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さて今日は株式投資本オールタイムベストです。第133位は、
金融市場はカジノ(ニコラス・ダーバス著、パンローリング、2019年)
です。
これは1960年の処女作にしてベストセラーとなった、
私は株で200万ドル儲けた
に続く1964年に出版された彼の第2作となります。
今日はまずは、監修者前書き から。
本書は取引所を含み証券業界の本質は一般の人からカネを合法的に巻き上げるカジノであると喝破したうえで、そのなかで生きていく(投資家として勝ち残っていく)ための考え方や戦術を説いたものである。
本書の原書が発行されたのは半世紀以上前になるが、「いくらキレイごとを言っても取引所はしょせんカジノである」という彼の見方は、現在でもまったくもって正しい。それを否定する人は、知的に不誠実な人間か詐欺師、あるいはモノを知らないナイーブな関係者だけだろう。
はい、私も株式市場は「カジノの一種」だと考えています。ただ本物のカジノの場合はゲームの種類によって少しずつ異なるものの、大まかに期待値(還元率)は0.95~0.99と言われています。これはカジノの運営者=胴元の取り分があるために当然1.0を下回る設定になっている為です。
ただ株式市場の場合は 超長期で見た場合の年間リターンは6.5~7%
とされているため、頻繁な売買を避け極力手数料と税金を払わないように気を付ければ、期待値(還元率)は1.05程度はあるゲームです。なので、ゼロサムゲームである FXの方がカジノに近い
かなあと個人的には考えています。
すいません、いきなり脱線しました。
さて本書ですが、ダーバスのモメンタム投資家としての素朴ながら鋭い観察眼が光るなかなかの好著となっています。
またテクニカルとファンダメンタルを融合させて戦うやり方である、今では良く使われている「テクノファンダメンタリスト」という造語も、おそらくダーバスがその生みの親だろうと思います。彼はとにかく「言葉のセンス」に優れているんですね。
1作目ほどの衝撃は無いですが、この2作目もなかなか味わい深いです。それでは次回からは面白かったところをコンパクトに見ていきましょう。(続く)
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