投資逍遥

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2005/04/30
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カテゴリ: 読書
この本は昭和61年10月の発行です。
著者の守屋洋氏は1932年生まれの中国文学者です。

近思録は中国南宋の朱子と呂祖謙が共同で編纂して1176年に刊行したものです。
内容は、北宋の4人の哲学者のことばから、学問に志す人にわかりやすく、かつ修養になるものを選び出してまとめたものです。
日本では、朱子学の入門書として、江戸時代から広く読まれてきた古典です。

『「近思録」の読み方』を読んで最も惹かれた箇所は、読書法を書かれた部分です。
それは、近思録の致知篇に次のように書かれています。

「書は多く看るを必せず。その約を知らんことを要す。多く看てその約を知らざるは書肆のみ。」

現代語訳では、「必ずしもたくさん読む必要はない。肝心なのは、書かれているポイントをつかむことである。数だけこなしてもポイントをつかまない読み方をしていたのでは、本屋のおやじと同じだ」というのです。

これは反省させられますね。
日々多量の本が出版される今日、私を含めて、一冊の本を熟読玩味する習慣をもつ方は少ないのではないでしょうか。
時には1冊の古典とじっくり格闘する時間を持ちたいものです。

近思録が刊行された当時は12世紀ですが、当時の読書法の主流は、古典を繰り返し読み、そこに説かれている教えを心に刻みつけるものでした。
2月27日の日記 に書きましたように、安岡正篤先生も同様に説かれています。

更に、読書を3つの段階に分けています。
即ち、
1、内容を熟読玩味する。
2、心に刻みつける。
3、実践して会得する。

最も実際には、ここまで理想的な読書は簡単ではないと思います。
そして何よりも、今からでは遅すぎるという問題があります。(笑)
本来は、自己形成の過程で実践するべきことですから。
ただ、それを言ってしまってはどうにもなりません。
せめて少しでも、理想とする人物に近づけるように修養したいものです。(汗)










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Last updated  2005/04/30 06:59:33 PM
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