二代目館長日記

二代目館長日記

2019.08.15
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カテゴリ: 自由研究のタネ
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 またまた登場・・・ヒノキの榑(くれ)です。8月11日の「山の日」にあった夏休
みイベント「こども金山探険隊」で、中山金山遺跡の探検した際のお土産ですが、こ
れについて、ちょっと深掘りしていきます。



■ 問題の所在
 最初の写真のヒノキの榑(くれ)ですが、毛無山登山道の整備事業の過程で、除木
しようとした、およそ37年生のヒノキの木の根元にくさび形にチェーンソーに切り
込みを入れて、木を倒したものと思われますが、その際に発生したものだと思われま
す。この形を活かして、スイカのカット模型を作ろうと考えたのですが、それを手に
取って、2つめの写真の部分にひかれるものがありました。
 ヒノキの枝が途中でカットされたものの、それが外見では、ほとんどわからないよ
うになってしまっている・・・、そんなふうに考えられ、もうちょっとじっくり見て
みようということになった次第。 



■問題点の整理
 2つめの写真の部分について、上の視点をもとに、分析をしてみました。
 *第一段階 木は16年ほど生長した、この間に枝も出来た・・・①の部分
 *第二段階 幹から伸びていた枝が切り落とされた・・・②の部分
 *第三段階 枝打ちの痕は、周りから樹皮が盛り上がり隠されていった・・・③
 *第四段階 近年の除木まで、枝打ちから15年ほどが経過、でも傷跡は・・・④

■問題点に対する理解
 2018ないし2019年頃に切り倒されたヒノキがまだ若かった頃、枝打ち作業があっ
たのでした。幹から出た枝は、直径3~4㎝ほどになっていましたが、枝の根元でス
パッと切除されたようです。それはこのヒノキが芽生えてから16年くらいたった時期
のことのようでした。
 枝打ちされた痕跡は、始め、幹の表面に丸くクッキリ残っていたものと思われます
が、徐々に周囲から樹皮が盛り上がり、枝打ちから6年ほど経過した頃には、外見上
はほとんどわからないようにふさがっていったとみられます。
 それからさらに10数年が経過、傷跡は隠されたものの、木の概観だけでなく、切
断面とあわせて見ていくと、うっすらとかつての枝打ちの痕跡が把握できました。
 ヒノキの木は、枝打ちの痕をしっかりと隠していったのですが、内面には傷の痕跡
が残り、外面にもわずかにその痕を感じさせるところであった。これがその理解です。

■このヒノキだけの問題か
 枝が切り取られて、周りから樹皮が盛り上がって、その痕跡を幹の中に取り込み、
わからなくしていくようすは、今回のヒノキだけの話でしょうか。いや、そうではな
さそう・・・。
 そこまでではないものの、ヒノキ以外の木の場合でも、古いキズを隠していきつつ
ある状況が、湯之奥金山博物館の周辺での樹木の中に見られるのです。そのことにつ
いては、前回の​ 「古いキズ隠したい・・・木がする?!」 ​をご参照ください。

(初回投稿:8月15日08:45 最終投稿:8月15日16:30)​​​​





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Last updated  2019.08.15 16:33:12
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