムを築こうとしています。米国側には、今のうちに中国をたたいておくべきだとの考えがあります。Q:方、米国は中国の通信機器大手に対する制裁を解除しました。トランプ氏も習近平氏の批判は慎重に避けるなど、一貫性に欠けています。A:確かに、トランプ氏は中国内で多くの雇用が失われるのは問題だとツイートしました。(同様に通商政策で対立する)メキシコやカナダについては、そんな発信をしていません。それこそトランプ氏の心の中に入らなければ真意の見極めは難しい。 トランプ氏は習氏を強いリーダーとみなしています。彼は同盟国よりも強権国のリーダーと良好な関係を持つことを望んでいます。通商問題と、北朝鮮など安全保障上の思惑を結びつけて考えるのもトランプ氏の特徴です。Q:本気で中国と事を構えるつもりはないということですか。A:米高官たちはせっかく好調な状態にある経済がこの問題で傷つく事態は望んでいません。中国もまた、緊張をエスカレートさせたくはないでしょう。 ただトランプ氏自身は感情的になると自制がきかなくなります。たとえば北朝鮮との非核化交渉でプライドを傷つけられたら、かわりに『中国を罰する』ようなふるまいに転じる可能性もある。秋の中間選挙や、(米大統領選への介入をめぐる)ロシア疑惑の捜査のプレッシャーも強まるでしょう。米国大統領としての言動を予測するのが難しくなります。 ■ ■Q:中国市場の閉鎖性に対しては米国に限らず批判が強まっています。A:中国が国家資本主義と強権体制を維持しつつ、世界最大の経済大国になることは、グローバルな自由市場の終焉を意味します。中国モデルは普遍性に欠けるからです。米国モデルは価値基準を受け入れれば誰もが等しく参加できる。中国の一帯一路構想も、(中ロと中央・南アジアの計8カ国が参加する)上海協力機構も多国間協調の体裁を装っているが現実は違います。自転車のハブとスポークのような構造で、中心にあるのは北京。中国の経済的利益が最大化される仕組みだと思います。Q:逆に中国が公正な国際ルールに基づいて自由主義経済体制を築けば「良し」となりますか。A:中国がきちんと市場を開いて競争力をつけるのであれば、恐れるには及びません。それは中国が米国の価値基準に適応することを意味し、米国主導のシステムの重要性が増すことになるからです。 世界が中国モデルに牛耳られる最大の問題は、中国が中所得国であるからです。環境や人権などの優先順位が高い高所得国とは異なる物差しで統制される事態をあなたは望みますか。『中国だからダメ』ではなく、そもそも中所得国のシステムは脆弱でリスクが高いことを強調しておきましょう。Q:トランプ氏も保護貿易主義への姿勢を強め、世界貿易機関(WTO)へ敵意を露(あら)わにしています。A:トランプ氏が関心を持つのは長期的戦略や国益ではなく、目先の政治的利益です。環太平洋経済連携協定(TPP)が対中バランス上、長い目で見て米国に恩恵をもたらすことは考えず、反対する方が支持者に受けると考える。並外れたナルシシズム(自己陶酔)の持ち主で、『いかに自分が偉大に見られるか』が全てです。 トランプ氏は、それが米国主導だったとしても多国間の枠組みを嫌います。リーダーは一切、束縛されるべきではないという考えの持ち主だからです。自分の思うままに振る舞える方が他の強権リーダーとうまく渡り合える。プーチン氏や金正恩氏との首脳会談もそうでした。Q:あなたはリーダー役がいない世界の現状を「Gゼロ」と呼んでいます。中国が強権化し、米国が内向きになると、国際秩序はどう変わっていくのでしょうか。A:私がGゼロの問題を提起した7年前は、ここまで事態が進むとは予想していませんでした。世界的に好調な経済でかろうじて持ちこたえていますが、Gゼロがもたらす混乱は予想より長く続き、危険なものとなりそうです。 だが、トランプ氏がGゼロの主原因というわけではありません。米国に限らず、過去5年間でリベラルな民主主義は弱体化した。ポピュリズム(大衆迎合主義)の台頭、グローバル化を支持してきた既存の政治に対する大衆レベルでの反感の広がりなどが原因です。G7(主要7カ国)や北大西洋条約機構(NATO)など国際秩序を支えてきた枠組みも弱体化した。トランプ時代が終わっても、元に戻らないかもしれない。 ■ ■Q:いずれ米中の衝突は避けられないのでしょうか。A:戦争や大恐慌といった深刻な危機が起きて今のシステムが崩壊することで、Gゼロが幕を閉じる可能性もあります。第2次大戦の終戦がそうだったように、ゼロからの再起となるシナリオです。 逆に、世界が米国と中国だけによって仕切られるシナリオもあり得ます。とりわけ先端技術分野で米中は他国より飛び抜けて先行し、互いに対抗している。新たな冷戦の到来を予感させるほどです。まさしく『世界を二分するシステム』と呼ぶべき状況で、グローバルな秩序とはいえません。 とりわけ私が深刻に懸念するのは人工知能(AI)をめぐる米中の対立です。中国は独自のビッグデータを用いて米国と全く異なるシステムを築きつつある。両国の軍拡競争の一翼をAIが占めていますが、この分野では抑止力も相互の協力も対話もありません。『冷戦』にとどまらず、現実の戦争につながりうるリスクです。Q:日本も弱体化していくのでしょうか。A:素っ頓狂な話と思われるかもしれませんが、大国の中で民主主義が比較的うまく機能しているのが日本です。人口減少に伴い労働者層の状況が良くなっている。欧米で起きているような移民の大量流入がない。戦争をしていない。ソーシャルメディアの普及度が他国と比較して低い。かくしてポピュリズムへの耐性を備えている。Q:トランプ政権に追随する日本の姿勢に懸念も聞こえます。A:一般論をいえば、日本の首相が米国の大統領と良好な関係を築くのは正しい。だがトランプ氏は政治家としてあまりに異色で、安倍晋三首相との関係も一方通行です。日本が得たものはあまりない。たとえトランプ氏が安倍氏を個人的に気に入っていても、彼は『見返りを与える』ことに関心はありません。北朝鮮との交渉で日本を蚊帳の外に置き、日本に関税を課すといった具合です。 ドイツは『もう米国に頼らない』と言えます。代わりに強い欧州を築けばよく、差し迫った安全保障上の脅威もない。だが日本は違う。日本周辺の厳しい安全保障環境を考えれば独自に対米協調路線をとることは理解します。 ■ ■Q:巨大化する中国と日本はどのように向き合っていけばいいでしょうか。A:中国は(20、30年のうちに)支配的なパワーになる。中国との関係改善こそ日本がとりうる唯一の選択肢です。アジアインフラ投資銀行(AIIB)に日本は参加すべきだし、軍事力を強化して対抗していくことは賢明な策とは言えません。歴史認識をめぐる対立も解消しておいた方がいい。 しかし、日本は中国にないものを持っています。優れたインフラ、質の高いサービス産業。高齢化社会にうまく適合している。中国は豊かになればなるほどそうしたものを欲しがります。日本がそれを利用しない手はありません。 *イアン・ブレマー:国際政治学者、ユーラシア・グループ社長 1969年生まれ。98年に世界の政治リスクを分析する調査会社「ユーラシア・グループ」を設立。近著に「対立の世紀 グローバリズムの破綻」。◆ 記事はブレマーさんとの単独インタビューと、朝日新聞を含む日本の一部メディアによる合同インタビューをもとに構成しました。(ワシントン=青山直篤、沢村亙)Gゼロの世界の先イアン・ブレマー2018.8.22ただいま、台風20号が神戸市の横を通過しました。風速は(体感的には)瞬間的に45~50メートルくらいだったかも。
2018.08.24
コメント(0)
「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・『知日』明治維新特集のアンケートへの回答・カジノについて・中国の若者たちよ、マルクスを読もう・『街場の憂国論』文庫版のためのあとがき・直言3月号「韓国の教育と日本のメディア」・人口減社会に向けて・時間意識と知性・Madness of the King・吉本隆明1967・大学教育は生き延びられるのか?・こちらは「サンデー毎日」没原稿・奉祝「エイリアン・コヴェナント」封切り・米朝戦争のあと(2件)・気まずい共存について********************************************************************2018/8/11『知日』明治維新特集のアンケートへの回答より1.黒船来航は明治維新の始まりと見られています。どうしてアメリカは黒船4隻だけで、鎖国200年以上の日本の国門を簡単に開けたのか?中国人は国門を開くアヘン戦争に対する屈辱と違って、日本人は黒船来航に対する感情は積極的な方が多いと感じられます。それについての記念活動も多い、それはなぜでしょうか? 最初にお断りしておきますけれど、私は近代史の専門家ではありませんし、明治維新に特に詳しいわけでもありません。私がこれから答えるのは、あくまで非専門家の個人的な見解であって、学会の常識でも、日本人の多数の意見でもないことをご承知おきください。 アメリカの黒船四隻「だけ」と質問にはありますけれど、二隻の蒸気船だけでペリー提督たちは彼我の軍事力と科学技術の圧倒的な差を見せつけました。このとき沿岸防衛に召集された武士たちの中には戦国時代の甲冑や槍で武装したものもいたくらいですから。アヘン戦争の情報はすでに日本に伝わっていましたので、アメリカの開国要求を丸のみする以外に選択肢はないということについては、幕府内では覚悟はできていたと思います。 清朝の中国と徳川幕府の日本、いずれも公式には海禁、鎖国政策を採用して、一般の人々とが海外の情報に接触することは禁じられていましたけれど、実際にはかなり大量に海外の書物が流入しておりました。ですから、この時点で日本の近代化が致命的に遅れていることについてはすでに指導層と知識層には知られていたはずです。 幕閣たちに決断力がなく、無能であることについては幕府内外においてすでに不満が募っておりましたから、ここで将軍や幕閣を押したてて、国民一丸となってアメリカと一戦交えるというような気分は醸成されようがなかったのではないかと思います。また当時の日本は原則として自給自足している300の国(藩)に分かれており、藩を超えた政治単位としての「国民国家日本」というような概念はまだリアリティーを持っておりませんでした。 日本人が黒船来航をそれほど屈辱的に感じなかったように見えるのは、外交が徳川幕府の専管事項であって、それ以外の300諸侯やその家臣団には、さしあたり「自分の問題」だとは思われていなかったということがあったからだと思います。むしろ、黒船来航で彼我の科学技術の差が可視化されたことを好機として、いくつかの藩では近代化をめざす派閥が勢力を増し、技術開発や兵制の刷新に向かいました。彼らは黒船来航を日本の近代化の契機として肯定的に捉えたはずです。 けれども、黒船来航を肯定的にとらえる最大の理由は現代日本人の対米意識だと思います。日本は「黒船」によって文明開化に向かい、「GHQの日本占領」によって民主化に向かった。アメリカによる二度の「外圧」が日本にもたらしたものは総じて「善きもの」であったというのは、対米従属体制で生きることになった戦後日本人にとっては受け入れざるを得ない「総括」でした。 隣国中国から見て、「どうして砲艦外交を肯定的に評価するのか?」と疑問に思われるのは当然ですけれど、それは現代日本人の「対米意識」が歴史の評価に投影されているからだというのが私の解釈です。2018/6/14カジノについてより「目先の銭金」と「先行きの懸念」ではためらわず「先のことは考えずに、目先の銭金を取る」というのが当今の官民あげての風儀である。衆寡敵せず、カジノは反対派を蹴散らしてめでたく建設されることになるだろう。けれども、それでもいくつもの疑問には答えがないままである。第一の懸念材料は人々が期待するほどカジノは儲からないのではないかというカジノ専門家たちからの意見である。 カジノはすでに世界的に競争が激化しており、なんとか帳尻が合っているのはラスヴェガスとシンガポールくらいだと言う。ニュージャージー州アトランティックシティは東海岸最大の賭博都市であるが、カジノの収益はここ10年減少し続け、2014年には、2006年当時の5分の1にまで減益し、4つのホテルが閉鎖、12あったカジノのうち5つが閉鎖という。気になるのは、アトランティックシティではカジノの衰退に先んじて街そのものがさびれたことである。カジノ客を当て込んだが、街は早々と「シャッター商店街化」した。それも当然で、「博打を打ちに来る客をいかにしてカジノホテルの外に出さないか」こそがカジノ商売の骨法だからである。 この客をカジノホテルの外に出さないためのサービスのことを「コンプサービス(complimentary service、原義は「無料、優待、お愛想」)」という。カジノでばんばん金を使うと、ホテル宿泊料やレストランでの飲食やショーの入場料が無料になったり割引になったりすることである。上客たちはVIPラウンジに招じ入れられ、チェックインカウンターやレストランでの優先待遇を受ける。客たちはそのサービスの質を基準にカジノを選ぶ。2018/4/28中国の若者たちよ、マルクスを読もうより 日本では、マルクスは政治綱領としてよりはむしろ「教養書」として読まれてきました。つまり、マルクスのテクストの価値を「マルクス主義」を名乗るもろもろの政治運動のもたらした歴史的な帰結から考量するのではなく、その論理のスピード、修辞の鮮やかさ、分析の切れ味を玩味し、テクストから読書することの快楽を引き出す「非政治的な読み方」が日本では許されていました。 マルクスを読むことは日本において久しく「知的成熟の一階梯」だと信じられてきました。人はマルクスを読んだからといってマルクス主義者になるわけではありません。マルクスを読んだあと天皇主義者になった者も、敬虔な仏教徒になった者も、計算高いビジネスマンになった者もいます。それでも、青春の一時期においてマルクスを読んだことは彼らにある種の人間的深みを与えました。 政治的な読み方に限定したら、スターリン主義がもたらした災厄や国際共産主義運動の消滅という歴史的事実から「それらの運動の理論的根拠であったのだから、もはやマルクスは読むに値しない」という推論を行う人がいるかも知れません。けれども、日本ではそういう批判を受け容れてマルクスを読むことを止めたという人はほとんどおりませんでした。「マルクスの非政治的な読み」が許されてきたこと、それが世界でも例外的に、日本では今もマルクスが読まれ続け、マルクス研究書が書かれ続けていることの理由の一つだろうと思います。2018/04/03『街場の憂国論』文庫版のためのあとがきより 巻末に僕が不安げに予測した通り、「現在の自民党政権は、彼らの支配体制を恒久化するシステムが合法的に、けっこう簡単に作り出せるということ」を特定秘密保護法案の採決を通じて学習しました。その結果、2014年夏には集団的自衛権行使容認の閣議決定があり、2015年夏には国会を取り巻く市民の抗議の声の中で、安全保障関連法案が採決され、2017年には共謀罪が制定されました。 そうやって着々とジョージ・オーウェルが『1984』で描いたディストピアに近い社会が現実化してきました。その間ずっと安倍晋三がわが国の総理大臣でした。ほんの一週間ほど前までは、彼が自民党総裁に三選され、年内にも改憲のための国民投票が行われるということが高い確度で予測されていました。でも、3月に入って森友学園問題についての公文書改竄が暴露されて、今は再び政局が流動化しております。ですから、この本が出る頃に日本の政治状況がどうなっているか今の時点では予測がつきません。そういう政局を横目にしつつ、文庫版あとがきとしてはもう少し一般的な話として「国の力とは何か」ということについて一言私見を述べておきたいと思います。 率直に言って日本は急激に国力が衰えています。国力というのは、経済力とか軍事力とかいう外形的なものではありません。国の力をほんとうにかたちづくるのは「ヴィジョン」です。 「ヴィジョン」とは、自分たちの国はこれからどういうものであるべきかについての国民的な「夢」のことです。かたちあるもののではありません。「まだ存在しないもの」です。でも、それを実現させるために国民たちが力を合わせる。そして、そのような夢を共有することを通じて人々は「国民」になる。そういうものなんです。まず国民が「いる」のではありません。「あるべき国のかたちについて同じ夢を見る人たち」が国民に「なる」のです。その順逆を間違えてはいけません。2018/03/17直言3月号「韓国の教育と日本のメディア」より 韓国に毎年講演旅行に出かけている。ご存じないと思うけれど、私の著作は教育論を中心に十数冊が韓国語訳されていて、教育関係者に熱心な読者が多い。ここ三年ほどの招聘元は韓国の教育監である。見慣れない文字列だと思うが、日本とは教育委員会制度が違っていて、韓国は全国が17の教育区に分割されていて、それぞれの区での教育責任者である教育監は住民投票で選ばれているのである。 数年前にこの制度が導入された結果、多くの教育区で教員出身の教育監が誕生した。彼らは自身の教員経験を踏まえて、できるだけ教員たちを管理しないで、その創意工夫に現場を委ねるという開明的な方針を採った。その結果、日本ではまず見ることのできない自由な校風の公立学校が韓国の各地に続々と誕生している。 そういう歴史的文脈の中で、私のような人間が各地の教育監に公式に招聘されて、教員たちを前に講演をするということが起きている。日本には私に講演を依頼する教育委員会が一つもないという現実と比較すると、日韓の教育行政の差異が際立つはずである。2018/03/16人口減社会に向けてより 人口減については、政府部内では何のプランもなく、誰かがプランを立てなければならないということについての合意さえ存在しないということがわかった。その点では有意義な座談会だった。 出席者たちは「悲観的になってはならない」という点では一致していた。ただ、それは「希望がある」という意味ではなく、「日本人は悲観的になると思考停止に陥る」という哀しい経験則を確認したに過ぎない。わが国では「さまざまな危機的事態を想定して、それぞれについて最適な対処法を考える」という構えそのものが「悲観的なふるまい」とみなされて禁圧されるのである。 近年、東芝や神戸製鋼など日本のリーディングカンパニーで不祥事が相次いだが、これらの企業でも「こんなことを続けていると、いずれ大変なことになる」ということを訴えた人々はいたはずである。でも、経営者たちはその「悲観的な見通し」に耳を貸さなかった。たしかにいつかはばれて、倒産を含む破局的な帰結を迎えるだろう。だが、「大変なこと」を想像するととりあえず今日の仕事が手につかなくなる。だから、「悲観的なこと」について考えるのを先送りしたのである。 人口減も同じである。この問題に「正解」はない。「被害を最小限に止めることができそうな対策」しかない。でも、そんなことを提案しても誰からも感謝されない。場合によっては叱責される。だから、みんな黙っている。黙って破局の到来を待っている。寄稿は以上。2018/02/01時間意識と知性より『ブレードランナー2049』は「人間とレプリカントを識別する指標は何か?」という問いをめぐる物語である。それは「最終的に人間の人間性を担保するものは何か?」という問いに置き換えることができる。人間性とは突き詰めて言えば何なのか?それ以外のすべての条件が人間と同じである人工物を作り得たとしても、それだけは与えることができないものがあるとしたら、それは何か? これは古い問いである。おそらくこの問いが生まれたのは紀元前2000年頃の中東の荒野である。この問いを得たときに一神教が発祥した。「創造主」という概念を人間が手に入れたのである。 神であっても「それだけは与えることができないもの」があるとしたら、それは何か? 古代ユダヤ人はこの問いにこう答えた。「それは神を畏れる心である。」もし神がその威徳に真にふさわしいものであるなら、神の命じるままに機械的に神を敬う、腹話術師の操る人形のようなものを創造したはずはない。神は必ずや自力で神を見出し、神を敬い、神を畏れることができるほど卓越したものを創造したはずだ。2017/12/06Madness of the Kingより 12月5日のJapan Times に「王の狂気」と題するトランプ大統領についての記事が載った。今世界ではそれが最も緊急な懸念である。痴呆症の大統領に戦争を始められては困るからだ。もちろん、日本のメディアはそんなことは書かない。日本は痴呆症かもしれない大統領に煽られて戦争をする気でいる世界唯一の国だからだ。官邸がいやがりそうなことは書かないというのなら、それはそれで構わない。でも、あとになって「いや~、はじめからちょっと怪しいなとは思っていたんですけどね」みたいなことは書かないで欲しい。記事は長いので、終わりの方だけ訳した。ここから↓トランプが何らかの(場合によっては複数の)精神障害を抱えているように見えることは、精神科医、政治家、ジャーナリストの間に等しくジレンマを産み出している。アメリカ精神科医協会は会員たちに診察したことのない人について診断を下さないというルールを定めている。だが、何人かの精神科医たちはこれを国難的事態と見なして、ルールを破って、トランプの精神状態についての専門的判断を公的に語ったり書いたりし始めている。最も広く受け入れられている見解は、彼がナルシスト的人格障害に罹患しているというものである。これは単なるナルシストであることよりもはるかに深刻な症状である。Mayo Clinicによると、これは「自分の重要性についての過大評価、自分に対して過剰な関心や称賛を求める強い欲求、病的な人間関係、他者への共感の欠如」などとして現れる。さらに「過剰な自身の仮面の背後には、わずかな批判によっても傷つく脆弱な自己評価が潜んでいる」ともされている。2017-11-10吉本隆明1967より 1968年は鹿島先生が大学に入ってはじめて吉本隆明と対峙した年である。私の場合はそれが一年前の1967年なので、上のような題になった。私もまた吉本隆明と少年の時に出会って、人生が変わった人間のひとりである。 私は高校生から大学院生の頃までは吉本隆明の熱心な読者だった。でも、ある時期から読まなくなり、95年の阪神の大震災の時に高校時代からの蔵書をまとめて処分した時に、埴谷雄高や谷川雁や平岡正明の本といっしょに吉本の本も捨ててしまった。けれども、その後またふと読みたくなって、結局吉本隆明についてだけは捨てた本を全部また買い集めた。 それは父が2001年に亡くなり、その後父のことを回顧するにつれ「戦中派の人たちは、戦前の自分と戦後の自分を縫合するためにずいぶん苦労をしたんだろうな」ということがひしひしと感じられるようになったからである。そして齢耳順を超えて読み返しながら、私もまた鹿島先生と同じように「ああ、おれはこの歳になっても、吉本主義者であったか」と深く感じ入ったのである。2017-11-03大学教育は生き延びられるのか?より 正直に言って、日本の大学は、このままではもう先はないです。教育制度は惰性が強いですから、簡単には潰れはしません。民間企業のようにいきなり倒産するということはない。でも、じりじりと駄目になってゆく。長期停滞傾向が続いて、20年、30年経ったあたりで、もう本当に使い物にならなる。それでもまだ組織としてはもつでしょう。 医療とか教育というのは「それがなくては共同体が存続しえない」本質的な制度ですから、最終的には現場にいる人たちが身体を張って守ります。ですから、どんなにシステムがおかしくなっても、公的な支援が途絶えても、それでもなんとか持続はします。でも、それはほんとうに現場の人が命を削ってもたせているからもっているのであって、公的制度としてはもう破綻している。ブラック企業と同じでです。フロントラインに立ってる生身の人間が必死になって現場を回しているわけで、その人たちがばたばた過労死しているおかげでかろうじてシステムの体をなしている。大学もそういう状況にいずれなりますし、局所的にはもうそうなっている。 医療の世界でかつて「立ち去り型サボタージュ」という言葉が使われました。小松秀樹さんの書かれた『医療崩壊』という本がその事実を明らかにしました。小松先生とは一度お会いしたことがありますけれど、その時に教えられたのは、「医療崩壊」というけれど、医療もやはり惰性の強いシステムなので、簡単には崩壊しないということでした。それは現場に立って医療の最前線を守っているドクターやナースは自分の健康や家庭生活を犠牲にしても医療を守ろうとするからです。 そういう「業」を抱えた人が医療の現場に立っている。だから、制度的に破綻していても、簡単には崩壊しないんだ、と。でも、生身の人間ですから、彼らのオーバーアチーブメントに頼って支援の手当をせずに放置しておけば、いずれ一人倒れ二人倒れ、前線の維持が難しくなる。そういうお話でした。2017-10-03こちらは「サンデー毎日」没原稿より 国際社会からは「首相はほんとうに朝鮮半島情勢の鎮静化を望んでいるのか」について懸念が語られている。その懸念について誰も責任ある回答をしないようなので、私が海外の皆さんの懸念について、日本人を代表してお答えしたいと思う。 安倍首相は本気で「戦争をする気でいる」。だから、そのための環境づくりにたいへん熱心なのである。彼が続く内政面での失敗にもかかわらず、いまだに高い支持率を誇っているのは、彼の好戦的な構えを好感する有権者がそれだけ多いからである。 仮に起きた場合に、米朝戦争がどれほどの規模のものになるのか、首相もその周辺もたぶん何も考えていない。そういう実務的なことを考えて、コントロールするのは米軍であって、自衛隊は米軍の指示に従って動けばいい。そう考えている。2017-10-01奉祝「エイリアン・コヴェナント」封切りより リドリー・スコットの『エイリアン・コヴェナント』がいよいよ公開される。20年くらい前に、『エイリアン』をネタにした映画論とフェミニズム論をいくつか書いた。昔のHPに公開されていたが、今はもうリンクが切れてしまっているので、ネットでは読めなくなった。筐底から引き出して埃をはらってネット上で公開する。(中略) しかし母性の評価にかかわる映像記号はそれほど単純ではない。いま論じたのとは違うレヴェルにおいて、つまりリプリーと「女王エイリアン」の対立においては別様の「母子の物語」が語られているからである。 巨大な「女王エイリアン」は植民地星の地下深くに営巣し、ひたすら卵を排出し続けるだけの生殖機械である。「女王」と遭遇したリプリーは火炎放射器で卵を残らず焼き払う。しかし「女王」は産卵管に繋縛されているために身動きならず、卵が破壊されるのを傍観するばかりで、それを阻止することができない。 生殖に専念したために結果的に種族に壊滅的な被害が及ぶのを阻止できなかった「女王」。「家」に閉じこもって「育児」に専念していたために社会的能力を失ってしまった「母」。これは「過大評価された母子関係の否定的側面」を意味するだろう。 産卵という任務から子供たちの死によって解放された「女王」は、ただ一人で侵略者リプリーと闘う。映画の最終場面で二人の「母」は一対一で激突することになるのだが、結果的には肉体労働の経験によって宇宙船内の機材の運用に習熟したリプリーが「女王」を船外に叩き出して勝負を決する。社会的スキルに習熟していない母性はここでも「働く女性」の前に一敗地にまみれる。 表層における「母性賛歌」とはかなり矛盾する映像的なメッセージがここには盛り込まれていることが分かる。 映画の中の母子関係とその記号的意味をもう一度図表化してみよう。(1)「外で働いていたために、娘の死に目に会えなかった母親」であるリプリーは「母が外に働きに出て死んだために、ひとり放置された娘」であるニュートと擬似的な母子関係をもつ。(この説話群のメッセージは「母親が子どもを置いて外へ働きにでると、母子はともに孤独になる」である。)(2)ニュートの墜落によって、リプリーたちは無用な危険を冒すことを強いられる。卵はエイリアンたちの集団の《弱い環》であり、産卵のために母親は身動きできず、そのため女王は焼死の危険にさらされる」。(この説話群のメッセージは「母子関係が緊密であると、母親は無用の危険に身をさらすことになる」である。)(3)「娘の救出のためにリプリーは例外的に高度の戦闘力を発揮する」。「死んだ卵の報復のために女王は例外的に高度の戦闘力を発揮する」。(この説話群のメッセージは「母子関係が切り離されると、母親の戦闘能力は向上する」である。)(4)「社会的スキルの運用に習熟したリプリー」が「情緒的に暴れ回る女王エイリアン」に勝利する。(この説話のメッセージは「外で働く母親は子供を幸福にする」である。) 映像の記号はごらんの通り、さまざまな矛盾するメッセージを発信している。とはいえそれらのメッセージは均等に配分されているわけではない。2017-09-04米朝戦争のあとより 北朝鮮の空母がハドソン川を遡航してきてマンハッタンにミサイルを撃ち込んだというならともかく、アメリカの空母が朝鮮半島沖で攻撃されたというのでは開戦の条件としてはあまりにも分が悪い。 そうなると、あとは戦争をすると言っても、ピンポイントで核施設だけ空爆で破壊し、国民生活には被害が出ないようにするという手立てしかない。でも、仮にそれがうまく行って、ライフラインや行政機構や病院・学校などが無傷で残ったとしても、その国をアメリカがどうやって統治するつもりなのか。 アフガニスタンでもリビアでもイラクでも、アメリカは独裁政権を倒して民主的な政権をつくるというプランを戦後は一度も成功させたことがありません。成功したのは72年前の日本だけです。 でも、それが可能だったのはルース・ベネディクトの『菊と刀』に代表されるような精密な日本文化・日本人の心性研究の蓄積が占領に先立って存在していたからです。同じように、もし北朝鮮の「金王朝」を倒して、民主的な政権を立てようと思うなら、それを支えるだけの「北朝鮮研究」の蓄積が必要です。2017-09-04米朝戦争のあとより もう一つのリスクは、ソ連崩壊後のロシア・マフィアのように、北朝鮮の「ダーティ・ビジネス」を担当していたテクノクラートたちがそのノウハウを携えて、海外で商売を始めることです。北朝鮮の「ダーディ・ビジネス」担当者はこれまでも世界各国の諜報機関や「裏社会」とつながりを持ってきました。今までは「国営」ビジネスでしたけれど、王朝が滅びてしまうと、これが私企業になる。兵器や麻薬や偽札作りやスナイパーや拷問の専門家などが職を求めて半島を出て、世界各地で新たな「反社会勢力」を形成することになる。 北朝鮮が瓦解した場合の最初の問題は難民です。でも、難民は寝る所を提供し、飯が食えれば、とりあえずは落ち着かせることができる。怖いのは軍人です。北朝鮮は保有する兵力は想定ですが、陸軍102万人、海軍6万人、空軍11万。他に予備役が470万人、労農赤衛隊350万人、保安部隊が19万人。2400万人の国民のうち約1000万人が兵器が使える人間、人殺しの訓練をしてきた人間です。2017-08-16気まずい共存についてより 僕はこのところ『フォーリン・アフェアーズ・レポート』というアメリカの外交専門誌を購読しているんですけれど、それを読んでいると、アメリカの政治学者の論調がずいぶん変わったことに気がつきました。 このところのアメリカの政治学者が言い始めているのは、アメリカはもう国際社会に対する指導力は失ってしまった、ということです。アメリカはもう世界に対して指南力のあるメッセージを打ち出せなくなった。これからは、中国とかロシアとかドイツとか、国情も違うし、国益も違うし、目指している世界のありようも違う国々と、角突き合わせながら、なんとか共生してゆくしかない、そういう諦めに似たことを語り出すようになってきた。その中に「気まずい共存」という言葉がありました。 これからアメリカは世界の国々と「気まずい共存」の時代に入ってゆく覚悟が要る、と。これまでは「価値観の一致」とか「政治文化の共有」とかそういう相互理解を基盤にして外交関係を構築してきました。でも、これからは違う。われわれがこれから同盟したり、連携したりする国々は、われわれとは価値観が違う、統治形態も、統治理念も違う。でも、そういう理解も共感もできない国々と気まずいながら共存してゆく以外にアメリカが生きる道はない。だから、その居心地の悪さに早く慣れるべきだ、と。そういうことを、何人かの政治学者が書いていて、僕は深く納得したのです。
2018.08.19
コメント(0)
韓国による北朝鮮産石炭の偽装搬入事件について、このところの朝鮮日報の報道をファローしているので、紹介します。関税庁の見え透いたサボタージュの裏に何があるのだろうか?と勘ぐっているのだが・・・韓国与党政権の親北スタンスを背景にした、単なる韓国政府の機能不全だったりして。でもね、日本にしても対イラン制裁破りを模索しているところなので・・・今後の米韓関係が注目されるのです。2018/8/13対北制裁破り:虚偽の釈明、放置、鵜呑み…韓国政府の対応に相次ぐ疑惑より 韓国関税庁が10日、北朝鮮産石炭の偽装搬入事件の捜査結果を発表したが、この事件と関連する複数の疑惑はまだ解明されていない。特に、関税庁の捜査過程が容疑者・参考人の供述・陳述に大きく依存していることから、今後北朝鮮産貨物の搬入に関して新たな疑惑が浮上する可能性も取りざたされている。■外交部が虚偽の釈明? 野党・自由韓国党の尹漢洪議員は12日、外交部(省に相当)が虚偽の釈明をした疑惑を取り上げた。尹漢洪議員が6日、外交部を通じて、ロシア・ホルムスク港の入港・出港船舶記録を駐韓ロシア大使館に要求したところ、外交部は10日、「該当の内容を大使館に問い合わせたが、関連資料を保有していないとの回答があった」と述べた。ところが、尹漢洪議員が同日、ロシア大使館に直接問い合わせたら、「韓国外交部から北朝鮮の石炭関連搬入資料要求や文書は受け取っていない」と答えたという。外交部がロシア側にきちんと資料を要求したり、調査したりせずに虚偽の釈明をしたということだ。■「北朝鮮産の疑い」通報も7カ月間放置 政府は、昨年3月に「北朝鮮産石炭搬入疑惑」の通報があったのにもかかわらず、7カ月間何の措置も取っていなかった点についてもはっきりと説明していない。 韓国電力の子会社・韓国東西発電は昨年3月に「R社の石炭の原産地が疑わしい」と関税庁などに通報した。しかし、昨年10月に米国が「北朝鮮産石炭がロシアを経由して韓国に搬入されている」として具体的な船舶情報を伝えるまで、R社は制裁を受けなかった。この間にR社は同じく韓国電力子会社の韓国南東発電に北朝鮮産石炭を間接的に納品していた。 関税庁は10日に捜査結果を発表、R社の代表を起訴意見付きで検察に送致すると発表したが、「昨年3月の東西発電の通報に対する結果なのか」という質問には、「今回調査したが、容疑は見つからなかった」とだけ回答した。■「だまされた」という業者の釈明信じる R社は、中間納品業者H社を通じて北朝鮮産石炭を南東発電に納品したが、関税庁はH社に対しては起訴意見を明らかにしていない。関税庁は「H社も『ロシア産だと思って買って詐欺に遭った』と言った」と話している。つまり、善意の被害者だということだ。 しかし、明らかになっている状況を見ると、H社も「北朝鮮産石炭」であることを認知していた可能性は捨てきれないとの声がある。 H社が昨年10月に南東発電に送った公文書では、当初の契約になかったサハリン・ホルムスク港を利用させてほしいと要請している。炭鉱から近くて便利な港ではなく、輸送距離が遠くなる港をあえて要望したのだ。外交消息筋は「『私もだまされた』という容疑者の言葉を信じて嫌疑なしという処分を下したことになる」と指摘した。■北朝鮮産搬入、ほかにもある可能性 一部メディアは、海運会社P社が北朝鮮産石炭を積んで置くためにホルムスク港の埠頭を昨年7月から今年7月まで借り、賃借契約書に「北朝鮮産石炭」と明記していると報道した。関税庁が確認した北朝鮮産石炭・銑鉄搬入件数は昨年4月から10月までで7件だが、それらの契約書の内容が事実なら、もっと多くの北朝鮮産石炭がホルムスク港を通じて韓国に搬入された可能性があるということになる。 しかし、関税庁も外交部もそのような契約が存在しているのか、契約書を入手したのかについては明らかにせず、責任を押し付け合っているように見える。関税庁は「まだ送検も終わっていないので、詳細を明らかにすることはできない」と、外交部は「関税庁に聞け」と言っている。2018/8/11対北制裁破り:「北朝鮮産石炭」明記の契約書、韓国関税庁は見て見ぬふりより 北朝鮮産石炭が韓国国内に偽装搬入された事件を捜査してきた韓国関税庁は10日、「昨年4月から10月にかけて7回、計3万5000トン規模(66億ウォン相当=現在のレートで約6億4800万円)の北朝鮮産石炭および鉄が、ロシアを経由して韓国国内に違法に持ち込まれた」と発表した。 これは、2010年の哨戒艦「天安」爆沈事件を受けて北朝鮮との貿易を禁止した韓国政府の「5・24措置」に明白に違反する。さらにこのうち4件は、北朝鮮産石炭の取引を全面禁止した昨年8月の国連安保理制裁決議(2371号)にも違反するものだった。関税庁は10日の中間捜査結果発表で「捜査対象9件のうち7件の犯罪事実を確認した」として、北朝鮮産石炭をロシア産と偽って搬入した容疑等により、石炭輸入業者3社と代表3人を起訴意見付きで送検したことを明らかにした。 関税庁によると、容疑者らは北朝鮮産石炭をロシアの港で一旦降ろした後、第三国の船舶に積んで密かに韓国国内へ搬入した。石炭の価格・形態だけでは原産地が分かりにくいという点を利用してロシア産の原産地証明書を偽造する等、ち密に犯行を準備したことが捜査で明らかになった。ただし関税庁は、これらの石炭を購入・使用した韓国南東発電、鉄の取引に関与した韓国の銀行については、北朝鮮産であるとは知らなかったとみて「嫌疑なし」の処分を下した。その上で「今回の北朝鮮産石炭の搬入は、一部の輸入業者による逸脱行為」と一線を画した。 また韓国政府は、関係機関から北朝鮮産石炭の搬入情報を渡されていながら、10カ月も経ってから捜査結果を公表したことについて「輸入業者らが非協力的で、関連資料が膨大だったせい」と釈明した。しかし事件に関与した海運業者が、北朝鮮産の石炭をロシア産に「ロンダリングする」場となったホルムスク港の埠頭を賃借して作成した契約書には、「北朝鮮産の石炭」「北朝鮮の船舶・船員」という文言が明記されていたという。2018/8/08対北制裁破り:南東発電「北朝鮮産の疑い、韓国政府のどの機関も教えてくれなかった」より 韓国政府が昨年10月、北朝鮮産の石炭がロシア産だとして韓国に搬入されるという情報を得ていながらも、輸入・流通を全く防ごうとしていなかったことが明らかになり、「対応がお粗末だ」と批判が起きている。北朝鮮産石炭の搬入は、国連安全保障理事会の制裁や米国独自の制裁違反はもちろん、韓国政府が2010年の韓国海軍哨戒艦「天安」爆破・沈没事件後に打ち出した「5・24措置」にも違反している。■流通遮断も試みず 搬入された北朝鮮産だと疑われる石炭の流通・使用を防ごうという措置がなかった点が大きな問題だとの指摘もある。昨年10月末、東海港に搬入されたジンルン号の石炭を受け取った韓国南東発電が、これを嶺東発電所に送ったのは今年3月初めだった。約4カ月の空白があったのだ。昨年11月に関税庁が南東発電の不正輸入疑惑を調査し始めたため、適切な措置があったら韓国で使用される事態は防げたはずだった。 しかし、南東発電は「政府のどの機関からも『北朝鮮産の石炭である可能性があるので使用するな』という通知は受けていなかった」と主張している。事実、関税庁と南東発電の間で交わされたやり取りなどを見ると、石炭の輸入経緯などを問う質問があるだけで、「北朝鮮産だと疑われていることを知っていたのか」などの質問はない。 北朝鮮産の石炭を輸入していたことが明らかになれば、関係船舶・海運会社・輸入仲介会社・納品を受けた会社はもちろん、貿易取引を支援する銀行にも米国独自の制裁違反容疑による米政府の調査などが行われる恐れがある。しかし、関税庁は「北朝鮮産の石炭であるかどうかは我々の関心事だ」として銀行に対する調査は検討しなかった。金融監督機関と外交部間の連絡もほとんど行われていなかったとのことだ。2018/08/06対北制裁破り:疑惑の外国船籍貨物船、平沢港から悠々と出航より 北朝鮮産と疑われる石炭を韓国に運搬した外国船籍の貨物船が最近も平沢港に停泊し、4日に出港していたことが分かった。その際、関税庁など関係機関はこの貨物船について検査を行ったが、問題なしとの結論を下したという。しかし関税庁がこの貨物船をどのような方法で調査し、なぜ問題なしと結論づけたかは公表されていない。 リアルタイム船舶位置情報サイト「マリン・トラフィック」などによると、ベリーズ船籍の貨物船「シャイニング・リーチ」は2日午後から平沢港に停泊し、韓国時間の4日午後に中国天津港に向かった。この貨物船は国連安全保障理事会決議で取引が禁止されている北朝鮮産石炭を韓国に運んだとして、韓国税関の監視対象となっている5隻の外国貨物船の1隻だ。 昨年12月に安保理で採択された北朝鮮制裁決議2397号によると、安保理決議による禁止品目の取引に関与したと疑われる合理的根拠がある場合、加盟国は自国の港湾内にある全ての船舶を拿捕、検査、凍結するよう定めている。これについて韓国政府のある関係者は「調査は今も行われているので、結論が出ればそれなりの対応を取る」と説明した。 現時点で北朝鮮産石炭の輸入に関与したとされる貨物船はシャイニング・リーチのほかシエラレオネ船籍の「リッチ・グローリー」、パナマ船籍の「スカイ・エンジェル」など5隻だ。これらの貨物船は北朝鮮産石炭を韓国に持ち込んだ疑惑が浮上した後も、数十回にわたり韓国の港に出入りしたが、韓国政府はこれといった対応は取らなかった。 保守系野党・自由韓国党の北朝鮮産石炭対策タスクフォース(作業部会)のユ・ミンボン団長は4日「北朝鮮産石炭を海外に密輸した疑いのある貨物船も含めれば、最低でも10隻が韓国の港に何の制限もなく出入りしていた」「政府の対応には深刻な問題がある」などとして政府の対応を批判した。2018/08/06対北制裁破り:米国の制裁指定に戦々恐々の韓国企業より 北朝鮮産石炭を輸入したとされる韓国企業が戦々恐々としている。米国政府による独自制裁に違反した疑いで調査が行われる可能性が高まっているためだ。米国が最終的にいかなる判断を下すかとは別に、制裁に違反した容疑が浮上しただけでもその企業は国際社会における信頼が一気に低下する。対北朝鮮制裁に詳しいある外交筋は5日「通常知られている以上に米国は石炭問題を深刻に受け止めている」とコメントした。 まず足下に火が付いたのは韓国電力だ。韓国電力の子会社・南東発電は昨年11月と今年3月、ロシア産を偽った北朝鮮産の石炭9700トンを輸入したとして関税庁から捜査を受けた。韓国電力が先日、この問題についてひそかに外部機関を通じて今後の見通しについて調べたところ、米国の制裁システム上、南東発電株を100%保有する韓国電力も米国の調査対象になる可能性が高いことが分かった。 韓国最大の公企業である韓国電力の容疑が浮上すれば、国としての信頼や経済全般に及ぼす影響も非常に大きい。そのため上記の外部機関は韓国電力に対し「事前に徹底した備えが必要」とアドバイスし、韓国電力の関係者も「米国政府による制裁の種類やその影響について調べている」と伝えた。韓電と南東発電はロシア政府が発行した原産地証明書などを根拠に「ロシア産と確信して石炭を輸入した」と主張しているようだ。 南東発電と共に北朝鮮産石炭の輸入に関与した別の韓国企業と2行の銀行も米国の動きに神経をとがらせているという。 疑惑のレベルを超え実際に制裁違反と判断され、米国のブラックリストに記載された場合、今後海外での取引が制限される可能性が高まる。最悪の場合、米国政府が第三国の企業に対してドル建ての取引を禁じる「セカンダリーボイコット」の適用も考えられ、そうなれば国際金融取引から完全に排除される。 つい先日も中国の通信設備メーカー・中興通訊(ZTE)が北朝鮮やイランとの取引を理由に米国から制裁を受け、企業は存立の危機に追い込まれた。上記の外交筋は「最近になって韓国政府の関係者が相次いでワシントンに向かったのは、この問題が拡散しないよう事前に対応するためと聞いている」と伝えた。一方で・・・北朝鮮の「日本人拘束」、「石油や石炭の瀬取り」が活発化しているようです。(時事通信による)2018/08/11拘束邦人、事実上の「人質」=日本に揺さぶりも-北朝鮮専門家より【ソウル時事】北朝鮮国営メディアは、日本人男性の拘束について報じておらず、具体的な状況や容疑は明らかになっていない。専門家は、北朝鮮が拘束男性を事実上の「人質」として、日本政府との「交渉カード」に利用、揺さぶりをかけてくる可能性が高いとみている。韓国の拉致被害者家族でつくる「拉北者家族会」の崔成竜代表は11日、電話取材に「日本が拉致問題の解決を求めているのに対し、北朝鮮は『解決済みだ』と主張し、過去の清算を訴え、対立している」と指摘。「こうした状況で拘束された日本人男性は、いわば『人質』のようなもので、北朝鮮は、日本政府を対話に誘導するために利用するだろう」という見方を示した。 拘束した日本人男性に記者会見をさせ、「日本の情報機関の指示でスパイ活動を働いた」などと「罪の自白」をさせたりすることも考えられるという。 北朝鮮は5月、金正恩朝鮮労働党委員長とトランプ大統領による史上初の米朝首脳会談を前に、信頼醸成措置の一環として、拘束していた米国人3人を解放している。崔氏は、北朝鮮当局が最終的には「正恩氏の配慮」を強調し、「日本政府の要請を受け、赦免する」と発表する展開もあり得るとみている。 韓国のシンクタンク、世宗研究所の鄭成長・研究企画本部長も「北朝鮮は、米国人を『スパイ行為』や『敵対行為』を理由に相次いで拘束した。日本人拘束が事実なら、交渉カードとして使うだろう」と分析。北朝鮮に詳しい別の筋も「北朝鮮がどのような形で拘束を公表するかはケースごとに異なるが、交渉に利用する可能性は高い」と述べた。2018/08/04北朝鮮、核・ミサイル開発継続=「瀬取り」大幅増-国連報告書より【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルは、「北朝鮮が核・ミサイル開発計画をやめていない」とする中間報告書をまとめた。AFP通信などが3日報じた。北朝鮮は洋上での積み荷の積み替え「瀬取り」を通じた石油や石炭の密輸を大幅に増やしているとも指摘した。報告書は、北朝鮮タンカーへの石油の積み替えが「主要な制裁回避方法」だと指摘。石油の瀬取りに船舶40隻や130社が関与したと明らかにした。 北朝鮮はまた、安保理決議で全面禁輸となっている品目の輸出も継続。このうち、鉄・鋼鉄については、昨年10月から今年3月の間に、中国やインドなどに1400万ドル(15億5700万円)近くを輸出した。さらに繊維製品輸出で1億ドル(約111億円)以上稼いでいた。輸出先は中国やガーナ、インド、メキシコなどだった。 このほか北朝鮮はリビアやイエメン、スーダンに小型武器を輸出しようとしていたと指摘。シリアの武器密売人を通じて、北朝鮮製の通常兵器や弾道ミサイルがイエメンやリビアの武装集団に渡っていたとしている。さらにこの密売人を介し、北朝鮮とイエメンの反政府武装組織フーシ派との間で2016年に軍装備品提供に関する協議が行われたという。
2018.08.14
コメント(0)
図書館で『マナーの正体』という本を、手にしたのです。さだまさし、荻野アンナ、高野秀行、福岡伸一、等々、とにかく大使好みの作家のコメントが見られるのです。読売新聞の「たしなみ」欄に掲載したコメントを並べただけの本のようだが・・・企画の勝利と言うべきか。【マナーの正体】逢坂剛, 荻野アンナ著、中央公論新社、2015年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評>さだまさし、荻野アンナ、高野秀行、福岡伸一、等々、とにかく大使好みの作家のコメントが見られるのです。読売新聞の「たしなみ」欄に掲載したコメントを並べただけの本のようだが・・・企画の勝利と言うべきか。rakutenマナーの正体荻野アンナさんのマナーを、見てみましょう。p264~265<エコのマナー> テレビで、雑誌で、新聞で、「エコ」という文字を目にしない日はない。「地球に優しい」という表現も跋扈している。おそらく地球に一番面倒がかからないのは、人類が滅亡することだ。産業をすべて捨て去って、自給自足の生活に戻ったとする。たとえ有機農業であっても、土を切り崩して生態系を変える人工的な営みである。 そのためか、農業の起源にまつわる神話には、死の影がつきまとう。『古事記』ではオオゲツヒメが切り殺され、その死体から穀物が誕生する。神話の時代には、自然をいじる罪悪感を文明の始まりに置いた。健全なバランス感覚だと思う。 「地球に優しい」は、人間の上から目線であり、本音は「人間に優しい」というエゴだ。エゴでもエコでも、実践が必要なことに変わりはない。 たとえばトイレに行ったとする。最近の洗面所は、ペーパータオルかエアータオルだ。ペーパータオルをくしゃくしゃポイするたび、資源を無駄にした罪悪感を感じる。エアータオルだと、環境に貢献したつもりになる。るとき、はたと気がついた。エアーを出すための電力と、使い捨ての紙タオルと、どちらがより多くのエネルギーを消費しているのだろう。それなら自前のハンカチを使えばよい。 しかし、たまったハンカチの洗濯にも水と電力がいる。どうしたものやらと、濡れた手で頭を抱える。 これでも数年間、エネルギー関係の取材をし、コラムを書いていた。大は原子力から、小は牛糞を発酵させたバイオガスまで。北は北海道の雪冷房から、南の太陽光発電まで。くまなく調べ歩いたつもりでも、日常の実践で何が本当に有効なのか、分かっていないことに愕然とする。 もう一つ、例を挙げる。「エネルギー学」を提唱する手塚哲央先生を取材したことがある。先生は工学出身だが、エネルギー問題を解決するためには、理系と文系(経済学、法学、社会学)の協力が必要だという。 石油が主流のころは、石炭を液化させ、ガソリンにする研究があった。脱石油の今は、電気自動車や燃料電池に力が入る。時代の流れと経済効果を読むのも技術である。 東南アジアでは、サトウキビから燃料を作る研究が進んでいる。サトウキビは発酵させれば簡単に酒になるが、エタノールへの精製には、よほどの手間がかかる。地球規模で考えれば、エネルギー不足より食糧問題が先にくる。食糧をわざわざ燃料にするよりは、飲むなり食べるなりしたほうが、というのが手塚先生の意見で、私も同感だ。 エコのマナー、それはエゴではなく、ヒューマニズムに徹すること。人類の幸福と地球の幸福が重なる地点に未来はある。ウン 常日頃は、お笑い系に徹するアンナさんであるが、このコメントはエコのマナーに徹していて・・・ええでぇ♪『マナーの正体』1:八つ当たりのマナー
2018.08.09
コメント(0)
図書館で『マナーの正体』という本を、手にしたのです。さだまさし、荻野アンナ、高野秀行、福岡伸一、等々、とにかく大使好みの作家のコメントが見られるのです。読売新聞の「たしなみ」欄に掲載したコメントを並べただけの本のようだが・・・企画の勝利と言うべきか。【マナーの正体】逢坂剛, 荻野アンナ著、中央公論新社、2015年刊<「BOOK」データベース>よりデータなし<読む前の大使寸評>さだまさし、荻野アンナ、高野秀行、福岡伸一、等々、とにかく大使好みの作家のコメントが見られるのです。読売新聞の「たしなみ」欄に掲載したコメントを並べただけの本のようだが・・・企画の勝利と言うべきか。rakutenマナーの正体逢坂剛さんのマナーを、見てみましょう。p262~263<八つ当たりのマナー> 若者世代を中心に、本を読む人が減ったといわれ始めてから、すでに久しい。 本だけではない。新聞を読まない若者も、増えてきた。ことに、一人暮らしの若者の多くが、新聞の自宅購読をしていない、という。 いつも、こうした現象の主犯として挙げられるのが、携帯電話の普及だ。まして、昨今はスマートフォンなるものが登場し、猫も杓子もスマホという時代になった。なんでも、小型のパソコンを持ち歩くのと同じだそうで、歩きながらでも電車の中でも、必用な情報をすぐ入手できるらしい。その上、好きな音楽を好きなだけ聞けるし、いろいろなゲームで暇つぶしもできるから、本など読んでいる暇はない、というわけだ。まことにもって、シアワセいっぱいの若者たちである。 われわれ戦中生まれは、何かを手に入れるのに足を使わないと、ありがたみがわからない。 たとえば、神田神保町の東京堂書店に足を運び、新刊書の平台を見渡してみよう。あるわあるわ、新刊書が手に取ってくださいとばかり、ずらりと並んでいる。それを、ひとしきり眺めるだけで、今人びとが何に関心を抱いているかが、一目瞭然に分かる。新聞もまた、朝の食卓でぱっと広げたとたん、世間で今何が起きているか、立ちどころに判明する。 しかるに、近ごろはタブレットとか〇×パッドとか称して、ちまちました液晶画面で読むメディアが、普及し始めた。これはもともとしか持たない、単純素朴な連中が開発した、おもちゃである。平仮名と片仮名に加えて、何万もの漢字を使いこなす、わが国の高度の言語文化とは、本来なじまないものだ。 アニメとか、ビジュアル系の雑誌等は別として、印刷メディアで育った世代には、このおもちゃで本を読む気は起こらない。日本の出版社は、よそ者に市場を奪われてたまるかと、しきりに対抗策を講じているが、何も心配することはない。今こそ、日本の活字文化の底力を、見せつけてやれと言いたい。 スティーブ・ジョブズが、どれだけ偉いか知らないが、わたしにとっては縁もゆかりもない、ただ小才のきくオジサンにすぎなかった。そういう自分も、どこかで彼の発明品?の世話になっているのではないか、と指摘する向きもあろう。 しかしそれは、当方からお願いしてそうなったわけではなく、向こうが勝手に押しつけてきたのである。世話にならなくても、わたしは痛くもかゆくもない。いっそ、貧しかったけれども明るい希望に満ちた、戦後の闇市の時代にもどるなら、それはそれで悪くないではないか。 もっとも、それは今のシアワセな若者には、とうてい耐えられないことだろう。ウン 逢坂剛さんの八つ当たりに共感を覚える大使である♪大使も闇市の時代をぎりぎりでかすっていたので、その雰囲気もわかるし、それはそれで悪くないとも思うわけです。さらに言えば・・・反米の大使はスティーブ・ジョブズの生み出した製品は意識的に避けているわけで、いっさい持っていないのです。
2018.08.09
コメント(0)
台風12号が迷走しているので想定外の長雨に遭った地域もあったかもしれないなあ。我が町の防災マップはどうなっているのか?と・・・暇な大使は思い立ってネットで探してみたのです。くらしの防災ガイド(各区版PDFファイル)より 想定外の長雨、線状降水帯による大規模土砂災害が頻発するようになりましたね。急傾斜地も危ないが、中国地方に多いまさ土(花崗岩が風化してできた真砂土、乾いていれば強度があるが、水を含むとボロボロになるようです)も危ないのである。また、堤防で囲まれた地域も安全とは言えなくなっています。 つまり、現状の傾斜地や河川地域は住宅地としては危険過ぎる場所に変わってきたわけで、ハザードマップも書き直す必用があるのです。 地区の古老の話や災害記録を見てもこれほどの降雨量はないわけで、当然としてハザードマップも対応できていないわけです。(これまで痛い目にあった広島県のハザードマップは、優柔不断というか個人の財産に忖度しているので、旧来のマップのままで残っているのではないか?) 災害報道によれば、砂防ダムや植林した斜面がごっそりと崩れ、流されてきた材木が下流の橋や家屋を直撃しています。 これだけの気候変動に対しては、河川のインフラや、土木建築の各種基準が実情に合わなくなっているんでしょう。 こんな状況では、利益優先の造成地なんかの危険度は推して知るべしで・・・安全な地区への移住こそが最善の策だと思われるのだが、どれだけ公費補助するかは政治判断によるんでしょうね。 中国のような強権国家であれば、うむを言わせぬ移住が敢行されるわけだけど・・・個人の財産が尊重される日本では、そんな荒治療は望むことはできないのでしょうけど。 とにかく、昨今の長雨に対しては警報を軽視したりボンヤリしていてはだめで、自己責任でサバイバル感覚を磨く必要があるようです。(追記)7/31のNHKクローズアップ現代によれば・・・広島市の避難情報システムは、土壌水分を考慮するなど格段に進歩していたが、住民の対応は旧来のまま(オオカミ少年)だったので、住民の被害は繰り返されたそうです。・・・行政は頑張っているんだから、住民としては警報を信じることも肝要のようです。
2018.08.01
コメント(0)
朝日のインタビュー記事、オピニオン記事をスクラップのように集めてみました。ネットでは記事の全文が見えないので、朝日デジタルから全文を転記しました・・・そのうち朝日からお咎めがあるかも?(いい記事なんだから、無料で公表してほしいんだけど)あとで、見渡すとほとんどの記事が2大覇権国からみになっていました。【2018年】・(耕論)鏡を見よう、日本エマニュエル・トッド2018.7.18・(ニッポンの宿題)個人データ どこまで岡嶋裕史2018.2.15・(ニッポンの宿題)やはり新築・持ち家?平山洋介2018.2.09【2017年】・(耕論)明治維新150年三谷博2017.12.20・(オピニオン)日米同盟の現在地佐藤丙午2017.12.19・(2017衆院選)岐路に立つ平和半藤一利2017.9.29・(ニッポンの宿題)重い住まいの負担川田菜穂子2019.8.8・(ニッポンの宿題)魚、食べ続けるために有路昌彦2017.6.21・取り残された白人たちJ・D・バンス2017.6.06・(ニッポンの宿題)シャッター商店街藻谷浩介2017.5.13・(耕論)緊迫の朝鮮半島平岩俊司2017.4.29・(耕論)史上初、罷免の底流小此木政夫2017.3.11・(ニッポンの宿題)人質司法の闇周防正行2017.2.24・外国人に国をひらく国松考次2017.2.01・(ニッポンの宿題)老朽化するインフラ宮本泰介2017.1.28・トランプ政権への期待オリバー・ストーン2017.1.24・(ニッポンの宿題)米軍基地のこれから佐道明広2017.1.14・(ニッポンの宿題)移民の受入れ方田村太郎2017.1.08・(ニッポンの宿題)老いるニュータウン石橋尋志2017.1.06・(シェアの時代:1)人と人、分かち合い変わる社会2017.1.01【2016年】・東京都は変わるのか上山信一2016.12.21・揺れる中東、100年前の分断クルド人政治学者2016.12.5・大統領を追い込んだ怒り康煕奉2016.11.30・保護者なき日本白井聡2016.11.25・(一語一会)雨宮処凛さん雨宮処凛2016.11.10・(耕論)AIと生きる新保史生2016.11.9・(耕論)変な国アメリカ?矢口祐人2016.11.8・北朝鮮を止めるには古川勝久2016.9.13・IT 30年後の未来2016.9.02・文化大革命50年徐友漁2016.8.31・(憲法を考える)公共のゆくえ桐野夏生2016.4.12・AIは人の脅威か、アルファ碁の圧勝北野宏明2016.4.09・テレビ報道の現場金平キャスター2016.3.30・中東安定への道世界銀行副総裁ハフェズ・ガネム2016.3.26・イランとサウジ田所昌幸・慶大教授2016.3.7・時流に抗う辺見庸2016.1.21・出版流通の壁新井敏記2016.1.20・選べない国で藤田孝典2016.1.04【2015年】・田園回帰1%戦略藤山浩2015.11.17・試されるアジア経済吉野直行2015.11.13・中国の自画像北京大学国際関係学院院長2015.10.30・イスラム過激派の系譜パリ政治学院教授2015.10.20・TPPの底流白石隆2015.10.07・変調する中国経済余永定、茅于軾2015.9.30・書棚から見える中国 書店「万聖書園」劉蘇里2015.9.12・世界経済、不安の正体猪木武徳2015.8.25・米国との間合い百旗頭真2015.8.06・「あの戦争」とは加藤陽子2015.8.05・日本の誇るべき力ジョン・ダワー2015.8.04・変わらぬダムに物申す宮本博司2015.7.04・生活保護のこれから 上山信一2015.6.30・米国、指導力の行方カート・キャンベル2015.6.20・若者の狂気と希望見つめる藤原新也2015.6.11・中ロ蜜月、その内実ロシア高等経済学院教授2015.6.10・台湾で日本軍にいた私辜寛敏2015.6.4・防衛指針改定、米の視点デビッド・シアー2015.4.29・隣国を、見直す徐賢燮2015.4.8・中国「官僚資本主義」 區龍宇2015.4.2・台湾、ひまわりの芽は邱義仁2015.3.21・IS 本質を見極めるロレッタ・ナポリオーニ2015.3.18・中華民族復興パトリック・ルーカス2015.2.25・分断される世界エマニュエル・トッド2015.2.19・中国、権力と文学閻連科2015.2.06・フランス社会の混迷マリーヌ・ルペン2015.1.27・何となく肯定、変わらない日本斎藤環2015.1.10・人類の未来のために川田順造2015.1.04・失われた平等を求めてトマ・ピケティ2015.1.1【2014年】・政治化するナショナリズムワンチョン2014.11.15・米国と世界のこれからフランシス・フクヤマ2014.11.8・日韓「愛国」の圧力千葉大学教授の趙さん2014.10.24・カジノで考える民主主義内田樹2014.10.21・紛争下で命をどう守る緒方貞子2014.9.17・成長戦略の「勘違い」冨山和彦2014.9.9・国家の枠を超えて中国人文学研究者2014.8.27・揺れ動く民主主義英オックスフォード大学教授2014.8.21・中国バブルの虚実梶谷懐2014.7.12・米政権が見る東アジアダニエル・ラッセル米国務次官補2014.7.7・変わるアジア太平洋マイケル・グリーン2014.6.20・新しい資本論トマ・ピケティ教授2014.6.14・「どん底」から見た中国政治・社会学者のユイさん2014.6.12・在宅医療で見えたもの太田秀樹さん2014.6.3・中国、成長の罠香港大学教授2014.02.26・米国から見る安部政権1年在米作家の冷泉彰彦さん2014.02.21・是枝監督の政治的発言2014.02.16・中国の「不動産バブル」大手不動産会社トップ2014.01.28・これからの日米 キャロライン・ケネディ2014.01.23・ 「満州国化」する日本山室信一2014.01.10【2013年】・人間本意の金融論米エール大教授2013.12.06・NRC委員長インタビュー「第一原発の教訓」 2013.12.05・ 国家は常に秘密主義に傾くAP通信社長2013.11.30・中国 国有企業の行方張維迎 2013.11.07・アレックス・カーさんへのインタビュー2013.10.10・安部政権と戦争の記憶キャロル・グラック 2013.8.21・中国と影の銀行陳志武 2013.08.02・技術者が見る原発事故名嘉幸照 2013.07.15・中国、労働者の権利は常凱 2013.06.22・アベノミクスに欠けるものスティグリッツ 2013.06.16・ アジア主義から見た中国中島岳志 2013.03.30・同盟強化、ですか榊原英資 2013.02.17・米の「アジア回帰」外交カート・キャンベル 2013.02.09・春の闘い何のため?ビル・トッテン 2013.01.31・本屋サバイバル松岡正剛 2013.01.23【2012年】・丹羽さん、ご苦労さんでした丹羽宇一郎 2012.12.23・華夷秩序に生きる精華大学院長イエン・学通 2012.12.13・反TPPの核心佐伯啓思 2012.12.02・北京大教授へのインタビュー賀衛方 2012.11.07・ジョン・ダワーさんのインタビュー2012.10.31・ 「原発ゼロ」方針に驚いたアメリカ米戦略国際問題研究所所長 2012.10.26・成功物語の裏面で米支配が…吉見俊哉 2012.09.06・米保守派の対中感アーロン・フリードバーグ 2012.08.29・米中不信の時代が来るのかケネス・リバソール 2012.07.22・ 金曜の夜、官邸前で 小熊英二 2012.07.21・尖閣問題で開いた傷口をどうするか?宮元雄二、他 2012.07.10・書籍販売の巨人:アマゾンジェフ・ベゾス 2012.05.24・チャイナマネーの正体 高西慶 2012.05.18・老いゆく中国 ツアイ・ファン 2012.04.21・政権を出た派遣村村長湯浅誠 2012.04.14・朝ドラ「カーネーションが終わったけど 渡辺あや 2012.04.06・五百旗頭真(防衛大学校長)のオピニョン2012.02.23・橋下さんのルール 橋下徹 2012.02.14・「真珠湾が教えるもの」加藤陽子 2012.02.08・ドルの落日行天豊雄 2012.02.07・日本は「中国化」しつつある與那覇潤 2012.02.03・デジタル最優先の新聞社ジョン・ペイトン 2012.02/17・国債暴落というオオカミが見える伊藤元重 2012.01.23・五百羅漢図に取り組む村上隆2012.01.17・『貧困の装置化』に対抗して内橋克人 2012.01.08・東アジアは壊れるか 白石隆 2012.01.06・ウォール街占拠の仕掛け人カレ・ラースン 2012.01.02
2018.07.22
コメント(0)
<(耕論)鏡を見よう、日本> エマニュエル・トッドさんがオピニオン欄で「行動せず議論、移民は流入」と説いているので、紹介します。(エマニュエル・トッドさんのオピニオンを7/18デジタル朝日から転記しました)<行動せず議論、移民は流入> 1990年代に初めて訪日したとき、将来の少子化など人口動態の問題を語る人は多かった。欧州より意識が高いと思いました。来日はこれまで16、17回になりますが、今はこう考えています。人口動態危機について、日本人には何も行動しないまま議論し続ける能力があると……。 国力を増したければ人口動態危機に取り組むはず。それをしない姿勢をナショナリズムとはいえません。 日本の問題は、女性が働くと子どもをつくれなくなるというところにあります。 家族人類学の視点から見ると、日本は長男が家を継ぐ直系家族の国です。往々にして、男の方に特権がある。消えつつある家族形態ですが、その価値観はゾンビのように今も残り続けています。 現代日本で、男尊女卑が激しいわけではない。女性は高等教育を受けられるし、職業上のキャリアを積み上げることもできる。けれどキャリアを積もうとすると子どもをつくりにくい。「あれか、これか」の二者択一を迫られる。 日本の場合、直系家族というシステムが頂点に達したのは明治期で、近代化のスタートと重なりました。テクノロジーを次世代に伝えながら完成するには効果的でした。競争にも強い。同じく直系家族のドイツは近代化へ離陸すると、わずかの期間で英国より強国になった。 明治日本の離陸も恐るべきものでした。しかし、これまでのやり方を断絶し、システムを大きく転換するときに直系家族の価値観は困難に直面します。方向を変えられないのです。 日本は移民政策に消極的です。ドイツは今、移民を最も受け入れている国の一つですが、直系家族が移民導入の足かせにはなっていません。 日本文化には、極端な礼節へのこだわりがあります。他人に決して迷惑をかけない。それは一つの価値ですが、移民問題に当てはめてみるとどうなるか。礼節という文化が脅かされることになる。フランスなら話は簡単だ。もともとお互いに不作法だから失うものなどありません。 現実問題として、日本が移民を拒むのは不可能です。人口減社会の日本では、労働力不足が深刻化し、技能実習生という名の「移民」がすでに始まっています。 自分たちだけで暮らしたいという閉鎖的な夢と、外への開放という現実。意識が現実と切り離され、移民の流入はウソの中で始まっているのです。 人口動態危機の解決策として優先するべきは、まず女性が快適に働き、子どもを産むことができる政策です。未来に向けて豊かになるために、政府は保育園整備や児童手当に巨額の予算を投じるべきです。今すぐ豊かになることしか視野にない政策は、将来、国を貧しくします。(聞き手・大野博人) * Emmanuel Todd:1951年生まれ。人口動態や家族構造の分析で、ソ連の崩壊などを予見。米国でのトランプ大統領当選の可能性も事前に指摘した。少子高齢化、貧困な子供たち、移民問題など難問山積のニッポンであるが・・・直系家族の価値観がジャマをして、動きがとれないようですね。野田聖子さんが首相になっても、この難問は解決できないかも?(耕論)鏡を見よう、日本エマニュエル・トッド2018.7.18この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR6に収めておきます。
2018.07.19
コメント(0)
朝日のコラム「ザ・コラム」にチャイナウォッチャーとも言える吉岡桂子記者の記事を見かけたので紹介します。2018年6月21日「見る 聞く 言う」の存在感より あのサルたちはいま、どこにいるだろう。インドのモディ首相が安倍晋三首相に贈った白い大理石製の「三猿」である。 「見ざる 言わざる 聞かざる」。2017年9月、ともにガンジーの旧居を訪ねた記念の品だ。ガンジーは、日本の有名な僧侶、藤井日達氏から贈られた「三猿」像を常にそばにおいたそうだ。そして、「悪を見るな、悪を聞くな、悪を言うな」と教えたことが、インドで広く知られている。 森友・加計問題を始めとする国会でのやりとりを見ながら、あの白いサルが浮かんだ。モディ氏にはいっそ「見る 聞く 言う」のサルを作って渡してほしかった。 国際会議にまつわる伝説がある。「成功するには日本をしゃべらせ、インドを黙らせる」。日本でも雄弁な政治家や官僚は増えたと聞くが、かつては主張の弱さで知られた。逆に、問われなくても激しく意見を述べ、まとまりかけた議論を揺さぶるのがインド。誇張が混じるとはいえ、自分は他者とは異なる前提で独立した意見を述べあう社会。十数億人がひしめくなか、その多様性がインドという国家をつくっている。 ◇ 台頭する中国と向き合うため、日本にとってインドの重要性が高まっている。米国とともに「自由で開かれたインド太平洋戦略」を掲げ、関係を強化している。インドも国境紛争を抱えるうえ、スリランカ、モルディブ、パキスタンと周囲の港の整備を続ける中国を警戒する。習近平政権の対外戦略「一帯一路」にも冷たい。中国政府の情報収集の拠点とみて、中国が世界に展開する中国語などの教育機関「孔子学院」の設置にも消極的だ。 ただ、インドはそれだけではない。 中国が主導して設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)は来週、3回目の年次総会をインドの商都ムンバイで開く。中国研究で知られるネール大学のコンダパリ教授は言う。「中国に地域をハイジャックされないために加盟したのだ」。日米は入らなかったが、インドの出資比率は中国につぐ2番目。副総裁のイスにも座る。 興味深い案件がある。インド洋から中東へ至る海上ルートの玄関口オマーンの港湾都市ドゥクム。中国が工業団地を造っている。先には中国軍初の国外基地のあるジブチが控え、中印の勢力がせめぎあう場所である。港の開発にAIIBは300億円相当を貸す。インドはなぜ、許したのか。 「自らもメンバーの組織がかかわれば、情報も得られるし、誘導もできる」。中国がAIIBを国際機関として育てるなら地域の大国インド抜きはありえない。米国との摩擦が強まるなか、インドとの関係は重みを増す。その足元を見ながら、カネを出すなら口も出す。審査中も含めると全45件のうち、12件がインドでの事業である。 ◇ 歴史的な南北首脳会談が開かれた4月27日。モディ氏は習氏と湖北省武漢にいた。博物館で古代の鐘をつき、湖畔で語らう。わたり合う姿をツイートする。地域の秩序が流動化するなか、悠久の大国の首脳として「蚊帳の内」を強調するかのように。 その約1カ月後。「インドと中国の協力がアジアや世界のより良い将来につながる」。モディ氏はシンガポールで開かれた国際会議の演説で、中国を刺激しない言葉を選んだ。対中牽制を期待していた日本政府の関係者は拍子抜けしたようだったが、地域の重心がインド洋へ移ることを心配する東南アジアの国々への配慮でもあった。中国とXXのどっちをとるかという踏み絵を嫌う彼らとうまく付き合うためだ。 トランプ米大統領の「暴言」に揺さぶられた6月上旬のG7。タイの英字紙ネーションの風刺漫画が目にとまった。メルケル独首相が「トランプ」赤ちゃんを必死にあやすが、おしっこをひっかけられている。開催国カナダ、英仏の首脳が見守る。あれれ、イタリアと日本の首相の姿がない。 正しい描写かどうかは別にして、今の日本のアジアにおけるイメージの一面だ。誰かの「腹話術」に聞こえたら、耳をそばだてるべきは後ろにいる人の言葉だ。インドほどでなくとも、身も心もどこかの国と、誰かと、一心同体はありえない。かの人の「暴言」の連投は、自らの言葉を取り戻す好機なのかもしれない。(編集委員)朝日新聞の吉岡記者といえば、チャイナウォッチャーとして個人的に注目しているわけで・・・・その論調は骨太で、かつ生産的である。中国経済がらみで好き勝手に吹きまくる経済評論家連中より、よっぽどしっかりしていると思うわけです。波聞風問一覧に吉岡記者の中国論が載っています。<吉岡桂子記者の渾身記事21>
2018.06.25
コメント(0)
<日本語変換あれこれR1>大使が日々お世話になっている日本語入力システムは、多分マイクロソフトのIMEだと思うのだが・・・漢字かな混じりの日本語を、分節単位でローマ字入力から日本語に変換してくれています。昨今では、初期のシステムに比べると格段に使い勝手が良くなっていて、漢字に詳しい優れものとの感がありますね♪パソコンの検索窓とIMEの二つがあれば、紙の辞書が不要にさえなるし・・・昨今では、入力システム自体が学習機能を持っているとのことで、ほんと“びっくりポン”でおます。ということで、日本語変換についてあれこれ集めてみます。・IMEのプチサーチ・日本語入力システム・機械が読む日本語・新文字の開発R1:「IMEのプチサーチ」を追加<IMEのプチサーチ>ネットでIMEのプチサーチというサイトを見つけたので、メモしておきます。なお、中国の人名、地名のように「IMEに出てこない漢字をどう書くか」であるが・・・これはパソコンの検索窓に関連ワードを打ち込んで2、3のネット記事を見て目指す漢字をコピペするのが一番早いようです。(体験的には)<日本語入力システム>ウィキペディアの「日本語入力システム」をのぞいてみました。wikipedia日本語入力システムより【概要】 パソコンにおいて、英文の入力は一般のキーボードでタイプライター同様にタイプすれば入力可能であるが、日本語のように使用文字数が数千を超える言語の文章を入力する際には全ての文字に一つのキーを当てはめるキーボードは非現実的であるため、複数のキーの操作で一文字を入力するなどの仕組みが必要となる。 日本語の入力方法で現在主流なのは、読みとしてかなを何らかの形で入力しておいて、漢字・かな・英字などの変換候補から選択して入力するかな漢字変換である。 これは、1978年9月26日に、東芝の「JW-10」の発売によって実現された。日本語入力システムは、MS-DOS時代はもっぱらフロントエンドプロセッサとして実装されたため、日本語入力フロントエンドプロセッサ(日本語入力FEP、さらに略してFEP)などと呼ばれることが多かった。Windowsの普及後はインプット メソッド エディタ(IME)と呼ばれることが多くなった。 ワープロ・パソコンだけでなく、携帯電話やビデオレコーダー・ゲーム機といったデジタル家電、カーナビ、情報キオスク端末など日本語の入力を必要とする様々な機器に日本語入力システムが組み込まれている。【学習】 ユーザーの変換・確定結果を記憶し変換精度を上げる仕組み。学習が蓄積されることにより、IMEは自動的に各ユーザー個人に最適化されていく。誤った変換結果も保存されるため誤りが次回以降に再現されるのが難点で、ATOKなどでは変換履歴を直接編集して不要な学習のみを削除することができる。 学習が多く蓄積されると逆に変換精度が落ちたと感じたり、学習機能に異常をきたす場合がある(Microsoft IMEの項などを参照)。その場合は学習結果をリセットして初期状態に戻すなどの作業が求められる。<機械が読む日本語>日本語入力については、日本語は英語などに比べてハンディがあるようです。そのあたりが、ネットに出ています。機械が「読む」時代の知に対応するためにより■日本語の抱えるハンディキャップこの、「機械が読める」に関して、日本語は英語と比べハンデを背負い込んでいる。列挙すると以下の四つとなる。イ.文字数が多いロ.単語の判別が難しいハ.文節の理解が難しいニ.本のデジタルデータが少ないアルファベット26文字の英語と、かなと漢字を足すと数千文字を普段から使っている日本語。さらに日本語の場合同じ漢字でも、字体が異なる文字があり「万」の単位の文字コードが必要となる。つまり英語と日本語とでは、用意しておかなければならない文字コードの数が断然異なるということになる。ただこのイ.は、情報端末の記憶容量が各段に増強されたことでだいぶ状況は改善してきた。(たとえば以前は、「トウショウヘイ」は「とう小平」としか表現できなかったが、最近は「トウ小平」と表示できるようになった*)難問はロ.ハ.だ。イ.文字数が多いロ.単語の判別が難しいハ.文節の理解が難しいニ.本のデジタルデータが少ない文字にひとつひとつコードを振ったように、単語にもコードを振って、そこへ属性(名詞か動詞か、単数か複数かなど)を記述しておけば文法と照らし合わせ、機械が、検索窓からの問い合わせ(クエリ)に対し、適切な解となりうる候補テキストをネット上の膨大なデータから探し出すのに、便利だろう。検索が効率的に、効果的に結果を表示するにはこの単語の判別、文節の理解といった、いわゆる形態素解析という工程が欠かせないのだ。*【大使注】楽天ブログでは、トウ小平のトウは機種依存文字なので、受け付けてくれません。<新文字の開発>パソコンのない時代には機械式入力はタイプライターのみであり、この時期に考案された日本語の新文字が面白いのです。「ひので字」などは、ロシア文字かと見まがうばかりで、びっくりポンでおます。荒俣宏さんが『喰らう読書術』という本の中で、新文字を紹介しています『喰らう読書術』2より日本語は漢字があるから効率が悪く、覚えるのが非常に難しいことに愛想をつかした人たちがあ、「それならアルファベットのように簡単できっちりした新文字を創造してみようではないか」と奮闘した記録です。一番わかりやすいのは、漢字もひらがなもやめて、直線で表記できるカタカナを「日本国の公式文字」にしようとする動きです。 石原忍という、視力検査表を開発した眼科医の先生が、欧米のタイプライターを見て、日本語も機械で書くには、カタカナを利用するのが早い、と考えてカタカナタイプライターを試作しました。でも、どうもカタカナは横書きに向いていない。そこで、ローマ字、ギリシャ文字、ロシア文字を参考にして、横書きに向く新カタカナを創造しました。1939年頃の話です。ひので字 ところが、石原さんよりも早く、新しい日本文字を創造して石原さんを刺激した中村壮太郎という人が、1935年頃に「ひので字」という非常におもしろい日本文字を作りだしました。この文字もどこかロシア文字に似ているのに、カタカナかひらがなの特徴も残しているので、日本人にはなんとなく読める、というところが売りだったようです。こういう「横書きができて漢字も不要」という新文字を開発しようとした人が、江戸時代から何人も存在していたことが分かりました。パソコン、OS、IMEは日々進化しているのだが・・・変わらないのは、ローマ字入力に使うキーボードの文字配列である。かつて若き日の大使は、タイプライターのブラインドタッチを練習していたわけだが・・・残念ながら現状は一本指タッチではあるが、文字配列だけは無意識で分かるのでおます♪日本語変換あれこれ
2018.06.04
コメント(0)
朝日デジタルに契約し、書評や論評などをブログに取り込んで利用しているのだが・・・朝日デジタルに契約したあとも、アナログな新聞スクラップは増えこそすれ、いっこうに減らないのだ。ファイルは増える一方であるが、大使の年齢から考えると、収集・保存から整理、捨てるに移行する時期になっているはずである。・・・ということで、新聞スクラップの断捨離という観点からいろいろ集めてみました・『定年後の知的生産術』2018年刊・『情報の「捨て方」』2015年刊・『思考の整理学』1996年刊・デジタル新聞の使い倒し・『定年後の知的生産術』1:クリア・ファイル活用術・情報の「捨て方」:スマホで得られる情報など・沢木耕太郎「銀の街から」コラム一覧・池澤夏樹(終わりと始まり)一覧【定年後の知的生産術】谷岡一郎著、筑摩書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より定年退職後こそ、クリエイティブに、好きな研究、夢や目標に向かって打ち込むチャンスである。これまでの仕事や人生で得た経験が、意外な組み合わせによる新しい発想や、本質を見抜く眼力に通じる。時間的・金銭的な余裕が比較的あることは、シニア世代の大きなアドバンテージである。本書は定年後のクリエイティブ・シニアを応援する一冊。<読む前の大使寸評>クリエイティブ・シニアを応援する一冊ってか・・・ええなあ♪本は図書館で借りるものとなってしまった大使にとって、新刊本を購入するのは久しぶりのことでおます♪rakuten定年後の知的生産術【情報の「捨て方」】成毛眞著、KADOKAWA 、2015年刊<「BOOK」データベース>より新聞を読むな。BSテレビを観ろ。メモは「太赤マジック」で取れ。SNS上のバカは即刻「ブロックしてよし」-人生もビジネスも、どう“情報を捨てるか”で質が決まる。「良い情報を探す」前に、疑い、見極め、そうして活かせ。人、街、テレビ、ネット、スマホ…本当の知的生産をするための、「情報活用」以前の教科書。【目次】序章 「情報とは一体何か」-バカを相手にしないための手段として/1章 情報を「入手する」-24時間浴びる、しかしルートは絞る/2章 情報を「見極める」-「どうせウソだよね」という思考習慣/3章 情報の「非整理術」-整理に追われて1日を終える人々/4章 情報を「噛み砕く」-解釈する力のない者は敗れる/5章 情報を「生み出す」-受け取るだけの人間になるな/6章 情報を「活用する」-面白い生き方をしたいなら/特別章 成毛眞「情報」個人史<大使寸評>お説ごもっとも、これこそ「情報活用」の書だと思ったのです。ただ、成毛さんのような有名人はFacebookを愛用するのが当然なのかもしれないが・・・市井の一般人には、ツイッターが向いている思うわけです。(色々理由があるのだが、大使はFacebookが嫌いやでぇ)rakuten情報の「捨て方」【思考の整理学】外山滋比古著、筑摩書房、1996年刊<「BOOK」データベース>よりアイディアが軽やかに離陸し、思考がのびのびと大空を駆けるには?自らの体験に則し、独自の思考のエッセンスを明快に開陳する、恰好の入門書。<大使寸評>単なるハウツー本というよりは、もっと知的なエッセイという感じがするわけで…なにより、クリエイティブなところが、ええでぇ♪rakuten思考の整理学<デジタル新聞の使い倒し2>つい最近、朝日デジタルの沢木耕太郎(銀の街から)から、『ゼロ・グラビティ』の映画評をブログにUPした大使である。朝日デジタルに契約して以来、このところ映画評や書評など朝日デジタルのお世話になることしきりでおま♪斯様に、旧来からのスクラップブック作成が、デジタルに移行しつつあるわけで・・・この際、「デジタル新聞の使い倒し」を再度、整理してみます。で、現在進行中および気になるデジタル・スクラップの対象アイテムです。<映画評>・沢木耕太郎(銀の街から)・映画クロスレビュー<書評>・最新の書評を読む・ベストセラー解読・売れてる本<その他>・人生の贈りもの・池澤夏樹(終わりと始まり)・ニッポンの宿題これまでの断捨離実績でおます。新聞スクラップの断捨離12014/08/25断捨離できない2013.09.16
2018.06.03
コメント(0)
報道によれば、米朝双方から、会談の中止をちらつかせているとのことである。北朝鮮はこれまで世界をあざむいてきた自信から、アメリカを手玉に取れると思っているかもしれないが・・・そうはいくか!というwedgeの記事が出たので、見てみましょう。2018/5/22ペンス米副大統領、北朝鮮に警告 トランプ氏を「手玉に取る」べきでないより マイク・ペンス米副大統領は21日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長に対し、ドナルド・トランプ米大統領を「手玉に取る」のはやめておくべきだと警告した。金委員長とトランプ大統領は来月12日にシンガポールで首脳会談を開く予定となっている。 ペンス副大統領は21日に放送された米フォックス・ニュースとのインタビューで、トランプ大統領を手玉に取るような行動は、「大きな過ち」になると語り、トランプ氏が会談の席を途中で立つ可能性は「間違いなく」あると述べた。 ジョン・ボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、北朝鮮の非核化で「リビア方式」の適用に言及したことに、北朝鮮は激しく反発していた。 2003年に当時のリビア指導者、ムアンマル・カダフィ大佐は制裁解除を条件に、核兵器計画の放棄で西側の主要国と合意した。その8年後、カダフィ大佐は西側が後押しする反政府勢力によって殺害された。 北朝鮮はさらに、米国と韓国が現在行っている合同空軍演習にも反発しており、先週16日に予定されていた韓国との閣僚級会談を中止した。 韓国の文在寅大統領は22日にワシントンで、トランプ大統領との会談に臨み、米朝首脳会談について協議する。ウン トランプ氏には「何をするか分からない」というカードがあるわけで、さすがの金正恩も脅威に感じているのではないだろうか。
2018.05.23
コメント(0)
「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、印鑰さんは@、櫻井さんは*、西加奈子さんは♪で区別します)・中国の若者たちよ、マルクスを読もう・『街場の憂国論』文庫版のためのあとがき2・『街場の憂国論』文庫版のためのあとがき1********************************************************************内田先生かく語りき9目次・『街場の憂国論』文庫版のためのあとがき・直言3月号「韓国の教育と日本のメディア」・人口減社会に向けて・時間意識と知性・Madness of the King・吉本隆明1967・大学教育は生き延びられるのか?・こちらは「サンデー毎日」没原稿・奉祝「エイリアン・コヴェナント」封切り・米朝戦争のあと(2件)・気まずい共存について********************************************************************内田先生かく語りき8目次・「愛国的リバタリアン」という怪物・『日本の覚醒のために』まえがき・「内田樹の大市民講座・直感はわりと正しい」・対米従属テクノクラートの哀しみ・天皇制についてのインタビュー・朝日新聞のロングインタビュー・神奈川新聞のインタビュー・役に立つ学問・Liberationの記事から・境界線と死者たちと狐のこと・大統領が就任したときの日本人・なぜトランプ政権のスタッフは嘘をつくのか?・2016年の十大ニュース・「困難な成熟」韓国語版序文・『赤旗』インタビューロングヴァージョン・なぜ安倍政権は勝ち続けるのか?♪アラスカ・司馬遼太郎への手紙・山本七平『日本人と中国人』の没解説・ルモンドの記事から(長くなるので省略、全文はここ)********************************************************************2018/4/28中国の若者たちよ、マルクスを読もうより 日本では、マルクスは政治綱領としてよりはむしろ「教養書」として読まれてきました。つまり、マルクスのテクストの価値を「マルクス主義」を名乗るもろもろの政治運動のもたらした歴史的な帰結から考量するのではなく、その論理のスピード、修辞の鮮やかさ、分析の切れ味を玩味し、テクストから読書することの快楽を引き出す「非政治的な読み方」が日本では許されていました。 マルクスを読むことは日本において久しく「知的成熟の一階梯」だと信じられてきました。人はマルクスを読んだからといってマルクス主義者になるわけではありません。マルクスを読んだあと天皇主義者になった者も、敬虔な仏教徒になった者も、計算高いビジネスマンになった者もいます。それでも、青春の一時期においてマルクスを読んだことは彼らにある種の人間的深みを与えました。 政治的な読み方に限定したら、スターリン主義がもたらした災厄や国際共産主義運動の消滅という歴史的事実から「それらの運動の理論的根拠であったのだから、もはやマルクスは読むに値しない」という推論を行う人がいるかも知れません。けれども、日本ではそういう批判を受け容れてマルクスを読むことを止めたという人はほとんどおりませんでした。「マルクスの非政治的な読み」が許されてきたこと、それが世界でも例外的に、日本では今もマルクスが読まれ続け、マルクス研究書が書かれ続けていることの理由の一つだろうと思います。2018年4月3日『街場の憂国論』文庫版のためのあとがきより 焼け跡から立ち直った1960年代以降の日本人には次は「豊かになる」という目標がありました。さしあたりは「戦前の生活水準を超える」ことが目標でした。「もはや『戦後』ではない」というフレーズを当時の為政者はしばしば口にしましたが、それは国民にとっては「生活レベルが戦前に戻る」ことを意味していました。そして、たしかに60年代の中ごろにその悲願は達成されました。 その次に日本人が抱いたのは新しいかたちの「夢」でした。それは「アメリカの属国身分から脱して、国家主権を回復する」という「夢」です。ただし、それを公然と言挙げすることはできませんでした。というのは、日本は形式的にはサンフランシスコ講和条約で国家主権を回復したことになっていたからです。 ただし、それにもかかわらず、米軍は日本国内のどこでも好きな場所に、好きな期間だけ駐留することができ、そのエリアは日本の統治が及ばない治外法権でした。日本は事実上はアメリカの軍事的属国だったのですが、アメリカからの国家主権の回復プログラムは(いわば一種の独立運動ですから)無言のうちに遂行されなければなりませんでした。 世界中から「エコノミック・アニマル」という蔑称を投げつけられながらも、日本は全国民が一丸となって達成した驚異的な経済成長によって、ついに世界第二位の経済大国となりました。経済力でアメリカに肉迫し、マンハッタンの摩天楼を買い、ハリウッド映画を買うところまでゆきました。バブル期には、アメリカから「国家主権を金で買い戻す」という奇想天外なプランがほとんど実現可能かと思われました。でも、バブル崩壊によって、その夢は潰えます。 それから後の時代が「失われた20年」と言う風に呼ばれます。いずれ「失われた30年」になり、「失われた40年」になり・・・年数がひたすら加算されてゆくことになるでしょう。2018/04/03『街場の憂国論』文庫版のためのあとがきより 巻末に僕が不安げに予測した通り、「現在の自民党政権は、彼らの支配体制を恒久化するシステムが合法的に、けっこう簡単に作り出せるということ」を特定秘密保護法案の採決を通じて学習しました。その結果、2014年夏には集団的自衛権行使容認の閣議決定があり、2015年夏には国会を取り巻く市民の抗議の声の中で、安全保障関連法案が採決され、2017年には共謀罪が制定されました。 そうやって着々とジョージ・オーウェルが『1984』で描いたディストピアに近い社会が現実化してきました。その間ずっと安倍晋三がわが国の総理大臣でした。ほんの一週間ほど前までは、彼が自民党総裁に三選され、年内にも改憲のための国民投票が行われるということが高い確度で予測されていました。でも、3月に入って森友学園問題についての公文書改竄が暴露されて、今は再び政局が流動化しております。ですから、この本が出る頃に日本の政治状況がどうなっているか今の時点では予測がつきません。そういう政局を横目にしつつ、文庫版あとがきとしてはもう少し一般的な話として「国の力とは何か」ということについて一言私見を述べておきたいと思います。 率直に言って日本は急激に国力が衰えています。国力というのは、経済力とか軍事力とかいう外形的なものではありません。国の力をほんとうにかたちづくるのは「ヴィジョン」です。 「ヴィジョン」とは、自分たちの国はこれからどういうものであるべきかについての国民的な「夢」のことです。かたちあるもののではありません。「まだ存在しないもの」です。でも、それを実現させるために国民たちが力を合わせる。そして、そのような夢を共有することを通じて人々は「国民」になる。そういうものなんです。まず国民が「いる」のではありません。「あるべき国のかたちについて同じ夢を見る人たち」が国民に「なる」のです。その順逆を間違えてはいけません。(長くなるので後略、全文はここ)
2018.05.11
コメント(0)
大使は、日々、コンピュータ棋士アヒル(レベル6)との死闘を繰り広げているのだが・・・今のところ互角の戦いであり、大使のサド感覚はご機嫌麗しいのでおます♪アヒル危うし2018-4-25 ahiru-lv60に対して320目で投了\(^o^)/本日の闘いに関して審判のだめ子が診断してくれているので、見てみましょう。だめ子 の診断より<変な癖はないかな? かんたん棋譜診断>・かたまり癖:もんだいなし。・はしっこ癖:もんだいなし。・ノビすぎ癖:もんだいなし。・キリすぎ癖:もんだいなし。 ・トリすぎ癖:もんだいなし。・きゆくつ癖:少し窮屈な石が多いかも。呼吸点を広げるように心がけてね。・ひかえめ癖:ひかえめ過ぎる手が多いかも。自分の勢力が強いところに打つ手は安心だけど、もっと積極的にね。・よくばり癖:もんだいなし。↑だめ子 の診断です。誤診があったらごめんなさい。 アヒル(レベル6)はあっさりと投了しっちゃって・・・・もっと、ねばってくれよな~♪アヒル(レベル6)との闘いで思うのだが・・・とにかく、大使の無茶な打ちかたに付き合ってくれる我慢強い棋士である。アヒル(レベル6)をいたぶるような打ち方は、確実に大使の手筋を悪くしているとは思うのだが・・・ま、いいか♪アヒル(レベル6)との闘い28棋譜リスト(あひる、先手勝ち)
2018.04.25
コメント(0)
<『定年後の知的生産術』1>本屋の店頭で『定年後の知的生産術』という新書を、手にしたのです。クリエイティブ・シニアを応援する一冊ってか・・・ええなあ♪本は図書館で借りるものとなってしまった大使にとって、新刊本を購入するのは久しぶりのことでおます♪【定年後の知的生産術】谷岡一郎著、筑摩書房、2018年刊<「BOOK」データベース>より定年退職後こそ、クリエイティブに、好きな研究、夢や目標に向かって打ち込むチャンスである。これまでの仕事や人生で得た経験が、意外な組み合わせによる新しい発想や、本質を見抜く眼力に通じる。時間的・金銭的な余裕が比較的あることは、シニア世代の大きなアドバンテージである。本書は定年後のクリエイティブ・シニアを応援する一冊。<読む前の大使寸評>クリエイティブ・シニアを応援する一冊ってか・・・ええなあ♪本は図書館で借りるものとなってしまった大使にとって、新刊本を購入するのは久しぶりのことでおます♪rakuten定年後の知的生産術クリエイティブ・シニアと呼ばれる(こともある)団塊世代は、暇にまかせて新聞スクラップをしたりしているのです。その新聞スクラップは試行錯誤の末に、クリア・ファイル利用に落ち付いたわけで・・・「第5章 著作への道」で、クリア・ファイル活用術を、覗いてみましょう。p147~149■クリア・ファイル活用術 ご存知と思うが、「クリア・ファイル」という透明な袋がいくつも綴られたポケット式ファイルが市販されている。少し前までは数種類しかなかったが、今では2ケタ以上の文具用品企業が乗り出しているため、用途に応じて使い分けることができる。これが紙の資料や原稿などの整理にとても便利である。 ページ数は、数ポケットのものから100ポケットくらいが普通で、それ以下でもそれ以上でも使い勝手は良いものではない。色(背表紙)も黒、青、赤、黄をはじめ20種くらいあるので、トピック、サブ・トピックごとに色を変えることも可能である。 サイズはA6判からB1判くらいまで多様にあるが、これに関しては特にA4判をお薦めしておこう。たまに入りきらないとき用に、大きめのものもあると便利だろう。 クリア・ファイルの背表紙には、そのファイルに何が入っているかを書くのも必要。もし背表紙に書くための工夫がなされていないならば太い油性マジックで書くとよい。 何かのトピックを書こうと思ったなら、まず必要となるのは「元ファイル」と「サブ・ファイル」である。 元ファイルには、そのトピックの計画書、目次および各チャプター(章)の内容などが含まれる。書く分量や中身にもよるが、たぶん40ポケット以上のものが望ましい。もし出版社からの依頼や計画書があるなら、それもこのファイルに入れておく。出版社側の担当者がいるなら、その連絡先も元ファイルに入っているのが望ましい。複数の出版社と付き合っている筆者は、よく名刺をホッチキスで留め、最初のページに入れている。 以前に少し触れたが、元ファイルは1冊のノートでもよいが、クリア・ファイルの便利な点は、ノリやテープでノートに貼り付ける代わりに放り込んでおくことができ、必用なら順序を入れ替えることもできるでことであろう。 筆者は1冊の本を書く計画なら、元ノートと元ファイルの両方を用意するのが常である。章や図表が出来上がるごとに元ファイルの後半部に放り込もう。書き直したときは、必ずアップデートし、最新のものと入れ替えるのを忘れないように。古いものは、よほどの理由がない限り捨てる方がよい。 サブのクリア・ファイルは、各チャプターごとに1冊割り当てる。20ポケットくらいで充分な章と、60ポケットくらい必要な章もあるだろうが、背表紙以外に、色や種類などで区別しやすくしておくのである。サブ・ファイルには、その章で使う切り抜きやコピーなど、何でも放り込む。 ここまでで、元ファイルとサブ・ファイルは出来上がったはずであるが、実はもうひとつのファイルがいる。それは「何でもファイル」と呼んでいるが、その名の通り何でもかんでも放り込むためのファイルである。つまり「どの章で使うかわからないもの」、「引用した本の奥付のコピー」、「関係があると思われる記事」などなど、関係ありそうなものを何でもかんでも放り込む。できればページ(ポケット)の多いクリア・ファイルを何でもファイルに使用することがお勧めである。ウン ここまで読んでくると・・・クリア・ファイルとノートがあれば、すぐ論文が出来上がるような気がしまんな♪
2018.04.24
コメント(0)
先日(25日)のNHKスペシャル『“健康長寿”究極の挑戦』を観たのだが、興味深い内容であった。2018年3月25日シリーズ人体 第7集(最終回)“健康長寿”究極の挑戦より 「人体」のフィナーレを飾る第7集は、これまで困難だったがんや心疾患などの病気の治療に挑む科学者たちの最前線に迫る。臓器同士がメッセージ物質を使って会話を繰り広げる人体の巨大ネットワーク。その研究において今最も注目されているのが、「エクソソーム」と呼ばれる1万分の1ミリほどの小さなカプセル。 体中のあらゆる細胞が放出するこのカプセルには、様々な機能を持つメッセージが大量に詰め込まれていて、私たちの健康や命を守る重要な役割を果たしている。一方でがん細胞もエクソソームを分泌しており、血管細胞に働きかけて酸素や栄養を供給させたり、免疫細胞を手なずけて攻撃を止めさせたりするなど、自らの増殖のために巧みに利用していることが分かってきた。 そして今、医療の現場では、エクソソームなどのメッセージ物質をコントロールすることで、がんの転移を押さえ込んだり、傷ついた心筋細胞を再生したりするなど従来は不可能だった新たな治療法の開発が急ピッチで進んでいる。メッセージ物質を駆使した医療のパラダイムシフト。世界初公開の顕微鏡映像や迫力のCGを駆使して、健康長寿への最新の挑戦を伝える。この番組を見ながら、メモしたのです。・健康長寿を阻むがんと心臓病・全身がんの樹木希林さん、14年の間に13回のがん手術を行った〇さん・がん細胞が免疫細胞をてなづける・がん細胞がエクソソーム(メッセージ・カプセル)を駆使して人体のネットワークを利用している・転移の過程でエクソソーム(メッセージ・カプセル)を駆使している・エクソソームの模型をスタジオに準備 ・人体には各臓器から合計100兆個のエクソソームが発生している。・筋肉のメッセージ物質ががん治療の鍵となる。・運動はがん予防というより、がん治療ともいえる。・がん細胞のエクソソームに目印をつけると、転移を90%も抑えることができる。・究極の再生医療:エクソソームを利用した治療薬・骨芽細胞を利用した老化防止がんについては、最近読んだ『猫大好き』という本に「もし僕が、がんになったら」という対談が載っていて、お奨めです。・NHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク 』プロローグ2017.10.03・NHKスペシャル『人体 脂肪と筋肉 』2017.11.05・NHKスペシャル『万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった』2018.1.14・NHKスペシャル『生命誕生の秘密』2018.3.18
2018.03.27
コメント(0)
<『ビッグデータの罠』4>図書館に予約していた『ビッグデータの罠』という本を、待つこと5日でゲットしたのです。先日の朝日の記事(ニッポンの宿題)個人データ どこまでを読むにつけ、えらいこっちゃ!ということで、この本を図書館に予約していたのです。【ビッグデータの罠】岡嶋裕史著、新潮社、2014年刊<「BOOK」データベース>よりあなたのクラウド・データは見知らぬ国に保管されている!ビッグデータはいいこと尽くめじゃない。電話番号、スケジュール、写真、ドキュメントなど、クラウドに委ねることが当たり前となった時代、膨大なデータを誰がどう管理・活用しているか知っているだろうか?無料、便利さと引き換えに少しずつ侵食される個人の情報。プライバシーを脅かす「新たな監視社会」に警鐘を鳴らす。<読む前の大使寸評>先日の朝日の記事(ニッポンの宿題)個人データ どこまでを読むにつけ、えらいこっちゃ!ということで、この本を図書館に予約していたのです。<図書館予約:(2/15予約、2/20受取>rakutenビッグデータの罠大使はビッグデータに悪しきイメージを持っているのだが・・・ビッグデータの恐さを、見てみましょう。p110~112<ビッグデータに命をあずけられるのか> ビッグデータを駆使した事例にスマートガンがある。スマートフォンが電話の改革であったように、スマートガンは銃器の改革を目指している。そもそも軍事分野はIT技術の導入に積極的である。コンピュータやOR(オペレーションズ・リサーチ)自体が軍事的な要請の元に発展してきたものであるし、近年では戦力単位のネットワーク化が著しい。 艦と艦、車と車はいうに及ばず、人と人の単位ですらリンクされ、その状態や戦力分布が一元管理される。もはや、山本五十六が後方で南雲機動部隊の動向をはかりかねていたような事態は起こり得ないのだ。 この潮流が個人の持つ銃器の世界にも起ころうとしている。ショットガンやハンドガンの電子機器化である。2000年頃にハンドグリップに指紋認証を施し、所有者本人でないと撃てない銃が提案されたが、スマートガンではそれを一歩進めて、撃つべきでない人は撃てない仕様を目指している。その判断にビッグデータが使われるのである。本当にきちんと機能すればの話だが、市街戦における民間人への誤射、狩りにおける人への誤射などを劇的に減らすことができるだろう。 ただ、今までの経緯を踏まえると、こうした技術の本格導入は容易ではない。認証機構を持った銃ですら、満足に導入されていないのだ。誤射で多くの人が亡くなっている米国ですらだ。 やはり、最終的な信用度がないのである。よく基幹システムの可能性は99.999%(ファイブナイン)が必用と言われる。24時間365日稼動のシステムで、1年間に5分しか止まってはいけない計算になる。パソコンでOSを再起動させるのにもこの程度の時間がかかってしまうことを考えると途方もなく困難な数値だが、確かに電気、ガス、水道、金融、交通といったインフラではこのくらいの精度がないと困る。 こうしたインフラがこれまでに培ってきた信頼性と比較すると、まだ情報システムの信頼性は低いのである。 情報システムの信頼性向上は喫緊の課題であり、今後大きくクローズアップされることが予想される。現在テストを行なっている自動車の自律運転システムが本格導入される際にも問題点として立ち上がってくるだろう。自動車の自動走行技術は、公道を問題なく走れる水準に達しているが、実際に公道での走行が一般開放されるまでにはまだ何段階ものクリアしなければならない課題がある。 たとえば、技術的にはどのくらい安全性が高められるかだ。今のところ自動運転車の深刻な事故は報道されていない。状況判断や接近回避の技術はすでに高い水準に達している。しかし、機械が故障するかもしれない。また、販売して実用に供する場合は、完全自動運転にするのか、あくまでドライバーのサポートにとどめるのかも明確にしなければならない。グーグルは前者の立場で、トヨタは後者の立場だ。前者は故障時の対応に不安が残り、後者は緊急事態が生起して人間と機械の判断が割れたときに、どちらを採用するのかの問題がある。『ビッグデータの罠』3:アマゾンの売り方『ビッグデータの罠』2:スマホに渡してしまったもの『ビッグデータの罠』1:監視社会の怖さ
2018.03.15
コメント(0)
図書館に予約していた『ひとり出版社という働きかた』という本を、待つこと5日でゲットしたのです。奇しくも『コンパス綺譚』という本を紹介したところだが、この本もひとり出版社から出版されたものでした。【ひとり出版社という働きかた】西山雅子著、河出書房新社、2015年刊<「BOOK」データベース>より港の人、赤々舎、ミシマ社、土曜社、里山社…自ら出版社を立ち上げた10人の、個性豊かな発想と道のり、奮闘をリアルに綴る。スペシャルインタビュー・谷川俊太郎。<読む前の大使寸評>奇しくも『コンパス綺譚』という本を紹介したところだが、この本もひとり出版社から出版されたものでした。<図書館予約:(2/23予約、2/28受取)>rakutenひとり出版社という働きかた素人には分かりにくい出版業界、書店の仕組みを、見てみましょう。p240~243<あなたはたったひとりで、その本を誰に届けるつまりなのか:石橋毅史> ところで、「注文出荷制」という言葉に、いまひとつピンとこない人が多いのではないだろうか?「注文出荷制」とは、「書店からの自主的な注文」に応じて本を出荷する、という意味である。つまり、「書店に対して見計らいの委託配本をしない」ということである・・・ますますわかりにくいかもしれない。 全国の新刊書店には毎日のようにたくさんの新しい書籍や雑誌が送られてくるが、その内訳は様ざまだ。書店の担当者が「ぜひウチで売りたい」と積極的に要望した本もあれば、出版社からの「ぜひ売ってほしい」という要望に応えた本もある。 書店が自分で注文しなくても、取次と呼ばれる出版専門の卸業者から、自動的に送られてくる本もある。大雑把にいえば、これが「見計らい」で「委託配本」される本だ。書店は、取次から送られてきた本を見て、売れそうだと思えば店に並べる。もっとたくさん売れそうだ、と追加を求める場合もある。あるいは、売れるかどうかわからないので試しに売場の棚に差したり、ウチには合わない、売りたくない、と即座に取次に返品したりする。 なぜ取次がそんなことをするかというと、書店の品揃えを下支えするためである。本は多種多様に出ていて、書店はそのすべてを自力でチェックし、選定し、仕入れるほどの余裕がない。見落としがたくさん出る。そのため、たとえば多くの書店で買う客がいそうな定番の本、新潮文庫の今月の新刊とか『月刊文芸春秋』、NHKの料理や英会話のテキスト・・・等などは、事前に冊数を決めておいて自動的に送品するのだ。 こうした定番だけでなく、多くの冊数をつくるわけではない小さな出版社の本なども、とりあえず送る。取次は、こういうジャンルの本ならA書店には何冊くらい、B書店には何冊くらい、というパターンを豊富に持っているのである。 でも当然ながら、この「配本」を的確に行なうのは至難の業だ。 牛乳や煙草やガソリンといった、同じものを定期的に買う人が大勢いるような商品なら、見込みを立てやすいかもしれない。だが、本は原則として、出てくるひとつひとつが新商品である。あの本がないからこの本でいいや、というわけにはいかないし、ひとりが同じ本を何度も買うことはほとんどない。 そこで、設定した期間内であれば返品できるという条件付きで、「見計らいによる委託配本」は、出版流通の慣習として長く続けられてきた。 この慣習は、読者の目に触れる可能性を多くの本に与える、という長所をもつ。その一方で、返品という無駄を膨大に積み上げる、大きな矛盾でもあり続けた。 発行される書籍の点数は年々増加し、「この本はA書店に何冊、B書店に何冊」というそもそも精密な判断の難しかった作業は、さらに困難になっていった。書店のほうも、「売れなければ返品すればいい」というルールに慣れ過ぎてしまい、「この本はウチで何冊売れるか」を見極める力を失っていった。出版社も同じだ。まずは書店に置いてもらって、返品されたらまた別の本を送りこむ。これを繰り返すことで、毎月の名目上の売上げを立てるという方法をとるところが増えた。 もう一言つけ加えると、本来は返品不可だった「委託」ではない本も「出版社が了解すれば無期限で返品できる」という特例を設けるケースが増え、やがてそれも当然になった。 返品は、必ずしも悪ではない。試しに置いてみるという“余裕”をシステムのなかに盛り込んでおくことは大事だ。でも、その量の多さに悩まされる状態が、もう何十年も続いている。取次を介して送られる本はたいてい初版が2000~5000部ほどで、1万部を超える本はわずかだ。1タイトルにつきそれしかつくらない本が、その本を潜在的に求めている読者を遠くにしたまま、日々、出版社-取次-書店の間を大量に往復している。 そこで取次は、出版社から受けとる本の冊数を制限したり、返品のすくない書店にインセンティブ(報奨)を、多い書店にペナルティ(罰則)を与えたりして、これまでのシステムを維持しつつ、生じるマイナス面をできるだけ減らす工夫をしている。だが、根本的な解決にはなかなか至らない。『ひとり出版社という働きかた』1先日紹介した『コンパス綺譚』も、龜鳴屋というひとり出版社からの出版でしたね♪
2018.03.08
コメント(0)
図書館に予約していた『ビッグデータの罠』という本を、待つこと5日でゲットしたのです。先日の朝日の記事(ニッポンの宿題)個人データ どこまでを読むにつけ、えらいこっちゃ!ということで、この本を図書館に予約していたのです。【ビッグデータの罠】岡嶋裕史著、新潮社、2014年刊<「BOOK」データベース>よりあなたのクラウド・データは見知らぬ国に保管されている!ビッグデータはいいこと尽くめじゃない。電話番号、スケジュール、写真、ドキュメントなど、クラウドに委ねることが当たり前となった時代、膨大なデータを誰がどう管理・活用しているか知っているだろうか?無料、便利さと引き換えに少しずつ侵食される個人の情報。プライバシーを脅かす「新たな監視社会」に警鐘を鳴らす。<読む前の大使寸評>先日の朝日の記事(ニッポンの宿題)個人データ どこまでを読むにつけ、えらいこっちゃ!ということで、この本を図書館に予約していたのです。<図書館予約:(2/15予約、2/20受取>rakutenビッグデータの罠電車に乗ったら、誰もがスマホを手にして夢中に操作しているが・・・あまり気持のいいシーンではない。と、へそ曲りの大使は思ってしまうのだ。p15~18<スマホに渡してしまったもの> スマートフォンは一種のドラえもんである。不可能を可能にしてくれる。1000件の電話番号を記憶し、並べ替え、抽出し、瞬時に手元に表示する。夜空を見上げて天測をしなくても、現在地を割り出し、地図上にプロットする。友だちと言語、写真、動画、イラストからなるメッセージをやり取りし、半永久的に保存することができる。写真を撮り、会話を録音し、辞書を引き、マンガを読むこともできる。 もちろん、細かい技術の進歩、堅実な開発の積み重ねがこれらの機能を実現したので、一つ一つの機能に現在の私たちが驚くことはない。すごいとは思っても、この技術があれば、このサービスは可能だろうという想定の範囲内である。 しかし、仮に30年前の人々がスマートフォンを見たら、オーパーツ(その時代、その場所に存在するのが不自然なもの)であることは間違いない。ダグラス・エンゲルバート()が提唱し、「夢想」とも評されたオーグモント・デバイスそのものである。世の中の大多数の人が、いきなりドラえもんを手中にしたに等しい。では、スマートフォンが登場したとき、人々はこの「ドラえもん」を拒絶しただろうか? 否である。 むしろ社会全体で積極的な活用を促している。 私たちは、すでに能力の外部化を決断した。もう後戻りはしないだろう。手に入れてしまった便利さを、もう一度知らない状態へと巻き戻すことはできないのだ。 では、スマートフォンでは、ドラえもんにおいて危惧された問題は生じないのだろうか。 まず、慣れの問題である。iPhoneという魅力的なパッケージが投入され、多くの人がこれを積極的に手に入れたいと考えた結果、背を丸めて画面をスワイプする姿も、歩きながらマップに見入る姿も日常の光景になった。人にぶつかったり、車にひかれたりといった事故に対する根本的な解決策はなく、危うさのある状態ではあるが、そうした光景に十分に慣れたとは言えるだろう。 言い換えれば、私たちはスマートフォンのようなスタイルに慣れるために、iPhoneの登場を待たなければならなかった。 同種のアプローチをしたいくつかの製品、ニュートン、ネットワークウォークマンは、イノベーターやアーリーアダプターには受けても、大多数の人を慣れさせるには製品の魅力が足りなかったし、技術もこなれていなかった。新しいものに人を慣れさせるには、卓越したデザインとマーケティング、それを受け入れさせる周辺環境が必要なのである。 次に公平性の問題である。 こうしてオーパーツが特定の人にしか配布されない状況は不公平であるし、危険でもある。それこそ、のび太君が世界征服に乗り出すようなエピソードが、現実のものになってしまう可能性があるのだ。 その点、スマートフォンは多くの人に行き届いていると言える。各機種には十分な在庫があり、低廉な価格で手に入れることができる。最近では、大手スーパーや家電量販店がMVNO(仮想移動体通信事業者)の仕組みを使って、更に低価格化した商品を投入している。 もちろん、国や地域による格差はあり、発展途上国のボリュームゾーンには入手しづらい現実があるかもしれない。しかし、少なくとも入手可能性については、価格破壊が進行中で状況は改善され続けていると言っていい。 受けられるサービスについても、近年の通信技術の標準化、サービス形態のクラウド化などを背景に、特定の国や地域で量や質が大幅に偏ることはない。 では、スマートフォンという存在に問題はないのだろうか。 スマートフォンの場合、私たちの能力を外部化したという、そのありよう自体が弱点になる。「外部化されたものは、容易に失われる」からである。 ふだん、自分の手足のように使っていた機械がなくなる。メガネをなくしたどころの騒ぎではない。少しの間でもスマートフォンをなくしたことがある人ならば、どういう事態が自分のうちに起こるかわかると思う。まるで自分の身体の一部をなくしてしまったような気分になるだろう。あなたの脳は、知り合いの電話番号やメアドも覚えていないのだ。『ビッグデータの罠』1
2018.03.06
コメント(0)
全840件 (840件中 501-550件目)