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2018.09.30
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カテゴリ: 内覧会
先日、パナソニック汐留ミュージアムで開催の特別展
「​ ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ ​」内覧会に
参加させていただきました




​​ ​「ジョルジュ・ルオー 聖なる芸術とモデルニテ」​

会場   パナソニック汐留ミュージアム
開館期間 2018年9月29日(土) ~12月9日(日)
開館時間 午前10時より午後6時まで(ご入館は午後5時30分まで)
     10月26日と11月16日は午後8時まで(ご入館は午後7時30分まで)
休館日  水曜日(但し11月21・28日、12月5日は開館)
入館料  一般:1000円、65歳以上:900円、大学生:700円、中・高校生:500円 
     小学生以下無料 20名以上の団体は100円割引。
     障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料でご入館いただけます。
     ホームページ割引引き換え券は ​​​ こちら ​​​




展覧会概要
20世紀フランスを代表する画家ジョルジュ・ルオー(1871-1958)。
本展は、ルオーの画業の軸である聖なる芸術に焦点をあて、画家が目指した
美しい愛のかたちを紹介します。
敬虔なキリスト教徒だったルオーは、生涯にわたって「受難」や「キリスト像」
などの宗教主題を数多く描きました。
そうした主題を通して、人間の苦悩、あるいは慈愛や赦しを表現したルオーの
聖なる芸術は、文化の違いや国境を超えて今なお多くの人々を惹きつけてやみません。
画題が伝統的である一方、その造形表現は極めて革新的でした。
またテーマの根底には、同時代の社会や人間に対する画家の深い理解がありました。
本展は、こうしたルオーにおける聖なる芸術の意味とその現代性(モデルニテ)を
あらためて問うものです(パナソニック汐留ミュージアムHPより)

*画像は特別な許可を得て写真撮影しております








会場内は赤、緑、青のトリコロールカラーの壁ごとに各テーマの作品が
飾られ、ルオーの重厚な作品と鮮やかな壁との対比が実に美しく映えてました



本展のみどころは
ヴァチカン美術館が初めて日本に出品するルオーの作品。
 ヴァチカンゆかりの油彩《聖顔》、《パックス(平和)》、《秋 または ナザレット》
 そして七宝作品の《聖心》

パリに所蔵されている《ヴェロニカ》や《聖顔》、《キリストとの親しき集い》など、
 ルオーの代表作、特に晩年の傑作の数々が集結。
 ポンピドゥー・センター パリ国立近代美術館から《聖顔》、《ヴェロニカ》、
 《受難(エッケ・ホモ)》、《エジプトへの逃避》、《キリスト教的夜景》の5点。
 また、パリのルオー財団や個人からは、《サラ》、《我らがジャンヌ》、
 《キリストとの親しき集い》など代表作を含む約40点が来日



今回は「プレス内覧会」ということで、ルオーのお孫さんである
ジョルジュルオー財団理事長のジャン=イブ・ルオー氏や、西南学院大学教授の
後藤新治氏、そしてパナソニック汐留ミュージアム担当学芸員さんの
ギャラリートークをお聞きすることができました。






ジョルジュ・ルオー
( 1871年- 1958年)
パリの下町ベルヴィルで生まれ育つ。
14歳でステンドグラス職人に徒弟奉公に出るが、画家を志して19歳で
国立美術学校に入学。
象徴主義の画家ギュスターヴ・モローに師事の薫陶を受ける。
モローが死去したあとは、精神的に苦難の時期を迎えるが、カトリシズムを
支えに乗り越え、1902年頃より、社会の底辺の人びとの悲哀や社会の矛盾
への憤りを主題とする独自の画風を切り開いた。
次第に作品は深いキリスト教信仰に根ざした穏やかなものになり、晩年には
絵の具を厚く塗り重ねた独特の油彩表現によって、慈愛や静謐さをたたえた
人物像や風景画を多く描いた。
20世紀最大の宗教画家とも呼ばれ、死去に際しては国葬が執り行われた
(パンフレットより抜粋)

←今展のパンフレット


第Ⅰ章 ミセレーレ:蘇ったイコン
『ミセレーレ』とは父の死と第1次世界大戦の悲惨に直面したルオーが主題を
深化させた版画集で、慈悲と戦争がテーマ。
『ミセレーレ』は、いわば20世紀に蘇ったイコン(礼拝用画像)と言えます。
(パナソニック汐留ミュージアムHPより)







↑「ミセレーレ」のための廃棄された銅板


第2章 聖顔と聖なる人物:物言わぬサバルタン
「聖顔」は礼拝画像を想起させる荘厳さと不動性をたたえ、数あるルオーの主題の中でも
特異な存在といえます。ここでは、ルオーが強い関心を抱いていた「トリノの聖骸布」や
「ヴェロニカの聖顔布伝説」にも注目し、「聖顔」の創作の背景と作品に込めたメッセージ
に迫ります。また、鞭打たれたキリストや火刑に処されたジャンヌ・ダルクなど、
「サバルタン(被抑圧者)」としての聖なる人物をいかにルオーが表象したかを紹介します。
(パナソニック汐留ミュージアムHPより)







ルオーが描くキリストは「反抗する言葉を持たない抑圧される者達の苦しみを
代弁する姿」だとか
ポスターにも使われている「ヴェロニカ」は、問いかけるような眼差しと
、それに呼応するような顔の周りのアーチがとても印象的でした
絵の前に佇むと潤いを含んだ瞳に吸い寄せられそうな心地に~


第3章 パッション:受肉するマチエール
キリストの受けた苦難と人類のための罪の贖いを直截に伝える「パッション(受難)」
の主題は、ルオーの宗教画題の作品の中でも繰り返し取り上げられました。
この章では、1927年頃より構想された版画集『受難』を起点に、版画と関連して
創作された図像や、《受難(エッケ・ホモ)》など後年の大作を取り上げ、
「パッション」のテーマにおけるルオーの宗教的ヴィジョンを紹介します。
また、1930年代以降にルオーの油彩画の技法は従来の「削り取る」手法から
「積み重ねる」手法に移行しますが、こうして、成熟して「受肉」し、「物質」
に変貌したかのようなルオーのマチエール(画肌)の変化も考えます。
(パナソニック汐留ミュージアムHPより)




生のルオー作品を観たのはホトンド始めてだったんですが、ここまで
ボリュームのある「厚塗り」だとは知りませんでしたびっくり
作品によっては平面画というより「彫刻」といってもいいほどの厚さを
持ったものもあってビックリw(゚ロ゚)w
でも後藤教授によると「塗り重ねては削り、塗り重ねてはまた削り」という
作業を経てこその『ルオーのマチエール(画肌)』なんだとか
このへんのところは私にはいささか難解すぎて、理解しづらかったかも(^^;)ゞ


ただ、その厚みのため傷みやすく作品移動は難しいため、貸し出しは10年に一回位
である、というお話には深く納得できました
中にはガラス無しで飾られてるものもあり、剥き出しの作品から漂うオーラは
ただならぬものでした








「聖心」や「三本の十字架」はどれも小品ながら、ルオーの精神性がヒシヒシと
伝わり~
ちなみに「聖なる心臓の図像」は、キリストの罪のあがないへの崇拝を象徴する

美しいステンドグラスの輝きにも
心癒されました手書きハート


第4章 聖書の風景:未完のユートピア
1930年以降、風景を描いた作品はルオーの制作の中核をなします。
風景の中にキリストの姿が暗示され、神秘の光に変容した色彩で溢れるルオーの
「聖書の風景」は、この世にはないある種のユートピアの表象とも考えられます。
(パナソニック汐留ミュージアムHPより)





ルオーの「聖書の風景」の絵に共通なのは「地平線」「人びと」「彼方には家」
「天空には月or太陽」が描かれていることなんだとか。
従来のユートピア絵画には柵で囲まれた閉鎖的な桃源郷というイメージが
強いのに、ルオーのユートピアは世界と隔絶されていず開かれていることが
特徴なんだそうですウィンク


以上、途中で挟んでるコメントはギャラリートーク中に走り書きしたメモから
引用しています
なにぶんトークをお聞きしながら絵画を観ながら、と忙しく手を走らせたので
自分でも読めないメモ書きばかり~( ;´д`)トホホ…
多少、ニュアンスが違ってるかも?
細かい齟齬はご容赦願いますです(_ _(--;(_ _(--; ペコペコ


ここで衝撃の告白をば~ww
実はわたくし、これまでルオーの作品は少々苦手だったんです
重たく黒い輪郭線とコントラストの強い激しい色使いが、見てるだけで息苦しくて~(-_-;)
でも、今回、後藤教授や学芸員さんのギャラリートークをお伺いしながら、90点もの
​作品を見てまわるうちに「 愛の最も美しいかたちを描くことが終生のテーマ 」​
であったというルオーの心情がジンワリと胸に落ちてきました



今展は12月9日(日)までパナソニック汐留ミュージアムにて開催です。
​「 ​人間に向けたルオーの愛に出会う​ 」展示会、あなたもルオーの愛に​
包まれてみませんか?ウィンク





10月28日にはNHK  Eテレ 日曜美術館 (毎週日曜 午前9時 再放送は毎週日曜
 午後8時)にて今回の「ルオー展」が放送予定だそうですよ~
興味のあるかた必見ですウィンク





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最終更新日  2019.09.22 14:16:17
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