浜松中納言物語 0
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「ちょっと気晴らしに出かける」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。夜、夜中までお出かけなさるのでは、よいことがある筈がありません。こんなお供をするような者は、大殿(道長)にも申し上げましょう。世の中は、今日明日にもどう変わるかわかりませんし、大殿が東宮にと心に決めておられることもありますのに、世の中の情勢を見届けになるまでは、このような忍び歩きはしないでくださいと。宮さまに申し上げるので、宮さまは、どこにも行かないよ。退屈だからちょっと気晴らしに出かけるだけだ。そんなおおげさに他人からとやかく言われることではないとだけおっしゃった。
2022.03.23
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「不都合なことも起きてくるでしょう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。軽々しいお出かけは、とても見苦しいものです。通い所の中でもあの女のところは、男たちが大勢通っています。不都合なことも起きてくるでしょう。すべてよくないことは、右近の尉の某(ぼう)が始めるのです。亡き兄宮さまも、この男が連れまわったということです。為尊親王は疫病の流行も顧みず、和泉式部のところへ通って亡くなったと平安時代の歴史物語である栄花物語の鳥辺野の巻に書いてある。このときの案内をしたのも右近の尉ということである。
2022.03.22
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「お忍びでお出かけのことを」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。そのお返事を今はよも きしもせじかし 大水の 深き心は 川と見せつつ今はまさか私のところへはいらっしゃらないだろう 深い想いを大水にたとえておっしゃったのに お言葉だけではなにもならないと申し上げた。 宮さまは、女のところに出かけようと思われて、衣服に薫(たき)物などを炊いているときに、侍従の乳母がやって来て、お出かけになるのはどちらです。お忍びでお出かけのことをみなが噂しています。あの女は特に身分が高いわけではありません。お使いになりたいと思われるのでしたら、お呼びになって召人(愛人)としてお使いになるのがよろしいでしょうと申し上げた。
2022.03.21
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「あなたのことを思っていた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。われもさぞ 思ひやりつる 雨の音を させるつまなき宿はいかにとわたしも同じように雨の音を聞きながら あなたのことを思っていた しっかりした夫もいない宿で どうしていらっしゃるのかと昼頃、大雨で賀茂川が増水したというので、人々は見に行く。宮もごらんになって、今、どうしていますか。わたしは大水を見に行きましたと。大水の 岸つきたるに くらぶれど 深き心は われぞまされる大雨で川の水が岸まであふれていますが その深さに比べても 私のあなたへの想いのほうが勝っていますそれをわかっていますかとある。
2022.03.20
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「ただあなたのことばかり」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。夜もすがら なにごとをかは 思ひつる 窓うつ雨の 音を聞きつつ一晩中 なにを思っていたのでしょう ただあなたのことばかり 窓を激しく打つ雨の音を聞きながら白氏文集・上陽白髪人もの寂しく暗夜に降る雨が窓を激しく打つ音の引用降る雨に 出ででも濡れぬ わが袖の かげにゐながら ひちまさるかな雨の中に出ても濡れないわたしの袖が 部屋の中いるのにどんどん濡れていく 拾遺集・紀貫之この歌のように、家の中にいたのに不思議なほど袖が濡れてと申し上げると宮さまは、やはり相手として悪くはない女だなと思われて返事がきた
2022.03.19
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「あなただけが辛いのではありません」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。わたしを救ってくれる彼岸はあるのでしょうかと申し上げたのを宮さまはごらんになって、すぐに文を送ってくださるなにせむに 身をさへ捨てむと 思ふらむ あめの下には 君のみやふるどうして身を捨てようなんて思うのですか この世の中であなただけが辛いのではありません 誰もが辛いのですとお返事がある 五月五日になったが、雨はまだやまない。宮は先日の女からのお返事がいつもよりも物思いに沈んでいる様子なのを、可哀そうにと思い出された。ひどく雨が降った翌朝、昨夜の雨の音は、恐ろしかったねと。
2022.03.18
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「恋い慕ってくださる涙の雨」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。五月雨の季節を見過ごさない宮さまの思いやりを嬉しく思った。物思いしている時にくださったと思って、女が文を書く。慕ぶらむ ものとも知らで おのがただ 身を知る雨と 思ひけるかなわたしを恋い慕ってくださる涙の雨とも知らないで わたしの悲しい身の上を思い知らされる雨とばかり思っていましたとその紙の一枚を裏返してふれば世の いとど憂さのみ 知らるるに 今日のながめに 水まさらなむ生きていると 辛いことばかりを思い知らされますので 今日の長雨で水かさが増して わたしを流してほしいと。
2022.03.17
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「変な想像をなされていますね」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。いかでかは まきの戸ぐちを さしながら つらき心の ありなしを見む槇(まき)の戸口は閉ざしたままで どうして外から わたしの心が薄情かどうかおわかりになるのでしょう 変な想像をなされていますね人知れぬ 心のうちを 見せたらば 今までつらき 人はあらじな人知れないあなたにわたしの気持ちを見せたのなら 今まで辛くあたる人はいなかったでしょうに 拾遺集・読人しらず人知れないわたしの気持ちをお見せできたら、わかっていただけるのにとある。宮は、今夜もお出かけになりたかったけれど、こういう忍び歩き人々も止めている。
2022.03.16
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「冷たい仕打ちをされ辛い思い」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。いづかたに 行き隠れなん 世の中に 身のあればこそ 人もつらけれどこに行って身を隠そうか この俗世に住んでいる そのためにあの人も冷たい仕打ちをされ辛い思いをする 拾遺集・読人しらずわたしがここにいてはと思って過ごしている。宮さまから雨ですることもない日々をどうしていますかと文があったおほかたに さみだるるとや 思ふらむ 君恋ひわたる 今日のながめを例年のように五月雨が降っていると思っていらっしゃるのでしょうか この雨はあなたを恋し続けるわたしの涙なのですと書いてある。
2022.03.15
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「あの人との仲はどうなってゆく」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。そのうえに、帝(一条天皇)や大殿(左大臣藤原道長)や東宮さま(居貞親王・いやさだしんのう、後の三条天皇)などがお聞きになったら軽薄に思われるだろうと外出を控えてるうちに、長い日数が経ってゆく。 雨が降り続いて退屈なこの数日、女は晴れ間のない長雨の鬱陶しさに、あの人との仲はどうなってゆくのだろうとずっと思い続けていた。言い寄ってくる男たちはたくさんいるけれど、そんな男たちのことは今はなんとも思わないのに、世間の人はいろいろ噂しているらしい。
2022.03.14
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「変な想像をなされていますね」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。いかでかは まきの戸ぐちを さしながら つらき心の ありなしを見む槇(まき)の戸口は閉ざしたままで どうして外から わたしの心が薄情かどうかおわかりになるのでしょう 変な想像をなされていますね人知れぬ 心のうちを 見せたらば 今までつらき 人はあらじな人知れないあなたにわたしの気持ちを見せたのなら 今まで辛くあたる人はいなかったでしょうに 拾遺集・読人しらず人知れないわたしの気持ちをお見せできたら、わかっていただけるのにとある。宮は、今夜もお出かけになりたかったけれど、こういう忍び歩き人々も止めている。
2022.03.13
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「ほかの男が来ているかもしれないと」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。門を叩いてもその音に気づく人もいない。宮さまは女(和泉式部)の噂をいろいろ聞いてこられたから、ほかの男が来ているかもしれないと思われて、そっとお帰りになり、翌朝にあけざりし まきの戸ぐちに 立ちながら つらき心の ためしとぞ見し叩いても開けてくれない槇(まき)の戸口に立ちながら これがあなたの薄情な証拠だと思った 恋の辛さとはこういうことなのかと思うと、悲しくてならないとある。女は、昨夜いらっしゃったようだわ。思いやりもなく寝てしまったと思う宮さまへのお返事は
2022.03.12
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「あまりの恋しさにお訪ねしましょう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。何となく億劫で気遅れがして、とても疎遠になったが この頃は、過ぐすをも 忘れやすると ほどふれば いと恋しさに 今日はまけなむあなたのことが忘れられるかもしれないと日を過ごしたのですが あまりの恋しさに今日は負けてお訪ねしましょうわたしの深い思いを、いくらあなたでもわかってくださるでしょうとある。そのお返事をまくるとも 見えぬものから 玉かづら 問ふひとすぢも たえまがちにて恋しさに負けてお越しになるとは思えません 安否を気づかうお便りさえ途絶えがちなのにと申し上げた。 宮さまは、いつものように忍んでいらっしゃった。女は、まさか今夜はいらっしゃらないだろうと思っているうちに、このところのお寺でのお勤めに疲れて、うとうと眠っていたときだった
2022.03.11
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「待ち遠しいなどと心乱れて」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。 次の日、今日お寺に参詣なさるのですか。いつお帰りになるのでしょう。いつにもましてどんなに待ち遠しいことでしょうとあるので折すぎて さてもこそやめ さみだれて 今宵あやめの 根をやかけまし今夜参詣しないとせっかくの精進がむだになってしまいます でも 待ち遠しいなどとおっしゃると心乱れて 今夜お逢いしようかとまで思われて、行くのがためらわれますと申し上げて、お寺に参詣して三日ほど経ち帰ってくると、宮さまから、気になって仕方がないからお訪ねしようと思うのですが、ひどく辛い思いをした先夜のことを思うと。
2022.03.10
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「ひとつ床に入りもしないで」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。特にお話などもしないで、仏さまの精進を口実にしてなにもしないで夜を明かした。翌朝、宮さまは、変な風に夜を明かしたとお書きになりいさやまだ かかるみちをば 知らぬかな あひてもあはで 明かすものとはいやもう まだこんな恋の道があるとは知りませんでした せっかくお会いしてもひとつ床に入りもしないで夜を明かすことがあろうとはきっとあきれてしまわれただろうと気の毒になって世とともに もの思ふ人は 夜とても うちとけて目の あふときもなし今までずっと物思いをしているわたしは 夜だからと 言いくつろいで眠ることもできません 私には変だとは思われませんと申し上げた。
2022.03.09
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「人目を忍んでお越しになった」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮さまの所には多くの人たちが参上している時なので、童はお見せできない翌朝、その歌を持って伺うと、宮さまはごらんになって忍び音は 苦しきものを ほととぎす 木高き声を 今日よりは聞け思い切り声を出したいにもかかわらず、忍び声でいるのは辛いものです。新しい月になった今日からは、ほととぎすも木立に高らかにさえずり私もまた隠れ忍ぶこともなくゆきましょう。お返事なさり、二、三日たってから、相変わらず人目を忍んでお越しになった 女は、お寺に参詣しようと精進しているところで、お越しになるのがひどく遠のいているのも愛情がないからだろうと思った。
2022.03.08
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「私は露のように消えてしまいそう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。わたしの方はかかれども おぼつかなくも 思ほえず これも昔の 縁こそあるらめお越しがなくても不安ではありません これも亡くなった兄宮さまとの宿縁で結ばれているからでしょうと思ってはみるものの慰めてくださらないと わたしは露のように消えてしまいそうと申し上げた。宮さまは、出かけようと思われるが、恋に不慣れのため、ためらってばかりいらっしゃって、何日か過ぎてしまった。 四月の三十日に、女(和泉式部)は、ほととぎす 世にかくれたる 忍び音を いつかは聞かむ 今日もすぎなば五月に鳴くほととぎす 四月に鳴くのを忍び音といいますが その忍び音をいつ聞くことができるでしょう 四月も終わってしまいます 今日はぜひお越しくださいと申し上げた。
2022.03.07
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「わたしの気持ちをいい加減に思って」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮さまは歌をごらんになって、ほんとうにかわいそうだと思われるがこのような外出はまったくなさらない。北の方の大納言左大将藤原済時も普通の睦まじい夫婦のようではないとはいえ宮が毎晩お出かけになればおかしいと思われるだろう。兄宮が最後まで非難されたのも、この女のせいだと身を慎まれるのも女をそれほど大切には思っていらっしゃらないからだろう。暗くなってからお返事がある。ひたぶるに 待つとも言はば やすらはで 行くべきものを 君が家路にひたすら待っていると言ってくださったら あなたの家へためらうことなく行くのに わたしの気持ちをいい加減に思っていらっしゃるのが辛いですと書いてあるので、いいえ、いい加減だなんて。
2022.03.06
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「お越しを待つとしたら辛い思い」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。文のやり取りは妙な事になってしまい、亡くなった宮さまがあれほど誓って下さったのにと悲しくなって、思い乱れていると、例の童がやってきた。宮さまからの手紙だろうかと思って見ると、そうではなく、それを情けないと思ってしまうわたしは、あまりにも好色ではないかと思う。 童が宮さまのところへ帰るときに歌を託す。待たましも かばかりこそは あらましか 思ひもかけぬ けふの夕暮れもしお越しを待つとしたら このように辛い思いなのでしょうか 翌朝の今日なのに 夕暮れの訪問を思いもよらなかった今日の夕暮れです
2022.03.05
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「別れても不思議なほど恋しくて」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。とても無理なことを色々約束なさって、夜が明けると宮さまは帰られた。そしてすぐに、今どうしていますか。別れてきたばかりなのに不思議なほど恋しくてと文があって 帥宮の恋の歌恋と言へば 世のつねのとや 思ふらむ 今朝の心は たぐひだになし恋というと、あなたは世間並みのものと思うでしょうが 今朝の恋しさは比べようがないくらい熱いのですと受け取る。女(和泉式部)の、返事は世のつねの ことともさらに 思ほえず はじめてものを 思ふ朝は世間並みの恋だなんて少しも思えません はじめて恋のせつなさを知った今朝は と返歌申し上げた。
2022.03.04
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「これから何を思い出話にしたらいい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。はかもなき 夢をだに見で 明かしては なにをかのちの 世語りにせむはかない夢さえ見ることができないで 夜を明かしてしまったら これから何を思い出話にしたらいいのでしょうとおっしゃるので世とともに ぬるとは袖を 思ふ身も のどかに夢を 見る宵ぞなき夜になるとずっと涙で袖を濡らすばかり のどかに夢を見る夜なんてありません まして今夜ご一緒などと申し上げた。宮さまは、わたしのように身軽には外出できない。思いやりがないように思われてもじぶんでも恐ろしいほどあなたが恋しくてならないのですとおっしゃり、そっと御簾の中へすべりこまれた。
2022.03.03
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「ひどく落ち着かない気がする」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。(3/6日曜日辺りには満開になるだろうか)明るすぎる。わたしは古風で引きこもりがちなのでこんな明るい所にいるのは慣れていない。ひどく落ち着かない気がするのであなたのいらっしゃる御簾の中に座らせてください。けっして、あなたが今までお逢いになった方のようなことはしませんからとおっしゃるので、女は、変なことを。今晩だけのお話相手と思っています今までとはいつのことでしょうなどと、話をはぐらかしているうちに夜もしだいに更けてきた。宮さまは、話をするだけで夜を明かしてしまうのかと思われたようで歌を詠む
2022.03.02
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「普通の容姿ではなく優雅で美しい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。 (2/27撮影 4分咲きの梅 鈴鹿菅原神社)宮さまは粗末な車でお越しになり、右近の尉を介してやって来ましたと話されるので、女(和泉式部)はひどく困った気がするが居ませんと申し上げるわけにもいかない。昼も返事をさし上げたのに、家にいながらお帰しするのもあまりにも思い遣りがなく話だけでもと思い西の妻戸に円座をさし出しお入れした。だが、世間の人がそう言うせいか、普通の容姿ではなく優雅で美しい。それに気をとられて、お話など申し上げているうちに月がさし出てきた。
2022.03.01
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「話し合ったところでどうしようもない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。なぐさむと 聞けば語らま ほしけれど 身の憂きことぞ 言ふかひもなき心慰められると聞けばお話ししたいのですが、私の身についたつらさは話し合ったところで、言う甲斐も無くどうしようもないのです何事も 言はれざりけり 身の憂きは 生ひたる蘆の ねのみ泣かれて何事も口では言えない我が身の辛さは、蘆の根元を泥水が、ただ流れて私はもう声をあげて泣くばかりで 蘆(あし)「古今六帖。山部赤人」のように、お話相手になれませんと申し上げた。 宮さまは、思いがけない時に秘かにと思われて、昼から準備をなさり普段手紙を取り次いでいる右近の尉を呼んで、秘かに出掛けると言うと右近の尉は、あの女(和泉式部)の所だなと思ってお供をする。
2022.02.28
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「話し合えたら心が慰められる」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。このように、宮さまから度々手紙があり、お返事も時々さし上げる。寂しさも少しは慰めらる気がして過ごしていると また宮から手紙がある。言葉などいくらか心がこもっていて、語らはば なぐさむことも ありやせむ 言ふかひなくは 思はざらなむあなたと親しく語り合うならば、お互いの気が晴れることもあるだろうか話し合えたらきっと心が慰められることもあるでしょう わたしでは話相手にもならないと思わないでくださいしんみりとしたお話を申し上げたいので、今日の夕暮れはいかがですかとおっしゃってきたので心が慰められると歌を送った。
2022.02.27
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「打ち明けたら返って恋しさがつのり」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮さまから歌が届けられたうち出ででも ありにしものを なかなかに 苦しきまでも 嘆く今日かなわたしの気持ちを告白しなければよかった 打ち明けたばかりに かえって恋しさがつのり 苦しいほど嘆いている今日ですと詠んでこられた。もともと思慮深くない女で、なれない寂しさでどうしようもなく辛かったので、こんなちょっとした歌にも目がとまって、お返事を出した。今日のまの 心にかへて 思ひやれ ながめつつのみ 過ぐす心をそのたった一日の嘆きに比べて想像してください 兄宮さまを失ってから ずっと物思いの日々を送っている わたしの心をと詠んだ。
2022.02.26
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「遊び人みたいに思われるからな」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮さまからはおなじ枝に 鳴きつつをりし ほととぎす 声は変はらぬ ものと知らずやわたしと兄は同じ枝に止まって鳴いていたほととぎすのようなもの 兄と声は変わらないとご存じではないのですかとお書きになった。童に渡されるときに、こんなことは、けっして人に言うな。遊び人みたいに思われるからなとおっしゃって、奥にお入りになった。 童が宮の返事を持って来たので、素敵と見た。しかし、手紙がくるたびに返事を出すのもどうかと思ってお返事は出さなかったら、宮さまは一度手紙を下さると、また下さった。
2022.02.25
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「浮気な評判はまだたっていない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。一旦帰る事にしたが、どうお返事申し上げましょうかと言うので口づてにお返事するのも失礼な感じがして、まあ、いいわ。宮さまは浮気な評判はまだたっていないのだから、歌くらい差し上げたってと思い薫る香かに よそふるよりは ほととぎす 聞かばやおなじ 声やしたるとたちばなの香りに亡くなった方を偲んでいるよりは あなたのお声を直接お聞きしたい お兄さまと同じお声なのかどうか と お返事を申しあげた。 宮さまがまだ縁先にいらしたときにこの童が物陰でなにか言いたそうな素振りをしたのを見つけられてどうだったとお聞きになるので、お返事を差し出すとご覧になっていた。
2022.02.24
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「お香の香がするようで懐かしい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。どんな長くて寒い冬でも、必ず新しい春がめぐってくるものである。宮さまは、上品な方で気取っていて、前の宮さまのようではないが童は、わたしには親しそうに話しているという。いつもあちらへ伺うのかとお尋ねになって、伺いますと申し上げると、これを持って行って、どうごらんになるかと、言ってさしあげなさい。橘の花を取り出したので、昔の人の歌を口にした。五月まつ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする 古今集・読人しらず 五月を待って咲く花橘の香をかぐと、昔親しくしていた人の袖に薫いていたお香の香がするようで懐かしい思いである。
2022.02.23
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「あの美しくて切ない気持ち」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。自分はもう長くないとわかり、あの世への思い出に、もう一度だけ逢いたいと歌っている。恋に生きた彼女は最後に逢いたかったのは誰だったのだろうか。遊び人の為尊親王なのか。それとも帥宮敦道親王。数々の愛人の1人だろうか。愛こそ人生を信念に生きた和泉式部が、最後にもう一度逢いたかったのはやはり、新しい恋なのではないかと思ってしまう。あの美しくて切ない気持ち、夜眠れない緊張感、胸が締め付けられるほど好きという感情をきっともう一度味わいたかったのではないだろうか。どんな長くて寒い冬でも、必ず新しい春がめぐってくるものだから。
2022.02.22
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「せめてもう一度お会いしたい」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。紙の端にかひなくなむ。言葉だけではなく、あなたが欲しいと書き添える。女性が薄暗い家の中で男性が忍び込んでくるのを待つことしか出来ない時代。女性からのその積極的な働きかけは珍しい。和泉式部が伝説となった由縁は恋人の数でも、禁断な恋でもなく、その大胆さにあるのではないだろうか。恋多き女だった和泉式部の晩年は殆ど分からないが、百人一首にこの歌があるあらざらむ この世の外の 思ひ出に 今ひとたびの 逢ふこともがな私はもうすぐ死んでしまう事でしょうが、私のあの世への思い出になるようにせめてもう一度なりともあなたにお会いしたいのです。
2022.02.21
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「一途な思いに生きる控えめな女性」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。その一部始終を文章にすることによって、愛人の勝利は1000年経った今も色あせない迫力がある。北の方の生涯は気の毒なものになってしまった。平安時代の貴族の読者の共感を得るため、主人公は色々な試練を乗り越えながら、一途な思いに生きる控えめな女性として描かれている。その中で、まれではあるが表面化する女の積極性というものも看過できない。例えば、5月5日の頃、川の水が増したということで、宮は女に歌を送る。当時の常識では、女性はそれに対して返歌を送るのが、習わしである。
2022.02.20
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「和泉式部日記は三人称で書かれている」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。和泉式部が知る事になった可能性が2つある。1つは帥宮から話を全部聞いた。そうでなければ、和泉式部がことの顚末を自ら創作したということになる。和泉式部日記は、元々、和泉式部物語と呼ばれ、三人称で書かれている。主人公は名前が分からないある女という設定になっているが、これは紛れもなく、和泉式部自作自演の不倫物語である。よく恋愛に勝ち負けなどないと言われているけれど、この作品を読むと和泉式部が勝利を収め、北の方は敗北という結果を認めなければならない。
2022.02.19
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「日記は突然幕を下ろしてしまう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。宮、入らせ給へば、さりげなくておはす。まことにや、女御殿へわたらせ給ふと聞くはなど車のことも、のたまはぬと聞え給へば、なにか、あれよりとてありつればとて、ものものたまはず。宮が部屋に入ると、北の方は何事もないような様子だった。お姉さんのところに行くと聞いたけど、それって本当なの?言ってくれれば牛車を用意したのにと話し、正妻はあちらからお迎えが来たのでとだけ答えた。実際その場に居るような場面で、和泉式部日記は突然幕を下ろしてしまう。別居寸前の夫婦が目の前にいるかのような感じだが、よく考えてみると和泉式部がなぜこのような事を知っているのだろうか。
2022.02.18
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「宮さまの身代わりにお仕えしよう」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。東宮妃の妹がこのような扱いを受けていると知り、家を出なさいと妹を説得し、やがて北の方は耐えかねて、家出を決意。そこで、華々しく終幕。これといった用事もないのに訪問するのは、馴れ馴れしいと遠慮する。宮さまが死去され心細く、山寺詣でに出かけても手持無沙汰に思われた。宮さまの身代わりにお仕えしようと、帥宮さま(為尊の同母弟、敦道親王 冷泉院の第四皇子。太宰帥のため帥宮・そちのみやと呼ばれた)23歳の帥宮のところへ参上してお仕えしていますと言葉にした。
2022.02.17
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「北の方の姉は皇太子の妻」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。あまりにも侮辱的な扱い、周りの人はみんな私を笑いものにしている。もう恥ずかしくてと北の方が泣きながら話している。それに対して帥宮。新しい召使を雇うにはあなたの許可はいらないのではないの。あなたは機嫌が悪いし、こちらの侍女が俺を嫌っていることだし。髪をセットしてもらおうと彼女を呼んだんだ。こちらでも使えばいいんじゃないのという。帥宮の言い方は、ひどい。和泉式部がかわいそうで、正妻も気の毒。北の方の姉は皇太子の妻である。
2022.02.16
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「妻の私は何も言えるわけではない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。しかじかのことあなるは、などかのたまはせぬ。制しきこゆべきにもあらず、いとかう、身の人気なく人笑はれに恥かしかるべきことと泣く泣く聞え給へば人使はむからに、御おぼえのなかるべきことかは。御気色あしきにしたがひて中将がにくげに思ひたるむつかしさに、頭などもけづらせむとて、よびたるなりこなたなどにも召し使はせ給へかしなど聞え給へば、いと心づきなくおぼせどものものたまはず。女を連れてきたそうですが、何故私に一言も言って下さらないの。別に妻の私はどうこう言えるわけではないですが。
2022.02.15
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「2人はただ愛し合い語り合った」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。これで物事が決着するかと思ったら、今度は帥宮が出家すると言い出す。帥宮の出家宣言も一種の人目を引こうとする行為にすぎなかった。予想した通り、出家のことなんかすぐあきらめて、和泉式部を家に迎える。運命の日は12月18日。一緒に住み始めたら、面倒な移動をしなくても済む。とがめる人もなく、楽園にいるかのように2人はただ愛し合い語り合い幸せな時間を思う存分味わってるが、それを面白く思わない人がいる。帥宮(そちのみや)の藤原氏血筋の正妻こと、北の方だ。
2022.02.14
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「素敵な男性が独身なわけがない」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。うちに来ないかと言うが決してプロポーズではない。権力があり品格もあり和歌のセンスも抜群というような素敵な男性が独身というようなわけがない。和泉式部はただの受領の娘なので、例え第2婦人としても、帥宮との結婚は絶対に許されない。うちに来ると言う表現は愛人兼召使いとしてということだ。毎日帥宮と時間を過ごせる半面、自分の自尊心を捨てなければならない。当然、女心はかなり揺れる。だが、恋にすべて委ねることを決意する。
2022.02.13
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「2人の仲は深まり行動が大胆に」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。仏様のいる明るい山を出て、恋を選んだ和泉式部はもう破滅の道を歩んでいく覚悟を決めて、ここから2人の仲は深まり行動が大胆になる。女性が外出する事が滅多にない時代に、男性と2人で牛車に乗ったり外泊したり、彼の家に上がったり、髪の毛はぼさぼさ、着物は皺がより朝帰りをしたりで、現在でも多くはないであろう。恋の火遊びの時間はハラハラドキドキで楽しくもあるが、帥宮はいつまでも外で遊んでいられるような身分ではないので、うちに来ないかと提案する。
2022.02.12
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「便りには運命の瞬間が綴られている」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。恋人を失って以来、時間が止まったかのようで、心の季節はいつだって真冬。しかし、周りの自然が少しずつ春に目覚めていく。ちょうどそのときに、帥宮(そちのみや)の初めての便りが届くなどと運命の瞬間が綴られている。当初、2人の共通の話題は為尊親王の思い出話なのだが、恋のやり取りになる。そして月がきれいな夜、ついに帥宮がいきなり和泉式部の家を訪ねる。しみじみと物思いにふけっていた時に来たので、どうして長い間来なかったの。遠ざかってゆく昔のゆかりともあなたを思っているのにと取次に言わせる。
2022.02.11
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「10カ月間程の危険な恋愛」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。美人で和歌の達人の和泉式部の周りには、常に求婚者がいたが彼女が中納言や大納言で我慢できなく、次の恋人に選んだのは帥宮敦道(そちのみや あつみち)敦道親王で死去した恋人の実の弟である。平安時代の不倫マニュアルの和泉式部日記には、宮廷を驚かせる危険な恋愛が10カ月間の間に起こった事が、こまかに綴られている。夢よりもはかなき世の中を、嘆きわびつつ明かし暮らすほどに四月十余日(うづきじふよひ)にもなりぬれば、木の下暗がりもてゆく。夢よりも儚いこの世の中、嘆きながら生きているうちに、四月十日過ぎに。木々が生い茂り、木の下に広がる影が少しずつ暗さを増していく。
2022.02.10
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「大好きな人を失い泣き伏せる日々」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。為尊親王は977年~1002年で26歳で他界する。平安時代中期の皇族。冷泉天皇の第三皇子。母は藤原兼家の娘超子。三条天皇の同母弟。為尊親王との不倫うわさは宮廷がにぎわい、和泉式部は勘当されてしまう。また疫病の大流行で、道路に死人が転がる平安京での夜遊びがたたり為尊親王は26歳という若さで帰らぬ人となる。大好きな人を失い、泣き伏せる日々。もう立ち直れないと思ったが次の恋が芽生え再び情熱の嵐がやって来ていることに気付く。
2022.02.09
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「身の丈に合っていない人を好きに」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。普通ならこの辺りで恋愛市場を卒業して習い事三昧の既婚女性生活を楽しむはずだが、和泉式部の恋愛伝説はここから派手やかにスタートした。どちらかが不倫した事で夫婦仲が冷めてしまった。和泉式部の新しい彼氏が冷泉院の第三皇子である為尊親王だった。受領(ずりょう)の娘、バツイチで子持ちだった和泉式部としては身の丈に合っていない人を好きになり不倫関係に陥ってしまう。
2022.02.08
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「恋多き女の次元を超えていた」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。その場で歌をすらすら書いて送った相手は時の権力者で雇い主でもあるそこまで直接的に反抗するには勇気がいった筈である。その話からも和泉式部の大胆な性格がうかがえるが、桃色事情に関しておおらかだった時代でも、おとがめを受け成敗されていた。その事からも和泉式部はただの恋多き女の次元を超えていた事は確かだ。最初の結婚相手は橘道貞。和泉式部という女房名は夫が赴任した地名の和泉国と父の式部省の官名を合わせたものである。
2022.02.07
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「危険な情事の先駆けを演じた女性」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。平安時代は女流文学日記が盛んに創り出され、そして劇をみるように奔放に、愛を生きた女性たちの姿が鮮やかに綴られている。その中でも和泉式部ほど欲望の道をどこまでも極めた人は珍しい。危険な情事の先駆けを演じた女性で、ドラマの主人公を演じる草分け的存在だったのだろう。紫式部が称賛する感情の激しさはこの和泉式部のトレードマークだ。藤原道長に、浮かれ女の扇と落書きをされたとき、私の夫でも恋人でもないのにというような意味合いの歌をその場ですらすらと書いた。
2022.02.06
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「夢よりも儚い男女の仲」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。多かれ少なかれ、平安当時も現在も誰もがそれぞれのドラマを抱えている。かといってドロドロ路線を突き進み、昼メロドラ並みの壮絶な人生を全うするという事は、凡人にはそう簡単にできることではない。 夢よりも儚い男女の仲、亡くなった宮さま為尊親王(ためたかしんのう)の事を悲しみ思い悩み夜を明かして暮らすうちに、四月十日過ぎになり木の下は葉が茂ってしだいに暗くなってゆく。築地(ついじ・土塀)の草が青々としているのも、誰も特に目もとめないけれどしみじみと眺めている時に庭先の垣根越しに人の気配がして誰だろうと目を凝らすと、亡くなった宮さまに仕えていた小舎人童(こどねり)だった。
2022.02.05
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「帥宮(そちのみや)敦道親王との恋愛」 「Dog photography and Essay」では、「愛犬もも」と「和泉式部日記」の研鑽を公開してます。平安時代の日記。和泉式部日記と呼ばれ和泉式部と帥宮(そちのみや)敦道(あつみち)親王との恋愛を綴り紫式部は平安不倫マニュアルと呼んだ。1003年4月から翌1004年1月に掛けての日記が歌を交え収めている。もう恋なんて永遠にしないと思っていたが、目を閉じると思い浮かぶ。脳裏に焼き付いた後ろ姿や記憶に刻まれる言葉の数々。心が傷つきもう二度と元に戻らないと心配になることだってある。
2022.02.04
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