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第30回和郎女作品展 今日は、5月9日以来となる和郎女作品展の記事であります。 このシリーズ記事は、友人の和郎女さんの作品をご紹介しているものでありますが、今回は、今月1日開催の若草読書会の折にお持ち下さった作品群をご紹介するものであります。(魚釣り) 各作品に付したタイトルはこの記事編集の便宜上、ヤカモチが勝手に付けたものでありますので、ご了承願います。 上の「魚釣り」と下の「トンボ捕り」は、木盤に設けられた穴に、男の子と女の子の背面に取り付けられた串状の木を差し込んで組み立てる方式になっています。 足元の釣り竿、籠、虫網などは、適当に盤上に置くだけとなっていますが、お薦めの飾り方を示した写真が印刷された紙が添えられていますので、これに従って組み立てなさいということです。 ヤカモチも写真を参考に組み立てた上で撮影したという次第。(トンボ捕り) 上の「魚釣り」も「トンボ捕り」も、下の「蛍狩り」も、子ども時代の記憶を思い出させてくれる、昔懐かしい、何やらホッとする作品であります。(蛍狩り) 蛍狩りなどは遠い記憶となりましたが、群舞するホタルを目にしたのは、今は亡き寿郎女さん・和麻呂君と共に、和郎女さん、リチ女さん、槇麻呂君、ヤカモチの総勢6人で熊野旅行をした2007年6月のことであるから、もう17年も前のことになる。 和郎女さんもこの熊野旅行で見た大井谷でのホタルの群舞が印象深くあったと見え、その思い出を語って居られましたが、この時にヤカモチが詠んだ歌が3首、当ブログにのこっているので、これを再録して置きます。恋ひ焦がる 魂かあくがれ 山かひの 闇に蛍の 舞ひ交はしゆく幽玄の 杉の林の 闇深く 人こそ知らね 蛍の舞ひしみ熊野の 大井の谷の 川の瀬に 蛍舞ひてし さ夜更けにけり ――熊野大井谷にて(蛍と団扇) 次は、梟。(フクロウのタペストリー) フクロウにも色々と種類があるようですが、アオバズクを詠んだ句を掲載して置きます。 これは、井浪立葉「夏椿」に掲載の句。 著者はヤカモチの中学時代の恩師のご夫人である。「夏椿」は、恩師が病に倒れ、その看病から最後の看取り、永遠の別れ、葬儀、そして夫亡き後に至る日々の中で詠まれた句を集めた句集である(平成16年6月発行)。 句集が発刊された際に彼女から贈呈を受けたその句集にアオバズクの句があった筈と、書棚の片隅から見つけ出しパラパラとめくってみると、ありました。 このような、幸せそうなフクロウの作品に添える句としては、場違いな気もするが、それも承知で敢えて掲載させていただきます。 夫眠る無音の刻を青葉木菟 青葉木菟あらはに熱の喉佛 青葉木菟祈りのこゑや夜が深む 別れのとき愛す愛すと青葉木菟 たはやすく愛すと言はね青葉木菟 骨となりても夫は夫青葉木菟 愛のうた語尾うつくしき青葉木菟(梟) 次はクマさんとワンちゃん。 上の梟や下のクマさん、ワンちゃん、写真がちょっとピンボケになっていますが、ご容赦ください。 読書会の隙間に慌ただしく撮影したので・・と弁解(汗)。(クマさんA)(同上B)(ワンちゃんA)(同上B) そして朝顔です。(朝顔) 今朝の銀輪散歩でも朝顔の花を見ましたが、毎日暑い日が続きます。 どうぞ、皆さま熱中症には十分お気をお付けください。 暑中お見舞い申し上げます。(朝顔のタペストリー) こんなエコバッグもお作りになりました。 若草読書会でのお土産の品やこれらの和郎女作品をいただいて帰る際にも便利だろうとお作りになったのでもあるか。 たたんで、クルクルと巻き、取り付けられたホックでポチッと留めるとコンパクトになり、携帯に便利です。(エコバッグ) そして、ストラップです。(ストラップ3種) ヤカモチは、左側のものを頂戴しました。そして、「フクロウのタペストリー」と掲載の「エコバッグ」とは柄違いのものを頂戴しました。 以上、和郎女作品展でありました。 本日もご覧いただき、ありがとうございました。<参考>和郎女作品展の記事一覧はコチラ。 フォト蔵アルバム「和郎女作品集」はコチラ。
2024.07.09
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第29回和郎女作品展 今日は和郎女さんの作品展であります。前回(3月30日)の若草読書会にお持ち下さった作品を撮影させていただいたものであります。(端午の節句とワンちゃん) 端午の節句は過ぎてしまいましたが、まだ5月ということで、お赦しいただきましょう。(端午の節句のミニタペストリー) 次は牡丹です。 撮影しながら「次はバラの花」と呟いたら、隣に居た和郎女さんから「牡丹です。」とNGを出されてしまいました。 確かに「葉の形状がバラとは違っている。」のでしたが、これは、口には出さなかったので、「花もバラとは違っているでしょ。」というNGを受けることはありませんでした(笑)。(牡丹)閻王の口や牡丹を吐かんとす (与謝蕪村)牡丹散てうちかさなりぬ二三片 (同上)牡丹の句百句作れば死ぬもよし (原石鼎)牡丹花は 咲き定まりて 静かなり 花の占めたる 位置のたしかさ (木下利玄) 次は、ミズバショウ。 水芭蕉で思い出すのは「夏の思い出」という歌。 ♪夏が来れば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空・・(ミズバショウ)石狩の雨おほつぶに水芭蕉 (飯田蛇笏)山めぐる夜明の風や水芭蕉 (水原秋櫻子)水芭蕉しづかな時間通りけり (加藤秋邨) そして、朝顔と金魚。(朝顔と金魚)ありとても 頼むべきかは 世の中を 知らするものは あさがほの花 (和泉式部 後拾遺集317)朝顔の花の命や夏の雨 (正岡子規)朝顔やあしたはいくつ開くやら (同上)朝顔やあてありさうにのびる蔓 (同上)いつ死ぬる金魚と知らず美しき (高浜虚子)夜店の金魚 すくはるるときの かがやき (種田山頭火)やはらかに金魚は網にさからひぬ (中村汀女) 最後は、苺です。(苺)ほろほろと手をこぼれたるいちご哉 (正岡子規)玻璃盤に露のしたたる苺かな (夏目漱石)流水にたれて蟻ゐる苺かな (飯田蛇笏)葉のかげの蔓に見えゐる苺かな (原石鼎) そして、オマケはこれ。(ドラゴンズ) これは、恒郎女邸の玄関先に飾られていたのを撮影させていただいたもので、先日の読書会にお持ちいただいたものではありません。 しかし、同じく和郎女作品でありますので、友情出演です。 作品の性格から言えば、今年2月5日開催の第28回展で紹介させていただいた方が、よりマッチしたものになっていたかと。 なお、ドラゴンズというタイトルになっていますが、これらタイトルは編集の都合上、ヤカモチが勝手に付したものでありますので、作者の意向とは無関係。 さて、ドラゴンズというタイトルにしたのは、恒郎女さんが中日ドラゴンズのファンだということを意味してのものでは勿論ありません。恒郎女さんは根っからの阪神タイガースのファンなのであります(笑)。 以上、第29回和郎女作品展でありました。<参考>和郎女作品展の記事一覧はコチラ。 フォト蔵アルバム「和郎女作品集」はコチラ。
2024.05.09
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第28回和郎女作品展 昨年の2月以来の和郎女作品展であります。 今回は、若草読書会の新年会に向けて、多数の作品を宅配便で若草ホールにお届けくださり、ヤカモチほかの出席者がそれらを頂戴して持ち帰りましたが、肝心の和郎女さんご本人は他用で急遽ご欠席となり、残念なことでありました。 当日、若草ホールにて、その作品の一部を撮影しましたので、これを以って和郎女作品展を開催させていただくこととしました。 毎年、干支に因む作品を作成くださいますが、今年は辰年ということで、辰に因む作品からご紹介します。(辰1) 竜の万葉歌で思い浮かぶのが大伴旅人のこの歌。竜(たつ)の馬(ま)も 今も得(え)てしか あをによし 奈良の都に 行きて来(こ)むため (大伴旅人 万葉集巻5-806)<竜の馬が今すぐにでも欲しい。(あをによし)奈良の都に行って戻って来るために。> 大宰府の帥であった大伴旅人のこの歌に答えて奈良の都に居た何某が詠んだ歌がこれ。竜(たつ)の馬(ま)を 我(あれ)は求めむ あをによし 奈良の都に 来(こ)む人のたに (作者不詳 万葉集巻5-808)<竜の馬を探してみましょう。(あをによし)奈良の都に来ようとする人のために>(注)「来む人のたに」の「た」は「ため」と同じ。(辰2) 万葉集にはこんな歌もある。虎(とら)に乗り 古屋(ふるや)を越えて 青淵(あをぶち)に 蛟竜(みつち)捕(と)り来(こ)む 剣(つるぎ)大刀(たち)もが (境部王 万葉集巻16-3833)<虎にまたがり古い家屋を越えて、青淵で蛟竜を捕って来られるような剣大刀が欲しいものだ>(辰3) 同じデザインの作品を重複して撮影してしまったようですが、没にするのもどうかと思うので、「3’」として掲載して置きます。(辰3’)(辰4)(辰5) なお、作品のタイトルはヤカモチが勝手に付けたものであります。(エコバッグ) こんな手芸作品も。 作品を持ち帰る便宜も考慮してのものでしょうか。(ひな祭り1) ひな祭り、というタイトルで合っているのかどうか分かりませんが、ひな祭りも近いことであり、そんなイメージがしました。(ひな祭り2) これはヒラメですかね。(ヒラメ) 赤い草履を汚したくないと、裸足になって水たまりを歩く少女。(少女と水たまり)(桜美人)この花の 一枝ひとよのうちは 百種ももくさの 言こと持ちかねて 折をらえけらずや (娘子 万葉集巻8-1457)<この花の一枝の中に沢山の言葉を持ち切れなくて、折れたのではありませんか。>(節分と梅)(梅) これも前掲の「節分と梅」右側の作品と同じデザインの作品でした。(バラと辰) これも右側の辰は、前掲の「辰4」と同じデザインの作品でありました。(鶴と松と少女)(七夕) 七夕はさすがに少し早過ぎますが、まあいいでしょう。天の川 梶の音(と)聞こゆ 彦星と 織女(たなばたつめ)と 今夜(こよひ)逢ふらしも (柿本人麻呂歌集 万葉集巻10-2029)<天の川に櫂の音が聞こえる。彦星と織女星が今夜逢うらしい。>(三日月と梟) 三日月の万葉歌と言えばこれでしょうか。月立ちて ただ三日月(みかづき)の 眉根(まよね)掻(か)き 日(け)長く恋ひし 君に逢へるかも (大伴坂上郎女 万葉集巻6-993)<新しい月が立って、わずか三日目の月のような細い眉を掻きながら日々長く恋してきたあなたに逢うことができました。>振り放(さ)けて 三日月見れば 一目(ひとめ)見し 人の眉引(まよび)き 思ほゆるかも (大伴家持 万葉集巻6-994)<振り仰いで三日月を見ると、一目見たあの人の引いた眉の形が思い出される。> 帰りがけにバタバタと撮影したので、3作品について同じデザインのものが重複してしまいましたが、これはヤカモチ館長の手落ちにて、お詫び申し上げます。また、ごく限られた数の作品しか撮影できなかったことについてもお詫び申し上げます。<参考>和郎女作品展の記事一覧はコチラ。 フォト蔵アルバム「和郎女作品集」はコチラ。
2024.02.05
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若草読書会の友人・和郎女さんの作品展であります。 2021年12月10日の第26回展以来ですから、久々の作品展になります。<参考>和郎女作品展の記事一覧はコチラ。 今回は、3年ぶりに開催した若草読書会の折にお持ち下さった作品をご紹介するものであります。 写真が不鮮明で没にしたものや撮影しなかったものもいくつかありますので、その全てではありませんが、しばし、和郎女作品の世界でおくつろぎくださいませ。 今年は卯年ということで、ウサギに因んだ作品であります。(●南天と雪兎) 若草読書会の新年会では、メンバーへのプレゼントとして、その年の干支に因んだ作品を沢山お持ち下さるのですが、3年ぶりの若草読書会新年会復活で、和郎女さんのプレゼントも復活しました。 この「南天と雪兎」はヤカモチが頂戴したものであります。 なお、当記事に於いて、作品に付したタイトルはヤカモチが勝手に付けたもので、作者の和郎女さんのご同意を得たものではありませんのでご了承願います。(紅梅と兎) 梅の花が咲き、ウサギさんのカップルが仲良く並んでいます。梅の花 今盛りなり 我妹子と 添ひてたぐひて 二人し居らむ (兎家持)(同上・色紙版) これは、同じデザインの色紙版であります。梅の花が紅梅だけでなく白梅も混じっっていますので、「紅梅と兎」というタイトルは色紙版には適切ではありませんね。 このように一つの枝木に赤白の花を付けるのは、源平梅とか源平桃とか呼ぶのだろう。(梅と金兎) こちらは、金色の毛並みの兎なので金兎としました。「金烏」というと太陽のことを意味するが、それは中国の伝説で、太陽には金の烏が住んでいるという話に由来する。同様に、月には玉璧の兎がいるというので、月のことは「玉兎」と言ったりもする。金烏西舎に臨み・・という大津皇子の臨終の詩は有名である。 しかし、金兎梅花に臨み・・となると、これはなんのこっちゃ、でありますかな。春風駘蕩として・・などと続けて大津皇子の詩とは違った目出度い春の詩になりそうではありますが、金兎とはなんのこっちゃ、という疑問は残したままとはなります(笑)。 次は「兎のお月見」。(兎のお月見) 月は玉兎とも言うということは別にしても、我々は子どもの頃、月では兎が餅つきをしていると教えられて幼児期を過ごしたので、月と兎は違和感のない組み合わせであります。(三日月と兎) 大伴家持の歌で三日月と言えばこの歌。振り放(さ)けて 三日月見れば 一目(ひとめ)見し ひとの眉引(まよび)き 思ほゆるかも (大伴家持 万葉集巻6-994) 大伴家持16~7歳の頃の歌であるが、もう10年以上も幼ければ、満月を見て「餅つく兎 思ほゆるかも」などと詠んで、お師匠さんの坂上郎女をがっかりさせていたことだろう。(兎と毬) 山寺の和尚さんなら、猫と毬なんだろうが、ポンと蹴られるのはもうご免と、猫は毬との撮影を辞退したようで、兎が代役に。しかし、和尚さんがポンと蹴ってもニャンとも鳴かなかったので、つまらんということになったと兎は言って居ります。(兎と人参) うさぎ美味しこの山♪などと歌う子が増えたとかで、「ふるさと」の兎たちは、うさぎは美味しくありません、美味しいのはニンジンです、とニンジン嫌いの子どもたちへのキャンペーンを今年から始めることになったらしい。しかし、ニンジンだけに画像の鮮明度がイマイチ、ニジンでしまっています。(兎の暦) 今年一年、皆さまによき年でありますように、と兎が言っております。(梅と兎のミニ屏風) これは二つ折りのミニ屛風。左側に大きな空白を設けているのは、ここにメッセージを書いてグリーティングカードとしてもお使い下さいということであるか。(●兎と松竹梅の三つ折り屏風) 上の三つ折り屏風は、若草読書会の新年会にお持ちいただいたものではなく、昨年12月に和郎女さんがヤカモチ宛てに送ってくださったものです。 和郎女作品展に掲載しようと、撮影保存しておりましたので、出番ですよと登場いたしました。 (月と兎) (松竹梅と兎1) (同左2) 短冊タイプの作品です。 そして、ストラップ・タイプの作品。(兎のストラップ) 以下は、兎関連以外の作品です。(紅梅白梅二人しあれば) これはお雛様かもと思いましたが、梅の花なら違うだろうと、イマイチよくわからんタイトルを付けました。しかし、花を桃とみなして、お雛様にした方がよかったかもしれませんね。(花籠) これは、春と言うよりも秋ですね。季節先取りの花籠であります。 次のコスモスはもう完全に秋そのもの。 (コスモス) 次は、もう季節そのものに関係のない、梟と美人画であります。 (梟1) (梟2) (●見返り美人) (同左2) そして、実用的ながま口ポーチ。(がま口ポーチ) 以下は、2021年6月27日智麻呂絵画展特別編の記事に掲載した写真でありますが、和郎女作品展には登場していませんので、この機会に併せ掲載することといたしました。(桔梗<2021年6月27日智麻呂絵画展特別編に掲載済み>)(桔梗の団扇<2021年6月27日智麻呂絵画展特別編に掲載済み>) 以上、25作品をご紹介させていただきました。 ご覧いただき、ありがとうございました。<追記:2023年2月7日>上記文中「玉璧」が「玉壁」と間違った字になっていましたので、訂正しました。わがPCは勉強不足なようで、「ぎょくへき」と打つと「玉壁」という字に変換してしまうということを見落とした結果の誤字表記でありました。
2023.02.05
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第26回和郎女作品展 久々に和郎女作品展であります。 和郎女さんはヤカモチが高校生であった時からの長い友人。若草読書会のメンバーの一人でもあります。 読書会の折にお持ち下さる彼女の作品を撮影させて貰って、作品展なるものをブログ上で開催させていただいていましたが、昨年の2月2日の新年会を最後に、読書会はずっと休会となっていて、彼女の作品をまとまった形で撮影する機会もなくなり、和郎女作品展も自動的に休止となっていました。 ところが、思いがけず、今日、彼女から沢山の作品(全11点)の入った宅配便が届きました。 お陰で、1年10か月ぶりに和郎女作品展を開催できる運びとなりました。 先ずは、クリスマス向けの作品です。 なお、作品に付した「タイトル」はヤカモチが思いついたものを勝手に付しているだけでありますので、和郎女さんの思いとは無関係であります。(メリークリスマス・雪だるまとX’masツリー) クリスマスまではまだ少し期間がありますが、街に出るとクリスマスツリーなど、それらしき飾りが見受けられますから、ブログ上に於いても、丁度良いタイミングかと。(同上・ストラップにも使える小品) 孔雀の羽を連想させもするデザインですが、これもクリスマス・ツリーなんでしょう。スマホなどのストラップの飾りとしても使えるサイズの小さな作品です。 以下は、お正月向けの作品です。(虎) 先ずは、来年の干支である「寅」に因んで「虎」であります。 力強い姿の虎。来たるべき新年は、みんな一緒にこのように力強く生きてまいりましょう。(竹と虎) こちらのトラは、どちらかと言うとカワイイ系でしょうか。 力強さと共に、優しさも忘れずに、ということです。 (三連壁掛け・トラトラトラ<左>と鶴亀<右>) トラトラトラなどと言うと、この時期は真珠湾攻撃成功せり、の暗号電文みたいになりますが、虎虎虎です。勿論、トラ猫ではありません。 右は、めでたい鶴亀です。 めでたいと言えば、この箸袋も目出度い鶴であります。(折り鶴の箸袋) おせちはこの箸でいただくことにするか。(鏡餅) おっとっと・・鏡餅が少し傾いているところがご愛嬌であります。(富士山と松竹梅) 正確には、富士山と「梅竹梅松」でありますが(笑)。(紅梅匂ふ)闇ならば うべも来まさじ 梅の花 咲ける月夜に 出でまさじとや (紀女郎 万葉集巻8-1452) この歌は、紀女郎が大伴家持に贈った歌。 「闇夜なら来ないのも分かるけどさあ、梅の花が咲いてる月夜になんで来ないのよお。」という歌。家持さんの返し歌が残っていないので、「なんで?」の疑問は解けないのでありますが、上の作品のように、慌てて紀女郎さんのもとに駆け付け、拗ねる彼女をなだめるなどのご機嫌を取ったということは、あり得ることかも(笑)。 まあ、今時なら、「梅の花 咲ける月夜も コロナゆゑ 密はならじと われこもり居り」と返す手もあるが、大伴家持さんは、どんな返しをしたのか気になるところです。 上の絵で、そんな連想をしたヤカモチでありました。(桜も咲きて) 早々と桜も咲いて、桃の花ではないものの、何やらお雛様風です。 若草読書会は、来年から始動することとし、来年1月末近くに新年会を予定しましたが、オミクロン株なる変異株ウイルスによる第6波の流行も懸念され、どうなることやら不透明です。そういう事態にはならず、久々に皆が顔を合わせられることを祈ります。 それはさて置き、以上、和郎女作品展でありました。 ご覧いただき、ありがとうございます。<参考>和郎女作品展の記事一覧はコチラ。 フォト蔵アルバム・和郎女作品集はコチラ。
2021.12.10
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和郎女作品展は、若草読書会の折にお持ちくださる彼女制作の作品を撮影させていただくことによって成り立っていますが、昨年の2月を最後に同読書会は休会となっているので、作品が集まらず2月25日開催の第25回展を最後に休止したままとなっています。 新型コロナ感染の状況、昨年よりも更に深刻になっている現状にて、読書会の再開も見通せない状況で、同作品展の次なる開催もいつになるのかわかりません。 そんな中、昨年暮れに和郎女さんから、2点の作品の贈呈を郵送にてお受けいたしました。 ということで、ミニ版の「和郎女作品展」を番外にて開催させていただきます。出展作品が2点では、ミニ版とは言え、作品点数が少なすぎるというものですが、現下の状況に鑑み、ご容赦賜りたく。 先ずは、毎年恒例でお作り頂いているその年の干支に因む作品です。(2021年丑) 遡ってみると、和郎女作品展は、2009年の丑年の1月から始まっていますので、今年で干支(正確には「支」)がひと回りしたことになります。 次は。お正月らしい、三連の壁掛けです。 (三連タペストリー) 鏡餅、羽子板、松竹梅の図柄になっています。 早くコロナが終息し、若草読書会の開催、和郎女作品展や智麻呂絵画展の再開がなりますように願って居ります。う(倦)まずもや したたかにあれ われらみな なんぞころなに まけはすまじき (やかもち)とまあ、このように勇ましきは、ヤカモチらしくもなければ、うらうらに てれるはる日に しらうめの こぼれさくごと その日またなむ (やかもち)とでもして置きますか(笑)。<参考>和郎女作品展の記事一覧はコチラ。
2021.01.06
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立秋が過ぎて10日余となるが、毎日が猛暑。 立秋が過ぎれば残暑と言うのだけれど、残暑と言うには余りにも猛暑の毎日でもあれば、残暑の「残」は「残酷」の「残」にて、「酷暑」と同義のようです。 なのに先ほどは庭で秋の虫が鳴きだしていました。コオロギのようでもあるけれど、アップテンポなのでクツワムシかもと思ったり。 で、虫が鳴く気温帯はと調べると、15℃~35℃なのだそうな。 22℃~26℃の気温帯が最も良い声で鳴き、33℃辺りになると鳴き声のテンポが非常に速くなるのだという。 コオロギの声がクツワムシ声のように聞こえたのは気温の所為かもしれないが、今はもう鳴いていない。 そんな中、相も変わらぬ新型コロナにて、新規感染者(正確には新規陽性者というべきなんだろうが)の数は、なかなか減らない。 まあ、こちらの方も段々に慣れて来て、100人超でも「今日は少なめ」などと思ってしまう。 そんな毎日ですが、今日は若草読書会の仲間の和郎女さんから、アマビエが届きました。 コロナ禍が終息するまでは読書会も開催できないことで、和郎女さんとも長らくお会いしていない。 そんなことで、当ブログでもシリーズ記事となっている「和郎女作品展」が開催できぬままに推移しています。 ということで、今日は和郎女作品展・番外編として、そのアマビエなどをご紹介申し上げ、コロナ退散の祈願とさせていただきましょう。(アマビエ by 和郎女) そして、「少々は涼しさを味わっていただけるかも」と、夏の風物詩、風鈴とかき氷と西瓜の、可愛いミニタペストリーも同封されていました。(夏のミニタペストリー) どうぞ皆さまも、コロナにも負けず、熱中症などにもならず、ご自愛専一、お元気にお過ごしくださいませ。 遅ればせながらの、残暑お見舞いであります。<参考>和郎女作品展の記事一覧はコチラ。
2020.08.18
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和郎女作品展は、先日(2月12日)第25回展を開催しましたが、第1回展を2009年1月22日に開催して以来、実に11年にわたって継続している当ブログのシリーズ記事である。 智麻呂絵画展ほどに頻繁開催ではなく、「2000点突破記念第217回智麻呂絵画展」というような派手さはないが、地道に回を重ねて25回にもなったのは嬉しいことであります。 第1回展は、第25回智麻呂絵画展に併設で開催したのであり、独立して和郎女作品展となったのは、2009年2月16日の第2回展からである。 智麻呂絵画展については、これを印刷してクリアファイルに綴じ、智麻呂美術全集という形にしていることは、以前、当ブログでも紹介したことがある。<参考>智麻呂絵画展番外編<智麻呂美術全集> 2014.11.13. 因みに、その智麻呂美術全集は、先日の第217回展から第35巻にファイルされることとなり、巻数をまた一つ増やしている。 実は、和郎女作品展も同様のことをしていて、第1回展から第9回展までを「和郎女作品展集成・第1巻」に、第10回展から第18回展までを同第2巻に収録して、作品集的なものを作っているのであります。 今日、その第3巻の作成を完了したので、これをご紹介申し上げることとします。 智麻呂美術全集が世界でたった1冊の全集として智麻呂氏の手もとにあるように、この「和郎女作品展集成」も、世界でたった1冊の作品集として彼女の手もとにあるという次第。 どちらも、偐家持美術館編集であります。 表紙は、こんな感じです。(和郎女作品展集成第3巻・表紙) 中身は、ちょっと写りが不鮮明ですが、こんな感じです。(同上・本文) 来月22日の若草読書会の花見の折にでも、和郎女さんに贈呈させていただこうと思っています。 作品を掲載させていただいていることと、そのうちのいくつかの作品を頂戴していることに対する、わずかばかりのお礼の気持ちを・・という訳である。<参考>和郎女作品展の記事一覧はコチラ。
2020.02.27
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第25回和郎女作品展 今日は、和郎女作品展です。 作品を仕入れたのは2日の若草読書会の時でありますので、ちょっと遅ればせのブログアップとなります。 新年ということで、恒例の干支に因む作品です。 干支の作品は、ブログ上では、2009年の丑年から始まっていますので、今年の子年でひと回りしたことになります。 では、こころほっこりする和郎女作品をお楽しみ下さいませ。 なお、各作品のタイトルは、ヤカモチにて勝手に付したものに過ぎませんので、見当違いのものになっているかもしれません。その場合は何卒ご容赦下さいますように。<参考>過去の和郎女作品展の記事はコチラ。 フォト蔵アルバムの和郎女作品集はコチラ。 先ずは、ネズミに因む作品の数々です。(宝鼠・赤) 千両、万両の入ったお宝袋ご持参の鼠さん。 センリョウとマンリョウなら我が家の庭にもありますが、喜んでいるのは小鳥たちばかり。(宝鼠・青) 宝と書かれた瓢箪には、どんなお宝が入っているものやら。 次の二点は、金魚鉢か巾着を連想させる形の板に貼り付けられた押し絵ですが、ネズミが乗っかっているのは、打ち出の小槌ですかね。 超金融緩和の金融政策をとる日銀には、これは重宝なアイテムということになりますかな。(鼠と小槌と梅の花・青)(鼠と小槌と梅の花・緑) 小槌の色は色々ですが、色によってその効力に差があるものではない、というのが通説であります。(鼠と小槌) 小槌を振ったら大判小判がパラパラと降って来た、それを袋に詰めたら、下の図のようになった、ということでしょうか。(宝鼠・丸型) しかし、金で幸福が買えるものではないと気付いたネズミたちもいた。 彼らは、「宝」を「福」という字に変えて、幸福の尺度を、「金」や「富」以外のものに求めることにした。 すると、景色が違って見えて来て、それぞれにとって何が幸福であるかということが、おぼろげながら見えて来た。(福鼠の夫婦)(福鼠と瓢箪) で、小槌も不要と片づけることにしました。(五鼠二槌一鈴)梅一輪 咲きて二人し たぐひつつ 添ひてしあれば 何か求めむ (偐鼠持) このように、下の鼠夫婦は申して居ります。(梅鼠の夫婦) 梅が三輪も咲いたから、千両も万両も不要、お返し申し上げます、と返しに来るネズミも出てまいりました。(梅と宝と鼠) 千両、万両を返上したネズミたちは晴れ晴れと、列をなして一目散、ねぐらへと走って帰ります。(鼠のキーホルダー) その夜は美しい三日月が出て、フクロウがホウホウと鳴きました。(梟と三日月) とまあ、訳の分からぬネズミのお話、でありました。 次は、干支のネズミから離れて、クマさんのお散歩。(クマさんの散歩) そして、この季節らしく、梅の花今盛りなり、であります。(梅二輪) 次は、お雛様風の作品です。(雛祭1)(雛祭2) 雛祭も間もなくですね。 まあ、ヤカモチさんには関係のないお祭りであります。(雛祭3) 以上、可愛らしいネズミなど素敵な作品の数々をご覧いただきました。 ヤカモチの余計、蛇足、邪魔なコメントに煩わされることなく作品をお楽しみいただけたなら、幸甚に存じます。 本日も、ご来場、ご覧下さり、ありがとうございました。<追記:付録>干支がひと回りしましたので、過去のものを一つずつ追加掲載して置きます。 (丑&寅) (卯&辰) (巳&午) (未&申) (酉&戌)(亥)
2020.02.12
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第24回和郎女作品展 久々に和郎女作品展を開催します。 先日(12月1日)の若草読書会にお持ち下さった作品17点に4月7日の若草読書会お花見の折にお持ち下さった10点を加えて29点一挙公開であります。併せて小万知さんの作品も2点ご紹介します。 先ずは、Xmasも近くなりましたので、その関連作品です。(サンタクロースとクリスマスツリー) 左端のサンタクロースは一人タイプ。 赤い紐を帽子のぼんぼりに接着剤でくっつけると完成。 これに赤い紐をくっつける前のサンタクロースを下に糸で結び付けて行くと6人タイプのサンタクロース(中央)になります。 で、もっと沢山くっつけてしまうと下のような作品になります。 こうなると、サンタクロースからタクサンロースと呼び方が変わるとか。(サンタクロース) 小万知さんもクリスマス飾りを作ってお持ち下さったので、「そんなの撮影しないで」と仰っていましたが、撮影してしまいましたので、併せてここにご紹介させていただきます。(小万知さんのXmas飾り) この作品は和郎女さんがお気に入られたようで、貰って帰られました。 下のXmasリースは、智麻呂邸の若草ホールに飾りつけられました。(小万知さんのXmasリース)<追記>フォト蔵のアルバムに3年前の小万知さん作のXmasリースの写真がありましたので、追加で掲載して置きます。(2016年12月の小万知さん作のXmasリース) 次は、お正月向けの作品です。(寿) これなどは、お正月に限らず、慶事一般に使えそうですね。 下の「宝箱」も同様です。(宝箱) 以下は、注連飾り風ですから、お正月用です。 余った稲藁をうまく利用する方法はないかと考えて居られて、思いつかれたのが以下の作品群です。(正月飾り1)(正月飾り2)(正月飾り3)(正月飾り4) 上の写真は、ひろみの郎女さん撮影の写真を拝借しています。 彼女のブログに掲載の写真をトリミングしています。(正月飾り5)(正月飾り6)(正月飾り7)(正月飾り8)(正月飾り9)(正月飾り10)(正月飾り11)(正月飾り12)(正月飾り13) 手づくりですから、同じものは二つとしてない。表情と言うか、雰囲気と言うか、それぞれに違っていて、面白く楽しいですね。 さて、以下は、4月のお花見の時にご持参の作品ですから、今の季節には添っていませんが、これも併せお楽しみ下さい。 先ずは、桜のミニ掛け軸。(ミニ掛け軸・桜1)(同上・桜2) 次は、ミニタペストリーの桜。 向きが上下反対ですかな。(ミニタペストリー・桜) 次は、蛙さんです。(ミニタペストリー・ケロロ) 季節的には、梅雨の頃向けでしょうか。(同上・紺地タイプ)(同上・ピンク地タイプ) 次はフクロウです。(同上・梟) 次は、ウサギさんですが、この作品は、偐山頭火さん提供の河内温泉大学のタオルを裁断してウサギに変身させたものとのこと。 目的外使用は和郎女さんにとっては「通常の使用方法」であり、その乖離が大きいほど面白さも増すという世界であるから、偐山頭火さんも異論はなしでしょう。(河内温泉大学製タオルによるウサギの赤ちゃん)(同上)(同上) 久々の和郎女作品展でしたが、ご来場・ご覧下さり、ありがとうございました。<参考>和郎女作品展の過去記事はコチラからご覧下さい。
2019.12.05
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第23回和郎女作品展 久々に、和郎女作品展を開催します。 昨年の1月28日以来ですから、随分とご無沙汰になります。 先日、2月3日の若草読書会にお持ち下さった作品などを中心にご紹介申し上げることとします。<参考>過去の和郎女作品展はコチラ。 フォト蔵アルバム「和郎女写真集」はコチラ。 先ずは、亥年ということで、干支の亥に関連した作品からご紹介します。(猪の親子) この作品は、読書会に先立って、和郎女さんが智麻呂邸にお持ちになったもので、先の智麻呂絵画展(第207回展)の冒頭の絵画のモデルとなった作品であります。 以下の亥が、読書会にお持ち下さったもの。 作品は同じ図柄のものが複数ありましたので、重複しての撮影はせず、また、撮影漏れの作品もあり、あくまでも、その一部であります。 絵馬風仕様のものから始めましょう。(絵馬風の猪) 上のタイプのものは何点かあり、ヤカモチもこのタイプのものを頂戴しました。(同上・角型タイプ・宝)(同上・丸型タイプ・福) 次は、色紙タイプの猪であります。(餅花と白猪)(稲穂と猪)(日の出と竹と猪)(梅と猪) 次は、カレンダーになっている作品です。(亥カレンダー) 次は、壁掛け風・三連タイプの猪です。(三連式壁掛け風の猪) 次は、猪のストラップです。(猪のストラップ) 上の写真がピンボケになってしまっています。そのうちの一つはヤカモチが頂戴して手もとにありますので、単体で撮影し直したのが下の写真です。(同上) 次は、干支から離れてウサギです。 尤も、ウサギも干支の卯ではありますが・・(笑)。(桜とウサギ) そして、鞠。(鞠) 次は、巾着。 大阪の「おばちゃん」は「飴を持っている」というのが伝説になっていますが、和郎女さん曰く「飴を入れるのに使っている。」とのこと。 話が脱線しますが、「曰く(いはく)」というのは、「言ふ(いふ)」に形式体言の「あく」がくっついて、「いふ+あく」となり、それが短縮して「いはく」となったものだろうと思う。「言うことには」の意である。 この形式体言が現在も生き残っているのは、この「曰く」位だろうか。 万葉歌などでは、この形式体言とくっついた言葉がよく出て来る。 〇見らくしよしも 「みる+あく=みらく」で、見ること。 〇聞かまくの欲し&見まくの欲し 「きかむ+あく=きかまく」で、聞こうとすること。 「みむ+あく=みまく」で、見ようとすること。 はい、余計な話でした。飴でも舐めて黙りましょう(笑)。(巾着) 次は、手編みのペットボトルカバー。 これは、昨年の春に撮影のものです。(ペットボトルケース) 次は、クマさんではなくワンちゃんの小銭入れ。 確か、小万知さんが可愛いと言って、ゲットされたかと(笑)。(ワンちゃんの小銭入れ) 次は、季節先取りのお雛様です。(お雛様) そして、ひと足早いお花見をテーマの作品。 「しづごころなく花の散るらむ」であります。(花の宴) 同じく、これも亦、早過ぎる「端午の節句」用の作品です。(端午の節句)(同上) 本日は、季節先取り作品も含めての、楽しい和郎女作品展でした。 以上です。 ご来場、ご覧下さり、ありがとうございました。
2019.02.10
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第22回和郎女作品展 本日は和郎女作品展であります。 昨日の若草読書会にお持ち下さった作品のご紹介です。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラ。 フォト蔵アルバム「和郎女写真集」はコチラ。 最初の作品は戌年ということで、5匹ワンちゃん物語であります。これは、智麻呂邸の若草ホールに飾られているもので、和郎女さんが智麻呂邸用にお作りになり、別途お持ちになったものにて、昨日の読書会にご持参された作品群とは別のものであります。(今年は戌年だワン) 以下の作品が昨日撮影のもの、昨日の若草読書会新年会にご持参下さったものであります。 先ず、「笹と犬」5種です。犬は柴犬のようですが、此処では「笹犬」又は「竹犬」と呼ぶのが適当かも。 ご来場の皆さまにも「福」がありますようにと、招福・開運の札を掲げて居ります。(笹と犬・千両万両) 同じく、笹犬です。表情を始めそれぞれ微妙な違いがあるのも手作りなる由縁。このように並べると「間違い探しクイズ」の趣もあります。(同上・黒いマフラーと緑のマフラー) (同上・扇型の背景と川の背景) 次は梅と犬です。絵馬ならぬ絵犬であります。(梅と犬A)(梅と犬B) 松と犬もあります。(松と犬) そして竹と犬。(竹と犬) 梅と犬もあって、松竹梅という次第。(梅と犬・月と鞠)こちらは、梅と犬のペンタゴン。(梅と犬・角型) 丸い形のものもありますが、これは犬と言うよりも猫のような印象を受けます。ヒゲを付ければ完全に猫でしょうが、どのようなフォルムが猫または犬と認識する上での境界になっているのか、また、その認識境界は万人に共通なのか、各人それぞれに異なるのか、ちょっと興味があります。(梅と犬・丸型) 次は、三連式壁掛けタイプの犬三態であります。(犬三態) 次は、「手ほどきする犬」であります。 紐を束ねたものを、顔にする部分と頭から背中にする部分を接着剤で固めてしまい、その他の部分をひたすらほどいて糸に還元して行くとこのような犬になる、つまり「手編み」の反対の「手ほどき」によって作られる犬なので「手ほどきする犬」と命名してみました。(手ほどきする犬)(こちらは箱入りです。) 干支がらみの犬だけでなく、花図柄の物もありました。 そして変わり種は、カレンダーとのドッキングの「わんわんカレンダー」であります。犬だけにドッキングとは言わず、ドッギングと言うのだという説もあるそうな。(花三態とわんわんカレンダー) 次は熊型犬ではなく、熊そのものかと思います。(熊さん) 熊さんの次はウサギさんです。(人参と菟) さて、寒い日が続いていますが、春も近づいて来て居ります。(冬来たりなば春トウガラシ) そして、猫のお月見、と思いましたが、この季節に月見でもあるまい、でしょうから、これはきっと初日の出をモチーフにしているのでしょう。(猫のお月見ではありません) ならば、お日様と分かるように赤い布で仕上げるべきであったのでしょうが、あり合わせの布端切れにて作成するアート、たまたま赤っぽい布が手許に無かったというような事情があったのやも、とヤカモチの想像は膨らむのでありました。 次はひな祭りの先取りでしょうか。それとも単なる観梅の図でしょうか。背後の花は梅よりも桃の感じがするので、やはり雛祭りをイメージしているのか、和郎女さんとは個々の作品についての情報のやり取り、取材をせぬままであったので、いざ、ブログ記事にまとめる段になると、説明に曖昧さが生じてしまうことも時に生じます。(ひな祭り) 押し絵以外の作品もあります。 これは、ペットボトルのキャップを利用した匂い袋。苺の香りがします。(ペットボトルのキャップのポプリ) そして、パンツではなく巾着です。 こんな風に並べて撮影すると、何やらパンツに似ていなくもない、と思ったのでした(笑)が、勿論、サイズはそんな大きなものではないのであります。(巾着袋) そして、草履のストラップです。 百貨店などのトイレで掃除をされている方に出会った時などには、「いつも綺麗にお掃除下さってありがとうございます。」と言って、このストラップを差し上げるようにしている、とのことで、大阪のおばちゃんの飴ではないが、和郎女さんはハンドバッグなどにこのストラップをいつも何個か入れて居られるらしい。彼女の心優しい人となりがよく分かる話であります。(草履のストラップ) 以上です。本日も和郎女作品展にご来場・ご覧下さり、ありがとうございました。
2018.01.28
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第21回和郎女作品展 偐家持美術館今年最後の展覧会、第21回和郎女作品展であります。 先月の若草読書会の折に、ご本人はご欠席であったのですが、メンバーの皆さまにということで、クリスマスとお正月に関連した作品を、智麻呂邸に前以てお届け下さって居りましたので、それをご紹介するものであります。 慌ただしく撮影したこともあってか、少しピントの甘い写真もございますが、その点はご容赦いただくこととし、ひと足早い、クリスマス気分、お正月気分を味わっていただければ幸甚に存じます。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 フォト蔵アルバム「和郎女作品集」はコチラ。 先ずはクリスマス関連の作品です。(クリスマスA) 上の作品は智麻呂邸の若草ホールに飾られています。以下の作品は恒郎女さんから各メンバーのご自宅へと郵送されたようです。 どの作品がどなたのお手許に届いているのかは存じ上げませんが、それぞれのお宅のXmasやお正月を彩ることになることでしょう。(クリスマスB)Joy to the world! the Lord is come: Let earth receive her King; Let every heart prepare Him room, And heaven and nature sing, And heaven and nature sing,And heaven, and heaven and nature sing. 以上は、讃美歌112番「諸人こぞりて」の英語歌詞です。(クリスマスC) いづこの家にもよきクリスマスを。(クリスマスD)(クリスマスE)(クリスマスF) このリング状のものは、セロテープの芯などを布で包み込んで作製されているものかと存じます。第20回作品展の「お月見うさぎ」と同様の作り方であります。(クリスマスG) そして、少し早過ぎますが、お正月向けの作品です。 (お正月A) (お正月B) 上の「お正月A」は、ひろみの郎女さんにお渡しするようにと、恒郎女さんからヤカモチがお預かりしたもの。その受け渡しをももの郎女さんのお店・喫茶「ペリカンの家」で行ったところ、ご自宅に飾るよりも、喫茶店に飾っていただいて、お店のお客様にご覧いただいた方が作品も生きるだろうと、店に置いて行かれましたので、現在は喫茶ペリカンの家に飾られて居るかと存じます。 (お正月C) (お正月D) 上の「お正月D」の作品は、ヤカモチが頂戴したものにて、ヤカモチ邸の茶の間の壁を飾って居ります。 年賀状の受付が始まったようだが、ヤカモチはまだ年賀状の準備中。宛名印刷がこれからです。年賀状を仕上げて投函を終えるまでは、何となく年末の仕事が残っている気分にて落ち着かないのではある。 それにしても、早いもの。あと2週間で新年である。 来たるべき新年が皆さまによき年であることをお祈り申し上げます。(お正月E)(お正月F) これをもちまして、偐家持美術館は年末のお休みに入ります。 ブログ「偐万葉田舎家持歌集」は年末年始も開業でありますが、ブログ内の偐万葉美術館は休館という訳であります(笑)。 偐家持美術館の今年最後の企画、和郎女作品展にご来場下さり、ありがとうございました。 来年も和郎女作品展、よろしくご愛顧のほどお願い申し上げます。
2017.12.17
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第20回和郎女作品展 本日の記事は和郎女作品展とします。 25日の若草読書会の折に、参加者へのお土産にとお持ち下さった押し絵作品をご紹介申し上げるものであります。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 先ずは団扇です。 と言っても普通の団扇ではありません。飾り用の団扇です。 台座とセットになっているのですが、撮影の便宜上、床に寝かせて団扇だけを撮影しました。団扇を台座にセットして立てると、撮影者である小生が寝転がってカメラを構えなくてはならないからです。まあ、これは内輪の話です(笑)。(団扇・見返り美人・萩) 女性はすべからくこの見返りのポーズが美しく見えるものと昔から相場が決まって居りますな。上は「萩女」下は「蛍女」。源三位頼政ならぬ偐三位家持も「何れ菖蒲か杜若」なのであります(笑)。白露を取らば消ぬべしいざ子ども 露に競ひて萩の遊びせむ (万葉集巻10-2173) 蛍は万葉集には登場しないが1首だけ長歌(巻13-3344)に「蛍なすほのかに聞きて」という形で出て来る。即ち「ほのかに」にかかる枕詞「蛍なす」として登場するのみなのである。よって、万葉歌ではなく、有名な和泉式部の歌でも挙げて置くこととしましょう。もの思へば沢の蛍もわが身よりあくがれ出づる魂かとぞ見る (和泉式部 後拾遺集巻20-1162) (団扇・見返り美人 ・蛍) 下の金魚の団扇は、ひょっとすると和郎女さんの作品ではないのかも知れません。 裏面にも何やらの図柄の押し絵が貼り付けてあり、「失敗作がどうのこうの」とか 何やら話して居られましたが、話の内容をよくは聞いていなかったヤカモチさんでありましたので、どちらかが或は両方とも和郎女さんの作品ではないのかも知れないなどという印象を持ちつつ、どちらを表面とも見定めず、季節的には金魚がよかろうと、撮影した次第にて、和郎女作品展として展示してよいものかどうかも判然としないのであります。もし、違っていたら、それは全てヤカモチの不手際、同人の責任であります。(団扇・金魚) 金魚の団扇は壁や柱に掛けて飾る仕掛けになっています。若草ホールには適当な場所がなかったので、廊下に出て、二階への階段に立て掛けて撮影してみました。 上の見返り美人の団扇もこの階段に置けば、飾った状態のものを楽な姿勢で撮影できることに気付きましたが、撮り直しも面倒なので止めました。 以下の作品も壁などに掛けて飾ることが出来ますな。(熊さん) 熊さんは、少しピントが甘かったようで、写りがイマイチです。 (ミミズクさん)(ウサギさん) 上のウサギさんと下のアジサイの作品は、ひろみの郎女さんへのものとして、ヤカモチがお預かりしたのでしたが、翌26日に喫茶店ペリカンの家でその受け渡しを完了いたしました。 どういう話の流れであったかは記憶にないのでありますが、ひろみの郎女さんがご自身の部屋に飾って置くよりも喫茶店の飾りにした方がよいとお考えになったのでもあるか、その受け渡し場所となった喫茶店ペリカンの家にそのまま鎮座することとなり、現在は同喫茶店でこれを見ることができます。(アジサイ) 今年に入って4回目の和郎女作品展でありました。 本日もご来場、ご覧下さりありがとうございました。<追記> 撮影をし忘れた作品「お月見うさぎ」の写真が小万知さんから送られて参りましたので追加で掲載させていただきます。寄り添ひて たぐひてあらな 高々に 二人の月は 欠けたるもなし(偐家持)(お月見うさぎ)
2017.06.28
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第19回和郎女作品展 本日は、偐家持美術館主催の第19回和郎女作品展とします。作品は、4月2日の若草読書会のお花見の折に、出席者へのお土産にとお持ち下さったものです。 作品点数は5点と少ないので、もう少し点数がまとまってから開催しようかとも考えましたが、次回読書会は6月開催、それまで待っていては、今回の作品の季節的なものを考えると遅きに失することになる。加えて、次回読書会に彼女がご出席になるのか、また、ご出席の場合でも、作品をお持ちいただけるかどうかは不明、ということで、偐家持美術館企画委員会の決議に基づき、同理事会の承認を経て、本日開催に踏み切ったという次第(笑)。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 先ずは、桜です。(山桜) 上は、青い葉が見えるので、山桜でしょうか。 下は、八重桜ですね。(八重桜) そして、鯉のぼりです。 端午の節句も近づいて来ましたので、少し季節を先取りです。 このデザインの作品は、小生が頂戴したもので、我が家に現物があります。(鯉のぼり) 次も、端午の節句に因んだ作品。 兜と粽と鯉のぼりです。 尤も、よく見ると、幟は鯉ではなく、花模様ですから、鯉のぼり、ではなく、粋に「恋のぼり」とでも言って置きましょうかね(笑)。(兜・鯉のぼり・粽) ちまき(粽)は、茅巻である。茅・茅萱で巻いたものが「チ・マキ」である。茅の輪くぐりの神事が今もあるように、チは聖なるもの、邪を払う霊力のあるものと考えられていたのだろう。従って、チ(茅)で巻いたものを食べることによって、その霊力を身に取り込むことができるということになる。 そう言えば、「い・チ(一)」も、「いのチ(生命)」も、「チ(血)」も、「チ(地)」も、「チ・から(力)」も「チ」である。 チで巻いたものには霊力がある。で、頭に巻くものも「は・チ・巻」と呼ぶのだろうか。それは「チ・がうよ」と誰かさんが言っているような気もするが、そんなことは「チ・っとも」気にしないのが「ヤカモ・チ」である。 「チ・ゃんと」ヤカモチにも「チ」があるところがミソである(笑)。(同上) いつもながらの、心がほっこりとする、和郎女さんの楽しい作品でありました。皆さまもお楽しみいただけたでしょうか。 本日もご来場、ご覧下さり、ありがとうございました。<追記>書き忘れていましたので、追記です。上の写真は全てひろみの郎女さんが撮影されたもので、彼女から写真の提供を受けました。
2017.04.15
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第18回和郎女作品展 本日は、今年2回目の和郎女作品展であります。 昨日29日開催の若草読書会にお持ち下さった沢山の作品から、ヤカモチが撮影したものをご紹介申し上げる次第であります。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 毎年、正月にその年の干支に因んだ押し絵作品を沢山作り、若草読書会の新年会参加者へのお土産にとお持ち下さるのですが、今年も例年通りにお持ち下さいました。昨年11月の読書会で、十二支すべての動物を貼り付けた押し絵のタペストリーを皆に下さったので、今年からは個別の干支の押し絵はないのではないかとも予想されたのですが、さに非ずで、今年もお持ち下さったという次第。かくて、今年は2回目の作品展を早くも開催できる運びとなりました。 今年は酉年。とりどりのトリの押し絵をお楽しみ下さいませ。 (鶏の壁掛け) (見とり、聞いとり、言うとり) 上掲左の壁掛けは、当日欠席のひろみの郎女さんにお渡しすべきものとして、ヤカモチが預っているもの。早くお届けしないといけないのであるが、本日現在、まだ果たしていません。松と竹と梅と尾長鶏のお目出度い図柄であります。壁掛けの 押し絵の鶏の しだり尾の ながくは持たず はや届けなむ (鶏家持)(本歌)あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかもねむ (柿本人麻呂 拾遺集778 小倉百人一首3)と思っていますので、明日か明後日には・・(笑)。 上掲右は鶏の三態セット。去年の猿なら「見ざる、聞かざる、言わざる」となるが、鶏とあっては、そうも行かず、ヤカモチさんが大阪弁で「見とり、聞いとり、言うとり」にしてみました。「見とり」は「見て置きなさい」、「聞いとり」は「聞いて置きなさい」、「言うとり」は「ゆうとり」と発音し、「(勝手に)言ってなさい」と言う意味である。 その意味するところは、申年と違って酉年は、しっかり見て、聞いて、そして、それに丸め込まれるのではなく、しっかりした批判精神を以って己を持することが必要なのだ、ということなのであります。 そこのアナタ、ちゃんと聞いトリますか!! そこのアナタ「勝手に言うトリ。」(鶏の壁掛け・丸型) 丸型の壁掛け。幸運祈願とありますから、願掛けの壁掛け、という洒落になって居ります。(鶏の壁掛け・菱型) 菱型の方は、智に働けば角が立つ、とて角を予め欠いて居ります。 情に棹させば流される。「棹」が見当たりませぬ。既に、情に棹さして、棹も船も流されてしまったのであるか。 板に願掛けりゃ痛い目に合う、とて「願文」の文字もありませぬ。 まあ、これを壁に掛けて、願は掛けずに頑張りなさい、という戒めの板なのでありますな、これはきっと(笑)。(鶏の押し絵・満月と鶏なので「月鶏」) 古来、月には桂の大木が生えていて、玉の兎が住んでいるとされて居り、月が黄色く色づくのは、その桂が黄葉するからとされている。また、月のことを玉兎と呼ぶのもこの言い伝えによるもの。因みに太陽には3本足のカラスが住んでいるとされ、太陽のことを金烏とも言いますな。 しかし、偐万葉伝説では、兎ではなく鶏が住んでいるとされ、これを月鶏と呼ぶ。伏見の酒屋では月桂冠という酒があるそうだが、偐万葉の里、明後日村では酒は「月鶏冠」に限ると言って居るそうな。(鶏の押し絵・小判と鶏で「判鶏」) 人は小金を蓄えると、それを盗まれまいと番犬を飼ったりもするが、偐万葉の里では小判は鶏に守らせるのが相場となって居る。 盗人は夜陰に紛れてやって来るもの、夜明けは壬生忠岑さんに言われるまでもなく「あかつきばかりうきものはなし」と嫌って居る。従って、鶏が鳴くと一目散に逃げ出すのが彼らの習い。 そこで鶏を仕込んで、見慣れぬ奴を見ると「コケコケ、モオケッコー」と鳴かせるようにして、夜盗を追い払うのだそうな。そのような鶏を「判鶏」という。(鶏の押し絵・金糸銀糸と鶏で「糸鶏」) だんだん、ヤカモチも面倒臭くなって来た。与太話も一つ二つは面白く、でっち上げるのも楽しいのであるが、飽きるのも早いヤカモチは三つ目あたりから不機嫌になって来る(笑)のでありますな。 よって、三つ目の「糸鶏」については、作者の「意図」が分からぬなどと八つ当たりするのであります。それを清少納言とかいう女は「いとをかし」なんぞと言うから、いと胸糞悪い。(鶏の押し絵・南天と鶏で「南鶏」) この南鶏は、小生が貰って来たものにて、わが家に鎮座して居ります。 南渓和尚と言えば、只今放送中のNHK大河ドラマに登場の龍潭寺の坊主であるが、「諸行無常じゃ」が口癖ですかな。こちらの南鶏は「職業不詳じゃ」が口癖であるが、その実、何の職業にもつかず、銀輪散歩をしているだけの遊び人にて、ヤカモチさんと同類のトリなのであります。 この南鶏、遊び人にしてはバタバタし過ぎる点が難点であるということで、南天の実を描き添えたのであって、決して「難を転じる」なんぞという意図ではないのであります。(鶏の羽子板) 羽子板の形をした、これは自身で立つこともできる代物にて、なかなかの力作。まあ、羽子板は昔から押し絵と決まって居るから、これはその伝統に立った作品ということで羽目を外してはいないのでありますな。 (掛け軸・苺と椿) そして、最後は掛け軸型の押し絵。 と言っても、押し絵を貼った色紙を掛け軸型のものに嵌めるだけという簡易な仕掛けにて候へば、押し絵か嵌め絵か分からぬではないか、という見当はずれの批判もあるそうな。 ここで、ようやく鶏から離れて、苺と椿の登場であります。 されば1首。押し絵嵌め 苺と椿 並べるは 掛け軸やそれ 垂れもこそすれ (苺内親王家椿)(本歌)おとにきく たかしの浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ (祐子内親王家紀伊 金葉集501 小倉百人一首72) 以上です。本日もご覧下さり、有難うございました。 なお、ヤカモチ解説の中に於いて数々の不適切な冗談のありましたこと、トリあえず、謹んでお詫び申し上げます。
2017.01.30
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第17回和郎女作品展 わが偐家持美術館は元日から営業開始でありましたが、本日3日は新春企画第2弾として、第17回和郎女作品展をお届けすることといたします。 この処、すっかり年1回というのが定着してしまった和郎女作品展でありますが、昨年の2月11日に続いての久々の作品展であります。 では、ごゆるりとご覧下さいませ。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 今回出展の作品は、昨年暮れに智麻呂邸を訪問申し上げた際に、和郎女さんから頂戴したものだという、同邸に置かれていたものであります。 毎年、若草読書会に参加者へのお土産としてお持ち下さる押し絵などの作品を撮影させていただいて「作品展」を開催していたのでありますから、今年も例年通りであるならば、それまで待って作品展を開催してもいいのでありますが、当偐家持美術館は元日より営業を始めてしまった関係で、トリあえず只今の手持ちの写真だけで作品展を開催させていただくこととしました。 先ずは酉年ということで、「鶏」であります。(鶏1) これ「鶏1」は、前頁の第186回智麻呂絵画展の冒頭の「鶏」の絵のモデルとなったニワトリの刺繍であります。色糸で絵模様を縫い上げる普通の刺繍とは違って、こういうのは「つまみ細工刺繍」と言うそうですが、恒郎女さんから何となくお聞きした言葉からの小生の理解なので、或は小生の聞き違いか理解不足で間違った説明になっていましたならば、ご容赦下さい。 次の「鶏2」も酉年に因んで作られました。 鮮やかな色糸を束ねて表現された尾羽が印象的な作品であります。(鶏2) 万葉集では「鶏」は「とり」とも「かけ」とも呼んでいます。また、「家つ鳥」とか「庭つ鳥」とも呼んでいます。現在、我々がニワトリと呼ぶのは、この「庭つ鳥」がその語源なんでしょう。小生の印象に残っているフレーズは、天皇の妻問いの歌である巻13-3310の歌の中のこの一節でしょうか。「野つ鳥 雉(きぎし)はとよむ 家つ鳥 鶏(かけ)も鳴く」 雉と鶏が並んで詠われていますが、両者は生物分類上は共にキジ科の鳥でありますから、親戚みたいなものなんですな。 では、「鶏」の万葉歌を2首ばかり掲載して置きます。暁(あかとき)と 鶏(かけ)は鳴くなり よしゑやし ひとり寝(ぬ)る夜は 明けば明けぬとも (万葉集巻11-2800)里中に 鳴くなる鶏(かけ)の 呼び立てて いたくは泣かぬ 隠(こも)り妻はも (同巻11-2803) 次は、昨年11月の読書会の折に、参加者へのお土産にとお持ち下さった干支のタペストリーであります。読書会参加者は、各自1点ずつ頂戴して持ち帰りましたが、下の写真はヤカモチ館長が自宅に持ち帰ったものです。 この作品を制作するキッカケとなったのは、偶々「青い布」が沢山手に入り、これを何に使うかと思いあぐねていて、タペストリーにすれば面白いかも、と考え付いたことによるらしいのですが、いい着想です。 ヤカモチなんかは何日考えても思いつかないことでしょうな。それ以前にヤカモチには「青い布」なんぞを入手するということがそもそもないことでありますから、このようなことで思いをめぐらすということは生じようもない(笑)。 (干支のタペストリー) 次の「鶴亀松竹梅」も壁飾りタイプの作品。 下に付けられた鈴に引っ掛けることによって何連でも縦に繋ぐことができるようになっている。 (鶴亀松竹梅) 上の「鶏」の万葉歌にならって、「鶴亀」と「松竹梅」の万葉歌も掲載して置くこととしましょう。亀の歌は、万葉集には短歌はなく長歌が2首あるきりなので、その部分抜粋としました。 〇鶴亀の歌草香江の 入江にあさる 蘆鶴の あなたづたづし 友なしにして (大伴旅人 万葉集巻4-575)若の浦に 潮満ち来れば 潟をなみ 葦辺をさして 鶴鳴き渡る (山部赤人 同巻6-919)・・くすしき亀も 新た代と 泉の川に 持ち越せる・・ (藤原宮の役民の歌 同巻1-50)・・ちはやぶる 神にもな負ほせ 占部すゑ 亀もな焼きそ・・ (同巻16-3811) 〇松竹梅の歌一つ松 幾代か経ぬる 吹く風の 音の清きは 年深みかも (市原王 同巻6-1042)たまきはる 命は知らず 松が枝を 結ぶ心は 長くとそ思ふ (大伴家持 同巻6-1043)御園生の 竹の林に うぐひすは しば鳴きにしを 雪は降りつつ (大伴家持 同巻19-4286)我がやどの いささ群竹 吹く風の 音のかそけき この夕かも (大伴家持 同巻19-4291)春されば まづ咲くやどの 梅の花 ひとり見つつや 春日暮らさむ (山上憶良 同巻5-818)雪見れば いまだ冬なり しかすがに 春霞立ち 梅は散りつつ (同巻10-1862) 上の写真では、亀・鶴の順になっているが、正しくは鶴・亀の順なんでしょうか。 これは簡単に入れ替えできるので、好きな順番にすればいいのであって、どれが正しいというものでは本来ないのでしょう。連ねてもよし、単体で飾ってもよし、であります。(同上・亀部分)亀ハ萬年乃齢(ヨワイ)を経、鶴も千代をや重ぬらん・・(謡曲「鶴亀」より)(同上・鶴部分)(同上・松竹梅部分) 上の「松竹梅部分」でありますが、鶴亀との関連で「松竹梅」と名付けましたが、松と梅は間違いなく絵の中にあるものの、よく見ると、竹のそれは何やらカエデの三裂葉のように見えて、竹・笹の葉には見えないから、松竹梅ではないのかも知れない。 などということは、写真のキャプションを付けるに当って少し気になることではあるけれど、本来はどうでもいいこと。色や形の美しさ、それらが織りなす雰囲気を楽しめばいいことなのではあります。 作品点数は少ないですが、お正月らしい作品なので、偐家持美術館新春特別企画第二弾として、本日の記事アップとなりました(笑)。 以上です。本日もご来場・ご覧下さり、ありがとうございました。<追記>先程、小万知さんから、小万知さんがお持ち帰りになった和郎女作のタペ ストリーは種類の異なるものなので、併せこれを展示してはどうかと、メ ールでその写真を送って下さいました。 よって、下記に追加掲載させていただきます。 (尾長鶏・小万知氏撮影)
2017.01.03
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第16回和郎女作品展 本日は、久々の和郎女作品展であります。前回の第15回展は昨年の2月2日。最近は年1回ペースになっているようです。 今回は、ピントの合っていない写真もあって、ちと申し訳ございませぬが、ヤカモチが未熟なるカメラワークのことゆゑと、どちら様にもヒラにご容赦、オン願ひ申し上げ奉りまする。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 先ずは連獅子と牡丹の豪華な屏風であります。 この連獅子の赤い方の子獅子は第170回智麻呂絵画展の冒頭を飾った絵のモデルにもなりましたので、ご記憶のお方もあるかと存じますが、その全貌はこのようなものでありました。(連獅子屏風) それぞれのパーツを拡大してご覧に入れると・・。(中央部分)それ牡丹は百花の王にして 獅子は百獣の王とかや桃李にまさる牡丹花の 今を盛りに咲き満ちて虎豹に劣らぬ連獅子の 戯れ遊ぶ石の橋是ぞ文殊の在します その名も高き清涼山峰を仰げば千丈の 漲る瀧は雲より落ち谷を望めば千尋の底 流れに響く松の風見渡す橋は夕陽の 雨後に映ずる虹に似て虚空を渡るが如くなりかかる険阻の山頭より 強臆ためす親獅子の恵みも深き谷間へ 蹴落す子獅子は転ころころ・・(連獅子) 第13回展にも、連獅子をテーマにした作品がありますが、このように親子獅子・牡丹花と揃ったものは初登場であります。 (左部分) (右部分) さて、お次は、毎回の新年会恒例の干支をテーマにした押し絵であります。(桃と猿) 上の「連獅子」の言によれば、牡丹に劣る桃のようですが、それは「花」のハナシにて「実」のことには非ず、と桃太郎猿は申して居ります。(柿と猿) 猿にはやはり柿ですな。勿論、牡蠣では駄目。子規だって、牡蠣を食ったら「うまい」と言うだけで句の一つも作らなんだので、法隆寺の鐘も鳴らなかった。 子規の場合は鐘が鳴ったが、漱石の場合は銀杏が散っただけ。猿の場合は、この後「猿蟹合戦」というドタバタ劇となるのであるが、今日は蟹がサボっていて出て来ないので、ご覧のように平和な景色。(親子猿) 猿は獅子のように我が子を谷に突き落とすなどという荒っぽい育て方はしないのである。百獣の王なんぞという称号に何の意味も感じないところは猿もさるものなのである。(打出の小槌と猿) しかし、猿は猿真似。ヒト様の真似をして「鐘」ならぬ「カネ」がいいと打出の小槌なんぞを引っ張り出したりもするところがまだまだでごザル。 (開運招福の猿) (三猿) まあ、そんなお猿も今年1年は主役。運を開くのも幸せを招くのも猿がままに、なのであります。 そんなヒト様の手前勝手なお願いの数々に嫌気がさしたか、見ザル、言わザル、聞かザルを決め込んで居るサルも居ます。こうして置けば、嗅いで食うことだけに専念できるという次第。 以下は、小物集。 懐紙入れは、財布にもなりますかな。(懐紙入れ) (同上) (同上)(同上) それを小さくした名刺入れ。 (名刺入れ)(ストラップ) 以上、2月7日の若草読書会新年会にお持ち下さった作品の一部を撮影して作品展を開かせて戴いた次第であります。(お猿の籠屋) 上は、智麻呂邸にあった和郎女未発表作品「お猿の籠屋」。 カネをばらまきながら行く景気のよい籠屋さんであります。日銀総裁のご親戚でしょうカネ。このバラまかれたカネを拾っても使い方を知らぬサル世界にあっては、それも猿芝居、一人芝居にて、エ~サ、エ~サ、エッサホイ、サッサなのであります。 ということで、新年らしきおめでたい作品展となりました。 展示解説に、謹賀新年らしからぬ一部不適切な「猿回し」いえ、「言い回し」のありましたこと、謹んでお詫び申し上げます。謹詫新年。 本日も、ご来場、ご覧下さり、ありがとうございました。
2016.02.11
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第15回和郎女作品展 本日は和郎女作品であります。昨年の2月2日以来のことですから、丁度1年ぶりの開催となります。和テイストの心和む作品群。どうぞお楽しみ下さいませ。これらの作品は全て昨日の若草読書会に和郎女さんが参加者へのプレゼントとしてお持ち下さったものです。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 先ずは今年の干支、ヒツジ(未)のオンパレードであります。お正月にこそ相応しい図柄で、もう少し早い時期にご紹介したかったというのが正直な処でありますが、若草読書会の新年会が2月に入ってからでありましたので致し方もなきこと。しかし、明後日4日が立春でありますから、旧暦に従えば丁度よいタイミングということにもなるかと。(ひつじA) 羊や山羊は、太陽光発電のパネルの設置された周辺地面の草刈に活躍しているらしいが、人件費に比して羊件費は格段に安いことにて、いいアイデアであります。 南方熊楠の「十二支考」の「羊に関する民俗と伝説」という章の中で「牛の食らうは澆(そそ)ぐがごとく、羊の食らうは焼くがごとし」という諺が紹介されているが、牛が草を食ってもすぐにまた生えて来てしまうが、羊が食うとそういうことはないらしいから、除草作業には最適な動物のようであります。 (ひつじB) 羊さんが除草に適しているからと言って余りに流行り過ぎて、野焼きという味のある景色が無くなってしまうのは、温暖化対策上プラスであるとしても、歌の景色としてはやや寂しいですかね。 まあ、太陽光パネルの下草専門でお願いすることとしましょう。 そろそろ、春草が芽吹く頃。羊たちの出番も近いのでしょうか。(ひつじC)めぇ~うめぇ~ 梅咲きたりと 鳴くなるは パネルが下の 草食(は)まむとや (春羊) 春野焼く 野火も見えずは 金村も 困りもぞする 羊らの群れ (羊金村)(本歌)・・春野焼く 野火と見るまで 燃ゆる火の・・ (笠金村 万葉集巻2-230)若草は 牛が食(は)むよし ひつじらは 呼ぶに及ばず わが読書会 (若草老)(ひつじD) 万葉歌に羊は登場しませんから、山羊であれ、綿羊であれ、万葉人の生活とは無縁の動物であったのでしょう。年や時刻や方角などを十二支で表すことはしていたでしょうから「未」という字は身近なものであったとは思いますが。 「羊」というのは、奈良時代に建てられた多胡碑にも見える。多胡碑と言えば、2009年の春に群馬県高崎を銀輪散歩した際に立ち寄っているが(上野国銀輪万葉<1>)、そこにはこのように刻まれている。 弁官符上野國片罡郡緑野郡甘良郡幷三郡内三百戸成羊成多胡郡 和銅四年三月九日甲寅宣 <弁官局からの命令。上野国の片岡郡、緑野郡、甘良郡の三郡の中から三百 戸を分けて新しい郡を作り、羊に支配を任せる。名は多胡郡とせよ。 和銅4年3月9日宣す。> タコをヒツジが支配。何の事? ですが、羊というのはそういう名の人物のこと。羊氏というのがこの地の有力氏族であったということでしょうな。その名からは渡来系氏族と見られるが詳細は不明。 なお、羊氏については色々な説があるようなので、興味ある方は下記をご参照下さい。<参考>多胡羊太夫・Wikipedia(ひつじE) ヤカモチの余計なお喋りは、これらの可愛い羊さんたちの押し絵の雰囲気を壊す、という声も何やら聞こえて参りますので、アトはごゆっくりと絵・作品をご覧戴くことと致しましょう。(ひつじF) (ひつじG) (ひつじ短冊) ストラップなどの小物作品もありました。 (ストラップA) (ストラップB) 次は、「は~るよ、こい♪」であります。(わらべA)(わらべB) 次はオシドリ。(鴛) 次は小物入れ。 これは色違い、柄違いの色々なものがありましたが、その一例です。(小物入れ) 真上から見るとこんな感じ。(同上) 次は恵比寿と瓢箪。(恵比寿)(瓢箪) 和郎女さんの作品の数々、お楽しみ戴けましたでしょうか。 最後までご覧戴き有難うございました。 どうぞお気を付けてお帰り下さいませ。
2015.02.02
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第14回和郎女作品展 昨日(2月1日)の若草読書会で和郎女さんがお持ち下さった恒例の干支の押し絵を中心に、本日は久し振りに和郎女作品展を開催いたします。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 先ず始めに先の智麻呂絵画展(第134回)で智麻呂さんが絵にされた馬の押し絵からご紹介することと致します。 午年の今年の年明けに相応しい、見事な出来栄えの白馬の押し絵であります。(馬・黒)水鳥の 鴨羽(かもは)の色の 青馬(あをうま)を 今日見る人は かぎりなしといふ (大伴家持 万葉集巻20-4429)(水鳥の鴨の羽の色の青馬を今日、白馬の節会の日に見る人は永遠の生命を得るという。) 青馬というのは白馬のこと。白馬を青とはこれ如何に、であるが、陰陽五行説では、青は季節では春、方角では東、時刻では朝。青は生命力溢れる盛んな色として尊ばれた。白は清浄で貴い色であったから、両者はイメージとして重なるものがあったのであろう。それで白馬(神馬は通常は白馬)を青馬とも呼んだのであろう。 緑色の葉を青葉と言うのも同じようなことであろう。青には「盛んな」「生命力溢れた」という意味があるのだ。青年という呼び方もその類である。 この歌は1月7日の白馬の節会の宴に備えて大伴家持が作って置いた歌であったのだが、当日仁王会の仏事が催されることとなり、宴は6日に繰り上げて行われることとなった。それで、この歌は奏上せず没となり、その6日に詠んだ歌が次の歌。うちなびく 春ともしるく うぐひすは 植木の木間(こま)を 鳴き渡らなむ (大伴家持 万葉集巻20-4430)(うらうらと霞こめる春だとも、はっきりわかるように、鴬が植木の木の間を鳴き渡ってくれたらなあ。) 話が万葉にそれてしまいました。以下の白馬は1日に和郎女さんがお持ち下さったものです。同じデザインのものは撮影を省略していますので、実際の作品点数はこの倍以上はあったかと。 では、ごゆるりと白馬をご覧下さいませ。(馬・赤1)(馬・赤2)(馬・桜)(馬・赤と青)馬並(な)めて いざうち行かな 渋渓(しぶたに)の 清き磯廻(いそみ)に 寄する波見に (大伴家持 万葉集巻17-3954)(馬・黒い鞍)(馬・梅)(馬・金の鞍)(馬・梅2) 上の白馬は現在わが家に滞在いたして居ります(笑)。(馬・短冊)(ストラップ) 以下は、昨年の夏か秋に撮影したものであります。作品が4点と少なかったので、もう少し作品数が増えてからアップを、と思っているうちに年があらたまってしまいました。いささか季節外れとなりますが、今回遅ればせながら出展させて戴きます。(釣れたよ)(色には出でじ朝顔の花) 上は桔梗。万葉では朝顔です。この花と来ればやはりこの歌を書きたくなるのでありますな。顔には出さぬ恋。万葉の恋とはそういうものなのであります。恋転(まろ)び 恋ひは死ぬとも いちしろく 色には出でじ 朝顔の花 (万葉集巻10-2274)(秋の香ぞよし) もみじ、まつたけ、秋の香ぞよし、であります。高松の この峯も狭(せ)に 笠立てて 盈(み)ち盛りたる 秋の香(か)のよさ (万葉集巻10-2233)(うちわ) この団扇も我が家にご滞在であります。 今の時期に出すと、夏炉冬扇、万葉調に言えば「ときじくの」でありますが、なかなかに可愛いミニチュアの団扇なのであります。うちはなれば 冬には出さじ 朝顔の 花とし思へど 今日のみ出でよ (偐家持) どちらさまも最後までご覧下さり有難うございました。
2014.02.02
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第13回和郎女作品展 久々に和郎女作品展を開催致します。在庫の作品点数が少ないので、もう少し集ってからと思っていましたが、鯉のぼり、などの作品もありますれば、5月5日を過ぎては、いささか間抜けたものになり兼ねませんので、急遽開催であります(笑)。 本日ご紹介の作品は先月7日の若草読書会の折にお持ち下さったものであります。次回読書会では、彼女のご指導の下で、我々読書会メンバーが同様の作品を制作するという趣向になって居りますので、ヤカモチ館長も挑戦でありますが、さて、如何なことになりますやら・・(笑)。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。(仔獅子) これは、小生にと下さったもので、下のように我が家のリビングを飾ってくれて居ります。 それ牡丹は百花の王にして 獅子は百獣の王とかや 桃李にまさる牡丹花の今を盛りに咲き満ちて 虎豹に劣らぬ連獅子の戯れ遊ぶ石の橋・・ でありますな。牡丹咲き 蝶舞ひ来れば 石橋(いははし)の 下に仔獅子は 遊ぶとあらし (偐家持)(花野) 桃か桜か、そしてスミレにタンポポ。菜の花に蕨、土筆もありますな。春の花野であります。ももさくら すみれたんぽぽ なのはなに わらびつくしの はるさかりなり (にせやかもち) そして五月。風光る 卯月は過ぎて 風薫る 五月なりけり 青葉ぞさやぐ (偐家持) そして鯉のぼりです。(鯉のぼり) この「鯉のぼり」は、智麻呂邸の「若草ホール」に翻っておりますな(笑)。そして、下のミニ掛け軸も、若草ホールに掛かっております。(兜と鯉のぼり)こひのぼり よりまさどのか たちかぶと おきてまよひぬ あやめかもちか (にせやかもち) <鯉(恋)のぼり 頼政殿か 太刀兜 置きて迷ひぬ 菖蒲か餅か> 今回は、ヤカモチ館長の怠慢にて作品点数が4点と少ないものになりましたが、GWということでお赦し戴くことと致しましょう(笑)。本日もご来場賜り、有難うございました。
2013.05.04
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第12回和郎女作品展 本日は久々の和郎女作品展であります。先日1月20日の若草読書会にお持ち下さった、今年の干支の巳に関する作品を中心にした作品展であります。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 何れも楽しい作品。読書会出席メンバーは、それぞれ抽選で当たった作品をお土産に頂戴して帰りました。 今回はちょっと趣向を変えまして、以下、和郎女作品と偐家持美術館長の駄洒落とのコラボと致します。 先ずはお正月らしく紅白の千両・万両の巳であります。(千両・万両<赤>) 一攫千金もあれば二蛇万金も・・・ないか(笑)。 地道に暮らすのじゃ(蛇)、巳なの衆。(千両・万両<白>) 千両役者と千両白蛇。万両の実と万両の巳。 蛇蛇蛇蛇~ン、蛇蛇蛇蛇~ンはベートーベンの「運命」、 巳~ン巳~ン巳~ン巳ィ~ンはミンミンゼミ。 蛇ンバル蛇ンは、ああ巳情。レ・巳蛇ラブルだなし。(蛇重の桜) 次のオリンピックはリオデ蛇ねえ~の? ソチは知らアナコンダったか? <この辺まで来るとかなり苦しいですな(笑)。>(紅梅白蛇) 上は、「紅梅白梅」ならぬ「紅梅白蛇」でありますな。 類語を探すと、 精米白蛇(精米白米)、金波銀蛇(金波銀波)、青天白蛇(青天白日)、白蛇青松(白砂青松)などと色々ある。 「青天白蛇」とは、青空に白い蛇が現れること。この現象が現れると濡れ衣が晴れるとして、これを人々は青天白日の「巳」と呼んだ。そこから転訛したのが「青天白日の身」なのである(笑)。 「白砂青松」とは美しい海辺の景色を褒める言葉であるが、「白蛇青松」は、青い松に白い大蛇が絡みついてその美しい景色が台無しになっていること、またはそのような邪魔物のことを意味するのですな。こういうのを、「蛇に交われば邪魔になる。」と言う。「朱に交われば赤くなる。」はこれから派生したのである(笑)。 因みに、これに似た言葉で「白蛇赤松」というのがある。これは、赤松林に侵入して松茸泥棒をすることを言う。また「白蛇黒松」は、松茸の生えない黒松林に侵入して松茸を盗もうとする馬鹿のことを言うのである。 以上を纏めると「荒唐無稽」又は「口頭巳形」ということになる。(松と蛇で待つだけ蛇) 松と青い蛇。青での言い替えで浮かぶのは、 あったら怖い、 青雲の志=青蛇の串刺し 青天の霹靂=青蛇の悪癖 幸せの青い鳥=詰合せの青い蛇 ジャスミン茶=蛇酢味噌茶 ジャズダンス=蛇頭箪笥(蛇も巻物) 巻物と蛇ですな。 とぐろ巻くヘビは普通。 舌巻くヘビはちょっと珍しい。 ハチ巻、首巻、腰巻してるヘビはいまい。いたらジャマイカ? 「う呑み」はしても「ウ巻き」は食わないヘビ。(新年だから宝船じゃ<蛇>)(コマが回ってもコマらないのじゃ<蛇>) またまた、白蛇。 白蛇委任(白紙委任)、白蛇撤回(白紙撤回)、明々白蛇(明々白々)や白蛇三千匹(白髪三千丈)などが思い浮かぶが、こんなのはどうでしょう。朝には厚顔ありて夕には白蛇となれる巳なれり (蓮蛇「白蛇の御文章」) (原文) 朝には紅顔ありて夕には白骨となれる身なれり (蓮如「白骨の御文章」) (宝福絶頂) (朝顔も吊るして見れば・・) 上左は宝と福の二字の蛇。二字と言えば虹。 「虹」は、古代中国の人は、天に昇った蛇と考えました。それで虫篇が付いている。 それはさて置き、この二字(虹)で、「抱腹絶倒」ならぬ「宝福絶頂」で今年もめでたし、めでたし、なのであります。 右の朝顔は、今回撮影したものではなく、昨年の夏に撮影したものの未掲載のまま小生のパソコンに眠っていたものです。場違いな感は否めませんが、掲載することとしました。こういうのを「夏炉冬扇」と言いますが、季節外れに引っ張り出された朝顔さん、少しもめげず、「朝顔当然」という顔をしているのは立派なものです(笑)。 次はストラップです。 和郎女さんは何でも器用に作ってしまわれますな。(まあ、ストラップも色々じゃ<蛇>) ストラップにも蛇が付いているので、蛇の「駄洒落」ならぬ「駄蛇列」を。 茶番劇=蛇番劇 今年はヘビ年だと巳年生まれがしゃしゃり出て、おか しなことになることを言う。 目茶苦茶(滅茶苦茶)=目蛇苦蛇(滅蛇苦蛇) 呑み過ぎてへべれけになったヘビが悪酔いで悶え苦 しむこと。転じて支離滅裂な様を言う。 ゴチャゴチャ=御蛇御蛇 偉そうにした蛇がやって来て、まとまりかかった議論 を混乱させてしまうこと。または要らぬ口出しをするこ とを言う。 いちゃつく=猪蛇つく 猪に蛇が絡み付くと猪は驚いて暴れまくる、そのよう に見苦しいまでに慌て狼狽することを言う。 以上、偐家持監修「偐代閑話辞典」<かどわかし書店発行>より。 なお、この辞典は「慎重社」や「言うなり書店」では取り扱っていない。(趣味じみと蜆) 上のストラップの中味は蜆?蜆の上には鈴も付いている。 鈴見てるシジミ、指示待ちのシジミ、支持者にはシジミじゃ しみじみと身にしむ秋知るシジミ汁、シジミの一味に軋み 趣味地味なシジミ、夜のしじま朝のシジミ、沈むのにシジミ 縮み上ってもシジミ、知事見るシジミ、シジミの味見 シジミも夕涼み 和郎女さんの作品で少し遊び過ぎましたでスネーク。 ではまた、作品写真が溜まりましたら次回和郎女作品展にてお会い致しましょう。ご来場どうも有難うございました。
2013.01.25
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第11回和郎女作品展 本日は若草読書会の新年会でありました。出席者は智麻呂、恒郎女、凡鬼、謙麻呂、小万知、祥麻呂、香代女、和麻呂、槇麻呂、和郎女、りち女、偐山頭火、偐家持の13名。 午前11時から午後6時頃まで楽しい時間を過ごしました。恒例の歌会の作品は追って取りまとめ、河内温泉大学図書館にて公開の予定であります(笑)。 で、本日は和郎女作品展であります。今日、彼女は最近制作した作品を多数お持ち下さり、参加者への土産として下さいました。それらのいくつかを写真に撮りましたので、第11回和郎女作品展となった次第。 <参考> 過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 辰年の年始ということで、作品のモチーフは、やはり辰・龍であります。 「龍馬がゆく」ならぬ「龍馬が並ぶ」であります。(龍)(龍2) 上二つの龍は、1月24日に智麻呂邸を訪問した際に撮影したものであり、これより下の作品が本日撮影のものであります。(鞠)(鞠2)(フクロウ) 上は、誰かが「フクロウ」と言ったので、そう記載しましたが、よく見るとこれも「龍」のような気もして来ました(笑)。六地蔵 ならぬ五龍の ゴリュージャー ゴレンジャーには 似て非なる龍 (偐龍麻呂) 以下は龍づくしであります。 辰年に因んで、色んな龍を作って下さいましたが、いづれも生き生きとした見事な作品であります。 参加者皆で、あみだくじを作って、これらの分配をいたしました。一人につき2~3個戴けるという作品数の多さ。 ヤカモチは下の赤龍と赤い楊枝入れを戴きました。(青龍)(青龍2)(青龍3)(青龍4)(赤龍) 万葉に龍の歌はないかと探したら、大伴旅人の歌に、こういうのがありました。龍(たつ)の馬(ま)も 今も得てしか あをによし 奈良の都に 行きて来むため (大伴旅人 万葉集巻5-806) この歌は大伴旅人が太宰府の師(長官)であった時に、都に居た親しい女性に贈った歌2首のうちの1首であるが、龍に乗ってなら都へ行って貴女に逢って帰って来れるのに・・と言って居りますな。現代の新幹線を目にしたら、旅人は「こは龍の馬なるか」と驚き喜んだことでしょうな(笑)。 女性がそれに答えた歌も出ています。龍(たつ)の馬(ま)を 吾(あれ)は求めむ あをによし 奈良の都に 来む人のため (万葉集巻5-808) 女性の方は、「それなら、わたしは貴方のために龍を買い求めましょう。」と言って居りますな(笑)。 大伴旅人が太宰の師であったのは727年(神亀4年)から730年(天平2年)10月までの3年間であるから、この歌のやりとりもこの間のいづれかの時期になされたものであろうか。してみると、彼の63歳から66歳までの間ということになる。彼は731年、67歳で没しているから、最晩年の歌ということになりますが、60歳を過ぎても遠距離恋愛、なかなかなものです。 ところで、大伴家持の処女作「うち霧らし 雪はふりつつ しかすがに 吾家の園に 鶯鳴くも(万葉集巻8-1441)」は732年家持15歳の時であるから、旅人は息子家持の歌を知らぬままに没したことになりますな。(白龍) さて、凡鬼さんに龍の俳句はなきかとその句集から探してみました。直接にこれを詠んだものはありませんでしたが、こんな句がありました。竜渕に 潜みて水の 嵩あがる (注) 秋の季語に「竜渕に潜む」がある。(白龍2) 凡鬼句集には龍の句が見当りませぬが、龍の字を含む句に範囲を広げると、結構見つかりましたので、ご紹介して置きます。古典とは 埋もれ火のごと 竜の玉朴訥な 男ありけり 竜の玉寒山も 拾得も好き 竜の玉 (注)竜の玉=ユリ科多年草のリュウノヒゲの実のこと。冬の季語。草莽(そうもう)の 志士の赤心 笹(ささ)竜胆(りんどう)片肌を 脱いでお龍の 菊人形恐竜の 時代からの木 冬日差賢人の ごと腰低き 臥竜梅(龍のストラップ) これは一転、可愛い龍であります。鈴が付いています。 龍の鈴は「ロンロン」と鳴るのでもあるか。(楊枝入れとクマのストラップ) もうひとつは、更にも可愛いクマのストラップ。そして、ヤカモチも頂戴した楊枝入れであります。
2012.01.29
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第10回和郎女作品展 今年1月に開催して以来ご無沙汰して居りました和郎女作品展。久々の開催であります。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。 これらの作品は先の若草読書会(11月13日開催)にメンバーへのプレゼントとしてお持ち下さったものでありますが、小生、生憎と他用あり出席出来なかったので、その全てを撮影できませんでした。 ここに展示のものは、その何日か後に偐家持が智麻呂邸を訪れた際、智麻呂邸に残されていたもの5点を撮影したものであります。当日出席のメンバー各位がお持ち帰りになられたものも加えればもっと賑やかな展覧会になったのでありますが、その写真を取り寄せるまでの労は惜しみました(笑)。ご容赦を。 小物入れの作品は、牛乳パックを芯材料とし、表面に布を貼って仕上げるという形で、作成された作品でありますが、とてもしっかりした作りで、そのアートとしての美しさもさることながら、どれも皆、実用的にも優れた一品となっています。(作品 1 ) この作品は、小生同様に当日欠席であった偐山頭火氏が後日に持ち帰られたようで、確か同氏のブログで写真入りでご紹介されて居たように記憶します。ブログアップは2番煎じとなりましたので、作品番号は1番として置きました。(作品 2 )(作品 3 ) 「作品3」は、撮影後に小生が頂戴して帰ったものにて、只今はペン立てとして愛用させて戴いています。(作品 4 )(作品 5 ) 「作品5」は、これまでの和郎女作品展ではもうお馴染の、布の貼り絵であります。萩、コスモス、桔梗、ススキ、モミジと秋の風情をあしらった作品でありますが、展覧会開催が遅れて、冬至となってしまい、「時じくに咲く」でありますな。
2011.12.22
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第9回和郎女作品展 本日は、1月30日の若草読書会にお持ち戴いた和郎女さんの作品「兎」による、第9回和郎女作品展であります。 皆さまの卯年に幸多かれとの祈りも込めての開催であります。(瑞兎迎春) シンガポールご在住のブロ友、nanasuguさんのブログの写真に写っていた旧正月(春節)を迎えるための兎の飾り物に掲げられていた言葉が「瑞兎迎春」でありましたので、これを使わせていただきました。 では、先日の若草歌会のうさぎの歌から1首。 うめの花 さくやふふむや 暁(ぎやう)闇(あん)を ひらき卯の年 初春の朝 (偐家持)(桜と兎)うさぎ うさぎ 弥生の野原 見渡す限り・・間違った。さくら さくら 弥生の空は 見渡す限り・・でした。うさぎ 跳んだ跳んだ・・また、間違った。さくら 咲いた咲いた・・でした。 こういうのを「卯喝(ウカツ)」と言うそうな。(月と兎) 月の砂漠を はるばると 旅のウサギ が行きました。(?) うさぎ うさぎ なに見て はねる・・(海を渡る兎) 因幡の白ウサギですかね。 行き先は勿論スペイン。 何となれば、スペインは兎の国だから。 スペインの正式国名は エスタ・ド・エスパニョール(Esta do Espanol)。 エスパニョールはローマ時代の地名ヒスパニアHispaniaから来ていて、 ヒスパニアの語源は、カルタゴ人がこの地の海岸地方に植民地をつくり、 スパンSzpan「兎」の国と呼んだからとか。この国の山野には兎が多か ったのですな。無論異説もありますが、ここではそういう固いことは言 わないのである(笑)。(兎の熊手) 兎を付けても熊の手とはこれ如何に? 写真の角度が悪くて熊手には見えませぬが熊手なのです。 「何?そういう説明は蛇足じゃと?」 兎角ブログは書きにくい(猫目漱石)(兎のストラップ) このストラップ、もっと種類がありましたが、撮影が洩れましたので、3点だけご紹介です。 (兎の短冊) (兎、跳べ!) 万葉集にはうさぎの歌が1首だけ登場します。 等夜乃野尓 乎佐藝祢良波里 乎佐乎左毛 祢奈敝古由恵尓 波伴尓許呂波要等夜(とや)の野に 兎(をさぎ)狙はり をさをさも 寝なへ子ゆゑに 母に嘖(ころ)はえ(巻14-3529)<等夜の野にウサギを狙うのではないけれど、をさをさ(ろくに)寝ることもできないあの娘のことで、おっかさんに叱られちゃったよ。> をさをさも=「ろくに」「ろくすっぽ」 をさぎ=うさぎ。 等夜=所在未詳。下総国印旛郡の鳥矢郷との説あり。 等夜の野にをさぎ狙はり=「をさをさ」を起こすための序詞。 この歌は、宴席、歌垣など、下のような場面で歌われた戯れ歌でしょうな。(兎のお花見?お月見?) 以上、楽しく、可愛らしい兎の作品展、うさぎづくし展でありました。 本日もご来場有難うございました。<参考>過去の「和郎女作品展」はコチラからどうぞ。<追記・注>写真2枚(「兎の短冊」)が横倒しの歪んだ画像になっていたので、2020年11月9日これを復元修正しました。●過去記事の写真が歪んでいたりすること 2020.10.12.
2011.02.01
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第8回和郎女作品展 久し振りに和郎女作品展であります。今回は展示点数が少ないのでありますが、お正月に因んだ作品なので、1月が終わる前にはアップしないといけないかと。(紅梅と白兎) 紅梅と白兎の色紙です。 さらさらと和歌などをしたためて、年賀状にしてもよろしいかと。うすべにの 梅の花咲き 白雪の 卯の初春の めでたかりけれ (偐家持)(玉兎) 月には玉璧の兎が住むという。それで月を玉兎とも言うそうな。 万葉では月のことを月讀とか月讀壮士とか言ってますが、これは月の神、ツクヨミ(アマテラスの弟、スサノオの兄)から来ていますな。南天の ひとつこぼれぬ 雪明かり 雲間漕ぎ行く 月讀壮士(つくよみをとこ) (偐家持)(うさぎおひし・・) うさぎ追ひし~ではなくて、うさぎ負ひし~でありますが、さて何を負っていますのでしょうか? 万葉集にも兎の歌が1首あります。 等夜乃野尓 乎佐藝祢良波里 乎佐乎左毛 祢奈敝古由恵尓 波伴尓許呂波要等夜(とや)の野に 兎(をさぎ)狙はり をさをさも 寝なへ子ゆゑに 母に嘖(ころ)はえ(巻14-3529) (訳)等夜の野に ウサギを狙うのではないけれど、をさをさ(ろくに) 共寝もできないあの娘のために おっかさんにこっぴどく叱られ たよ。(羽子板) 羽子板の絵は桜の花が咲き散る、ひと足早い春爛漫でありますので、偐家持も春爛漫の歌を。桜花 咲き散るなへに 夕月の 霞みかかれり 生駒高嶺は (偐家持)<参考>過去の和郎女作品展はコチラからご覧戴けます。
2011.01.26
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第7回和郎女作品展 28日の読書会では、智麻呂絵画の新作の他に、和郎女さんの作品も新作3点を撮影させて戴きました。彼女の作品展は長らく開催して居りませんでしたが。何とか開催できる程度の作品数が揃いましたので、久々の和郎女作品展といたします。 <参考>過去の和郎女作品展はコチラからどうぞ。(うさぎ) 来年は卯年ということで、うさぎを作って下さいました。来年のことを言うと鬼が笑いますが、ニ兎を追うもの一兎も得ず、一石二鳥はあるが一石ニ兎はないのであってみれば、来年は地道にコツコツやりましょう。 で、ちょっと早いですが、お正月用に「宝船」が次の作品です。(宝船) 次は小物入れ。 これは酒の紙パック容器を利用して作られています。 当日は、これにお菓子を入れてお持ち下さいました。 凡鬼さんがいたく感心されて、「これは民芸品店に卸しても絶対に売れる。」と仰っていましたが、偐家持美術館民芸品販売事業部にて売り出しましょうかね(笑)。(小物入れ) ちょっと角度を変えてもう一枚。 ちょっとした小物を入れるのに丁度良いです。 皆さまおひとついかがでしょうか? さて、以上3点が今回ゲットした作品で、以下の4点が数カ月前に仕入れていながら、公開せぬまま時日を経過してしまった作品です。 そんな訳で、ちょっと季節の合わない作品が3点ありますが、ご容赦願います。(おばあさん) これは軍手で作ったお人形です。 上の「小物入れ」とか、最近は貼り布絵(こういうジャンルの作品は正式には何と呼ぶのでしょう?今頃何をとぼけたことを、ですな。)から創作範囲を広げて居られるのでありますな。(蛍狩り) 蛍を詠った万葉歌はない。「ほのか」に掛かる枕詞として「蛍火の」が登場するのみである。仕方がないから、和泉式部さんにご登場いただくこととする。上の無邪気な子供たちの蛍狩りとはそぐわないが、彼らとてやがて恋に身を焼く若者になるのであってみれば・・である。 もの思へば 沢の蛍も わが身より あくがれ出づる 玉かとぞ見る (和泉式部) 「ほ~ほ~ほたる来い・・」の方が、勿論、上の絵には似合うのであるが。(七夕) これも亦、「笹の葉さらさら・・」の世界ですな。万葉歌を無理に付ける必要もないのであるが、偐万葉集であるから・・無理にでも、であります。 さいわいに、七夕の歌は万葉集にこと欠きません。 しかし、ここは大伴家持の歌といたしましょう。来月、12月23日には交野市の星田妙見宮境内に新しく建立された、この歌の万葉歌碑除幕式があるのであってみれば。 十年七月七日の夜、ひとり天漢(あまのがは)を仰ぎていささか懐(おもひ)を述ぶる一首織女(たなばた)し 船乗りすらし まそ鏡 きよき月夜(つくよ)に 雲立ち渡る (巻17-3900)(盆踊り)
2010.11.30
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第6回和郎女作品展 本日は建国記念の日。旧紀元節の日ですな。紀元節が軍国日本に果たした役割などへの反省もないままに、この歴史的には根拠薄弱な日を「建国の日」とすることに違和感と気味の悪さを覚えた多くの人が反対したのであるが、1966年祝日法が改正され、1967年2月11日から、建国記念の日となり、今日に至っている。 紀元節が2月11日となった経緯は、日本書紀の神武紀に「辛酉年(かのととりのとし)の春(はる)正月(むつき) の庚辰(かのえたつ)の朔(ついたち) に、天皇、橿原宮(かしはらのみや)に即帝位(あまつひつぎしろしめ)す。」という記載あるにより、明治政府が1872年(明治5年)に、旧暦の1月1日を新暦に置き換えて、定めたものである。折しも、旧暦1872年12月3日を新暦1873年1月1日として、新暦が施行されることとなっていたことから、旧暦1873年1月1日を単純に新暦に置き換えた1873年1月29日を紀元節の日としたのであった。 その後、日本書紀の神武即位年は紀元前660年に当たる処から、その年の立春に最も近い庚辰の日を探すとその日は新暦では2月11日に当たると計算し直され、翌年の1874年からは2月11日が紀元節の日となったのである。 さて、閑話休題。 本日は第6回和郎女作品展と致します。和郎女さんの作品は智麻呂邸にて撮影させて戴いたものでありますが、掲載するタイミングを逸して、徒に時日を経てしまい掲載するのが遅れてしまいました。よって、いささか時節外れの気味もありますが、ご容赦のほど。 こういうのは何と言う名前ですかね。飛び出す絵本と同じ要領で、開くと写真のように立体的になり、二つに折りたたむと、ペッタンコの平面になります。 作品は、ケーキ?それとも、雪山?去年のクリスマスの作品です。 ちんちろりん 知る人ぞ知る 高砂の 松もサンタの 友にしあらむ (ちろりん村のサンタ) 以下の3枚虎は、今年が寅年ということで、昨年の明日香での読書会旅行の時に、和郎女さんが参加者へのプレゼントとして作って来て下さった3種類の虎です。小生が戴いたのは「虎1.」のタイプのものでした(笑)。 (虎1.) (虎2.) (虎3.) 皆さんは、どの虎がお好みでしょうか? さて、虎は虎でも、阪神タイガース。今年はやってくれるのでしょうか。上の虎はどれも、可愛らし過ぎて、いささか頼りないのでありますが・・。 今年の阪神はちょっと手強いですぞ(そうあって欲しい)。 (虎の親子) この親子の虎は、智麻呂邸に鎮座して居りますが、既に、先日の智麻呂絵画展にて「絵画」で登場済みですから、ご記憶の方も居られることでしょう。 現物の写真、遅ればせながらの登場であります。<関連記事> 過去の和郎女作品展 (その1)、(その2)、(その3)、 (その4)、(その5)
2010.02.11
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第5回和郎女作品展 明日10月3日は中秋の名月ということですが、久々の和郎女作品展、第5回目は、お月さまから始めましょう。(十五夜) ♪うさぎうさぎ 何見てはねる 十五夜お月さま 見てはねる(月待ちて) ♪待てど暮らせど 来ぬ人の 宵待ち草の やるせなさ 今宵は月も・・・・出ていました(笑) 夕やみは 路(みち)たづたづし 月待ちて 行(ゆ)かせ吾背子 その間(ま)にも見む (万葉集巻4-709 大宅女)(コスモス) コスモスの 花咲きぬれど 愛(は)しき子の 笑みはも遠き 白雲の影 (偐家持)(桔梗) 恋転( こひまろ)び 恋ひは死ぬとも いちしろく 色には出でじ 朝貌(あさがほ)の花 (万葉集巻10-2274)(薔薇) ♪バラが咲いた バラが咲いた・・♪(をとめ椿) 白雪の 消(け)のこる朝に うすべにの をとめ椿は 一輪咲きぬ (偐家持)(秋野の花) 秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種(ななくさ)の花 (万葉集巻8ー1537 山上憶良)(トンボとカエル) ♪ゆうやけ こやけの あかとんぼ おはれて 見たのは いつの日か 小石の上の蛙は和郎女様の作品で、中身はちっちゃな貝(蜆)とか。 トンボは景郎女様の作品にて、絵本読み聞かせ活動の中で子供たちに喜んで貰おうと、こんなものも作っていらっしゃるようです。トンボの胴体はクリップです。だから、ブローチにもヘアークリップ(髪止め)にもなるとか。 この作品は偐家持が勝手に並べてコラボさせて戴きました(笑)。(「トンボとカエルでトンボカエルなのだ。これでいいのだ。」<バカボンのパパ>)<関連記事> 過去の作品展は下記をクリックしてご覧下さい。 第1回 第2回 第3回 第4回 (注)第1回は智麻呂絵画展と併設です。
2009.10.02
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第4回和郎女作品展 本日は、久しぶりに和郎女作品展開催といたします。皆さまのご来場、心よりお待ち申し上げます。(あやめ)(花菖蒲)(兜)(瓢箪)(恵比寿)(梟)(睡蓮と蛙)(鰈)(朝顔)(朝顔2) 下の作品は桜ですからちょっと季節が合いませんが、来年までは待てないから掲載します(笑)。(さくらさくら) 第3回作品展(2009.6.1.)
2009.06.21
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第3回和郎女作品展 久しぶりですが和郎女作品展を開催致します。 昨日の読書会の際に和郎女様が作品をお持ち下さいましたので、開催できる運びとなりました。(兜)(明かりをつけましょ、ぼんぼりに♪)(源氏物語) 以上の作品は以前に撮影したものの未掲載であったものです。以下の作品からが、昨日撮影の新しい作品です。(7月)秋風の 吹きにし日より いつしかと わが待ち恋ひし 君ぞ来ませる (万葉集巻8ー1523 山上憶良)(8月)朝顔の 浴衣のをとめ 手に持てる 袋に赤き 金魚のひとつ (偐家持)(9月)中秋の 玉兎の餅の つくを見む (筆蕪蕉)(10月)雀らも 稲刈り待ちて かしましき (筆蕪蕉)(11月)大坂を わが越え来れば 二上( ふたがみ)に もみぢ葉流る 時雨( しぐれ)ふりつつ (万葉集巻10-2185)(12月)クリスマス キャロルの道に 雪の舞ふ (筆蕪蕉)(1月)おひばねの 音の途切れて 笑ひ声 (筆蕪蕉) 次の帽子は、コーヒーフレッシュの使用済みプラスチック容器を芯にして作られた小さな帽子です。さて、どれがお似合いですかな。(帽子たち) まだまだ作品はあるのですが、今回はここまで。 あとは次回のお楽しみに。<関連記事>第1回和郎女作品展(2009年1月22日) 第2回和郎女作品展(2009年2月16日)
2009.06.01
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第2回和郎女作品展 ― 恒郎女コレクションより 友人、和郎女(かずのいらつめ)さんの作品展第二弾です。第1回目は智麻呂絵画展に併設しましたので、興味ある方は下記にてご覧下さい。 <第1回作品展> 今回は作者もご了解して戴いての作品展であります。もっとも、今回掲載の作品も昨日智麻呂邸訪問の際に、奥様の恒郎女様に撮影させて戴いたものであります。よって、恒郎女コレクションより、という副題にしました。(正月・牛と梅)飛び梅も 明けて咲くらむ 牛の歳 (筆蕪蕉)(節分)(2月・節分)春立つを 鬼も待つらむ 豆炒る香 (筆蕪蕉)(3月・ひな祭り)香具山の うらに雛壇 桃の苑 (筆蕪蕉)(4月・牡丹)長谷寺の 牡丹見て来よ 雨ぽつり (筆蕪蕉)(5月・菖蒲と鯉のぼり)蝶の来て あやめの風に 鯉のぼり (筆蕪蕉)(6月・紫陽花)紫陽花の 色それぞれの 雨は降り (筆蕪蕉)(7月・朝顔)朝顔に 消(け)のこる露も 空の色 (筆蕪蕉)
2009.02.16
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