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自衛隊の次期戦闘機にF35が決まったようですね。 やはり最先端の性能(ステルス性)が決め手のようで、高くても性能を重視する軍人の思考が貫かれたようで・・・・仮想敵国の殲20と対抗するには妥当といえなくもないですね。だけど、アメリカが技術流出を嫌がっているように、思惑どおりに防衛産業育成につながるかどうかは不透明のようです。12/14次期主力戦闘機:F35固まる 中国見すえステルスより 航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に、当初から有力視されていたステルス機F35が採用される方針が固まった。ステルス機の開発を進める中国に対抗する狙いだ。一方、F35は生産技術に非開示部分が多く、製造や修理に参画して国内防衛産業の育成につなげたい防衛省の思惑通りになるかは未知数だ。 F35の最大の特徴は敵のレーダーに探知されにくい高度のステルス性能だ。空自のF15とF4は07年、沖縄県周辺で行われた米空軍の最新鋭ステルス機F22との戦闘訓練で、相手を発見する前に攻撃され完敗。空自幹部は「大人と赤ん坊ほどの違いだった」と振り返る。防衛省はF22導入を検討したが、技術流出を恐れた米国による禁輸や生産中止を受け09年に断念した経緯があり、ステルス機導入は空自の悲願だった。 背景には、台頭する中国への強い警戒感がある。中国空軍は1月にF35と同じ第5世代機のステルス機「殲(せん)20(J20)」の試作機の試験飛行に成功。「国土防空型」から「攻撃兼備型」への転換を加速しており、中国機に対する空自の緊急発進(スクランブル)は、今年4~9月の半年間で、前年同期比3・5倍の83回に急増した。 防衛省が懸念するのが、国内防衛産業の技術基盤の衰退だ。F2生産には主契約者の三菱重工業のほか、下請けも含め約1200社が参画していたが、既存の機種の修理だけでは、防衛産業全体を維持するのは難しい。戦闘機生産から撤退を決めた企業もある。 F35も国内でのライセンス生産の見通しは立っていないが、空自幹部は「詳細な情報が開示されなくても、最先端技術に直接触れる意味は大きい」と力説する。だが国内企業が関与できる部分が少なければ、それだけ部品調達や修理を米国側に頼ることになり、部隊の運用に影響する恐れもある。 政府は武器輸出三原則の見直しを検討。11月末から外務、防衛両省などの副大臣級会合で議論を重ねている。しかし、三原則見直しには民主党内に根強い慎重論があるほか、臨時国会で一川保夫防衛相が参院で問責決議を受けたことに野党が反発を強めており、見直しの行方は不透明さを増している。ところで、国産ステルス機ができないわけではなくて、日本製ステルス機「心神」という計画もあるようです。ただ、武器輸出のできない日本で国産するとなると、べらぼうに高いものにつくし、今後どうなるでしょうね。日本製F2の実績など勘案して具体化を検討するんでしょうけど。11/18日本製ステルス機「心神」、5年後の初飛行目指す=英誌より 米国のステルス戦闘機F-35の調達を進めてはいるが、日本は国産ステルス機の開発を放棄したわけではない。英ジェーン・ディフェンス・ウィークリー(JDW)は16日、防衛省技術研究本部と三菱重工はまもなく先進技術実証機「心神」(ATD-X)を公開すると報じた。日本航空自衛隊の吉岡秀之氏は「日本のステルス戦闘機開発には何の問題もない。われわれは優れた戦闘機を生み出す」と語った。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。 防衛省は年内にも三菱重工とATD-X製造契約を結ぶ予定で、すでに同計画に5億500万ドルの開発費を投入している。初飛行は2016年の予定。吉岡氏は、「2016年の初飛行は日本の航空事業にとって非常に重要」とし、「日本の既存のレーダー基地で、現役の第3世代、第4世代戦闘機は探知可能だが、中国の殲20やロシアのT-50など今後、周辺国で就役する第5世代戦闘機に対応可能かはまだわからない」と話す。 ATD-Xは主に日本が自主開発した航空機のステルス材料、先進的機動性、エンジン、レーダー、飛行制御など数々の技術検証に使われる。同計画は当初、米国の技術介入を避けていた。その理由は、日本がF-2支援戦闘機を開発中、日本に近代戦闘機の技術を掌握させないよう、米国が横やりをいれ、多くの政治問題や経済問題が起きたからだ。ATD-Xは、エンジン2台、三角尾翼、推力ベクトル、先進的なアクティブフェーズドアレイレーダーを装備し、米F-22に類似した点が多い。 防衛省はATD-Xを基礎に、先進的な軍事航空技術を手に入れ、情報化、スマート化、クイック・レスポンス、対ステルス性能を備えた第6世代の「3i戦闘機」を開発し、現役のF-2戦闘機の後続機として、航空自衛隊の次世代の制空攻撃主力機種にしたいと考えている。ATD-Xはすぐに日本の次世代戦闘機になるわけではないが、F-2の後続機のステルス技術や操作性を検証するのに重要な役割を果たすとみられる。 防衛省は新戦闘機の開発に燃えているが、日本の経済状況や差し迫った戦闘機配備の必要から、日本は最終的に米製F-35の調達を優先させるだろう。F-2の事例があるため、ATD-Xが将来、本当の意味で日本の国産戦闘機になるかまだわからない。テクノナショナリズムに目覚めた大使としては心神頑張れ!! という気もするのですが。12/21日本政府、F35配備を正式に決定より 財政難の中にあっても、日本政府が最も高額なF35を選択したのは、周辺国をけん制するためだ。中国とロシアは、それぞれ開発中のステルス戦闘機「殲20」「T50」を2015-16年に実戦配備することとした。従来の戦闘機では相手にならないほどにステルス戦闘機の威力は優れている、というのが専門家の評価だ。06年に米国アラスカで行われた模擬空中戦では、ステルス戦闘機(F22)1機が、米空軍の主力戦闘機F15・F16・FA18合わせて144機を撃墜したと見なせる成果を挙げている。周辺諸国が全てステルス戦闘機を配備するとしたことで、次世代戦闘機(F-X)を来年決定する韓国にも影響が及ぶ見込みだ。 一方、20日付の日本経済新聞は、三菱重工業とIHI、三菱電機の3社がF35の翼、エンジンなどの部品を生産することになったと伝えた。防衛省側は「全体の40%程度を日本企業が生産することになり、ステルス技術も一部公開されるだろう」と語った。これは、日本が2016年の完成を目標として独自に進めている先進技術実証機(ATD-X)「心神」の開発にも役立つ見込みだ。
2011.12.15
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モンサントをTPPと絡めた主張に巡りあったのです・・・・おお わが意を得たりやで♪「TPPのための米国企業連合」にモンサントは名を連ねていて、しかも主役級だとか・・・・こんな情報を、なぜ大手メディアが報道しないのでしょうね?10/15「世界に打って出る」ならTPPよりASEAN+6だより 政府は、日本が「世界に打って出る」ためにTPP参加が必要だと主張するが、まさに「世界に打って出る」ならASEAN+6EPA構想の方がより戦略的であり、日本にとっての国益だ。政府構想も指摘する通り、何よりもTPPとASEAN+6とでは抱える人口が桁違いだ。TPP(シンガポール・ブルネイ・チリ・NZ・米・豪・ベトナム・ペルー・マレーシア)の合計は5億人。対するASEAN+6(インドネシア・シンガポール・タイ・フィリピン・マレーシア・ブルネイ・ベトナム・ミャンマー・ラオス・カンボジア+日中韓印豪NZ)の合計は33億人。 TPPにあってASEAN+6にない国は、米・チリ・ペルー。ASEAN+6にあってTPPにない国は、インドネシア・タイ・フィリピン・ミャンマー・ラオス・カンボジアそして日本・中国・韓国・インド。 インド・中国を含むASEAN+6の巨大市場は、日本に無限の可能性を与えるものだ。一方、米国が、日本をTPPに巻き込み、日本を通してASEAN+6の巨大市場を取り込みたいと考えるのは想像に難くない。 しかし日本はTPPを決して甘く見てはならない。前原誠司氏はTPP慎重派を事実に基づかない議論をする「TPPおばけ」と揶揄したが、事実に基づかない妄想を抱いているのはどっちの方か。米GMOメジャー「モンサント」が米政府と一体となってアルゼンチン、メキシコ、パラグアイ、インド、イラクの食糧主権・農業主権を奪った「事実」に基づけば、日本がTPPに参加する行為は、まさにカモがネギをしょって罠に落ちる姿そのものである。 外国市場での障壁撤廃のために「強い保護」と「最大限の市場アクセス」を求めた「TPPのための米国企業連合」にモンサントは名を連ねる(主役)。「TPPのための米国企業連合(米国1%の支配層)」は、2011.2.3、ジーン・スパーリング国家経済会議委員長宛ての文書で、自分たちに絶対優位にTPP交渉を推し進めるよう強く要請している。TPPでの日米winwinなどあり得ないことは、既にはっきりしているのだ。TPPに慎重な民主党191名の国会議員は、ただ署名をするだけでなく、米エージェントの前原誠司氏らTPP推進派を、「ASEAN+6」戦略で論破すべきだ。TPPよりASEAN+6を重視する戦略は、まったく真っ当であり・・・・アメリカに対する最強の切り札であり、これを交渉に使わない手はないのだ!なお、このブログのぬしは、補欠繰り上がりで参議院議員になったばかりとか・・・応援せなあかんな♪ウィキペディアで「はたともこ」さんを見ると参院比例中国区で11月10日に繰り上げ当選した、新人議員です。・・・・期待してみましょう。アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕たちの正体を見てみると・・・・・アメリカ政府が開設しているTPP公式サイト「Trans-Pacific Partnership | Office of the United States Trade Representative」なんてのがありますね。また、TPPによってアメリカがどれぐらいの恩恵を受けるのかというFAQをまとめたPDFファイルまで用意されており至れり、尽くせりであり・・・・日本とは準備の違いが歴然としています。(まさに、飛んで火に入る夏の虫状態です)
2011.11.29
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農水省がモンサント社の遺伝子組換え農作物の審査結果について、パブリックコメントを募集しています。この分野のシロウトではあるが、TPPが控えるこの際、なんとしてもモンサント社の侵入を阻止したいので、農水省のプレスリリースから欺瞞性を究明すべく調べてみます。プレスリリースより農林水産省は、遺伝子組換え農作物の食用又は飼料用のための使用等に関する承認申請(セイヨウナタネ1件及びトウモロコシ2件)を受け、生物多様性影響評価を行いました。学識経験者からは、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。これらの結果に基づいて生物多様性影響が生ずるおそれはないと判断しました。これらの審査結果について、国民の皆様からのご意見をいただくため、平成23年11月25日(金曜日)から平成23年12月24日(土曜日)までの間、パブリックコメントを実施します。<本件に関する審査結果>これらの審査に当たっては、カルタヘナ法、標準手順書等に基づき、生物多様性影響評価を行いました。学識経験者からは、承認申請のあった第一種使用規程に従って使用した場合に、生物多様性への影響がある可能性はないとの意見を得ました。 モンサント社の除草剤グリホサート誘発性雄性不稔及び除草剤グリホサート耐性トウモロコシの審査結果詳細が農作物分科会における検討の結果に見られます。これは、巷で言われるように「御用委員会による審査結果」ではないか?と大使は勘ぐるわけです。・・・で、分科会委員と問題点を調べてみます。<農水省が選んだ御用委員>・井出雄二:東京大学教授・小野里坦:松本微生物研究所技術顧問・近藤矩朗:中央大学教授・佐藤忍:筑波大学教授・嶋田正和:東京大学教授・武田和義:香川大学監事・中川原捷洋:OECD作業部会副議長・矢木修身:日本大学教授<問題点>モンサント社は、過去、意図的に虚偽のデータを提出したことがあるが、今回、御用委員がそれを見抜くことができたか疑問であるし、見抜く気もないのではないかと勘ぐるわけです。このあとシロウトの大使としても、鋭意、精査するものとします(できるかな?)「遺伝子組み換え食品最前線」渡辺雄二著、家の光協会、1998年刊<モンサント社の虚偽報告>p107~112 遺伝子組み換え作物の場合、実質的同等性そのものが、成り立たないケースがある。それが明らかになったのは、モンサント社の害虫抵抗性トウモロコシのアミノ酸組成をめぐる問題からだ。 遺伝子組み換え作物の安全性評価は、開発企業が組み替え作物に関するデータを厚生省に提出し、それを食品衛生調査会が、安全性評価指針に基づいて行っている。つまり、すべて企業側が提出したデータで判断されるのだ。 これがそもそもの大きな問題である。企業側が自分たちにとって都合の悪いデータ、すなわち安全性の確認の障害となるようなデータをわざわざ出すとは考えられない。これでは、客観的なデータに基づいた正しい評価を行うことができない。 さらに、企業側が意図的に虚偽のデータを提出することもある。これが実際に起こったのである。(中略) 実質的に同等かどうかの判断は組み替えを行ったトウモロコシと、行う前のトウモロコシを比較して行うのが当たり前である。ところが、モンサント社では、わざわざそれとは別のトウモロコシと比較している。ここにある意図が働いているのは明らかである。このことからも、企業が提出したデータは信用できないことがわかる。(中略) 前のデータを冷静に客観的に判断すれば、原文データから、アミノ酸組成が組み替え前と組み替え後のトウモロコシでは差があり、実質的に同等とはいえないことは明らかだ。モンサント社が行った分析データは、別のトウモロコシを使ったものであり、信憑性に欠ける。当然こうした解釈になるはずである。 ところが、寺尾部会長は、こうしたデータをねじ曲げ、モンサント社に都合のいいような判断を示している。科学者としてまことに情けないと思う。厚生省も、寺尾部会長と同様な判断である。 結局、日本の行政は、アメリカに逆らえないということなのだろう。もし、組み換えトウモロコシを安全と判断しなければ、アメリカ政府が圧力をかけてくることは目に見えている。それを恐れているのだろう。<注:大使のこの記事の脆弱性等について>・多分、実質的同等性あたりが核心だと思うけど、大使には知見が乏しい。・大使が勝手に御用委員と呼んでしまったけど、構成、委員の適格性を判断する知見がない。・環境省、厚労省でも、別の観点から審査しているかもしれないので、調べてみます。・このあと審査報告書(資料3)を良く読んでみます。「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)について生物多様性影響評価検討会総合検討会委員名簿/農水省生物多様性影響評価に関する学識経験者名簿遺伝子組換えセイヨウナタネ及びトウモロコシの第一種使用等に関する承認に先立っての意見・情報の募集/環境省第一種使用規程が承認された遺伝子組換え農作物一覧(平成23年9月2日現在)第1種使用規程承認組換え作物より2004年2月から施行された、遺伝子組換え生物の取り扱いを定めた「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律」(カルタヘナ法)に基づいて、遺伝子組換え生物の取り扱いは、「第一種使用等」と「第二種使用等」とに区別される。 「第一種使用等」は、遺伝子組換え生物の環境中への拡散を防止しないで行う使用(隔離されていない開放系での使用)を指し、実験段階では、隔離ほ場(模擬的環境ほ場)・一般試験ほ場、商業段階では、農家ほ場などでの使用がこれに該当する。 「第1種使用規程承認組換え作物」は、農林水産大臣・環境大臣から、上記のような開放系での使用を承認された作物を指す。承認を得るためには、様々な環境影響評価を実施する必要がある。 「第二種使用等」遺伝子組換え生物等を施設内等で使用する者に対しては、適切な拡散防止措置をとることが義務付けられている。 遺伝子組み換え食品FAQより Q:遺伝子組み換え食品の、国の管轄はどこ?A:食品としての安全性評価は厚生省です。環境影響評価と餌の安全性評価は農水省です。表示については、両省がそれぞれ管轄しています。 Q:「実質的同等性」は正しいのか?A:「実質的同等性」とは、企業が遺伝子組み換え食品を売りやすくするためのゆるい安全基準です。開発企業の強い要望で採用されました。国際機関では、この評価では消費者の安全は守れないということで、新たな評価システムを今年から検討し始めているところです。 非遺伝子組み換えトウモロコシ種子の開発・供給に関する米国大手種子メーカー(パイオニア社)との業務提携について より JA全農は、米国大手種子メーカーであるパイオニア社(デュポングループ)と、平成23年1月10日、米国において非遺伝子組み換えトウモロコシ(以下「NON-GMOトウモロコシ」と表記)種子の長期にわたる開発・供給の業務提携について合意しました。 これにより、遺伝子組み換えトウモロコシの作付けが拡大する中、日本の飼料および食品加工原料のニーズにこたえる為、かねてからすすめてきた米国の生産農家との供給契約に加え、将来にわたって種子を確保することで、NON-GMOトウモロコシの持続的な生産・供給が可能になります。【業務提携内容】 1.目的 日本向けNON-GMOトウモロコシの長期安定供給2.提携先 パイオニア社(デュポングループ、米国アイオワ州ジョンストン) 代表者 :Paul E . Schickler (ポール E.シックラー)設立 :1926年事業内容:穀物種子・油糧種子の開発・販売3.協定 (1)締結者 JA全農/パイオニア社(2)期間 2011年~2015年(5か年間)(3)内容 NON-GMOトウモロコシ種子の開発・供給(4)目標数量 50万トン/年(収穫高ベース)参考資料 何故日本の研究者はこんなに御用学者ばかりなのか遺伝子組み換え作物の現状と課題GM作物が生み出した新たな病原体初めに結論ありき?の薬事・食品衛生審議会
2011.11.28
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ベトナムとブラジルの森林破壊を進め、遺伝子組み換え大豆による狂豆病を蔓延させたモンサント社とは何か?モンサント社を裁けないアメリカとは何か?TPPという隠れ蓑の裏から、日本の食・環境を狙うモンサント社の手口をモンサント、ブラジルの遺伝子組み換え大豆「開国」の手口に見てみます。1998~2005年、モンサントによる憲法骨抜き ブラジルはかつて世界最大の非遺伝子組み換え大豆の輸出国だった。遺伝子組み換え大豆の耕作は禁止されていた。しかし、現在ブラジルでは75%ほどの大豆が遺伝子組み換えとなってしまった。 遺伝子組み換え大豆の栽培はルラ前大統領の前のフェルナンド・エンヒキ・カルドーゾ(FHC)政権時代の1998年にアルゼンチンから遺伝子組み換え大豆の種子が国境沿いのマトグロッソドスル州に非合法に持ち込まれることで始まった。 持ち込まれた遺伝子組み換え大豆はいわば密輸品であり、FHC政権は持ち込まれた大豆を即時に処分し、持ち込んだ関係者の処罰をする義務があるにも関わらず、実際には遺伝子組み換え大豆の耕作実態をつかむ調査すら十分には行わなかった。そのためにどれだけ広範囲に遺伝子組み換え大豆が持ち込まれたのか正確につかむことができない。 地方では大土地所有者の力は強く、マトグロッソドスル州では特にその傾向が強い。行政の力は時に弱く、地方の権力者の協力を得てしまえば、非合法行為もなかなか処罰されない傾向がある。こうして大土地所有者への密輸という方法を通じて、モンサントはブラジルを遺伝子組み換え大豆生産国に強引に変えて、それを既成事実化してしまったのだ。<政治をめぐる攻防ー憲法を無視する法案> 同時にモンサントが試みたのは強力なロビー活動を通じての法律の変更だ。1998年、モンサントは除草剤Roundupに耐性のある種子Roundup Ready大豆の バイオ食料国家技術委員会(CTNBio) による承認を勝ち取った。 しかし、これに対して、Greenpeaceブラジルと消費者保護協会(IDEC)はモンサントとブラジル政府を相手に訴訟を起こし、この承認の取り消しを求めた。この訴訟はGreenpeaceらの側の勝利となり、1998年から2003年まで、遺伝子組み換え大豆の栽培はモラトリアム(停止処分)となった。 2002年、大統領選挙で労働者党のルラは「環境と生活の質」をテーマに掲げ、非合法の遺伝子組み換え大豆の耕作の停止を公約した。大統領選でのルラの勝利で、環境問題、農業問題に取り組む広範な人びとから、遺伝子組み換え作物の栽培禁止の継続の期待が高まった。しかし、議会で影響力を強く持つ大土地所有者、アグリビジネスの利益代表者に対して、ルラ政権は妥協を重ねた。 (中略) 遺伝子組み換え大豆を連邦政府が承認する決定を行った後、ブラジルで2番目の大豆生産量を誇るパラナ州政府が、遺伝子組み換え大豆の州内栽培、輸送、船積みを禁止する法律を制定した。それに対して、リオグランジドスル州政府は最高裁に、パラナ州政府を訴え、パラナ州政府の遺伝子組み換えを禁止する権限は否定されてしまった。<一国の主権が、憲法が骨抜きに> モンサントのまったくの非合法な行為がブラジルの地方寡占勢力と結びつくことで、なし崩し的に承認され、その後のバイオセキュリティ法の成立過程で憲法が次々に骨抜きになっていく様がはっきり見える。(中略) 2005年3月、ルラ大統領が署名し、成立したバイオセキュリティ法では、遺伝子組み換え作物を栽培したり、商業化したい企業は、バイオ食料国家技術委員会に請求を出せばよく、委員会が承認の評価をすればバイオ食料国家審議会が最終判断を行うというものとなり、最終的に憲法で規定された環境や人間の健康に与える影響調査の義務も不要とされてしまった。この法の下では保健省と環境省は以前持っていた遺伝子組み換え種の自由化に対してそれぞれの領域で調査を行い、影響を評価する権限も失われた。2010年、Soja Livre(自由な大豆)計画に希望を見る。日本は果たして?<ブラジル社会の反応とブラジルにおける遺伝子組み換え食品表示規定> 2003年12月の調査によるとブラジル社会は92%が遺伝子組み換え食品の表示は必要と考え、74%は遺伝子組み換え食品を食べたくないと考え、73%が遺伝子組み換え作物の自由化に反対であるとなっており、遺伝子組み換え技術に対しては強い反対がある。 遺伝子組み換え問題は98年以来、ブラジル社会での大きな論争点であり、前述の通り、大統領選での大きな争点にもなった。遺伝子組み換え大豆のモノカルチャーの拡大は環境問題のみではなく、農地改革や地方の人権問題にも密接に関わるため、広範な社会運動団体やNGOが取り組んでいる。土地なし地方労働者(農園労働者)運動(MST)は遺伝子組み換え大豆問題を大きくとりあげ、非合法に植えられている遺伝子組み換え大豆畑の大豆を破壊する直接行動にも訴えている。 2004年3月26日、遺伝子組み換え食品の表示規定を定めた政令が有効になり、1%を超える遺伝子組み換えの原料を含む人あるいは家畜用の食品には遺伝子組み換えの表示をすることが義務づけられた。これは日本の表示基準よりもはるかに厳しいものだ。しかし、ブラジル政府はこの政令の完全な実施をする具体策を示していない。<広がる不安-大豆モノカルチャーの拡大、除草剤被害、そして狂豆病> 遺伝子組み換え大豆の生産が本格的に始まり、おりしも、気候変動問題でバイオ燃料の採用を先進国が決めたため、バイオ燃料の原料としての大豆の需要が伸びている。現在(2010/11)では75%程度が遺伝子組み換えとなっているとされるが、さまざまな問題が持ち上がっている。 大豆増産のための農地開拓の矛先は森林の破壊であったり、先住民族や小農民の土地からの追い出しであったり、さまざまだ。また、大規模な大豆農場は軽飛行機で除草剤を撒き、大型コンバインで収穫するため、広大な土地で生まれる雇用はわずかだ。モノカルチャーは自然と同時に社会を破壊する。追い出された先住民族と小農民は日雇い労働者として劣悪な労働条件で働くか、都市スラムへと流れ込むか、選択は限られてしまう。 さらに追い打ちをかけるのが、遺伝子組み換え大豆の導入と同時に増加したモンサントの猛毒除草剤(その起源はベトナム戦争時の枯れ葉剤だろう)の使用である。除草剤に汚染された水を飲む周辺住民からベトナム戦争の時にたくさん生み出された先天性欠損症などの健康被害が続発している。 また、遺伝子組み換え大豆に狂豆病と名付けられた、狂牛病と同様に治癒不可能な病気が広がっているという。<大豆生産農家からも非遺伝子組み換え大豆を求める動き> 遺伝子組み換え大豆は遺伝子組み換え種子と除草剤を売る遺伝子組み換え企業には利益を与えるが農家にとっては除草剤の負担や種子のロイヤルティの支払いなど負荷が大きい。Roundup Ready大豆の除草剤が結局効果を発揮しないという大きな問題も発生している。しかも、消費者が求めるのは、非遺伝子組み換え大豆であり、遺伝子組み換え大豆を一度選択した農家も非遺伝子組み換え大豆を要望するようになってきている。 しかし、大豆種子の流通を独占するようになったモンサントは非遺伝子組み換え大豆の供給を制限し始めて、農家から不満が高まっている。この声に押されるようにブラジル政府はSoja Livre(自由な大豆)計画を2010年に発表した。これは遺伝子組み換えでない大豆の栽培を後押しするもの。 ヨーロッパから遺伝子組み換えでない大豆をブラジルに求める市場の要求は実はかなり高い。決して、ブラジルは遺伝子組み換え大豆にそまったわけではなく、非遺伝子組み換えに活路を求める農家も存在している。<結語> 昨年の大統領選挙と同時に行われた総選挙では大土地所有層、アグリビジネスの利益代表者は相次いで落選した。ブラジルの民主化はルラの着任時よりもさらに進んでいる。 この遺伝子組み換えの「開国」はブラジルの民主化の進みきらない過程の中で、モンサントと寡占大土地所有者の連携によってぎりぎりのところで生み出されたクーデタのようなものといえよう。実際に検証すれば、この過程は法的プロセスとしても整合性を持たず、抜け駆け的な動きの連続でしかない。 正当に真正面から国会審議で検討され、しかるべき公聴会などで市民の参加も得て議論されていれば、現在のような形で遺伝子組み換えが合法化されることはありえなかったであろう。 ルラ政権はブラジル政権として始めて反貧困に積極に取り組んだ政権であり、評価されるべき部分も少なくないが、モンサントと大土地所有者に対しての妥協は後世に残る汚点となったといわざるをえない。 そして、その結果、モンサントの開発した大量の猛毒グリフォサートがブラジルの大地にまかれ、環境を汚染し、社会的にも先住民族や小農民に大きな苦しみを生み出すことになってしまった。この解決はさらに長い時間を必要とするだろう。<日本は果たしてこの「開国」要求に対して、どう対応すべきだろうか?> 日本の農林水産省は12月24日から遺伝子組み換え大豆栽培の承認を前提としたパブリックコメントを始めている。これに対して、アジア太平洋資料センター(PARC)が市民からコメントを集めるオンラインキャンペーンを開始している。多くの方にご注目をよびかけたい。http://act.parc-jp.org/cyber/gmo_pubcom/index_html印鑰 智哉日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありませんとのことで、取り扱い注意です。農水省から11/25~12/24期限で遺伝子組換えセイヨウナタネ及びトウモロコシの第一種使用等に関する審査結果についての意見・情報の募集についてとパブリック・コメントを募集しているが、これは大変なので注目しています。なお、農水省のプレスリリースに審査結果が出ているが、TPP前の駆け込み審査では?といらぬ疑心暗鬼におちいるのです。12・7 「もう、だまされない!未来を奪う、原発・TPP」市民集会ご案内遺伝子組み換え食品コラム・目次「遺伝子組み換え食品最前線」花はどこへいった
2011.11.27
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先日、日刊ゲンダイの「なぜTPPを推進するのか 経団連米倉会長 ボロ儲けのカラクリ」を引用、紹介したが・・・・またまた、【TPPの真実】シリーズから引用します。民主党の慎重派の勉強会への侵入レポートなのかもしれないが・・・これまたお手柄♪(TV放送を見て書いた記事かも?)11/21TPPの黒幕 経産省女性官僚がやったコトより マイクを握り、身ぶり手ぶりで説明する女性官僚。彼女こそ、いま、TPPの黒幕と呼ばれる宗像直子・経済産業省通商機構部長(グローバル経済室室長)である。 なぜ、彼女が黒幕と呼ばれるのか。 日米で言った言わないでモメている野田首相発言、「日本は全ての物品サービスを(TPPの)貿易自由化交渉のテーブルに乗せる」というセリフ。これは経済産業省が事前に用意したペーパーに書かれていて、これを作成したのが宗像なのである。 問題のペーパーはAPECのためにハワイに先乗りした枝野経産相にカーク米通商代表との会談用として渡された。たまたま枝野に密着していたテレビが映したことで、存在がバレた。その後、枝野はカーク通商代表との会談に臨み、あとからハワイ入りした野田首相はオバマ大統領と会談、交渉参加に向けた協議に入ることを表明した。枝野も野田もペーパーに書かれているような発言をしていないと言うが、米国は、野田がこのペーパーに沿ったセリフを表明したと発表。で、宗像は与野党のTPP慎重派から吊るし上げを食らっているのである。 「18日に開かれた民主党の慎重派の勉強会にも呼ばれて、経緯を聞かれていました。宗像氏は首相の会見前に用意した発言要旨だったとし、首相の会見のあと、その趣旨を反映させたものに差し替えなかったため、ペーパーが残ってしまったと言い訳しました。でも、外形的にはTPP参加の旗振り役である経済産業省が極めて前のめりの参加表明文書を作り、それが米国に伝わって、日本の見解として発表されてしまったとしか見えない。それに対して、日本は訂正すらも求めていないのだから、おかしな話です。本当に差し替える気があったのか。経産省が交渉で、そう言わせようとしたのではないか。枝野氏はその通りの発言をしているのではないか。疑惑は尽きないし、“違う”と言うなら、枝野大臣とカーク通商代表との議事録を公表するか、『米側の発表は誤り』と日本から声明を出すべきです。宗像氏本人か、上司か、大臣か。誰かが責任を取らなければ、慎重派も収まらないと思います」(ジャーナリスト・横田一氏) 今回はたまたまTVが映像を撮っていたからよかったものの、それがなければ、交渉の裏で役人が勝手に何をやっているかわかったもんじゃない。そう思うと、ホント、日本の官僚は恐ろしい。 宗像氏は東大法卒、ハーバードでMBAを取得した後、1984年通産省に入省した。通商経済政策局経済協力課、総務課課長補佐などを経て、ブルッキングス研究所やジョージワシントン大で研究をした。新自由主義に染まった役人の身勝手な暴走は許されない。たしか日本側から『米側の発表は誤り』と声明を出したけど、米側から「知らない」と軽く一蹴されたはずですね。それより、気になるのは、MBAを取得した官僚のへたれ具合である。だいたい、東大を出てアメリカに渡り、MBAを取得したような人に、弱者の痛みなどわかるはずないし、格差の導入に対する危機感がないと思うのだ!(大使 ひがみ根性が出てるで)リベラルを標榜する高給紙はどうも上から目線であり、TPPに関する調査報道が少ないし、記者クラブからおこぼれの政府広報ばっかりのようです。ということでTPPの真実バックナンバーなど、読んでみます。11/1夢も希望もないのが真相 米国の貧しい属州となる運命より しかも、TPPは日本にとってひとつとしてメリットがない。絶対に仲間入りしてはいけない協定だ。京大大学院准教授の中野剛史氏は、こう言った。「TPPで日本の工業品の輸入は増えると強調していますが、TPP交渉参加国の9カ国に日本を加えたGDPは、全体の7割が米国で2割を日本が占めます。残りは1割程度だから、日本が輸出できる相手は米国ぐらいになる。しかし、その米国の関税はすでに低く、日本企業の現地生産も進んでいます。しかも、オバマ大統領が5年間で輸出を倍増すると宣言した。『世界にメード・イン・アメリカを売る米国に戻ろう』と訴えている。そんな国を相手に、日本が輸入を増やせるわけがないのです」 万が一、関税の撤廃で輸出が増やせたとしても、一時的なものだ。貿易黒字が増えれば円高圧力が強まる。数%の関税がゼロになったところで、円高が進行すれば、値下げ分など軽く吹っ飛んでしまう。輸出を増やしたい米国は、せっせとドルを刷り、ドル安誘導するからなおさらだ。価格競争にさらされている日本製品は、ひとたまりもない。結局、企業が生き残るには、海外に移転して現地生産するしかないのだ。 TPPに入っても、産業の空洞化は避けられないし、雇用も失われる。「将来のために」と連呼する連中は国民の将来を考えない。「国民のために」と連呼する政治家が信用できたためしはないのだ。「自由競争になれば日本の農業も強くなるとか、いい品種ができれば生き残れるとか、希望的観測が流されていますが、米国と日本の農産物の価格差は1対10といわれています。いくら努力しても限界がある。農業は壊滅的な打撃を受け、食料自給率は急激に低下します。こうなると、外交や安全保障もズタズタです。兵糧攻めをやられると、一巻の終わり。農産物を輸出する米国に、ますます頭が上がらなくなります。 ルールメーカーになれば有利に交渉を進められるというのもウソだ。工業品を輸出する国は日本だけである。利害が一致するような国はないのだから、多数派工作は難しい。手を組める国はないのだ。それで、どうやってルール交渉をするつもりなのか。朝日新聞が「教えてTPP」シリーズを始めたが、日刊ゲンダイと比べると説得力が違うようです。
2011.11.26
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日刊ゲンダイが、経団連米倉会長のボロ儲けのカラクリをすっぱ抜いています(お手柄♪)要はTPPの推進により自社とモンサント社が儲かるようです・・・・国民の命を軽視するこのあつかましさに仰天とともに、許せないですね。あのモンサント社と提携するような住友化学の定見の無さは、金に目がくらんだとしか・・・・言いようがありません。11/22なぜTPPを推進するのか 経団連米倉会長 ボロ儲けのカラクリより 反対論が強いのに、強硬にTPPを推進している経団連の米倉弘昌会長(74)。なぜ、シャカリキになっているのか。 大新聞テレビはまったく報じないが、ネット上では「米倉が会長をしている住友化学がボロ儲けできるからだ」と批判が噴出している。 TPPに参加すると、アメリカから「遺伝子組み換え食品」が大量に入ってくる恐れが強い。日本は遺伝子組み換え食品に“表示”を義務づけ、一定のブレーキがかかっているが、アメリカは表示義務の“撤廃”を求めているからだ。その時、国内最大の農薬メーカー、住友化学が大儲けするというのだ。一体どんなカラクリなのか。 「住友化学は昨年10月、アメリカのモンサント社というバイオ会社と提携しています。モンサント社は、強力な除草剤『ラウンドアップ』と、ラウンドアップに負けない遺伝子組み換えの種子をセットで売っている。遺伝子組み換え種子ビジネスの大手です。ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤を作っていました。要するに、遺伝子組み換え食品が広まると、モンサント社が儲かり、ビジネスパートナーの住友化学もウハウハというわけです」(霞が関事情通)しかし、自分の会社の利益のためにTPPを推進しているとしたら許されない。遺伝子組み換え食品にどんな危険があるか分かっていないからなおさらだ。 「TPPに参加したら、日本の食の安全は崩壊しかねません。たとえば日本は大豆の90%を輸入に頼っている。産地はアメリカが70%で、アメリカの大豆の90%が遺伝子組み換えです。いまは表示を見れば遺伝子組み換えかどうか判断がつくが、表示義務が撤廃されたら、消費者は判断がつかなくなる。多くの消費者は、強力な除草剤をまいても枯れない大豆、人為的に作った大豆が本当に無害なのか不安なはずです」(農協関係者)農作物保護(雑草防除)分野におけるモンサント社との長期的協力関係について 住友化学、および同社の米国での農薬開発・販売子会社であるベーラントUSA社は、このほど、米国の大手種子・バイオ・化学メーカーであるモンサント社との間で、農作物保護(雑草防除)分野における長期的な協力関係の構築について合意し、契約を締結いたしました。本件は、モンサント社の本社があるミズーリ州セントルイスにおいて、現地時間の10月19日(火)9時(日本時間:19日23時)に、3社の連名による添付文書の内容を発表しております。 モンサント社は世界的な除草剤ブランドである ’RoundupR’ と、同剤への耐性を付与したさまざまな遺伝子組み換え作物である ‘Roundup Ready’ の種子を組み合わせた効果的、経済的かつ簡便な雑草防除体系である ‘Roundup Ready system’ を農業分野に対して従来から推奨しておりましたが、2011年以降は米国内において、住友化学・ベーラントUSAの除草剤ラインナップを雑草防除体系に組み込み’Roundup Ready Plus’として推奨することとなります。具体的には、大豆、綿、テンサイを栽培する農家がこの雑草防除体系で推奨される種子と除草剤(住友化学の製品を含む)の使用を選択した場合、農家に対してモンサント社から様々な製品サポートが提供されます。 今回の協力関係構築によって、住友化学のフルミオキサジン(Flumioxazin)を有効成分に含む除草剤であるValorRSX、Valor XLT、GangsterR、Fierce?、およびクレトジム(Clethodim)を有効成分とするSelectRといった一連の製品群は、モンサント社の雑草防除体系に長期的に組み込まれ、’RoundupR’ の有効成分であるグリホサート(Glyphosate)に対する抵抗性を持った雑草の防除を含む様々な雑草問題への農家の要請に応えることができるようになります。 住友化学では、これまでグリホサートに対する抵抗性を有する雑草への対策に有効な除草剤の開発と販売を進め、子会社のベーラントUSAを通じて米国で高い使用実績を獲得しておりますが、今回の提携により当社の農薬ビジネスが米国内において更なる発展をとげることを大いに期待しております。また、住友化学とモンサント社は、さらに、ブラジル、アルゼンチンなど南米各国での協力関係構築に向けても協議を進めることに合意しています。以 上モンサント社の罪状については、これでもか!と思うくらいに書き立てておま!「遺伝子組み換え食品最前線」花はどこへいった GM作物が生み出した新たな病原体 ネイティブ蔑視のバイオ燃料1○ースコックが好きな私は、どうすればいいのだ!? 『ザ・コーポレーション』 ・・・・・これくらいにしといたるわ。(探しつかれた)
2011.11.24
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発炎筒の煙のなかで、米韓FTAの批准案が韓国与党の強行採決で可決されましたね。韓国国内での反対デモも報道されました。まるで、TPPの行く末を表す他山の石のようなもんですわ。今でもグローバリズム(アメリカニズム)に過剰適応している日本にとって、TPPで更に適応させる必要があるのか? 今のままで十分だよ。それにしても、過激な国民性である。11/22米とのFTA批准=与党が強行採決、1月発効へ-野党議員、催涙剤まく-韓国国会より 韓国の与党ハンナラ党は22日、国会本会議を開き、米国との自由貿易協定(FTA)批准同意案を強行採決し、可決した。米国側の批准手続きは10月に完了しており、米韓FTAは、両国が目標とする来年1月1日に発効する見通し。関税撤廃により自動車など輸出企業の競争力が増し、日本の輸出企業にも影響が及びそうだ。 野党側は猛反発し、採決前に民主労働党の議員が本会議場内に催涙剤をまくなど、一時大混乱に陥った。 政界は当面、混乱が続く見込み。農畜産業などへの打撃も予想され、強行可決が来年4月の総選挙や同12月の大統領選に影響する可能性もある。 大統領府の広報首席秘書官は「農民や中小業者の競争力が強まるよう対策を準備する。韓米FTAが韓国経済の活力を回復させ、特に若者の職場を増やせるよう万全を期す」と述べた。 米国側の批准後、韓国政府・与党は早期批准を目指した。しかし、野党は、相手国に投資した企業が現地で不利益を被った場合に国際機関の仲裁で解決する「投資者・国家訴訟(ISD)制度」などを問題視。採決に反対していた。 李明博大統領は今月15日、国会を訪れて最大野党民主党の孫鶴圭代表と会談したが、野党側は反対の姿勢を変えなかった。 ハンナラ党議員は22日午後、一斉に本会議場になだれ込み、批准同意案を強行採決。議員総数295人のうち170人が出席し、賛成151、反対7、棄権12の賛成多数で可決した。時がたつほど協定内容の痛みがわかってきたようですね。なるほど、「投資者・国家訴訟(ISD)制度」などが問題になるのか・・・・今後、サムソンVSアップルの訴訟もISD条項でアメリカで裁判が行われる可能性もあるかもしれませんね・・・・恐いこっちゃ!今後の韓国がいかにアメリカナイズされるか、注視する必要がありますね。日韓の農民はお互い「他山の石」として注視している
2011.11.24
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昨夜、うたた寝から目ざめると、NHKスペシャル『徹底討論:TPP:どうなる日本』が始まっていた。榊原さんが、冒頭から単刀直入に「野田首相のTPP参加表明は間違っている」と結論を述べてしまったので笑ってしまうが・・・・旗幟を鮮明にすることは討論の風通しがよくなります。(TPP反対派の大使としては非常に好感が持てるのである)過って、アメリカとの交渉で辛酸をなめた榊原さんの発言には、交渉当事者としての説得力があり・・・・このままでは番組がのっとられるということで、外務省OBの田中さん、山口さんが必死に火消しに努めていたが・・・・大丈夫?外務省ちなみに、外務省は閨閥が今も力を持つといわれる官庁であり・・・・格差に対して最も鈍感かもしれない点が、TPP交渉を所管するうえで適格性に疑問符がつくと大使は思うのである。<榊原氏コメント>・アメリカの交渉能力は非常に高く、これまでは概ね8対2で負けている(ミスター円の評価にしてこれなのか)・アメリカはメディアを使ったアピールが旨いので要注意、NHKも頑張ってほしい。・日本の農業、食料は関税撤廃で壊滅する。大使が感じたコメンテーターへの寸評です。<反対派>榊原英資:憂国のネゴシエーター?東大教授:農業、食料の状況から自由化はありえないと学術的に論証<推進派>古川国家戦略相:まず民主党内の意見統一をお願いしたい。山口外務副大臣:外務省OBであり、アメリカの回し者?田中均:外務省OBの自画自賛的回顧に終止番組を見終わって感じるのは、反対派のコメントに反論する推進派が、頼り無いというか納得がいかないのです。なんか、国家戦略室の戦略性に不安を覚えるので・・・・このあと包括的経済連携を読んで検証してみます。また、どう考えても、弱みはアメリカにあると思っていたら・・・・まんまのエントリーがヒットしました。あとは、弱みを突く交渉能力だけなんですけどね。11/17弱みはアメリカにありより 冷戦構造を利用してのし上がった日本に「ものづくり」で敗れ、金融と情報産業に特化して世界を支配しようとしたが、金融商品がアメリカ経済を破綻させ、米国民は今や塗炭の苦しみの中にある。アメリカ資本主義に対する国民の信頼は崩れ、経済の建て直しが最優先の課題である。 一方で経済の成長力はアジアにある。アメリカがアジア太平洋地域に目を向けてくるのは当然だ。アメリカにとってアジアは死活的に重要で、この地域で何とか覇権を握りたい。それがTPPに力を入れる理由だが、アメリカ主導でこの交渉をまとめ上げる事が出来るかは予断を許さない。アメリカ議会が日本を参加させる事に慎重なのはその懸念の表れである。日本との交渉では思うにまかせなかった苦い過去があるからだ。 日本はアメリカとの交渉で実にしたたかだった。それを「言いなりになる」と考えてしまうのは小泉政権を見たからである。主張を鮮明にする政治手法は勝つか負けるかのどちらかになる。弱い相手には勝てるが強い相手には言いなりになるしかない。そこがかつての自民党と違う。かつての日本は強い相手から実益を得る術を心得ていた。日米経済戦争に勝ったのはアメリカではなく日本である。 09年の総選挙で民主党は「アメリカとの自由貿易協定の締結」をマニフェストに掲げ、そのセーフティネットとして「農家戸別所得補償」をマニフェストに入れた。そもそも民主党はアメリカと自由貿易をやる方針だった。それが実現しなかったのはアメリカが二国間交渉を受け付けなかったからである。 そしてアメリカはTPPという多国間協議に乗り出した。その真意はまだ定かではないが、一般的には多国間協議の方が交渉は複雑になる。それこそアメリカ主導が実現するかは予断を許さない。一方で成長力著しい中国と技術力世界一の日本が手を組み、そこに韓国が加われば、アメリカはアジアで取り残される。TPPの方が何とか主導権を握れるとアメリカは捉えている事になる。 アメリカと付き合う時には常に相手が二枚舌である事を腹に収めておく必要がある。アメリカの言った事を鵜呑みにすると判断を誤る。 これを見て「日本はアメリカに勝てない」と思う者は、「だから交渉に参加してはならない」と言う事になる。しかし参加しないとどうなるか。アメリカが黙っている筈はない。江戸の仇を長崎でという話になる。どこでどんな報復を受けるか分からない。予想のつかない攻撃を受けるのは交渉するより始末が悪い。 私は今回のアメリカの態度を「弱さの表われ」と見る。野田総理の参加表明の仕方を見て、アメリカのペースにならないと判断したホワイトハウスが、アメリカにとって都合の良い菅政権の方針を勝手に付け加えたのである。そうしないとアメリカ議会や国民を説得できないからだ。 アメリカの二枚舌とやりあうには、こちらも二枚舌で対抗すれば良い。にっこり笑って相手の急所を刺すが、しかし決裂するほどは刺さない。それが外交である。ところが国内には敵を間違えている連中が居る。二枚舌とやりあう自国の総理を二枚舌と批判する野党や、国民に本当の事を説明しろと迫るメディアである。交渉の手の内をさらせと迫るメディアが世界中にあるだろうか。この国の弱さはその辺りにある。************************************************************************20日報道によれば、東アジアサミットで中国が南シナ海問題で軟化したそうですね。TPPでの日米連携に危機感を持ったためとされるように、中国に国際法遵守を強いるのは、結局、軍事力しかないようです。帝国主義時代に逆戻りしたような昨今ですね。
2011.11.19
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野田首相が言った、言ってないで日米で解釈の違いがあらわになってきましたね。交渉事は自国民に対するスタンドプレーでもあるので、アメリカの報道官(オバマ)はかなり膨らませて発表したのかも知れないが・・・・・・しょっぱなからこれでは、先が思いやられます。11/15「米国の発表文は正確」 米副報道官よりアーネスト米大統領副報道官は14日午前(日本時間15日朝)の記者会見で、12日の日米首脳会談に関する米側の発表文は正確であり「訂正するつもりはない」と改めて表明した。同発表文は野田佳彦首相が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で「すべての物品とサービスを交渉のテーブルにのせると説明した」と明記し、日本側が「そのような発言はしていない」と抗議していた。アーネスト氏は米側の発表文について「大統領と首相との個別の協議に加え、首相や他の閣僚が公的に表明している内容に基づいている」と説明。日本側から発表文に関する訂正の申し入れなどがきているかどうかについては「わからない」と述べた。そのうえで「首相のTPPへの関心は歓迎している。日本側が今後の協議を進められることにも自信を持っている」と説明した。 私だったら、そんな汚い情報を流すなら、交渉決裂で席を立つところだが、そんな短気を許せないのが交渉というものなんでしょうね。とにかく、玉虫色の発言をしていたら、帰国して突っ込まれるのは当然なので、言語明瞭に努めるべきでしょう。・・・・なめられたら、あかんで!金持ち優遇、格差の国アメリカにとっては、取るものはあっても守るものは無いのだろう。このようなアメリカと経済平準化を巡って交渉しても、メリットは少ないし、日本に格差が持ち込まれるだけである。
2011.11.15
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野田さんが、ハワイに乗り込んだ後でTPP交渉参加を表明しましたね。当初の筋書きどおりにしても、国民の約半分をだましたような政治的な手法である。APECの閣僚会議で、早くも米中の鞘当てが表面化しているそうです。13日の朝日新聞のアメリカ総局長の社説を読んでみます。11/13外交構想力を紡ぐ好機より<米国の本音>クリントン米国務長官は外交誌で今月発表した論文 「米国の太平洋世紀」で、「未来の政治はアジアで決する」と表明。イラク・アフガニスタンから米軍が今後3年間に完全撤退するのを機に、「欧米国家」から「太平洋国家」に変貌する決意を示した。「我々の挑戦は、大西洋でこれまで築いたような、米国の国益に調和する堅固な連携と機構の網を太平洋に築くことである」。そのための指針として、2国間軍事同盟の強化▽中国など新興国との関係深化▽多国間機構の活用▽貿易と投資の拡大▽広範な軍事力展開などを挙げている。新興国との協調を掲げてはいるものの、本音は中油紅平和的な共存を促し、牽制を強めるための「同盟」「貿易」「軍事」にほかならない。旧来の同盟関係を足場にしながら個別連携を広げ、東南アジア諸国連合(ASEAN)なども利用しつつ、新しい地域秩序を形作ろうとしている。政治も宗教も多様なアジアを貫く唯一の共通項は、経済発展への旺盛な熱意。インドとパキスタン、中国と台湾といった宿敵同士でさえ深まる近年の通商拡大に、地域の安定化のカギがある。国力が陰る米国は、先行き不透明な軍事力展開を補う外交策として、経済と安全保障を融合させたネットワーク強化を狙う。 <政経一体化>その文脈の中に、環太平洋経済連携協定(TPP)などの自由貿易圏構想があり、それらは決して純粋な貿易問題ではあり得ない。「対中国を意識して、米国と協働する陣営を築く意図は当然含まれている」と米当局者も認める。とくにTPP参加国の多くと米国は近年、軍事協力を加速させてきた。オバマ大統領は今週訪ねるオーストラリアで、米軍の訓練など活動を拡大する合意を発表する見通し。ベトナムやシンガポール軍との協力強化も今年新たな合意を交わした。米軍事網の強化は、通商網と同時並行で進める米国の政経一体の新アジア戦略なのである。米国がその足掛かりとする同盟相手について、クリントン氏はまず日本を挙げている。日本のTPP参加を巡っては、かつての対日貿易戦争の記憶を刻む米通商代表部(USTR)には慎重な声もあるが、安保戦略を重視する国務省や国防総省は積極的だ。「我々は鳩山政権を突き放し、菅政権を無視した。重要さを増す対日同盟をこれ以上不健康なまま放置する余裕はなく、野田政権とは真剣に関係を成功させたいと思っている」(米当局者)<戦略論不足>先月訪米した李明博・韓国大統領は、米国との自由貿易協定について「韓米の政治関係を新たな次元に高める」と演説した。かつて第2次大戦後、二度と戦争を起こさない仕掛けとして欧州が経済統合を発案したように、貿易協定を国内経済への影響だけの視点で論じる国はまず、ない。世界経済の命運を握る巨大市場ながら、紛争の火種を抱えるアジアの安定と秩序づくりに、日本はどんな役割を果たすのか。アジアと共に生きる貿易立国でありながら、大局の戦略論が不足していないか。米国のガイアツを値切る貿易戦争の発想から脱皮し、日本自らが新アジア時代の外交構想力を紡ぐべきだろう。アメリカ総局長の立場から言うべきことは発しているとは思うけど・・・・いかんせん、政府と同じ目線であり、国内の生産者、消費者の痛みへの感度が鈍いのは致し方ないところか。(高給紙の限界か)中国と対峙するために日米同盟を重視し、経済と軍事を抱き合わせで交渉を進めたいアメリカのあからさまなパワーポリティクスを前にして、日本の影が薄くなるのは当然かもしれないが・・・・野田さんがアメリカに譲歩して日本に帰ってきたりすると、収拾のつかない政局が待っていることを肝に命じてほしいのだ(分かっているとは思うけど)一番恐いのは不透明な人民解放軍であり、第3の開国とアナクロニズムを笑う論調もあるが、状況は黒舟時代と変わらないと思う大使である。(壊れかけたアメリカの切り札は砲艦外交でしかないはずである)持論であるが、日本の実需能力とアメリカのインチキ金融を天秤にかける交渉力が必要ではないだろうか?
2011.11.14
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野田首相がAPECに向かう政府専用機の時間も差し迫っているが・・・・国会中継ではTPP参加問題でギリギリの議事が進んでいます。(首相 飛行機に遅れるで)国会でもめている間に、大使としても駆け込みで復習してみよう。TPPという既存ブロック経済にアメリカが割り込んできたわけであるが・・・・後から割り込んできて、ブロックを取り仕切り、日本から収奪を狙うとはふといタマである。先ず、先行する韓米FTA妥結内容を見て、アメリカのやり口を見てみましょう。韓国の対米FTAへの取組より ここで農産物セーフガード(ASG)とは、輸入量が発動基準量を超過すると相手国との協議なしに、追加的な関税を賦課できる制度であり、発動期間や回数に制限がない。今回の交渉でASG発動権を得た農産物は、牛肉、豚肉、たまねぎ、りんご、唐辛子、ニンニク、ばれいしょ粉、高麗人参などの30品目(HS10単位基準では75個)である。 一方、その他の品目には、国内産業に深刻な被害を及ぼすと判断される場合に発動の可否を決める一般セーフガード(SG、緊急輸入制限措置)が適用される。SGはASGに比べて発動基準が厳格であり、品目別で1回だけ発動が可能であるという内容が協定文に示されている。それ故、ASG対象品目を除く農産物は、一度SGを発動すると、その後に国内生産に深刻な被害を及ぼすほどの輸入が行われても、原則として、どのような措置も講ずることができない。ふんふん、FTA発効後にもアメリカの業界が大声をあげたら抜き打ち制限、または2国間協議というルールになっているようですね。だけど・・・・交渉べたで韓国人より声が小さい日本人にとっては、相当に不利なルールではないだろうか?次にTPP推進論を見てみましょう。TPP参加は「強い安保・経済」への分水嶺より 21世紀の日本の平和と繁栄は、アジア太平洋という戦略的枠組みの中で、大国間の戦略的均衡を確保し、開放的な貿易体制を維持することによってのみ可能である。それが、戦後日本の選択であった。そもそも、環太平洋経済圏という大構想は、アジアの経済的躍進が始まる前の70年代に、日本の大平正芳総理と大来佐武郎外相が打ち出したものである。それが、今日のアジア太平洋経済協力(APEC)につながっていったのである。東アジア首脳会議(EAS)も、「ASEAN+3」の枠組みを牛耳ろうとした中国に対抗して、日本が、インドや豪州を引き込んで作ったものである。米国は当初、EASに消極的だったが、日本の説得の甲斐があって、漸く10年から、ロシアと共に参加することになった。 これまで、日本外交は、米国を引き込んで、環太平洋やアジア太平洋という枠組みで戦略を立てた時に成功し、東アジアの覇権や米国の排除を考えたときに必ず失敗してきた。私たちは、この歴史の教訓を忘れるべきではない。環太平洋自由貿易構想を、戦略的観点から眺めれば、日本が飛び乗るべきバスであることは自明であろう。徹底した自由貿易を標榜するTPPに加盟することは容易ではない。しかし、衰退した農業の問題などを克服するための国内政治の痛みは、新生日本を生み出すための痛みである。正論ですね。だけど、攻める玉が準備不足で会議に臨む今回は・・・アメリカが操縦するバスには、意識的に乗り遅れるのがいいと思うのです。16時45分、国会での集中審議は終わった。最後の福島党首の追求が終わるまで、野田首相はTPP参加反対の言質を与えることは無かった。今晩の記者会見では、どう言い訳をするんでしょうね?(記事訂正)野田首相の出発は今日でなくて明日です(大使の早とちりでおま)
2011.11.11
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野田政権がTPP参加を前に混迷を深めているが、まさか鳩山政権が崩壊したような無様なことにはならないでしょうね?鳩山政権は沖縄の基地移転問題、そして野田政権のTPP参加問題と、どちらも同盟国アメリカが絡む悩ましい難問である。そこで・・・・ かってアメリカに楯突いた鳩山政権が、まさに一瞬のうちに崩壊したが、そのメカニズムを知っておきたいのです。ちょっと古いけど、米国在住の冷泉さんのエントリーを見てみます。「鳩山政権崩壊の歴史的意味」より1955年以降、あるいは沖縄が返還された1972年以降の長い間、自民党政権は「反共イデオロギーを米国との共通価値観とし、心の奥には自主防衛への野心を秘めた開発独裁的な権力構造」を持っていました。これに「二度と倫理的な敗者にも物理的な戦争被害者にもなりたくない一方で、超バラマキ政策にシンパシー」を持つ「革新勢力」が拮抗していたのです。今から思えば、どちらも非現実的な思想だと思いますが、当時は双方とも大真面目であり、そのために政治的にはバランスを保っていたのだと思います。 ですが、まず1990年代までに冷戦イデオロギーは消滅しました。また、中国の軍事的外交的な台頭により、日本は戦前との一貫性の上での自主防衛という選択肢を徐々に失ったとも言えるでしょう。アメリカのこの地域における影響力も、少しずつではありますが、低下してきています。そんな中で、日本の政治構図も「自主防衛の野心を秘めた親米保守」と「社会主義へのあこがれを秘めた反米リベラル」の拮抗という図式はかなり薄くなっています。 勿論、これに代わる対立構図が「まとも」であるかは大いに疑問があるところです。今の日本にある軍事外交の対立軸といえば、親中か親米かということだと思いますが、親中の人々に「中国の勢力下に入ることは基本的人権などの社会の成熟度で大幅に譲歩すること」という認識は薄いですし、では親米の人々の中に「格差はあっても階層間移動の柔軟な機会均等社会」を真剣に学ぶ姿勢があるかといえば、こちらもほとんどありません。警戒心なき親中と、相手の強さの秘密を知らない親米・・・何とも頼りない構図だと思います。 では、そんな中で、一国の政府が一瞬のうちに見事なまでに崩壊したというのは、どう意味付けをすれば良いのでしょう。これは、在沖米軍という「複雑さ」を政権もジャーナリズムも世論も、真剣に理解して真剣に抱えて行くという覚悟を改めて迫ったということだと思います。在沖米軍の問題は、形骸化した左右対立や、権力・反権力の自己目的化などでは支えきれない、複雑さを持った課題、そして逃げられない課題ということが今回の政変で明らかになった、そう考えるべきです。鳩山由紀夫内閣という一国の政権が消えてなくなったことの歴史的意味は、恐らくそこにあるのだと思います。TPP参加に関しては自民党が参加反対と旗幟鮮明であり、私も評価せざるを得ないが・・・・自民党が反米に立つこの奇妙な逆転現象は、理念よりも「勝てば官軍」という政治メカニズムなんだろうね。このあと、アメリカがルーピー鳩山にかけた殺し文句を調べてみます。(たぶん機密の闇の中だろうけど)【調査結果】「沖縄県民の期待だけを煽って、一体、どうおさめようというのか」を読むと、アメリカの殺し文句を待つまでもなく、ルーピー鳩山の自滅だったようですね。
2011.11.09
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私が勝手に私淑している内田先生の反米論調が快調です。反米眼鏡がかかっているかのような論調が、やや特異に見えるが・・・・新聞などでの発言とちがい、ブログでは本音が炸裂しているようです。TPP反対戦列の、はるか前を走るような内田先生ですが・・・・先生、戦列が乱れます、ちょっと抑えて!ということで、反米がらみの2題を引用します。10/25グローバリストを信じるなよりアメリカでは、高付加価値産業だけが生き残り、生産性が低い代わりに大きな雇用を創出していた産業セクターは海外に移転するか、消滅した。だから、「才能のある若者」以外には雇用のチャンスが減っている(失業率は2010年が9・6%だが、二十代の若者に限ればその倍くらいになるだろう)。ウォール街でデモをしている若者たちは「まず雇用」を求めている。これまでアメリカ政府は彼らに「我慢しろ」と言ってきた。まず、国際競争力のある分野に資金と人材を集中的に投入する。それが成功すれば、アメリカ経済は活性化する。消費も増える。雇用も増える。貧乏人にも「余沢に浴する」チャンスが訪れる。だから、資源を「勝てそうなやつら」に集中しろ、と。「選択と集中」である。でも、それを30年ほどやってわかったことは、「選択されて、資源を集中されて、勝った諸君」は、そうやって手に入れた金を貧乏な同胞に還元して、彼らの生活レベルを向上させるためには結局使わなかった、ということである。それよりは自家用ジェット機買ったり、ケイマン諸島の銀行に預金したり、カリブ海の島を買ったり、フェラーリに乗ったり、ドンペリ抜いたり、アルマーニ着たり(たとえが古くてすみません・・・)して使ってしまったのである。選択-集中-成功-富の独占というスパイラルの中で、「選択から漏れ、集中から排除された、その他大勢の皆さん」が絶対的な貧窮化にさらされ、今ウォール街を占拠している。彼らの運動に「政策的な主張がないから、政治的には無力だろう」と冷たく言い捨てる人々が日米に多いが、それは間違いだと思う。彼らが政府に何を要求していいかわからないのは、「完全雇用は経済成長に優先する」という(日本の高度成長を理論づけた)下村治のような「常識を語る人」がアメリカでは政府部内にも、議会にも、メディアにもいないからである。大きな井の中に落ちたようなアメリカ蛙に出口を示すアメリカ人がいないのか?スティグリッツや、クルーグマンの意見は政治家には無視されるのか?10/20雇用と競争についてより フェリスへの行き帰りの新幹線車中で、下村治『日本は悪くない、悪いのはアメリカだ』(文春文庫)を読む。 TPPのいちばん熱いトピックである農産物についても下村の立場は明快である。アメリカは日本が農産物について高い関税障壁を設けて保護していることを市場閉鎖的であると難じているが、それは文句を言うのが筋違いである。これには国民経済史的必然があるからだ。「どうしてこうなったかと言えば、日本は明治維新から、日本列島に住む日本人に十分な就業機会を与えながら、かつ、付加価値生産性の高い産業を育成し、それで十分に高い所得を実現する、という目標を必死になって追求してきた。ところが、雇用機会を増やすことと付加価値生産性の高い産業を育成することは必ずしも簡単ではないばかりか、同時に実現することはできないものである。というのは、多くの人に就業機会を与えるためには、それ相応の人手を産業に吸収させなければならない。しかし、付加価値を高めるには、なるべく人手を減らして生産性を高める必要がある。このため、必然的に、生産高の割りには人手を多く必要とする生産性の低い部門と、徹底的に合理化して相対的に人手をあまり必要としない生産性の高い部門の両極端の産業が成立するようになったのである。その結果として、今日の日本人の生活があるということができる。したがって、今でも日本は、自動車のように生産性がきわめて高い産業がある一方で、コメに代表されるような、生産性のきわめて低い品目をむりやり維持している、という状況になっているのだ。」(75頁)コメ生産について、これほど腑に落ちる説明を私はかつて読んだことがない。政、官、民、学、メディアともに真っ二つに割れたような、TPP問題であるが・・・「乗り遅れる」という言葉に惑わされてはいけないと思うのです。
2011.10.27
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中国雲南省でミャオ族が清朝に迫害されてラオスまで逃げて、モン族と呼ばれるようになったそうです。映画「グラントリノ」にモン族の家族が登場し、主人公のコワルスキーと関わることになるが・・・彼らがどういう経緯でアメリカに移民したんだろう?という漠然とした疑問があったわけです。 図書館で、たまたま「モンの悲劇」という本を手にしたが、「グラントリノ」で疑問に思っていたモン族について知りたいと思ったのです。中国、ベトナム、ラオスで蔑視されたモン族は、インドシナ戦争ではフランスのために、ベトナム戦争ではアメリカのために戦ったのです。ちなみに、この本の副題は「暴かれたケネディの戦争の罪」となっています。「モンの悲劇」竹内正右著、毎日新聞社、1999年刊<インドシナ戦争を戦ったモンの悲劇>p16~17 インドシナ戦争は、第一次から第三次にわたり、ベトナム、ラオス、カンボジアを戦場にした、50年代半ばから70年代半ばの第二次インドシナ戦争は、ラオスを反共の砦とし、自由世界を守ろうとする米国と、南北統一・インドシナ三国覇権を目指す北ベトナム政府の全面衝突だった。ベトナム労働党とその党が主導する南ベトナム民族解放戦線は、中国・旧ソ連を後ろ盾に戦った。いずれにせよ、両者の軍事衝突でインドシナ三国の全土と人心は荒廃した。 闘いは激化した。米軍は一時期50万人を超える兵士と、大量の殺戮兵器をインドシナ三国に送り込んだ。そして75年4月、南ベトナムの首都サイゴン陥落。戦争は終焉した。米国は、これを「名誉ある撤退」と謳い、北ベトナムの首都ハノイでは「開放戦争の勝利」が高らかに宣言された。ベトナムは南北統一された。ベトナム人の悲劇、米国の悲劇がおびただしく記録に刻まれた。 だが、この長期にわたる戦争のもうひとつの悲劇・・・一民族「モン」の運命と甚大な犠牲は、これまでのインドシナ戦争のなかに、ほとんど刻まれることはなかった。 第二次インドシナ戦争終結から24年。米国ワシントンDCの一角に、御影石でできた黒い壁が今もひっそりと建っている。その数五万八千人あまり。第二次インドシナ戦争で亡くなった米軍戦死者の墓碑銘だ。 だが、ここにも、米軍のために戦った「モン」兵士の名前は、見当たらない。「もし、モンの特殊攻撃部隊がいなければ、この壁は、五倍、六倍の長さにもなっていただろう」・・・ペンタゴンは、いまようやく長らく極秘とされていた「モン」について、重い口を開くようになった。だが、いったいなぜ、そうした分析作業まで、これほどまでに年月を要したのであろうか。その真相を、私はこの本で明らかにしたい。 <モン「コントラ」投入計画の挫折>p40~41 81年5月、当時のレーガン大統領は、ニカラグアの左派サンディニスタのエルサルバドル浸透阻止と転覆目的のため、反政府右派ゲリラ、コントラを結成する。クラウゼヴィツの「戦争論」の再生を思わせる低水準紛争戦略を中米で進めるレーガン大統領にとって「白い米国」を守るために在米のモンはのどから手が出るほど欲しい存在となった。ワシントンDCは、モンの再定住を受け入れる替わりに、実戦経験豊富なモンをニカラグア戦線の「自由の戦士」コントラ軍投入作戦に乗りだす。こちらはレーガン大統領の「モン狩り」である。これに対して、ハノイからザップ将軍がニカラグアに入り、ソモサ独裁政権を倒したサンディニスタのオルテガ書記長へAK47銃を供与するのである。 89年2月、3月とモンの生活を追ってモンタナ、カルフォルニア州と歩いていた私は幾度かこの計画を耳にしていた。モン再定住政策の真の狙いはこれにあったと言えよう。 ラテンアメリカ援助計画、すなわち「進歩のための同盟」に腐心したように、J.F.ケネディの対共産ゲリラ戦術がラテンの地で始まってから22年後、その戦術をレーガンが継承したことから、ラテンでケネディの戦争の輪廻を見ることになる。が、在米モン青年たちは、コントラ参軍を拒絶する。参軍したら、コントラ軍の中に自分たちと同じ存在を見出しただろう。英国の300年統治でプロテスタントのモラバ教に改宗させられた、土着信仰を失った、英語を話す、尻にモンゴロイドの青痣をみせる人々、ミスキート・インディアンの中のスモ、ラマ族だ。ケネディ家はアイルランド移民の子孫であり、ケネディはアメリカの大統領で唯一の非プロテスタントという異例の大統領であった。ネイティブや移民にとって期待されるはずのケネディにして、このような戦略をとったということに、多民族国家アメリカの難しさを見る思いがします。それにしても、竹内さんのこの本は時間的、そして空間的にパースペクティブの広いドキュメンタリーである。(反米の大使がお奨めします)グラン・トリノ Justice has been done?
2011.09.07
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ラウンドアップ耐性とか、モンサントと聞けば、瞬時にヒートアップする大使である。安田節子公式ウェブサイトで「ラウンドアップとGM作物が生み出した新たな病原体」というエントリーを見つけたので、自分の勉強も兼ねて紹介します。ラウンドアップとGM作物が生み出した新たな病原体より近年、遺伝子組み換えのラウンドアップ耐性(ラウンドアップレディ)ダイズとトウモロコシで病気が増加し、またこれを餌とする家畜で原因不明の自然流産や不妊の増加が見られる。米国パーデュー大学の名誉教授で著名な土壌学者であるDon Huber(76歳)は41年間情報分析官として勤めた米国陸軍大佐を退職したあと、Purdue大学で研究を始め、2006年退職後中西部、フロリダ、ブラジル、カナダの他の研究者らと共同研究を続けている。2011年1月17日、米国農務省(USDA)の長官Tom Vilsackに宛てに文書を送った。この2年の間にダイズでは突然死症候群(SDS=sudden death syndrome)が、トウモロコシではゴス青枯病が、小さな穀物の立枯れ病も同様に生育に悪影響を与えた。そしてこれらを飼料にした牛、豚、馬、家禽の自然流産と不妊の原因不明の増加が見られた。通常の種から育った穀物に比べてラウンドアップレディの種子から育ったダイズとトウモロコシには高い濃度でHuberが懸念する病原体が見つかっている。以前から知られている要因を消去法で調べたあと、新しい病原体が残った。新しい病原体は動物感染症の原因の探索でダイズ粕とコーン製品に豊富にいることがわかった。現在まで検査したすべての症例においてそれが存在することがわかった。病原体は微小であるため電子顕微鏡で38000倍に拡大しないとみることができない。ダイズのSDSはフザリウムソラニ(Fusarium solani fsp glycines)とグラム陽性菌のClavibacter michiganensis の亜種によって引き起こされる。トウモロコシのゴス青枯病は、Nebraskensisが原因病原菌であり、その新しい病原体はこれらの病原菌との遺伝子互換性と相乗効果をもつという。2008年の生産期から今日までにグリフォサート(除草剤「ラウンドアップ」の有効成分)で処理された米国の農地は1億5千5百万エーカーを超える。 Huberは、除草剤の植物と動物に対する毒性の証拠として以下を指摘する。グリフォサートは植物を枯らす。ラウンドアップ耐性のGM作物は枯れないが、グリフォサートはGM作物の防御機構を損ない、病気にかかりやすくする。作物の必須栄養素の可用性と取り込みを削減させ、病原菌の病原性を増加させるという。すべては査読付の学術誌に発表された100以上の論文による。その後新たに発見された病原体は自然界では新しくないが、科学的知見としては新しいものである。グリフォサートを撒いた土壌では明らかにこの病原体が増加する。そして作物に取り込まれ、飼料を通して動物に伝えられる。人間には作物や肉によってもたらされる。Huberは米国の大豆とトウモロコシの輸出市場の崩壊と国内の食料、飼料供給の深刻なブレークダウンと混乱を引き起こすことになり、緊急事態として扱うよう主張した。しかしUSDAはHuberの警告を無視して、1月27日にはアルファルファを、2月には砂糖ダイコン(シュガービート)を、規制緩和し認可した。どちらもラウンドアップ耐性の遺伝子組み換えだ。2千万エーカーにのぼるGMアルファルファの無規制の認可は、毎年除草剤グリホサートを2千3百万ポンドを散布する結果になるだろう。アルファルファはハチによって受粉し、ハチは数マイルも離れたところへ交雑をもたらす。GM作物は必然的に自然の、またオーガニックのアルファルファを汚染する。Vilsack が1月27日にGMアルファルファを無規制で認可したとき、直ちに食品安全センター(Center for Food Safety )と Earthjustice はUSDA の規制緩和の承認は違法と提訴した。Huberは共同研究者たちの名前を伏せている、なぜなら激しい攻撃や不当な圧力を受けることになるからだ。Huberは嵐のような攻撃のなかに立っているが、まもなくHuberたちは病原体を特定し、名前をつけることができるだろう。出典:ISIS 科学者は嵐のような攻撃のなかで主張のために立ち上がった(訳:安田)安田節子さんは2000年まで市民団体「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」事務局長をつとめ、日本消費者連盟のバリバリのオピニオン・リーダーのようですが・・・・モンサントと対抗するには、このような人について行きたいと思ったりします。(冗談でんがな)モンサント追撃のため、勉強を続けようではないか。「バイオ燃料」天笠啓祐著、コモンズ社、2007年刊<増加し続ける遺伝子組み換え作物>p140~143 バイオエタノールの二大原料は、サトウキビとトウモロコシである。バイオディーゼルの三大原料は菜種、大豆、アブラヤシである。このうち、トウモロコシ、菜種、大豆で、遺伝子組み換え種子の割合が増え続けている。なかでも、その牽引役となっているのはトウモロコシだ。 遺伝子組み換え技術とは、細菌などの遺伝子の一部を切り取って他の生物の遺伝子に組み入れる技術である。それによって、その生物が本来もっていない性質を加えたり、性質を変えたりする。従来の品種改良と異なる点は、人工的に遺伝子を組み替えるため、種の壁を越えて他の生物の遺伝子を導入できる点だ。その結果、改良の範囲が拡大し、改良期間も短縮される。 しかし、次の三つの点が広く懸念されている。すなわち1.食べ物の安全性を脅かし、2.環境に大きな影響を与え、3.特定の企業によって種子が独占されることである。 現在、おもな遺伝子組み換え作物は、大豆、トウモロコシ、綿、菜種だ。 遺伝子組み換え作物の国別作付面積の割合には米国の食糧戦略が色濃く反映されている。 米国の多国籍企業モンサント社が種子の90%以上を支配しているため、アメリカ大国で栽培面積が拡大し90%を超えているのだ。米国に加えて、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、パラグァイ、ウルグァイが多い。また、アジアでは中国とインドで、アフリカは南アフリカ共和国で拡大している。いずれも、モンサント社が地元の種子企業を買収するなどして、販売戦略を展開してきた。 日本は食糧自給率が低く、米国への依存度が高い。したがって、世界でもっとも多くの遺伝子組み換え作物を輸入している。(中略) 遺伝子組み換え作物は現在、除草剤耐性作物と殺虫性作物に分かれる。除草剤をかけても枯れない除草剤耐性作物が6990万ha(69%)、作物自体に殺虫能力をもたせた殺虫性作物が1900万ha(19%)、両者の性質をあわせもった作物が1310万ha(13%)、栽培されている。目的は生産者の省力化とコストダウンだ。市場規模は04年には440億ドル(約5兆円)に達し、巨大な市場に発展しつつある。 作付面積を作物別に見ると、06年にもっとも多く作付けされたのは大豆で、5860万ha(57%)。すべてモンサント社の除草剤耐性大豆である。世界的に同社の大豆支配が強まってきた。米国では、全大豆畑に占める遺伝子組み換え大豆の割合が約91%(07年の推定)まで増えている。 大豆はもともと中国が原産国で、4000年の歴史をもつ。日本の歴史も古く、2000年に達する。稲作と同時に発達してきた、アジアの人びとの重要な食べ物だった。最近、それが大きく変わりつつある。 米国の大豆栽培の歴史はまだ80年程度で、ブラジル・アルゼンチンにいたっては20年にもなっていない。ところが、現在の世界の三大生産国は、米国、ブラジル、アルゼンチン。この3ヶ国は、遺伝子組み換え作物の栽培面積のトップ3と一致している。ブラジルでは、サトウキビ畑に押し出される形で大豆畑が熱帯雨林を切り開いて拡大していることは、すでに述べたとおりである。 2番目に多いのがトウモロコシで2520万ha(25%)、続いて綿が1340万ha(13%)、菜種が480万ha(5%)だ。米国では、全トウモロコシ畑に占める遺伝子組み換えトウモロコシの割合は約73%(07年の推定)で、その18~20%がバイオ燃料に用いられている。
2011.08.23
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TTP反対の一環として、今年の年次改革要望書は、どうなっているのか?・・・・もとい、年次改革要望書は「日米経済調和対話」と名前を変えているんだった。その「日米経済調和対話」のうち、私が関心のある分野のみピックアップしてみます。 日米経済調和対話より<通信>○周波数帯:日本の周波数割当プロセスについて、競売形式の採用の承諾も含め、客観性、透明性、説明責任を高めるための措置を講じることで、更なる競争およびイノベーションを醸成する。○主要通信事業者に関する規制:NTTおよびその子会社に関する改革が、特に新規参入企業に対する競争機会を保護する上で適切な手段となっていること、およびその政策決定プロセスが、不当にNTTの影響を受けず、オープンかつ公正に行われることを担保することで、競争および顧客選択を促進する。NTTグループの構造改革に関するあらゆる提言を公示し、パブリックコメントに付す。<情報技術>○クラウド・コンピューティング:社会全体にわたり成長ならびにイノベーションを増進するクラウド・コンピューティング技術の可能性を最大化するべく、データの境界線のない自由な流れを促進する。日本国内外のデータサービスに差別を設けない原則を採用する。データセンターやクラウド・コンピューティングに関する規則を策定、導入するにあたり、 透明性を持って作業し、国内外の産業界と議論する。<日本郵政>○保険業・銀行業における平等な競争条件:活気ある競争を市場にもたらすことにより顧客選択を拡大するべく、日本郵政に与えられた競争上の優位性を完全撤廃し、業者すべてが平等な規制適用・施行を受けるようにすることにより、日本のWTO義務に則り、対等な保険サービスおよび銀行サービスの競争条件を確立する。○日本郵政改革:競争条件に影響するような日本郵政に関する施策への変更を日本国政府および政府諮問機関が策定および導入するにあたり、利害関係者に対する情報提供の面で、十分な透明性を確保し、意義ある機会を提供する。改革可能性を検討するにあたっては、長期にわたる平等な競争条件に対する懸念に向き合い、日本郵政に今以上の競争上の優位性を与えないようにする。○日本郵政グループ金融機関の事業範囲:かんぽ生命、ゆうちょ銀行の事業運営範囲拡大を許認する前に、日本郵政と民間の金融機関間に対等な競争条件が確立されていることを担保する。国際速配便における平等な競争条件:日本郵政サービスにも他の国際速配便業者と同様の税関手続きや競争力のあるサービスを提供するためのコストを適用し、また、日本郵政サービスの国際スピード便(EMS)の収益助成を防ぐ措置を講じることにより、国際速配便部門における効率的な競争および平等な競争条件を促進する。<農業-関連事項>○残留農薬および農薬の使用:日本による農薬残留基準(MRL)の再検討プロセス、農薬のポストハーベスト使用に関する枠組み、MRL違反に対する実施方針など農薬に関する各懸案事項について呼びかけを行うことにより、より安全な新しい農薬の使用拡大を促進し、日米管轄当局間の協力を強める。議論では、関連する国際標準・慣行を参照すること。○有機農産物:有機農産物に使用される農薬の環境安全性の評価、有機農産物の取引拡大を目的とした現行の残留農薬政策の改訂、さらに、両市場における有機農産物の表示の検討を目的とした科学的根拠のある標準を適用するために協力する。○食品添加物:FAO/WHO 合同食品添加物専門家委員会によって安全と認められ、かつ世界中で使用されている46種類の食品添加物の確認を行うことにより、米国・日本の当局間の協力を強化し、取引を促進する。現在、6種類の食品添加物の確認が未了である。ふんふん、ちょっと厚かましいが、アメリカとしては当然の要求ですね。アメリカが日本の何を狙っているかわかる内容になっていて、この情報開示はすっきりしているとさえ言えます。(アメリカのロビーストの実力、政治献金の多寡が素直に表われています)問題は外圧にからっきし弱い日本の腰抜け役人と政治家の方であり・・・・これまで、この種の売国的役人、政治家によって、庶民がいかに割を食ってきたかということですね。 民主党のホームページを見てもTTPの項目も出てこない有様で、意識が低いようです。願わくは、民主党も自民党議員連のようにTTP反対と旗幟を鮮明にしてほしいものです。(海江田大臣の辞任表明などあり、それどころでないかもしれないが)クラウドの危険性
2011.07.08
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そろそろ、TPP交渉でアメリカが攻勢をかけてくる頃ではないかと思うが・・・・TPP交渉の進捗状況について、TPP参加の即時撤回を求める会 (自民党議員の会)のブログで見られます。5/17 【第14回会合 TPP参加阻止に向けた緊急決議】より2.TPP交渉の進捗状況について (議員) ○ 4月のシンガポール会合では、交渉は条文をもとに具体論に入ったとのことだが、政府は入手しているのか。 ○ 「11月のハワイAPECでは、大きな政治課題の決着がつけられる」と説明があったが、どういうことか。(役所) ○ 各国の最もセンシティブな問題を、11月に大方決着させ、それ以外は11月以降も時間をかけて事務的にやっていくと聞いている。 (議員) ○ これまでに「バスに乗り遅れるな」という議論があり、6月にTPP参加の是非を判断するということだったが、バスのダイヤが変わったのか。役所の報告では、交渉の進め方も内容も変わってきたということのようだが、TPPに日本が入らないと意味がないから、日本が入るまで待つということか。(役所) ○ 感覚として、交渉の日程は変わってきているようだが、TPPに日本が入らないと意味がないかというと、そうではない。(議員) ○ 輸入牛肉の月齢制限引き上げなど、アメリカからの要望はどうなっているか。 ○ ギラード首相の来日の裏の目的は、TPP推進の話でなかったかとささやかれているが、実際はどうだったか。 ○ TPPは政府調達など多分野に影響があるようだが、各業界団体からの要望はどうクリアするのか。(役所) ○ 現時点では、TPP参加の条件として、検疫などに対する要望は示されていないが、アメリカ側にそういった関心があるとは聞いている。 ○ TPP参加と、アメリカからの要望は別の問題と受け止めているが、憂慮すべきは、アメリカ議会で日本のTPP参加の承認を得る際に、根回しの過程で日米間案件への要望が出てくる可能性はある。 ○ 医療・建設等の各分野で懸念が表明されているが、TPPは物品の関税は原則100%撤廃だが、サービス分野では必ずしも100%障壁撤廃とはならないようだ。 ○ ギラード首相訪日の際、EPAが話題になっているが、それほど議論はなく、引き続き交渉を行っていこうという他なかった。この種の情報を、自民党議員の会のブログで見るのもちょっと情けないが、政権党はどう考えているんでしょうね?(この後、調べようと思います)ところで、今年の年次改革要望書は、どうなっているんだろう?と探したところ、 日米経済調和対話と名前を変えていたのです。そのあたりの経緯が、同じくこのブログに載っています。 【第13回-2 日米経済調和対話について】より ○TPPは事実上の日米FTAであり、米国から我が国に対して様々な非関税障壁の見直し要求が行われると想定されることから、対日年次改革要望書の現下の扱いを調査した。 ○その結果、2008年の対日年次改革要望書(資料1) を最後にこの仕組みは中止され、昨年11月からは「日米経済調和対話」という新たな枠組みに変更されたことが判明。ただし、「対外公表等については、米国側とも協議しつつ、適切な在り方を検討」とされており、政府の情報公開が極めて不十分なものとなっていた。(資料2) ○ところが、2月25日に急遽、外務省から、「2月28日から3月4日に「日米経済調和対話」事務レベル会合を開催」との発表があった。(資料3) ○さらに、本年2月には米国政府(USTR)が、「日米経済調和対話における関心事項」を発表。知的財産権、郵政、共済、残留農薬やポストハーベスト、競争政策、ビジネス法環境、医療・医薬等に関する米国からの要望が挙げられている。TPPとの関連も含めて、米国からの規制改革要望について注意が必要。(資料4) 『日米経済調和対話』(別名「年次改革要望書2.0」)を米大使館が堂々公表
2011.07.06
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東電はアレバ社にケツの毛までむしられないように、かまえておく必要があるにしても、アレバ社は原発のトップメーカーである。だけど、米キュリオン社? 聞かんな~アメリカのごり押しで、むりやり採用させられたのではないか?・・・・もしかして同盟国のよしみで、そのあたりは詮索しないことになっているのかな?(週刊誌の調査報道に期待したいものである)「米キュリオン社ってどこの馬の骨?」という実も蓋もないタイトルのエントリーがありました。(反米の大使であっても、これほど口は悪くないけど)6/29米キュリオン社ってどこの馬の骨?より 東電はキュリオン社との契約金額を公表していないが、ガラクタ装置に大枚をはたいたことは間違いない。北海道大学大学院工学研究科の佐藤努教授(資源循環工学)がいう。「日本は天然ゼオライトの世界有数の産出国として知られます。米国内で作った人工のゼオライトを使用しているキュリオン社に委託する必要はない。日本産を使えば、コストは100分の1程度にまで抑えられるはずです」 日本には処理技術もある。日立や東芝などプラントメーカーの系列会社には高度な除去技術を持つ化学企業がいくつもある。それでも東電がキュリオン社と契約した理由は、同社の装置が米スリーマイル島原発事故(1979年)の処理で力を発揮したからだと報じられている。しかし、米国の原発関連企業幹部はその実績自体が眉唾だという。「キュリオン社が設立されたのは3年前だから、スリーマイル事故に関わっているはずがない。フクシマの事故処理を受注するまで米原子力業界では全くの無名だった。受注と同時にクリントン大統領時代の元CIA長官が同社への出資会社の顧問に就任している。契約には何か政治的な裏があったとしか思えない」 東電はさっさと契約を解除したうえでキュリオン社に違約金を請求すべきだ。だいたい 兵器以外のいまどきのアメリカの民生品なんてろくな物がないのが、とおり相場である。どんなヒモがついていたのか週刊誌の追求に期待したいものである。ところで、このところ一喜一憂の汚染水浄化施設の本日の状況です。7/1汚染水浄化施設、警報相次ぎ一時自動停止 福島第一原発より 東京電力は30日、福島第一原発の放射能汚染水を浄化する施設が、同日午後2時半ごろに自動停止した、と発表した。施設内のタンクの水位が下がったことを知らせる警報が鳴っており、関連を調べていたが、午後6時50分に再起動し、午後7時40分に通常運転に復帰した。処理した汚染水を原子炉に注ぐ「循環注水冷却」も継続している。 不具合が起きたのは、放射性物質を沈殿させて処理する仏アレバ社の工程。アレバの工程で複数の故障が生じた警報と、出口側のタンクで水位が急激に下がったことを示す警報が鳴った。また、前後して装置で発生したガスをフィルターを介して排気する装置の警報も相次いで鳴った。東電は、タンク側が原因で自動停止したとみている。この日は、排気管でも逆流防止弁を付け替える工事をしていた。調整時トラブルは折込済みなので、あまり驚かないが、それより汚染水の満杯が心配である。21日時点では汚染水は、あと8日ほどで満杯になるはずであったが、期限を過ぎています。東電が言うには汚染水をメガフロートに移送するので、期限を延長できるのだそうです。なんか、肩すかしを食らった気分だが、これって汚染水浄化施設の不調隠しではないかい?
2011.07.01
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米メディアの「ジェロニモ、作戦により殺害」という表現に驚いたわけですが・・・アメリカのネイティブ蔑視、搾取には年季がいっているわけで、南米のネイティブが今どうなっているか気にかかるところです。米国の金融界とADM、カーギル、モンサントなどの多国籍企業が諸悪の根源ではないかという、毎度の追及となりますが・・・・図書館で借りた「バイオ燃料」を紹介します。「バイオ燃料」天笠啓祐著、コモンズ社、2007年刊p49~52<規模の大小によって地域循環型にも環境破壊型にもなる> これまで日本では、菜の花プロジェクトネットワークを先頭に各地の環境保護運動が廃食用油を回収して、軽油代替燃料や石けんにリサイクルしてきた。転作田に菜の花を植え、菜種を収穫し、搾油して菜種油にする。その菜種油は家庭の料理や学校給食に使い、搾油時に出た油かすを肥料や飼料として使う。そして、廃食用油を回収し、大気中に排出された二酸化炭素は菜の花の栽培によって吸収される。まさに、資源とエネルギーが地域で循環する。 こうした地域レベルの小規模な取り組みは、品質のばらつき、回収の手間、機械購入費用などの面で、採算をとるのはむずかしいが、積極的に評価できる。しかし、国や大企業が乗り出し、規模を拡大して採算を求めだすと、性格は一変する。環境破壊型の事業になり、原料の途上国からの輸入につながり、人びとの食料を脅かす存在になるのだ。p67~69<途上国を食い物にする京都メカニズムの中心がバイオ燃料> 京都会議で採択された「」には大きな問題がある。大量生産・大量消費をもたらす市場経済の論理が、環境破壊の主因である。環境問題をその市場経済の論理で解決しようというのだから、本末転倒であり、解決への道を遠ざけたといっても過言でない。 京都メカニズムは三つの仕組みから成り立っている。いずれも、いわば環境をカネで買い叩く制度である。1.クリーン開発メカニズム 先進国が途上国で温室効果ガスの削減事業を行い、そこで生じた削減分を先進国の排出分に繰り入れられる。単に投資するだけで、削減分を買い取ることができる行為も含まれる。2.共同実施 先進国間で温室効果ガスの削減プロジェクトを共同実施し、その削減分を先進国間で割り振ることができる。単に投資して、削減分を買い取ることができる行為も含まれる。3.排出権(量)取引 先進国間で排出枠を売買できるという、最悪の仕組みである。 日本が6%の削減を達成するためには、この京都メカニズムをフルに活用する以外ない。すなわち、温室効果ガスを増やし続けながら、カネで環境を買う方法に依存せざるを得ないのだ。 そのために、内閣官房・経済産業省・環境省・外務省・国土交通省からなる「京都メカニズム活用連絡会」が発足。「クリーン開発メカニズム」で198のプロジェクト(07年8月現在)が承認された。「共同実施」は13プロジェクトで行われる。(中略) 共同実施は、電力6社(東北・東京・中部・中国・四国・九州)が中心になって進めているプロジェクトが多い。ハンンガリーやブルガリアでのバイオマス・プロジェクト、チェコやポーランドでの地熱供給プロジェクトなどがある。排出権取引では、日本は05年1月~06年3月の取引市場で排出枠の38%を購入し、世界第一位だった。 言い方は悪いが、途上国を食い物にしなければ、京都議定書の数値目標を達成できない現実がそこにある。そのプロジェクトの中心に、バイオ燃料が組み込まれている。 p73~74<多国籍企業がめざす第三の波> バイオ燃料の市場を事実上支配しているのは、多国籍企業だ。原料となる穀物の流通を握るのは、ADM社とカーギル社の米国系二大穀物メジャー。ADM社は世界最大のバイオ燃料製造能力を持つ。カーギル社も負けじと、アルゼンチンに推定15億ドルを投じてバイオ燃料の生産施設を建設しているという。 バイオ燃料の主要原料であるトウモロコシ、菜種、大豆は、大半が遺伝子組み換え作物である。米国ではトウモロコシの73%、大豆の91%(07年見込み)、菜種の世界一生産地カナダでは菜種の77%(04年)が、遺伝子組み換え品種だ。その種子を90%以上支配しているのがモンサント社。続いて、スイスの製薬企業シンジェンタ社、ドイツの製薬企業バイエル社の農業部門であるバイエル・クロップサイエンス社、米国の化学企業デュポン社などが追いかけている。 このように見ていくと、米国のADM、カーギル、モンサントという三つの多国籍企業がバイオ燃料を支配しているといえる。米国の食糧戦略と密接につながっている実態がよくわかるだろう。 そして、温暖化対策をかたくなに拒否し、京都議定書からも離脱した米国のブッシュ政権が、バイオ燃料に急速に取り組みだした理由も、浮かび上がってくる。穀物メジャー2社は、政府の農業・食料政策に常に大きな影響を与えてきたのである。また、モンサント社はラムズフェルド元国務長官をはじめ、ブッシュ政権に多数の閣僚を送り込んできた。 さらに、石油メジャーも第三の波に乗ろうとしている。たとえば英国のBP社が、デュポン社と組んでサトウキビによるバイオ燃料の製造事業に乗り出した。その背景には、中東依存からの脱出をめざす戦略がうかがえる。 日本でもっとも積極的な企業は、トヨタ自動車である。すでに、インドネシアで生分解性プラスチックやバイオ燃料の原料になるサツマイモの栽培を行ってきた。そして、新たにマレーシアでアブラヤシの栽培を行おうとしている。バイオ燃料に進出することで、地球温暖化対策に取り組んでいるというイメージをつくり出したいからだと思われる。 p140~143<増加し続ける遺伝子組み換え作物> バイオエタノールの二大原料は、サトウキビとトウモロコシである。バイオディーゼルの三大原料は菜種、大豆、アブラヤシである。このうち、トウモロコシ、菜種、大豆で、遺伝子組み換え種子の割合が増え続けている。なかでも、その牽引役となっているのはトウモロコシだ。 遺伝子組み換え技術とは、細菌などの遺伝子の一部を切り取って他の生物の遺伝子に組み入れる技術である。それによって、その生物が本来もっていない性質を加えたり、性質を変えたりする。従来の品種改良と異なる点は、人工的に遺伝子を組み替えるため、種の壁を越えて他の生物の遺伝子を導入できる点だ。その結果、改良の範囲が拡大し、改良期間も短縮される。 しかし、次の三つの点が広く懸念されている。すなわち1.食べ物の安全性を脅かし、2.環境に大きな影響を与え、3.特定の企業によって種子が独占されることである。 現在、おもな遺伝子組み換え作物は、大豆、トウモロコシ、綿、菜種だ。 遺伝子組み換え作物の国別作付面積の割合には米国の食糧戦略が色濃く反映されている。 米国の多国籍企業モンサント社が種子の90%以上を支配しているため、アメリカ大国で栽培面積が拡大し90%を超えているのだ。米国に加えて、カナダ、アルゼンチン、ブラジル、パラグァイ、ウルグァイが多い。また、アジアでは中国とインドで、アフリカは南アフリカ共和国で拡大している。いずれも、モンサント社が地元の種子企業を買収するなどして、販売戦略を展開してきた。 日本は食糧自給率が低く、米国への依存度が高い。したがって、世界でもっとも多くの遺伝子組み換え作物を輸入している。(中略) 遺伝子組み換え作物は現在、除草剤耐性作物と殺虫性作物に分かれる。除草剤をかけても枯れない除草剤耐性作物が6990万ha(69%)、作物自体に殺虫能力をもたせた殺虫性作物が1900万ha(19%)、両者の性質をあわせもった作物が1310万ha(13%)、栽培されている。目的は生産者の省力化とコストダウンだ。市場規模は04年には440億ドル(約5兆円)に達し、巨大な市場に発展しつつある。 作付面積を作物別に見ると、06年にもっとも多く作付けされたのは大豆で、5860万ha(57%)。すべてモンサント社の除草剤耐性大豆である。世界的に同社の大豆支配が強まってきた。米国では、全大豆畑に占める遺伝子組み換え大豆の割合が約91%(07年の推定)まで増えている。 大豆はもともと中国が原産国で、4000年の歴史をもつ。日本の歴史も古く、2000年に達する。稲作と同時に発達してきた、アジアの人びとの重要な食べ物だった。最近、それが大きく変わりつつある。 米国の大豆栽培の歴史はまだ80年程度で、ブラジル・アルゼンチンにいたっては20年にもなっていない。ところが、現在の世界の三大生産国は、米国、ブラジル、アルゼンチン。この3ヶ国は、遺伝子組み換え作物の栽培面積のトップ3と一致している。ブラジルでは、サトウキビ畑に押し出される形で大豆畑が熱帯雨林を切り開いて拡大していることは、すでに述べたとおりである。 2番目に多いのがトウモロコシで2520万ha(25%)、続いて綿が1340万ha(13%)、菜種が480万ha(5%)だ。米国では、全トウモロコシ畑に占める遺伝子組み換えトウモロコシの割合は約73%(07年の推定)で、その18~20%がバイオ燃料に用いられている。 wikipediaバイオ燃料「バイオ燃料」の現状については、日刊ベリタ特集 遺伝子組み換え/クローン食品に詳しく出ています。日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありませんとのことで、取り扱い注意です。
2011.05.09
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「バイオ燃料」紹介の続きです。p144~146<製造効率を上げるために遺伝子組み換え技術を利用> バイオエタノールは酒の製造工程と同じで、米、ジャガイモ、小麦などのでんぷん原料の場合、でんぷんを糖に変え、糖から発酵・蒸留の工程を経る。サトウキビやテンサイなどの糖原料の場合は、でんぷんから糖に変える工程がいらなくなる分だけエネルギーやコストが削減できる。 すたがって、でんぷんを糖に変えたり発酵させる際に用いる微生物や酵素を改良すれば、エネルギーやコストの削減につなげられる。そのため、遺伝子組み換え技術に期待する傾向が強まっている。06年11月には、米国で相次いで、報告書などが発表された。1.バイテク産業に関係する民間機関・全国食料農業政策センターが、遺伝子組み換え作物が米国農業に及ぼす効果についての報告書をまとめ、食料と燃料両方の需要を満たすために、遺伝子組み換えトウモロコシの栽培面積の拡大が必要だと述べた(16日)2.米国農務省が、バイオ燃料産業の発展のためには、さらなる規制緩和の必要があると言及。地方のバイオ燃料工場に投資しやすいように、税制や規制を変更する必要があると強調した(17日)3.米国バイオテクノロジー産業協会がバイオ燃料に関する報告書を出し、米国農業がバイオ燃料工業の原料生産を担うべく、その対応策を提案。農業残渣を用いたセルロース系バイオエタノールの開発を強調した(21日) バイオ燃料の第二世代原料の本命は、すでに述べたようにセルロース系である。しかし、現状ではコストがかかり、とても他の作物と太刀打ちできない。したがって、各国で技術開発競争が盛んだ。その最大の焦点は、セルロースを糖に分解する酵素セルラーゼの開発である。 米国のミシガン州立大学は、セルラーゼ遺伝子を導入したトウモロコシを開発した。この遺伝子を使えば、糖への変換効率が高くなるという。ただし、この遺伝子が働くと、栽培中もセルロースが分解されてトウモロコシの繊維分が分解されるので、支えを失って枯れ、作物として成り立たなくなってしまう。それを防ぐために、温泉に棲む高温に強い細菌から取り出した、高温で初めて働き出す遺伝子を用いている。 しかし、この遺伝子が何度から働き出すかは、はっきりしていない。想定されているより低い温度で働き出せば、異常気象による高温でトウモロコシが枯れてしまうかもしれない。あるいは、花粉の飛散による交雑で、この遺伝子が熱帯地方のような高温地帯で栽培されるトウモロコシに混ざった場合、どうなるのだろうか。トウモロコシが全滅するという惨憺たる光景を目にする可能性も否定しきれない。 p171~174<大量浪費社会から小規模な自然エネルギー利用社会へ> 米国や日本をはじめ多くの先進国では、エネルギーが大量生産・大量消費され、大量に浪費されている。そこに環境破壊の根源的な原因がある。それは、経済優先・企業優先で、資源浪費型・環境破壊型のエネルギー・社会構造がもたらしてきたものである。 それに対して、市民団体や環境保護団体を中心に、環境を優先したエネルギーと社会のあり方がめざされてきた。それは、中央管理型でも巨大集中型でもない、分散型のエネルギーと社会である。多様性の尊重といってもよい。もちろん、石油や原子力発電のような化石燃料多消費型ではなく、再生可能で持続可能なエネルギーである。太陽光・風力など低密度で分散型のエネルギーを中心に据え、自然を支配するのではなく、自然と共生するあり方を提起してきた。 そのとき大切なポイントは、自然エネルギーの比率を増やすだけでなく、エネルギーの消費量自体を減少させることだ。大量生産・大量消費社会の見直しである。 小規模に廃木材からエタノールをつくったり、廃食用油からディーゼルをつくる程度であれば、まったく問題はなかった。しかし、エネルギー戦略の中心に位置づけられ、規模が拡大し、市場経済にさらされることで、バイオ燃料の性格は一変していく。 トウモロコシを中心に食料・飼料・燃料の奪い合いが起き、発展途上国の食料を先進国のエネルウギーが奪いつつある。新たな農地の開発のために熱帯雨林の伐採が進み、地下水は過剰に汲み上げられた。加えて、遺伝子組み換え作物の栽培面積が拡大し、花粉や種子による生態系や食料の汚染が起き、多国籍企業による種子支配がさらに強まっている。 小規模な段階のバイオ燃料はプラントの製造も簡単で、環境への影響はない。スケールメリットはないが、廃棄物や廃水の処理にかかる費用もあまり必要としない。地産地消で行えば、流通にかかる費用もわずかですむ。廃食用油の利用のようなリサイクル型や、菜の花プロジェクトのような環境保護型の取り組みが各地で広がっていくことが大切だ。 ところが、このまま大型プロジェクトが増えていけば、食料と競合する原料の確保、遺伝子組み換え技術による弊害、施設のメンテナンス、廃棄物や廃水の処理など、多くの問題が起きる。建設・計画中のプラントの大半は、国の資金援助があって初めて成立している。それなしでは、石油との競争に勝つことはできない。各国がバイオ燃料を増やす政策を続けていけば、こうした矛盾は拡大していき、最後には自滅するしかない。経済の拡大を前提にすれば、解決策は見えてこない。 石油や石炭のような化石燃料は、やがて枯渇していく。その前に社会のあり方を変えていかなければ、取り返しのつかない事態になる。 現在のような大量生産・大量消費は異常であるという認識から出発しなければならない。規模が拡大するかぎり、技術的な解決を図っても、矛盾は増幅する。技術が引き起こす問題は、技術では解決できない。総需要を抑制していかなければ、地球環境の破壊は免れないのである。<あとがき> 06年後半、突然、バイオ燃料ブームが起きたように見えた。だが、慎重に背景をたぐっていくと、米国の食糧戦略やエネルギー戦略が顔を出し、以前から周到に準備されていた動きであることが垣間見えてくる。 穀物や飼料の価格が急激に高騰し、途上国や貧しい人びとの暮らしを直撃する一方で、史上空前の利益を上げた多国籍企業が存在する。バイオ燃料もまた、グローバリゼーションのなかで、富める者をいっそう豊かにし、貧しい者をさらにどん底に突き落とし、格差を拡大する役割を果たしているのだ。そして、推進の口実として、地球温暖化対策が前面に出されている。本当に環境にやさしいのか調べていくと、これまた環境破壊の実態が見えてきた。
2011.05.09
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米メディアの「ジェロニモ、作戦により殺害」という表現に驚くわけです。ウサマ・ビンラディンの暗号名が「ジェロニモ」だったそうだが、米国内では先住民に対する配慮はないのでしょうか?また、オバマ大統領の「Justice has been done.」「我々は彼を仕留めた(We got him)」という表現は、いくら国内向けだとしても、国外の我々には違和感を禁じ得ないのです。ホワイトハウスの戦術では「拘束・裁判」が最悪の選択肢だったようで、有無を言わさないターゲット殺害、水葬が既定の方針だったようです。イラク、アフガンで繰り広げられている西部劇のような非対称戦争に加担する愚について、再考すべきではないでしょうか。(反米の大使の意見ですから、聞き流してください)ビンラディン容疑者殺害:暗号名は「ジェロニモ」より 【ワシントン古本陽荘】国際テロ組織アルカイダの最高指導者、ウサマ・ビンラディン容疑者を殺害した米国の秘密作戦の詳細が米メディアによって明らかになった。同容疑者を暗号名「ジェロニモ」(白人の侵入に抵抗した先住民族アパッチ族の戦士)と呼び、米海軍の特殊部隊「シールズ」が、潜伏先を模した施設で数週間にわたり強襲訓練を重ねた上での突入だった。 作戦開始は現地時間の2日未明。イスラマバードの北約60キロのアボッダバードにあるビンラディン容疑者の居宅(3階建て)で、隊員らが目指したのは容疑者が家族と住んでいると分析した2、3階部分だった。同容疑者の側近らが反撃、銃撃戦は約40分間続いた。 「ジェロニモを確認」。ホワイトハウスの危機管理室で報告を待っていたオバマ米大統領らに、現場の状況を伝えるパネッタCIA(米中央情報局)長官からの一報が届いた。隊員らが3階で発見したビンラディン容疑者は女性を「盾」に銃で反撃を試みようとしたが、頭部を撃たれて死亡した。 「ジェロニモ、作戦により殺害」。パネッタ長官の報告が入った危機管理室ではしばらくの沈黙の後、大統領が声を発した。「我々は彼を仕留めた(We got him)」ひとを殺して歓喜する国民にはなりたくないより 「Justice has been done.」とオバマ大統領はテレビ演説の締めくくりで言った。ニューヨークのグランド・ゼロやホワイトハウス前にたくさんの人々が集まり「USA!」を連呼した。ひとを殺して歓喜する国民がそこにいる。 10年前の9月11日のワールド・トレードセンター崩落後に世界中に配信された映像があったのを覚えている。事件後、パレスチナの地で歓喜するパレスチナ人たちの様子だった。そのテレビ映像をみて「文明国」の人々は言った。何という人々だ。あんな悲劇に歓喜する人々がいるなんて。だから僕らはいま同じように言おう。ひとを殺して歓喜する国民にはなりたくない。今朝の新聞をみた。朝日新聞に最上敏樹が「拘束・裁判が世界の潮流」と主張し、今回の国家の明確な意志による「暗殺」を容認しない意見も紹介している程度で、他紙にはほとんどそのような主張はみられなかった。わずかに毎日新聞が「人々が一人の死を喜ぶ姿に少しうろたえている」というコネティカット州の9・11遺族の談話を載せていたくらい。日本政府は「テロ対策の顕著な前進を歓迎し、関係者の努力に敬意を表する」との談話を発表した。 世界はもっともっと危険な方向に漂流しだしている。大震災後と現在進行形の原発事故のなかにある日本でそのように思う。ジェロニモより ジェロニモ(Geronimo、本名:Goyathlay)はアメリカインディアン、アパッチ族のシャーマン、対白人抵抗戦である「アパッチ戦争」に身を投じた戦士。 メキシコと合衆国双方は、アパッチの略奪に頭を悩ませ、何度も遠征をおこない掃討戦を試みた。しかし山岳ゲリラとも言うべき彼らの戦いは変幻自在で西部大平原のスー族と並んで、アパッチ族は最後までアメリカ合衆国に抵抗したインディアン民族となった。数々の戦いの中に、ジェロニモの姿があった。彼は雄弁に白人への抵抗を呼びかけ、白人と戦い続けた。ジェロニモの抵抗戦は、情報操作されて東部白人社会に大げさに伝えられた。数人殺された白人の数は、数十人、数百人となって報じられたのである。
2011.05.08
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連休に突入したが、毎日が日曜日の大使にとって・・・・図書館が休みだったりして、特段うれしくもないのだ。今朝から、青森から鹿児島まで新幹線がつながったらしいので、皆さんおおいに利用して景気を盛り上げてほしいものである。ところで、TPPはその後どうなっているのだろう?クリントンさんが来日した際も原発の収束が第一で、もしかしたらTPPの話は出なかったかもしれないが・・・大使はしつこく覚えているのである。アメリカがグローバル資本主義で生き残るには、日本と中国を奴隷のように搾取するしか方策はないはずである。原発が収束したあとには、アメリカはTPPを持ち出してくるだろう。アメリカのTPP対応が今どうなっているか、ウィキペディアで調べてみよう・・・・環太平洋戦略的経済連携協定より2011年3月30日、アメリカ合衆国通商代表部ロナルド・カーク代表はワシントンD.C.での講演会で、2011年東北地方太平洋沖地震の被害への復興や福島第一原子力発電所事故の対処のために日本政府は専念すべきとして、2011年6月までにTPPに参加するかどうかの基本方針決定の先送りを容認すると述べた[40]。・・・とのことで、現状は先送りを容認するとのことである。竹中さんが、次の様に述べているが・・・・竹中平蔵 TPP参加で政権公約も見直せより本来、国家戦略室に各試算を持ち寄り、首相の前で政策論議を行う必要がある。最終的には戦略室の事務局で統一試算を示し、首相決断を仰がなければならない。その際、TPPの推進を機に農業の競争力をいかに高めるか施策を明確にすることも求められよう。 考えてみれば民主党内閣は今、不評のマニフェストを見直す絶好機を迎えていることになる。TPPを軸に、これを強力に推進しようという野党と新たな連立を組む覚悟もあってしかるべきだ。TPPは米国などに歩調を合わせて枠組みに参加すればよい、という性格のものではない。日本の経済社会の枠組みを変える大きなチャンスととらえなければならない。・・・・いくら言論の自由があるとはいえ、こんなミスリードが許されるのか、天誅を加えなあかんな(オイオイ)TPPに反発する攘夷派の大使としては、TPPはすなわち「黒舟」であり、国防のためにも食料自給率を上げる必要性を強く主張したいのである。また、遺伝子組み換えナタネ抜取隊に志願したいと思ったりする大使であるが、四国の片田舎にはGMナタネが生えていないので・・・どうもやる気が空回りするのである。ネットを巡っていたら、「大豆100粒運動」とか「菜の花プロジェクト」などが地道に活動していることがわかったのです。TPPをぶっつぶすには、この際、何にでも首を突っ込む必要があるわけで・・・・これらもなかなかの活動であると思うわけです。菜の花プロジェクトはもともと循環型社会を目指す活動らしいけど、菜の花はチェルノブイリの土壌の除染にも役立っているそうですね。チェルノブイリの被爆区域に菜の花を植えることは日本人が指導したらしいが、今では日本人が逆に指導を仰ぐほど、彼の地に定着しているようです。菜の花プロジェクトネットワーク大豆100粒運動
2011.04.29
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今回の大震災に際して日本人の示した態度を、世界は賞賛しているが・・・英紙は、この際アメリカは学ぶべきことはないのか?と辛口で結んでいます。4/20 英紙「日本という国を過小評価していないか」アメリカも中国も到底かなわないと取り上げ話題に よりイギリス・ガーディアン紙が「日本という国をたいそう間違って認識していないか」という記事をとりあげ、海外掲示板で盛り上がりを見せています。並べられていた事実というのが…「失業率5%、給与の格差最小、全員に医療保険、平均寿命最高、新生児死亡率最低、高い学力レベル、犯罪率・投獄率・殺人・精神病・麻薬乱用率すべて低い国がある。アメリカも中国も全く届いていない」いったい経済とは?と問題を投げかけている記事です。そして、「比較的経済が安定している日本やドイツからアメリカは学ぶべきことはないのか」と言った内容で結ばれています。このガーディアン紙の記事に関して、海外掲示板では様々な意見が交わされていたので、一部抜粋してご紹介します。*************************************************************************・それからすごい同民族ばかりの国だ。・外国人嫌いが集まった社会がいいのか、それが理由で分けられた社会がいいのかという問題になってるのか?・この8~10年で相当変わったよ、もう一度訪ねるといいよ。日本を嫌う・好くという段階でいうとそれはまだステージ2だ。ステージ1は観光で行って、みんなが親切で大好き。ステージ2は日本で働く経験をして日本の腹黒い部分が見えて日本人社会の裏面を知るんだ。・記事に書かれているのは真実だ。住んでるけどかなりすごい。それはみんながまともな給料をもらっていて、どんな職業も尊いと思われてることだ。電車の掃除夫さえきちんとした給料をもらっている。 理由のひとつには企業のトップがそこまで強欲ではないからじゃないか。みんながまっとうな金銭感覚を持っていて、何億円のボーナスをもらうことが最悪だと思っているからじゃないか。富はかなり公平に分配されているので中流クラスが大きく安定している。この中流クラスが犯罪を減らしていてるので、誰もハンドバッグをひったくって逃げようとか誰かの財布のためにナイフを出したりしない。もちろん日本社会も問題だらけだが、このことに関しては自分は日本のシステムを賞賛する。・日本にいる間に不思議に思ったのは、みんな自分の仕事にプライドを持っているってことだった。それもどんな仕事にでも。ここフィンランドでは日本のように最低な仕事にでも良い給料を与えるけれど、人々は良い仕事だとは思っていない。むしろ恥じている。お金の問題じゃなく文化でもあるかなと思う。どんな仕事でも尊敬されているということがね。・驚くのはここで問題になっている強欲の問題がないことだ。海外掲示板から見えることは・・・・世界の庶民は、良くも悪くも日本社会の独自性を日本人以上に、わりと的確に見ているということでしょうね。ハンチントン教授もいっているように、地球上の主たる文明の中で有史以来「一国家・一文明」を維持してきたのは日本しかないのだが・・・・日本人もそのあたりを再認識し、その美点については、もっと世界に押し出していくべきと思うのですが。(少なくとも、カトリーナ台風の収拾などと比較すると、日米の評価は逆転する)更に大使は想うのですが・・・・フランス人は勿論、イギリス人でさえ、アメリカの強欲資本主義を苦々しく思っているだろうということです。しらぬはアメリカばかりなのか?それとも嫌われても強欲をとりさげるつもりはないのか?
2011.04.21
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「遺伝子組み換え食品最前線」という本を図書館で借りたのです。13年ほど前に発行された本なので、厚生省となっていたり、知見の一部が古いけど、強欲多国籍企業の実態、企業寄りの厚生労働省の体質についてはさほど変わりないので、遺伝子組み換え食品の本質は充分伝わってきます。また、昨今原子力村の唱えた安全性評価指針などと比べると、よく似たメカニズムが見えるが・・・この点が、まさにこの本の今日的意義なんでしょう。「遺伝子組み換え食品最前線」渡辺雄二著、家の光協会、1998年刊<実質的同等性の不合理>p106~107 そもそも細菌というまったく種の違う遺伝子を組み込まれた植物は、細菌と植物の性質を合わせ持つ改造植物である。これは自然交配では誕生しえないもの、すなわち自然界には存在しえないものである。それが、自然界に存在する植物と「同等」であるはずがない。ところが、「違う」と認めると、食品としての安全性の確認がきわめて困難になる。組み換え作物自体を動物に投与して、急性毒性、慢性毒性、発がん性、催奇形性、アレルギー誘発性などを調べなくてはならない。さらに人間でも同様に調べる必要性も出てくる。これを行うには、膨大な労力と資金、時間が必要である。これでは、開発企業はいつになったら組み替え作物を市場に出せるかわからない。そこで、「実質的同等」という概念を無理やり捻り出したのである。<モンサント社の虚偽報告>p107~112 遺伝子組み換え作物の場合、実質的同等性そのものが、成り立たないケースがある。それが明らかになったのは、モンサント社の害虫抵抗性トウモロコシのアミノ酸組成をめぐる問題からだ。 遺伝子組み換え作物の安全性評価は、開発企業が組み替え作物に関するデータを厚生省に提出し、それを食品衛生調査会が、安全性評価指針に基づいて行っている。つまり、すべて企業側が提出したデータで判断されるのだ。 これがそもそもの大きな問題である。企業側が自分たちにとって都合の悪いデータ、すなわち安全性の確認の障害となるようなデータをわざわざ出すとは考えられない。これでは、客観的なデータに基づいた正しい評価を行うことができない。 さらに、企業側が意図的に虚偽のデータを提出することもある。これが実際に起こったのである。(中略) 実質的に同等かどうかの判断は組み替えを行ったトウモロコシと、行う前のトウモロコシを比較して行うのが当たり前である。ところが、モンサント社では、わざわざそれとは別のトウモロコシと比較している。ここにある意図が働いているのは明らかである。このことからも、企業が提出したデータは信用できないことがわかる。(中略) 前のデータを冷静に客観的に判断すれば、原文データから、アミノ酸組成が組み替え前と組み替え後のトウモロコシでは差があり、実質的に同等とはいえないことは明らかだ。モンサント社が行った分析データは、別のトウモロコシを使ったものであり、信憑性に欠ける。当然こうした解釈になるはずである。 ところが、寺尾部会長は、こうしたデータをねじ曲げ、モンサント社に都合のいいような判断を示している。科学者としてまことに情けないと思う。厚生省も、寺尾部会長と同様な判断である。 結局、日本の行政は、アメリカに逆らえないということなのだろう。もし、組み換えトウモロコシを安全と判断しなければ、アメリカ政府が圧力をかけてくることは目に見えている。それを恐れているのだろう。<生態系破壊のメカニズム>p138~142 アメリカの「」のジェーン・リスラーとマーカレット・メロンは、遺伝子組み換え作物は、生態系に対して次のような深刻な影響を与えると警告している。1、遺伝子組み換え作物が雑草化する。2、作物に導入された遺伝子が、雑草や作物に移行し、自然界に存在しない新たな植物を作り出す。3、ウィルスの遺伝子を組み込まれた作物が、自然界に存在しない新しいウィルスを誕生させる。4、遺伝子組み換え作物中にできる物質が、標的以外の生物に危険をもたらす。 1は、当然起こりうる。なぜなら、遺伝子組み換え作物には種子ができるからである。その種子が周辺に飛び散って、子孫を作れば、雑草化ということが起こる。その雑草は、細菌の遺伝子を持つ自然界には存在しない植物ということになる。 2は、デンマークの国立リソ研究所の実験ですでに確認されている。3もアメリカのミシガン大学で確認されており、この現象はウィルスだけでなく、細菌でも起こりうると考えるべきだろう。 また、4も容易に起こりうる。害虫抵抗性のトウモロコシは、ガやチョウの類いの幼虫をすべて殺す作用を持っている。したがって、花粉を運ぶチョウなどが減ってしまうことになる。害虫抵抗性のジャガイモは、コガネムシ、テントウムシ、ホタルの類いに作用する。したがって、アブラムシを食べてくれるナナホシテントウなどが減ってしまう。 ここで、国立リソ研究所の実験を詳しくみることにしよう。同研究所のトーマス・R・ミッケルセンらは、除草剤耐性の遺伝子組み換えナタネが、近縁の雑草と交配し、その雑草が除草剤耐性を獲得することを確認した。(中略) ミッケルセンらは、「受粉能力を持つトランスジェニック(遺伝子組み換えの)雑草様植物が、ハイブリッド化、および戻し交配というわずか二世代後に誕生したことは、ナタネからその近縁種の雑草ブラシカ・キャンペストリスへの遺伝子拡散が急激に起こる可能性を示唆している」と、結論づけている。TPPに反発する攘夷派の大使としては、組み換え作物はすなわち「黒舟」であり、国防のためにも食料自給率を上げる必要性を強く主張したいのである。<組み換え作物という「黒舟」>p161~166 遺伝子組み換え作物は、現代の「黒舟」といっていいだろう。アメリカ側は日本に「開港」を迫り、その受け入れを認めさせた。そのため通常の作物に混じって遺伝子組み換え作物が輸入され、醤油や豆腐、納豆、サラダ油、コーン油、ビール、スナック菓子、マヨネーズなどさまざまな加工食品に姿を変え、私たちの口に入っている。消費者はそれを拒否したくても、表示がないため拒否できない。 いずれ、組み換えの小麦や米もアメリカから入ってこることが予想され、日本の食卓が遺伝子組み換え食品で占領される日も遠くないという状況である。 アメリカ政府は1991年、「国家バイオテクノロジー政策報告書」なるものを発表し、アメリカが国を挙げて遺伝子組み換え技術の開発を行い、その特許を知的財産として保護し、世界各国に広めていく方針を打ち出した。また93年のガット・ウルグァイラウンドでは、組み換え作物の特許を各国が認めるべきと主張し、受け入れられた。つまり、アメリカは政府と企業が一体となって、遺伝子組み換え作物というハイテク商品によって、世界経済の覇権を握ろうとしているのだ。 アメリカのこの戦略に日本は完全に取り込まれている。それは、1996年9月に最初に安全性が確認された遺伝子組み換え作物7品目をめぐる経過をみれば明らかだ。 多国籍化学企業のモンサント社が開発した除草剤耐性組み換えダイズの安全性が、アメリカで確認されたのは94年9月。96年春には全米のダイズ畑の約2%に作付けされた。農家は通常、乾燥に強い、病気に強いなど5~6品種のダイズを作付けするが、その一つが遺伝子組み換えダイズであった。 それらは同じ時期に一緒に刈り取りされ、何ら区別されることなく、カントリエレベーターに貯蔵された。そしてなどでリバーエレベーターに運ばれ、さらにハシケで港湾の倉庫に運び込まれた。これらの過程で組み替えダイズと通常のダイズとは完全に混じってしまう。 この流通システムはカーギル社などの穀物メジャーが長い間かけて作り上げてきたもので、急に変えることはできない。 アメリカにとって日本は最大のお得意様で、輸出ダイズの18%(95年実績)は日本が買っている。ダイズを日本に輸出するためには、混じっている遺伝子組み換えダイズも輸出できる体制が必要だった。 ところが、日本には95年まで遺伝子組み換え作物に関する安全評価指針がなかった。そこで、厚生省に指針の策定を急ぐように働きかけた。厚生省はそれを受けて研究班を作って急いで指針作りにとりかかり、95年10月に指針案をまとめ、わずか4ヶ月後の96年2月には指針を公表したのだ。 モンサント社はすぐに組み替えダイズの申請を厚生省に行い、わずか半年後の96年9月には「安全」との判断が下された。アメリカ政府は、是が非でもダイズの輸出が始まる秋までに、日本に「安全」と認めさせる必要があった。もし組み替えダイズの安全性が確認されなかった場合、日本へのダイズの輸出が全面的にストップする恐れがあったからだ。(中略) もし、アメリカの意向に従わず、組み換えダイズを「危険」と判断すれば、組み換えダイズばかりか通常のダイズも日本に入ってこなくなる可能性があった。こうなったら、食品業界は大混乱に陥ってしまう。時間をかけてじっくり審議する余裕はなかったのだ。結局、組み換えダイズが安全であろうとなかろうと「安全」と判断せざるを得なかったのだ。 ナタネや飼料・加工食品用のトウモロコシもほぼ100%輸入に頼っており、状況は同じである。つまり、日本の厚生行政はすでに主体的な判断ができないような状況になっているのだ。(中略) ヨーロッパの国々では、消費者の組み換え作物に対する反発が強く、また生態系への影響などを考慮し、それを拒否する国々が少なくない。オーストリアとルクセンブルグでは、害虫抵抗性の組み換えナタネの栽培が、イタリアでは組み替えトウモロコシの栽培が禁止された。 ヨーロッパの国々が、アメリカに対して強い姿勢に出られるのは、食料自給率が高いからである。1987年の時点ではあるあが、フランスは140%を超え、イギリスも70%を超えている。アメリカから食料が全面的に入ってこなくなっても、なんとかしのげる数字である。日本も食料自給率を少なくとも60~70%に引き上げるべきであろう。遺伝子組み換えダイズ抜きの豆腐が食いたいと思うが、既に発売されていたようです。太子食品工業さん・・・・あんたは偉い♪遺伝子組み換え不使用宣言は、タイシが国内で最初より 今では当たり前になった「遺伝子組み換えでない」の表示。実は、食品衛生法で義務化される以前から太子食品工業が国内で最も早く取り組んだことなのです。 平成9年1月、タイシは「遺伝子組み換え大豆不使用宣言」を新聞広告で発表。当時、大きな反響を呼び、タイシの情報公開への取り組みが多方面から絶大な支持を得ました。同年4月には日本で一番最初に商品パッケージに「遺伝子組み換え大豆は使用しておりません。」の表示もスタート。その企業姿勢は現在も少しも変わっておりません。栽培から流通まで厳重な管理を行うIPハンドリングシステムを徹底しており、安心安全が確認された大豆のみを原料としています。 [H13.4.1]厚生労働省が遺伝子組み換え食品の表示義務化厚生労働省は「遺伝子組み換え」「遺伝子組み換え不分別」の表示を義務化。「遺伝子組み換えでない」を任意表示とする食品衛生法の一部改正を施行しました。すでに私たちタイシが行っていた取り組みが法によって義務化されたといえます。
2011.04.21
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池田さんのメアのクビを取れにメア日本部長発言(沖縄タイムスより)が載っています。学生相手にアメリカの官僚(小役人というべきか)の考えがわりと正直に出ていますね。この考えはアメリカ人の平均的日本観に近いものかもしれないが、役人として「それを言っちゃーお終いよ」的発言であり、役人として脇が甘いとしか言いようのない発言でした。第一に沖縄県民を侮辱し、その次に日本人全体を侮辱している発言であり、ルース大使が陳謝して済む問題だろうか?沖縄の基地が抑止力として働くか疑問符がついている中で、「日本人は合意文化をゆすりの手段に使う」「思いやり予算はアメリカに利益をもたらしている」などとこんなにあけすけな(侮辱的な)発言を受けてまで、守ってもらいたいなどと思っていないんですが。アメリカン大の学生らが作成したメア日本部長発言録全文は次の通り。 × × 私は2009年まで駐沖縄総領事だった。在日米軍基地の半分が沖縄にあるといわれているが、この統計は米軍専用基地だけ勘定している。もし、米軍基地と米軍と自衛隊が共用している基地のすべてを考慮に入れれば、沖縄の基地の割合はもっと小さくなる。沖縄で問題になっている基地はもともと水田地帯にあったが、沖縄が米施設を囲むように都市化と人口増を許したために今は市街地の中にある。沖縄の米軍基地は地域の安全保障のために存在する。基地のために土地を提供するのが日米安保条約に基づく日本の責務だ。日米安全保障条約に基づく日米関係は非対称で、日本は米国の犠牲によって利益を得る。米国が攻撃されても日本は米国を守る責務はないが、米国は日本を守らなければならず、日本の人々と財産を保護する。 集団的自衛権は憲法問題ではなく、政治問題だ。1万8千人の米海兵隊と航空部隊が沖縄に駐留している。米国が沖縄に基地を必要とする理由は2つある。既にそこに基地があることと、沖縄は地理的に重要な位置にあることだ。(東アジアの地図を見せながら)、在日米軍の本部は東京にあり、そこは危機において、補給と部隊を調整する兵たん上の中心に位置する。冷戦時に重要な基地だった三沢はロシアに最も近い米軍基地であり、岩国基地は朝鮮半島からわずか30分だ。さらに、沖縄の地理的位置は地域の安全保障にとって重要だ。沖縄は中国に朝貢していたが、独立した王国だった。中国の一部になったことはない。米国は1972年まで沖縄を占領した。沖縄の人々の怒りや失望は米国でなく日本に向けられている。日本の民主党政権は沖縄を理解していない。日本政府は沖縄とのコミュニケーションのパイプを持っていない。私が沖縄の人と接触しようと提案すると、民主党の関係者は「はい!はい、お願いします」という。自民党の方が現在の民主党政権よりも、沖縄と通じ合い、沖縄の関心を理解している。3分の1の人は軍隊がない方が世界はもっと平和になると思っているが、そんな人たちと話し合うのは不可能だ。09年の選挙が民主党に政権をもたらした。これは日本では初の政権交代だ。鳩山首相は左派の政治家だ。民主党政権下で、しかも鳩山首相だったにもかかわらず、米国と日本は2+2(外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会)の声明を(昨年)5月に発表することができた。〈メア氏は部屋を退出し、彼の2人の同僚が日米の経済関係について講義。メア氏が戻ってきて講義を再開すると、2人の同僚は部屋を出た〉米国は普天間飛行場から海兵隊8千人をグアムに移し、米軍の存在感を減らすが、軍事的プレゼンス(存在)は維持し、地域の安全を保障、抑止力を提供する。(米軍再編の)ロードマップのもとで日本は移転費を払う。これは日本による実体的な努力のしるしだ。日本の民主党政権は実施を遅らせているが、私は現行案が実施されると確信している。日本政府は沖縄の知事に対して「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある。ほかに海兵隊を持っていく場所はない。日本の民主党は日本本土への施設移設も言ってきているが、日本本土には米軍のための場所はない。日本の文化は合意に基づく和の文化だ。合意形成は日本文化において重要だ。しかし、彼らは合意と言うが、ここで言う合意とはゆすりで、日本人は合意文化をゆすりの手段に使う。合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄の人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。沖縄の主産業は観光だ。農業もあるが、主産業は観光だ。沖縄ではゴーヤー(ニガウリ)も栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰で栽培できないからだ。沖縄は離婚率、出生率、特に婚外子の出生率、飲酒運転率が最も高い。飲酒運転はアルコール度の高い酒を飲む文化に由来する。日本に行ったら本音と建前について気を付けるように。言葉と本当の考えが違うということだ。私が沖縄にいたとき、「普天間飛行場は特別に危険ではない」と言ったところ、沖縄の人は私のオフィスの前で抗議をした。沖縄の人はいつも普天間飛行場は世界で最も危険な基地だと言うが、彼らは、それが本当でないと知っている。(住宅地に近い)福岡空港や伊丹空港だって同じように危険だ。日本の政治家はいつも本音と建前を使う。沖縄の政治家は日本政府との交渉では合意しても沖縄に帰ると合意していないと言う。日本文化はあまりにも本音と建前を重視するので、駐日米国大使や担当者は真実を言うことによって批判され続けている。米軍と日本の自衛隊は違った考え方を持っている。米軍はありうる実戦展開に備えて訓練しているが、自衛隊は実際の展開に備えることなく訓練をしている。日本人は米軍による夜間訓練に反対しているが、現代の戦争はしばしば夜間に行われるので夜間訓練は必要だ。夜間訓練は抑止力維持に欠くことができない。私は日本国憲法9条を変える必要はないと思っている。憲法9条が変わるとは思えない。日本の憲法が変わると日本は米軍を必要としなくなってしまうので、米国にとってはよくない。もし日本の憲法が変わると、米国は国益を増進するために日本の土地を使うことができなくなってしまう。日本政府が現在払っている高額の米軍駐留経費負担(おもいやり予算)は米国に利益をもたらしている。米国は日本で非常に得な取り引きをしている。(共同)
2011.03.10
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川島博之著「食の歴史と日本人」からの引用が3回目となるが、それだけ、この著者の論調に惹かれるんですね。米国など新大陸へ傍若無人に入植した者には資源を大切に使う心が育つことはなかったが、当然として、彼らには極東の島国の「もったいない」精神は理解不能のようです。両者の違いはキャリング・キャパシティの違いでもあるが、そのあたりを、この本から引用します。p204~210 江戸時代の農業技術では、日本列島で3000万人を扶養するのが精一杯であった。つまり、人口がキャリング・キャパシティ(最大扶養能力)の上限に達してしまっていた。この時代に、間引きが行われた。 人口がキャリング・キャパシティの上限に達してしまった時代には、より一層の勤勉が求められた。江戸後期は「もったいない」精神が根づき、強化されていった時代である。当時の人々は、暖房や煮炊きに用いる燃料、衣料品の原料、また明かりを採るための油も生物資源に頼っていたが、その時代に、農地、森林、草地の合計面積が世界の0.33%しかない国に、世界の4.8%もの人々が住むことになったのであるから、食料だけでなく衣料品の原料も燃料にする木材もすべてのものが不足気味になった。 このため、江戸時代後期において「もったいない」精神は、各方面で大活躍することになる。この時代に、日本人は涙ぐましいほどの努力で、食料、衣料品、燃料を再利用した。 同時代にイギリスでは、米国など新大陸への移民が始まっている。移民にとって新大陸は無限の広さを持つものに感じられたであったろうから、そこにある資源をいかに効率よく手に入れるかについては考えを巡らしたと思うが、資源を大切に使おうとする心が育つことはなかった。 その頃、南米においてもスペイン、ポルトガル、イタリアからの移民が定住し始めるが、その移民が大陸に抱いた印象は北米と同様であったであろう。資源は無限にあるのだ。新大陸に「もったいない」精神が生まれることはなかった。(一部省略) 日本では、明治30年頃に人口過剰が意識されるようになり、大正になると人口過剰はさらに強く意識されるようになった。人口の過剰感は移民を出したい気持ちにつながるが、昭和に入ると米国で排日移民法が制定されるなどして、移民は難しくなった。そのために、日本は食糧増産によって人口過剰を切り抜けようとした。 しかしながら、この時期の日本の政策は矛盾に満ちている。人口が多過ぎるなら産児制限をすればよいのだが、日本政府は逆に「生めよ、増やせよ」と人口増加計画を打ち出している。この背後には、食料が不足するなら他国の領土を侵略すればよいと考える軍国主義が見え隠れする。(一部省略) この時期に日本は植民地とした朝鮮や台湾からコメを調達しようとしたが、そこでも人口が増加してしまったために、十分なコメを手に入れることができなかった。人口問題の解決をはかるために、植民地への移民を考えたのは、満州国を作ってからのように思える。これは、朝鮮や台湾を植民地とした時代よりも満州国を作った時代のほうが、食料不足や人口過剰感が深刻であったためであろう。(一部省略) 一方、満州国を作ったことにより日本は孤立してしまい、イギリス、フランスが支配する東南アジアからコメを輸入することが難しくなった。満州国設立の目的の一つに食料確保があったが、それが裏目に出てしまい、昭和10年代に入ると日本の食糧事情は悪化の一途をたどることになった。 満州事変に始まり15年にも及んだ戦争の時代は「もったいない」精神が特に強調された時代になった。この時代の「もったいない」は、市民の自発的な行動だけでなく、政府の押し付けが加わったことに特徴がある。日中戦争から太平洋戦争へ戦線が拡大し、本格的に物資が不足し始めると、政府による国民への「もったいない」精神の押し付けは激しいものになった。 当時のスローガンである「贅沢は敵だ」は、昭和14年に国民精神総動員委員会が言い出したものとされる。また、「欲しがりません、勝つまでは」は昭和18年に大政翼賛会が募集した標語の中から選ばれている。(一部省略) もちろん物資が不足する中で、庶民は自発的に「もったいない」精神で物事に対処せざるを得なかったのだが、政府がそれを強力に後押ししたことで、当時を生きた人々に「もったいない」精神が強く植え付けられることになった。このことは、その時代を生きた人々の記憶に残り、現代社会にも大きな影響を及ぼしていると思う。戦後生まれの大使にとっても、記憶は定かではないが、ひもじい思いをしているわけで、当然として「もったいない」精神を受け継いでおるわけです。ところで、リーマンショック以降も、態度を改めない米国金融界、FRBなどには、サルコジ大統領も業を煮やしているようだが、大使とて同じである。(ゴマメの歯軋りみたいなものだが)そして、大使がアメリカの言動にいちいち癇に障るのは・・・・もしかして「もったいない」精神の有る無しあたりに起因しているのではないかと思いあたるのです。
2011.02.12
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NHKのBSで2夜連続でGASLANDというドキュメンタリー映画が放映されたが・・・・アメリカでは、ある日、裏庭の隣に掘削井が出現して、蛇口から天然ガスが噴出したりしているようです。この映画では、天然ガスの採掘方法で用いられる水圧破砕採掘法によって飲み水が汚染された人々をレポートしているが・・・・・水圧破砕法によるシェールガスの採掘なんてものは環境破壊そのものであり、こんな工法は生物のいない地球外の惑星で許されるSFのような話であるが・・・・・拝金のアメリカでは、住民の苦情などという柔なものは無かったことにされるのが怖いのです。つまり石油、ガス企業のやり口は、井戸水の代わりに飲料水を提供し、わずかな補償金を払って口封じするわけです。戦争を民営化するなど、とことん拝金のアメリカの富裕な管理者階級にとっては、環境破壊なんてものは戦争に比べるとかわいいいもので、金でかたが付くとでも思っているのでしょう。ここにも、あのチェイニーのハリバートン社が顔をだしているのです。ダースベイダーのように暗黒面のフォースを信奉していると公言したとか、しなかったとか?要するに、金をバックにしたロビー活動と弁護士がこの国をダメにしている。COP16で日本が米中抜きの温暖化対策は無意味だとして、けつをまくったけど・・・・・こんなアメリカの環境対策に期待するのは、かなり夢物語なのかも?This land is your land, this land is my landFrom California to the New York Islandこの映画でピートシーガーがこの歌を歌っていたが、カルフォルニアからニューヨークまで採掘井を示す赤い点に埋めつくされた地図が二重写しで出てきます。いつのまに、自国民にとってこんな酷い国になったんだろう?水圧破砕採掘法(Hydraulic Fracturing)とは天然ガス採掘に用いられる水圧破砕法は水とともに有害な化学物質も注入する。その化学物質が地下水に流れ込み飲み水として利用されるというもの。住友商事、米国におけるバーネット・シェールガス開発プロジェクトについてのように日本企業が食指を伸ばしているけど、くれぐれも火事場泥棒のようなことは慎んでもらいたいものです。米国の天然ガス事情・・・おや三菱商事も
2010.12.15
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昨日とりあげた歴史認識の続きですが、今も続くアフガンでの戦争を内田先生はどう見ているのでしょうね。そのあたりを「街場のアメリカ論(2005年刊)」より引用します。最近起きた尖閣諸島事件や北朝鮮の砲撃事件で日米安保も新しい局面を迎えているにしても、アメリカの戦争体質に関する内田先生の洞察は明晰であると思うわけです。「街場のアメリカ論」P128~132 つまり、歴史はアメリカ人に「戦争で打ち負かした相手は進んで同盟者になる」という経験則を教えているのです。戦争しないことよりも戦争に勝つことの方が同盟者を増やすうえでは効率的であるというロジックはアメリカ人にとってはそれこそが「歴史の教訓」なのです。ですから、アメリカが「とりあえず戦争に勝つ」ということを世界戦略の基本にするのは(はた迷惑な話ではありますが)ごく自然なことです。 イラク戦争もこの成功体験から抜け出せないまま始めてしまいました。負け戦争からの撤退はベトナム戦争で経験しているはずなのですが、あのときも「止め方」がわからなくて、アメリカはたいへん苦労しました。 ベトナム戦争も戦略的には大失敗でしたが、あのときはまだ東西冷戦構造という巨大な「物語」があって、共産主義と資本主義勢力の現地政権の「代理戦争」という言い訳が通りました。しかし、イラク戦争ではアメリカが肩入れする現地戦争が存在しません。 ソ連が崩壊したことによって見た目にはアメリカの一人勝ちなんですけど、実際には貿易赤字も累積して、世界最大の債務国になっていますし、生産力も落ちています。依然として世界第一の国ではあるんですけど、総合的な国力や、国際社会での威信は低下している。そういう下降局面の中で、アメリカの存在感を訴えるためには、格下の国に対して軍事的攻撃を加えるということはたしかに有効な政策です。エマニュエル・トッドはこれを「演劇型戦争」と呼んで、アメリカはアフガニスタン、イラクの後もイランやキューバなどの小国に対して演劇型の戦争を仕掛け続けるのではないかという不安を語っています。 9.11から後のアメリカは依然として圧倒的な軍事的優位を背景にして、「敵対国を同盟者にする」という路線を進んでいます。でも、所期の効果を上げていません。理由はもうおわかりですね。それは、今アメリカが敵対している勢力が古典的な意味での「国民国家」ではないからです。国家は地理的に固定された存在ですから、国土を捨てて逃げ隠れすることはできません。でも、今の敵は地理的に存在を特定できず、ただ機能的にのみ存在する、アモルファスな「テロリスト・ネットワーク」です。 アメリカで次のテロがあったときに、その犯人たちが「アメリカ市民」であった場合、アメリカは深い混乱のうちに沈むでしょう。そのときにはじめて建国以来の「戦争の有効性」に対する信頼が揺らぐことになるからです。国民国家と国民国家が領土や権益をゼロサム的に奪い合うという古典的な「ウェストファリア・システム」で世界戦略を語ること自体がすでに困難になりつつあるという状況にアメリカはうまく対応できていません。これは統治者たちの政治的知性の問題でもありますけど、それ以上にアメリカ国民が「国民国家以外の政治単位が主体であるような政治」というようなフレームワークを受け入れることを拒否していることに理由があるように思われます。 今アメリカ合衆国と敵対しているのは領土も国境も国民も中枢的なセンターさえ持たないリゾーム的なテロリスト・ネットワークです。彼らがそのようなアモルファスな政治単位を選んだのは、そのような不定形的なものだけがアメリカのような超大国の支配と拮抗しうるということに気づいたからです。このあと内田先生はアメリカの没落について、次のように述べるのですが、当時(2005年)の中国と今とでは様変わりしているので、今論じるなら中国ファクターを加味して少しは違ってくると思います。 アメリカは遠からず「没落」するでしょう。これは避けがたい流れです。ですから、戦略的な考え方をするならば、私たちの優先的な課題は、「アメリカが滅びていくことがもたらす被害をどうやって最小化するか」ということに集約されます。アメリカが急激に没落してゆくことで世界が受ける衝撃は巨大です。それがどれくらいの混乱をもたらすかは測定不能です。ですから、アメリカにはできるだけゆっくりと没落していってもらいたい。いかに周囲を巻き込まないで、静かに滅びてもらうかということを、ヨーロッパとかアジアの諸国が考えて、政策的に提言してゆかないといけないんじゃないかと思います。そこまで言うか・・・内田先生も、そんな「猫の首に鈴をつける」ような政策的提言を誰がやってくれるのかわかりませんがと言っていて・・・反米の思いは伝わるけど、言った責任を取ってほしいものです(笑)とにかく、領土や権益をゼロサム的に奪い合うという古典的なパッションを持ち続ける中国に対しては、対抗勢力としてのアメリカには、もうしばらく居てもらう必要がありますネ。
2010.12.09
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9/16オスプレイ配備で沖縄の「重要性」は蒸発するより オスプレイのスピードは従来のヘリコプターのおよそ1,5倍、航続距離も3700kmと、沖縄からなら北海道のどこへでも行けます。それどころか南はビルマ、マレーシア、インドネシア、パプア・ニューギニアに達し、中国の5分の4、モンゴルのほぼすべて、バイカル湖あたりから東のロシア・シベリアを網羅するほどです。そんなオスプレイでどこを攻めるつもりなんだ、沖縄をますます軍事化するのはやめろ、といきり立つのはちょっと待ってください。そんなに遠くまで飛べるなら、グアム・サイパンに置いてもいいはずです。これまでさんざん言われてきた「沖縄の地政学的優位性」は、オスプレイ配備によってあっさり無意味になるのです。さあ、日米の政府は、米海兵隊基地を沖縄に置く新しい理由を、どう見つくろうのでしょうか。あいかわらず「沖縄の地政学的優位性」を強調する「2010年度防衛白書」ウェブ版(こちら)には、その説明は見あたりません。思考停止状態と言っていいでしょう。海兵隊が今使っているヘリはベトナム戦争当時からのもので、いいかげん老朽化しています。順次オスプレイに切り替えることが決まっているので、オスプレイなしの海兵隊はありえないのです。もっとも、財政難で後継機種への切り替えを遅らせるとか、やめる(海兵隊の縮小につながる?)とかいう話が、ワシントンでは出ていますが。ウィキペディアのV-22 オスプレイで、その性能を見てみると、敵前上陸する海兵隊向きの兵器であることが、よくわかります。固定翼を併用するために、回転翼のみよりエンジンの単位出力当たり大きな揚力を得られる。また回転翼機より高い高度に上ることが可能である。また、海兵隊が使用する強襲揚陸艦などで使用できるよう、ローターと主翼は折りたたむことが可能となっている。サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦ではヘリコプター甲板に4機・格納庫に1機の積載とヘリコプター甲板から同時に2機の発着が可能とされている。2007年9月にイラク配備のための輸送では、ワスプ級強襲揚陸艦「ワスプ」に10機が積載された。このオスプレイを沖縄に配備することは海兵隊にとって有力な戦力かも知れないが、池田さんが言うように「沖縄の地政学的優位性」は、オスプレイ配備によってあっさり無意味になるのです。そして、これが日本にとって抑止力となるという説明も難しいし、オスプレイ配備は日米安保に役立たないということでしょうね。事故の多さから試作段階においては「Widow Maker」(未亡人製造機)とも呼ばれたこともあったが、2009年の時点で技術的問題はほぼ解決しているそうだが・・・大丈夫?
2010.09.23
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昨日の日記でも書いたが、「どうしてもダムなんですか?」という本では公益法人に天下った官僚OBが河川行政を牛耳る実情が報告されていて、政官業学の癒着がほの見えるが・・・・・政官業の癒着と言えば「どうしても戦争なんですか?」と、よく似た疑義が沸くんですね、アメリカに対して。(1日おいて、強引な比較になりますが)彼の地の戦争ロビーイストの癒着に比べると、国交省OBの癒着はまだ凄みに欠けるが、それでも自国民に対する背信にかわりはないと思うのです。イラク戦争開戦の理由が「大量破壊兵器の存在」ということで2003年3月20日に、アメリカ単独で開戦したけど・・・・歴史上初めて、報道陣の映像つきで開戦したことが、記憶に新しいですね。国際社会こぞって「大量破壊兵器の存在」を疑問視するなか強引に開戦した裏には、軍産複合体による癒着があるに違いないと、シロウトでも思ったものです。自国民、納税者の苦悩を意に介さない政官業の癒着はどのようにして生じるのか?ということでネットを巡ると「軍産複合体のアメリカ―戦争をやめられない理由」という本がヒットしました。さっそく図書館で借りてみましょう。軍産複合体のアメリカ―戦争をやめられない理由内容(「BOOK」データベースより)アメリカはなぜイラク戦争を急いで始めたのか。「自由と民主主義」を実現するためなのか。イラクはいまや逆に反米テロを誘発し、泥沼状態にある。戦争の動機に、軍産複合体という軍部と軍需産業の結合体の存在が大きい、と著者は指摘する。アメリカの政治・経済構造は、戦争によって利益を得る軍産複合体によって支えられている。それにイスラエル・ロビーやキリスト教右派、石油の利権がからむ。つねに敵を探しつづけるアメリカ。イラクの次のターゲットはどこか。これまで正面から取り上げられることの少なかった軍産複合体の闇に迫る力作。 ちょっと前に、国家権力の闇に立ち向かう兵士を描いたというふれ込みの映画「グリーンゾーン」を見たが・・・・なんか、軍産複合体の闇はこの映画よりも深い気がするので、映画評を書く気も沸かなかったものです。グリーンゾーンイラク戦争を推進したのは、ユダヤ系社会やキリスト教右派、さらに軍産複合体の連結を考える「ネオコン」と呼ばれる勢力でした。日本は同盟国として旗幟を見せる必要はあるにしても、宗教的戦争に加担する愚については、常に押さえておく必要があるんでしょうね。
2010.08.11
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6日の共同通信によれば・・・・広島に原爆を投下した米軍B29爆撃機「エノラ・ゲイ」の機長ポール・ティベッツ氏(故人)の息子は5日、CNNテレビに対し、オバマ政権が平和記念式典にルース駐日大使を派遣したことについて、「そうすべきではなかったと思う」と不快感を示した。 アラバマ州在住のジーン・ティベッツ氏は、電話インタビューで、「これまで一度も行われてこなかったのに、なぜ今になって(代表団を)送るのか分からない」と批判。米政府は原爆投下に謝罪していないが、「無言の謝罪かもしれない」と述べた。 また、原爆投下が戦争終結を早め、多数の人々の命を救ったとして、「当然、正しいことをした」と話した。・・・・・だそうです。ティベッツ氏の発言は極端な例と言えるのか?「原爆投下が百万のアメリカ兵の命を救った」というプロパガンダがなお残るアメリカでは、原爆投下が正当化されているのでしょうね。 池田香代子さんは、アメリカ人は今なおトルーマンの悪夢を生きていると言っています。アメリカ人は今なおトルーマンの悪夢を生きているよりこれまでも、原爆は百万人のアメリカ兵士の命を救った、と言われてきました。そう信じているアメリカ人はいまなお多いようです。けれど、トルーマン大統領が軍部からうけた説明は、原爆を使用しなければ、6万5,500人の兵士が死傷する、というものでした。通常、戦死者は死傷者の5分の1から4分の1だそうです。つまり、アメリカ軍は、上陸作戦によって1万3千人から1万6千人のアメリカ兵の命が失われると見ていたわけです。ところが戦後トルーマンは、この6万あまりと見込まれた戦死者と負傷者をあわせた数を、戦死者だけの数にすりかえました。それによって4倍にふくらんだ死傷者の数25万人を、さらにもう一度、戦死者だけの数にすりかえました。そうすると、死傷者の数はさらに4倍にふくらみ、100万人ということになります。この100万という数字がトルーマンを離れ、いつしか戦死者の数としてひとり歩きするようになった、というのが、「原爆投下が百万のアメリカ兵の命を救った」という神話の本当のところです。1万6千人×4×4×4。4倍が3回なされているわけです。こうした操作は、無意識に行われたのではないか、とする政治史研究者の見方があります。トルーマンにしろ一般のアメリカ人にしろ、原爆被害のあまりのおそろしさに愕然とし、慄然とし、自分たちを正当化するために、その効果をどんどん大きくふくらませずにはいられなかったのだ、とする見方です。」
2010.08.07
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楽天とユニクロが社内での英語公用化を表明したとのことで・・・・・輸出企業では英語を避けて通れないが、そこまでやるか!というのが実感ですね。(楽天ブログなど余技のようなもので、中国などでインターネット市場を商うのが楽天さんのターゲットのようです)韓国との仕事を通じて、韓国人社員の英語能力には早々と白旗を掲げた大使であるが・・・・アメリカ嫌いの大使にとって英語習得は背に腹は変えられない問題でもあったわけですが、でも、もうすぐ退役するので英語公用化という荒波にはおさらばできるのである(良かったね)また一方、戦略的に行動するには、敵性言語を習得する必要があるわけで・・・・・斯様なモチベーションをでっちあげてでも、英語を習得する必要があるのが、昨今の状況なんでしょうね(残念ながら)戦前から民主主義の帝国であり、自由の国を自負していたアメリカ帝国は、9.11以後は自由とは程遠い国に成り果て、民主主義どころか全体主義のような国である。そのあたりについて堤未果さんの新書「アメリカから自由が消える」に詳しく出ていました。華夷秩序と言ってしまえば実も蓋もないが、歴史をふり返っても生きてゆくには宗主国の言語を学ぶ必要があったようです。(普天間問題で、日本はアメリカの植民地であったことが露になりましたね)そう言えばかって、戦前の韓国や台湾では、日本によって日本語習得を強要された事実がありました。文化の揺籃ともいえる言語であるが危機に瀕する言語によれば・・・・アイヌ語とかイディッシュ語など絶滅危惧言語が消えることは、多様な文化の消滅であり・・・・人類の文化とは横暴な経済の蹂躙になすすべがないのか?と落ち込む大使である。おっと、何が言いたいのだったか?アメリカングローバリズムを通じて、英語公用化がデファクトスタンダードになったことは残念ながら認めざるを得ないが・・・・英語習得の際に、アメリカ的なるものが余分に身に付くことが避けられないわけで、慎ましさとか奥ゆかしさが損なわれることになるでしょうね。とにかく「やられる前に、やれ!」という行動規範がある国だから、過剰適応しないという戒めが必要ではないでしょうか?英語公用語化に懐疑的な内田先生の弁を紹介します。ガラパゴスも住めば都より能力ランキングの最下位に格付けされてもなお十分に自尊感情が維持できるほどに豊かな生活が保証されているなら、私は競争を必ずしも排するものではない。しかし、競争に負けると「餓え死にする」というようなタイトな条件においては、相対的優劣を競う暇があったら、生態学的地位を「ずらす」ことで、できるだけ多くの個体が生き延びられる工夫の方に知恵を使った方がいい。地球上に65億人からの人間がひしめいているというのは、どう考えても「勝つものが総取りする」よりは「乏しい資源をわかちあう」ことに知的リソースを投じる歴史的条件である。そして、「乏しい資源をわかちあう」ための方法は生物学的には一つしか知られていない。それは何度も申し上げている通り、種の「ニッチ化」である。他の集団とそのふるまいができるだけ「かぶらない」ようにする。「ガラパゴス化」とは、「ニッチ化」のひとつのかたちだと私は理解している。私が英語の公用語化趨勢に対して深く懐疑的であるのは、それが「ニッチの壁」を破壊しかねないからである。英語公用語化は第二の「男女雇用機会均等法」だと私は思っている。その本質は「日本人・非日本人雇用機会均等法」である。外形的には「政治的に正しい」ポリシーであり、このロジックに正面から反対することはむずかしい。けれども、企業経営者たちは「政治的に正しい」からそのような雇用戦略を採用するわけではない。端的にその方が儲かるからそうするだけである。雇用機会の拡大によって就労競争が激化し、就労者の質が上がり、一方で労働条件の切り下げが可能になる。だから経営者たちは英語公用語化に踏み切る。「ガラパゴス」がどんどん開発されてゆく。だが、孤島に固有の生物種が滅び、マクドナルドとセブンイレブンが並ぶ「ガラパゴス」などに私は住みたくない。あのブッシュは、2002年、陸軍士官学校の卒業式で「先制攻撃ドクトリン」を説いたが、このドクトリンはチェイニー副大統領の「1%ルール」に起源を持つとされる。即ち・・・・「計画された攻撃にたとえ1%でも実行可能性があるという証拠があるならば、アメリカ合衆国はその可能性を確実なものと見なして対処しなければならない」「やられる前にやる」という行動規範が争いを振りまくことになるのが、よくわかりますね。地球ことば村
2010.07.16
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「中国人民と日本人民はともに日本軍国主義の被害者である」として周恩来が戦争賠償請求権を放棄したことには、何かしら中国の深みに感じ入った大使である。また、似たような中華思想を持つ米中であるが・・・・儒教に基づく中国の中華思想とキリスト教福音主義に基づくアメリカン・グローバリズムとでは、似たような中華思想でも中国のほうが格が上だと、内田先生が言っていました。(私にはそう聞こえました)「街場の中国論」から、その辺りを抜書きします。 華夷秩序の周縁国という立ち位置は日本人にとっては国民的エートスになっていると僕は思っています。 もともと中国を中心とした華夷秩序の末端にあった国が、ペリー来航からこっち、「欲望の対象」を太平洋の向こうの国にシフトした。ですから、明治期以降の必死の「脱亜入欧」路線は、「衰微した隣国をうっかり中華だと勘違いしていた自分の愚かさ」に対する苛立ちが含まれていたんじゃないでしょうか。江戸時代までの漢学のプレスティージが、明治期に入って一気に下落しますね。漱石は最初、二松学舎で漢学を学ぶけど、途中から英語に変える。このシフトは当時の日本人にとって「デファクト・スタンダード」が変わったことをわかりやすく表していると思います。そして、日本がアメリカにされたのと同じこと、砲艦外交による開国の強制と不平等条約の締結を朝鮮と清朝を相手に行う。この「変わり身」の速さは華夷秩序の周縁国ならではのものだと思います。 米中のどちらを「中華」とみなすかで、そのつど華夷秩序が書き換えられて、どちらに「いい顔」をすべきかが決まる。何度も言いますけれど、僕はそれが「悪い」と言っているんじゃない。「そういうものだ」と申し上げているんです。ただ、「そういうこと」をしている自分の無意識的な行動について、もう少し自覚を持ってもいいんじゃないかと言っているだけです。 僕自身はとくに親米でも親中国でもありません。ただ、1500年続いた中国を中心とする華夷秩序と、嘉永6年(1853年)のペリー来航から150年のアメリカ中心の華夷秩序を見比べると、中国が中華だった時代のほうが日本は平和だったし、周辺諸国へ迷惑をあまりかけていなかったような気がするという感想を持っているだけです。 アメリカン・グローバリズムは日本人には合いません。「オレが中心で、オレがオリジナルで、オレ的にオレが好きだから、それでいいんだ」という自己正当化では日本人は立ちゆかない。グローバリズムのようなタフな思想でアメリカ人がやっていけるのは、キリスト教福音主義が「神」のサポートを担保しているからです。信仰の支えのないグローバリストなんて神経が持ちません。 だから「儒教に還ろう」と僕はご提言申し上げているわけです。グローバリズムはもう止めて。かって日本が理想的な治世をしていた時代に還ろう、と。こういう政治的目標の立て方が実はいちばん説得力があるんです。「未来をこれから築こう」じゃ、どうも元気が出ない。「(ありえない)過去に還ろう」と言い募っていると、そのうち聴いているほうも「一度はそういうこともできたんだなあ」と勘違いして、うっかり理想が実現できたりする。そういうもんなんです。あまり賛成してくれる人はいないでしょうけど。「儒教に還ろう」という先生の提言には、多少抵抗もあるのですが、先生のお言葉には言外に反米感情が匂うのが・・・・いいですね♪ところで、昇竜のような景気の良さで鼻息の荒い中国であるが・・・・利に敏く下品なところでは、アメリカといい勝負をしているようです。<「街場の中国論」目次>第1講 チャイナ・リスク----誰が十三億人を統治できるのか?第2講 中国の「脱亜入欧」----どうしてホワイトハウスは首相の靖国参拝を止めないのか?第3講 中華思想----ナショナリズムではない自民族中心主義第4講 もしもアヘン戦争がなかったなら----日中の近代化比較第5講 文化大革命----無責任な言説を思い出す第6講 東西の文化交流----ファンタジーがもたらしたもの第7講 中国の環境問題----このままなら破局?第8講 台湾----重要な外交カードなのに......第9講 中国の愛国教育----やっぱりよくわからない第10講 留日学生に見る愛国ナショナリズム----人類館問題をめぐって
2010.07.01
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誰でも疑問に思うのは、「なぜ中川さんが会見に出るのを止めなかったのか?」ということだが、付添いの秘書官の限界なのか、それとも陰謀があったのか?・・・・陰謀があるとしたら「官僚のキングメーカー」「反麻生グループ」の関与ということなのか?、そこまでやるか?・・・・ということで、Webで中川昭一のヘロヘロ辞任に隠されたものを見てみました。ここからは想像ではある。2月13日の夜、中川は米国債を売るそぶりを見せたのではないか。外貨準備が100%米国債ということは、いくらなんでもあり得ない。だから、IMFへの1000億ドルを外貨準備から供出する=米国債の売却だ。となれば、外貨準備以外からの供出を求められたにちがいない。それに、ウンと言わなかったのかもしれない。これこそ陰謀論であるが、もしCIAの関与があったとしたら・・・怖いですね。おっと、これでは陰謀論が結論になってこのエントリーの趣旨に反するので、もっと前向きにこのエントリーを応援しましょう。「米国債を売るそぶり」という日本最強のカードをもっと腰をすえて使えということでしょうねたとえば、オバマはアフガン増派を決定したが、アメリカの軍産複合体主導経済(戦争経済)を諌めるカードに使うとか。(ちょっと無理筋かも?)イラクに大量破壊兵器が存在するという誤情報に踊り、国の進路を違えたことのあるアメリカであるが・・・・・テロリストから国を守るためには、アフガニスタン国内の過激派を攻撃することが有効であるとオバマは本気で考えているのだろうか?(戦争経済はつぶすには大きすぎるだけなんでは?)弱小国の中に踏み込んで非対称戦争を続けるアメリカには、覇権国の傲慢さしか見えないが・・・・アメリカこそ“ならず者国家”ではないか。
2009.02.22
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危機を煽るわけではないが・・・・20日のパキスタンの爆弾テロ事件には、テロの脅威がジワリと迫ってくるような不安を覚えます。中近東の覇権戦争は最前線をイラクよりアフガニスタンに移行しつつあり、最近ではアメリカの派遣軍がパキスタンまで越境攻撃を始めたようです。はっきり言って北朝鮮のテポドンよりは、遠いパキスタンのテロ事件のほうが危機の度合いが大きいのではないか?アメリカが印パ戦争を誘発して、“テロとの戦争”で日本に踏み絵を迫るのではないかという最悪のシナリオまで思いうかぶが(思いすぎか?)・・・・これまで戦争の種を世界中に振り撒いてきたアメリカの産軍複合体ならやりかねないのが、怖いですね。(タリバーンと産軍複合体は裏で手を組んでいるというブラックジョークはない?パキスタンの統合情報局(ISI)とイスラム過激派の関係は国内でも公然の秘密だそうです。旧ソ連のアフガン侵攻に際して、ISIはCIAからゲリラへの資金、武器供与のパイプとなり、タリバーンを育てたのもISIだったそうだから、CIAとタリバーンと通じるチャンネルが残っていても不思議でないが・・・・ここまで妄想を逞しくすると陰謀説になってしまうな~)核ミサイルを実戦配備している印パの地域戦争を再現することは、第3次大戦の契機にもなりかねない脅威であるが・・・・最近の印パとアメリカの関係が気になるのです。アメリカが本腰を入れてインドに原発を売り込んでいるし、パキスタンの新大統領は越境攻撃を批判し、アメリカへの傾斜を見直ししているようです。印パといえばヒンズー教と回教との接点でもあるが、インドにアメリカの十字軍が加担すれば、壮大な宗教戦争にもなりかねないのが怖いですね。でも、冷徹でかつ利にさとい産軍複合体には織り込み済みのシナリオではないだろうか?(大使の被害妄想でないことを切に願うのです)いずれにしてもテロを呼び込むような日本政府の対米追従については、我々国民は踏み絵を踏むような判断を求められているし・・・・総選挙ではどのような争点として現われるでしょうね?ところで、アメリカの情報筋(どの筋だったか?)が今後の日本の展望を述べていました。総選挙後の日本は政治的な混迷を深めて、インド洋の給油は一時的に休止となるんだそうです。なかなか的確な展望ではないでしょうか?(笑)*********************************************************************************アメリカ憎しで言いたい放題の私の妄想?よりは、超左翼おじさんのテロをなくしてゆく道のような真摯な思索もあるんですね♪
2008.09.20
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報道によれば、武装グループは700名ほどの住民に追われ、足手まといになった伊藤さんの足を撃ち、伊藤さんは出血多量により死亡したようです。農業支援を通じて住民に慕われた伊藤さんでしたが、愛したアフガンに殺されるとは理不尽なことです。物取りのような武装グループに政治的メッセージはなかったようですが、荒廃するアフガンを象徴するような事件でした。多国籍軍とタリバン勢力との戦闘が激化し内戦のような有様であり、治安維持に努めるはずの多国籍軍が、誤爆などにより民衆の支持を失うとしたら・・・・戦局はタリバン勢力に傾いているのかも知れないですね。こんな小国をかってはソ連が、そして今はアメリカなどの覇権国が蹂躙しているが、何とかならないものでしょうか?追い風を得たように、町村官房長官が張り切っているが・・・・日本国が「テロとの戦い」により踏み込むとしたら、それは伊藤さんの遺志には沿わないでしょう。(アフガンの民衆に対するスタンスが伊藤さんと日本政府ではかなり違うのでは?)タリバンの出撃基地にもなっている地域はパキスタンとアフガニスタンの国境地域にあり、ここが「テロとの戦い」の最前線とも言える地域なんですが・・・・パキスタンのムシャラフ大統領の辞任に際して保坂議員が日記で次のように述べていました。どんなに凄まじい破壊力を持っている軍事作戦も、民心を掌握することは出来ないということが、アフガニスタン・イラクで証明された。アメリカが世界の超大国だと言っても、中東全域で戦闘を仕掛け、半永久的に軍事制圧するようなことは出来ない。アメリカも、やがてイラク戦争を反省して、撤兵を決断する時が来るはずだが、日本はすべてアメリカの言うがまま、影のように着いていくだけでいいのかと強く思う。伊藤和也さんは他のNGOに殺されたというエントリーが気になるので「私の闇の奥」より一部引用します。世界の政治的経済的現実の中でのエヌジーオーの本質とは何でしょう。私なりのまとめ方をさせて頂ければ、それは「権力による人民操作(manipulation of people)のアウトソーシング(outsourcing)」です。政治権力側にとって、アウトソーシングの最大の利点は、責任をうやむやに出来ることです。そのよい例がイラクで活躍しているブラックウオーターなどの傭兵会社です。正規のアメリカ軍兵士が戦死すれば正式に報告しなければなりませんが、金で雇ってきた私企業会社の社員の死にはその必要はありません。ましてや、そうした雇われ兵士が第三世界の貧困社会からのリクルートであれば、処理は簡単です。見殺しにすればそれでよろしい。同じことは大小のエヌジーオーについても言えることです。ほんの少しばかり話がずれますが、何年か前に、カナダ政府が、慈善事業だからとして税金を免除されていた慈善団体に会計報告を求めたところ、半分近くの団体が慈善団体としての登録を止めてしまったことがありました。この頃はやりの英語でいえば、アカウンタビリティの問題です。しかし、私は、ペシャワール会が、如何なる政府からも、ジョージ・ソロスやビル・ゲーツなどの“大慈善家”からも、びた一文とて受け取っていないことを知っています。
2008.08.30
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とにかく、これを観ると元気がでます。準決勝の相手は1次リーグで敗れた米国。過去20度の対戦で3分け17敗と一度も勝ったことがない天敵だが「相手のことは分かっている。1次リーグは0―1で負けたけど、自分たちのサッカーはできていたし、どっちが勝ってもおかしくなかった。90分間走り続ければ、勝てない相手ではない」と意気込んでいるそうです。なでしこジャパン快進撃よりそうだ 打倒 天敵!である。(なお、打倒 鬼畜米英!と言うのはレッドカードです)あながち、希望的観測ではなくて・・・・・・・90分間走りきるスタミナと根性はあるので、番狂わせを期待しましょう。メダルを取って、イギリスのスポーツブッカーの鼻を明かすのも愉快であるな~ウン。
2008.08.17
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洞爺湖では、サミット粉砕のアピールも見られるが・・・国連がうまく機能しない今、サミットに期待するしかないじゃない。アメリカのモラルの衰退が目を覆うばかりの昨今ですが、サミットを・・・・G8プラスαがこぞって、アメリカ(アホなブッシュ)が牽引する新自由主義の非道な行動に自省または悔悛を迫る場にすれば、世界はもっと良くなるのでは?・・・と期待するんですが。(この哲学的課題に対して、各国首脳クラスに格差の実感がないのが、ネックかもしれないが)ITを駆使した金融の突出により、地球の環境、人類の生活は翻弄されているが・・・・有効な手を出せない各国首脳クラスの知恵の無さはなんとかならないものだろうか?5日の朝日新聞で寺島実朗さんが、言っていました。先日、ロンドンでヘッジファンドの運用責任者の話を聞いた。運用資金の4分の1は日本から来ているそうだ。超低金利が長く続き、日本資産が海外に流出。食料、原油の高騰を加速させ、自ら首を絞めている。ブラックジョークだ。日本は被害者という構図ではない。サミットの最重要課題は、こうした金融市場の低迷と、地球社会が長期で立ち向かう地球温暖化の問題だろう。金融と環境を両にらみで、どう制御するかが問われている。私の考える解決策は二つだ。一つは、450兆ドルともいわれる国境を越えた為替取引に、国際機関が広く薄く国際連帯税を課税してマネーゲームを縛る。もう一つは・・・食料自給率の向上(以下省略)最近よくテレビに顔を出す寺島さんだが、リベラルで傾聴に値するご意見だとは思います。しかし、もう少し日米癒着の財政について切り込んだお話にしてもらいたいところだが、いろいろと制約があるのではないかと推察します。せっかくの首脳のお祭りに、こんな下世話な人の財布に手を突っ込むような追求は難しいのでしょうね。なにはともあれお目出度い洞爺湖サミット として、シャンシャンで終わらないように、切に望む大使である。洞爺湖サミット3つの課題を日本はどこまで仕切れるか?
2008.07.06
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堤未果さんの「ルポ貧困大国アメリカ」には、新自由主義にあえぐアメリカの貧民がルポルタージュされています。日本がこうならないようにするには、どうすればいいのか?アメリカを他山の石とする英知が望まれるということで・・・・楽天ブックより、この本の内容をコピペします。【内容情報】(「BOOK」データベースより)貧困層は最貧困層へ、中流の人々も尋常ならざるペースで貧困層へと転落していく。急激に進む社会の二極化の足元で何が起きているのか。追いやられる人々の肉声を通して、その現状を報告する。弱者を食いものにし一部の富者が潤ってゆくという世界構造の中で、それでもあきらめず、この流れに抵抗しようとする人々の「新しい戦略」とは何か。 【目次】(「BOOK」データベースより)第1章 貧困が生み出す肥満国民(新自由主義登場によって失われたアメリカの中流家庭/なぜ貧困児童に肥満児が多いのか/フードスタンプで暮らす人々/アメリカ国内の飢餓人口)/第2章 民営化による国内難民と自由化による経済難民(人災だったハリケーン・カトリーナ/「民営化」の罠/棄民となった被災者たち/「再建」ではなく「削除」されたニューオーリンズの貧困地域/学校の民営化/「自由競争」が生み出す経済難民たち)/第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々(世界一高い医療費で破産する中間層/日帰り出産する妊婦たち/競争による効率主義に追いつめられる医師たち/破綻していくアメリカの公的医療支援/株式会社化する病院/笑わない看護婦たち/急増する医療過誤/急増する無保険者たち)/第4章 出口をふさがれる若者たち(「落ちこぼれゼロ法」という名の裏口徴兵政策/経済的な徴兵制/ノルマに圧迫されるリクルーターたち/見えない高校生勧誘システム/「JROTC」/民営化される学資ローン/軍の第二のターゲットはコミュニティ・カレッジの学生/カード地獄に陥る学生たち/学資ローン返済免除プログラム/魅惑のオンライン・ゲーム「アメリカズ・アーミー」/入隊しても貧困から抜け出せない/帰還後にはホームレスに)/第5章 世界中のワーキングプアが支える「民営化された戦争」(「素晴らしいお仕事の話があるんですがね」/「これは戦争ではなく派遣という純粋なビジネスです」/ターゲットは世界中の貧困層/戦争で潤う民間戦争請負会社/見えない「傭兵」/一元化される個人情報と国民監視体制/国民身分証法/州兵としてイラク戦争を支えた日本人:「これは戦争だ」という実感) 【著者情報】(「BOOK」データベースより)堤未果(ツツミミカ)東京生まれ。ニューヨーク州立大学国際関係論学科学士号取得。ニューヨーク市立大学大学院国際関係論学科修士号取得。国連婦人開発基金(UNIFEM)、アムネスティ・インターナショナル・NY支局員を経て、米国野村證券に勤務中、9・11同時多発テロに遭遇、以後ジャーナリストとして活躍。現在はNY‐東京間を行き来しながら執筆、講演活動を行っている。2006年『報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか』(海鳴社)で黒田清・日本ジャーナリスト会議新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)堤未果 講演「格差社会の生み出す悲劇ー知られざる米兵の実態」 ホテルのレンタルパソコン(1000円/1泊)でこの日記を書いたが、インターネット先進国とも言える韓国では、ホテル全室に備え付けパソコンがあったな~。それにしても1000円は高いんでないの?
2008.06.26
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鋼材の値上がりで日本の鉄鋼業が悲鳴をあげています。その煽りを受けて、弱い立場の町工場が価格に転嫁できずにあえいでいます。このところのいろんな値上がりには、実需以上の過剰反応があるように思うが・・・・多分、アメリカが増発する金余りマネーと投機のせいなんだろう。中国が穀物輸出から穀物輸入に変わったこと、オーストラリアの不作の影響もあるらしいけど、このところの穀物危機はどうもおかしいと思っていたらつくられた穀物危機というエントリーがあり、やはりそうなのかと思う。Fulfordさんが食糧難は欧米富裕層と大手企業による「やらせ」ですと言っています。食糧難にあえぐ貧民の苦悩をよそに、濡れ手に粟の欧米富裕層の感覚には日本人にはなじめないものであるが・・・・その欧米人のBenjaminFulfordさんでさえ、欧米富裕層とくにユダヤ資産家がお嫌いのようです。世界中の貧者と、世界中の製造業をあざ笑うかのようなFRBが悪いのか?金余りマネーを統御できないG8がアホなのか?・・・・欧米富裕層を政治が統御できないなんて。関さんが悪夢のシナリオをどう回避するのか?と問題を提起しています。それにしても・・・・関さんの描く最終シナリオの恐ろしいこと。ヘッジファンドがサブプライムによる巨額損失を取り返そうとすれば、穀物投機と原油投機で、世界中の貧困層を飢餓に追いやってでも、そんなことおかまいなしで貧困層から金をむしり取るしか手段がないという状況です。穀物価格の高騰は、内戦や国家間の戦争にまで至る可能性を十分に持ちます。金融恐慌から戦争へというのはまさに1930年代の悪夢の再現に他なりません。 もっとも恐ろしいのは、「米国の金融業界が穀物投機で儲け、裏では米国の諜報機関が絶望的状況に追い込まれた貧困層を扇動しながら戦争に駆り立てて戦争を起こし、米国の軍事産業が武器輸出でさらに儲ける」、このシナリオを巧妙に工作しながら実行してしまうことです。荒唐無稽のシナリオとは言えない(むしろ正鵠を射ている)のが怖いですね。 コモディティファンドの陰謀?顕在化した食糧クライシス
2008.05.08
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期せずして、三浦さん逮捕と沖縄の米兵暴行が相前後して起きて、日米の法律の違い(時効,一時不再理,親告罪)が浮き彫りになってきたと思うのです。日本の法律は犯罪者に緩く、アメリカの法律は犯罪者にきついようです。警察の捜査もアメリカのほうが執拗であり、三浦さん逮捕の機会を待っていたようです。ロス警察の執念深さと見るかアメリカの正義感と見るか?一方、沖縄少女暴行事件では少女が告訴を取り下げたので、米兵は釈放されたが・・・・すっきりしませんね。少女暴行などがあれば、その親族が犯人をリンチにかけるというのはアラブの掟だったか?法が裁くまえに、民間の掟が裁くことだってあるのです。この種の犯罪は親告罪となっているので日本での訴訟は打切りとなり、アメリカの法律が後を引き継ぐことになるようだが・・・・一応、米軍は容疑者の拘束を続けているが、治外法権のような米軍基地でアメリカの正義に期待できるだろうか?米軍は民間人、外国人に対して自国の法律を適用する度量を持っているでしょうか?今までの歴史を振り返れば、NO!と言わざるを得ないようです。(ジュネーブ条約を無視する政権中枢が変わらない限り、アメリカの正義は期待できないのではないか?)大田元沖縄県知事が沖縄少女暴行事件で「政府、国会議員、マスコミが無責任な限り米軍基地問題解決はない」と語っています。(janjanより)少女暴行容疑の米兵の罪を問えないのなら、少女が泣き寝入りとなるしかないなら・・・・米軍基地問題として争うのが筋かもしれないですね。ところで、アメリカの執念と言えば、ミスティック・リバーという映画を思いだすが・・・・沖縄の執念にも答えたいものです。
2008.03.03
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赤木さんの私を戦争に向かわせるものはなにか? という本のタイトルも過激であるが・・・・関さんの戦争が避けられぬのなら、アメリカと戦って死にたいというエントリーも過激である。しかしなお、私は次のように言いたい。戦争に行って死ぬ事が避けられぬのなら、中国・韓国ではなく、アメリカと戦って死にたい、と。 私は、ネット上に広がる中国・韓国敵視論に一貫して異議を唱えてきました。「敵はアメリカだ。間違えるな」と。米帝は張り子の虎です。強くありません。地下深くに身を潜め、ゲリラ戦で戦えばよいのです。栗林忠道が硫黄島でやったように。持久戦に持ち込めば、こっちのものです。数年で米帝など内部から崩壊するのです。関さんがロストジェネレーション救済について説いている際、つい洩らしたかなりスキだらけの?アメリカ観がいいですね♪ドングリ国の仮想敵国はアメリカとまで、思いつめる大使にとっては、ハタと膝打つような心強いお言葉でした。関さんも栗林中将について語っています。まさか栗林中将がアメリカに恨みをもっていたとは思えないし、時代と置かれた立場が栗林中将をかくも鬼のように戦わせたのだろうが・・・・アメリカを最もよく知っていた栗林中将が、皇軍ではもっとも頑強に戦った事実がある。これを、どうとらえればよいのか?(かなり右がかってきたゾ)一方、この敵軍の将、栗林中将を映画で(それも日本語で)ヒロイックに描いたのはクリント・イーストウッド監督であり・・・アメリカの懐は深いようです。一言で言えば嫌米であり、抗米救国の大使であるが・・・敵の本丸は米国の軍需産業とかFRBとか金融業であり、的を違わないよう自戒してはいるつもりです。ほんと、大使にとって愛憎あい半ばするアメリカなんですね。硫黄島からの手紙
2008.02.06
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夢の万能細胞(iPS細胞)が生まれた!皮膚の細胞から、筋肉、臓器、脊髄、神経なんかが再生するそうです。山中教授によるノーベル賞確実の成果であり・・・再生医療の進展に格段の弾みがつくことでしょう。再生した細胞しかし、怖いのはアメリカの研究が同レベルで追い付いて並走していることでしょうね。アメリカ企業に特許などで囲いこまれると、金儲けの材料になり果てること請合いです。知的財産権のことを良く知らないけど・・・防衛特許などでガードして、この成果は人類共通の恩恵となるようすべきではないだろうか。倫理の問題なしの逆転満塁ホームランのような快挙に・・・拍手、拍手!!**********************************************************************************<23日の新聞を見て追記>万能細胞といってもiPS細胞(人工多機能性細胞)とES細胞(胚性幹細胞)があり、ES細胞は受精卵を利用するので倫理的な問題を指摘されていた。その点、大人の皮膚細胞を利用した山中教授の成果は画期的だそうです。臨床応用に対しては、細胞のガン化が安全面の障壁となっているそうです。別の方法でiPS細胞を製作した米ウィスコンシン大のチームが追い上げているそうで・・・今後は日米競争が熾烈になるだろうが・・・・いずれにしても、その成果をアメリカ企業に取り込まれないように、監視する必要があると思うのです。なにしろOSにおけるマイクロソフトの先例があるので!!!アメリカが官民一体になったときの実力は、第2次大戦で痛いほど知っているが・・・日本は産学官で、どれだけのプロジェクト体制をしいてくれるでしょうね?日米の研究チーム、ヒトの皮膚から万能細胞の培養に成功ジョージア大学が『テロとの戦いにおける、ES細胞の新たな使い道』を研究しているそうだが・・・・・こうなると、マッドサイエンティストと紙一重ですね。
2007.11.21
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NHKの番組でアンチエイジング療法があった。直訳すれば抗老化療法だけど、若返り療法とでも言うんだろう。アンチエイジング療法による血液洗浄、DNA調査による生活習慣病予防、体内の活性酸素の除去などの紹介があったが・・・なんか違和感があるんですね。たしかに、若返りにいくばくかの効果はあるだろう。テレビ番組では経営コンサルタントなどの裕福な患者が、療法の効果を語っていたが・・・・それは良かったですね。150万円を払って容貌が心持ち若返り(しわが取れたそうです)、おばちゃんがやる気を取り戻したそうです。・・・・それは良かったですね。おばちゃんも納得する健全な?商取引であり、どこからも後ろ指を指される筋合いはないと思うだろうが・・・・・不肖ドングリ大使が後ろ指を指すのです。アメリカンライフスタイルのように、金にあかして、若返るなんて・・・そんなことはドングリ国では許さないのです。みな等しく老いて、みな等しく諦めるのが、ひとの道ではないか!(若返り医療のまえに、することがあるだろうが!)最先端の治療法を駆使して儲けを狙う美容成形医者が現れれるのが、市場原理を放任したの日本国の浅ましい実態かもしれないが・・・・そして、なぜか産科医に関しては医療過疎化がすすんでいるとか・・・市場原理に任すとこうなるかもしれないが、医療に関しては政府主導の規制、保険制度の強化が求められるはずである。まだ見ていないが、マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」にアメリカの医療実態(小さな政府がもたらす医療の悲劇)が見られるようです。アメリカの年次改革要望書(=保険屋業界)が日本の健康保険を狙っているようだが・・・今までうまく機能していた健康保険を変える必要はないのだ!日本国は絶対にアメリカの要求に屈してはいけないのです。『シッコ SiCKO』公式サイト保健医療への外資進出の怖れ
2007.11.19
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アメリカが睨みを利かせている給油新法の政府案が決まったようだが・・・・多分、参院で否決され、衆院で差戻し審議となるのだろう。憲法解釈に無理を重ねて防衛省という既成事実まで作った今、給油新法は憲法解釈、対米追従路線に対する踏絵ともなっていて、まさに政局そのものですね。ここは軍事機密、外交機密というごまかしに隠れた政府答弁に惑わされずに、基本スタンスを押さえておく必要があると思うが・・・・江田さんが政権中枢での経験をもとにブログで基本スタンスを述べているので引用します。都合の良い米国の論理にいつも付き合う必要はない。どの国も、国際社会では米国のように、他国の利益より自国の国益を優先する。それを体裁の良いように「国際益」というお化粧で隠してプレゼンテーションする。そうした冷厳な国際社会の現実を、もっと日本人も知った方が良い。この問題で「国際社会」「国際社会」と言う人ほど、実は国際社会を知らない人が多い。 さらに、今のアフガンの現状を見てほしい。NATO各国軍の犠牲が増えており、各国としては派兵を続行できるかどうか、それぞれの国内で政治的に厳しい事態を迎えている。韓国は、人質事件もあったが、既定路線として年内撤退を決めている。タリバン勢力も盛り返し、武力による「力の解決」が効を奏さなくなってきている。 そういう中で、自衛艦による補給も、ピーク時(17.5万kl/平成14年度)の1/3~1/5に減少してきた。イタリア、カナダ、オランダ、スペイン、ニュージーランド、ギリシャへの給油はゼロとなり、今年現在、給油しているのは米国、英国、フランス、ドイツ、パキスタンのみ。その量も減少、代替可能で、米国でさえ、日本に給油求めるのはパキスタン駆逐艦二隻のみという状況になっている。 我が国は、テロとの戦いへの「包括的パッケージ」を示す必要がある。そうすれば、それぞれの国が、自国の事情を抱えながら、得手の分野で協力するという今の「テロ撲滅のための国際社会の取組」から、指弾されるようなことにはならない。国政の最重要課題の一つとして、これから私も知恵を出して臨時国会で議論し、成案を出していきたい。ペシャワール会の中村医師のアピール(下記)は基本中の基本かもしれないが、軍事プロや軍事オタクにとっては、たぶん最も遠いスタンスなんだろう。「殺しながら助ける」支援というものがあり得るのか。干渉せず、生命を尊ぶ協力こそが、対立を和らげ、武力以上の現実的な「安全保障」になることがある。これまで現地が親日的であった歴史的根拠の一つは、日本が他国の紛争に軍事介入しなかったことにあった。他人事ではない。特措法延長で米国同盟軍と見なされれば反日感情に火がつき、アフガンで活動をする私たちの安全が脅かされるのは必至である。繰り返すが、「国際社会」や「日米同盟」という虚構ではなく、最大の被害者であるアフガン農民の視点にたって、テロ特措法の是非を考えていただきたい。以前、メルケル首相が訪日時に安倍首相に対米問題について相談したようだが、なにも得る事がなく、落胆していたそうです(憶測ですが・・・笑)日本の政局が、NATO各国の政策変更の契機にでもなれば、アメリカ(米軍産複合体)への影響大であり・・・・・政府、関係官庁の危機感はひとしおと思われます。防衛省があわてて都合が悪い情報(軍事機密)を破棄したようだが、すでにある市井の調査結果(海自艦が給油した米艦はイラク作戦に使用した2)に関しては如何ともし難いようです。開示請求に対して不開示を決定した文書を廃棄するのは許されるか?今回の調査での給油実績をみると、大部分は、やがてイラク戦争に突入するイラク作戦のための軍艦への給油であると考えざるをえない。弾薬補給艦、戦闘補給艦、高速戦闘支援艦なども然りである。いずれにしても今後の国会で「国際益」「国益」などと述べる議員、官僚が良い悪いは有るにしろ要注意人物なんでしょうね。保坂議員も8月の段階で憤慨していました。8/12保坂展人どこどこ日記よりアフダニスタン攻撃後、インド洋で給油活動にあたっている海上自衛隊の法的根拠となっている「テロ特措法」の延長問題が、9月中旬(これも8月31日召集という官邸のシナリオは撤回された)にも始まる臨時国会の最大の焦点となる。民主党の小沢代表がアメリカ大使に対して、「延長を認めるわけにはいかない」と断言したことは当然のことながら、筋の通った発言だった。「テロとの戦い」が拡大解釈のはてに「イラク戦争」になり、インド洋の給油も間接的な戦争参加の行為となってきた可能性が強い。政府・防衛省は「軍事機密」をタテに国会に対しても一切を明かしてこなかった。「活動内容はすべて秘密」という白紙委任で「延長賛成」などありえない選択だ。イラク戦争は、史上まれにみるデマ(『大量破壊兵器の製造と隠匿』)を根拠にした無意味な戦争であった。大義のかけらもない軍事占領を続け、イラク議会を発足させたものの連日のように犠牲者か出る爆弾事件が続いて、治安悪化が好転する兆しがない。アメリカ社会は、このような無謀な戦争を始めたブッシュ政権に怒っており、大統領選挙で「イラク政策」は根本的な変更を迫られている。与党PT 給油新法要綱で合意 きょう閣議決定 活動内容を限定10月17日東京新聞
2007.10.16
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アフガニスタンでは、戦闘が激化していて地道な民間ボランティア活動にも支障をきたしているようです。中村医師が「テロ特措法」はアフガン農民の視点で考えてほしいと言っています。隣国で戦争をしながら、アフガニスタンの治安を回復するということが、どだい無理なことかも知れないですね。ケシ栽培も減るどころか増えているようで、同国の生活はいっこうに良くならないようです。どうしてアメリカ主導の治安維持作戦は、こうなるんでしょうね?軍産複合体制維持のために、世界中に紛争の芽を植えつけるのがアメリカの真意ではないのか?・・・と勘ぐってしまうほどです。(中東と事をかまえて第3次世界大戦を起こせば、軍産複合体は世界が滅ぶまでは安泰でしょうね・・・悪いジョークになるが)冗談はさておいて、国会は給油問題で紛糾していますね。軍事オタク?の石破防衛相が「トマホーク搭載艦への給油は問題である」といちおう誠意を見せているが・・・・(米第5艦隊HPにその事実が書かれていたが削除されたようです)だいたい、洋上給油はイラク戦争とイラン監視の為には必要かもしれないが・・・アフガニスタンの治安に、なんで洋上給油が必要なのか疑問に思うのです。ということで、待ったなしの給油新法(新テロ特措法)はどうなるのか、注目しているところです。なお新法では、給油は国会に諮る必要はないということで、シビリアンコントロールという枠を外す危険な法律となっているようです。ところで、イラクでは民間軍事企業の蛮行が頻発しているそうだが、法律上は罰することができないそうです・・・民間軍事企業が悪いのかアメリカの法律が悪いのか?・・・どっちもどっちなんでしょう。民間軍事企業ウィキペディアより「自衛隊給油をイラク戦争に転用?・・テロ特措法」江田さんのHPより海自艦が給油した米艦はイラク作戦に使用した2ピースデポより
2007.10.13
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14日のアサヒコムが米駐日大使「国会議員に機密開示」テロ特措法めぐりと伝えています。シーファー米駐日大使は13日、東京都内の大使公邸で朝日新聞記者のインタビューに応じ、民主党の小沢代表が期限延長に反対の姿勢を示しているテロ特措法について、全国会議員を対象に作戦内容などに関する米側の機密情報を開示する考えを示した。秋の臨時国会で同法を延長できず、自衛隊がインド洋で給油活動をできなくなれば、「(日米同盟に)ネガティブ(否定的)な影響を与える」と懸念した。インタビューにこたえるシーファー駐日米大使=13日、東京・赤坂でシーファー氏は、先の小沢代表との会談で必要な情報提供に応じる意向を表明しており、「米国は(野党側の)決断に必要なあらゆる情報を提供する用意がある」としたうえで「9月ごろ、関心を持つ全国会議員を対象に大使館で機密情報に関する複数回の説明会(ブリーフィング)を計画している」と述べた。米政府が日本の与党以外の議員を対象に機密情報を開示するのは極めて異例だ。 アフガニスタンでの「テロとの戦い」について、シーファー氏は、小沢氏が主張する「米国の戦争」ではなく、「国際社会全体が参加すべき戦争だ」としたうえで、石油の約9割を中東に依存する日本にとって、(シーレーンに当たる)インド洋での作戦は国益に合致するとも主張した。 アメリカが小沢氏の発言を重くとらえ、危機感を持っていることがうかがえますね。シーファー大使はブッシュ(レームダック)政権の要求を伝えているが・・・・小沢氏には、この問題をアメリカの嫌がる「政争の具」としてほしいものである。それが野党というものでしょう。日米同盟はあるにしろ、ポチにもポチなりの意思を表明しないと、かえって笑われてしまいます。即ち、「テロとの戦い」は米国(軍産複合体)の戦争であって、日本の戦争ではないと強く反論に努めてもらいたいものである。
2007.08.15
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タリバーンの韓国人殺害予告期限にあと4時間となっているが・・・・事態が好転するのを祈るばかりです。人質の韓国人ボランティアがクリスチャンであることが、希望的観測を許さない状況だと思います。アフガニスタンもまた、イラクのような内戦状態にまで後退するのではないか?ペシャワール会のボランティア達は大丈夫なんだろうか?緒方さんの尽力とか国際的なPKOなどもあって、民主的な政府が維持されていたと思っていたが、砂上の楼閣だったのか?元凶はすべてアメリカだということはまぎれもない事実であるが、アメリカを非難すれば、この緊急事態が好転するわけでもないのが・・・もどかしいですね。背に腹は変えられないということで、ポーランドとか韓国などの弱小国が米軍の後方支援を行っているが・・・・ほんとうにやりきれない思いがします。イラクで自衛隊が期間を延長して安全な軍務に従事しているが、日本はこの際、平和憲法のありがたさを思い知るべきでしょうね。他文化に思いをはせず、「テロに屈しない」ということで過剰防衛にはしるアメリカには、今後いかなる展望も描けないでしょう。タリバーン、韓国人殺害予告、期限を24時間延長アサヒコムが「韓国国防省は23日、イスラム社会に影響力があるとされる中東の衛星テレビ局アルジャジーラのインタビューに応じた。拉致された韓国人が医療奉仕のために現地入りしたことを説明、韓国の駐留軍はアフガン再建を支援する非戦闘部隊であることを改めて強調した。」と伝えています。タリバーンにとって、西欧型の世情安定は彼らの存在を危うくすると映るのでしょう。そして、対抗する勢力は非戦闘部隊であろうとなかろうと、クルーセーダー(十字軍)に代りないのでしょうね。歴代の米戦略がこの国を翻弄してきたツケを、韓国人が払うのは筋違いに違いないのだが。「タリバンにも太陽政策を…韓国人拘束事件の隘路」について
2007.07.23
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三角合併、ヘッジファンド、GM作物、MSNなど・・・マネーの跳梁が目に余る昨今。日本国の自治州のようなドングリ国ではあるが・・・ドングリ国の仮想敵国といえば、やはりアメリカ民主帝国株式会社となるでしょう。アメリカは日本国と安全保障条約を締結しているが・・・・アメリカの真意は日本国がアメリカの敵対国とならないように、そして米軍需産業の重大顧客と成さんがためと、言われております。「菊と刀」に見られるように、日米開戦以前からスタートしたアメリカの対日戦略はしたたかで・・・現在では『年次改革要望書』などで日本国の政財官のエスタブリッシュをほぼ篭絡しきっていると言われています。田中宇さんが次のように日本国をけなしているが、非はどちらにあるのでしょうか?日本が外交的詐欺に遭いかねない理由は、日本の外交を考える外務省、学者、記者などの知識人が、自分の頭で世界情勢を分析せず、アメリカ(欧米)の高官や学者、記者が発する言論を、絶対の真実として信じてしまうという「知的対米従属」に長く陥っているからである。権威あるアメリカ人がどのように言っているかを正確に把握することだけが重視される、悪しき「翻訳主義」である。米国のパワーポリティクスと金余りマネーが世界に災厄を振りまいている今・・・田中宇さんにしろ、藤原さんにしろ・・・アメリカを良く知るひとほど、アメリカのえげつなさに、あきれかえるようです。日本国の優秀な若者は、今ではアメリカを真似て虚業のような金融を目指すようですね。TOBで名を馳せたスティールパートナーズは、てっきり“ドロボウ仲間”と思っていたが・・・・スティールはsteal(盗品)でなくて、steel(鉄鋼)だったんですね。失礼しました。
2007.05.09
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アメリカの経済は(金余りマネーによる)戦争を組み込んで回っていることが、そして貧者が戦場に出ていることが知られていますね。保坂展人どこどこ日記にアメリカの教育改革法=「落ちこぼれゼロ法案」が載っていたが、貧しい高校生を戦場に送るような法律となっているのです。後追い日本の新しい教育基本法は、ここまで露骨ではないが・・・・ニート、派遣を戦場に送る法律に変わらないと断言できるだろうか?1/3保坂展人どこどこ日記より2年前には地元事務所での講座に招いて以来の久しぶりに堤さんの仕事が気になり、12月8日のロフト・プラスワンで行った連続トークライブの打ち上げでも、アメリカの状況を話してもらった。その場で印象に残ったのが、2002年の春にアメリカ連邦議会で成立した教育改革法=「落ちこぼれゼロ法案」(No Child Left Behind Act)は、全米の高校からドロップアウトする生徒をゼロにするという「崇高な目標」を掲げているという。以下、本の107ページから引用する。「すべての高校は、生徒の親から特別な申請書が提出されない限り、軍のリクルーターに生徒の個人情報を渡されなければならない。また軍の関係者にも、普通の業種のリクルーターと同じように、就職説明のために生徒と接触することを許可することを義務づけている。(107条110項)ロッドペイジ教育省長官とラムズフェルド国防長官は、教育省から全米の学校に配られた手引き書に共同で署名し、各州の教育委員会に、すべての学校がこの法案に従うように指示を出した。拒否した場合は、政府からの助成金が打ち切られる。裕福な私立の学校はそれでもいいが、助成金でぎりぎりの運営をしている貧しい地区の公立高校に選択の余地はない。軍に渡される情報には、生徒の名前、住所、国籍、両親の職業、入学してからの成績、市民権の有無、そして携帯番号とかなり個人的なものまで含まれる。(引用終わり)堤未果さんといえば「2006年日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞」の新人賞をもらった、新進気鋭のジャーナリストなんですね。
2007.01.05
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