星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

PR

プロフィール

星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2021.12.17
XML
 アメリカ人画家「メアリ・カサット(1844-1926)」は ​​​セザンヌ(1839-1906)との初対面の印象を手紙の中で『何か悪魔のような感じがしました。飛び出し気味の幅広の赤い目をしていて、それが凶暴な雰囲気を与え、ほぼ灰色一色になった先の尖ったやぎ髭がその印象をさらに強め、とてつもなく乱暴な話し方が文字通り食器に反響していました』


「自画像」 セザンヌ 1873年頃 「オルセー美術館」蔵

 でもその手紙の後は『もっとも後になって、私は外見に惑わされていたと分かりましたけれど。というのも狂暴どころか、彼の気質はどこまでも優しく、まるで子供のようなのです。マナーを全く無視しているのにもかかわらず、私達に対してはここの他の男性たちには見られない礼儀を尽くしてくれるのです(オランジュリー美術館見学ガイドから)』

 この手紙を読むと厳格な銀行家の父親を恐れ、後に妻になるものの長い間同棲関係を父親に隠し続けた「オルタンス・フィケ」とのことがふっと浮かびます。

 それでも「かなり変わった芸術家」という伝説は彼に付きまとっているようですが、モネが「ジヴェルニーの家」でひっそりと隠棲していたのとは違って
画家では「ルノワール」や「ロダン」等、気の置けない 親しい友人達を大勢自宅に招き続けたそうです。


​​「ピアノを弾く娘たち」ルノワール 1892年 オルセー美術館蔵


​ピアノを弾く少女」セザンヌ 1868年 エルミタージュ美術館蔵​ ​​


 ルノワールとセザンヌが描く人物画を見るとかなり親しい間柄であったというのは私には意外な気もしますが、お互いに持ち合わせない物に惹かれあったのかなと想像します。

 そしてセザンヌ宅の招待客の中に画商の「ポール・デユラン=リュエル(1831-1922)」の名前もありました。

 以前にブログに何回か書いた、アメリカで初めて「印象派展」を開き印象派の絵画を世界に知らしめるきっかけを作ったフランス人画商です。

 ポール・デユランは画商としてモネ1000点、ルノワール1500点、そして手紙の中でセザンヌについて書いたメアリ・カサットの絵400点を含め5000点ほどの絵画を購入しています。


「サマー・タイム」 メアリ・カサット 1894年頃

 さてセザンヌの絵はと検索してみても何点購入したか見つけられないですが、交友関係やポール・デュランがオルセー美術館等に100点ほど絵画を納めていることからも購入していることは確実です。「トランプをする人たち」「水浴する男たち」そして個人的に静物画の中でも特に好きな「りんごとオレンジ」かなと画集を見ながら想像しています。









​​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2022.12.31 17:51:12
コメント(2) | コメントを書く
[フランス旅行 美術館 & オペラ座 等など] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: