星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2021.12.16
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​「リンゴとビスケット」 1879-80年 「オランジュリー美術館」​蔵

​​​​​​セザンヌの静物画を初めて見たのはいつだったのか覚えていませんが、大げさに言うと胸をギュッと掴まれ涙が出そうになったのを覚えています。実はセザンヌの静物画は画集で見ても、今でもそういう感情になるのが不思議です。

 ピカソ(1881-1973)はセザンヌを「私たちみんなの父」と形容するほど尊敬しセザンヌの絵画技法(左右対称な構図)の影響を受けています。


「トランプをする人たち」1890-1895年  ​ 「水浴する男たち」1890-1892年頃 ​​

 「水浴する男たち」を見るとピカソが1907年に描いた「アヴィニョンの娘たち」がセザンヌの影響を受けていることが分かります。ただ人物画だけでなく晩年に多く描いたセザンヌの風景画を見ても涙ぐむような感情が起こることは私にはありません。セザンヌが死の直前に手紙で「私はいつも自然を研究しているが、少しずつ進歩しているようである」と書いていても・・。

 故「池田満寿夫」氏がテレビの絵画ドキュメンタリー番組で『マティスの絵を見ると心の平安を、ピカソの絵を見ると闘争心が湧き、セザンヌの絵を見ると尊敬の念が湧く』と言っていたのが印象的でした。


「リンゴとオレンジ」1895-1900年頃 「オルセー美術館」蔵

 気になってセザンヌの静物画について検索してみると、ピカソは構図という技法だけでなくキュビズム(4次元)に繋がるアイデアをセザンヌの静物画にも見つけていたとありました。

 そう言われて絵をよく見てみると中央の果物皿は正面から見ているのに、左下のお皿は上から見ているようにも見えます。

 オランジュリー美術館ガイドからの抜粋です。

 『セザンヌの絵には人目を引く光ではなく明暗のコントラストがあり、水のきらめくような反射に代わって鋭く強烈なフォルムが支配する。また肖像画は荒々しく官能性が乏しくて、静物画は硬く実存感が希薄である』


​「セザンヌ夫人」 1890年頃​ 「オランジュリー美術館」蔵    

 確かに肖像画に関しては頷けますが、静物画を見て胸をギュッと掴まれそうになる感情が「実存感の希薄」にあるからなのかどうか、これは興味深々というところです。 




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最終更新日  2022.12.19 09:30:51
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