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全日本ジムカーナの各選手車載映像を解説する企画で分かった事をまとめます!
(最近、山野選手の(ドライビング)ことばかり考えている気がします。。。笑)
山野選手がご自身の車載を解説されていて、「パキ切り」の意図が何となく見えました!
(動画で実際に見るとより分かるのでお勧めです!)
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ステアリングのパキ切りと言えば、一般的には
初心者がやりがちな、曲がりたいと思ったときにステアリングを一瞬でたくさん回すこと
を言うと思います。
しかし、山野選手や一部のトップドライバーの車載映像を見ると、
パキ切りをやっているんですね。。。
(ソーイングというステアリングを振動させるように振るのとは別だと思います)
僕も車に乗り始めのころはパキ切りをして、よくアンダーを出して
先輩にステアリングはゆっくり丁寧に切りなさいと教えていただき、
矯正できたころにはアンダーをあまり出さない範囲でタイヤのキャパ限界のところで使えるようになったのでパキ切りは悪だと思っていたのですが
(詳しくはこちらにまとめてます→ #1タイヤの声を聴くとは?
)
上記のように、トップレベルの選手でもパキ切りをしている事実は知っていましたが
そういう人もいるんだ~くらいにしか思ってなくて、なんでそうしているのかなんて考えたこともなかったです。
でも、今回DVDの解説で山野選手の理想の走りのイメージを知ることができ、
シャーシメカニズム的な車の運動の理屈と合わせて考えると、ある事実が見えました!
とりあえず順を追って考えていきます。
「初心者がやるパキ切りとトップドライバーがやるパキ切り、何が違うのか?」
これは明確だと思います。
「タイヤの声が聞こえているかどうか」
具体的に言うと、フロントのコーナリングフォースが最大となるタイヤのスリップ角(=舵角)
が分かっているか(感じるられるか)だと思います。
初心者は、往々にして最適な舵角を超えるところまで一気に舵を入れてグリップを失ってしまい、
アンダーになり、さらに曲がらないから切り込んで、抵抗が増えるし、曲がらないしという
悪循環に陥っています。
しかし、タイヤのグリップ感が手に取るように分かるトップドライバーは
日々の鍛錬によって一瞬で舵を入れながらグリップが
最大になる舵角を判断してそこを保つことができるんだと思います!
まるで、HUNTER×HUNTERのネテロ会長の正拳突きの如く!
(って友達には伝わりませんでしたが笑)
(僕はまだまだゆーくり恐る恐る、舵を入れていきながら、タイヤさんのご機嫌をうかがいながらグリップが最大となる舵を正に手探りしています。。。)
とりあえず、同じように見えるパキ切り操作でも中身が全然違うことが分かったと思います。
で、速く切ると何がいいんですか?って感じだと思います。
(確かに、不要な時間は省けていそうだけどタイム的にはあんまり変わらないのでは?)
そこで、
■DVD自己解説中山野氏発言「コーナの進入で積極的にオーバーを出して向きを変えたい」
と
■シャーシメカニズム的な内容 #2 リアステアの正体!?
を合わせて考えると
「コーナの進入で積極的にオーバーを出して向きを変えるためにパキ切りしてる」
ということだと思うので、ではなぜそうなるのかをシャーシメカニズム的に考えてみます。
(厳密に考えるとかなり複雑になってしまうので、簡素かしたイメージです)
まず、最終的に舵角が同じになるとして「ゆっくり転舵」と「パキっと素早く転舵」で何が変わるのかを考えます。
もちろん、途中がどうであれ、安定した時の定常旋回時は同じになるはずです。
なので、差が出るのは旋回開始~定常旋回まで(ターンイン)の過渡の状況のはずです
※その前に、舵角とスリップ角は違いです。
舵角はステアリングの回転量。
スリップ角は、車の進行方向とタイヤが向いている方向の確度の差
つまり、同じ舵角になるまで転舵したとしても、転舵の速度が速くて
旋回が転舵に追いつかないとスリップ角が大きくなります。
■「ゆっくり転舵」を極端に考えると
ターンイン中、限りなくスリップ角を小さい状態を保つようにゆっくり転舵すると
前輪と後輪のスリップ角の関係が一定のままターンインするはずなので
ずっと、ヨーが一定になるはずです。(ヨーはフロントとリアのコーナリングフォースの関係で計算できます)
つまり、ターンイン中も(前後の荷重移動などしなければ)定常円でセッティングしたステア特性になるということになります。
それに対して
■「素早く転舵」を極端に考えると
直進状態から、いきなりコーナリングフォースが最大となるスリップアングルまで転舵するということ
なので、フロントは最大のコーナリングフォースを発生しているにもかかわらず
車体は旋回していないから、リアのスリップ角は小さく、得られるコーナリングフォースも小さい。
つまり、前後のコーナリングフォースの差が大きいので、
ゆっくり転舵した時と比べるとターンイン中に発生するヨーが大きくなることになります。
あとは、車両のセッティング次第な所もありますが、
もし、この発生するモーメント(ヨー)の差によって、
定常円旋回中は弱アンダーの車がオーバー側になるような特性だったら
(生じるモーメントの差がアンダーかオーバーか変わるラインを跨いでいるイメージ)
ペダルで、前後方向の荷重コントロールをする必要なく素早いステアだけで
オーバーを作り出せるということになります。
つまりこれが、 「コーナの進入で積極的にオーバーを出して向きを変えるためにパキ切りしてる」
ということなのではないでしょうか!
ついでに言うと、パキ切りする選手の車載を見ていると
パキ切りした後に、すぐカウンターステアを当てているのが見られます。
これは、パキ切りで作り出したオーバーで向けたいだけ向きを変えたときに
自転を止める操作であると思います(オーバーのまま何もしなかったらスピンしちゃいます)
ということで、パキ切りの正体への理解が深まりました!
今まで、僕は転舵はゆっくり!をとにかく意識していましたが
目的や状況によってはこういう技もあるのだと思ったので、引き出しを増やすために
ネテロ会長目指して、そういう練習もしてみようと思いました!
しかし、今回はかなり色々な要素を省いてイメージで考えているので
実車に乗ると、車速や固有振動数、僕自身の車を感じるセンサーなどいろんな要素によってイメージ通りの動きにならないかもしれません。
(もしかしたらこの妄想自体見当はずれかも。。。)
ということで、エイって早くハンドル切るだけだと初心者のパキ切りに逆戻りしてしまうので
しっかり車に入力される力を想像して、運転してみようと思いました!
イメージ通りならないのはドライビングの難しいところであり面白いところですね(^^
次は、以前悩んで放置していた
山野選手のサイドターンと一般的なサイドターンのイメージの違いについて
良い記事を見つけたのでまとめたいと思います!
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