育てているのは未来です

育てているのは未来です

2023.08.10
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カテゴリ: 未分類

 先週の土曜日に、4年ぶりに東野上町内会の夏祭りがありました。関係者の予想を
はるかにこえる人たちが来てくれて、終盤ではビールやお茶などの飲み物が完売で、
みなさんにご迷惑をかけることになってしまいました。
 今は役員ではない私も、十年以上前に役員になった時以来、音響関係のボランティ
アを続けています。役員の皆さんがテントを張った後、放送機材を運び、スピーカー
を取り付けて準備をします。音楽はすべてパソコンで出力します。
 夏祭りが終わった後は、一人で放送関係の設備を片付けて帰宅しました。


 プランターの花の中でも、日照時間の長いところにある花は、紫外線のせいか花や
葉が白っぽく焼けたように変色しています。それだけ、今年の陽射しは強いというこ
とだと思います。昼間、遮光ネットで上を覆っていたら、ゼラニウムは緑を取り戻し
ました。


 紫外線で縫い糸が朽ちてバラバラになった日除けのテントを、朝の涼しいうちに釣
り糸で修理しました。力を入れると破れてしまう古いテント地を縫い寄せていたら、
遠い昔のことを思い出しました。それはもう50年以上前の、私をとても気にかけ育て
ていただいたお医者さんのところでの話です。

 当時、昼間は仕事、夜は定時制高校という生活でしたが、日曜日だけこのお医者さ
んが奥さんと二人三脚でやっている小さな外科医院のレントゲン写真の現像をさせて
もらっていました。多分これも今思えば、私を経済的に助けるためにわざわざ作って
もらったアルバイトだったのだろうと思います。
 ある日曜日、休日の医院に「虫垂炎手術の予後が悪いので、ぜひとも先生にみてい
ただきたい」という急な電話がかかってきました。電話の内容がよほど切羽つまった
ものだったらしく、断りきれない先生が承諾してから1時間ほどして、タクシーに乗
った寝間着姿の男性が運ばれてきました。自力では車から降りることも出来ない状態
だったので、私が肩を抱えてタクシーから降ろし、そのまま手術室のベッドまで運び
ました。
 その間、40代くらいの患者さんは「すみません、すみません」と何度も私に声を
かけてくれましたが、顔面だけではなく全身に黄疸が出ているのが素人目にもわかる
ような状態でしたから、私も、「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」と声をかけるのが精
一杯でした。
 手術台の上にあおむけになった患者さんの傍に、先生と奥さん、それに住み込みで
働いていた看護師さんがついて手術が始まりました。先生が寝間着の前をはだけて右
の下腹部にあてた大きなガーゼを取り除くと、そこにはひどくジュクジュクとした大
きな傷跡がぽっかりと口を開いています。顔色や傷の周辺部、腹部全体や全身状態な
ど、時間をかけて診察をした後、先生は念入りに傷口の消毒をし、麻酔薬を患部に注
射して開いた傷口を縫合しはじめました。しかし、すでに壊死した皮膚が糸の張りに
耐えらないのか、引っ張るたびに破れてしまいます。
 針の位置を少しずつ外側に移動して縫合を試みましたがどうしてもうまくいかず、
先生はとうとう縫合をあきらめて、患部を大きなガーゼで覆うことで手術を終えまし
た。手術後の患者さんを病室に移し、先生は体のあちこちに吹き出物のように出来て
いた膿疱を切開して治療していました。
 一週間がたった次の日曜、いつものようにフイルムの現像に行った時、気になって
いたあの患者さんのことをお聞きすると、読んでいた新聞から目を離した先生が小さ
な声で「亡くなったよ」と教えてくれました。「やっぱり・・」という思いと寂しさ
が湧きあがりました。
 先生からは、虫垂炎の手術時の不注意から感染症をおこし、その後適切な治療をし
なかったため全身に炎症がひろがったのだと思う。ガーゼをとって患部を見たがすで
に手の施しようのない状態だったというお話をうかがいました。
 その後、遺族から虫垂炎の手術をした病院に対して医事訴訟を起こすので証人にな
って欲しいという話もあったように聞きました。しかし、医師と言えどもその場にい
なかった第三者が、手術ミスを証明をすることはとても難しく、医療事故として訴訟
に至ることはなかったようです。
 朽ちて縫い合わせられないテント地を見て、ふとそんなことを思い出しました。


 パッションフルーツが大きくなっています。はたして実が付くのでしょうか???
駐車場隅に余ったキュウリ苗を植えていたら大きくなって、2日に1本くらいはキュウ
リがとれるようになりました。


 園横の用水路の土手は、以前は雑草が生い茂っていて年に何度も草刈をしなければ
なりませんでした。今は、先生たちがこまめに管理してくれるので、シレネやひまわ
り、コスモスなどが咲く花畑のようになっています。
 右の写真は、旧園舎横の水路です。40年以上前、お金のない保育園だったころ、私
が素人工事で少しずつ作っていった見栄えの悪い擁壁を、業者の方にたのんできれい
に上塗りしてもらいました。


 あまりの暑さに、植えても高温で育たないまま枯れてしまう花もあります。





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最終更新日  2023.08.14 07:24:21
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