全162件 (162件中 151-162件目)
差し込みメニュー新商品投入とCFなどの接触による繰り返し効果 最近というか、昔からだが差し込みメニューでの新商品投入がさかんですね。その時期の行事や旬に合わせたタイムリーな魅力的な差し込みはとくにリピーターさんに喜ばれています。例えば土用の丑の日にあわせて鰻の商品投入をすると喜ばれます。 差し込みメニューはお客様の飽きに対応するためと考えますが、繰り返しの利用頻度が高い場合は瞬間を売る必要があるからです。つまり、行事や旬で瞬間を感じていただき、エンターテイメント性(レジャー性)を演出するのです。実際、差し込みメニューの繰り返し効果は高くて、お客様が蓄積してゆきます。したがって、新商品投入というよりは、ブラッシュアップしてゆくのが良いです。 また、差し込み商品をCFやInstagramなどでの不特定多数の潜在客との接触は、しばらくご来店がなかったお客様への思い出し来店を起こし、新規客の獲得も可能になります。CFは確率戦・総合戦をするマクドナルドのような大手企業にぴったりな戦略で、Instagramは日々の投稿でフォロアをある程度(1,000人以上)獲得しておけば効果が出ます。
2023.08.01
ローカルで成功するためのヒント その87 白トリュフ(高級食材)をどう使う梅:少し前に、クロアチアの方まで行ったのですが、クロアチアで取れているトリュフなんかをイタリアの方に持って行って、イタリアから世界に出しているんですね。クロアチアの人たちも、「これは、イタリアに行くんだ」とすこぶる自慢していました。大:今、白トリュフがドンドン上がっているではないですか。梅原さんも使われているのですが、あれはどうしているのかなといつも思うのですが、特殊なルートでもあるのですか。梅:いや、全然特殊ではなくて、うちは、先週、先々週ぐらいから一発目が入ってきて、今、取っているのですが、やはり高いですね。大:世界もそうでしょうが、日本でも景気が良くなればなるほど、高騰化しますよね。引く手あまたになってしまいますから。梅:今、これぐらいの塊で3万円ぐらいですね。大:やはり、それぐらいしますか。梅:安い時期に扱うのですが、12月に入って高くなったら、あんまり使わないですね。大:ですよね。そのような高級食材も絡んで、お客さんの水準が上がってきているという感じですか。梅:そうですね。今まで、トリュフを召し上がったことがなかったという人が、うちに来て食べて、それから、毎年、トリュフの時期になると、というより、毎年ここでトリュフを食べるという人もいますしね。お客さんには、段々とイタリアの食材とか、今まで、こちらでなかったような食材なんかを召し上がってもらえると思っています。大:やはり、地方のレストランはお客さんと密になりやすいから、長く続いている良さというのはありますよね。梅:そうです。大:最初は、あまり焦ってやってしまうと、苦労しがちですよね。梅:そうなんです。やりすぎもよくないのです。私もやってみてわかったのですが、こっちが寝ないで考えに考えて作った料理とか、突拍子もない料理とかをやりすぎてしまったり、それを押しつけてしまったりするとうまくいかないですね。「田舎」と言ってしまうと語弊がありますが、田舎では高級で美味しい、そういう雰囲気で食べさせちゃうと、もうダメなんです。大:中身が伴っていないとダメなんですね。梅:引いちゃうところがあります。東京の時は、デートで使ってくれる人が多かったり、接待など、雰囲気重視でお客様を迎えたりしますが、後は、『カルミネ』さんは有名店だったので、一見さんで回っちゃうのですよ。大:ああ。梅:常連さんは本当に1割もいないような感じで、田舎の場合はもう、地域密着なので、ほとんど常連さんで回していくしかないので、観光の方がメインとなりますと、売上げも見込めないですし、やはり地元の方です。だから、僕はやってみて思うのですが、都内でやるよりも、田舎の方がシビアです。大:シビアですよね。梅:気を使いますし。大:ただ、逆に言うと、都内の人ほど、色んな店に行かないから、お客さんとして、ある程度ちゃんと掴めれば手堅くずっとやっていけて、ちゃんと掴めないとどんどん難しくなっていくということなんです。梅:お店も少ないですが、外食人口も少ないですし、接待とかに使うとか、そういうシーンも少ないです。競争相手はあまりいないですが、一回来たお客さんを絶対に満足させて帰すということをしないといけません。大:100%の満足ですよね。そうなると、ランチがカギになるということですか。梅:そうです。地方でも、ランチをやらないで、夕方くらいに開けて、夜12時ぐらいまでというレストランというのもあるんですが、僕がやってみて思うのは、やっぱりランチで皆さんに来ていただいて、それで「この店、雰囲気が良かったから、夜の送別会はそこでやろうよ」とか、そういった方もかなりいらっしゃいます。一回、ランチで下見して夜に繋がってるという、そういうパターンが結構多いので、ランチの営業というのはすごく大事ですね。大:私は京都の料亭さんとかとお付き合いがあるのですが、京都の人というのは、お店のスタンスとして、「まずランチで来て下さい」と。そして、「そのランチも、松竹梅があったら、一番安いのを食べて下さい。そして、気に入ったら、もう一つランクが上のものを食べて下さい。気に入ったら、最後は、夜に来て下さい」と。「いきなり夜で高いコースを頼む人というのはあまりウェルカムではない」という話をする人がいますね。梅:それはすごくわかります、本当に。大:段を踏んでお客様作りをしないと、ちょっと限られたパイだから、そういう地方流レストランというのでは必須なんですね。梅:わかります。まず、このお店をやった時に、気取っていると思われたら、もうダメなんですね。こういうお店は。居酒屋とかだったらいいですが、「イタリア料理」とか、「コース」とか「ワイン」とかは、ご近所のおじさん、おばさんたちは、「何を気取ってんじゃねーよ」なんて言ってきたりするんですが、「そんなことないですよ」と、なるべく気さくに気さくに、カッコつけるよりも面白い方がいいですね。大:気取ってないように見せるために、メニューの見せ方とか、何かあるのですか。梅:どうですかね。そこはもう接客とか挨拶とか、そういった地道なところですね。大:シェフがお客さんのところに直接挨拶に行ったりとか、声を聞きに行ったりとかは大切ですよね。梅:そうですね。大:お客様との距離を縮め、長くつきあっていただく信頼関係を築くことが大切ですよね。お客様の個に対応して、喜んでいただくことの大切さ、とても勉強になりました。今回は、本当にありがとうございました。2016年12月会報四方よし通信より本日のおすすめ飲食店「儲かるメニュー」の作り方 大久保 一彦【中古】
2023.08.01
ローカルで成功するためのヒント その76 お客様づくり、維持、増客大:リピーターのお客様を活性化するために、色々な販促とかをやられているのですか。梅:正直なところ、そこに関しては、販促はほとんどしないですね。大:常連さんにDMとかを送ったりしていないんですか。梅:はい。ほとんどしていないですね。ただ、常連さんには、お見えになられた時に、「次に何が食べたい」とか、「次にこんなものを食べたい」とか、リクエストして帰られる方が多いので、大体来て、次の予約を入れて帰るという流れになっております。大:リクエストがあった時は、ノートか何かを管理しているのですか。梅:はい。ノートと、あとはパソコンなんかにも入れております。大:お客様情報を、ある程度、こういうものを食べたとか記録しているのですね。梅:そうですね。大:そこら辺はすごい綿密にやっているのですね。梅:いつ来店して、何を食べたとか。どんな会話をしたかとか、そういったものは全部、スタッフと私の奥さんが全部ノートに書いてくれていますね。大:じゃあ、それは『カルミネ』の頃からやっていたのですか。そういうわけではないですか。梅:『カルミネ』の頃は、全然やってないです。大:それでは、自分で経営するようになってからなんですね。梅:毎回、「あの人、前回何を食べたっけ?」とそういう風になっちゃうと、かぶっちゃったりとか、同じものを出しちゃったりとか、後は、お客さんで、「ここに来たら、あれが絶対食べたい」という人も逆にいますので、そういうのは必ずお出しするようにしていますし、本当に、そのお客様によって、すべて変えて行きます。大:結構、店側が毎回変えるべきなのか、いや、これが好きだから、というのは、なかなか難しいところがありますよね。梅:難しいですね。それはコロコロ、メニューを変えて、お客さんは定着するのかなとか、そこは僕の中でもいまだに悩んでいるところです。カルミネさんは、すごく振り切っていて、メニューは変えない派でしたので、「街の中華料理屋のメニューは変えない。麻婆豆腐は絶対ある。イタリアンだってうちは、ラザニアは絶対にあるとか、絶対にメニューを変えないんだ」とおっしゃっておりました。大:私が見る限り、このメニューは絶対に欲しいという定番をしっかり決めて、お客様の利用頻度に合わせてサイクルメニューを変えるパターンがやっぱり多いですよね。梅:私も、ランチのパスタなんかは、特に外せないのは、ラビアータのスパゲティとか、ワタリガニとか、そういったものは外せないのです。それを残しておいて、他のもので変化球を付けるとか。そういった感じですね。大:今でも、やっぱり地元の人に人気があるのは、パスタのワタリガニとかアラビアータとかですか。梅:そうですね。ワタリガニはもうド定番メニューと言っていいぐらいです。大:どこ行ってもそうですよね。不思議なぐらいに。梅:まあ、実際、美味しいですからね。大:ワタリガニが好きな人は多いですよね。梅:あとは、うちでよく出るのが、ジェノベーゼですね。大:女性はジェノベーゼ好きですよね。どうやって定番に個性を出すんですか。梅:例えば、地方の個人店を回っていると、ベーコンがどこでも使っている既製品を使われていることがほとんどだと思います。実際、一生懸命やっていらっしゃいますが、やることが多いので手が回らず、パンチェッタまで手作りでやっているお店というのは、なかなかないですよね。大:手作りでやられているのですか。梅:そうです。大:それはすごいですね。梅:したがって、自家製パンチェッタのカルボナーラをやると、「腕がいい」というか、「ここは違うなあ」というものが表現されます。大:わかってもらえやすいのですね。梅:いわゆるベーコンでカルボナーラを作っているのではなくて、やっぱりパンチェッタがわかりやいんです。大:おいしさはもちろん、わかりやすい素材で個性を出すというのは大切ですよね。大:葉物のサラダも野菜自体よりドレッシングですね。梅:いやぁ、サラダなんかも、葉物を食べているのか、ドレッシングを食べているのかちょっとわからないですもんね。大:私が常々言っているように、「素材の味がわかる人はほどんどいない」ということです。ドレッシングを食べている方が増えてきちゃってるんですよね。目に見えてわかる素材をわかるようにするか、あるいはわかる人に伝わるように商品化をさせないといけません。梅:そうですね。ちょうど終わってしまったところですが、レモンを実家で育てているのですが、それでレモンチェッロを作るんですけれど、本当もう全然違いますね。やっぱりレモンも、いい年と悪い年があるのですが、いい年だと、実が美味しくなると、鳥がものすごく寄って来て全部食べてしまうんです。大:食べちゃうんですね。梅:悪い年だと、鳥が全然寄って来ないです。鳥もわかっているんです。大:わかっているんですね。梅原さんのご実家はどの辺なのですか。梅:富士市の本当に山奥です。大:そんなところでも作れるのですか。梅:作れます。自分でもすごいなあと思いますよ。2016年12月会報四方よし通信より本日のおすすめ善の循環経営【電子書籍】[ 大久保一彦 ]
2023.08.01
ローカルで成功するためのヒント その65 店舗展開大:2号店のピッツェリアを始めたのは、「ここが上手く行っているんだったら、もう1軒、同じホテルチェーンのところでやってくれないか」という依頼があったのですか。梅:元々ピッツェリアというのは、違う方が経営されておりました。しかし、あまり売上げが上がらず廃業するということで、次の借り手をホテル側が探していたのです。しかし、なかなか見つからなかったので、それで、ホテルの社長さんや役員の方々が、「ここが順調だったら、もう1軒やれば?」とお勧めされていたんです。しかし、実際、ピザは大変ですね。大:そうなのですか。梅:大変です。地方のピッツェリアは本当に大変です。大:どういう意味で大変なのですか?梅:“ピッツァ”というのはまだまだ浸透してないとは思うのですね。浸透しているのは、色々な具が乗っている(ソースで食べる)いわゆる“ピザ”ですよね。地方では“ピザ”の方がまだまだ大衆受けしているんです。“ナポリピッツア”を好きな方はもちろんいるのですが、そういうのが好きな人は絶対数が少ないんです。そのため、なかなかディナーとして選んでくれるお店にはちょっとなりにくいですね。週末のランチとかには来てくれるのですが、お昼ごはんのピッツァというのでは…。したがって、今はもう平日の夜になると、宴会需要にどうやって応えるかというのもあるのですが、居酒屋さんのお客さんをピッツェリアの方にどうやって引っ張るかという、そういう方向にシフトして行って、多少は上向いて来ているんです。大:月商はどれくらいですか。梅:いい時で250万円ですかね。大:もう少し行きたいですよね。たしか、ホテルの1階ですので朝食のメニューもやっているのですよね。梅:はい、そうです。こちらもそうですが、朝食が意外とでかいのです。大:それはそうですね。『ダイワロイヤルホテルズ』なんかは、最初、『やよい軒』とか入れていたのですが、最近は『サルバトーレ』とか、イメージの良い店を入れていますね。梅:そうですか。大:夜はワインバーみたいな感じにしております。店づくりはピッツェリアなんだけど、ワインバーになるように作ってるんですね。だから、「ピザが売りなワインバー」という風情になってますね。梅:なるほど。そういう風にしないと苦しいですよね。大:結構、地方都市でも、肉バルみたいにすると入るので、何かメニュー構成で、ピザはワンラインだとダメなのですが、肉に力が入っているような前菜とか小皿料理があるような店でいくという感じにしないといけません。ホテルは一等地にあるので、逆に言うと、「食事需要+飲み需要」をうまく取り込めるところだといいのです。結構うまくコラボするとベターですね。客層も、『東横イン』よりワンランク上だから、『ダイワロイヤルホテルズ』なんかは、むしろ『やよい軒』のような和食チェーンでない方がいいというのがあるのかもしれないです。話を戻しますが、オーベルジュも、こちらの『MIWAホテル』が経営しているのですか。梅:そうです。そこに、委託いうか、そういった形で入っております。大:それは何部屋ぐらいあるオーベルジュなんですか。梅:部屋数は多くて22室ですね。大:食事は、オーベルジュだけど、和の要素を取り入れてますか。梅:和食とイタリアンがちょっと融合しているようなものなんですが、どちらかと言うと和食寄りです。お造りが出たり、最後は炊き込みご飯とお味噌汁などをお出しします。前菜などはちょっとイタリアンぽくしたりします。2016年12月会報四方よし通信より本日のおすすめ【中古】 「行列のできるダントツ飲食店」の秘密 1000店を蘇らせたプロが教える / 大久保 一彦 / 日本実業出版社 [単行本]【宅配便出荷】
2023.08.01
ローカルで成功するためのヒント その54 特徴ある料理作り大:フルーツを使う料理がスペシャリテだという話がありましたが、フルーツを使うようになったのは、きっかけがあったのですか。梅:もう20数年前になりますが、一日だけフィレンツェで見せていただいたレストランがあったのです。その店では、オリジナルのトマトとオレンジのスパゲッティが名物でした。魚介のトマトソースに、オレンジがふんだんに入っていたので、見た目は「変わっているなあ」と思いましたが、食べてみると、それがまあ美味しくて、美味しくて感動的でした。その若い時の体験が忘れられなくて、日本に帰って来てからも、賄いでそれを作ったりとか、色々とやっていくうちに、「では、こんなものもあるのではないか」とアレンジをしていきました。それからドンドン派生した感じですね。大:そのオレンジのトマトソースを実際に作ってみて、ある程度自分で完成したのですか。梅:完成しましたね。ほぼほぼ同じものが出来て、今も、サクラエビとオレンジのスパゲッティなんかは、時期の時はメニューに入れたりします。大:その他に、さっきのイチジクなんかのリゾットがあったり…。梅:はい。本当に色々とあります。後は、梨ですね、日本の梨を使って、煮込みのソースを作るのですが、食感は大根のようになって、ほんのり甘い面白いソースが出来まして、味がすごく染みるのです。他には、桃とトリュフとか、桃と生ハムなども合わせます。大:桃とトリュフを合わせるのですか。梅:そうです。桃のカペリーニに、トリュフをダーッと削ったりとかをやります。意外と合うんです。大:へー、桃とですか。今は、駿河湾の魚を結構取り入れてるんですか。嫌だという人はまあそれはいるかもしれませんが梅:やっていますね。沼津の魚屋さんを2軒使っているのですが、魚屋さんから見て、深海魚のような珍しいものなど、面白そうなものをおまかせでいっぱい詰めて持ってきていただいております。9月から、トロールが始まってますので、面白い魚が結構揚がって来ておりますね。大:沼津は巻き網をやるんですよね。梅:そうなんです。この前は、金目鯛が来ましたね。あとは、ゴソという、小さなこれぐらいの白身魚とかもあります。大:メニュー構成としては、魚介に少し特徴を出そうという意識はあるのですか。そういうわけではないのですか。梅:そういうわけではないです。前菜に入れたりはしますが…。大:では、おまかせコースとか、そういうところに使おうと思っているのですね。梅:そうです。沼津のお客様はほとんどメインディッシュにはお肉を求めます。お魚で終わりにすると、逆に「これで終わり?」と怒られてしまいますので、最後はやはりお肉で締めくくります。しかも、どんなにいいブランドの豚肉を入れても、やはり最後は牛肉ではないと嫌だという方も結構おられます。大:ビーフを使う時は何か工夫をしたりするのですか。梅:そうですね。今は大体和牛を使います。A4の和牛ではありますが、産地にはあまりこだわらず、お肉屋さんにその時の値段に見合うものを持ってきていただいております。そのお肉屋さんは『カルミネ』の時からずっと付き合っておりますので、どういう肉が欲しいか、とてもよくわかっていただいております。コースの最後ですので脂が強いと苦しくなってしまいますので、そこまでさしが強くないというお肉にしておりますね。赤牛が良かったのですが、今はちょっと高くなりまして…。大:人気が出てきてしまいましたからね。赤身ブームで引き合いも多いですしね梅:そうですか。この間、短角牛のザブトンを取ってみたのですが、美味しかったですよ。大:景気良くなっていますからね。2016年12月会報四方よし通信より本日のおすすめ非常識に売れる最強メニューがだれでもつくれる成功方程式 [ 大久保一彦 ]
2023.08.01
ローカルで成功するためのヒント その43 沼津に根を張るには大:沼津のような地方都市は、予約をしないでいらっしゃる方々も多いと思いますが、『スオーロ』へは予約されていらっしゃいますか梅:そうですね。うちは、ほぼ予約中心ですね。大:つまり、予約しないと入れないんですね。梅:はい、そうです。特に、週末の夜などは、予約で席が埋まってしまいます。大:この沼津というのは、観光都市という要素があり、観光の方の利用もあるのですか。梅:ありますね。ホテルの1階という状況なので、観光の方、他県の方というのは、他のお店に比べたら、よく来ると思いますね。大:そういうこともあって、ディナーには、セットメニューとディナーコースと2パターンがあるのですね。梅:そうです。プリフィックスの選べるタイプとおまかせコースと2パターンありますね。大:日経レストランの編集長の戸田さんが取材した時の記事には、3,800円、5,800円、8,000円とありますが、その他にあるということですか?梅:3,800円というのは、プリフィックスコースです。大:そうなんですか。では、5,800円と8,000円は、おまかせなのですね。梅:はい。大:プリフィックスやおまかせコースを食べる地元の人は多いのですか。梅:はい。多いですね。週末になれば、1日で1組、2組は他県の方もいらっしゃいますが、むしろ、ほとんど地元の方ですね。大:それは、すごいですね。意外と他県の方の比率が少ないのですね。梅:はい、確かに港の方は、他県の観光客の方が多いと思いますが、駅前とか街側はそこまで観光客が食事に来られません。大:そうなのですね。続いて、料理の内容について伺おうと思います。梅原シェフのお料理は、スタンダードなお料理がまずあって、おまかせコースになると、個性豊かな料理が提供されるような構成なんですか。梅:そうですね。おまかせコースも、地元の方と他県の方は求めるものが全く違ってしまうので、ご予約のお電話で初回来店のお客様には「どういったコースがお望みですか?」と言う質問をしたり、「どちらからおいでですか?」など、よりパーソナルなことを細かく聞いて、おまかせコースのメニューを考えていきますね。大:ということは、テーブルごとに料理を考えるぐらいの感じなのですね。梅:はい、コースの内容はお客様によって変わります。本当に、ガラッと変わりますね。大:お客さんにとっては、そういうコマメな対応はうれしいですよね。梅:そうですね。新潟から1年に2回ここに来るためだけに来る方がいらっしゃいます。そのお客様は沼津のある駿河湾の食材で最初から最後まで全部通す料理を希望されます。逆に、沼津のお客様であれば、前菜で、生しらすなんかを出しても、「これは朝食べたよ」とか言われてしまいます。その人に合わせないといけないのです。大:戸田さんの記事にバラエティに富んだものを取り寄せているとありましたね。梅:はい。地元のお客様は、沼津のもの、駿河湾のものよりも、日本全国、イタリア、スペイン、フランスといったものを輸入したりとか、取り寄せたものがあった方がやっぱり喜ばれますからね。大:結構それは管理が大変なのではないですか。そうでもないのですか。梅:もう、業者泣かせだと思うのですが、頑張っていただいております。大:こちらは、やはり、沼津はクルマで利用される方が多いでしょうから、ディナータイムでもアルコール比率は低いですか。そうでもないですか。梅:そうですね。たとえば、感覚で言うと、四谷でやっていた時なんかは、ディナーの時なんかは、ほとんどの方がお酒を飲まれます。でも、こちらですと、半分とまではいきませんが、6:4ぐらいでお酒を飲まれないですね。大:それでも、4割ぐらいなのですね。そういう意味では、結構、コース料理を頼む人も多いから、お酒を飲まれる方も多いのですね。梅:はい。一応、お酒を飲まれない方には、ノンアルコールのものをおススメしたりとか、ラインナップを揃えたりして、なるべく楽しんでもらえるようにしております。2016年12月会報四方よし通信より本日のおすすめ【中古】 繁盛の天才2時間の教え / 大久保 一彦 / 三笠書房 [単行本]【メール便送料無料】【あす楽対応】
2023.08.01
ローカルで成功するためのヒント その32 カルミネ氏からの学び大:こちらの店に戻るまでは、『カルミネ』にいらっしゃったということですが、『カルミネ』ですごい勉強になったことはあるのですか。梅:いやあ、それはもう沢山ありますね。まずは、皆さん、よく言われますけれども、働く姿勢です。とにかく、僕たち、日本人は、「修行」とか「働く」ということは、苦しいことだとかつらいことだとか、そういう風に捉えがちなのですが、カルミネさんは、「とにかく楽しめ」と仕事を楽しむようにとおっしゃいました。カルミネさんは「ピーンと張り詰めた厨房もいいですけれど、みんなでこう和気あいあいと喋りながら、笑いながら作る料理の方が、絶対に美味しいんだから、そういう雰囲気もお客さんにも伝わるように」とよく言われましたね。あとは、フィレンツェの方ですので、伝統的なフィレンツェの料理とか、そういったことも教えてもらいましたし。 ※カルミネ氏は、正確にはカラブリア出身。大:郷土料理を色々と作ったということなのですね。梅:はい。大:今、ここのレストランは、この『日経レストラン』によりますと、月商650万円と書いているのですが…。梅:そうですね。大体、650万円とかそれぐらいですかね。大:やはり、土日が忙しいのですか。梅:圧倒的に、ディナーは金土日の週末ですね。大:集中するのですね。梅:ただ、ランチは、平日も満遍なく来ます。大:今、厨房とかは、何人で回すのですか。梅:厨房は、今は3人ですね。大:3人で回すのですね。梅:今日は2人ですが、週末はいつも3人です。大:今は、ここの他に、ピッツェリアをやられていて、後はオーベルジュをやられているということですか。梅:そうですね。オーベルジュの方は委託という形でやっております。大:そこは任せられる若い子が入っていて料理を作っているのですね。梅:はい。大:色々と掘り下げてお伺いしたいと思うのですが、そういう風に『カルミネ』のレストランで働いておられまして、最初、こうやろうと思っていたところが、ちょっと空振りしてしまったところとかはあるのですか。梅:ありましたね。30歳も近い、20代後半の若造で入りましたので、料理的には、いわゆる新しい料理を常に作りたいと思ってました。例えば、食材の組み合わせも斬新なものにしたり、盛り付けもカッコよく盛り付けたりしたかったのですが、カルミネさんのところでは、あんまりそういうことは求められていませんでした。それよりは、素朴で、食材も、ビックリするぐらい変わった物ではなくても美味しいものは作れるよということで、本当に家庭料理をやるという姿勢でした。最初は、もうちょっとこう尖った料理をやりたいなということがあったのですが、カルミネさんからも、「一回ちゃんと基礎をやった方がいい」ということを懇々と話されました。こんなのわかっているよとか、こんな料理やり方を知っているよとか、もちろんそういう気持ちもあったのですが、実際、それを何年にもわたって作り続けていると、やっぱり、その料理を深く掘り下げるというか、たとえば、ペペロンチーノにしても、ニンニクと、まあシンプルなものなのですが、本当にそれを作り続けていると、水と油とこの混ざり具合の相性とか、本当に1~2℃だと思うのですが、温度の違いでこんなに変わるんだなとか、そういうのを本当に作り続けないとわからないところがよく勉強になったというか、今それが本当にためになっていますね。大:ちょっと斬新な料理をやったんだけども、思ったよりもまわりの人には伝わらない…。『リストランテ スオーロ』を開業した時はどうですか? 梅:やっぱりそうですね。おっしゃる通り、かなり最初は、「新しい料理、新しい料理」という気持ちでやっておりました。ある時から、イタリアンと言えば、カルボナーラのように方向転換して普通のシンプルなイタリアンにしました。そういう料理を提供するようになってから、お客さんが幅広く支持してくれるようになり、客数が増えました。大:沼津のような地方都市だと、地元の人がイタリア料理自体があんまり食べないから、カルボナーラのようなわかりやすい料理が支持されるということになるですね。梅:そうですね。大:それは、どれぐらいで気が付いたいのですか。やってすぐわかったのですか。梅:オープンして半年ぐらいで、「これはおかしいな。お客さんが、四谷の荒木町の時は、受けていた料理が、こっちでは受けない。おかしいな」というのがあって、では、試しにと思って、パスタのラインナップを全部定番のものをバーッと並べたのです。そしたら、お客さんが、「私の好きなのがある」とか、「これを食べてみたかった」だとか、反応が良かった。まあ、「こういうことなんだろうな」というのがありましたね。大:すぐに反応がわかったわけなんですね。梅:はい。大:ちなみに、その荒木町の時に、お客様に受けていた料理というのは、どんな料理だったのですか。梅:そうですね、現在、『スオーロ』でもやっておりますが、料理にフルーツを合わせるというのは、荒木町の時でもずっと前からやっておりまして、それが本当に荒木町の時に、コースで一品何かを入れるとかやっていたんですがね。皆さん、ちょっと受けなかったですよね。大:ちょっと食べつけている人ではないと、逆にひねりすぎちゃっている感じになるのですね。梅:そうですね。たとえば、簡単なのですが、イチジクとゴルゴンゾーラのリゾットをやったりすると、普通に皆さんは、「イチジクは要らないよ」と、「ゴルゴンゾーラだけで食べたかった」とか、「胡椒をちょっとやるだけでいいよ」とか、そういうのが多いですよね。大:今は、そのきっかけになったのは、これはカルミネさんのアドバイスなのですか。喜ばれる料理を出すのは。梅:はい、そうですね。カルミネさんに、「自分が作りたいものを作るのではなくて、お客さんに求められるものを作りなさい。僕たちの仕事は、お客さんに喜ばれることなので、喜ばれないものを作っても、つまらないでしょ、苦しいだけでしょ」と長電話でアドバイスされました。自分でもそうだなと思いました。大:最初の頃の出だしは、今のような売上げが行かなかったわけですね。梅:全然行かなかったです。月で言えば、150万円とか。落ち込んだ時は、それぐらいでしたね。大:最初、オープン景気もあり、もの珍しさがお客様が入ってきて、その後、落ち込んでいってしまったわけですね。梅:そうですね。やっぱり新規オープンの店はバーッと入っちゃうのですが、「やっぱり違うぞ、ここは」と、サーっと引いていって、半年ぐらいで、「お客さんが本当に来ないね、来ないね」っていう感じでしたね。大:そこから、メニューを切り替えて盛り返すにはどれぐらいの期間がかかったのですか。梅:実はメニューを変えるにあたり、自分の中で結構葛藤がありました。ガラッと変えられたらというわけではなかったので、まあ、でも、本当に順調で、「行ける!」という風になったのは2年目ぐらいを過ぎてからですかね。大:たしか、こちらのオープンは2008年の9月ということですが、ちょうど2010年ぐらいですかね。梅:そうですね。ちょうど、それぐらいですね。段々、ランチが入るようになってきて、最初は週末からだったのですよ。「なんで、こんなに入るのだろうな?」と。平日も入りまして、週末はロビーの上にウェイティングしている人も出来るようになりまして、今は週末だと、席が埋まらないといったことはほとんどないですね。電話でお待ちのお客様もバーッと出来るようになりました。2016年12月会報四方よし通信より本日のおすすめ非常識に稼いでいる飲食店だけがやっている儲けのルール [ 大久保一彦 ]
2023.08.01
ローカルで成功するためのヒント その21 『リストランテ スオーロ』梅原宜之シェフのこれまで大久保(以下 大):よろしくお願い致します。梅原(以下 梅):お願い致します。大:以前、『日経レストラン』の戸田編集長から「地方のレストランで何か面白い店がないですか?」ということで、こちらの『スオーロ』をご紹介させていただきました。その出来上がった記事を拝見して、ローカルレストランの経営のヒントになると非常に思いました。それで、もっと深くお話をお伺いしたいなあと思っておりまして、取材依頼をさせていただきました。しかし、その後、コンサルティングが多く入りバタバタしてしまいまして、ようやく半年後の取材になってしまいましたね。本当にすいません。では、まず、シェフのプロフィールを伺いたいと思います。このレストランに辿り着くまでの、梅原シェフの道のりを伺えますか?梅:はい。まず、私は静岡の大学に行きました。その学生時代に飲食店でアルバイトをしまして、その時に、料理を作って食べていただくという喜びを知りました。そして、それが自分にも出来るのだ、そういう気になり、この飲食の道に入ったのです。地元に帰ってきて、スタートとして選んだのが、まさにこの場所にあったイタリアン・レストランでした。当時お世話になったシェフは、イタリアから帰ってきたばかりで、本場の料理を地元で唯一やっていたのです。私が、20歳の時に、イタリア料理の道に入り、修行が始まりました。大:そうなんですね。梅:しかし、7年目、勤めていたそのお店がクローズしてしまいました。お世話になったシェフは、現在、東京の三田にある『トラットリアセレーナ』というイタリアンを開きましたので、オープニングに付いて行きました。1カ月ぐらいして、イタリアに研修がてら行きました。帰って来てからは、ワインバーなどを、ちょこちょこ何か月とか半年とかで働きまして、やっぱり、本場のイタリアンというか、イタリアが感じられる料理がいいなあということで、『カルミネ』さんにお世話になりました。『カルミネ』さんには9~10年ぐらいお世話になりました。その後、料理人としてのスタートを切ったこの場所で、商売することになりました。大:『カルミネ』さんのところでは荒木町にずっといらっしゃったのですか。梅:はい。ずっといました。大:その頃は、『カルミネ』さんと言えば、結構、全盛期という感じですよね。梅:そうです。沢山あった頃ですね。当時、カルミネさんは半年から1年で、店舗を全部回ってました。カルミネさん御本人のみならず、『カルミネ』では、シェフは同じ店舗にずっといるというはまずありません。市ヶ谷に行ったり、飯田橋に行ったりするんです。しかし、私はそれがなくて、なぜか、ずっと荒木町にいさせてもらったのです。ずっと同じ店にいましたので、お客さんとの深い繋がりが出来まして、その時のお客さんと今もお付き合いがある方々がいらっしゃって、本当に恵まれましたね。大:そういう意味では、同じ店に長くいたということが財産になったわけなのですね。梅:本当にそうですね。大:他の人たちは移動してしまうので、そんなにお客さんを持てなくなったわけですよね。梅:そうですね。なぜか、僕だけでした。大:それから、縁があって、こちらに出店ということなのですね。梅:そうなんです。地方には、こういう状況は結構あると思うのですが、店舗が退店してしまうとその場所にテナントが埋まらず、途端に活気がなくなってしまうことがあります。私の店があるここのホテル、『MIWAホテル』も実はそうだったのですが、僕の師匠のイタリアンが出ていった後、寂しい感じになってしまっておりました。たまたま『MIWAホテル』のオーナーが『カルミネ』に食べに来られ再会しまして、ちょっと話をしておりましたら、ここをやってくれということで、やることになりました。大:その辺の話はまた後でしていただくことに致しましょうか。梅:そうですね。2016年12月会報四方よし通信より本日のおすすめ誰も言わなかった!飲食店成功の秘密 [ 大久保一彦 ]
2023.08.01
ローカルで成功するためのヒント その1 今回は、沼津の人気店『リストランテ スオーロ』の梅原シェフに、ローカルで成功するためのヒントをインタビューしてまいりました。これからの高齢化の時代を迎え、ローカル飲食店の重要性が増すことは間違いありません。足元商圏・期末商圏の日常やハレのニーズを取り込みながら、商品力を通じて、あるいは、インターネット上の評判を構築して、その地を訪れた人やわざわざその目的でやって来られる人をどう引き込むかが課題となることは間違いないでしょう。2016年12月会報四方よし通信より本日のおすすめ【中古】 行列ができる店はどこが違うのか 飲食店の心理学 ちくま新書/大久保一彦【著】 【中古】afb
2023.08.01
光熱費高騰と言われていますが、電気代が4,000円下がりました光熱費高騰と言われていますが、電気代が4,000円下がりました。実は理由があって、昨年、私の自宅の横の植栽がすごいことになっているので管理会社に植木屋さんを妻がお願いし又。夏本番になる前にいらっしゃって、直射日光がもろあたり凄くて電気代がかさみました。今年は管理会社に伝えず、夏が終わったころに申し出ようと思っています。8月はどうかな。
2023.08.01
雷が怖くて逃げ込んできました先月私の自宅にやってきた保護犬のよつばちゃん。夕刻。四方よし通信の編集をしていましたら、落雷があり、私の事務所に逃げ込んできました。
2023.08.01
商品研究 自家製ポタージュモーニング試作『Cafeジェームズ』の夏の名物の自家製コーンポタージュを使ってモーニングセットを試作しました。自家製コーンポタージュハーブソーセージのミニドッグとオーガニックブロッコリー『Cafeジェームズ』の加盟希望者はぜひお声かけください。
2023.08.01
全162件 (162件中 151-162件目)