星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2021.07.08
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 「エルミタージュ美術館」の建設にも大きく関わる「エカテリーナ女帝」や「ニコライ1世」などが皇帝として在位した「ロマノフ王朝」が1613年~1917年までの303年間も継続していたことに改めて驚かされます。「徳川幕府」よりも38年長いことになります。皇位継承は日本の天皇制のように男系の血筋と決められていたため継承問題は常にあったようで、18世紀には男系断絶もあったようです。

エピソードとしては「人情派」の一面も垣間見えながらも典型的な専制君主であり国内で強権政治を行った11代目「ニコライ1世」の後を継いだ「アレクサンドル2世」は1853年に起こった「クリミア戦争(クリミア半島をめぐるオスマン帝国、フランス、イギリスとの戦い)」に敗れた後、
1881年にロシアで革命を目指すテロ組織に暗殺されてしまいます。



 アレクサンドル2世が暗殺された場所の上に建てられたのが純ロシア風教会「血の上の救世主教会」で、1907年に完成しています。観光客も多く訪れる「ネフスキー大通り」沿いにあり異彩を放つような美しい教会です。中に入るのにかなりの行列があって私は諦めました。

 そしてアレクサンドル2世の2代後の最後の皇帝となる14代「ニコライ2世」在位中の1904年に「日露戦争」が起こります。日本側の開戦の理由は「朝鮮半島と満州の権益を守るため」です。

 明治維新後、富国強兵を目指し陸軍と海軍の育成に力を入れていった様子は「司馬遼太郎」氏の「坂の上の雲」にも詳しく書かれ2009年~2011年にスペシャル大河として年末に1部ずつ放送され、今でもその中のいくつかのシーンが蘇ります。

 愛媛県松山市で生まれた秋山兄弟のうち兄の「好古」は陸軍士官学校に入り、フランス式を取り入れた「日本騎兵」を育て上げ、一方弟の「真之」は海軍兵学校に入りイギリス式の海軍の戦術を生み出し日露戦争で実践します。陸軍がフランス、海軍がイギリスというのはどうしてと疑問に思ったことを今でも覚えています。

 兄を「阿部寛」さんが、弟を「本木雅弘」さんが明治時代の気骨ある男子をりりしくも美しく演じていたのが懐かしいです。そして2人の友人である俳人「正岡子規」を演じた「香川照之」さんも物語の進行上良いアクセントになっていました。

 陸軍一筋で浮いた話一つない好古に縁談が持ち込まれ自宅のお見合いの席で茶碗が一つしかないことを詫びた後、「これからは茶碗が2つあってもいいかなと思っています」という好古の台詞は今でも記憶に残っています。

 日露戦争に話を戻すと両国とも多大な犠牲を出しながらも何とか要所である「旅順」を日本が陥落させながらも、既に両国ともこれ以上戦争を続けられる余裕もなく辛くも日本の勝利という形で戦いに幕が引かれました。

 そしてその敗戦の影響もあってロシアで1917年に起こったのが「ロシア革命」です。翌年ニコライ2世は家族と共に処刑され森に埋められロマノフ王朝に幕が引かれました。

 政権交代のための処刑は歴史上、世界中の多くの国で起こった事実だと思いますが、それを考えると1868年日本での「江戸無血開城」によって将軍から天皇に政権が返上された際に関わった人達の「英断」というのは最高の「人知」なのではとしみじみ思います。





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最終更新日  2022.08.02 12:36:57
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