星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2022.03.28
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第94回米アカデミー賞の4部門(国際長編/作品/監督/脚色)にノミネートされていた 口竜 介監督「ドライブ・マイカー」の「国際長編映画賞」受賞が今朝発表されました。

 日本映画の同賞受賞は2009年(当時は外国語映画賞)の「おくりびと」以来だそうで、本木雅弘さん主演の「おくりびと」も本当に良い映画だったと改めてウィキペディアを見てみると、本木雅弘さんが1996年に青木新門著「納棺夫日記」読んで感銘を受け、映画化の許可を得るために何度も青木氏宅を訪れたという経緯の下、制作された映画であることを思い出しました。この映画で私は初めて「納棺師」という職業を知り、また「死生観」のようなものを考えさせられました。そして映画作りにかける人達の情熱でこの名作が生まれたのだとしみじみ思います。

 ドライブ・マイカーは原作が村上春樹氏のため自称「ハルキスト」としては並々ならぬ思いで1月に映画を見に行きました。映画の中でジャズが流れればジャズやクラシックに造形が深い村上氏のリクエストによる曲なのかとか、 ​本作の主題になることとはまた別のところも気になる映画でした。

 ドライブ・マイカーは短編集「女のいない男たち」の一篇で、帰省時に日本で買って後半までシンガポールで読み、その後出張で中国に持って行った時に謎のように空港からホテルに向かう間に消えてしまった本で別の意味で思い出深い一冊です。手元にあれば映画化が決まった時に再読していたと思うのですが・・。映画自体は原作をベースに濱口監督や脚本家によって大きく内容を膨らませたものというのは本の内容をしっかり覚えていなくても納得できます。

下記は1月17日に映画を見た後、日記に書いた内容です。

​  前評判通り、3時間ほどの長い映画にも拘わらずテンポ良くシーンが移り変わり、また台詞の重みを考えているうちにあっという間に最後のシーンとなっていました。そしてここまで余韻を残すシーンで終わる映画の脚本は秀逸の一言です。もう一度映画館に足を運んで台詞や表情を吟味してみたいという持ちが良く分かります。

​​​ ​​東京、瀬戸内海を望む海岸線、北海道の雪道を走る赤の「サーブ」は映像としてとても良いアクセントになっていました。スウェーデンの車サーブを初めて知りましたがネットでは2016年に消滅とあります。原作者の村上春樹氏は執筆のためヨーロッパに滞在していた時、確かイタリアの車が特にお気に入りだとエッセーに書いていたと思います。理由は「故障しやすいがためにさらに愛着が湧く」というようなことだったと思いますが、もしサーブにも乗っていたらどうだったのかなぁと・・同じスウェ―デンの車「ボルボ」が故障しやすいというのは以前聞いたことがあります。

肝心の映画の内容としては「他者(配偶者も含めて)を理解するにはまず自分の心にとことん耳を傾ける」というのが大きなテーマとなっていたのかと思いますが、その難しさゆえに真摯にそれに取り組もうとする出演者の台詞の一言一言に重みがありました。

 出演した俳優さん達の演技は秀逸でしたが、特に私は岡田将生さんの演技が印象的でした。プライバシーの侵害のような行為は暴力以上の怖さがあるなぁと・・。ネットで映画に関する記事を読みながらしばらくばこの映画の余韻に浸っていたいと思います。





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最終更新日  2022.05.07 12:42:57
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