みきまるの優待バリュー株日誌

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Dec 29, 2013
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カテゴリ: 優待株について
さて今日はユニバEの現在の問題点からまずは見て行きましょう。

 ユニバはかつては米ウィンリゾーツ社と蜜月関係で、仲良くカジノホテルを経営していたわけですが、その後ユニバがフィリピンで単独でのカジノホテル運営を志したことから急激に関係が悪化しました。

 そして2012年2月18日、ウィンリゾーツ社はユニバの連結子会社であるAruze USA Inc.を株主として不適任であるとして、Aruze USA Inc. が保有するウィン・リゾーツ社株式(24,549,222株、発行済株式に対する持分割合:当時19.66%)を、同日のウィン・リゾーツ社株式時価の約30%の割引価格(つまり70%)で10年満期の長期受取手形(19億ドル=約1900億円)を対価として償還することを決定し、実行しました。当然ユニバ側は反訴し、現在泥沼の法廷闘争が繰り広げられています。

 そしてユニバは当連結会計年度末をもってウィン・リゾーツ社を持
分法適用対象から除外し、ウィン・リゾーツ社株式を取得原価で評価しています。取得原価は425億円

2013バランスシート.jpg

 一方ウィンリゾーツ(ティッカーWYNN)の2013年12月29日現在の株価は191.25ドルなので、1ドル105円で計算すると保有株式の時価はなんと約4930億円 ! となります。ま、保有株式はすでにウィンリゾーツによって償却されてしまっており絵に描いた餅ではありますが。

 法廷闘争の行方がどうなるかは全く分かりませんし、 連邦海外腐敗行為防止法 などの存在から、ウィン側に有利な判決が出る可能性が高いと思いますが、いずれにせよ保有ウィンリゾーツ株には巨大な含み益があり最悪の場合でも19億ドル、約2000億円は9年後には戻ってくるわけで、それによりユニバの実質のPBRが極めて低いことは事実です。また今期業績予想に関してはその10年満期の19億ドルの債券の受け取り利息38728852ドル(約40億円)を含めていない(裁判所に預けている)、保守的な内容となっています。

 次のユニバの問題点は、むしろこちらの方が深刻な問題なわけですが、社運を賭けて開発中のフィリピンのマニラベイリゾートの巨大カジノホテルを巡る疑惑の着地点が見えないことです。

  疑惑は2つあります。1つは2008年7月にカジノ建設用地を3.5億米国ドルで取得した際に、現地開発法人が現地の「反ダミー法」を犯していたというものです。(反ダミー法とは、外国人の企業活動を制限するフィリピンの法律のことで、現地で土地を取得する場合、少なくともフィリピン人が60%以上出資してなくてはいけないというもの。) ユニバ側は、2013年11月1日に現地2企業が60%以上の株取得で合意したため、現在は土地保有規制問題はクリアしたという立場ですが、以前の土地取得時点での違反があったとフィリピン司法省に認定された場合には、依然としてライセンス剥奪の可能性があります。

 そしてもう一つはカジノライセンス取得に関して贈収賄があったのではないかという疑惑です。これに関してはユニバ自身も  第3者委員会(現在は第2次委員会)  を立ち上げて現在も調査中ですが、証言を拒否する利害関係者も多かったりして現在でもその真相は依然として藪の中です。ユニバが「限りなくブラックに近いグレー」な銘柄であることは様々なエピソードからビンビンと伝わってくるんですね。

 さてここからは個人的な考えですが、反ダミー法疑惑の方は「形式犯」的な要素が強いようであり、現時点ではなんとかクリアできそうと見ています。一方の贈収賄疑惑の方はこのまま逃げ切れるかどうかはまだちょっと分からない、場合によっては致命傷になり得ると考えており、これがユニバがカジノ開業に漕ぎ着けられるかどうかの最大のポイントになるだろうと思っています。

 ところで、現在ユニバが持っているのは「暫定ライセンス」なのですが、施設完成時には「自動的」に「本ライセンス」が得られることになっています。もちろん現時点でフィリピン司法省やフィリピン議会が問題視しているわけなので、このまま疑惑を払拭しないままにうやむやにゴールにたどり着けるとは私も思わないのですが、その一方で中進国のフィリピンにとっては今回のカジノ事業は国家的な事業であり、また暫定ライセンスを与えられた4事業者の中でも最大規模(総投資額23億米国ドル)で、数万人単位の現地雇用を見込める巨大プロジェクトをそう簡単に頓挫させられるのか?とも思います。

 むしろ、私はここ日本の方が実際のカジノ開業には極めて大きな困難が伴うだろうと思っています。来年の国会で首尾良くカジノ関連法案が通ったとしても、本当に候補地に選定されたエリアでは「治安・風紀の悪化やイメージの劣化」を懸念して地元住民による激しい反対運動が起こり、ちっとも前に進まないという事態も十分に想定されるのではないかと言う気がしています。日本は「掛け声だけのムーンウォークばかりで、ほとんど前に進めない国」ですからね。

 そのため私は今のところは、「これからもすったもんだはあるだろうけど、経済的なインセンティブが非常に強い中進国のフィリピンでは、最終的にはオラオラでカジノ開業に漕ぎ着けられるだろう。」と楽観的に考えています。だからこそ超主力にもしたわけです。このあたりの最終判断に、父親から譲り受けた私のギャンブラーとしてのDNAが色濃く表出してしまっているなあと思います。

 そして、数々の疑惑のいずれかがクロ認定となり、カジノライセンス剥奪と言う最悪のシナリオになってしまった場合は、残念ながらライセンスは再入札ということになるわけですが、その場合でもユニバがカジノリゾートを建設中の現地は発展著しいフィリピンの超一等地であり、次の落札者に施設も合わせてそこそこの値段で売れるのではないか?とも考えています。なので、最悪ポシャッても会社の倒産などという事態にはまずならないだろうと見ています。ま、株価は楽にここから3分の1にはなるでしょうが。

 以上をまとめると、「ユニバEでの今回の大勝負が極めてハイリスクなのは事実だが、細かく見ていくと勝率はそこそこ高く、かつ悪夢のシナリオになってしまった場合でも最低限の逃げ道が用意されている。」というのが、今の私の認識なのです。実際にはどうなるのか、実に楽しみですね。(続く)






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Last updated  Dec 29, 2013 12:43:59 PM


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