投資逍遥

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2005/08/14
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カテゴリ: 読書
1988年に発行されたこの本には、日本初の女子留学生の1人として12歳のときにアメリカに渡った山川捨松(後の大山巌夫人)が書かれています。
7月30日の日記 で触れましたが、捨松は後に津田塾大学の設立者となった津田梅子とともに、アメリカで11年間にわたる留学生活を経験された方です。

以下は、 【この本からの引用】 【征野の感想】 です。

【この本からの引用】
中でも一番危険な仕事は「焼き玉押さえ」といって、敵が打ち込んできた砲弾が破裂する前に濡れた布団や着物で弾を覆いかぶせ、爆発をふせぐ仕事である。捨松の義姉で大蔵の妻とせが、身体に数箇所の傷を受け悲惨な最期をとげたのも、この「焼き玉押さえ」をしていたからであった。

【征野の感想】
会津生まれの捨松が8歳の時、1868年に会津戦争となり、捨松は母姉とともに鶴ヶ城に篭城しました。
その時の体験を書かれた箇所です。
城中では「焼き玉押さえ」という命がけの戦いが繰り広がられていたのは衝撃的です。

捨松が44歳の時に、会津戦争時を振り返って書いた文章に「サムライの娘」としての覚悟が書かれています。
それは次のとおりです。
「毎日のように、大砲の弾が私達の頭をかすめ、お城の中に落ちてきました。その弾を拾い集めて積み上げておくのも私の仕事の一つでした。母、姉、義姉そして私はいつでも死ぬ覚悟は出来ておりました。怪我をして体が不自由になるよりも、死を望んでいました。ですから、私達はいつも母と約束をしておりました。もしも、私達の中で誰かが重傷を負った時には、武士の道にならって私達の首を切り落として下さいと」


【この本からの引用】
あなたが喜んで絹を受け取ってくださることを望みます。どのような絹をお望みなのかお知らせください。

【征野の感想】
これは、捨松の兄健次郎がベーコン夫人(捨松は留学中にベーコン家で生活をしていた)に宛てた手紙の一節です。
1876年の手紙です。

当時の日本の絹は、アメリカ人が欲しがる物だったようで、けっこう質が良いものであったと想像されます。
ちょっと誇らしい気持ちになりますね。

参考までに、1867年の輸出品は生糸が圧倒的で、国際競争力があったものと思われます。
生糸とは、手元の辞書によると、まゆから取ったままで、まだ練っていない絹糸です。

私事ですが、30年以上も前のことながら、農家である父親の実家では、蚕(かいこ)を育てていました。
この蚕は蛾の幼虫なのでどう見ても虫ですが、この虫が絹を作り出すという神秘には、子供心に不思議な思いを抱いたものです。
祖父母が蚕を大切にする姿を見ると、蚕がかわいらしく見えたものです。








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Last updated  2005/08/14 02:49:45 PM
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征野三朗 @ Re[1]:MXS全世界株式(2559)を新規買付(06/08) mkd5569さんへ おはようございます。 オ…
mkd5569 @ Re:MXS全世界株式(2559)を新規買付(06/08) こんばんは なにかと話題のオルカンですね…
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