八ヶ岳南麓より

八ヶ岳南麓より

March 27, 2007
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カテゴリ: 野菜・畑・果樹

ソルダムに実を成らせるために他のすももの花粉を取る作業が続きます。

昨日まだ咲き出したばかりの受粉用の木の枝を切りハウスへ入れました。

1日で半分以上が開花しています。

それを枝からすべて取ってしまいます。

IMG_2346.JPG

ブルーシートの上にこんなにたくさんの花・・

2種類あるので色がちょっと違うのがわかるでしょうか?

全部もぎとったら、これを採取機にかけます。

郵便局の100サイズくらいの大きさの機械にこの花を入れると、花粉の部分とその周りの花が分類されます。

分類され花粉の部分として出たものを、篩いにかけて網をくぐって出てきたものが花粉です。

IMG_2347.JPG

半日かかって受粉用の大きな木の枝、すべてを切って取れたのがこれだけ・・

これを今晩一晩中、乾燥させるための部落の共同の機械に入れます。

そして、明日にはすっかり乾燥して、これの4分の1ほどの量に減ってしまうそうです。

これをソルダムの散り際に受粉させるように羽でつける作業を経てやっとソルダムは実を結ぶのです。

昔はそんなことをしなくても受粉用の木があれば充分だったそうです。

でも、ソルダムを収穫するために使う農薬で虫が減り、自然に受粉することがなくなったといいます。

これはプラムのおばちゃんのなど農協を通して出荷している農家の例で、もう一人私が手伝っている桃園の園主のソルダムは広大な敷地に受粉用の木も大きく茂り、さらに最低限度の農薬(あるいみ賭けのような数値)なので、自然に受粉して、この作業は必要ありません。

ただ、この作業だけでなく、摘果もしないので、おばちゃんたちが農協を通じて売買する仲間には入れてもらえないのが現実です。

実の大きさがまったく農協に出す大きさに成らないことと、早くに熟して落ちてしまうことが主な理由のようです。

農薬だけではなく肥料もろくにあげていない・・・無農薬無肥料の青森の林檎に近いものがあるのですが、部落の風当たりは強いのも事実

収穫できず落ちてしまう分もかなりの数ですし、熟しかけたものを平気で出すし、農協の規格外ということが、他の農家にとっては許せないよう。

元々農家ではなく、公務を退いてからやっている老後農家という点も風当たりが強い理由のひとつでしょう。

日本のおかしな流通経路や農協のシステム、消費者の間違ったニーズに合うソルダム農家は園主ではなくおばちゃんであることもまた事実

たくさん成らせてたくさん摘果して・・・手間ばかりかけてもパートで働くほうがずっと収入になる果樹農家の実態

100年もすれば日本で生産される果樹などなく、すべて中国産アメリカ産になる・・・

そもそもこの湿潤な気候の中での果樹栽培は、日本人が勤勉で几帳面で器用な人種だからこそ可能なことだと、農大を出て農業学校の教員も勤めた園主はいつも言っていますが、中国の果樹への参入で日本の果樹農家の存続は危ういようです。

今日はもうひとつ深刻な話題が・・

このあたり、ここ数日でサルやイノシシがあちこちで目撃され、その数の増加に農家は不安を隠しきれません。

そもそも禁猟の指定を受けてしまった原因が、都会から来た人が獣よけの空砲に反発し役場へ苦情を言ったせいだというはなし

その都会から来た人が私が仲良くしてる人だと、花を取りながらおばちゃんの一言。

去年まではさほど問題にならなかったことが、イノシシなどの増加で一気に表面化し、実際間接的にそれが関係していそうではあるけれど、直接そうなった原因は違うはずなのに、敵はまさに都会人になってしまっている。

どうも役場の決まりごともちょっとおかしい・・

禁猟になったら10年はそのまま??というのもどこか変?

実際被害が出ているのに、何年は駄目と誰が決めたのか?

被害があるから、空砲を使いたいと、どうしてきちんと住民に説明して了解を得ないのか?

たくさんの????の中で、私は友人の弁明をおばちゃんに仕掛けて辞めた。

苦情を言った人の理由もよく知らず、部落中で被害はその人のせいだとするのもおかしいと思いつつ・・・・

だからといって、私にどうすることもできない。

放し飼いの犬に対する保健所の対応もおかしかったけれど、すべてにおいて役場の対応は実にお粗末なもの

そのお粗末な役場を間に入れて、田舎の人と都会の人がにらみ合うような結果になっているのがよくわかる。

そんな中、恐怖の館はついに自分の家の排水を使わないで済ませるために、夜9時すぎにお勝手口からキッチンで使ったであろう水をこちらめがけて投げ捨てるという事態に・・・

庭の外水道で使った水もその場ではなく、すべて我が家の境へバケツをひっくり返して投げ捨てているようす。

人と人とがお互い理解して共存できる環境はここにはないのだろうか?

ここに限らず、すでにこの国にはないのか?

とうに白黒はっきりさせない灰色好きな田舎の人に染まっている私と、まだまだきちんと自分の意見をいう友人との温度差も広がっている。

すべての人が持っているという他人への思いやり、やさしさ

いつからかそれがなくなってしまうのはなぜか?

人を思いやるには、他人の背景にある事柄を広く深く理解することで、それには教養が必要だというけれど・・・・






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Last updated  March 27, 2007 07:20:42 PM
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