星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

PR

プロフィール

星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2021.07.11
XML

 2011年に出版された「村上春樹」著のエッセー集「おおきなかぶ、むずかしいアボカド」に
「オリンピックはつまらない?」というタイトルの一篇があり、独自の視点でオリンピック開催地についての主張も書かれています。



 2000年に開催された「シドニーオリンピック」の取材のために4週間ほどシドニーに滞在し、
現地で日本と関係のない試合も飛び込みで見ていると思っていた以上にオリンピックが興味深く面白かったのに日本に戻って録画した競技を見るとこれが見事なほどつまらないと感想が書かれています。

 日本での放映がつまらない理由を「日本選手の出る試合しか中継しないこと、
日本がいくつメダルを取るかという一点に集約されているから」と2つ挙げています。

 私はオリンピックを一度も現地で見たことがないので、「強いなりに弱いなりに懸命に汗を流して頑張っている選手たちの試合」は想像するのみですが、そういう試合を見た後には確かに「メダルを何個取ったかは国家や国民のクオリティーとは何の関係もない」と同じように感じるのではと思いました。

 そう言えば5年前の「リオデジャネイロ・オリンピック」の水泳で初めてシンガポールの選手が金メダルを取り、政府主催のパレードもありましたが私の周りのローカルの反応は「彼が金メダルを取ったことと私は関係ない」という素気ないものでした。

 改めてオリンピックの歴史を調べてみると、紀元前9世紀にアテネで始まった「古代オリンピック」はもともと「古代ギリシャの全能の神ゼウスを始めとする多くの神々を崇拝するための競技祭」でした。

 ギリシャがローマ帝国に滅ぼされるまで続いたオリンピックは4世紀に中止となり、それから
1500年以上経った1894年にフランスのクーベルタン男爵によって「近代オリンピック」が提唱され、2年後にアテネで第一回目が開催されました。

 提唱の際のスローガンは「オリンピックを通して心身を向上させ、文化や国籍の違いを乗り越え平和な世界の実現に貢献する」とあります。

 「宗教」は「文化」に入るのかなとか「政治」というのが入っていないなとか考えます。近代オリンピック(夏季)の開催年と開催地の一覧を見てみると今回の東京で32回目と意外に数が多くないのに驚くのと、3回中止になった理由は全て世界大戦によるものなのでスローガンは果たせなかったということになります。

 村上氏が主張する開催地は「毎回場所を変えずにずっとアテネで」とかなり大胆なものです。そうすることによって「開催地を決めるための大騒ぎをしないですむこと」「わいろのスキャンダルもなくなる」「開催国の威信をかけた開会式の華美なセレモニーも必要なくなる」等の利点を挙げています。

 もし毎回アテネだったら今回のような世界的なコロナ禍の中「今大変なんで、今年は無しでお願いします」「はい、了解」みたいな簡単なやり取りになったのかなぁと想像します。

 ただ個人的には私は「華美な開会式のセレモニー」は年々好きになっているし、ある意味平等に開催地は他の国にもチャンスを与えて欲しいと思っています。

 いろんな角度から考えてみることは面白いことだとエッセー集を読み返して思いました。2022年の「冬季 北京オリンピック」の「ボイコット説」についてはオリンピックのスローガンの下、その原因の解決に動いてくれたらと思います。そして2024年の「パリ オリンピック」の時には全世界がほぼコロナウィルスに打ち勝っていて、私も現地で「目から鱗」と感じるほどの感動の試合を見てみたいものです。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2023.01.04 13:58:29
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: