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2019.06.05
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​​ イザベル・コイシェ 「マイ・ブックショップ」元町映画館
​​​​​​​​​​​​​​  今日は ゴジラ老人シマクマ君 の誕生日です。であるからして、誕生日にふさわしい「映画」を、という気分で出かけたのが元町映画館ですね。
 これが今週の元町映画館ね。
 えっ?なにが相応しいの、ですって?
 シマクマ君の同居人、チッチキ夫人はもう10年以上「ブック・ショップ」の店員さんなんです。出版社から流通、学生の本離れ、売れない本に対する愛、とにかく、本には少しうるさいわけです。
 というわけで、今後の平和な同居生活を願えば、この映画を見ないわけにはいかないではありませんか。ね、「本屋さんの映画」、ふさわしいでしょ。
「行ってきまーす。 ああ。あっ、今日、マイ・ブックショップ観てくるね。」
「ええっ、ズルー。」
「どうせ、また行くんやろ、混んでるかどうか、先乗り調査や。」
「ハイハイ、じゃあね。」
 観た甲斐がありましたね。 シマクマ君 の誕生日の映画としてピッタリでした。というのはこの映画には「本」が登場するからです。今日は映画に出てきた「本」についてしゃべります。
​ 一冊目は、 レイ・ブラッドベリ「華氏451度」 。新刊本の発売されたのは1950年代の終わりですね。 シマクマ君 世代のSFファンなら、ヘンテコな題名の意味が「紙」が燃えはじめる温度ということくらいまで常識ですね。「本」が禁じられた世界で、ファイアー・マンだったかが「焚書」したり、「本」を隠し持っている人を処罰したりするんです。​
だからね、この映画の副主人公、偏屈老人 ブランディッシュ が、この本を気に入るのは、映画の話法としてトーゼンなんです。
 二冊目は ウラジーミル・ナボコフ「ロリータ」 。今では新潮文庫で読めますが、1955年にフランスで出版されたのですね。が、当初はポルノ小説なんですね。​
 「ロリータ・コンプレックス」なんて言葉はもう誰も知らないのかもしれませんが、いい年をしたおじさんの少女偏愛ですね。その言葉を生みだした小説です。
 小説は、少女ロリータを追い求めた末に殺人を犯した主人公が獄中で綴る手記ですが、彼の中に刻印されたように存在する理想の少女の名は 「アナベル・リィ」 なんです。
​​​  この名を聞いて思い出すのがノーベル賞をもらったあと、 大江健三郎 が書いた 「朧たしアナベル・リイ 総毛立ちつ身まかりつ」(新潮文庫) ですね。何を書いていたのか、詳しい筋は忘れましたが、たしか、主人公が観た映画の登場人物アナベル・リィをめぐって、あれこれ大江ワールドの展開があるのです。大江が大好きなナボコフに捧げるオマージュみたいな気分で描いた、かもしれない作品ですね。もちろんただの推測ですよ。​​​
​​​ 話を戻しますが、そんなポルノまがいで、実際に騒ぎになった小説を、一人で読むならともかく、1960年代初頭のイギリスの田舎の港町で売ろうと考える フローレンス は少し変だと思いましたね。まあ、 ブランディッシュ の評価は、その後の 「ロリータ」 評価の変遷を考えると正しいのですが、監督はその辺を考えたのかなと思って最後まで観て、「ああ、そうか。」と思わず膝をうちました。この映画では「少女」が主役だったのです。​​
 そういえば、映画のあの少女、不思議の国のアリスみたいでした。もちろんアリスも「ロリータ・コンプレックス」の歴史では有名人なんですよね、知ってましたか。​

 三冊目が、もう一冊 レイ・ブラッドベリ「たんぽぽのお酒」 でした。​
​ この本が ブランディッシュ の手元に届かなかったのが、この映画の哀しさのクライマックスなのですが、これもまた映画の話法においては、彼の手元に届くはずはない本だったようです。
 だって、小説の内容が12歳の少年のひと夏の物語の回想記なのですから。ネタバレになっちゃいますが、映画は少女のひと夏の思い出でしたね。重なっているのですが、考えてみれば大違いなんです。​

​​​  最後に見損ねたのですが、 フローレンス を見送るときに、 少女 クリスティーン が胸に抱えていたあの本は何だったのか、気になるところでした。​​​
 三冊とも、日本では70年代に紹介された本です。当時20代だった シマクマ君 「ロリータ」 の初版のデザインに胸がたかなり、 「タンポポのお酒」 の真新しい表紙が映し出されたシーンで、思わず涙がこぼれました(ウソですが)。​​
 あれから40年以上の年月が流れたんですね。元町商店街から神戸駅にかけて、妙に気が沈んで困りました。
​ 我が家にたどり着いてみると、玄関に 「EIGHT DAYS A WEEK」 という ビートルズ の1960年代のDVDが届いていました。 ヤサイクン からの誕生日プレゼントのようなのですが、何だか話が合いすぎてるのに驚いて座り込んでしまいました。​​​
 いや、それにしてもありがたいことです。

 監督 イザベル・コイシェ Isabel Coixet
 製作 ジャウマ・バナコローチャ ジョアン・バス
  アドルフォ・ブランコ クリス・カーリング
 キャスト
    エミリー・モーティマー(フローレンス・グリーン )
    オナー・ニーフシー(少女クリスティーン)
    ビル・ナイ(エドモンド・ブランディッシュ)
    パトリシア・クラークソン(ガマート夫人)
 原題「La libreria」
 2017年 スペイン 112分 2019・06・05・元町映画館no9

​​​​​​​ 追記2019・10・31
 秋も終わりになって パルシネマ で、もう一回やっています。ああ、もう半年前かと、時のたつのに詠嘆してしまいますが、 パルシネマのおにーさん がこの映画を気に入ったんだと思うと嬉しいですね。どうでもいいかもしれないのですが、謎解きしたくなる映画でした。まあ、半分は外れているのでしょがね​​​
追記2019・11・04
パルシネマの上映に ピーチ姫 チッチキ夫人 が出かけたようです。

「やっぱりよかったわね。」
「二度目とちゃうの?戦う女のシリーズ二本立てやんな。」
「一本で帰ってきちゃった。」
「ああ、あ。弓を射るヘラクレスみたいな方は見んかったの?あれも結構オモロイのに。」
「本屋さんのが見たかったからええねん。 イギリスの海岸地方ってええ感じやんな。
「今日な、一緒に見てきてんけどね。気づいてへんと思うけど。 ロケはみんなスペインやって知ってた?
「ええっ、イギリスちゃうの?スペインって海あるの?」
​「あるやろ、大西洋も地中海も。」​
というようなわけで、ダブルツッコミで チッチキ夫人 タジタジ。
追記220・05・11
7days7Covers というフェイスブックで流行っているチャレンジで 「華氏451度」 を紹介したのですが、ここでこんなことを書いていたのは忘れていました。ヤッパリ、以前にこの人は読んでいるようですね。最近読み返しておもしろかったんですが、最初から面白かったようです。
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最終更新日  2023.12.20 23:09:37
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