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図書館に予約していた『ビッグデータの罠』という本を、待つこと5日でゲットしたのです。先日の朝日の記事(ニッポンの宿題)個人データ どこまでを読むにつけ、えらいこっちゃ!ということで、この本を図書館に予約していたのです。【ビッグデータの罠】岡嶋裕史著、新潮社、2014年刊<「BOOK」データベース>よりあなたのクラウド・データは見知らぬ国に保管されている!ビッグデータはいいこと尽くめじゃない。電話番号、スケジュール、写真、ドキュメントなど、クラウドに委ねることが当たり前となった時代、膨大なデータを誰がどう管理・活用しているか知っているだろうか?無料、便利さと引き換えに少しずつ侵食される個人の情報。プライバシーを脅かす「新たな監視社会」に警鐘を鳴らす。<読む前の大使寸評>先日の朝日の記事(ニッポンの宿題)個人データ どこまでを読むにつけ、えらいこっちゃ!ということで、この本を図書館に予約していたのです。<図書館予約:(2/15予約、2/20受取>rakutenビッグデータの罠パノプティコン(実在するパノプティコンと監視社会より)第3章「監視されてもいい」から監視社会の怖さを、見てみましょう。p59~62<最大多数の最大幸福> 「監視社会」と聞いて、私がまず思い浮かべるのは、ベンサムのパノプティコンであり、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』である。 ベンサムは18~19世紀のイギリスの法学者で、功利主義で著名な人物である。パノプティコンは刑務所なのだが、そのデザインと監視システムとしての完成度は功利主義を実によく体現しているという。 監視社会と聞いて想起するイメージについて、各世代ごとの特徴はもちろんあろう。いま10代の学生に同じ質問をしても、この答えはおそらく返ってこない。 それは学生が不勉強だとか、権力による統治に鈍感になったとかそういう話ではなく、単に流行の問題である。建築や服飾に流行があるように、学問の世界にも当然流行が存在する。ベンサムは当世的な流行ではないだろう。 とはいうものの、パノプティコンは監視社会の議論を始めるためのベースラインを構築するものであることは現代でも論をまたない。ここで少しだけおさらいしておこう。 ベンサムを語るときに必ず出てくるキーワードが功利主義、実利主義である。中学校で習った、あの「最大多数の最大幸福」というやつである。社会システムの有用性をその効用に求める思想だ。 パノプティコンは、この思想のもとに設計された刑務所である。デザインというものはそもそも、それを行なった人の思想を表すものだが、建築や工業製品において特に顕著である。パノプティコンを見ると、ベンサムの考えていた功利主義がどのようなものだったかが、端的に表現されている。 パノプティコンは美しい円柱状の建物で、円柱の表面に受刑者の部屋が配置されている。円柱のなかはがらんどうになっていて、中央に監視塔がある。こうすることで、看守は極めて少ない人数で多くの受刑者を監視することができる。 それがどうして「最大多数の最大幸福」に寄与するのか。看守が少なくてすむというコスト要因もあるが、受刑者が常に監視されていることで、よい振る舞い、規則正しい生活や怠惰にならないせいかつがを送れる点が強調される。ベンサムの考える受刑者に対する福祉はそのようなものであった。これは現在の監視社会を読み解く上でも重要である。(中略) パノプティコンの実利性は発表された当初から認められており、オランダ、アメリカの受刑施設にその影響を残している。巷間に流布したパノプティコンのイメージは、どちらかと言えばマイナスのものが多いだろう。小数の監視者と多数の被監視者という関係は、少数の支配者と多数の被支配者という関係を容易に連想させ、抑圧された社会のビジョンにつながる。 パノプティコンは小説や絵画、映画の中で繰り返し取り上げられることになるが、愉快なパノプティコンには出会ったことがない。それは映画「ブレードランナー」「マトリックス」や「1984年」などに共通する暗い通奏低音となり、監視社会のイメージを構築、強化した。すなわち、監視社会は権力者に都合のいい搾取構造であり、これを打破しなければならないという文脈である。ブレードランナー
2018.02.27
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<(ニッポンの宿題)個人データ どこまで> 中央大学准教授の岡嶋裕史さんが朝日のオピニオン欄で「監視社会 ゆりかごかオリか」と説いているので、紹介します。創立当初には「邪悪になるな」と自戒していたグーグルであるが・・・今ではGAFAの1社と成り果て、失望することしきりの昨今である。GAFA:グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの(邪悪な)IT大手4社のこと。(岡嶋さんのオピニオンを2/15デジタル朝日から転記しました)個人データを取り巻く環境が変わってきました。情報技術(IT)の発達で膨大なデータの収集・分析が可能になり、ビジネスに活用する企業が増えました。一方、プライバシーが侵害されるリスクは高まっています。この情報化社会とどう向き合えばよいのでしょうか。■《解く》監視社会、ゆりかごかオリか 岡嶋裕史さん(中央大学総合政策学部准教授) 顔や指紋認証、ネットでの検索履歴や行動履歴……。多くの人が考える個人情報の範囲は、ネット社会になり拡大しています。 個人データを収集・蓄積・分析するコストが下がり、企業や行政は膨大なデータを使って、生活の利便性の向上や治安の維持などに役立てられるようになりました。 すぐに役に立つかはわからない無数のデータを集めておいて手当たり次第に解析すれば、新たな仕組みや法則を発見できるようになりました。直接本人に会わなくても行動を予測する手法も身近になりました。デジタル社会の「新しい石油」と呼ばれる個人データを収集したいという企業の欲求は拡大し続けています。 そこで、日本政府は2015年、個人データの活用とプライバシーの保護が両輪の個人情報保護法を改正し、データの活用をより重視する方向に政策を転換しました。匿名化したデータなら本人の同意を得ずに活用できるようにするなど、個人データの活用を「社会の公共財」として共有する方針を決めたといえます。 ただ、国民の意識はすぐには変わりません。日本人は個人データをIT企業に提供することへの不安感が諸外国に比べて強い。有料でなければ受けられないサービスを無料で享受するための対価と割り切る若者も増えていますが、データを差し出すことに抵抗感を覚える中高年は少なくありません。 * いま個人データを収集してビジネスに活用して成功しているのは、米国のGAFAです。日本のコンビニ各社なども個人データを集めて利用してきましたが、様々な業種で横断的に集めたデータを結びつける発想に欠けたため、海外に遅れました。日本政府が個人データの活用に力を入れるのは「このままでは日本企業が国際競争で負けてしまう」との危機感からです。 日本政府は、個人が自分の情報を預託し、本人の同意する範囲内で第三者に渡せるようにする「情報銀行」の導入を計画しています。GAFAが収集してきた個人情報を、自分のところにいったん取り戻したいという狙いがあるようです。ただ、GAFAにはすでに膨大な個人データが蓄積され、利用者は効率的な検索や広告表示、商品のおすすめといったサービスの恩恵を受けています。情報銀行が有力な対抗軸になれるのかは疑問があります。 * ところで、個人情報の価値はどれぐらいなのでしょうか。個人情報の大量流出などで企業が個人に見舞金などを支払うケースが増えましたが、1件500円程度といういまの相場は価値を低く見積もり過ぎです。将来的に個人情報は「仮想通貨」のように社会に流通するようになると思います。お金の運用と同じように個人情報を使って、うまく稼げる人とそうでない人が出てくるかもしれません。 いま、街頭に多くの監視カメラが設置されています。多くの企業は社員の職場でのネット利用状況を監視しており、個人のネット検索履歴は簡単に追跡できます。これからも、政府や企業は「保護」や「見守り」といった前向きな言葉で巧みに個人情報を集めていくでしょう。個人にとっても何らかのメリットがあるため、監視を受け入れる人も多くなるでしょう。 現実でも、ネットでも、個人のプライバシーがどんどんなくなる方向へ向かうのは間違いありません。その結果、我々の近未来は、ジョージ・オーウェルがSF小説「1984年」で描いたような恐怖だけの社会とは違い、紳士的な監視社会になるでしょう。それは、中にいる人の意識によってゆりかごとも、オリとも思える社会なのだろうと思います。(聞き手はいずれも日浦統) ◇岡嶋裕史:1972年生まれ。富士総合研究所などを経て現職。専門は情報ネットワーク論。著書に「ビッグデータの罠」(ニッポンの宿題)個人データ どこまで岡嶋裕史2018.2.15この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR6に収めておきます。
2018.02.15
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神戸大学大学院教授の平山洋介さんが朝日のオピニオン欄で「政策的につくられた価値観」と説いているので、紹介します。(平山さんのオピニオンを2/09デジタル朝日から転記しました)社宅や賃貸住宅から、いつかはマイホームに。これが住宅をめぐる標準コースと多くの人が信じ、政策的にも「新築」「持ち家」を手厚く支援する時代が続きました。そのひずみが出ています。ローンを抱えて新築を買う、という以外の選択肢は必要ないのでしょうか。■《なぜ》政策的につくられた価値観平山洋介さん(神戸大学大学院教授) 日本の持ち家率は6割強です。戦前の都市部では住宅の8割が借家でしたから、大きな変化です。住宅政策が「持ち家」一辺倒になったのは1970年代でした。持ち家の増大は経済成長の必然の結果という見方がありますが、私は政策的につくられたと考えています。同じ先進国のドイツやスイスなどでは持ち家率は低い。 政府が持ち家建設を重視した理由の一つは、経済刺激です。73年の第1次オイルショックで高度成長が終わると、住宅建設で景気を浮揚しようとした。それ以来、第2次オイルショック、プラザ合意、バブル崩壊と、景気が傾くたびに持ち家建設を拡大するという政策パターンが定着しました。 政治的理由も見逃せません。家という財産を持った人が保守化するのかは学界でも議論がありますが、当時の自民党幹部は、人々がマルクス主義的な思想をもたないよう、「勤労者階級にどうやって財産をもたせるのかが大事だ」と言っています。革新自治体の相次ぐ誕生に危機感がありました。 もう一つの理由が社会保障としての持ち家です。70年代後半、国家ではなく家族と企業を福祉の柱とする「日本型福祉社会」をつくり、社会保障の水準を抑える構想が示されました。公的年金は住居費を考慮していません。国民は家を買い、高齢期までにローン返済を終えておかないと生きていけない、と考えざるをえないのです。 企業の福利厚生でも、持ち家への融資がありました。社員に資金を貸し付けて家を買ってもらうことは、終身雇用制度に適合し、労使協調の企業コミュニティーを強固にする意味をもっていました。 * 70年代以降、景気対策のため、当時の住宅金融公庫の融資供給が増大し、銀行の住宅ローン販売も増えました。家は貯蓄ではなく借金で買うものになりました。持ち家は「金融化」したのです。 90年代から、合理性が揺らぎます。所得が減ったことから大型の住宅ローンを組む世帯が増え、返済の負担は重くなりました。ローン負担の増大は、消費低迷の一因です。退職金が減り、定年後も返済が必要になるケースが出ています。しかも、かつては増えていた住宅の資産価値は、たいていの場合、どんどん減っていきます。それでも家を買おうとするのは、高齢期の不安に対処するためです。 戦後、膨大な住宅投資をしましたが、成果の大半は「私物」の持ち家です。中古住宅の市場は小さく、家を買った人は住みつぶすしかありません。その結果、たとえば社会の流動性が減りました。不安定就労の若者の多くは親の家にとどまり、なかなか独立できません。長くなった高齢期に、体調や家族の都合で引っ越す必要があっても、持ち家の売却は難しい。 * 新築促進による経済刺激の効果は減りました。欧米に比べ、日本はいまも人口あたりの新築戸数は多いですが、住宅への投資の総量は小さい。既存住宅の修繕や維持に力を入れ、中古市場を育ててきた欧米のシステムの方が、住宅投資を持続する効果をもっています。いま、日本で新築は年100万戸にとどきませんが、既存住宅は5200万戸以上あります。中古住宅をもっと動かし、社会としても使えるようにするべきです。 持ち家で生活が安定した世帯は多いですが、ほかの選択肢がほとんどないのは非合理です。中間層が減り、低所得の高齢者や非正規労働者が増えました。公的な低家賃住宅は欧州諸国では2~3割を占めるのに、日本では3.8%。公的な家賃補助制度がないのは、先進国では日本くらいです。私物の住宅ばかり積み上がり、住宅困窮者が増え、社会や経済が停滞する状況から、抜け出さないといけません。(聞き手・山田史比古) ◇平山洋介:1958年生まれ。住宅政策や都市計画が専門。著書に「住宅政策のどこが問題か」「東京の果てに」など。まったくもって、お説ごもっともで・・・自民党と役人たちが敷いた「新築・持ち家」路線に乗せられてきたようなものでしたね。(ニッポンの宿題)やはり新築・持ち家?平山洋介2018.2.09この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR5に収めておきます。
2018.02.11
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朝日新聞の(人生の贈りもの:椎名誠)シリーズをスクラップしてファイルしているのだが・・・そうだ 朝日デジタルがあるではないかと気づいたわけです♪スクラップファイルとデジタルデータとダブルで保存するところが、いかにもアナログ老人ではあるなあ。(2018.2.08(人生の贈りもの椎名誠:13)から転記しました)《2014年、アイスランドを訪ねた》 国連などの幸福度ランキングで上位の国。なぜそう感じているのか知りたくて旅をしました。質素で清楚に暮らす成熟した国と感じました。気候は厳しく食材は限られていますが、食堂や家庭は工夫して料理している。素朴な魚のソティーがうまかったログイン前の続き。5メートルにもなるニシオンデンザメも発酵させて食べる。泳ぐのがすごく遅く氷の上で寝ているアザラシを食べるという情けないサメ。食われる方もどうかと思いますが。《アイスランドは17年の国連の幸福度ランキングでは3位に。日本は51位だった》 地熱発電など自然エネルギーを活用している。税金や物価は高いが、教育や医療の負担が少なく安心感がある。ジュール・ベルヌがSF『地底旅行』の旅の出発点として設定した火山もあって、ふもとの火口に降りました。鉱石がきらきら光って美しかった。 日本は世界でも有数の海・山の産物が豊富な国ですが、消費の仕方はいびつ。例えばブラックバスを釣ったら本当はうまいのに捨ててしまう。 世界を旅して帰国するたびにぼくは違和感を抱きます。朝の電車で同じ格好でスマホを操作する風景とか過剰に電子化された社会ですね。《椎名さんのSFの多くは環境が汚染され荒廃したディストピアが舞台だ》 ひねくれた作家だからユートピアを書きたくない。お金というものが流通している限り日本を含む多くの国は原発も環境破壊もやめられない。地球全体で反省し思い切った大改革をしないとダメです。 でも地球が汚染される頃には、SFの世界ではおなじみの宇宙エレベーターが実現しているかもしれません。10万キロもの上空に物資を安全に運び、巨大な建造物を造り、人類は移住する。そして今度は映画に登場するような冷凍睡眠装置で遠くの銀河系まで旅をする。でも、その頃、宇宙規模のテロが起きて……。なんでも空想し物語にしちゃうのが作家なんですよね。ウン 図書館から椎名誠の『ノミのジャンプと銀河系』が準備できた旨のメールが届いたので、今日、受取りに行ってきます♪(語る 人生の贈りもの)椎名誠:132018.2.08
2018.02.10
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先日(7日深夜)のNHKスペシャル『“脳” すごいぞ! ひらめきと記憶の正体』再放送を観たのだが、興味深い内容であった。ただ、番組後半は寝てしまったのが惜しまれるのです(汗)。2018.2.04人体 “脳” すごいぞ! ひらめきと記憶の正体より 体中の臓器がお互いに情報を交換することで私たちの体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピューターグラフィックスを駆使しながら伝えるシリーズ「人体」。第5集のテーマは“脳”だ。 番組では、お笑い芸人で芥川賞作家でもある又吉直樹さんの脳を、世界最先端の技術で徹底的にスキャン。内部を走る電気信号の様子を、世界で初めて映像化した。その結果「ひらめき」に関わるとされる、特別なネットワークの正体が浮かびあがってきた。 さらに「記憶力アップ」の鍵も解明されつつある。脳の“ある場所”で、新しい神経細胞が次々と生まれ、記憶力を高める重要な役割を果たしていることが分かってきたのだ。そのメカニズムの解明がさらなる研究へと波及し、認知症治療の新たな戦略も見えてきている。創造性やひらめき、意識や心も生み出す、究極のネットワーク臓器“脳”。その美しくも神秘的な世界に迫る。番組では、最高の感度のMRIを駆使して又吉さんの脳をスキャンしていたが・・・脳内の神経の束まで見えるのか♪また神経の内部を走る電気信号の様子を、世界で初めて映像化したそうだが、その凄い技術に驚いたのだ。これまでに観た人体シリーズです。・NHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク 』プロローグ2017.10.03・NHKスペシャル『人体 脂肪と筋肉 』2017.11.05・NNHKスペシャル『万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった』2018.1.16
2018.02.09
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<NHKスペシャル『万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった』>先日(14日)のNHKスペシャル『万病撃退!“腸”が免疫の鍵だった』を観たのだが、興味深い内容であった。2018年1月14日シリーズ人体第4集 万病撃退!“腸”が免疫の鍵だったより 体中の臓器がお互いに情報を交換することで私達の体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピューターグラフィックスを駆使して伝える、シリーズ「人体」。第4集のテーマは“腸”だ。 毎日の食事から栄養や水分を大量に体に取り込む消化・吸収の要だが、じつは私たちを万病から守る全身の「免疫力」を司っていることが、最新研究から明らかになってきた。なんと全身の7割もの免疫細胞が腸に集結し、いま話題の「腸内細菌」たちと不思議なメッセージをやりとりしているというのだ。 ひとたび、腸での免疫のバランスが崩れ、免疫細胞が暴走を始めると大変なことに。花粉や食べ物、自分の体の一部まで「敵」と誤って攻撃し、さまざまなアレルギーや免疫の病を引き起こしてしまう。どうすれば、腸内細菌が出す“メッセージ”を活用してこの暴走を抑え、アレルギーなどを根本解決できるのか。最先端の顕微鏡映像や高品質のCGを駆使して、知られざる腸の力に迫る。この番組を見ながら、メモしたのです。免疫が暴走するのがアレルギー症であるが、免疫の暴走を抑えるのがTレグと呼ばれる物質である。腸内フローラの1種クロストリチウム菌がTレグの増殖を助ける。クロストリチウム菌は食物繊維の中に多く存在する。日本人は腸内フローラが多かったが、食の変化(食の欧米化と潔癖なニッポン)にさらされて、アレルギー傾向が強くなってきた。多発性硬化症はTレグの増殖を促すことで、改善される。ウーム 免疫というものは、ほどほどの自然環境を想定して備わっているんだろうなあ。幼児の環境が清潔すぎるのも、ほどほどに戻すほうがいいのかも。・NHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク 』プロローグ2017.10.03・NHKスペシャル『人体 脂肪と筋肉 』2017.11.05
2018.01.20
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昨夜(26日)のNHKスペシャル『あなたの家電が狙われている』を観たのだが、興味深い内容であった。2017.11.26あなたの家電が狙われているより インターネットの裏社会で暗躍するハッカーたちが、あなたの家の家電を狙っている!? 今、新手の「サイバー攻撃」に世界が戦々恐々としている。インターネットにつながったテレビやビデオ、家庭用防犯カメラなど、近年急速に広まりつつあるいわゆる「IoT機器」を標的にした特殊なコンピューターウイルスがまん延しているのだ。 知らぬ間にあなたの家のネット家電がハッカーたちに乗っ取られ、突然異常な動作を起こしたり、大規模なサイバー攻撃に悪用されたりする事件が急増している。さらに、ネットで遠隔操作可能な医療機器も次々と登場。それらがハッカーたちの手で操られれば、命の危険にもつながりかねない。 2020年の東京オリンピックを前に、大規模サイバーテロの危険性が指摘される日本。IoT機器を狙った新たなサイバー攻撃への対策は、まだ始まったばかりだ。番組では、ネットの裏社会にも潜入を試み、インターネット時代の新たな脅威の実態に迫る。この番組を見ながらメモしたのです。・IoT家電による乗っ取り、世界のWebカメラという違法サイトもある。・ユーザー名とパスワードを探し出せるソフト(MIRAIウィルス)があるので、IoT家電が犯罪に利用できる。・改造型MIRAIウィルスがドイツ人によって開発され、彼は逮捕された。・医療機器、自動運転車がサイバーテロに晒される危機。・MIRAI撃退ソフトが開発済みである。ウーム MIRAIウィルスを開発した日本人は愉快犯だったのかもしれないが・・・それを儲け話ととらえた世界中の人間によって、爆発的な脅威となったようですね。MIRAI撃退ソフトが開発済みとのことで、一安心であるが、今後もこのイタチゴッコは続くのでしょう。
2017.11.27
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昨夜(23日)のNHKスペシャル『追跡 パラダイスペーパー』再放送を観たのだが、興味深い内容であった。2017.11.23追跡 パラダイスペーパーより 11月上旬、世界に衝撃が走った。アメリカのウィルバー・ロス商務長官による新たなロシア疑惑、F1界のスーパースター、ルイス・ハミルトンによる巨額の税逃れの疑惑。世界各国の指導者や富裕層が、不透明な資産運用や税逃れを行っている実態が浮かび上がってきたのだ。きっかけとなったのは、「パラダイスペーパー」と名付けられた文書。 バミューダ諸島の法律事務所などから流出した膨大な内部資料で、去年「パナマ文書」報道を手がけたICIJ(国際調査報道ジャーナリスト連合)が新たに入手した。NHKはパラダイスペーパーを各国のメディアと共同で分析。一握りの権力者や富裕層たちが、国境をまたいで税率の低いタックスヘイブンに金を動かし、払うべき税金を逃たり巧妙に資産を隠したりする現実が見えてきた。 楽園と呼ばれる島々から流出した権力者たちの不都合な真実。パラダイスペーパーを徹底追跡する。タックスヘイブンといえば、バミューダ諸島が知られているが・・・昨今では、別の地域で、手口がさらに巧妙になって登場した。イギリス近海のマン島に、税金逃れのペーパーカンパニーが乱立している。マン島がタックスヘイブンに利用されているわけだが…税金逃れの疑惑が追及されると、また別のタックスヘイブンに逃げてゆく。イタチゴッコであるが、ICIJのようなメディアが、もぐら叩きのように叩き続けるしかないようです。11/17のNHK報道を見てみましょう。2017.11.17パラダイスペーパー 2万5000社のデータ公開より タックスヘイブン=租税回避地に関する新たな流出文書「パラダイスペーパー」の分析を進めている「ICIJ=国際調査報道ジャーナリスト連合」は17日夜、タックスヘイブンにある法人およそ2万5000社の所有者や株主の名前などをホームページで公開しました。「パラダイスペーパー」は、北大西洋のバミューダを拠点とする法律事務所などから流出した膨大な量の内部文書で、ドイツの南ドイツ新聞が入手し、ICIJがNHKを含む世界67か国の報道機関や記者と連携して分析を進めています。 ICIJはこれまでの分析で判明したタックスヘイブンなどに設立された法人およそ2万5000社に関する情報を、日本時間の17日午後10時にホームページで公開しました。 公開したのは、バミューダの法律事務所「アップルビー」が設立に関わった法人の役員や実質的な株主の名前や住所などです。日本に関係する個人や企業の名前も1000件余り含まれていて、これまでの分析では、その多くは海外事業を展開するためにタックスヘイブンに子会社を設立している大企業とその社員と見られます。 こうした法人に関する基礎的な情報は多くの国では法人登記などに記載され、一般に公開されていますが、タックスヘイブンでは秘匿されることも多く、税逃れなど不正の温床になっていると国際的に批判されていることから、ICIJは情報を公開することの公益性は高いとしています。世界の120人超 タックスヘイブンとのつながり判明 ICIJは「パラダイスペーパー」の分析によって、120人を超える世界各国の首脳や指導者、その関係者とタックスヘイブンとのつながりが判明したとしています。 このうち、アメリカではトランプ政権のロス商務長官が実質的に出資する海運会社が、ロシアのプーチン大統領の親族らが役員を務めるエネルギー関連企業との取り引きで、日本円で77億円の収入を得ていることがわかりました。このロシア企業の役員にはアメリカの経済制裁の対象になっているロシア人の富豪もいて、トランプ政権がいわゆるロシア疑惑に揺れる中、議論を呼んでいます。 カナダではトルドー首相の顧問で、親友でもあるスティーブン・ブロンフマン氏が巨額の資金を運用していたことがわかりました。資金は一時、数千万ドル(数十億円)規模に上っていました。ICIJはブロンフマン氏が税金がかからない融資の形に装って、資金を移してカナダでの課税を逃れた可能性があると指摘しています。ブロンフマン氏は取材に対し、「税逃れのためではなく合法的なものだ」と答えています。 イギリスではエリザベス女王が2005年に、「王族公領」と呼ばれる個人資産から750万ドル、現在の日本円で8億5000万円余りをケイマン諸島のファンドに投資し、3年後に36万ドル(およそ4000万円)の配当を受けたことがわかりました。女王の広報担当者はケイマン諸島への投資を認めたうえで、「女王は受け取った収入に対し自主的に税金を支払っている」と説明しています。 F1界のスーパースターのイギリス人のレーサールイス・ハミルトン氏は、イギリス王室の属領、マン島の会社を通じてジェット機を所有していますが、リース事業にすることで消費税を免れる制度を悪用していた疑惑を、イギリスの有力紙ガーディアンやBBCが報じました。ハミルトン氏は「弁護士に確認したところ違法性はないものだと返答があった」とコメントしています。 日本の政治家では鳩山由紀夫元総理大臣が、香港を拠点にするエネルギー会社の名誉会長を務めていたことがわかりました。この会社は北大西洋のバミューダに登記されていますが、鳩山元総理は「タックスヘイブンに登記されているとは知らなかった。報酬は適切に税務申告しています」とコメントしています。
2017.11.23
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先日(5日)のNHKスペシャル『人体 脂肪と筋肉』を観たのだが、興味深い内容であった。2017.11.05人体 驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守るより 体中の臓器がお互いに情報を交換することで私達の体は成り立っている。そんな新しい「人体観」を、最先端の電子顕微鏡映像やコンピュータグラフィックスを駆使しながらお伝えする、シリーズ「人体」。 第2集のテーマは“脂肪と筋肉”です。なぜダイエットに失敗するのか、メタボリックシンドロームはなぜ怖いのか。最新科学が、その本当の理由を、明らかにしていきます。 単に体を覆っているだけだと思ったら大間違い。脂肪が、脳や免疫をコントロールしたり、筋肉の働きが、記憶力の増強やがん予防と関わっていたりする可能性も報告され始めています。さらには、現代人の体の中で、そんな脂肪と筋肉の働きに深刻な異常が起きていることも明らかに。 心筋梗塞や脳梗塞、そして糖尿病など、あの「メタボ」が招くさまざまな病気の根本的な原因が、実は、脂肪や筋肉の情報交換に潜んでいたのです。全く知らなかった筋肉と脂肪の驚くべき能力。その謎を徹底的に解き明かしていきます。この番組を見ながら、ツイートしたのです。・脂肪から出されるレプチンという司令物質が血管から染み出して脳に命令する。つまり、脂肪が脳を介して食欲をコントロールしている。@NHKスペシャル、ナウ・筋肉から出されるミオスタチンという司令物質が血管から染み出して脳に命令する。つまり、筋肉が脳を介して筋肉量をコントロールしている。がん細胞も抑制いている@NHKスペシャル、ナウ・血中の脂肪が多すぎると、レプチンが脳に届きにくくなり、しだいに体は肥満していく。つまり、食欲がおさえられないので、メタボ体質に陥る@NHKスペシャル、ナウ・メタボは免疫の暴走を引き起こす…過剰なメタボはIL6という司令物質の邪魔をして糖尿病などを引き起こす@NHKスペシャル、ナウ生物のうち、肥満を意識しているのは人類が最初とのことだそうです。…なるほどね、獣たちは腹八分という気は、さらさらないもんね。この番組シリーズの進行役をつとめているのがノーベル賞学者の中山先生である。中山先生はマラソンランナーとしても知られるが、筋肉むきむきにもあこがれると言ってるし、かなりマッチョですね。自分の仕事のために、人寄せパンダの役回りも演じている戦略性も感じられるし・・・ええでぇ♪・NHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク 』プロローグ2017.10.03・NHKスペシャル『人体 脂肪と筋肉 』2017.11.05
2017.11.08
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図書館で『連合国戦勝史観の虚妄』という新書を、手にしたのです。著者のヘンリー・S・ストークスさん自体が興味深いのだが…読んでみるか♪【連合国戦勝史観の虚妄】ヘンリー・S・ストークス著、祥伝社、2013年刊<「BOOK」データベース>より滞日50年、『フィナンシャル・タイムズ』『ロンドン・タイムズ』『ニューヨーク・タイムズ』の各東京支局長を歴任し、三島由紀夫とも親交を結んだ英国人大物記者が、戦後、戦勝国の都合で作り上げられた「日本悪玉論」を断罪。南京事件、靖国参拝、従軍慰安婦などの問題について論じ、さらに三島が死を賭して訴えようとしたものが何であったかを問いかける。来日当時は戦勝国史観を疑うことなく信奉していた著者は、いかにして考え方を大転換させるに至ったのか。<読む前の大使寸評>著者のヘンリー・S・ストークスさん自体が興味深いのだが…読んでみるか♪rakuten連合国戦勝史観の虚妄金日成にも会ったこともある著者であるが、その経歴の一部を、見てみましょう。p209~211<クエーカー教徒として> 私がユダヤ人や、日本人に親しみを感じるのは、クエーカー教徒だからかもしれない。 クエーカー教徒も差別を受けてきた。クエーカー教徒は役人にも、軍人にも、法律家にもなれなかった。土地も所有できなかった。キリスト教新教の一派だが、イギリスからアメリカへ新天地を求めたのも、そうした背景があった。祖国を追われたユダヤ人と心情的に通じる。 クエーカー教はジョージ・フォックスが17世紀にイギリスで立教した。特色は、権威に対して頭を下げないことだ。自由と独立を信条としている。山高帽を被ったまま、挨拶をする時も、脱がない。一方で真摯で、礼儀正しいことで知られる。 クエーカーは少数派ゆえに、差別を受けてきたが、ユダヤ人も少数派だから、迫害されてきた。日本人もまた少数派で、世界から「大虐殺」をしたとか、女性を「性奴隷」としたといって、憎まれている。 クエーカー教には神職がいない。集まって瞑想し、霊感を受けた者が、立ち上がって感じたままを話す。一人が話し過ぎた場合は先達が穏やかな語り口調で終えるよう促す。賛美歌を歌うこともない。教義を押し付けることもなく、個人が霊感することを尊重する。一人ひとりが良心と向き合う。 クエーカーの集会所は木で建築され、派手な装飾が一切ない。素朴なところが、神道の神社と結びつく。聖書も丸呑みすることがない。キリストを信仰するが、盲信よりも、「いったいキリストとは、どういう方か」と問い続ける。形式や教義がない。 私がユダヤ人や、日本人と波長があうのは、クエーカーだからだろう。<戦場の日本兵の気高さに打たれたドナルド・キーン> ドナルド・キーン、エドワード・サンデンステッカー、アイヴァン・モリスの三人が、日本文学を世界に紹介するうえで、大きな貢献をした外国人として、よく知られている。みな私の親しい友人である。 日本文学を翻訳して世界に発信した三人は、いずれも第二次大戦中に日本の敵国だったアメリカとイギリス軍によって、養成された。 私も日本文学に造詣が深いだろうと、よく勘違いされる。だが、英訳された日本文学を読むものの、日本文学の学者でもないし、英訳したこともない。三人と親しかったことや、三島に関する著作があることから、誤解を招くのだろう。英国ジャーナリストが見た日韓関係が語られているので、見てみましょう。p230~231<韓国がけっして日本に追いつけない理由> 日本が韓国を併合したのは、日露戦争の5年後(1910年)だった。日本は韓国を近代化するために、膨大な労力と費用を投入した。日本の努力はたいへんなものだった。義務教育、大学教育、医療、警察制度、軍隊まで、今日の韓国社会の基礎をつくった。 イギリスの植民地支配と異なって、日本は自国の持ち出しで、韓国を建設するために投資をした。 私の見解だが、韓国人は日本人の努力を受け入れた。日本の統治は欧米の植民地支配のように、人種的な優越感によるものではなかった。朝鮮人も同じ国民として処遇した。 イギリスのインド統治と比較すると、インドでは白人が優越した。インド人に限らず、アジア人は劣等人間として扱われた。 イギリス統治では、植民地の人々に対する教育は否定され、まったく行われなかった。日本は台湾と朝鮮に、それぞれ帝国大学をつくった。イギリスの植民地には、大学が一つもなかった。いまでも、台湾、韓国では、帝国大学の延長である台湾大学とソウル大学が、最高教育機関となっている。 韓国は反日教育によって、日本への反発を強めている。私が韓国を取材していた頃は、みんなが日本に憧れ、日本を師として韓国が発展することを望んでいた。経営者は誰もが日本を手本にしていた。 サムスンの李健煕会長も、その一人だった。会長とは40年来の友人だ。私と同世代で、いまも現役だ。会長とその父が、韓国財界を牽引してきた。二人とも早稲田大学出身だった。 私が会った韓国政財界のトップは、全員が日本に憧れていた。 日韓にはカルチャーやポップ・ミュージック、ファッションなど交流しあえる分野がたくさんある。ソウルの街中でも、大規模な反日デモは起こっていない。職業活動家による小規模なデモが発生しても、それだけのことだ。「慰安婦」問題もそうだ。 「慰安婦」問題は、完全なナンセンスだ。なぜ「慰安婦」問題がこれほど俎上に上がるのか、理解できない。「邪悪な日本」というものを設定し、それを宣伝するプロパガンダになっている。
2017.10.09
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先日(3日深夜)のNHKスペシャル『人体 神秘の巨大ネットワーク』プロローグの再放送を観たのだが、興味深い内容であった。2017.10.03人体 神秘の巨大ネットワークより 今、医学の世界で、これまでの「人体観」を覆す、巨大なパラダイムシフトが起こりつつある。今までは、人体のイメージと言えば、「脳が全体の司令塔となり、他の臓器はそれに従う」というものだった。ところが最新科学は、その常識を覆した。 なんと、「体中の臓器が互いに直接情報をやりとりすることで、私たちの体は成り立っている」そんな驚きの事実が明らかになってきた。このいわば「臓器同士の会話」を知ることで、いま医療の世界に大革命が起きている。例えば、がんや認知症、メタボなどの悩ましい病気を克服する画期的な方法が成果をあげ始めているのだ。 新たな医学の潮流の全貌を全8回にわたってご紹介する大型シリーズ「人体」。プロローグでは、最先端の顕微鏡技術でとらえられた驚異の体内映像と、がんを早期に発見する画期的な検診方法や、がんの再発を防ぐ新たな治療方法などの最前線を紹介しながら、シリーズの見どころを伝える。この番組を見ながら、ツイートしたのです。NHKスペシャルがオンエアされているが、ナウ・・・エクソソームというガン細胞が出すウィルスメールのようなメッセージ物質がすごい、血の1滴の検査を行うことで(エクソソームの有無検査)ガン検診が可能となった。ガンの転移は、このエクソソームの作用によるものなんだそうです。胃の全摘手術をして、もう5年ほど経って…幸運にも転移が見られなかった大使でおます♪、ガンの転移には切実な関心があるんですよ。心臓からの伝達物質ANPが「疲れた」というメッセージを発すると、腎臓とか血管がそれに反応する。心臓を楽にするために腎臓が過剰な塩を小便として排出して血圧を下げる。血管がささくれを修復して血を流れやすくする。腸が鉄分を取り過ぎると、肝臓から「もう鉄分はいらない」というメッセージが発せられる。また、興味深いのは、腎臓が寿命を決めるのだそうです。身体は、臓器どうしの会話(あるいはネットワーク)によって動いているので、脳はその会話にはいちいち干渉しないそうで…すごい!この記事もNHKスペシャル・アーカイブ(改3)に収めておくものとします。
2017.10.05
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図書館に予約していた『知の編集術』という新書を、待つこと1ヵ月でゲットしたのです。ぱらぱらとめくってみると、どこを開いても面白そうで…さすがに「編集工学」の言いだしっぺだと思ったのです。【知の編集術】松岡正剛著、講談社、2000年刊<「BOOK」データベース>より考える力をみるみる引き出す実践レッスンとは?いいかえ要約法、箇条書き構成、らしさのショーアップなど情報の達人が明かす知の実用決定版。【目次】第1章 編集は誰にでもできる/第2章 編集は遊びから生まれる/第3章 要約編集と連想編集/第4章 編集技法のパレード/第5章 編集を彩る人々/第6章 編集指南・編集稽古<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくってみると、どこを開いても面白そうで…さすがに「編集工学」の言いだしっぺだと思ったのです。<図書館予約:(4/24予約、5/24受取)>rakuten知の編集術情報の「しぐさ」や「くせ」のようなものとやらを、見てみましょう。p24~29 <「情報の様子」に目をつける> 次には、第二の入口の特徴にあげた「編集はつねに『情報の様子』に目をつける」ということを、いくつかの角度から説明しておこう。 ここで「情報の様子」といっているのは特別なことではなく、むしろちょっとしたことである。たとえば「しぐさ」や「くせ」のようなもの、そういうものに編集術の大きなヒントが隠されている。 しばしば情報編集はおおげさのものと思われがちである。とくにコンピュータが発達してきたので情報処理も大がかりになっていることも多い。が、その一方で誰でも誰でもインターネットで世界の情報を引き出せるようになってくると、今度はそれをどう編集しておけばいいのか、洪水のような情報の量にとまどってしまう。 そして「なんとか整理法」のような本を焦って買うことになる。が、実は、情報の整理や編集には整理法というものよりも、「情報の様子」がヒントになることが多いのである。 もともと編集には「堅い編集」と「柔らかい編集」がある。 「堅い編集」はハードウェアタイプの編集で、これは印刷やVTRやコンピュータの機能やその属性を生かした編集をいう。たとえばスローモーションをつかった映像編集は、その機能がカメラや再生装置の技術にもとづいていることによって成立する。それがなければスローモーションは絶対に映像化できない。 これに対して「柔らかい編集」はソフトウェアタイプの編集で、人間の感覚や知覚や言葉やしぐさや行動によって何かが理解されたり伝わっていくことをいう。また、それらを表したメディア上の編集行為をいう。 もうすこし端的にいうと、「堅い編集」は機械的で、最近の技術でいえばデジタル型であるものをいう。これにくらべて「柔らかい編集」はアナログ的なのだ。つまり人間っぽい。ほんとうはここでデジタル型とアナログ型に分けるというのはいいすぎなのだが、話をひらたくするためにこういう説明にした。だいたいニュアンスはわかってもらえるのではないかと思う。 もっとわかりやすい例でいえば、マンガだ。マンガというものは紙とインクと印刷といったハードウェアをもとにしているが、輪郭線、簡単な顔の表情、背景、吹き出しの中のセリフ、それに「ぎくっ」「どきどき」「ジワジワ」「ゾーッ」「しーん」といったオノマトペイアなどの、たいそう簡素だが、ペン先でどうにでも豊かになるソフトウェア技法を駆使してつくられている。つまりアナログ型の表現に徹している。 コマ割といったややハードっぽい作業すら、長短ななめの線を駆使して、手で線引きされている。私はいつもそうしたマンガ家の表現力と編集力に感心しているのだが、本書では、そのような技法に注目したいということで、それを「柔らかい編集」と呼びたいのである。(中略) ごく最近、ピーター・コレットは『ヨーロッパ人の奇妙なしぐさ』のなかで「イギリス人はなぜ何もしていないときにおちょぼ口になるのか」という、日本人からすればどうでもいいことなのだが、イギリス人にとってすこぶる重大らしい難問を解いてみせた。では、日本人はどうなのか。どんな「くせ」をもっているのか。【編集稽古】03 小指を一本立てる「しぐさ」の意味は各国で異なっている。日本や韓国では「彼女」をさすことが多いが、では香港、インドネシア、タイ、インド、中国、ナイジェリア、そしてアメリカではどのような意味をもつと思うか。ウーム 物事をめったやたらに切る切口は鮮やかではあるが…勝手に定義付ける傾向が強いようですね。(どうも著者の顔とか、言い方が好きになれないのだ)
2017.05.26
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図書館に予約していた『戦争のグラフィズム―『FRONT』を創った人々』という本を、待つこと4日でゲットしたのです。「テロには屈しない」と言いつつも、テロにはしゃぐかのような安倍さんの言説に、何やらきな臭さを感じる昨今であるが・・・『FRONT』は秀逸なグラフィック誌として、時宜を得た本でないかと思うのです。【戦争のグラフィズム―『FRONT』を創った人々】多川精一著、平凡社、2000年刊<「BOOK」データベースより>第二次大戦中、対外宣伝誌『FRONT』はいかに計画され、岡田桑三、原弘、林達夫、太田英茂、木村伊兵衛など東方社の人々がどのように関わっていったかを初めて明らかにする。本格的グラフ誌のモンタージュ手法、編集・視覚効果の圧倒的な宣伝力と素晴らしさを、多数の図版で紹介。<大使寸評>「テロには屈しない」と言いつつも、テロにはしゃぐかのような安倍さんの言説に、何やらきな臭さを感じる昨今であるが・・・『FRONT』は秀逸なグラフィック誌として、時宜を得た本でないかと思うのです。<図書館予約:(5/06予約、5/10受取)>Amazon戦争のグラフィズム―『FRONT』を創った人々このグラフィック誌の運搬エピソードを、見てみましょう。p101~108『FRONT』は潜水艦で運ばれた? 1942(昭和17)年初め、「海軍号」「陸軍号」が相次いで発行され軍に納入された。前にも述べたが東方社は軍事予算で運営されていたわけではなく、『FRONT』などの製品を買い上げてもらう形で経営していた。 その納入先は必ずしも参謀本部だけでなく、各部隊や出先機関に個別に送られることもあったようだ。したがってそれから先の配布方法に関してはほとんどっわかっていない。「海軍号」が海軍でどのくらい買い上げたのかも不明である。ただ緒戦の華々しい戦果で気をよくしていた時期でもあり、内外の評判もよかったことから、これをぜひ国内にも配布したいとう要望もあって、8月に日本語版が内容を一部手直しして5万部増刷された。 誌名は『大東亜建設画報』と変わり、定価1円80銭、発行者は日本電報通信社(現・電通)出版部、編集名義人はなぜか総務担当理事の杉原二郎になっている。 ソ連とは敗戦直前まで中立を保っていたから、相当量が送り込まれていたと思われる。のちに東方社総裁になった建川美次中将は、開戦時ソ連駐在日本大使としてモスクワにいたが、1942(昭和17)年3月、離任の挨拶に外相モロトフを訪問したとき、その机の上に意図的であるかのように『FRONT』がデンと置かれているのを見たという。 このころソ連はドイツ軍とスターリングラードで死闘を繰り返していたときで、日ソ両国とも長年の仮想敵国同士でありながら、手を出せない状況にあった。したがってソ連との交流はあっても、シベリア・東欧経由でヨーロッパに行く道は閉ざされていた。また日本とアメリカが参戦した後は海路もすべて戦場となり、船で中立国へ行く手段もなかった。しかし、あとでわかったことだが、このころ『FRONT』は中立国やドイツなどの枢軸国側ばかりでなく、敵国である英国にも少数だが渡っていた形跡がある。 これについてヨーロッパへは潜水艦で運んだという説が、当時東方社内部でも流れ、関係者の間で今も信じられている。 「戦時中ドイツと日本の間では定期的に潜水艦による連絡便があり、『FRONT』はこれに積んで中立国のトルコに揚げ、帰りにはライツ社のカメラや引伸機を運んだ」というのがそれである。 しかし、これには疑問がある。当時日本とドイツ・イタリアの間で、何らかの方法で連絡をとることに努力を払っていたことは確かだが、潜水艦といえども英国海軍が押さえているジブラルタル海峡を突破して地中海を横断し、最奥のトルコの港に入るなど、まず不可能であろう。仮に往路はなんとかたどり着いたとしても、当然日本の潜水艦が入ったことはキャッチされ、港を出たとたんに撃沈されることは間違いない。 この潜水艦による連絡便のことを書いたノンフィクション『深海の使者』(吉村昭/文春文庫)には、日独双方の乗組員の苦労がよく描かれている。これを読んでみても、ケープタウンから先は敵の制海圏下にあり、ドイツの占領下にあった大西洋岸のフランスの軍港ブレストやロリアンに入ることは並み大抵のことではなかったようだ。 大部分は往路帰路に敵襲や事故にあい、日本の潜水艦もUボートも、無事往復できたものはわずかしかなかったという。そのような効率の悪い輸送手段で、陸軍のつくった重くかさばる宣伝物を運んだであろうか。おそらくこれは1942(昭和17)年秋、最初にフランスの軍港に入港した伊号第8潜水艦が、重要書類とともに数冊の「海軍号」を運んだというのが実相ではないかと思われる。 しかし、敵味方を問わずヨーロッパの国々にまで『FRONT』がわずかでも渡っていたとすれば、おそらくシベリア鉄道経由で中立国トルコの日本大使館に運び、そこから外交ルートを通じて各国に運ばれたというのが真相であろう。また当時日本軍の占領下にあった中国の上海は、敵国をも含めて外国に通じる裏口でもあった。 上海に運んだ『FRONT』は、すぐに地下組織を通じて国民政府側に渡り、そこからインド・中近東経由で英国に行ったり、また援蒋ルートで重慶に入っている米軍の手に渡るのはいとも簡単なことであった。軍がそうしたルートを意識的に使って敵側に配布をはかったことも十分考えられる。電通も出版に絡んでいるが…昔も今もかぎりなく国策会社だったようですね。今ではブラック企業のイメージが強いが技術的には見るべきものがあるようです。ネットでFRONTを探してみました。幻のグラフィックデザイン誌:FRONTよりFRONTという戦争グラフ誌をご存じだろうか。太平洋戦争時、錚々たるデザイナーによって制作された日本のグラフィックデザイン史に輝く傑作である。制作スタッフの一人だった多川精一氏による「戦争のグラフィズム」という書籍に詳しいが、ロシアアバンギャルドばりの「カッコイイ写真」で「ぞくぞくするような画面構成」をノリノリで追究した結果、とんでもない完成度に達することになったが、紙質がよすぎたり重かったりして結局効果的に配布できなかったらしく、まあ本来の目的(対外てきに日本の軍事力を宣伝すること)からはななめ上をいったようなキワモノ雑誌だったともいえる。費用対効果なんて頭になかったのだろう。第二次世界大戦の少し前に、帝国陸軍参謀本部の肝煎りで、莫大な資金のもと「東方社」なる小さな謎の出版社(しかも株主に縛られる会社組織ではない)が設立された。従業員は、特高警察に追われている共産党員や、日本でトップクラスの芸術家・画家や写真家等で、戦時中も長髪のままスーツを着こなし、そこだけは自由を謳歌出来たという。ソビエトのグラフ雑誌を参考に作られた、対外謀略用のプロパガンダ雑誌は「FRONT(フロント)」という。モンタージュ写真や、加筆により増えた艦隊や墜落する戦闘機等、改竄も激しいが、これらの技術は、戦后の写真界に多大な影響を与えた。見開き写真の構成も、他の雑誌を圧倒している。1989年~1990年に、平凡社から極めて高価ながら僅かに復刻した事があったが、現在は品切れのまま重版未定の状況である。
2017.05.19
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ツイッターは、もっぱら発信専用として使っているが、ときどきリアルタイム分を覗いてみると…金子先生が鋭いツイートを連発していたので、当方もバンバンとリツイートしたのです。金子先生のツイートが目新しく見えたのは、既存の大手メディアが先生より鈍いせいではないか?【5/06リツイート】@【子どもの日】栃木県教職員協議会が実施したアンケートで、県内小中学校教職員の46・4%が、家庭の貧困や生活困窮により学校生活で配慮を必要としている児童生徒がクラスにいると答えた。少子化が進む中、滝を上れない若い鯉が増えている。【5/05リツイート】@【アベノミクス敗戦2】長期国債売買がゼロとなったのは、日銀が国債を手当たり次第買いあさっても年60兆円にしかならず、市場機能が完全にマヒした。にもかかわらず、アベノミクスを礼賛してきたマスコミも主流派経済学者も逃げて、沈黙の狂気だ。@【アベノミクス敗戦】アベが改憲を急ぐのはクロダジャブジャブが持続不能になっている背景がある。市場参加者が日銀に疑心暗鬼になり、住宅ローン金利の目安となる10年物の長期国債の売買が急減し、2日午後まで1日半値段がつかない異常事態が発生。@【森友隠しの改憲】ティラーソン米国務長官は北朝鮮に攻め入る意図はないとし、プーチンの話し合い路線にトーンダウン。在韓米国人が平常なのに、アベは「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と煽りミサイル避難広報や地下鉄停止の大騒ぎ。また嘘。【5/04リツイート】@ロシア諜報疑惑に政策を実現できないトランプが北朝鮮に対して「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」とした挑発に、米艦防護に乗り出した。国会で議論もせず、森友疑獄で嘘答弁と利益相反行為を繰り返す防衛大臣が勝手に「存立危機事態」としてよいのか。「存立危機事態」にあるのは稲田の方だろう。@【ジワジワ来てる森友】森友疑獄ほど、官庁中の官庁=財務省の権威を失墜させた疑獄事件はない。3世ボンボン独裁者のアベの夫人を媒介に、森友への条件がどんどん緩み、バレた後のデータ隠しはひどくなる。国家が私物化され民主国家が破壊された恥さらし事件として世界史に残る。滑稽とさえ言える。@【経産省もいらない】夫人付き政府職員も経産省出身者だが、叔父の敬とともに3世ボンボン独裁者アベに吸い付く「官邸のラスプーチン」こと今井尚哉秘書官のインチキもバレてきた。原発輸出路線に突き進んで東芝を潰し、ない方がいい官庁となった。@【BBCは日本の右翼政権の改憲の動きに警鐘】安保法に基づく自衛隊護衛艦による初の米艦防護について、英BBC放送は、安倍首相や稲田防衛相ら改憲や防衛力強化を目指す日本の「右派ナショナリスト」にとって、北朝鮮の脅威拡大は好機だと指摘。@【独裁者たちの茶番劇の矛先はどこへ向かっているか】アベ、プーチン、トランプ、金正恩とまるで生き写しの軍事プロパガンダの圧制者たちが揃う。鉄砲は自国民が第一の標的であり、監視もプロパガンダも自国民への脅迫の道具なのだ。オルタナ右翼たちは徹底してメディア利用する。要注意だ。@【極右支配で亡国へ】森友疑獄で財務省の財政統制が壊れ、極右政治家によって日銀の独立性が破壊され、日本中をシャブ中患者にして改憲と戦争国家作りに向かう日本。他方で、官邸に吸い付く経産省によって原発事故費用を国民に負担させ、電力会社と大手銀行の救済最優先で産業を破壊する。敗戦は近い。@【原発権益を守るため】日経ビジネスの評価では、アベ内閣の「東電改革」の隠れた勝者は金融機関だという。原発事故の株主責任をはたさず、社債は国により100%補償され、3兆円はくだらない利益補填になるという。原発事故費用は全て国民の負担に。@【原発権益を守る2】日経ビジネス誌の「国民負担、国と電力会社のフリーハンドに」は、福島原発事故の賠償・除染費用を約22兆円とした国の試算のズサンさを指摘する。最悪3倍に膨らむ費用を託送料金に乗せる?高い電力料金で経済成長?バカです。@【ボンボンでんでん独裁者】アベは9条に自衛隊(国防軍?)を明記し、「教育無償化」などを含めて2020年までに憲法を「改正」するとビデオメッセージ。まず答えるべきは、森友疑獄で自身か夫人が係わっていたら議員も辞めると言ったことです。@【ボンボンでんでん独裁者2】アベは、民主党政権時代の2010年には高校教育の無償化さえ反対していた。それが、改憲の宣伝に「大学まで無償化」といいだすが、その財源は「教育国債」だという。ジャブジャブ金融緩和の延長のヨタバナシでしかない。@【ボンボンでんでん独裁者3】この4年間、デフレ脱却、アンダーコントロール、原発輸出、南スーダンへの武器輸出禁止国連決議への反対と駆け付け警護、TPPなど失敗の山。やったのは特定秘密保護法、閣議決定で集団的自衛権に安保法…。東京五輪まで首相をやらせたら日本は完全に壊れるだろう。@【3代目が身上潰す】この人、典型的なボンボンで、息を吐くように嘘をつく。これだけ失敗しても、間違いは絶対認めない、間違えると「外遊」で逃げる。コンプレックスの塊で、おだてられるのが好き。きっと周囲が甘やかして許してきたんだろう。でんでん首相にミゾウユウの財務大臣が今の日本です。大使が「先生」と名付けてフォローしているのは、内田樹さん、金子勝さん、與那覇潤さんあたりになります♪
2017.05.06
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次々と軍事カードを切るトランプさんと金正恩であるが・・・一方、日本では連休明けには、共謀罪法案の強行採決が懸念されています。まさに内憂外患の状況であるが、テレビは脳天気な連休報道で浮かれています。気を引き締めて、デジタル朝日の「(耕論)緊迫の朝鮮半島」を見てみましょう。******************************************************************** 核やミサイル実験を繰り返す北朝鮮の金正恩政権。軍事力行使もちらつかせる米国のトランプ政権。朝鮮半島に緊張が高まり、米軍基地を抱える日本でも注目が集まる。武力行使は甚大な被害をもたらす。今回の危機は特別なのか、今後どうなるだろうか。(平岩俊司さんのオピニオンを4/29デジタル朝日から転記しました)■中国の仲介、局面打開のカギ 平岩俊司さん(南山大学教授〈現代朝鮮論〉) 米国のトランプ政権はシリアの基地を攻撃し、アフガニスタンで大規模爆風爆弾(MOAB)を使用しました。朝鮮半島近海に空母カールビンソンを派遣し圧力を強めています。こうした中、北朝鮮は、核実験やICBMの発射実験に慎重です。 とはいえ北朝鮮にとって核兵器を小型化し、ミサイルの精度を高めることは必要です。今月は故金日成主席の誕生日や人民軍創建など記念日が相次ぎましたが、それとは関係なく、今後も核やミサイルの実験の機会を狙うでしょう。 北朝鮮は、こうした「力」を背景に米国と交渉し、朝鮮戦争の休戦協定(1953年)を平和協定にかえ、戦争状態を終わらせることを求めている。北朝鮮を攻撃し体制崩壊させることはしないという保障を米国から得るためです。最高人民会議(国会に相当)は今月、外交委員会を復活させ、軍事的な対決一辺倒ではありません。 朝鮮半島をめぐる緊張は過去にもありました。今回の危うさは、不確定要素として、金正恩政権に加え、米国にトランプ政権が登場したこと。双方が相手の出方を読み誤ることが懸念されます。 * 例えば、金政権が、米国が攻撃してこないだろうと考えて核実験をする。あるいはトランプ政権が、体制崩壊ではなく非核化のために攻撃を加えても、北朝鮮は反撃してこないと判断してしまう。いずれの場合も軍事衝突につながる恐れがあります。 局面打開のカギを握るのは中国です。03年1月に北朝鮮がNPT(核不拡散条約)から脱退を宣言し、核問題が持ち上がりました。3月にブッシュ米政権が、「単独主義」でイラクを攻撃。衝撃を受けた中国が仲介に乗り出し、米中朝の3者協議をへて8月に6者協議が始まったプロセスが参考になります。今年2月には、中国が北朝鮮産の石炭の輸入を全面的に停止するなど、やっと重い腰を上げました。中国が米朝を仲介し、話し合いに持ち込もうとする動きが出てくるかもしれません。 中朝関係の歴史をさかのぼれば、中国は朝鮮戦争(1950~53)で同じ社会主義国の隣国である北朝鮮が苦境に陥ったため「人民志願軍」を送り、ともに米国と戦いました。「血で結ばれた同盟」とされるゆえんで、61年には「中朝友好協力相互援助条約」を締結。戦争の際には、直ちに軍事その他の援助をするという「自動介入条項」があります。しかし、92年に中国と韓国が国交を樹立し、中国が朝鮮半島の紛争に即座に介入する可能性は低くなりました。 金正恩氏は11年12月に権力を継いでから中国を訪れたことはなく、関係は冷えています。とはいえ、韓国には2万8千人余りの米軍が駐留しており、中国は緩衝地帯である北朝鮮を締め上げて崩壊させることは絶対にしません。中国は、核実験に際して北朝鮮を強く批判する一方、米国や日本、韓国などには冷静に対処し、話し合いで解決せよという立場を繰り返す。北朝鮮もそれを見越してミサイルや核実験を繰り返す。根本的解決の難しさがそこにあります。 * ロシアというプレーヤーもいます。中朝関係が冷え込めば、北朝鮮は、天然ガスなど資源が豊かなロシアとの関係強化に乗り出すでしょう。米国と対立するロシアも、北朝鮮問題をカードとして国際的な発言を強めたい。ウラジオストクと北朝鮮の羅津港を結ぶ定期航路が新設されるという報道もあり、制裁の抜け穴となります。 来月9日の韓国大統領選挙は、文在寅候補の勝利が有力視されている。文氏は朝鮮半島の安全保障に関し、韓国がイニシアチブを発揮すべきだと考え、金政権に直接働きかけるでしょう。日米韓の足並みが乱れます。北朝鮮もそれを期待しており、新たな局面が生まれるかもしれません。(聞き手・桜井泉) ◇平岩俊司:60年生まれ。関西学院大教授など歴任。著書に「北朝鮮―変貌を続ける独裁国家」、共著に「独裁国家・北朝鮮の実像」など。(耕論)緊迫の朝鮮半島平岩俊司2017.4.29この記事も朝日のインタビュー記事スクラップR3に収めておきます。
2017.05.03
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「共謀罪」法案の国会審議が19日から始まったが・・・こんな危険な法律は廃案にするしかないのだ!デジタル朝日でも19日から『問う「共謀罪」表現者から』というコラムがスタートしたのでフォローしています。大使のブログでも映画や小説で取り上げた著名人が、声を挙げています。(表現者シリーズはこれで終わりとなり、次は刑事司法シリーズとのことです)・落合恵子・周防正行・平野啓一郎R1:落合恵子を追加2017-04-27「異質」切り捨て、加速する懸念:落合恵子より■市民運動の現場には、「分断」への懸念が広がっている。 ◇ 「共謀罪」法案の国会審議を見ていると、無理に通そうとしているのがありあり。法務大臣でさえ答弁が危ういから法務省の刑事局長に答弁させる。テロ防止とは別問題なのに、東京五輪を引き合いに出す。国民に対するフェアな姿勢ではない。 人間にとって何を考えるかは基本的な権利だ。共謀罪の問題点は「心の内」さえ処罰すること。「一般の人には適用されない」と言うが、信じられない。 30年ほど前、戦時中に軍事機密を漏らしたとして、北海道帝国大学(当時)の学生が逮捕された冤罪事件を取材した。学生の妹や弁護士に話を聴いたが、「スパイ」がぬれぎぬだと明らかになった後も、周囲からの偏見は消えなかったと感じた。 共謀罪によって警察の動きが強まるのは間違いない。さらに恐ろしいのは、国民がその影響を受けることだ。私は長い間、市民運動にかかわってきたが、「運動は危ない」「近づくな」となりかねない。共謀罪には、ある人たちを「異質だ」と切り捨てる風潮を加速させる効果もあるのではないか。 安倍政権は高い支持率なので法案を止めることは難しいという声もあるが、それでも反対していきたい。本当に話を聞いてほしいのは、抗議集会などに足を運ばない人たちだ。声高な「闘いの言葉」ではなく、関心のない人にも届く言葉で今後も問題点を伝えたい。(聞き手・岩崎生之助)2017-04-19心の内、絶えず監視される社会に:周防正行より■自由を奪われることで社会は安全になるのだろうか ◇ 冤罪をテーマにした映画を撮影したことがきっかけで、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件が2010年に発覚した後、刑事司法制度の改革を議論するための国の会議の一員になった。警察官や検察官、裁判官と話して感じたのは、法律とは怖いもので、解釈と運用により、どうにでも使われてしまうことだ。 今回の法案は解釈の幅が広い。政府は否定するだろうが、権力に都合の悪い主張をする人を立件する武器を手に入れることになる。時の政権に声を上げることがはばかられる社会になるだろう。表現をする立場には確実に影響が出る。 権力は、新設する罪を使って有罪にしなくてもいい。「話を少し聞きたい」と任意の捜査をするだけで、萎縮効果は抜群だ。「私たちが何を考えているのか」を国家が絶えず監視する社会になる。政府は「一般人は対象ではない」とも言う。では、そもそも「一般人」とはどんな人か。誰でも犯罪をする可能性があり、誰でも「犯罪をした」と疑われる可能性がある。 捜査機関に対しては裁判官がチェックするシステムだと政府は言う。だが、裁判官は人権を守る最後の砦ではなく、国家権力を守る最後の砦と化している。権力が新たな制度をつくろうとするとき、私たちは声をあげ、抑制をかけなければならない。民主主義の成熟度が問われている。(聞き手・金子元希)2017-04-20監視されるかも、気にする社会恐ろしい:平野啓一郎より 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。 中東で過激派組織ISILに殺害されたジャーナリスト・後藤健二さんと交流があったという作家・平野啓一郎さんはこの法律をどう考えるのか。■こんなことを言ったら警察に目を付けられるかも、といちいち気にする社会でいいのか。 何かが起きる前に、いかに予防するか。典型的な分野は医療だが、そんなリスク管理型の考え方に社会が移りつつあるなか、テロは未然に防ぐべきだとの意見に多くの人が同意するのは理解できる。ぼくも当然そう思う。ただ、その方法が問題だ。 すでにあるテロ対策の法律ではなぜだめなのか、政府から十分な説明はない。テロ等準備罪の「等」も広範すぎる。捜査機関に膨大な権限を与え、国民を監視し、抑止する手法は、国民一人ひとりの自由を萎縮させる。 「法令違反をしないように」ではなく、「監視すべき人間と見なされないように」と、日常的に意識しなければならなくなる。目を付けられやすいのは、政府批判だろう。接触を持つだけで捜査、監視の対象になるのではと、関係を持つことさえためらう空気が生まれないか。 かつて「友達の友達はアルカイダ」と言った政治家がいた。フェイスブックなどのSNSが発達したいま、「友達の友達」は時にとんでもないところまでつながっていく。捜査側はここからが容疑者で、ここからが一般人だと、区別できるのか。犯罪を漠然としたリスクとして「予防」しようとすると、捜査機関の監視は歯止めがなくなる。誰にでも知られたくない秘密はあり、また世間の目もある。逮捕や家宅捜索だけでも、十分な抑圧効果があるだろう。 本には人と人とを結び付ける作用がある。小説を書く時は色々な人に取材するし、ぼくの本が、誰かの何かの原動力になることもある。それが政府批判的な運動かもしれない。読者とのコンタクトもある。本を書く限り、いつ自分が関わるかわからない点に懸念を感じる。「組織」としての出版界に、自主検閲が広がらないか、心配だ。 ギタリストの男性と通信社記者の女性との恋愛を描いた「マチネの終わりに」の執筆にあたり、ジャーナリストの故後藤健二さんに話を聞いた。 イスラム国に拘束された後藤さんは、取材の過程で様々な人たちに接触していた。「行くな」と言われても、人道や民主主義のために命がけで取材する姿があった。 民主主義を健全に機能させるには、少なくとも事実に基づき何かを判断していかなければいけない。政府に都合のいい発表だけが伝われば、戦中の日本のように道を大きく誤ることになる。取材活動の自由が保障されるかどうかも危惧している。 個人が自由に、生き生きと活動する社会こそが、望ましいと思っている。その時々の政府は、国民にとって、必ずしも常に望ましいものとは限らない。批判や反対は必要。そんな時、目を付けられるかもしれないといちいち感じないといけない社会は恐ろしい。非常に危険な法案で、強く反対している。(聞き手・山本亮介)平野さんは『ドーン』という小説でも近未来の監視社会を描いていたが、捜査当局によるでっち上げを描いたということでは伊坂幸太郎の『火星に住むつもりかい?』いちばん怖かったでぇ。
2017.04.29
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「共謀罪」法案の国会審議が19日から始まったが・・・こんな危険な法律は廃案にするしかないのだ!デジタル朝日でも19日から『問う「共謀罪」表現者から』というコラムがスタートしたのでフォローしています。大使のブログでも映画や小説で取り上げた著名人が、声を挙げています。・周防正行・平野啓一郎2017-04-19心の内、絶えず監視される社会に:周防正行より■自由を奪われることで社会は安全になるのだろうか ◇ 冤罪をテーマにした映画を撮影したことがきっかけで、大阪地検特捜部の証拠改ざん事件が2010年に発覚した後、刑事司法制度の改革を議論するための国の会議の一員になった。警察官や検察官、裁判官と話して感じたのは、法律とは怖いもので、解釈と運用により、どうにでも使われてしまうことだ。 今回の法案は解釈の幅が広い。政府は否定するだろうが、権力に都合の悪い主張をする人を立件する武器を手に入れることになる。時の政権に声を上げることがはばかられる社会になるだろう。表現をする立場には確実に影響が出る。 権力は、新設する罪を使って有罪にしなくてもいい。「話を少し聞きたい」と任意の捜査をするだけで、萎縮効果は抜群だ。「私たちが何を考えているのか」を国家が絶えず監視する社会になる。政府は「一般人は対象ではない」とも言う。では、そもそも「一般人」とはどんな人か。誰でも犯罪をする可能性があり、誰でも「犯罪をした」と疑われる可能性がある。 捜査機関に対しては裁判官がチェックするシステムだと政府は言う。だが、裁判官は人権を守る最後の砦ではなく、国家権力を守る最後の砦と化している。権力が新たな制度をつくろうとするとき、私たちは声をあげ、抑制をかけなければならない。民主主義の成熟度が問われている。(聞き手・金子元希)2017-04-20監視されるかも、気にする社会恐ろしい:平野啓一郎より 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織的犯罪処罰法改正案が国会で議論されている。政府は「テロ対策に必要」との立場だが、捜査当局による乱用や「表現の自由」などの侵害を危惧する声もある。 中東で過激派組織ISILに殺害されたジャーナリスト・後藤健二さんと交流があったという作家・平野啓一郎さんはこの法律をどう考えるのか。■こんなことを言ったら警察に目を付けられるかも、といちいち気にする社会でいいのか。 何かが起きる前に、いかに予防するか。典型的な分野は医療だが、そんなリスク管理型の考え方に社会が移りつつあるなか、テロは未然に防ぐべきだとの意見に多くの人が同意するのは理解できる。ぼくも当然そう思う。ただ、その方法が問題だ。 すでにあるテロ対策の法律ではなぜだめなのか、政府から十分な説明はない。テロ等準備罪の「等」も広範すぎる。捜査機関に膨大な権限を与え、国民を監視し、抑止する手法は、国民一人ひとりの自由を萎縮させる。 「法令違反をしないように」ではなく、「監視すべき人間と見なされないように」と、日常的に意識しなければならなくなる。目を付けられやすいのは、政府批判だろう。接触を持つだけで捜査、監視の対象になるのではと、関係を持つことさえためらう空気が生まれないか。 かつて「友達の友達はアルカイダ」と言った政治家がいた。フェイスブックなどのSNSが発達したいま、「友達の友達」は時にとんでもないところまでつながっていく。捜査側はここからが容疑者で、ここからが一般人だと、区別できるのか。犯罪を漠然としたリスクとして「予防」しようとすると、捜査機関の監視は歯止めがなくなる。誰にでも知られたくない秘密はあり、また世間の目もある。逮捕や家宅捜索だけでも、十分な抑圧効果があるだろう。 本には人と人とを結び付ける作用がある。小説を書く時は色々な人に取材するし、ぼくの本が、誰かの何かの原動力になることもある。それが政府批判的な運動かもしれない。読者とのコンタクトもある。本を書く限り、いつ自分が関わるかわからない点に懸念を感じる。「組織」としての出版界に、自主検閲が広がらないか、心配だ。 ギタリストの男性と通信社記者の女性との恋愛を描いた「マチネの終わりに」の執筆にあたり、ジャーナリストの故後藤健二さんに話を聞いた。 イスラム国に拘束された後藤さんは、取材の過程で様々な人たちに接触していた。「行くな」と言われても、人道や民主主義のために命がけで取材する姿があった。 民主主義を健全に機能させるには、少なくとも事実に基づき何かを判断していかなければいけない。政府に都合のいい発表だけが伝われば、戦中の日本のように道を大きく誤ることになる。取材活動の自由が保障されるかどうかも危惧している。 個人が自由に、生き生きと活動する社会こそが、望ましいと思っている。その時々の政府は、国民にとって、必ずしも常に望ましいものとは限らない。批判や反対は必要。そんな時、目を付けられるかもしれないといちいち感じないといけない社会は恐ろしい。非常に危険な法案で、強く反対している。(聞き手・山本亮介)平野さんは『ドーン』という小説でも近未来の監視社会を描いていたが、捜査当局によるでっち上げを描いたということでは伊坂幸太郎の『火星に住むつもりかい?』いちばん怖かったでぇ。
2017.04.25
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大使が在職中のことですが・・・東京出張の帰りには、改札口の手前で駅弁の「深川飯」と缶ビールを買い込み、新幹線ホームに駆け込むのが常でした。(深川飯が見つからないと、横浜シューマイになったりしたが)とにかく、深川飯はコスパもいいし、うまかったでぇ♪ということで、ネットで深川飯を探していたら、次のような日記がヒットしたのです♪この日記によれば江戸時代の深川飯は浅蜊の味噌汁をかけたぶっかけ飯だったようだが・・・・これもまた、美味しそうではないか♪もともと、大使はお茶漬けとかぶっかけ飯が好きなわけで、それが最近、歯がガタガタで固いものがだめになったせいもあって、ぶっかけ飯で食いつないでいる観もあるのです。一番の好物は余りものの刺身のお茶漬け、カツオの酒盗のお茶漬け、カツオブシと塩コンブのお茶漬けあたりになります。(ちょっと貧乏くさくなったかな)まぐろぐJ日記より○深川飯=ぶっかけめし→「あさり飯」 - 江戸中期に開発が始まって、 漁師が住み着きはじめた深川にもぶっかけ飯が登場する現在の深川飯は浅蜊(あさり)をご飯に混ぜて炊く炊き込みご飯ですが、 江戸時代の深川飯は根深ねぎをざくざく入れた浅蜊の味噌汁を、 ご飯にぶっかけてじゃぶじゃぶ食べるものそのほかとろろ汁のぶっかけ飯など、 江戸のかけ飯の大半は「汁もの」です。 "かつおでだしをきかせた醤油汁を使うのがぶっかけ飯の王道"で、 味噌汁をかけるのは急場しのぎ。また、お茶漬けはぶっかけ飯とは別のものとして楽しんでいた。○ぶっかけ飯はいつものお膳- それは男たちの食い物 それも職人衆や商家の小僧などの独身男だけでなく、 貧乏長屋の所帯持ちは家でも食べました。 長屋の食卓は目刺しがあればいいほうで、普通は味噌と漬物だけ。 「味噌さえあれば飯を何杯でも食べられる」 というのが、長屋の男たちの自慢。 - 江戸っ子は気が短いから、 おかずとご飯を別々に食べるなんて、べらぼうめ。 ぶっかけ飯はおいしい。だしのきいた汁を吸ってご飯がふくらみ、 ご飯の甘みとだしの塩気が馴染んでこたえられない。ちなみに、スパゲッティで一番好きなのは、アサリ入りのボンゴレでおます。
2017.04.04
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朴槿恵大統領が、憲法裁判所から罷免を宣告されたが、慶応大学名誉教授の小此木政夫さんがオピニオン欄で「破滅的な分断、憲法裁が回避」と説いているので、紹介します。(小此木さんのオピニオンを3/11デジタル朝日から転記しました) 韓国の国会から弾劾訴追されていた朴槿恵大統領が、憲法裁判所から罷免を宣告された。数カ月にわたる市民のデモや政治の混乱を経て、1948年に大韓民国ができて以降初めて、大統領が罷免された。歴史的な事態は何を意味するのか。今後の日韓関係はどうなるのか。■破滅的な分断、憲法裁が回避:小此木政夫さん(慶応大学名誉教授) 日本の政治を基準にすれば、知人の国政介入などは朴槿恵氏の弾劾には値しないのではないか、と多くの日本人は思うかもしれません。しかし、刑事上の責任が問われたわけではなく、これだけ大きな混乱を招いたことが問題になったのであり、その政治的な決着を憲法裁判所がつけたのです。政治は国によって違う。それぞれの国の政治的伝統や文化を知らなければ誤解が起きます。 韓国政治は政府や議会、政党政治で構成される「制度圏」と、知識人や学生の運動がもたらす「運動圏」の二つが動かしています。「制度圏」では誰がリーダーになってもそこに権限が集中し、権力が人格化される。一方、「運動圏」は在野の人々で構成され、多分に原理主義的な市民運動で、利益でなく社会正義を追求します。 今回の弾劾の過程で、国民の支持は「運動圏」に一気に傾きました。国民は大統領が密室で何をしているのかがずっとわからなかった。メディア報道で、チェ・スンシルという民間の女性が、大統領を操っているというイメージができ、国民の大きな怒りを買いました。さらに朴政権と財閥の「癒着」というイメージも広がった。「財閥との癒着」は韓国人にはなじみが深く、皆それで納得した。 * 歴史的に見ると、60年代以降に軍事独裁政権のもとで形作られた「制度圏」と「運動圏」の分断と対立が今回、かつてないほど極端に噴出した。収拾が不可能になるのを憲法裁が救済した、という構図です。そもそも一般の裁判所とは別に憲法裁が設置されているのは、クーデターなどの暴力的事態を回避するための調整機能を果たしてもらうためです。今回も放置すれば政府や議会が機能不全となり、左右のデモが街頭で衝突する破滅的な状況も考えられた。だから憲法裁は「罷免」という決断でそうした事態を防いだのです。 日本人が驚いたのは、毎週、反朴デモに集まった韓国人の姿でしょう。背景には韓国で根強い抗議や抵抗の文化がある。王朝時代は国王へも儒教の観点から訴える文化があった。植民地時代には民衆蜂起があり、60年代以後の学生運動も権力への抗議でした。それらは簡単にはなくならない。伝統を土台に政治文化が形成されます。 その伝統のためか、韓国は参加民主主義の要素がとても強い。選挙と選挙の間も権力監視し、問題があれば行動に移す。日本は代議制民主主義の要素が強く、選挙がない時期に政治に積極参加する人は少ない。手法の違いであり、良い悪いの話ではありません。 * 2015年末に日韓両政府は慰安婦問題で合意しました。私はその合意を高く評価していますが、両国政府の「制度圏」による合意だったため、「運動圏」の反応を心配しました。韓国の「運動圏」では合意が正義にかなうかどうかが重要で、合意が正しくなければ守ってはいけないのです。 大統領選後に、韓国の新大統領には国内の「運動圏」を説得してもらわなければなりません。在外公館前に像を建てるのは国際的な礼儀に反すると。釜山の日本総領事館前の少女像も早急に移転すべきで、それなしには日韓関係は始まらない。しかし隣国の政変時に大使が不在なのは困る。一時帰国させている大使を、大統領選までに韓国に帰任させるべきです。新政権との関係が最初につまずくと長期間こじれるかもしれません。 韓国では保守派と進歩派が二大政党的な政権交代を繰り返してきました。今回の弾劾でできた両者の亀裂は大きすぎ、大統領をやめさせられた保守派の怨念はすごい。さらに「制度圏」と「運動圏」、東西の地域対立、北朝鮮との南北関係、所得の格差による上下の分断……。韓国社会のあちこちで見られる分断は深刻な水準に達しています。克服の道のりはかなり険しいと言わざるを得ません。(聞き手・金順姫) ◇小此木政夫:45年生まれ。韓国と北朝鮮の政治外交、国際政治を研究。現代韓国朝鮮学会会長、九州大特任教授などを歴任。日韓歴史共同研究にも参加した。ウーム 小此木さんの見立てでは、今後の日韓関係の展望は険しいようですね。なにしろ、現代韓国朝鮮学会会長の見立てであるだけに説得力があるのです。次期大統領選ともなれば、最大野党「共に民主党」の文在寅前代表が圧倒的に優位との観測があるが・・・・日本にとって、やっかいな時代が到来するようです。(耕論)史上初、罷免の底流小此木政夫2017.3.11この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR2に収めておきます。
2017.03.13
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図書館で『ローカルメディアのつくりかた』という本を手にしたのです。最近、日本の出版社を脅かすまでに、幅をきかすアマゾン・キンドル連合を苦々しく見ているわけで・・・・この本に載っている編集・デザイン・流通に着目したローカルメディア(紙媒体)が気になるわけです。【ローカルメディアのつくりかた】影山裕樹著、学芸出版社、2016年刊<「BOOK」データベース>より【目次】Prologue つながりを生み出すローカルメディア/1 観察力×コミュニケーション力(『みやぎシルバーネット』(宮城県仙台市)-お年寄りが表現し、語り合う場所/『ヨレヨレ』(福岡県福岡市)-現実を真剣に描くからこそ面白い/考察 時間をかけて見つめることでコミュニケーションが生まれるー無明舎出版、『kalas』)/2 本・雑誌の新しいかたち×届けかた(『東北食べる通信』(岩手県花巻市)-生産者と消費者の関係を深める食べ物付き情報誌/本と温泉(兵庫県豊岡市)-“地産地読”という届けかた/考察 その地に最適なかたちと方法があるー「十和田奥入瀬芸術祭」「宿命の交わるところー秋田の場合」ほか)/3 地域の人×よそ者(『雲のうえ』(福岡県北九州市)-平凡な場所が素敵に見えてくる/『La Collina』(滋賀県近江八幡市)-地元の再発見が愛着と自信を育てる/考察 地域の人とよそ者の情熱が広がりを生むーissue+design、『離島経済新聞』)/Epilogue ローカルメディアはいつも実験場だったー『谷根千』、せんだいメディアテーク、『フリースタイルな僧侶たちのフリーマガジン』『飛騨』『TO magazine』<読む前の大使寸評>最近、日本の出版社を脅かすまでに、幅をきかすアマゾン・キンドル連合を苦々しく見ているわけで・・・・この本に載っている編集・デザイン・流通に着目したローカルメディア(紙媒体)が気になるわけです。rakutenローカルメディアのつくりかた瀬戸内海の離島の魅力を伝えるメディアを見てみましょう。p154~157 『せとうち暮らし』(香川県高松市) ―クリエイターがつながり、応援する人がいて、メディアが成長する 香川発の雑誌『せとうち暮らし』は瀬戸内海の多様な群島文化を紹介するメディアとして注目を集めている。「瀬戸内国際芸術祭」など、近年文化イベントが多数行われ、国内外から観光客を集める瀬戸内海地域だが、一言で瀬戸内と言っても、島々の数は全部で727にのぼる。瀬戸内海に面している中国地方や四国の陸地も入ってくる。総編集長の小西智都子さんに、なぜこの雑誌を始めたのか、香川県高松市内にある事務所で話を聞いた。 「私はもともと、地元新聞社で生活情報紙のデザインの仕事に携わっていました。退職後はフリーランスのデザイナーとして活動する一方、TMO(Town Maanagement Organization)にも参画していて、半分は紙モノのデザインの仕事をしつつ、半分はまちづくりのお手伝いをしていました」 小西さんはそこで、地元商店街の活性化を考える任意団体「まちづくりラボラトリー」を立ち上げた。メンバーは行政の都市計画の担当者、大学教授、不動産業者、考古学者、広告代理店などさまざま、月1回ゲストを招いて交流サロンをやりながら、空き店舗をリノベーションしてアジトをつくったり、商店街をジャックしてイベントを行ったりしていた。 地元有志、かつ30代で働き盛りのメンバーが、それぞれの現場の意見を持ち寄って議論する「まちラボ」の提案は、行政に対しても一定程度の発言力を持つようになった。そんななか、「まちラボ」が高松市に提言したプランを機に、小西さんは「瀬戸内IJUトラベルネット」という任意団体を立ち上げ、高松市と香川県の移住促進事業を受託することになった。 「まず、1年くらいかけて実態調査を行いました。ちょうど全国の市町村が移住促進に取組み始めた頃で、じゃあ高松は何を売りにするかということが議論されていました。定年を迎える団塊世代で田舎暮らしがブームになり始めていましたけれど、高松って田舎でもなければ、都会でもない。さらに、香川県は全国で一番小さな県ですから、土地がなく一次産業が弱い。だったらサービス業などのソフト産業を強化できる人材を集めてはとプランを練りました。首都圏で高松市に関するヒアリングをしてみると、高松よりも直島とか小豆島のほうが人気がある。それも、いわゆるシニアではなく若者、アートやクリエイティブに興味がある世代に人気があるのがわかってきました」 小西さんたちが、県内外の若者向けに瀬戸内海の離島の魅力を伝えるメディアとして構想したのが『せとうち暮らし』だった。 彼女らが感じていたこと、「一次産業ではなく、サービス業などのソフトで地域振興を」という視点は地元行政の方針とも合致していた。多くの観光客を動員している瀬戸内国際芸術祭をはじめ、アートで地域振興をめざす県や市の方針も、地域の魅力を若者に伝え、呼び寄せたいという事情があったようだ。ネットで『せとうち暮らし』を見てみました。『せとうち暮らし』とはよりせとうち暮らしは、瀬戸内海の島と陸をつなぐマガジンです。瀬戸内の島々と沿岸のまちに息づく暮らしのストーリーをお届けします。『ローカルメディアのつくりかた』1
2017.02.12
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図書館で『ローカルメディアのつくりかた』という本を手にしたのです。最近、日本の出版社を脅かすまでに、幅をきかすアマゾン・キンドル連合を苦々しく見ているわけで・・・・この本に載っている編集・デザイン・流通に着目したローカルメディア(紙媒体)が気になるわけです。【ローカルメディアのつくりかた】影山裕樹著、学芸出版社、2016年刊<「BOOK」データベース>より【目次】Prologue つながりを生み出すローカルメディア/1 観察力×コミュニケーション力(『みやぎシルバーネット』(宮城県仙台市)-お年寄りが表現し、語り合う場所/『ヨレヨレ』(福岡県福岡市)-現実を真剣に描くからこそ面白い/考察 時間をかけて見つめることでコミュニケーションが生まれるー無明舎出版、『kalas』)/2 本・雑誌の新しいかたち×届けかた(『東北食べる通信』(岩手県花巻市)-生産者と消費者の関係を深める食べ物付き情報誌/本と温泉(兵庫県豊岡市)-“地産地読”という届けかた/考察 その地に最適なかたちと方法があるー「十和田奥入瀬芸術祭」「宿命の交わるところー秋田の場合」ほか)/3 地域の人×よそ者(『雲のうえ』(福岡県北九州市)-平凡な場所が素敵に見えてくる/『La Collina』(滋賀県近江八幡市)-地元の再発見が愛着と自信を育てる/考察 地域の人とよそ者の情熱が広がりを生むーissue+design、『離島経済新聞』)/Epilogue ローカルメディアはいつも実験場だったー『谷根千』、せんだいメディアテーク、『フリースタイルな僧侶たちのフリーマガジン』『飛騨』『TO magazine』<読む前の大使寸評>最近、日本の出版社を脅かすまでに、幅をきかすアマゾン・キンドル連合を苦々しく見ているわけで・・・・この本に載っている編集・デザイン・流通に着目したローカルメディア(紙媒体)が気になるわけです。rakutenローカルメディアのつくりかた食べ物付き情報誌とやらを見てみましょう。p62~65 『東北食べる通信』(岩手県花巻市) ―生産者と消費者の関係を深める食べ物付き情報誌 岩手県花巻市。高校野球強豪校の花巻東高校や、宮沢賢治記念館などを擁したのどかなこの町に現在、全国各地に兄弟誌を持つ『東北食べる通信』編集部がある。 『東北食べる通信』の特徴は、なんといっても「食材が雑誌についてくる」ということ。そして、会員制という定期購読システムを取り扱っている点である。購読契約をした読者=会員は毎号どんな食材が届くかわからない。何が届くかわからないけど、特定の地域から地元の食材が毎号届くのを楽しみにする仕掛けだ。 『東北食べる通信』を皮切りに、『四国食べる通信』『神奈川食べる通信』『山形食べる通信』『北海道食べる通信』『築地食べる通信』・・・・と、全国各地に『食べる通信』が生まれている。それぞれ独自に運営され、読者=会員を抱えているのも特徴だ。これら各地の『食べる通信』は「日本食べる通信リーグ」の加盟者としてホームページ上でリンクされているいるのみならず、定期的に交流を図り、互いの経験を持ち寄って切磋琢磨競い合っているのだという。 この『食べる通信』を生み出したのが、『東北食べる通信』編集長の高橋博之さん。岩手県議会議員を二期務めた後、震災復興の現場に携わり、「世なおしは食なおし」をモットーに「NPO法人東北開墾」を立ち上げ、東北と全国各地を駆け回る多忙な日々を送っている。 地産地消がブームとなり、1次産業の従事者にも若い世代が増えたが、実際の現場を議員として走りながら見聞きしてきた高橋さんにとっては、この状況を楽観視することはできない。特に東北の現状には危機意識を持っている。 「生産現場が変わるには、消費者が変わらなければいけない」と高橋さんは言う。農水産物の流通は、農協・漁協を含め小売・卸など物流を担う起業が消費者のニーズに応えることを最優先しており、生産者は消費者の都合に振り回されがちだ。 たとえば、痛むのが早い水産物や、かたちの悪い農産物は流通に乗りづらいという状況がある。農家や漁師がいくら頑張っても、その食材を食べる都市部の消費者の意識を変えなければ生産現場の状況を変えることができない―高橋さんは「都市と地方をかき混ぜたい」と考えるようになった。『東北食べる通信』(Web版)で、立ち読み、登録、注文ができるようです。2016年10月号
2017.02.11
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千葉県習志野市長の宮本泰介さんがオピニオン欄で「統廃合、ニーズ探り再生狙う」と説いているので、紹介します。人口オーナス時代はイケイケのインフラ造成で何の不思議もなかったが、それは1回だけのあだ花だったわけで・・・現在は揺り戻しのステージなんでしょうね。(宮本さんのオピニオンを1/28デジタル朝日から転記しました)トンネルの壁が落ちた。水道管が破裂した――。堅固な外見とは裏腹に、道路や橋なども含めたインフラをめぐる事故のニュースは、これから急増するのかもしれません。耐用年数を迎えるものが多くあり、老朽化が深刻になりつつあります。いまできることとは■統廃合、ニーズ探り再生狙う 宮本泰介さん(千葉県習志野市長) 千葉県習志野市は、高度成長期に東京から30キロ圏のベッドタウンとしていち早く都市化しました。人口急増に合わせ、公民館や学校、体育館といった公共施設が一気に造られました。そして、近年、その老朽化が全国的にも進んでいることがわかりました。 こうした「ハコもの」について3年前に公共施設再生計画をまとめました。「持続可能な文教住宅都市」を理念として、利用状況や地域の実情を踏まえて適正配置などを進めています。実態を知りたいと、同じ問題を抱える多くの自治体から視察を受けます。 モデル事業となる大久保地区では、8施設を三つの建物にまとめるべく、来年度から民間事業者に委託して施設の整備から管理、運営までを一体的に行う予定です。 閉館する4施設には、私が子どものときからなじみ深い地元の公民館もあります。住民の方が「なくさないでほしい」と言われるのも理解できます。市長になる前は市議として議会で地域を代弁し、地元施設の改修を取り上げましたから。しかし市側の回答はたいてい、「財政が厳しい」でした。 * 深刻さを正確に認識できたのは、より広い視野で状況を見る市長になってからです。最大の問題は「少子超高齢化」でした。推計では、総人口はいまの約17万人から25年後も約16万人と維持しますが、15~64歳の生産年齢の割合が減り、税収も落ち込みます。一方で、社会保障費は増大する。そのうえ、市が保有する施設をすべて改築または改修すれば、この先の費用は年平均で38億円が必要になります。これまでの実績の年平均が約15億円ですから、財政支出が困難を極めるのは明らかです。 習志野市は、しばらく人口が増える見込みなので、全国では良い方です。でも、「だから大丈夫」とはなりません。市の歳入の4割は、国の交付金などに依存しています。国は借金がふくらんでおり、地方への支出を減らす事態は容易に想定できます。その瞬間に市の財政は火の車となります。 * 老朽化施設対策で、住民の合意をどう取り付けるのか。どこの自治体も悩むと思います。 生涯学習などの教育関連施設の統廃合では、「文教都市の伝統をつぶすのか」といった批判もあります。私は「むしろ伝統を守るためです」と答えます。現状維持で総崩れになっては本末転倒です。財政が立ちゆかなくなる前に、緊張感を持って計画的に取り組む必要があるのです。 計画の名称に「再生」という言葉を使っているのは、住民のニーズに沿って施設を生まれ変わらせるという意味合いもあります。いまの利用状況をアンケートで聞いたり、今後どうするかを自ら考えていただいたりすると、大半の住民は、一定の統廃合であってもその必要性を理解してくれます。 たとえば、今回集約される公民館は、跡地は残ります。住民を交えたワークショップで利用方法を考えてもらったときには、「フリースペースとシェアハウスを同居させる」といった、行政が考える以上のアイデアも出てきました。 行政はあくまでも市民生活の事務局にすぎない、と私は考えます。少子高齢化が進む時代に、財政に貢献してきたリタイア世代、新たな支援を必要とする現役世代、それぞれのニーズにどう応えるか。住民の方自身の力を生かしながら、習志野市や地域のアイデンティティーを残していければと思います。 公共施設の老朽化対策は、まちづくりの原点と未来を考えることにつながる。都市全体の発展に資するのです。(聞き手・村上研志) ◇宮本泰介:1973年生まれ。99年、習志野市議に初当選。2011年に市長に転じ、再生計画も争点になった15年の市長選で再選。(ニッポンの宿題)老朽化するインフラ宮本泰介2017.1.28この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR2に収めておきます。
2017.02.02
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ダイバーシティ研究所代表理事の田村太郎さんがオピニオン欄で「人材、アジアで融通し合おう」と説いているので、紹介します。(田村さんのオピニオンを1/08デジタル朝日から転記しました) 日本で働いて暮らす外国人が増えています。政府は移民を認めていませんが、国際的にみれば、移民同様の存在です。建前と本音を使いわける政策が続くなか、弊害も出ています。受け入れの是非を正面から議論するときが、すぐそこに来ているのかもしれません■人材、アジアで融通し合おう 田村太郎さん(ダイバーシティ研究所代表理事) 格安航空会社の登場やインターネットの普及で、国境を越えるハードルがこの10年で下がりました。高い賃金より自分らしい生き方を求め、国を転々とする人もいます。移民という言葉ではくくれない、新たな人の移動が起きているいまこそ、アジア全体を視野に入れた議論を始めるときです。 国際的な人の移動の要因には、送り出す側の「プッシュ」と呼び込む側の「プル」があります。少子高齢化が加速する日本では「プル」は強まっていますが、アジア各国では経済成長で「プッシュ」が弱まっています。一方、欧州に移民が押し寄せているのは、中東情勢の不安定化により「プッシュ」が増大しているためです。 日本はもはやアジアで唯一の経済大国ではなく、外国人からみれば自国の何倍もの賃金をもらえる国でもない。門戸を開けば、人がわっと押し寄せると心配されたのは、もう20年以上前の話です。生活支援政策を充実させなければ、だれも日本には来なくなります。 少子高齢化は中国や韓国でも進んでいます。日本人の介護福祉士が国外へ働きに行くかもしれません。すでにフィリピンにはカナダなどの国々が、専門学校を作ってケア人材の確保に動いています。国際的に人材の奪い合いが起きているなか、アジア全体の少子高齢化を見据えた議論を、日本が呼びかけるべきです。 具体的には、ケアにかかわる資格をアジアで共通化し、先行して高齢化が進む日中韓と、まだプッシュの余力のある東南アジアとをつなぐようなしくみを作っていくことが考えられます。アジア全体でケア人材の育成に取り組み、融通しあう発想です。 * 地域に魅力を感じて根を下ろす外国人を増やしていく必要があります。様々な在留資格で来日し、永住資格を持つ外国人はすでに70万人以上いるわけですから、国には日本語教育の充実と、通訳や翻訳者の養成に本気で取り組んでほしい。 異なる人たちと接することに不安を抱くのは当然です。不安を減らすには、出会っていくしかありません。外国人に偏見があった人でも、○○さんと固有名詞でつながると意識が変わる例を、私は数多く見てきました。治安の悪化を懸念する声もありますが、外国人の犯罪検挙者数は減っています。 愛知県の県民意識調査では、はじめ外国人の存在を否定的に見る人が半数以上いたのが、生活支援や住民との交流を進めたところ、肯定的にとらえる人の方が多くなったという結果があります。 これまで外国人住民が増えても大きな問題が起きなかったのは、地域の人たちやNPO、自治体が熱心に共生に取り組んできたからです。こうした素地も生かしながら、「うちの街でチャンスをつかみたい人は、だれでも来てください」と自治体が競い合えば、地方創生にもつながります。 * 改めるべきは、外国人を単に安い労働力としてみなす発想です。外国人技能実習制度は、違法行為が後を絶たず、職業選択の自由もありません。国連や米国から長年、「人身売買」と批判されており、早くやめた方がいい。 子どものときに教室で外国人と机を並べた経験のある人が、社会で仕事を始めています。家庭科共修世代の男性は家事や育児の分担意識が高いと言われるように、外国人とともに育った世代では、日本社会の一員として外国人を迎え入れることに抵抗感のない人が増えていくでしょう。 漠然とした不安を理由に議論を避けるのではなく、アジア全体の変化を認識したうえで、受け入れの是非を冷静に話し合っていくべきです。(聞き手・北郷美由紀) ◇田村太郎:1971年生まれ。阪神大震災を契機に多文化共生のための調査・提言活動を展開。復興庁復興推進参与も務める。(ニッポンの宿題)移民の受入れ方田村太郎2017.1.08この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR2に収めておきます。
2017.01.09
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「泉北をつむぐ まちとわたしプロジェクト」代表)の石橋尋志さんがオピニオン欄で「楽しめる街、僕ら世代が動く」と説いているので、紹介します。とかくニュータウンとは一過性で…放っておけばオールドタウンになる事例はことかきませんね。(石橋さんのオピニオンを1/06デジタル朝日から転記しました) 高度経済成長期、ニュータウンは夢のマイホームの舞台として憧れの的でした。国土交通省によると、大小合わせて全国に2009あり、開発区域を合わせると大阪府とほぼ同じ面積になります。でも、造成開始から数十年がたち、街も人も老いてオールドタウンと揶揄されるところもあります。ふるさとがこの先も輝き続けるために、何ができるでしょう。■楽しめる街、僕ら世代が動く 石橋尋志さん(「泉北をつむぐ まちとわたしプロジェクト」代表) ニュータウンの再生に、絶対の正解はありません。あるべき姿の考えも、人それぞれに違うでしょう。私たち市民ができることは、可能性のある事業を取りそろえ、それが時流に合って「化ける」のを待つこと。これは、全国どこでも応用できることだと思います。 私が生まれ育った堺市の泉北ニュータウンは、1967年から入居が始まりましたが、他と同じく急激な高齢化が進んでいます。堺市の予測では、2040年の高齢化率は45.4%。限界集落間近です。近年は若者世代が住みたいと思う、きれいでおしゃれな住宅が足らず、結婚を機に親元を離れる20代、30代の転出が目立ちます。人口は25年前のピークの16万5千人から、13万人に減りました。 住宅などハード更新は行政や住宅供給者の役割で、私たち市民はソフト更新の担い手という位置づけです。住んでいて楽しい、住民をひきつけるまちになるには、ソフトの力も欠かせませんから。市民自らがまちを再生する取り組み「泉北をつむぐ まちとわたしプロジェクト」には20代から70代の53人が集まり、メンバーの6割以上を40代までが占めます。 * 若手が多いのは、堺市の担当者が3年前の最初の募集から、戦略的に動いたためです。市の広報誌で募集しても若者には届かないので、まちづくりのメールマガジンやフェイスブックを活用しました。会議は平日の夜か土日のみ。チラシ作りや採算の考え方、おしゃれな事業と感じてもらうための発信の仕方を学ぶ講座なども用意され、勉強を重ねています。 メンバーが街中を歩き回り、泉北の良さを再確認して事業のネタを掘り起こします。発案者がリーダーになって賛同者とチームを結成、議論しながら事業計画を組み立てる。秋に市民向けのお披露目会を開き、実際にイベントとして打ち出して反応を探り、これも踏まえて事業の可否を決める。これを、1年単位で繰り返します。 僕が直接かかわる「泉北レモンの街ストーリー」は、戸建て住宅の敷地が平均300平方メートルと広い利点を生かした取り組みです。庭にレモンの苗木を植えてもらい、まち全体を一大果樹園にする。収穫したら生や加工品で売り、収益は再投資に回します。いずれ規模を広げて特産品として地場産業に育て、雇用も増やしたい。すでに「泉北レモン」で商標登録を済ませ、販路も複数、確保しました。 原則は「自分が楽しめる」「まちの課題を解決できる」「採算性があり事業が継続できる」の三つ。楽しいボランティアで終わるのではなく、持続性がポイントです。メンバーは毎年追加募集し、すでに八つの事業が具体化されました。堺市はプロジェクトの大枠を示し、広報を手伝うだけで、各事業の企画と実行は市民の役目。補助金はいっさいありません。 * ニュータウンの再生を考えるとき、意外に大きいのは親世代との意識の差です。 親世代は、緑が多く歩車分離が徹底し、徒歩圏で何でもまかなえる先端都市・泉北に憧れて移ってきました。だから古くなった住宅なども「入居時のピカピカの姿に行政の力で戻してほしい」という、リフォーム意識が強い。住宅街の各所に働く場をつくるような、まちの形を変える「リノベーション」には抵抗があります。 逆に、生まれ育った僕たち世代は、あまり抵抗がない。しかも、子ども時代をともにしていて仲間意識が強く、協力関係が築きやすい利点もあります。 だからこそ、僕たち世代が主体になり、より若い世代までもが住みたいと思う、時代にあったまちづくりを担っていかなくては、と考えています。(聞き手・畑川剛毅) ◇石橋尋志:1978年生まれ。大学卒業後、泉北に戻り、夏祭りや地域イベントなどの市民活動に携わる。地元工務店の営業職。(ニッポンの宿題)老いるニュータウン石橋尋志2017.1.06この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR2に収めておきます。
2017.01.07
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「ごまめ」と聞けば、「ごまめの歯ぎしり」しか思いつかないが、「鬼ごっこでタッチされても鬼にならない小さな子」という意味があるそうですね。さらに、大阪では「ごまめ」、東京では「みそっかす」とのこと…知らんかったで。2016.12.21(勝手に関西遺産)人情味たっぷり 遊びの知恵より■ごまめ 気がつけばもう年の瀬。スーパーではおせち料理の食材がにぎわっている。その中で地味ながら、確かな存在感を放っているのが「ごまめ」。「田作り」とも呼ばれるカタクチイワシの幼魚を干したものだ。 そのごまめ。実は大阪ではもう一つ別の意味を持っている。「鬼ごっこでタッチされても鬼にならない小さな子」がそれだ。近所や自分のお兄ちゃんやお姉ちゃんの遊びに交ぜてもらう時に使われる。大阪市出身の記者(40)も、ごまめだった。鬼ごっこに限らず、様々な遊びにごまめで参加させてもらった。今思えば、子ども社会への体験入学みたいなものだった。 この呼び方は全国共通なのかと思っていたが、東京では「みそっかす」「おみそ」と呼ぶそうだ。「ごまめ・みそっかすの研究」と題する論文を見ると、ほかにも「おとうふ」「ひよこ」から、「あっちゃびっこ」とよく分からないもの、さらには「あぶらむし」なんてちょっとひどい感じのものまで、全国で約30種類の呼び方が確認されたという。 執筆者の1人、中島賢介・北陸学院大学教授は「昔は子どもが多く、上の子が下の子の面倒をみながら遊ばないといけなかった。みんなが面白くなる工夫として、子どもたちの中から生まれた考え方だったのでは」と語った。なるほど。だから地域によって呼び方がばらばらなのか。関西出身者でもごまめを知らない人がいるのも納得できる。 大阪では「ごまめ」が選ばれたわけだが、関西の言葉に詳しい日本漢字能力検定協会の佐竹秀雄・現代語研究室長は「いかにも大阪らしい」とうなずく。 「ごまめの魚(とと)交じり」という慣用句がある。「つまらない者が、不相応にすぐれた人の間にまじること」(広辞苑)という意味だが、この表現が大阪の子どもたちのごまめにつながっているのではないかと、佐竹室長は考える。「東京のみそっかすという突き放した表現に比べ、ごまめには『なりは小さいが、いつかは一人前になってほしい』というやさしいまなざしが込められている。その人情味が大阪で好まれたのでは」 だが、ごまめもみそっかすも、今はほぼ「絶滅」してしまったようだ。ごまめが多用されていた記者と同じ小学校卒業の妹(33)に聞くと「使ってたけどそれほどではなかった」、おいっ子(14)にいたっては「ごまめ? 何それ」という切ない回答だった。 中島教授や佐竹室長によれば、少子化で幅広い年齢層で遊ぶことが減り、遊び場も時間もなくなったことで廃れたのかもしれないという。小学校の校長も兼任する中島教授は「昔に比べて他者への思いやりを欠いた行動が目立つのも、そういう背景が影響している気がします」。鬼にならないごまめでも、一応追いかけてくれたお兄ちゃんたち。その優しさを、今の子どもたちにも味わってほしいのになあ。(向井大輔)■大阪弁に詳しい講談師 旭堂南陵さん(67) 僕ももちろん「ごまめ」でしたよ。ガキ大将から「弱い者いじめはあかん」というようなことも知らず知らずに学んだんでしょうなあ。遊びの場は学びの場や。一昨年出版した、僕が長年集めてきた言葉をまとめた本「事典にない大阪弁」(浪速社)にも載せました。最近は東京がつくった大阪のイメージがはびこっているから、こういう大阪弁は大事にしていきたいですな。勝手に関西遺産12勝手に関西遺産11おおきに!「勝手に関西遺産」
2016.12.26
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閉鎖系のニッポンでは、いじめとか、同調圧力とか、他国で見られない集団的性癖があるようで・・・・国民は常々それを自戒しておく必要があると思うのです。この集団的性癖について、最新のネット記事を見てみましょう。2016.12.20はびこる日本型「非暴力いじめ」の源流より 「日本では「仲間外れ」「無視」「陰口」といった暴力を伴わないいじめの割合が高い」 子どものいじめ問題に関する報道が後を絶たない中、先日、朝日新聞でこんな内容の記事が報じられた。 おおまかには以下のとおりだ(抜粋し要約)。日本では「仲間外れ」「無視」「陰口」といった暴力を伴わないいじめの割合が高い――。国立教育政策研究所(東京)などが、暴力犯罪が少ないスウェーデンと比較した調査から、こんな傾向がわかった。同研究所は、日本では仲間外れなどを大人が容認する空気があり、子どもに伝わっている可能性があるとみている。「軽くぶつかる・たたく・蹴る」の暴力を伴ういじめの被害について、小6、中2の男女いずれもスウェーデンが日本を上回った。特に小6男子ではスウェーデン65.6%に対し、日本は32.8%だった(「今の学期で1、2回」から「週に数回」までの4段階を合わせた経験率)。ところが、暴力を伴わない「仲間外れ・無視・陰口」の被害経験率は小6、中2の男女いずれも日本がスウェーデンより高かった。小6女子では4段階を合わせた割合が、スウェーデンで21.4%だったのに対し、日本では倍以上の43.4%。小6男子も同じ傾向だった。 例のごとく、報じられるや否やネットでは「子ども言動はいつの時代も大人社会の縮図」という意見が出る一方で、・なんでもかんでも海外と比較するな・本当にやったのか、こんな調査?・大人もしてるから……と、するのはおかしい・暴力より無視のほうがいいじゃないか……etc. etcなどの批判が相次いだ。 これらの声は、この記事の中で紹介されている国立教育政策研究所の研究官のコメント、「仲間外れや陰口などは大人もしているから大丈夫と子どもが感じているのではないか。原発事故に遭った子を『賠償金をもらっているだろう』といじめるのが一例だ」という一文に噛み付いたのだ。 「いじめ」を「パワハラ」という言葉に置き換えてみて欲しい。 いじめで学校に行けなくなる子ども、パワハラで会社に行けなくなる大人。 どちらも、誰もが被害者になるリスクもあれば、加害者になる可能性もある、深刻な社会問題である。
2016.12.21
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在日二世の康煕奉さんがオピニオン欄で「王朝時代思わせる展開」と説いているので、紹介します。経済格差、グローバル化に苦しむ彼の地の民には・・・・明日は我が身との思いがするのです。(康煕奉さんのオピニオンを11/30デジタル朝日から転記しました)韓国の朴槿恵大統領が辞意を表明した。大統領を追い込んだのは、デモを通じてあらわれた韓国の人々の怒りだ。早期辞任を迫った人々の気持ちの背景にあるものは。■王朝時代思わせる展開:康熙奉さん(作家) 朴槿恵大統領とチェ・スンシル被告をめぐるスキャンダルは、韓国ドラマの制作者でも思いつかない劇的な展開です。韓国社会は序列が重要ですが、そのトップの大統領が、怪しげな友人の「操り人形」になり、最後は「辞意表明」という形で転落することになりました。 取り巻きの欲の強さは、あまりに下品でした。自分たちが選んだ大統領のぶざまな姿を見せつけられ、人々は情けなく、そして裏切られたという思いでいっぱいでした。 韓国の若者にとって大きな圧力になっているのは、競争が激しい大学入試と男子の徴兵制度です。ここに不正があると、父母の世代も含めて激しく反発します。チェ被告の娘の名門女子大学への不正入学疑惑は、火に油を注ぎました。週末のデモには、家族連れで参加し、大学生だけでなく制服の高校生や中学生の姿も見られます。 韓国人の感情に訴える韓流ドラマで外せないポイントが二つあります。まずは、序列の厳しい社会で、下から成り上がること。チェ被告は、かつての朴正熙大統領に取り入った父親から2代にわたって上り詰めました。 もう一つは、生まれながら何不自由ない暮らしをする特権層が転落する設定です。特権層のトップである朴大統領とともにチェ被告は転落してゆくわけで、見事に二つの要素が展開されています。 歴史をひもとけば、14世紀末から500年余り続いた朝鮮王朝では、幼い王やその側近に、母や祖母が「ああしろ、こうしろ」と背後から指示することがあります。まるで女帝のように権勢をふるい、国政が大変、乱れました。今回も大統領府にチェ被告という「陰の女帝」がいたわけで、王朝時代を彷彿させます。 チェ被告には霊的な力があって、朴大統領が取り込まれたといううわさもあります。韓国では、特に女性たちが、ムーダンと呼ばれる巫女に、子どもの就職がうまくいかないとか、息子夫婦に子どもができないとかといった身近な悩みをよく相談します。済州島出身の私の母もそうでした。それが生活の一部です。大統領が同じことをしても不思議ではありません。 最近の韓流ドラマは、ネタが尽きて行き詰まっていたように見えます。そこで起きた疑惑。ブランド好きの主人公、うさんくさい側近、財閥への無心、金持ちのスポーツである馬術選手の娘、大学入試の不正……スキャンダルの奇想天外な展開にドラマ制作者が一番、色めき立っているのではないでしょうか。 大統領の辞意表明でこの劇場に幕が下りるのか、それとも土壇場でさらなるどんでん返しがあるのか。国民は見守っています。(聞き手・桜井泉) *康煕奉:54年東京生まれの在日韓国人2世。韓国社会、歴史、韓流を取材・執筆。著書に「悪女たちの朝鮮王朝」など。大統領を追い込んだ怒り康煕奉2016.11.30この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップR1に収めておきます。
2016.12.01
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大使はもっぱら、ふじっこの塩コンブを愛用しているのだが・・・老舗昆布店「神宗(かんそう)」の塩昆布があるねんて♪「徳用」(260グラム、1080円)が狙い目だとか・・・神戸ではどこで手に入るか、調べなあかんな。2016.11.16(勝手に関西遺産)もらったら、よろこぶよより■塩昆布 朝10時前、JR大阪駅地下の大丸梅田店の食料品売り場の前を通ると、たいてい行列ができている。「名物のスイーツですか?」。ある日、東京から観光に来た夫婦に声をかけられたことがある。「これは塩昆布です」と記者。「ええっ!昆布? みなさん昆布に並んでいるんですか」。関西育ちの記者にはなじみの光景だが、どうやら驚きだったらしい。 そう、大阪・淀屋橋の老舗昆布店「神宗(かんそう)」の塩昆布、中でも「徳用」(260グラム、1080円)を求める行列なのだ。さらに質問が飛んでくる。「塩昆布って? 塩がふいている昆布ですか?」。いえいえ、そうじゃないんです、昆布の佃煮、白いご飯に合うんです――。会社でも同じ話になったが、関東出身者には昆布のために並ぶという発想はないらしい。なんでこんなに東西ギャップがあるの? 「神宗」の8代当主、尾嵜彰廣(おざきあきひろ)さん(66)に話を聞いた。「大阪には『昆布文化』が根付いている。大阪は昆布の集積地ですから」。江戸時代から北海道と大阪を結んだ北前船が大量の昆布を運んできた。山崎豊子の小説「暖簾」の舞台も大阪の老舗昆布店「小倉屋山本」だった。 神宗は1781(天明元)年創業。もともとは海産物を扱っていたが、明治時代になって、家で炊いていた塩昆布が評判となり、商売につながったという。 かつて、塩昆布は家庭の味だった。織田作之助の小説「夫婦善哉」にこんな場面がある。ぐうたらの若旦那が芸者として懸命に働く妻を尻目に、家でひがな一日昆布を炊く。 思い切り上等の昆布を五分四角ぐらいの大きさに細切りして山椒の実と一緒に鍋に入れ、……「どや、良え按配に煮えて来よったやろ」長い竹箸で鍋の中を掻き廻しながら言うた。 神宗でも、北海道産の天然真昆布に、しょうゆ、砂糖、酒と、どの家庭にもある調味料だけを使って炊いてきた。今は工場でつくっているが、小さな釜を使い、直火によるほぼ手作業を守っている。職人がつきっきりで様子を見ながらかき混ぜることで、磯臭さを消し、甘みとうまみが引き出せるのだそうだ。 角切り昆布の切れ端を集めた「徳用」を始めたのは数十年前。昆布茶に転用していた端昆布の引き取りが減ったため、塩昆布に加工し、パック詰めしてお手頃価格で売り出した。それが、朝一番で売り切れるヒット商品に。尾嵜さんは「真ん中が売れないと端っこは出ないんですけどね」と笑う。 行列をつくる人たちは、1人3袋の制限いっぱいに「徳用」を買っていく。その理由を聞けば、「近所の人に配る」「嫌いな人おらんもんね」「ちょっとした配りものに一番いい」「東京にいる息子にも送ってる。東京にいても大阪人やから、昆布愛があるねん」。関西人の外交ツールの一つになった?恐るべし、塩昆布!(尾崎千裕)勝手に関西遺産11勝手に関西遺産10おおきに!「勝手に関西遺産」
2016.11.19
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作家・活動家の雨宮処凛さんがコラム(一期一会)で「生きづらい人を一人たりとも放っておかない優しさ」と語っているので、紹介します。右翼出身の活動家というアウトサイダーだが、「生きさせろ!」というメッセージが鮮烈ですね。(11/10デジタル朝日・コラム(一期一会)から転記しました)■生きづらい人間は、革命家になるしかない 格差と貧困の問題に、10年前から警鐘を鳴らしていた。不安定な雇用、低賃金労働にあえぐ若者たちに向けて「生きるのがつらい時も、自分を責めるな」と著書やブログで訴え、デモを呼びかけてきた。かつての自分自身がそうだったからだ。 美大進学を志して北海道から上京するが挫折し、アルバイトを転々としていた1990年代半ば。服を買っても、バンドの「追っかけ」をしても、心は満たされない。「死にたい」とリストカットを繰り返した。 「自分の内側に閉じこもり、自傷行為で、心の痛みを体の痛みにごまかしていた。社会に居場所がない。お金もない。何者にもなれない。ショボい自分を罰していたんです」 そんな日々を、作家の見沢知廉(みさわちれん)さんとの出会いが変えた。96年発表の獄中ノンフィクション「囚人狂時代」を読み、「この人なら死にたいほどの心の痛みを理解してくれるかも」と感じ、読者イベントに足を運んだのが最初だ。「弟子」の1人となり、薫陶を受けるようになった。 見沢さんは10代で左翼思想に共鳴し、成田闘争にも関わった後、右翼へ転向。急進化し、82年には英国大使館に火炎瓶を投げ、殺人を犯してしまう。94年に出所後、純文学「天皇ごっこ」などを発表。雑誌の記事では、社会への怒りを忘れた若者たちを、熱い言葉でたきつけていた。 自分の「生きづらさ」を吐露すると、師匠の答えは明確だった。「社会のせいだ。全ての価値がカネに置き換えられてしまう今の世の中で、生きてる実感がないのは当然。消費社会はお前に『消費だけする人間に変われ』と言う。逆だ。お前がこの社会を変えろ。毛沢東だって最初は無名、無一文だった。生きづらい人間は、革命家になるしかないんだ」 見沢さんは2005年、自ら命を絶った。「文学への情熱と、人を殺めた罪を償う苦しみ。その間で、引き裂かれていたのかも知れない」 「革命」の志を受け継ぐように、翌06年から反貧困を訴え始めた。 「火炎瓶を投げる代わりに、私は見沢さんが身をもって教えてくれた『生きづらい人を一人たりとも放っておかない優しさ』を理想に掲げて闘う。弱者への徹底したあの優しさは、見沢さんの強さであり弱さだった気がします」(寺下真理加) * 1975年、北海道滝川市生まれ。2000年、自伝的エッセー「生き地獄天国」でデビュー。「生きさせろ! 難民化する若者たち」(07年)で日本ジャーナリスト会議賞。「反貧困ネットワーク」世話人。(一語一会)作家・活動家、雨宮処凛さん2016.11.10 この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップに収めておきます。
2016.11.13
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「神戸繁昌亭」構想が前進とのこと・・・神戸市民としても嬉しいのだが・・・新開地まちづくり協議会などと共に、桂文枝会長の尽力がええでぇ♪神戸新聞から引用します。2016-10-21「神戸繁昌亭」構想が前進 上方落語協会で賛成多数より投票結果を報告する桂文枝会長 神戸・新開地で検討されている上方落語の定席「神戸繁昌亭(仮称)」の建設構想について、上方落語協会(大阪市北区)は21日、同市内で臨時総会を開き、構想の推進を決めた。協会員の投票で賛成意見が上回った。大阪の天満天神繁昌亭に続く「第二の繁昌亭」構想は、実現に向けて大きく動きだすことになった。 かつて大衆娯楽の街として東京・浅草と並び称された神戸・新開地。定席が実現すれば、新開地で約40年ぶりに本格的な寄席の灯がともる。 定席構想は、兵庫県と神戸市、地元の新開地周辺地区まちづくり協議会、上方落語協会の4者が2015年度から検討。同協会以外の3者はすでに推進の方針を固めており、協会の意志決定で4者の足並みがそろった。 神戸の定席は天満天神繁昌亭(216席)とほぼ同規模を想定。これまでに、県と市が国の補助金を活用し建設費2億円程度を負担し、運営は地元NPOが担う方針を4者で確認していた。 しかし、協会の若手落語家らから集客などを不安視する声が上がり、協会は改めて臨時総会を開き、会員256人に投票で賛否を問うた。 総会終了後、桂文枝会長は「賛成が多数だった」とした上で「新開地の皆さんのため、役立てればうれしい」と話した。(松本寿美子)天満天神繁昌亭には一度寄らせてもらったけど・・・笑いについてはシビアなおばちゃん連も入っていて、結構繁昌しているようでおま♪天満天神繁昌亭この記事も六代桂文枝R1に収めておきます。
2016.10.29
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久しぶりに「勝手に関西遺産」を紹介します。2016.6.15(勝手に関西遺産)開かずのドア“楽々”変身より■京阪電車5000系 京阪電車の5000系は鉄道ファンで知らない人はいない名車両とされている。なのに私は、心ひそかに「京阪トラップ(罠)」と勝手なあだ名を付けて呼んでいた。ごめんなさい、おけいはん。なぜ、トラップなのか。電車に乗り込もうとしたのにドアが開かなかったからだ。よく見ると「ラッシュ用ドア」と書かれている。ドアを背にして座席まである。 朝のラッシュ時、5000系は各車両の片側に五つずつあるドアをフルに使って運行する。平常時は二つを閉めきり、ラッシュの時間帯には天井近くに収納している昇降式の4人掛けシートをおろして、座席を増やす。「全国でもほかに例はないんじゃないか」と京阪電鉄の広報担当は胸を張る。 生まれは1970年。高度経済成長期で沿線の宅地開発が進み、通勤通学時の混雑緩和が課題になっていた。ピークの68年、最も混み合う野江駅から京橋駅の混雑率は250%に達していた。「電車が揺れるたびに体が斜めになって、身動きができない」とされる混み具合だ。 電車の本数や連結する車両を増やすことは難しい。そこで、乗り降りにかかる時間を短くして運行をスムーズにする目的でつくられたのが、5000系だった。三つドアで約60秒かかった乗降時間が五つドアでは約40秒に短縮された。座席を可動式にすることで、平常時の乗客の利便性も保っている。 4月に出た鉄道本「すごいぞ!私鉄王国・関西」で、5000系は「もっとも京阪らしい車両」と3ページ以上の紙幅を割いて紹介されている。著者の黒田一樹さん(44)は「大胆な発想で『技術の京阪』らしさがよく表れている」とたたえる。 ドアの増減だけでなく、座席がおりてくる仕掛けを採り入れたところも「付加価値を志向する、サービス精神あふれる京阪らしい」と言う。これだけの工夫を満載しているうえに、アルミ車体で軽量化を実現し、冷房や送風をまんべんなく行き渡らせるように天井で回る「回転グリル」、つかむと適度な高さまで下がる「はね上げ式吊り手」の導入なども、注目すべき特徴だとか。 いま5000系は7編成(1編成は7両)が、1日68本行き来している。京阪線の総本数に占める割合は5%ほどだ。 五つドアで運行しているのは、平日の始発から午前10時ごろまで。三つドアへの切り替えは、車庫や留置線など乗客から見えないところでしているが、平日午前9時54分に中之島線の終点、中之島駅の2番線ホームに着く電車だけは、切り替えの様子を間近で見ることができる。 さっそく行ってみた。乗客が全員降車したあと、いったんすべてのドアが閉め切られると、天井から座席がおりてきた。かかった時間は30秒足らず。あっという間に“変身”した5000系は、再び枚方市駅に向かって走っていった。(松本紗知)■パナソニック社史室主幹 恵崎政裕さん(58) うちの社員は京阪ユーザーが多いです。ラッシュ用ドアのこともだいたいみんな知っています。でも開かない扉の前でずっと待って、電車を乗り過ごしたという関東出身者もいました。昔の上司なんですけどね。私も長年、京阪で通勤しています。初めて見たときは「うまいこと考えたな」と思いました。実用的で合理的。こういう発想をするところが、実に大阪の電鉄会社らしいですね。5000系は「もっとも京阪らしい車両」ってか・・・鉄ちゃんでない大使としても、見に行く必要がありまんな♪勝手に関西遺産10勝手に関西遺産9勝手に関西遺産8
2016.08.08
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「報道特集」キャスターの金平さんがインタビューで「開かれた空気消え強まる同調圧力」と説いているので、紹介します。(金平さんへのインタビューを3/30デジタル朝日から転記しました)NHK、TBS、テレビ朝日の看板キャスターがこの春、相次いで交代する。そんななか、高市早苗総務相による放送法違反を理由とした「停波」発言も飛び出した。テレビ局の報道現場でいま、何が起きているのか。TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さんに話を聞いた。Q:テレビの報道ニュース番組が偏向している、という声が出ています。安保法制の報道を巡り、昨年11月読売新聞と産経新聞に掲載された「放送法遵守を求める視聴者の会」の意見広告では、TBSの番組「NEWS23」が名指しで批判されました。A:だれが偏向だと判断するんですか。お上ですか、政治家ですか。日々の報道が公正中立かどうかを彼らが判断できるとは思わないし、正解もない。歴史という時間軸も考慮しながら、社会全体で考えていくしかないでしょう。議論があまりにも粗雑過ぎます。Q:偏向を指摘された番組アンカーの岸井成格さんが「NEWS23」から降板しました。A:NHKの国谷裕子さん、テレビ朝日の古舘伊知郎さんもこの春、降板します。僕も記者ですから取材しました。3人とも事情は違うし、納得の度合いも違う。一緒くたに論じるのは乱暴すぎます。安倍政権の圧力に屈したという単純な構図ではない。しかし、報道番組の顔が同時にこれほど代わるというのは単なる偶然では片づけられません。Q:本当に圧力とは関係ないのですか。A:会社は『関係ない』と説明しています。岸井さんも『圧力はなかった』と記者会見で発言しました。しかし、もし、視聴者のみなさんが納得していないとすれば、反省しなければなりません。Q:金平さん自身、3月31日付で執行役員を退任されます。何かあったのでしょうか。A:会社の人事ですから、その質問をする相手は、僕ではなく、会社でしょう。事実として残るのは、TBSで最も長く記者をしてきた人間の肩書が変わったということです。いずれにせよ僕は、どのような肩書であろうが、なかろうが、くたばるまで現場で取材を続けるだけですが。Q:政治、とりわけ自民党による放送番組に対する圧力は歴史的に繰り返されてきました。A:1967年7月、TBSの報道番組『ニュースコープ』のキャスターだった田英夫さん(故人)が、北ベトナムに日本のテレビとして初めて入りました。ベトナム戦争で、米国に爆撃されている側からリポートするためです。 その取材をもとに特別番組を放送したのですが、放送行政に影響力を持つ、いわゆる『電波族』の橋本登美三郎・自民党総務会長が、当時のTBS社長に『なぜ、田君にあんな放送をさせたのか』とクレームをつけた。さまざまな経緯の末、田さんは実質的に解任され、社を去りました。田さんの報道は、当時は反米・偏向だと政権ににらまれたのかもしれません。が、ベトナム戦争がたどった経過を考えれば、事実を伝えたとして評価されこそすれ、偏向だと批判されるいわれはありません。Q:当時、TBS社内は、田さん降ろしに抵抗したと聞いています。岸井さんの件でいま、社内はどうなのでしょうか。A:おおっぴらに議論するという空気がなくなってしまったと正直思いますね。痛感するのは、組織の中の過剰な同調圧力です。萎縮したり、忖度(そんたく)したり、自主規制したり、面倒なことを起こしたくないという、事なかれ主義が広がっている。若い人たちはそういう空気の変化に敏感です。Q:同調圧力ですか?A:記者一人ひとりが『内面の自由』を持っているのに、記事を書く前から社論に逆らってはいけないという意識が働いている。それが広く企業ジャーナリズムの中に蔓延している。権力を監視する番犬『ウォッチドッグ』であることがジャーナリズムの最大の役割です。 しかし現実には記者のほうから政治家や役人にクンクンすり寄り、おいしい餌、俗に言う特ダネをあさっている。こんな愛玩犬が記者の多数を占めれば、それはジャーナリズムではない。かまない犬、ほえない犬に、なぜだといっても『僕らはほえないようにしつけられてきた。かみつくと損になるでしょ。そう教えられてきた』。そんな反応が現場の記者から返ってくるわけです。Q:報道の現場は深刻ですね。A:ジャーナリズム精神の継承に失敗した責任を痛感しています。僕自身も含め、過去を学び、やり直さないといけない。安保法制、沖縄の基地問題、歴史認識や福島第一原発事故など、僕らの国のテレビは独立・自立した存在として、報じるべきことを報じているのか。自責、自戒の念がわきあがってきます。 戦争の翼賛体制下でメディアは何をしてきたのか。放送も新聞も権力の言いなりとなり、国策と一体化した報道をやった『前歴』がある。戦後、その反省に立ち、放送局は政治権力から独立し、国家が番組内容に介入してはならぬ、という精神で放送法が生まれた。 電波は国民のものであり、自主・自律・独立でやっていく。放送の原点です。ところが、政権側には、電波はお上のものであり、放送局を法律で取り締まるという逆立ちした感覚しかありません。Q:高市早苗総務相が放送法の規定をもとに、放送の内容によっては「電波停止もあり得る」と発言しています。当事者であるテレビ局の報道に迫力を感じません。A:僕はニュース価値があると思って担当の番組で発言しました。ところが、発言があったこと自体に触れないテレビ局もあった。自分たちの生命線にかかわる話なのに、ニュースとして取り上げない。えっ、どうしてなんだろうと思いましたね。テレビ朝日の『報道ステーション』やTBSの『NEWS23』『サンデーモーニング』はこの発言の持つ意味も含めて報道していました。 先日、田原総一朗さんや岸井さんらと記者会見しました。他局のキャスター仲間何人かに声をかけたのですが、参加者はあれだけというのが現実です。それでも、誰ひとり声を上げずにいて、政治権力から『やっぱり黙っている連中なんだ』なんて思われたくはないのです。こういう社外からの取材をリスクをおかしながら受けているのもそのためです。 一昨年の総選挙の前に、自民党が選挙報道の『公平中立』を求める文書をテレビ各局に送りつける、という『事件』もありました。そのこと自体が僕の感覚ではニュースです。でも社内の会議で話題にはなってもニュースとしては扱わない。危機管理ばかりが組織で優先され、やっかいごとはやりたくないということになる。僕はそれが耐えられなかったから、担当の番組でコピーを示し、こういう文書が送りつけられたと伝えた。中には『あんなことをやりやがって』と思っている人もいるかもしれませんが。Q:危機管理優先がジャーナリズムの勢いをそいでいます。A:朝日新聞がそうですね。とりあえず違う意見も載せておこうと、多様な意見を紹介するとのお題目で両論併記主義が広がっていませんか。積極的に論争を提起するのではなく、最初から先回りし、文句を言われた時のために、『バランスをとっています』と言い訳ができるようにする。防御的な発想ではないですか。Q:「NEWS23」の初代キャスターだった筑紫哲也さん(故人)とは長い間、一緒に仕事をされたそうですね。A:2008年3月、筑紫さん最後の出演で語った言葉が忘れられません。『大きな権力を持っている者に対して監視の役を果たす』『少数派であることを恐れない』『多様な意見を提示し、社会に自由の気風を保つ』。筑紫さんは、この3点を『NEWS23のDNAだ』と遺言のように語って、逝きました。それがいま、メディアに携わる人たちに共有されているのかどうか。責任を感じています。Q:記者の原点を忘れ、組織の論理に流されてしまっている自分自身に気づくことがあります。A:記者の仕事は孤独な作業です。最後は個ですから。過剰に組織の論理に流れ、全体の空気を読んで個を殺していくのは、記者本来の姿ではありません。それでも一人ひとりの記者たちが、会社の壁を越え、つながっていくこともできる。声を上げるには覚悟がいるけども、それを見ている次の世代が、やがて引き継いでくれるかもしれない。萎縮せず、理不尽な物事にきちんとものを言う若い仲間たちが実際に育ってきているのをつい最近も目撃しました。 『報道なんてこんなもの』とか、『視聴者や読者はそんなもん求めてねえよ』と、シニシズム(冷笑主義)に逃げ込んではいけません。僕らの仕事は、市民の知る権利に応えるためにあるのです。報道に対する市民の目が厳しい今だからこそ、一番の根本のところを考えてほしいと思います。(聞き手=編集委員・豊秀一) ◇金平茂紀:53年生まれ。77年TBS入社。モスクワ、ワシントン両支局長、報道局長などをへて、執行役員。04年度「ボーン・上田記念国際記者賞」受賞。ところで、31日の報道ステーションで、古館さんの降板挨拶がありました。降板の背景に「会社からの圧力はなく、自己都合である」と言っていたが…真相はわかりません。でもニュースに関して、主観を入れて語るスタイルは、ミスはないがのっぺりとしたNHKより格段に面白いのは確かでした。長い間の登板、お疲れさんでした。テレビ報道の現場金平キャスター2015.6.30 この記事も 朝日のインタビュー記事スクラップに収めておきます。
2016.04.01
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普段は天声人語などスルーしている大使であるが、啓蟄にふれている7日の天声人語は春を待つ希望を語っていて・・・・ええでぇ♪2016.3.7天声人語:命ひしめく春により 春告鳥(はるつげどり)がウグイスなら、春告虫はさて何だろう。思いめぐらせばモンシロチョウが頭に浮かぶ。菜の花畑をはずむように飛ぶ姿は、旧仮名で表す「てふてふ」の語感がよく似合う。 冬ごもりの虫が這い出す二十四節気の啓蟄を過ぎて、さらに分けた七十二候では「菜虫化蝶(なむしちょうとけす)」も近い。すなわち青虫が羽化する頃。手元の本にある「モンシロチョウの出現前線」に照らせば、今頃は九州や四国の南部あたりらしい。春風にのって北上の途についたばかりのようだ。 チョウに限らず、春には様々な小さきものがお出ましになる。それら昆虫などが花粉を運ぶことで市場にもたらす価値は、世界で年間に最大66兆円にのぼると、国連の科学者組織が先ごろ発表した。 媒介するのはハチをはじめチョウ、カブトムシなどの昆虫、それに鳥、コウモリなどという。別の推計では、日本国内でも昆虫が農業にもたらす利益は年間約4700億円になるそうだ。恩恵を知れば虫けらなどとは蔑めない。 昨日に続いて生物の話になるが、この星の生きものは確認されているだけで約175万種にのぼっている。知られざる種を含めればはるかに膨大だ。それぞれが人知を超えて結びつき、作用し合って、豊かな生態系を作っている。 生物多様性とは、いわば地球上の「命のにぎわい」のこと。ところが今や、日々100種ほどが消滅しているとも言われる。人類の君臨によるところが大きいらしい。命ひしめく春のありがたさを、春の一日に考えてみたい。昆虫が農業にもたらす利益は年間約4700億円にもなるのか。ドングリ国は現在、梅が満開で、ハクモクレンが3分咲きくらいでおます♪
2016.03.08
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大使が日々お世話になっている日本語入力システムは、多分マイクロソフトのIMEだと思うのだが・・・漢字かな混じりの日本語を、分節単位でローマ字入力から日本語に変換してくれています。昨今では、初期のシステムに比べると格段に使い勝手が良くなっていて、漢字に詳しい優れものとの感がありますね♪パソコンの検索窓とIMEの二つがあれば、紙の辞書が不要にさえなるし・・・昨今では、入力システム自体が学習機能を持っているとのことで、ほんと“びっくりポン”でおます。ということで、日本語変換についてあれこれ集めてみます。・日本語入力システム・機械が読む日本語・新文字の開発<日本語入力システム>ウィキペディアの「日本語入力システム」をのぞいてみました。wikipedia日本語入力システムより【概要】 パソコンにおいて、英文の入力は一般のキーボードでタイプライター同様にタイプすれば入力可能であるが、日本語のように使用文字数が数千を超える言語の文章を入力する際には全ての文字に一つのキーを当てはめるキーボードは非現実的であるため、複数のキーの操作で一文字を入力するなどの仕組みが必要となる。 日本語の入力方法で現在主流なのは、読みとしてかなを何らかの形で入力しておいて、漢字・かな・英字などの変換候補から選択して入力するかな漢字変換である。 これは、1978年9月26日に、東芝の「JW-10」の発売によって実現された。日本語入力システムは、MS-DOS時代はもっぱらフロントエンドプロセッサとして実装されたため、日本語入力フロントエンドプロセッサ(日本語入力FEP、さらに略してFEP)などと呼ばれることが多かった。Windowsの普及後はインプット メソッド エディタ(IME)と呼ばれることが多くなった。 ワープロ・パソコンだけでなく、携帯電話やビデオレコーダー・ゲーム機といったデジタル家電、カーナビ、情報キオスク端末など日本語の入力を必要とする様々な機器に日本語入力システムが組み込まれている。【学習】 ユーザーの変換・確定結果を記憶し変換精度を上げる仕組み。学習が蓄積されることにより、IMEは自動的に各ユーザー個人に最適化されていく。誤った変換結果も保存されるため誤りが次回以降に再現されるのが難点で、ATOKなどでは変換履歴を直接編集して不要な学習のみを削除することができる。 学習が多く蓄積されると逆に変換精度が落ちたと感じたり、学習機能に異常をきたす場合がある(Microsoft IMEの項などを参照)。その場合は学習結果をリセットして初期状態に戻すなどの作業が求められる。<機械が読む日本語>日本語入力については、日本語は英語などに比べてハンディがあるようです。そのあたりが、ネットに出ています。機械が「読む」時代の知に対応するためにより■日本語の抱えるハンディキャップこの、「機械が読める」に関して、日本語は英語と比べハンデを背負い込んでいる。列挙すると以下の四つとなる。イ.文字数が多いロ.単語の判別が難しいハ.文節の理解が難しいニ.本のデジタルデータが少ないアルファベット26文字の英語と、かなと漢字を足すと数千文字を普段から使っている日本語。さらに日本語の場合同じ漢字でも、字体が異なる文字があり「万」の単位の文字コードが必要となる。つまり英語と日本語とでは、用意しておかなければならない文字コードの数が断然異なるということになる。ただこのイ.は、情報端末の記憶容量が各段に増強されたことでだいぶ状況は改善してきた。(たとえば以前は、「トウショウヘイ」は「とう小平」としか表現できなかったが、最近は「トウ小平」と表示できるようになった*)難問はロ.ハ.だ。イ.文字数が多いロ.単語の判別が難しいハ.文節の理解が難しいニ.本のデジタルデータが少ない文字にひとつひとつコードを振ったように、単語にもコードを振って、そこへ属性(名詞か動詞か、単数か複数かなど)を記述しておけば文法と照らし合わせ、機械が、検索窓からの問い合わせ(クエリ)に対し、適切な解となりうる候補テキストをネット上の膨大なデータから探し出すのに、便利だろう。検索が効率的に、効果的に結果を表示するにはこの単語の判別、文節の理解といった、いわゆる形態素解析という工程が欠かせないのだ。*【大使注】楽天ブログでは、トウ小平のトウは機種依存文字なので、受け付けてくれません。<新文字の開発>パソコンのない時代には機械式入力はタイプライターのみであり、この時期に考案された日本語の新文字が面白いのです。「ひので字」などは、ロシア文字かと見まがうばかりで、びっくりポンでおます。荒俣宏さんが『喰らう読書術』という本の中で、新文字を紹介しています『喰らう読書術』2より日本語は漢字があるから効率が悪く、覚えるのが非常に難しいことに愛想をつかした人たちがあ、「それならアルファベットのように簡単できっちりした新文字を創造してみようではないか」と奮闘した記録です。一番わかりやすいのは、漢字もひらがなもやめて、直線で表記できるカタカナを「日本国の公式文字」にしようとする動きです。 石原忍という、視力検査表を開発した眼科医の先生が、欧米のタイプライターを見て、日本語も機械で書くには、カタカナを利用するのが早い、と考えてカタカナタイプライターを試作しました。でも、どうもカタカナは横書きに向いていない。そこで、ローマ字、ギリシャ文字、ロシア文字を参考にして、横書きに向く新カタカナを創造しました。1939年頃の話です。ひので字 ところが、石原さんよりも早く、新しい日本文字を創造して石原さんを刺激した中村壮太郎という人が、1935年頃に「ひので字」という非常におもしろい日本文字を作りだしました。この文字もどこかロシア文字に似ているのに、カタカナかひらがなの特徴も残しているので、日本人にはなんとなく読める、というところが売りだったようです。こういう「横書きができて漢字も不要」という新文字を開発しようとした人が、江戸時代から何人も存在していたことが分かりました。パソコン、OS、IMEは日々進化しているのだが・・・変わらないのは、ローマ字入力に使うキーボードの文字配列である。かつて若き日の大使は、タイプライターのブラインドタッチを練習していたわけだが・・・残念ながら現状は一本指タッチではあるが、文字配列だけは無意識で分かるのでおます♪
2016.02.18
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大使の朝は、5時半から7時までの間に、雄鶏をたたき起こすようにツイッターで挨拶するのです。何パターンもあるのだが、比較的多いのが次の2パターンかな。・起きりー! 朝やでぇ!(ちょっと早すぎたか・・・ま いいか)・起きりー! 朝やでぇ!(お天気良~し 練習日和やで♪)ご存知のとおり、糸子とは、朝ドラ『カーネーション』のヒロインでおま♪糸子と先を争いながら挨拶に勤しんでいるのだが、時には完璧に出し抜かれることもおます。・起きりー! 朝やでぇ!(あかん、糸子が迫ってるがな)しかし、このところの寒さで1ヵ月ほど、練習のほうはご無沙汰となっています。(あかんがな)ところで、朝ドラと言えば・・・今は、びっくりポンの『あさが来た』にはまっています。あさが来た:公式サイト
2016.02.17
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大使は、日々、コンピュータ棋士アヒル(レベル4)との死闘を繰り広げているのだが・・・今のところ6:4くらいの割合で優勢であり、大使のサド感覚はご機嫌麗しいのでおます♪アヒル危うし本日の闘いに関して審判のだめ子が診断してくれているので、見てみましょう。だめ子 の診断より<変な癖はないかな? かんたん棋譜診断>・かたまり癖:石が「だんご」「アキ三角」の形になるように打つのは効率が悪いかも。 ・はしっこ癖:もんだいなし。・ノビすぎ癖:もんだいなし。・キリすぎ癖:もんだいなし。 ・トリすぎ癖:もんだいなし。・きゆくつ癖:もんだいなし。・ひかえめ癖:もんだいなし。・よくばり癖:もんだいなし。↑だめ子 の診断です。誤診があったらごめんなさい。 大使の無茶な打ちかたに慣れてきたのか、アヒル(レベル4)は、しぶとくなったで。●gamekey:g20160208110508-b6b734172016-2-08 ahiru-lv40に対して310目で39.5目勝ち(汗)アヒル(レベル4)との闘いで思うのだが・・・とにかく、大使の無茶な打ちかたに付き合ってくれる我慢強い棋士である。アヒル(レベル4)をいたぶるような打ち方は、確実に大使の手筋を悪くしているとは思うのだが・・・ま、いいか♪アヒルの人物紹介です。あひるがあがあじごくより■人物紹介 (ひとじゃないけど。。)図体がでかい。態度もちょっとでかい。自称人間だが、上から見ても下から見てもアヒルとしか言いようがない。魔法が解けたら王子様だったとかいう希望を抱いて生きる。だめ子とクッキーには彼が囲碁を教えた。 ■棋風 (囲碁の打ちまわしの性格)囲碁に関しては意外とオーソドックスな打ち方。きのあ囲碁界では古くから囲碁を覚え重鎮あつかいだが、最近は慢心気味で以前のような学習意欲は失ってしまった。それでも経験の長さから形勢判断において、すこし長けている。アヒル(レベル4)との闘い1アヒル(レベル4)との闘い2きのあ囲碁スタート画面
2016.02.08
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7日のNHKスペシャル『狙われる日本の機密情報』を観たのだが、まさに脅威的な内容であった。番組を見ながら以下のとおりメモしたのだが・・・・人民解放軍と思われる組織的なダミー企業が行ったサイバー攻撃の実態が放映されていました。・エムディビ:遠隔操作ソフトによるサイバー攻撃・エムディビによる被害:年金機構、防衛産業、病院、JR、地方自治体のHP・エムディビの手口:業務用メールを偽装したメールにエムディビを添付しておく。・流出情報は後追い調査が可能であるのだが、防衛産業の機密情報、日豪間の海外移転装備品情報(潜水艦情報)、JRのセキュリティ対策など、盗まれた情報は特定できるとのこと。・国防、政治、有力政治家の行動予定など、日本の外交情報、知的財産の全て、競争力そのものを奪うようなものとも言えるのだ。(まさに戦争状態のようなもの)・攻撃グループが、日本側の追跡調査に気付き、感染サーバーから撤退した。・福岡の飲食店HPが入っているサーバーが中継されていたが、サーバーそのものを狙っている場合は追跡作業が膨大となるので、事実上、追跡困難になる。・九州歯科大学へのウィルスから上海企業(中堅のIT企業)が特定できた。上海企業から更に広東の企業が特定できたが、電話確認によるそれ以上の調査はできなかった。・ロッキード社のステルス戦闘機F-35の技術が流出し、その技術が中国の戦闘機(殲-30?)に反映された。・米国のソーラーパネル技術が流出し、米企業が倒産した例がある。・米情報機関が、人民解放軍が日本を狙った明らかな証拠(ipアドレス)を入手した。・米国はサイバー攻撃を行った中国軍人5名を公表した。・中国が日本の医療機関の情報やJRの安全情報を狙う意図は何か?・・・悪意としか思えないのだが。・九州歯科大学は被害の後、抜き打ちの調査メールを送りセキュリティチェックを実施している。・日本の先端技術産業の企業には1日に300件ほど、毎日攻撃を受けている。先端技術産業の機密情報などが流出済みとなっていて、後の祭りとなったのは仕方ないのだが・・・今でも、一社に毎日300件ほど攻撃があり、日々巧妙になっているのは、まさに戦争のような状況である。そして、新種のウィルスが現れるようになったが・・・これなどは中国お得意の人海戦術といえるのではないか。官公庁のセキュリティ管理といえば、先端技術企業と比べたら極楽トンボ状態であり・・・これこそ国家の危機なんでしょうね。もう機密情報はサーバーに入れずに、紙に書いて手渡しするしかないで!2016.2.7NHKスペシャル『サイバー攻撃の脅威』より いま日本を標的にしたサイバー攻撃が急増している。今回、NHKの独自取材で知られざるサイバー攻撃の脅威が浮かび上がってきた。私たちを陥れる巧妙な手口とは、犯行グループの狙いはどこにあるのか、国内だけでなく海外でも取材を行い真相に迫った。 利便性を求めインターネットで様々な情報がやりとりされ蓄積されるようになった現代社会。その盲点を突いたサイバー攻撃の衝撃に調査報告で迫る。NHKスペシャルNHKスペシャル・アーカイブ(改2)
2016.02.08
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(勝手に関西遺産)では、ディープな関西味がときどき取り上げられるが・・・・「だしの自動販売機」が出ていたので、見てみましょう。なお、この販売機は広島から進出(殴り込み)したようで、関西限定というわけではないようです。2016.2.3(勝手に関西遺産)インパクト 濃すぎだし~より■だしの自動販売機 大阪市営地下鉄の千林大宮駅(大阪市旭区)そばの駐輪場に、「だし道楽」という商品ばかり並ぶ自動販売機がある。500ミリリットルのペットボトルの中身は、和風だし。炭火焼きアゴが丸ごと1匹と昆布まで入っている。 値段は650円。昆布だけのだし(450円)もあるが、人気はアゴと昆布入りらしく、京阪電鉄の香里園駅から徒歩4分の自販機では売り切れていた。 一見、清涼飲料水と間違えそうな自販機に、「『おかんトラップ』を上回る擬態だ」とのけぞるのは、会社員の大川朋宏さん(44)。大阪出身でいまは東京で暮らす。出張で大阪に帰った際に見たこの自販機が、遠い記憶を呼び覚ました。 「小学4年の夏。からっからにのどが渇いて、冷蔵庫開けて、お茶の容器からそのまま飲んだ。口に入れた瞬間の異物感、求めていた清涼なのどごしへの裏切られ感。おかんの未必の故意を感じました」 お茶の容器にそうめんのだしつゆが入っていた、という思い出を語りながら、「何食わぬ顔で待ち構えて、実はだし。自販機までツッコミ待ちの大阪は、相変わらず楽しい街ですね」とうれしそう。 しかし、だし自販機を置いたのは、おかんでもなければ、関西の会社でもない。「間違って飲んだという話は聞いたことがないですよ」と、広島県江田島市のしょうゆメーカー「二反田醤油」専務、二反田圭児さん(30)は言う。 だしを開発した父の博文さんが、2006年に直営のうどん店(広島県呉市)で売り始めた。営業時間外も買ってもらおうと、店の前に自販機を置いたのが始まりだ。大阪には2年前に進出。大東市と茨木市にも1台ずつ、計4台ある。 “だしの関西”に殴り込み!? 「だし文化の関西に挑戦、という気持ちはないのですが、薄口しょうゆベースで薄めて使うものなので、あっさり味で気に入ってもらえると思います」。冷静な口調の中に、家族を含めて10人弱で丁寧につくる味への自負をのぞかせる。 設置場所はいずれもコイン駐車場「三井のリパーク」の敷地で、住宅街や商店街が中心だ。駐車場を運営する三井不動産リアルティの担当者は「普通の飲料の自販機と差別化ができる。広島で実績があったので関西に来てもらった」と話す。岡山、福岡、名古屋にもある。 千林大宮の自販機に買いに来た山岡喜代子さん(66)は、「私も広島出身で気になって。鍋の後、ぞうすいに入れたらおいしかった」。でも、650円って高くないですか?「薄めて使うねんから、650円でもいい」 ペットボトル入りの水が売り出されたとき、「わざわざ水を買うなんて……」と疑問視する声があったが、いまでは日常だ。だしも、そこまで来たのか!?(中塚久美子)■NHK「あさが来た」で料理指導 広里貴子さん(39) 甘めですね。だしを水で薄め、カレーの残りに入れてカレーうどんにしたらおいしそう。アゴだしは大阪では珍しく、見た目も面白い。名前の「道楽」は大阪の人になじみがある。すごいところに目をつけたと思います。ただ私としては、まずは昆布とかつお節のだしの作り方を知ってほしい。世界のどのだしと比べても時間がかからない。買っただしは、しんどい時など、使い分けるのがいいですね。だしの自動販売機ってか・・・・自転車の自動販売機があったと聞くので、もう何があっても驚きはしないのです。だけど、販売機ごと盗む手があるので、ご注意を。(勝手に関西遺産)が、これまでにとりあげた関西味についてはディープな関西味に収めています。勝手に関西遺産7勝手に関西遺産6勝手に関西遺産5
2016.02.05
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図書館で『ネットが生んだ文化』という本を手にしたのです。パラパラとめくると、炎上、2ちゃんねる、コピー文化、ブログ論壇、等々、気になる言葉が頻出しているわけで・・・物見高い大使の気を引いたのです。【ネットが生んだ文化】川上量生, 伊藤穣一etc.著、KADOKAWA、2014年刊<「BOOK」データベース>よりこれからの日本を支配するネット住民の行動原理とは?非リア・コピー・炎上・嫌儲の4キーワードを理解せよ。【目次】第1部 日本のネット文化と精神風土(ネットがつくった文化圏/日本のネットカルチャー史/ネットの言論空間形成)/第2部 ネット文化を支配する原理(リア充対非リアの不毛な戦い/炎上の構造ー100年後も1000年後も、どこかで誰かが燃えている/祭りと血祭りー炎上の社会学/日本文化にみるコピペのルール/リア充/非リア充の構造)<読む前の大使寸評>パラパラとめくると、炎上、2ちゃんねる、コピー文化、ブログ論壇、等々、気になる言葉が頻出しているわけで・・・物見高い大使の気を引いたのです。この本は「角川インターネット講座」シリーズ全15巻の1冊で、これまで3冊ほど刊行されているようです。rakutenネットが生んだ文化この本は読みどころが多いので(その2)として読み進めています。大使はツイッターはやるけど、フェイスブックはやらないので、日経のネット記事を紹介するときは不便なんですね。このSNS嫌いはなぜなのか?という個人的観点で見てみましょう。<ブログからSNSへ:佐々木俊尚>よりp96~100■ブログメディアの停滞 とはいえ、この世代間対立とネットvsマスメディアの対立軸の先に、革命や対決がやってきたわけではなかった。この背景要因は多々あるが、ネットというテクノロジーの側面から見れば、ブログ媒体の普及が停滞したということが大きいと考えている。 2005年ごろから普及をし始めたブログは2007年ごろには大きな論壇空間を形成したが、残念なことにはほぼ同時に停滞をはじめる。SNSや携帯電話サービスがブログを上回る速度で普及しはじめたからである。 2007年の段階で、SNS市場で当時先行していたミクシィは利用者数が1400万人。また当時はゲーム中心ではなく、あくまでもSNSだったDeNAのモバゲータウンは、若者を中心に会員数が700万人以上に達していた。インターーネットの調査会社ネットレイティングが2006年に発表した「データクロニクル2006・ファクトシート」によれば、パソコンを使ったインターネット利用者のうち20代の比率は2000年以降下がり続けており、2006年には全世代の11.9%にまで下落していたことが指摘され、ネットの利用度が比較的低いと考えられていた50代の11.8%と肩を並べていた。このファクトシートで、ネットレイティングスの荻原雅之社長(当時)は、以下のようなコメントを加えている。「若い世代で先行していたウェブ利用は、この6年間で着実に中高年齢層に普及しています。また、同時に女性にも普及している様子が見て取れます。一方で、20歳代の比率が減少しているのは、ウェブ利用が全世代にわたり一般化したことによるものですが、携帯電話端末の機能やサービスが劇的に向上し、ECやSNSなどの携帯電話による利用増も要因と考えられます」 つまり自己表現のメディアが、ブログからSNSや携帯電話へと移り変わっていったのがこの時期に起きた。加えて2ちゃんねるの高齢化もはじまっていた。当時、日本広告主協会Web広告研究会が発表した「消費者メディア調査」によれば、2ちゃんねるの主な利用者層は35~49歳の人たちであり、この層が利用者全体の38.3%を占めていることが指摘された。■リアルな社会構成に近づくネット空間 団塊ジュニア世代もだんだんと年を重ね、2000年代後半に入ってくると30代なかばに達してくる。そしてその後に続いてきた1980年代生まれ以降の若者たちは、2ちゃんねるやブログではなく、SNSや携帯電話へと表現メディアを変えていく。そういう転換が起きた。まさに時代は変わる、である。 このころから2ちゃんねるを使う層、「はてな」などでブログを書く層、SNSを使う層、携帯電話中心の層、などさまざまなレイヤーにより重層的にネット空間が構成されるようになっていく。きわめて複雑で全容は把握しにくい。 しかしそれはいってみれば、リアルな社会の構成へとネットの空間が近づいてきたということであり、リアルの複雑さがネットにもち込まれたということでもあったのだろう。90年代終わりごろ、2ちゃんねるぐらいしか言論空間がなかった牧歌的な時代はもはや「遠くになりにけり」となったのだ。■ネット集合知と衆愚 この時期に起きたもうひとつの興味深い現象として、日本のネット言論空間の最大のオピニオンリーダーで、ベストセラー『ウェブ進化論』の著者だった梅田望夫氏が、ネットへの失望を表明して、事実上言論から撤退してしまったという事件がある。 起きたのは2008年11月のことだ。きっかけは梅田氏が自身のブログ「My Life Between Silicon Valley and Japan」に、作家水村早苗氏の『日本語が亡びるとき』という本を好意的に紹介したことだった。 同書はグローバル時代に入って普遍後としての英語の重要性が高まり、インドやシンガポールなどのように自国語と英語を二重言語として使いこなす国が増えていくことを予測して、日本語の将来が暗いということを書いたものだった。これに対して梅田氏は「この本は今、すべての日本人が読むべき本だと思う」と書いたのだが、このブログ記事には批判が多かった。梅田氏が役員を務めるはてなのサービス「はてなブックマーク」では次のようなコメントが見られた。「滅びるんじゃなくて、それ生き物だから…」「一部の限られたエリートしか情報を残せなかった昔とは違い、今は個々人全てがデータの発言元。それが全て英語に置き換わるなどとは思えないのだけれど」「いわゆる『ナントカかぶれ』のなれの果て、かな。とりあえず本の紹介としては最低の文章。浅すぎて読む気が失せる」「書評としてひどい。なんでこんなに中身のない書評がブクマされているのかと思ったらウメダモチオだった」 これに対して梅田氏は翌日、ツイッターでこうコメントした。「はてな取締役である立場を離れて言う。はてぶのコメントには、バカなものが本当に多すぎる。本を紹介しているだけのエントリーに対して、どうして対象となっている本を読まずに、批判コメントや自分の意見を書く気が起きるのだろう。そこがまったく理解不能だ」 これではてなブックマークは大騒ぎになり、炎上状態になった。「バカだからどうだというのだろう。『知的』なユーザー以外ははてブを使うなと言いたいのだろうか」「知らない奴はがたがた言うなという奴はガラスの塔にでも引きこもっていればいい」 これは日本のネットにおける集合知についての、根深い問題を浮き彫りにした。 梅田氏は、本を読んでいないことによる無知から生じる定見の無さを「バカ」と読んだようだが、しかし無知ではなく、自分と異なるイデオロギーや世界観、永久に交わらない論説をもっている人間を「」と見なしてしまう可能性も十分ある。そう考えれば、ネットの世界で所在のよくわからない第三者を「」呼ばわりするのはきわめて危険な行為といえた。 そのようなネット空間の成り立ちを前提として考えると、自分の文章が適切に理解されないのは、相手の質が低いからとは限らない。相手の所属している圏域を書き手の側がどう考慮し、どこまでターゲティングできるのかという、そういう度量の大きさの問題になってくる。書き手がターゲティングしてくれない圏域の読者からは、常に「理解できない」「文章がひどい」「間違っている」という非難が巻き起こるのだ。 そうした非難が起きるのは、彼らがバカだからではなく、彼らをターゲティングしなかった書き手の側に問題がある。ネットの空間はそこまでフラットなのだ。梅田望夫という著名な言論人が炎上にさらされて、その後は著作を断っているという事実に驚きますね。佐々木さんはブログ論壇をフラットな空間と穏やかに評しているが・・・ブログが吐く匿名で無責任な批判など、便所の落書きと大差ないわけで、まともに応対すべき相手ではないのです。(とはいえ、ネット住民としては炎上は怖いのだが)ところで、ミクシィが登場したときも、なにか嫌な気がしたものだが・・・ツイッターのオープンさは良いけれど、SNSの囲い込みが嫌いなわけでおます。だいたい、ケイタイ持たない主義の大使が、何を言っても虚しいのだが(笑)ネットが生んだ文化(その1)
2015.12.13
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図書館で『ネットが生んだ文化』という本を手にしたのです。パラパラとめくると、炎上、2ちゃんねる、コピー文化、ブログ論壇、等々、気になる言葉が頻出しているわけで・・・物見高い大使の気を引いたのです。【ネットが生んだ文化】川上量生, 伊藤穣一etc.著、KADOKAWA、2014年刊<「BOOK」データベース>よりこれからの日本を支配するネット住民の行動原理とは?非リア・コピー・炎上・嫌儲の4キーワードを理解せよ。【目次】第1部 日本のネット文化と精神風土(ネットがつくった文化圏/日本のネットカルチャー史/ネットの言論空間形成)/第2部 ネット文化を支配する原理(リア充対非リアの不毛な戦い/炎上の構造ー100年後も1000年後も、どこかで誰かが燃えている/祭りと血祭りー炎上の社会学/日本文化にみるコピペのルール/リア充/非リア充の構造)<読む前の大使寸評>パラパラとめくると、炎上、2ちゃんねる、コピー文化、ブログ論壇、等々、気になる言葉が頻出しているわけで・・・物見高い大使の気を引いたのです。この本は「角川インターネット講座」シリーズ全15巻の1冊で、これまで3冊ほど刊行されているようです。rakutenネットが生んだ文化これまで、「リア充」という言葉を知らなかったが、ネット流行語大賞2007の21位の流行語だったようです(遅れていたのか)<ネット民を知る上で重要な「リア充」という概念:川上量生>よりp15~19■ニート問題と非リア ネット民は、「リア充」なるものを憎悪するという掟がなぜかある。これは明らかにネット原住民から発生した文化である。なぜネット原住民が「リア充」を憎むんかというと、自分たちが「リア充」から排除され、仲間はずれにされたという思いをもっているからだ。つまりネット原住民自身は「リア充」ではない。ネット原住民とは「リア充」と対になる言葉の「非リア」である。 ネット文化を理解するには、まず「リア充」と「非リア」がどういった存在であるのかを理解する必要がある、「リア充」とは友達や彼女がいたりして現実での人間関係が充実しているひとたちのことを指す。「非リア」とはそうではないひちたちのことだ。 「非リア」たるネット原住民が、なぜ現実社会を離れていちはやくネット新大陸に移住してきたか?それは、現実社会に居場所がなかったからに他ならない。つまり、初期のネットとは人間関係の構築が不得手だった人々=「非リア」が現実社会から逃げ出してさまよったあげくに見いだした安息の場所、約束の土地だったのだ。(中略) 2ちゃんねる発の言葉に「敵に回すと恐ろしいが、味方にすると頼りない」とネット民を評したものがある。この言葉は、極めてうまくネット民の特徴を表している。 典型的なネット民は、世の中への恨みという負のエネルギーを潜在的にもっていて攻撃対象への怒りという一時的な負の方向での連帯を生む。しかしながら、コミュニケーション能力や社会性が欠けているため、仲間同士の助け合いなどは苦手である。 また、彼らが憎むものには一定の共通項があり、自分たちを排除した現実社会の象徴になるものに対しては牙をむきやすい。たとえばリア充やいじめをしていた人間に対しての憎悪はとても強い。 一方で、コンピューターやゲーム、アニメ、ライトノベルといった「オタク」コンテンツを好むという共通項をもつ。家にこもってひとりで楽しむコンテンツにはまっているのは、現実社会に居場所がないからこそだ。 「非リア」でオタクコンテンツを好むという性質をもつネット原住民たちが大量に生まれた背景には、日本独特の事情が存在する。いわゆるニート問題である。 通常、ニート、若年失業者の問題は社会不安の引金になる。だが、日本のニート問題は社会不安にはつながりにくい。なぜなら、彼らが親に寄生しているからだ。そういう豊かな日本の経済力に寄生するニートが、ネット原住民の大きな供給源となっているのだ。 他の国ではニートのような失業者はネットにつながる経済力ももてないことが多いが、日本においてはニートもネットにつなげられる。ネットにつながった彼らはとにかくヒマであるから、一日中、ネットにアクセスしているのである。 こういうヒマをもてあましたネットユーザーは通常のネットユーザーよりもネットにおける存在感が桁外れに大きいのは当たり前だ。そんな人たちが現在のネット文化を産みだすのに決定的に大きな役割を果たしたのである。■世界的に広がる非リア文化 こうした非リアたちが生み出すネット文化自体は、実は世界的な広がりを見せてもいる。例えば韓国は日本と非常に近い状況にある。アメリカでも、2ちゃんねるに数年遅れて日本のオタク文化を継承した「4chan」という画像掲示板サービスが登場して成功している。 ネットはテレビに続く貧者のメディアになるともいわれており、日本に限らず世界的にもネットにつなげられるニート層というのは増えているのだろう。ネット原住民はもはや日本だけのものではないのである。 そして日本のオタク文化は国境を越えて、ネット原住民たちには相性がいいようなのだ。日本のアニメが海外のテレビ局で放送されなくなって久しいが、年々、盛況となっていくフランスのジャパンエキスポをはじめとして、日本のオタク文化を好きな海外のファンは増え続けているといわれる。 彼らはインターネット経由で日本のオタク文化を摂取しているのだ。フランスのジャパンエキスポや米国のアニメエキスポなどの様子はニコニコ生放送でも中継されているが、そこでカメラに映し出される海外のオタクたちの雰囲気や振る舞いは、見た目は外国人ななのにかかわらず驚くほど日本のオタクたちに似ている。思わず日本の視聴者でも「海外のおまえら」と評したコメントを書く人が続出するくらいだ。 ちなみに、さきほど紹介した米国版2ちゃんねるともいえる「4chan」のサービスを立ち上げた「moot」は、米国のひろゆき*的な人物で、見た目もまさにオタクそのものだ。(中略) そして「クールジャパン」というものも、結局のところ「非リア」に受けるコンテンツの分野は、非リア先進国である日本が得意なだけであるというように解釈できる。そうすると世界にニートや非リアが植えるのであれば、今後の日本のコンテンツ文化の未来もまた明るいといえるのではないだろうか。(*:西村博之氏、2ちゃんねるの開設者)…ムムム、家にこもって「オタク」コンテンツを好むというあたりは、大使にも当てはまるではないか(笑)ちなみに、ネット流行語大賞2015は、”五郎丸”だそうです。 『ガジェット通信ネット流行語大賞2015』決定!より
2015.12.12
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Peach航空がメルマガを送ってくるんですが、心騒ぐわけですね♪で、格安のなかでも、気になるタイムセールを紹介します。(大使の関心のある路線のみ紹介します、すんまへん)この冬場に2泊3日くらいの韓国、台湾旅行がいいかもね♪このところ、大阪-釜山 2,990円、大阪-台北(桃園) 4,990円が定着してしまったようだけど・・・大使が乗った大阪-釜山1500円というのは破格セールだったようです。<Peach航空メルマガ抜粋><2015年>*************************************************************Peachメールマガジン ★ePeach★Vol.192 ☆アクティブ宣言!☆全線片道、燃油サーチャージなし【販売期間】11月5日 00:00~11月8日 23:59【搭乗期間】2015年12月1日~2016年3月14日 ※路線によって適用日が異なります大阪(関西)-ソウル(仁川) 3,990円~ 大阪(関西)-釜山 2,990円 大阪(関西)-香港 3,990円 大阪(関西)-台北(桃園) 4,990円 大阪(関西)-高雄 3,990円 <2014年>*************************************************************Peachメールマガジン ★ePeach★Vol.146☆桃花火セール 1発目☆全線片道、燃油サーチャージなし【販売期間】8月12日00:00~8月17日23:59【搭乗期間】8月21日~12月18日 ※路線によって適用日が異なります大阪(関西)-沖縄(那覇) 2,980円 (火~木) 大阪(関西)-ソウル(仁川) 3,480円~ 大阪(関西)-香港 5,980円 大阪(関西)-台北(桃園) 4,980円 *************************************************************Peachメールマガジン ★ePeach★Vol.141【☆夏直前セール☆】全線片道、燃油サーチャージなし【販売期間】6月13日00:00~6月17日23:59【搭乗期間】6月23日~8月7日大阪(関西)-仙台 2,480円(月~木) 大阪(関西)-釜山 2,480円~ 大阪(関西)-台北(桃園) 4,980円 大阪(関西)-高雄 4,980円 *************************************************************Peachメールマガジン ★ePeach★Vol.140全線片道、燃油サーチャージなし【販売期間】5月30日00:00~6月3日23:59【搭乗期間】6月12日~8月2日大阪(関西)-仙台 2,480円(月~木) 大阪(関西)-釜山 2,480円~ 大阪(関西)-台北(桃園) 4,980円 大阪(関西)-高雄 4,980円 *************************************************************Peachメールマガジン ★ePeach★Vol.132【片道2,000円シリーズ】感謝の気持ちと、就航2周年のバースデープレゼントとして、全路線片道2,000円の特別運賃を20,000席限定でご用意しました!・第1弾【販売期間】3月1日00:00~3月4日23:59【搭乗期間】大阪(関西)-釜山 4月8日~10月23日(全曜日) 沖縄(那覇)-台湾(桃園) 4月8日~6月12日(全曜日) 大阪(関西)-高雄 4月8日~10月23日(全曜日) ・第2弾【販売期間】3月2日00:00~3月4日23:59【搭乗期間】大阪(関西)-沖縄(那覇) 4月8日~10月23日(火~木) 大阪(関西)-香港 4月8日~10月23日(全曜日) 大阪(関西)-台湾(桃園) 4月8日~10月23日(全曜日) ・第3弾【販売期間】3月3日00:00~3月4日23:59【搭乗期間】大阪(関西)-札幌(新千歳) 4月8日~10月23日(火~木) 大阪(関西)-ソウル(仁川) 4月8日~10月23日(全曜日) *************************************************************Peachメールマガジン ★ePeach★Vol.131☆48時間セール☆【販売期間】2月22日00:00~2月23日23:59【搭乗期間】3月3日~3月31日大阪(関西)-釜山 1,980円~ 大阪(関西)-高雄 3,980円 *************************************************************Peachメールマガジン ★ePeach★Vol.124【販売期間】1月2日00:00~1月5日23:59【搭乗期間】(国際線)1月20日~5月31日大阪(関西)-ソウル(仁川) 3,280円 大阪(関西)-釜山 2,280円~ <2013年>*************************************************************Peachメールマガジン ★ePeach★Vol.123【販売期間】12月21日00:00~12月24日23:59【搭乗期間】(国内線)1月6日~3月19日、(国際線)1月6日~5月31日大阪(関西)-ソウル(仁川) 3,280円~ 大阪(関西)-釜山 2,280円~ *********************************************************なお、詳細はPeachアクティブ宣言!で見られます。釜山1泊ツアー計画など見て、計画してみるか。11月8日までと時間をきられると・・・・なんか焦るで。
2015.11.05
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「図書館大好き」として、日頃から図書館を愛顧している大使にとって、出版不況と図書館の関係は、他人事と思えないわけです。このたび、朝日新聞に次の記事が載ったので、興味深く読んだのです。2015.10.29本が売れぬのは図書館のせい? 新刊貸し出し「待った」より 公立図書館の貸し出しにより本が売れなくなっているとして、大手出版社や作家らが、発売から一定期間、新刊本の貸し出しをやめるよう求める動きがある。背景には、深刻化する出版不況に、図書館の増加、サービス拡充もある。本を売る者と貸す者、相反する利害のはざまで、出版文化のあり方が問われている。 「増刷できたはずのものができなくなり、出版社が非常に苦労している」。10月半ば、東京都内で開かれた全国図書館大会の「出版と図書館」分科会。図書館関係者が多くを占める会場で、新潮社の佐藤隆信社長が、売れるべき本が売れない要因の一つは図書館の貸し出しにある、と口火を切った。 佐藤社長は、ある人気作家の過去作品を例に、全国の図書館が発売から数カ月で貸し出した延べ冊数の数万部のうち、少しでも売れていれば増刷できていた計算になると説明。司会役の調布市立図書館(東京都)の小池信彦館長が「それは微妙な問題で……」と言葉を濁す場面もあった。 新潮社を旗振り役に大手書店やエンターテインメント系作家らが、著者と版元の合意がある新刊について「貸し出しの1年猶予」を求める文書を、11月にも図書館側に送る予定だ。■困惑する図書館協会 背景には、2000年代以降、深刻化する出版不況がある。国内の書籍(雑誌を除く)の売り上げはピークの1996年から減る一方で、14年は7割弱に落ち込んだ。漫画などを持たない文芸系出版社はとりわけ苦境にある。 大手出版社の文芸作品は一般的に、最初に刷った部数(初版)の9割が売れて採算ラインに乗り、増刷分が利益となるといわれる。数十万部に到達するベストセラーはまれで、大御所から中堅人気作家による初版2万~3万程度の作品で収益を確保できるかが死活問題だ。だが、近年はこれらの作品でなかなか増刷が出ないという。 出版不況の一方、全国の公共図書館(ほぼ公立)は増加傾向にある。10年で400館以上増え、3246館に。貸出冊数も軌を一にする。 今回の「貸し出し猶予」の要請の動きに、日本図書館協会は困惑する。山本宏義副理事長は「図書館の影響で出版社の売り上げがどのくらい減るかという実証的なデータがあるわけではない」と話す。 貸し出し猶予をめぐっては、作家の樋口毅宏さんが11年に出した『雑司ケ谷R.I.P.』(新潮社)の巻末に、発売から半年間、「貸し出しを猶予していただくようお願い申し上げます」と記したケースもある。その際に応じた図書館もあったといい、今回準備が進む要請に対しても、図書館ごとの自主判断に任せることになるという。■海外では国による補填も 問題は、今に始まった話ではない。00年代初めごろ、作家らから「図書館が無料貸本屋化している」という批判が表面化。 02年には大手出版社による「出版社11社の会」が発足し、一つの図書館が人気作品を複数冊購入する「複本」を問題視してきた。 03年には、図書館協会と日本書籍出版協会が、複本の商業的影響の実態調査をしたが、数字の評価をめぐって双方の議論が平行線をたどった経緯がある。 「発端は70年代にさかのぼる」。そう分析するのは、慶応大の根本彰教授(図書館情報学)だ。根本教授によると、高度経済成長を背景に自治体が住民サービスを重視しはじめ、その中で図書館は「貸し出し」の機能を強く打ち出すようになったという。「出版は江戸時代以来、根付いてきた産業。そこに公共による資料の無料提供という全く異なる理念が乗っかった」 海外はどうか。EU(欧州連合)では図書館で貸し出された分を国が著者に補填する制度を導入する国も。英米でも、貸し出しの一部有料化や図書館用の本を仕立てて高価格化するなどの方策がとられているという。 しかし日本では、公立図書館が入館料その他の「いかなる対価をも徴収してはならない」と規定する図書館法に抵触するか、そもそも議論が低調なままだ。 根本教授は「貸し出し猶予の要請は、出版社側のエゴと批判が出そうだが、図書館にも問題はある。コンビニ的に貸し出しする図書館運営ではなく、高度な参照サービスや地域・行政資料を蓄える機能を重視し、商業出版とのすみ分けのあり方を考える時期に来ている」と話している。(板垣麻衣子)大使なら、出版文化維持のためなら「貸し出しの1年猶予」も、我慢できるんだけど。・・・と言いつつも、本屋で見つけた新刊本を、図書館に借出し予約している裏切り者である(汗)。神戸市図書館も人気作品を複数冊購入する「複本」を行っているが、この「複本」のおかげで、予約待機期間が劇的に緩和されているわけで・・・・心中、複雑な思いがあるわけです。
2015.11.02
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(勝手に関西遺産)では、関西弁がときどき取り上げられるが・・・・今回のは、関西弁ならではの高度なコミュニケーション術らしいでぇ、ようしらんけど♪(勝手に関西遺産)に「知らんけど」が出ていたので、見てみましょう。2015.9.9(勝手に関西遺産)自信たっぷり 責任ポイッより■知らんけど 「あのカレー屋、毎日行列できてるねんで、知らんけど」 関西の電車や喫茶店でおばちゃんらの会話をちょっと盗み聞き。聞こえてくるわ、聞こえてくるわ、「知らんけど」という言葉。さも見てきたかのように話し続け、最後にすべての責任を投げ捨てる。話し相手の全身を脱力させる言い回し。 これって関西独特らしい。大阪生まれの記者もよくよく考えてみると……、たしかに使っている! 10~20代の関西人に尋ねてみても、「よく使う」とのこと。幅広い年代で口をついて出てくるようだ。 吉本新喜劇のギャグにもなった。大阪のおばちゃんキャラ「すち子」が人気のすっちーさんの座長公演。大坂の陣を題材にした「君臣豊楽 淀殿の見た夢」という芝居で、すっちーさん扮するお茶屋のおばちゃんが、秀吉がどうした、淀君がこうした、と自信たっぷりにしゃべり続けた最後に「知らんけど」。もちろん周りは「知らんのかい!」とツッコミ、笑いが起きる。 「一見深刻なことを言うて、最後に全然違う方向に行く。新喜劇のボケと似てるところがある」とすっちーさん。「日常にお笑いがあふれ返ってる関西だからこそ、生まれた言葉ですよね」 この言い回し、いつごろから使われるようになったのか。 日本漢字能力検定協会の佐竹秀雄・現代語研究室長は「いつごろかははっきりしないが」と前置きしながら、「それほど古いものではない。テレビでワイドショーが盛んになったころからでは」と推理する。テレビでやってた、でも断言できないようなうわさ話を内輪で楽しむときに使ったのでは、とみる。 「ただし、『大阪弁おしゃべり検定』があったとしたら、これは3級の使い方。変形してもっと上手に活用している人もいます」と佐竹室長は言う。 ワンランク上の使い方とは、「知らんけど」の前に、これまた関西特有の言葉「よう」をつけた「よう知らんけど」。こうすると内容のあいまいさに拍車がかかる。しかも、本当は自分がどこまで知ってるかの判断まで話し相手に押しつけている。 「立場が強い人に対して、言いにくいこと、まともに言うと角が立つような本音をカムフラージュできるのです」と教えてくれた。たとえば、怠けている上司に向かって、「課長、最近、仕事さぼってばっかりやって言われてるらしいですよ、よう知らないんですけど」と、たしなめる感じなんでしょうか。 ただ、どんな相手、どういう場面で「よう知らんけど」を繰り出すかは、絶妙なバランス感覚が求められるとも。「下手をしたら、人間関係が壊れてしまう。使いこなせるようになったら、検定1級ですね」 この言い回しって、状況や関係性を大事にする関西弁ならではの高度なコミュニケーション術だったんですね、よう知らんけど。(向井大輔)関西弁についてもうひとつ、勝手に関西遺産5から再掲します。 「んなあほな」とは上方落語協会の情報誌のタイトルなのだそうです。2015.5.27((勝手に関西遺産)ツッコむだけちゃうねんより ■んなあほな 18歳のときに関西で暮らし出した。「ほかす、って放っておくことじゃないの?」「煮抜き、ってゆで卵なの?」。学校でもバイト先でも、数え切れないカルチャーショックを覚えた日々。 この言葉の、独特の響きを耳にしたときのことも忘れられない……、って、あれ? いつやっけ。大阪の寄席、天満天神繁昌亭で、五つのひらがなが並んでいるのをはっきり意識したのは間違いないんやけど。 「んなあほな」 見かけたのは上方落語協会の情報誌、そのタイトルなのだ。笑福亭仁鶴さんの弟子、笑福亭仁勇さん(56)の案だったそう。「『ん』で始まるから、目立つと思ったんですよ」と命名者は明かす。 「いきなり『あほな』はキツいけど、前に『んな』って付けると、ノリツッコミのようになるんじゃないかなあ。『そんなあほな』の『そ』がかすれたんでしょうね」。関西のツッコミ文化の一翼を担う言葉だ。 子どもたちが落語に取り組んでいる上荘小学校(大阪府阪南市)の授業参観で、女の子のこんなしゃべりにウケたなあ。 「一万てな年の人がこの世の中におるんか」「おったらオモロイやろなあ」「あんた、おいくつです?」「わたし、一万です」「一万とはお若く見える。どー見ても、九千九百九十七!」「んなあほな」 頭ごなしに否定するんじゃなく、ボケを受け止め、ちょっと楽しむゆとりさえ感じませんか。落語家の桂文珍さん(66)は実に雄弁である。 「しょっちゅう会話で使うけど、相手を愚弄しているわけじゃない。商取引でも使うような、ファジーさがあってね。関西の楽しい言葉、成熟した文化から生まれた柔らかい言葉でしょう。ほかの地域では、あまり受け入れられていないが故のいとおしさを持っているんですよ」 「それにね、常識に対する非常識のような『んなあほな』ことから新しいビジネスや発見、発明が生まれることがある。そんなことを考えられる人は良い意味ではクリエーターやけど、社会性を欠いていれば『あほ』。紙一重やけどね」 おっ、奥深いなあ。あきれた「んなあほな」もあるけど、これまでの考えをくつがえす新たな視点を面白がる土壌と、どこかでつながっているのかもしれない。 もとい、そもそも「ん」で始まる日本語って、ほかにあるのか? 広辞苑に「ん」の欄はささやかにあった。「ンジャメナ」「んす」「んず」「んとす」。なんのこっちゃ。「んなあほな」の方がはるかにポピュラーな気がするけどなあ。 こんな遊びはいかが。ほかす、粋(すい)、いかつい、いんじゃんほい、いちげん、んなあほな。関西のしりとりは、「ん」で終わる言葉をだれかが言っても「んなあほな」と続けられる。すかさず「なんでやねん」とツッコんで、負け?!(篠塚健一)■シンガー・ソングライター 嘉門達夫さん(56) いろんな場合があるけど、「この間モスバーガーに電話したら『モスモス』って出たで」なんて言われたら使いますよね。ありえないことをわざと言うてるときに、こうツッコむ。アホなこと言うてるでコイツは~という感じ、でも愛情はあるんです。東京の漫才だと「バカなこと言ってるんじゃないよ」かな。「んなあほな」は相手をさげすんでいるんじゃなくて、愛を持って包み込んでいる感じがしますよ。おおきに!「勝手に関西遺産」10年勝手に関西遺産6勝手に関西遺産5勝手に関西遺産4
2015.09.16
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時として、ホルモン焼きなど食べたくなるので、鶴橋まで出かけているのだが・・・ネットで、焼肉ホルモンを覗いてみると、ゲッ!鶴橋だけで44件もヒットします。鶴橋焼肉ホルモン44件このなかで配膳スピード、お値段なら、ガード下の「金太郎」が、ええでぇ♪ということで、この店の口コミ情報を見てみましょう。鶴橋焼肉ホルモン金太郎より<おのいもこさんの口こみ>駅前からすぐの金太郎さん。看板のメニューを見て入りました( ^ω^ )目に止まったのは安さ!!定食850円?でホルモン315円均一。焼肉定食850のと、てっちゃんタレを頼みました( ^ω^ )定食は先にサラダ、味噌汁、キムチ、ご飯が出てきました。なんと、言ってもスピードが速いwwその次に定食のお肉、ハラミ、ロースが来ました。だいたい各5枚くらいで厚みがしっかりしているお肉でした。850円でハラミ、上タンの定食もありました!他含め8種類くらいはあったかと…(o^^o)レーメン、テールスープ定食もあり味料理を飽きさせないメニューだと思いました!お肉なんですが厚みがあるぶんしっかりとしたお肉の歯ごたえは、ありました。タレは甘タレなんですがあまり甘すぎないようなサッパリしたタレでした。お肉の量も多く、定員さんも対応がよく満足でした。また近くに行ったときは立ち寄ろうと思いました。なお、大使お奨めの店としては、鶴橋駅西口前の鶴橋焼肉白雲台が筆頭になります。西口を出ると、目の前がこの店なので、たいへんわかりやすいのも、ええでぇ♪韓国料理に対する思いは韓国料理あれこれにしたためています。このように、大使は時として韓国料理に対する禁断症状が出るわけで。その都度、鶴橋まで遠出しているわけでおます。
2015.07.24
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朝日のコラム「波聞風問」にチャイナウォッチャーとも言える吉岡桂子記者の記事を見かけたので紹介します。吉岡記者が、中国の友人を気遣っています。2015.5.24<拘束中の友へ 再び会い、議論できる日を>より 浦志強(プーチーチアン)さん、ニンハオ。 中国を代表する人権派弁護士として知られるあなたが、中国当局に拘束されて1年余りが過ぎました。民主化運動が弾圧された天安門事件から25年を迎えた昨年春、知人宅で開かれた事件を研究する会に参加したことが、拘束のきっかけでした。 数日前、民族の恨みをあおったり、騒ぎを挑発したりした罪で起訴されたニュースが流れました。ずっと心配していた日本の弁護士や研究者たちは、とても怒り、悲しんでいます。米国政府は深い懸念と早期の釈放を、欧州連合(EU)は裁判の公正と外国の大使館員の傍聴を、それぞれ求めています。 中国内でも内陸の重慶市の庶民10人が、あなたへの迫害に反対する声明を出しました。当時の市トップの政治手法を批判したネット発言を理由に、司法手続きなしで拘束されたところを助けられた、と書いてありました。地方の共産党幹部から訴えられた作家を、自由な言論が社会の公正を保つとの考えから弁護したこともありましたね。 中国版ミニブログで10万を超すフォロワーがいた、あなたに対しても、共産党の政策に批判的な書き込みが問題視されていたようです。「相手(ウイグル族)を敵と見なすなんて、でたらめだ」「釣魚島が中国のものかどうかなんて、私とは何の関係もない」「もし日本が中国の一部を統治したら環境保護、教育、医療面で状況は今よりも良くなっていた」などの部分です。 北京に住む知人は「影響力をもつ彼を黙らせ、社会の改革に向けて発言する人々を牽制(けんせい)するためだ。言論の空間は狭まっている」と起訴を嘆いています。昨年来、多くの弁護士や記者、NGOの活動家が捕らえられています。70歳を超える人までも。年長者を重んじる儒教の故郷として、暗黙の了解で拘束を免れてきた年齢なのに。 中国では歴史的に、政治家から経済人、庶民にいたるまで、日本との縁がいつなんどき悪材料に転じ、「友人」を苦しめることになりかねない。そう悩む日本人もいます。中国とうまく商売をするには、余計な口出しは禁物と考える人もいます。 しかし、中国がルールに従って動く国になることは、日本の経済にも安全保障にも深くかかわります。その実現に努める中国の方々との交流の積み重ねは、関係の安定を築く礎になると信じています。再び会い、日本の言論環境の変化を含めて意見交換できる日を待つ人もまた、たくさんいます。 拘束中のあなたに宛てた奥様からの公開書簡を読みました。厳しい調べによる嘔吐や失神、糖尿病や高血圧の持病を案じていらっしゃいました。北京の厳しい夏がすぐそこです。くれぐれも保重身体(お大事に)。吉岡記者がAIIBとADBの競合について、正論を語っています。2015.5.3<ADBとAIIB 競い合うべきものとは>より カスピ海沿いの資源の都、アゼルバイジャン・バクー。第2次世界大戦時にヒトラーも狙った油田を抱える国で2日、開発金融を担うアジア開発銀行(ADB)の総会が始まった。来年には50周年を迎えるADBは、中国主導で創設されるアジアインフラ投資銀行(AIIB)から挑戦を受けている。 ADBの初代総裁を務めた元大蔵官僚、渡辺武氏(故人)は著書「アジア開銀総裁日記」に、こう書く。 「アジアから見た日本は、郷土を捨てて都会に走り、成功者として再び郷土に戻ってきたものに似ている」 ADBの設立は戦後20年あまりたった1966年。日本が「大東亜共栄圏」を掲げてアジアを舞台に戦った歴史の記憶が、今よりずっと濃い時代だ。渡辺氏は、こうも記す。「経済大国にのしあがった」日本が受け入れられるかどうかは、自らの振る舞いで決まると。日本にとってADBは、経済を通じてアジアとの関係を築き直す道具でもあった。 発展を急ぐアジアの国々では、高度成長を享受する日本の経済力への期待が高まっていた。いっぽう、警戒や反感もあった。本店選びは3回の投票を経て、東京は1票差で敗れてマニラに奪われている。 米国との関係も微妙だった。 米欧の一部は「世界銀行があるのになぜADBが必要か」と懐疑的だった。本店誘致をめぐっても、米国は「極めて冷淡」で「常に味方と考えて、全面的に信頼する危うさ」を指摘する日本の外交文書も残る。 慎重だった米国が加盟に転じた背景には、ベトナム戦争がある。東南アジアへの関与を強める必要が高まったからだ。東西冷戦下では、ADBも「反共」戦略の一部だった。 当時を知る人によれば、複雑な立ち位置の日本は、出過ぎないよう配慮しながらADBの創設と運営に取り組んだという。多くの議論は国連のアジア極東経済委員会で進められている。 AIIBを今、大国間の政治ゲームの断面で切りとれば、中国の「圧勝」に映る。この地域に深く関与してきた日米の否定的な態度をよそに57カ国を集めてみせた。だが、途上国や新興国の開発や成長への支援は本来、息の長いものである。「一回裏」でゲームは終わらない。 中国の台頭で、日本がアジアで唯一の経済大国ではなくなった。同時に、50年前のアジアと異なり、開発独裁下にあった多くの国は民主化した。プレーヤーは政府や権力と結んだ財閥だけではない。国境を越えて共有できるルールを提案するには、幅広い接点が必要だ。ADBにもAIIBにも、資金を調達する世界の市場や株主を抱える企業、住民やNGOと協力しあう力こそが試されている。ここで以前のインタビュー記事を紹介します********************************************************************<吉岡桂子記者の渾身インタビュー記事>中華文明に関する吉岡桂子記者渾身のインタビュー記事を紹介します。・台湾、ひまわりの芽は邱義仁2015.3.17・中国、権力と文学閻連科2015.2.06・政治化するナショナリズムワンチョン2014.11.15・中国、成長の罠香港大学教授2014.02.26・中国の「不動産バブル」大手不動産会社トップ2014.01.28・中国 国有企業の行方張維迎2013.11.07・中国と影の銀行張維迎2013.8.02朝日新聞の吉岡記者といえば、チャイナウォッチャーとして個人的に注目しているわけで・・・・その論調は骨太で、かつ生産的である。中国経済がらみで好き勝手に吹きまくる経済評論家連中より、よっぽどしっかりしていると思うわけです。波聞風問一覧に吉岡記者の中国論が載っています。<吉岡桂子記者の渾身記事14>
2015.05.27
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図書館に借り出し予約していた『工作舎物語』という本をゲット・・・・編集者松岡正剛が給料を度外視して打ちこんだ工作舎とは、どんなだったのか♪個人的な関心事ではあるが・・・・松岡正剛、編集工学、ビジュアル的な装丁という組み合わせが、何やら心騒ぐわけです。【工作舎物語】臼田捷治著、 左右社、2014年刊<「BOOK」データベース>より70年代の黎明に工作舎という編集宇宙を学ぶ。才能を呼び集める才能とは?クリエイター列伝、屈指のノンフィクション!【目次】第1章 松岡正剛ーなにもかも分けない方法/第2章 戸田ツトムー小さな声だからこそ遠くまで届く/第3章(芦澤泰偉ー遅いという文句は出ない/工藤強勝ー報酬はタブーの世界/山口信博ー間違えるのも能力/松田行正ー密度がとにかく濃い/羽良多平吉ー最後までなじめなかった)/第4章 森本常美ー夢を見ていたよう/第5章 祖父江慎ーおどろきしまくりの日々<読む前の大使寸評>編集者松岡正剛が給料を度外視して打ちこんだ工作舎とは、どんなだったのか♪この本は、図書館に借り出し予約しようと思うのだ。<図書館予約順位:6(2/11予約、4/21受取)>rakuten工作舎物語臼田捷治がつづる「はじめに」の一部を紹介します。p7~10 看板雑誌『遊』と『人間人形時代』、撰集『日本の科学精神』、『全宇宙誌』などによる書籍によって時代を画した一連の成果は、工作舎を立ちあげた編集責任者である俊才・松岡正剛と、数々の独創的な方法論を編みだしたグラフィックデザイナー・杉浦康平との緊密なコンビネーションが核となって世に送り出された。それまでの雑誌や書籍にはなかったヴィジュアル的な側面に力を注いだ新しい挑戦と、なおかつそれと一体となっている独自の編集力は、多くの若者を魅了した。その姿勢は今日に至るまで変らない。 工作舎の現編集長である米澤敬のことばを引用すると、「発足以来40年間にわたって、デザインとは編集であり、編集とはデザインにほかならないことを、一貫して活動の基本とし続けて」いるのだ。 いまや日本はデザイン王国である。出版デザインでは、大半の書籍がブックデザイナーによる意匠をほどこされて書店に並ぶ。有名装丁家も多数輩出し、彼らが手がける作品群は、書店の平台において、しばしば「ジャケ買い」という衝撃的な行動を日々誘発している。中身の吟味はさておいて、デザインだけで読み手をレジに直行させるのである。永らくデザイン不在であった文芸誌までがアートディレクターの差配によって世に送り出されているのが当たり前のことになった。 だがいまから40年ほど前、70年代前半ごろまでの出版デザインはまだまだ立ち遅れていた。戦後デザインのフロンティアである原弘と、次の世代である杉浦らによる先駆となる活躍はごく一部にとどまっていたのである。小説本の装丁は画家が中心の担い手であり、その中にはすぐれた仕事も残されてきたことはたしかであるが、それでも大半が「画家の手内職」だった。 人文系・学術系の堅い内容の書籍はもっと遅れていた。編集者が何らのセオリーもないまま、自己流で装丁をまとめあげているケースが多くを占めていた。もちろん、編集者にもセンスのある人はいる。私が1970年に入社した美術出版社では、8割がたは先輩編集者たちが装丁までまっとうしており、新米の私は、手塩にかけるような丁寧なその仕事ぶりを隣の席からまぶしく眺めていたものだった。大向こうをうならせるような派手さはないが、いぶし銀のような技は健在だった。 そうはいっても出版界全体のデザイン水準は低かったといえるだろう。 「外づらよりも大事なのは中味だよ」 そういう意識が出版界では支配的だった。たしかに一理ある。だが、中味さえよければ本は売れる時代はとうに翳りを見せ始めていた。読者も内容にプラスしてデザイン性を求めだした。意識の高い読者は装丁のみならず本文のレイアウトのあり方にも関心を高めつつあった。 「日本では、まだまだ編集者や出版社の勘によることが多く、それで成功したり、社風が形成されたりしているが、もはやそれらが不合理であることを反省する時点なのである。本の装丁も、調査とプログラムにもとづいて科学的におこなうべき時代が来たのである」 このように出版デザインの本格的な展開が待ち望まれていた時代に、鋭いクサビを打ち込んだのが新参組の工作舎であり、松岡正剛であった。 その松岡について杉浦康平が私に「松岡正剛くんは日本でいちばん優秀な編集者だよ」と言っていたことが忘れられない。10970年代半ばのことである。私も当時、編集者として杉浦事務所に出入りさせていただいていたのであるが、いつもフランクに、寸鉄人を刺すような、的確で鋭い物言いをする杉浦である。同世代である松岡のあふれんばかりの才覚は私なりに理解していたから、杉浦の松岡評に納得したものだった。芦澤泰偉がブックデザイン第三世代のデザイン・シーンを語っています。p129~131 工作舎とは離れるが、ここで80年代前半のデザイン・シーンを振り返ってみよう。 杉浦康平世代を継ぐ次世代の旗手として、1943年生まれ菊池信義は、新春に駈けぬける風のような清新な活力をブックデザインの世界に注ぎ始めていた。芦澤と同じように菊池は広告畑からの転身であり、事実上のデビュー作といえるのが1979年の埴谷雄高著『光速者』(作品社)。著者の脳の断層写真を使った装丁が話題を集めた。菊池の存在感はこれ以降、急速に高まっていく。 83年に東京の八重洲ブックセンターで開いた初めての個展、「平台/『菊池信義の本』展」でも世の耳目を集めた。テキストの内実に寄り添いながら織りなすアプローチは、官能性と清潔感をたたえ、同時代に特別の影響を与えてきた。 一方、工作舎をやめた戸田の活動も鮮烈極まるものだった。アートディレクションした『GS』(冬樹社)は1984年創刊。浅田彰らが編集に参画し、折からのニューアカデミズム・ブームが起き、哲学や思想の新しい潮流を象徴する季刊誌だった。戸田はデザインサイドから明確な輪郭を、この知の新局面に添わすことになる。それは、松岡が提唱し、実践しているように、グリッド・システムに象徴されるモダニズムの定則に揺さぶりをかける果敢な試行であり、ブロックごとに一行に納まる字数を変えるといった、ポスト・モダニズムとも呼応する「知的レイアウト」が全面的に繰り広げられた。 現在、京都造形芸術大学大学院学術研究センター所長の要職にある浅田彰は、『GS』編集時は京都大学の助手だった。そのころの浅田のトークを、私は東京御茶ノ水のカザルスホールで開かれたあるシンポジウムで一度聞いたことがあるが、いちばん記憶に鮮やかなのは次の発言である。「英語でしゃべるよりもフランス語でやるほうがいいんですけれどもね」。浅田の嫌う「幼児的」感想で恐縮であるけれども・・・・。 ともかくも、目ざす方向は違うかもしれないが、松岡正剛と浅田はともに桁はずれの才能である。松岡によると浅田も『遊』に惹かれていた若者のひとりだったという。浅田は松岡とはひと回りほど若い。たぶん高校生時代のことであろう。 浅田を挙げたからには、『遊』にシンパシーを寄せていたもうひとりの俊才を紹介しないといけない。やはり松岡によれば、浅田と同じくニュー・アカデミズムの一翼をになうかたちになる中沢新一がそうだったという。中沢はやがて、自ら現地におもむいて修行にいそしんだチベット仏教学とフランスの構造主義哲学とを関連づけながら、伸びやかで柔らかな知性を存分に表し出す。現在は明治大学の野生の科学研究所所長を務めている。先頃、コミック雑誌『ガロ』の個人的ミニブームで、かなり入れ込んだ大使である。『ガロ』には著名な漫画家、イラストレーターが参集したが、それには編集長兼出版社社長の長井勝一さんの損得抜きの(ような)経営方針に負うところがあったのでしょう。一方、工作舎の場合も、松岡正剛の、損得抜きの、止むに止まれないクリエイティブな執心があったようですね♪ただ、長井さんに比べると、よりハイカラで、頭でっかちの観はあるけど(笑)この記事も松岡正剛の世界に収めるものとします。
2015.04.27
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今ではドングリ国のスーパーでも置いてあるほど、柿の葉寿司は関西いちえんで流通しているわけで・・・・大使も、とぎれずに愛顧しているわけでおま♪(勝手に関西遺産)が柿の葉寿司をとりあげています。芭蕉寿司のほうは、知らんでぇ。2015.3.18((勝手に関西遺産)包むなら 風味と誇りより■柿の葉寿司 奈良県民の柿の葉寿司への愛情は、恐るべし、である。 例えば、将棋担当の筆者に「お正月は柿の葉寿司を食べますね」と奈良市在住の将棋棋士、脇謙二八段(54)と囲碁棋士、荒木真子三段夫妻。「吉野大峯・高野観光圏協議会」地域コーディネーターの西久保智美さん(39)は寿司を省略して「柿の葉」と連呼した。それで分かるでしょ、というわけ。 西久保さんに「奈良県吉野町の吉野山で桜が咲き誇る頃、行列が出来る柿の葉寿司専門店がある」と教わり、訪ねた。金峯山寺に近い「ひょうたろう」。店主の水本和幸さん(62)に「違いを分かって欲しい」といきなり食べ比べに誘われた。一皿目は塩味が強く、二皿目は具のサバの脂が酢飯に染みこんで、まろやか。最初の皿は当日、次の皿は前日作ったもの。「2日目がおいしいでしょ」。はい…。すごい迫力だ。 吉野地方に古くから伝わる柿の葉寿司。冷蔵庫などない昔、熊野灘でとれたサバは塩漬けにされ熊野街道で運ばれた。塩加減がほど良くなった頃、うすく切って、すし飯に乗せる。柿の葉にくるんで吉野杉で作った箱に入れ、一日押しておくと柿の葉の芳香も移り、風味豊かに。「吉野が林業で豊かだったから、わざわざサバが届いたんだと思うよ」。郷土への誇りも隠し味だ。 もともとは夏祭りの時のおもてなし料理。「各家庭で作ってました。僕のはお袋の味」と水本さん。そんな素朴な存在だったはずが、今や全国区に。各地の名物駅弁を集めた、JR東京駅の「駅弁屋 祭」では「柿の葉すし本舗たなか」(本店・奈良県五條市)など柿の葉寿司が一大勢力だ。 人気の理由は? お箸やお皿が無くても食べられる簡便さや、もともと保存食だから日持ちも良い。 その特性が発揮されたのが阪神淡路大震災だった。「みんな、パンやカップ麺でしのいでいる。ごはんものでホッとさせてあげたい」。被災地の首長からの要請に応え、「たなか」は柿の葉すし1万5千食を急送した。箸や皿が無い避難所でも食べやすく、ネタも同じだったので気兼ねなく分け合え、好評を博した。 「柿の葉ずし総本家平宗」(本店・奈良県吉野町)は自社のホームページ上に、奈良県出身の河瀬直美監督のミニ映画「つつむという優しい文化」を掲げる。平井宗助代表取締役(44)は「海外のホテルだとチップはそのまま置いておくけど、日本旅館なら紙で包んで渡したりするでしょ。包んで真心をこめるって日本人の精神性を体現している」。 もうすぐ春。桜吹雪に包まれながら、柿の葉寿司を食べ、包む文化までも味わうことにしよう。(佐藤圭司)おおきに!「勝手に関西遺産」10年勝手に関西遺産1勝手に関西遺産2勝手に関西遺産3
2015.04.21
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深夜にNHK『ネクストワールド』を観たのだが・・・・ロボット工学が進み、さながら「ベイマックス」のような世界が描かれていました。この番組の見所から、以下のとおり感想をしたためました。・自動設計、自動建設・火星へ移住・イーロン・マスクCEO・ウェアラブル・ロボット・アンドロイドに恋するネクストワールド 私たちの未来:第5回、人間のフロンティアはどこまで広がるのかより 新たなテクノロジーが、私たちの生活をどのように変えていくのかを探ってきた、シリーズ「ネクストワールド 私たちの未来」。 最終回は、人間の「フロンティア」がどこまで広がるのかに迫る。2045年、爆発的に増える人口を吸収し続ける「都市」では、ビルの高層化に拍車がかかっている。すでに高さ1600メートルのビルの開発すら可能になっているという。そして、宇宙移住の道も開かれようとしている。熱い視線を集めているのが「火星」への到達だ。既に今、アメリカ、ヨーロッパ、インドが合計7機の探査機を送り込み、未来の居住地候補として、観測合戦が繰り広げられている。さらに、火星に人を送るというプロジェクトも始動している。人類は未来、どこに到達し、どこに新天地を見いだすのか。 近未来ドラマでは、これまでの主人公が勢ぞろいし、超高層ビルの完成式に集結する。そこで彼らの運命を揺さぶる、ある抽選が行われた。それは火星移住者を募る抽選だった・・・。*******************************************************************<自動設計、自動建設>現在でも1600メートルのビルの開発すら可能になっていると、大手ゼネコンの人がインタビューで語っていました。それも自動設計、自動建設なんだそうです。多少のハッタリがあるにしても・・・ゼネコンのポテンシャルに驚いたのです。*******************************************************************<火星へ移住>火星へ移住について、米宇宙ベンチャーの計画を紹介していた。こういう突拍子もない計画は、伝統的にアメリカ人が得意としているが・・・・i-Phonのように商売への繋ぎ方もうまいので、日本の産業界は要注意なんでしょうね。*******************************************************************<テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEO>テスラ・モーターズのイーロン・マスクCEOの記事がネットに出ているが・・・日本人とは異質のこの開拓者精神が、バカにできないのかも?2015/02/09EVと宇宙で革命起こす、地球の危機克服に執念より 「火星に8万人が移住できるコロニーを建設する」「世界中のクルマをEVにする」。普通ならそんな発言をする経営者は、「クレイジー」「できもしないことを言う夢想家」として片づけられるだけだろう。だが、この男の場合は違う。イーロン・マスク(43歳)。米電気自動車(EV)ベンチャーのテスラ・モーターズと米宇宙ベンチャーのスペースXの2社のCEO(最高経営責任者)を兼ねる。 途方もない目標を掲げながら、達成に向けた実績を着実に積み重ねてきた。テスラでは、EVの高級セダン「モデルS」を2012年に発売。今や、受注に生産が追い付かない状況が続く。2015年には米国で新型車を投入し、EVの生産能力を年間10万台に引き上げる計画だ。「Model S」「モデルSの狙いは革命的な製品であること。かつてEVは、スピードが遅く、見栄えは良くなく、航続距離は短くて、性能も低いというイメージでした。そんな認識をことごとく破壊して、EVは世界最高のクルマであることを見せつけたい」 宇宙産業でもマスクが率いるスペースXは台風の目になっている。主力ロケットの「ファルコン9」の打ち上げに連続して成功。マスク自身が設計を指揮する無人宇宙船の「ドラゴン」も民間初の国際宇宙ステーションへの貨物輸送に成功した。2014年9月にはドラゴンの有人飛行に向けた米航空宇宙局(NASA)との大型契約も獲得している。*******************************************************************<ウェアラブル・ロボット>グーグルのメガネ装着の頭脳アシスト端末というのも、ちょっとやり過ぎの感があるけど・・・脳内埋めこみチップとか遺伝子操作による体質改造まで目指すことは、悪魔のような発明なのか?大いなる改造なのか?・・・・ウェアラブル端末やパワーアシスト器具は米軍の軍事技術から生まれているが・・・生きるか死ぬかという軍事技術には、もともと箍は無いので・・・倫理観のない技術である。だいたいドーピングの誘惑に一番駆られやすいのがアングロサクソンであり、もともと開拓精神が旺盛で、節操の無い民族である。このあたりの発想が、百姓根性でナイーブな日本人と違うようです。先頃あった、米軍主催のロボットコンテストに、ポテンシャルの高い日本の大学だけが応募しなかったようですね。大使はこのニュースが忘れがたいのだが、『ネクストワールド』を観て思うのである。平和憲法が根づいた日本人のナイーブさ(倫理観)だけが、アメリカの暴走を防ぐ切り札になるのだろう♪、と。日本ロボットはどこへによれば、六本木に米軍のスパイ機関が駐留していて、公然と日本のロボット技術を漁っているそうです。スパイ天国のような日本であるが、札束に目がくらまないよう注意しましょうね。自衛隊もロボット開発に乗り出したようだが、米軍のような攻撃優先の戦略には、憲法に則り一線を隔する必用があるはずです。*******************************************************************<アンドロイドに恋する>番組案内役のオジンが若い女性型のアンドロイドを同伴していたが・・・若い女性型のアンドロイドといえば、ちょっと古いSF映画『ブレードランナー』のレイチェルには敵わないのだ♪アンチ・エイジングのところで、脳だけ生きているという極限状況に言及していたが・・・このテーマではすでに、村上龍が『歌うクジラ』で描いていますね。
2015.02.13
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朝日のコラム「波聞風問」にチャイナウォッチャーとも言える吉岡桂子記者の記事を見かけたので紹介します。ウォール街と聞くと心穏やかでいられないが、最近はそれに中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)とやらが加わってロンパリ状態でおます。2015.2.08くアジアの経済外交 日中、てんびんにかけるタイ>より 軍事クーデターで生まれたプラユット暫定政権が陣取るタイ首相府。宮殿のようなクリーム色の建物のわきの執務室に、経済政策を統括するプリディヤトーン副首相を訪ねた。首相の初訪日を、3日後に控えた今月5日のことだ。 「日本には、この鉄道路線の調査をお願いしたいと考えています」 赤い蝶ネクタイ姿のプリディヤトーン氏は、鉄道協力について説明を始めた。手元の地図には、経路を示す赤い線がひいてある。タイ南部のカンボジア国境からバンコクを通り、ミャンマー国境までを東西に結ぶ。その先には、タイが整備に力を入れるダウェー経済特区がある。 「南部経済回廊」に沿う路線は、アジアに生産拠点が点在する日本企業にもメリットがあるといわれる。「日本が希望すれば、ベトナムにまでだって延ばせます」 中国と共同開発するラオス国境からタイ湾へ南北に走る鉄道とあわせ最優先の路線と位置づける。中東からの資源を運ぶ手段を多様化したい中国にとっても、海に抜けるルートは悲願だ。 暫定政権は鉄道を共同開発する相手として、東西は日本、南北は中国と仕分けしたようだ。タイは前政権時代から、競い合うように高速鉄道を売り込む日中をてんびんにかけてきた。技術とお金を有利な条件で引き出すためだ。 「金利が高すぎる」。地元英字紙バンコク・ポストによると、タイ運輸副大臣は、中国と開発する路線に対する中国からの融資案を押し戻した。日本からは類似の事業に年1・5%で借りてきたのに、2~4%とは何ごとだ、と。しかも、設計、建設に加えて運行管理まで中国の技術の採用を求めているという。 タイに限らず、鉄道に限らず、日中それぞれにカードをちらつかせながら、似たようなかけひきが日々、繰り広げられているのだろう。 いっぽう、日本は民主や自由を重視する「価値観」を独裁国家・中国との差別化に使いつつ、米国などが距離をおく暫定政権の首相の来日を受け入れる。その「矛盾」の背景には、経済界の要請のみならず、中国とタイの距離を気にする側面があるはずだ。 「タイは日本とも中国とも良い関係です。あまりきかれたくない」。よどみなく経済政策を語っていたプリディヤトーン氏が、ちょっといらついたような、困ったような表情をした場面があった。 中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、しつこくたずねた時だ。否定的な日本に対して、タイなど東南アジアの国々は早々に加盟を決めている。 中国の台頭に向き合うアジア。あちこちで「てんびん」を揺らしながら、新たな均衡を探っている。中国依存を強める韓国は今後どう変わるのでしょうね?中韓同盟軍と対峙する日本という構図は見たくないのですが。2015.1.18く中韓急接近 済州島が映す異なる視座>より 韓国の「ハワイ」とも呼ばれる済州島。世界自然遺産の韓国最高峰、漢拏山(ハルラサン)のふもとに、高級チャイナタウンが姿を現しつつある。 「熱烈歓迎参観」。ハングルではなく、赤い漢字がおどる。中国の不動産大手「緑地集団」が手がけるマンション「漢拏山小鎮」。1戸約200平方メートルが、約9億ウォン(約9800万円)する。 「お客は中国人です」。ショールームの中国人社員は、明言する。微小粒子状物質PM2.5の数値を北京や上海と比べた広告で、環境の良さも強調している。2013年から400戸を売り出し、8戸を残すのみという。 島に住む翻訳家の男性(40)はこぼす。「高台の高級マンションから、中国人に見おろされている気分だ」。娯楽施設など周辺であいつぐ開発計画をめぐって、環境破壊を懸念する声もあがる。 韓国紙中央日報によれば、中国人が所有する済州島の土地面積は、14年6月までの4年半で約300倍に。外国人全体の43%を占め、国別では米日を抜いて首位。5億ウォン以上投資すれば永住権につながる居住権を得られる制度も、中国人をひきつける。ホテルや店舗への投資もさかんだ。 観光が重要な収入源の島で、外国人客の9割近くが中国人。中国語が飛び交う免税店のそばで、「罰金」を示す看板に目がとまった。 信号無視は2万ウォン、たんをはいたら3万ウォン、あたりかまわず大小便をしたら5万ウォン――。中国語と英語、ハングルで記されている。近くの店員は「中国人観光客を意識したものです。マナーが良くない人もいる。でも大事なお客様ですからね」。 中国経済が急減速したり、関係悪化で中国政府が観光や投資を抑えたりしたら、島はどうなるのか。人口約60万人の済州島は、複雑な思いを抱きながらも中国依存を強める韓国の「最前線」にみえる。 訪韓外国人の4割強が中国人で、14年も前年比4割増の勢い。中国からの直接投資(申告ベース)も2.5倍に膨らんだ。成長を輸出に委ねるなか、中国との貿易額は日米との合計を上回る。金融面でも、外貨預金に占める人民元の割合は11年の1%弱から3割に急増し、いまやドルに次ぐ存在である。 経済に歴史認識……。日本からみると怖いほどの韓国の中国への接近ぶりを、木村幹・神戸大学教授(朝鮮半島研究)は「現政権の志向ではなく、構造的なもの」と指摘する。安全保障面でも、韓国は米中関係を「共存」と認識しており、「対立」を軸に考える日本とは外交の前提となる国際環境が異なる、と。 視座を変えて相手が見ている風景を想像してみる。正否ではない。そこに、対話の糸口があるかもしれない。ここで以前のインタビュー記事を紹介します********************************************************************<吉岡桂子記者の渾身インタビュー記事>中華文明に関する吉岡桂子記者渾身のインタビュー記事を紹介します。・中国、権力と文学閻連科2015.2.06・政治化するナショナリズムワンチョン2014.11.15・中国、成長の罠香港大学教授2014.02.26・中国の「不動産バブル」大手不動産会社トップ2014.01.28・中国 国有企業の行方張維迎2013.11.07・中国と影の銀行張維迎2013.8.02朝日新聞の吉岡記者といえば、チャイナウォッチャーとして個人的に注目しているわけで・・・・その論調は骨太で、かつ生産的である。中国経済がらみで好き勝手に吹きまくる経済評論家連中より、よっぽどしっかりしていると思うわけです。波聞風問一覧に吉岡記者の中国論が載っています。<吉岡桂子記者の渾身記事9>
2015.02.08
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フランスで、テロ事件のあと湧き起こった『私はシャルリーだ』メッセージには、日本人として全面的に賛同できない違和感があるが・・・高橋源一郎氏が、エマニュエル・トッドの言葉を借りて、その違和感を紹介しています。エマニュエル・トッド2015/01/29熱狂の陰の孤独「表現の自由」を叫ぶ前により 「表現の自由」が侵害されたとしてフランス中が愛国の感情に沸き立つ中で、フランスを代表する知の人、エマニュエル・トッドは、インタビューにこう答えた。「私も言論の自由が民主主義の柱だと考える。だが、ムハンマドやイエスを愚弄し続ける『シャルリー・エブド』のあり方は、不信の時代では、有効ではないと思う。移民の若者がかろうじて手にしたささやかなものに唾を吐きかけるような行為だ。ところがフランスは今、『私はシャルリーだ』と名乗り、犠牲者たちと共にある。私は感情に流されて、理性を失いたくない。今、フランスで発言すれば、『テロリストにくみする』と受けとめられ、袋だたきに遭うだろう。だからフランスでは取材に応じていない。独りぼっちの気分だ」 トッドを「独りぼっちの気分」にさせたその国ではなにが起こっているのか。「移民2世や3世のイスラム教徒の若者は権利を奪われ、チャンスも未来もないと感じている。殺伐とした高層住宅が並ぶパリ郊外の貧困地区には、多くのイスラム系住民が暮らす。よほどの幸運か意志がなければ、そこを抜け出すのは不可能に近い」とジャニーン・ディジョバンニは書いた。 ヨーロッパは多元的な文化の融和を目指してきた。だが、それは困難に直面している。「イスラム国」に象徴される、イスラム過激派を表立って支持する者はいない。だが、竹下誠二郎によれば、ある調査は「フランスでのISIS(イスラム国)への支持率は16%に達するが、移民のルーツを持ち、社会的に隔離されているか失業している若者に至っては27%にもなる」と伝えている。 ヨーロッパの移民社会の若者たちは貧困と差別の中で、行き場を失いつつある。明るい希望がないなら、せめての希望は、自分を受け入れない豊かな社会が壊れる情景を見ること、となるだろう。 この、社会の深刻な分裂を糧にして、移民を排斥する極右は不気味に支持を伸ばしている。だが、これらすべては、わたしたち日本人にとって「対岸の火事」ではない。この国でも、貧困と差別は確実に拡大しつづけているのだから。違和感は、結局、貧困と差別や、移民やヘイトスピーチと関連しているわけですね。トッドの寛容さ、優しさはフランス人離れをしているほどだと思った次第です♪
2015.01.30
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