投資逍遥

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2005/12/10
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テーマ: お勧めの本(7336)
カテゴリ: 読書
今回は、『少年倶楽部名作選2』(講談社:昭和41年発行)の中の、『敵中横断三百里』の感想を書く。
この作品は、昭和5年の4~9月号に『少年倶楽部』に連載された。
著者の山中峯太郎(1885~1966年)は、陸軍幼年学校(第四期)を経て陸軍士官学校(第十九期)へ進み、陸大を中退。
陸大を中退するするために、陸大批判の論文を執筆したりして、苦心(?)したそうだ。
現代の我々の感覚だとわかりにくいが、この学歴はかなりのエリートコースのようだ。

さて、『敵中横断三百里』だが、この作品は『少年倶楽部』に連載されたわけで、当然ながら少年向けである。
内容は、日露戦争時の次のような実話に基づいて書かれている。

「沙河の対陣」の際に、建川美次中尉以下六名の騎兵がロシア軍の背後深く鉄嶺まで斥候として侵入して見事任務を果たした。
この斥候の結果行われたのが奉天の大会戦であり、その勝利の日三月十日が陸軍記念日となった。

以下に 【この本からの引用】 【征野の感想】 を書く。


【この本からの引用】

本国からあたらしい精兵を、シベリヤ鉄道でドシドシと送ってきだした。
列車が引きかえしていては単線だからまにあわない、というので、送ってきた列車を、到着した駅でみな焼きすてる。

【征野の感想】

露軍が兵力を東に移動させている場面だが、列車を焼き捨てるというのが気になった。
当時のシベリヤ鉄道を走る列車が木製であったかどうかは定かではない。
ただ、日本の列車が鋼体化されたのは昭和2年のことで、このことは 11月6日の日記 に書いた。
つまり、日本国内では日露戦争の時には木造列車が走っていたことになる。
要するに、当時のロシアの列車も木製であったと推定でき、列車を焼き捨てるのは不可能ではなさそうだ。


【この本からの引用】

切腹のとちゅうに捕虜となり、生きながらえては二重のはじだ。

【征野の感想】

これは、斥候中に多勢の敵から逃れようとするが、進退きわまり切腹をしようとする場面。
昭和5年の少年向けの本に、このようなことが書かれていたのかと驚いた。
戦陣訓の「生きて虜囚の辱を受けず」を彷彿とさせる。







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Last updated  2005/12/10 08:21:04 PM
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