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2月26日。今日は騎手としての松永幹夫の引退日。JRAから配られたレースプログラムには「ターフの紳士」とあった。言いえて妙。競馬界のいい人、松永幹夫。勝負師と呼ぶにはあまりにも優しげな顔立ち派手さはないが、堅実で馬を大事にする騎乗記者からも慕われる誠実なインタビューの受け答え後輩騎手を大事にし、先輩騎手からは信頼される騎手会長。ミキオ、ミッキーと呼ばれファンからも愛された。そのミキオが、去年もG1を勝って好調のミキオが38歳の若さで引退する。長年固い絆で結ばれてきた師匠の山本調教師が来年定年で廃業する調教業を継ぐために。地元・阪神競馬場ではミキオがターフに現れただけで拍手喝さいだったようだ。そんなミキオに特別な思い入れはない自分は、今日は有終を飾れるといいな、ぐらいに思いながら中山競馬場にいた。阪急杯のパドック映像。これがミキオにとって最後の重賞になる。ミキオ騎乗のブルーショットガンの青いメンコがやけに鮮やかだった。ブルーはようやく6歳にして1600万下条件を勝ち上がってきたばかり。勝ち上がり後ミキオと組みオープン2連敗、しかも前走は13着の惨敗。普通の馬ならとっくに見切りをつけられて引退してもおかしくない7歳馬だ。通常のオープン戦でも、いや元の1600万下条件ですら入賞できるかどうか・・・毛艶や調子はよさそうだが、ローエングリンやオレハマッテルゼほか重賞馬5頭(うちG1馬2頭)を含むこの強力メンバー相手ではさすがに辛い・・・。40倍近いブルーの単勝オッズを見て、隣のじいさんが「こりゃあ、ミキオの馬には乗ってやれんなぁ・・・」とため息をついた。だが、次の12R(最終レース)でミキオの乗る馬は相当強い。単勝オッズはこの時点で断然の1.7倍。ここ2戦は僅差の2着を2連続。今日の相手ならば実力は頭2つ抜けている。はっきり言ってこれはミキオへの餞別に特別に用意された馬だろう。引退する騎手に、それまで世話になった馬主や厩舎がとっておきの強い馬を送り込む。人間関係を重んじる競馬界ではよくある粋なはからいだ。次はまずこの馬で堅い。中山記念と阪急杯でプラスが出たら、その分を12Rのミキオの単勝に突っ込んでご祝儀にしようじゃないか。コスモ2頭が面白い阪急杯は勝負に徹する。本命・オレハマッテルゼから馬連で千円ずつローエングリン、ビッグプラネット、コスモシンドラー、コスモサンビームに流した。阪急杯より10分先に終わった中山記念は、前年度勝者と1番人気の組み合わせで固い決着に終わった。予想通り。むしろ阪急杯で好配当を期待していた自分は、払い戻しには行かずそのまま前列の柵にへばりついていた。隣にはやけに真剣な目をした無精ヒゲの大柄なオッサンがいた。50代半ばぐらいだろうか? 建築業でもしているのかゴツい。手の中のスポーツ新聞を開く気配もない。腕を組んで仁王立ちのまま、怒ってるような、考え込んでるような、なんともいえない雰囲気でターフビジョンを睨んでいるオッサンがやけに怖かった。 締め切りのメロディが終わる。そして阪急杯発走。ローエンの快調な逃げで進むレース、途中サンビームの故障発生に場内ざわめくも、ほぼ予想通りの展開。4角正面を向いたところで一瞬馬群が広がり、一気に先行組が差を詰める。断然の一番人気・マッテルゼが満を侍して上がってきた、ぐいぐいと先頭ローエンを追い詰めるローエンはしぶとく競り粘っている、大外からやはりコスモシンドラーが伸びてきているこのままなら、マッテルゼとこの2頭のどちらかで決まる。「このレース取った」そう思った瞬間、それまで一言も発さなかった隣のオッサンが怒声が響いた「マ・ツ・ナ・ガ・ミ・キ・オぉ~~!! そぉ、こぉ、かぁ、らぁ こぉぉ~~~いぃっ!!」フルネームで呼ばれたミキオのことを思い出し、とっさにターフビジョンでミキオ駆るブルーを探す。なんと!?あの鮮やかな青いメンコが馬群を割ってグングン伸びてきているではないか!!わが目を疑う!? これ、これって、あのブルーショットガン!?「差せぇ~!ミキオ~!!」またもオッサンの怒号がとどろく!?なんと!ブルーが馬群を捌いて前3頭との差を詰じわじわ詰め上がってきた力強く不良の馬場を蹴り、一完歩、一完歩、青いメンコが伸びてくる。え、え!?ほんの半年前まで下級条件で掲示板さえ外していたコイツ、こんなすごい脚もってたのか!?だが、粘るローエンをようやく交わした本命・マッテルゼが前で独走態勢に入ろうとしている。大外からシンドラーの追い込みも届きそう、粘り腰が持ち味のローエンもまだ2着争いを捨てていない。青いメンコ・・・ブルーは!?馬群の切れ目からミキオの手が動いているのが見える。激しいが忙しくない職人騎手らしい追い方「ミキオぉぉ~!!追えぇぇ~!!」またもオッサンの大声が鼓膜をビリビリ揺らす振動を感じた瞬間プチ・・・自分の中で何かがはじけた ぉぉぉおおおおおお!馬券はいらねぇ! 勝て!ミキオ!!これが・・・・これがジョッキー松永幹夫、最後の大舞台!!「ミキオ、差せ!差せ!来い!来ぉーーーい!!」「ミキオぉ~!いけぇ~!!」数秒の間、二人は柵をバシバシ叩きながら叫んだ、いや怒鳴った。怒鳴っているのは柵の二人だけではない。中山の競馬ファン全員がミキオ!ミキオ!と叫んでいるのが分かる。ミキオに勝たせたくて勝たせたくて、枯れるほど大声を出す。馬券なんかくれてやる!だから勝たせてくれ!と祈った。だって、いいじゃないか!いい騎手なんだ・・・ 苦労してきた馬なんだ・・・そんな理由で勝たせてくれたっていいじゃないか!なぁ、神様!!!!少し泣きたい気持ちにも似ていた。自分を・・・重ねていた。ローエンをマークして仕掛けたマッテルゼの脚色が少し鈍い!シンドラーも仕掛けが早すぎたか!?伸びが足りない!一方、ブルーショットガンは大歓声をムチと思ったのかのように、さらに加速してゆく!そして場内大興奮の中、青いメンコが見事にマッテルゼを交わしきり、猛追するシンドラーを振り切ったところがゴール「届いたっ!」「ぃよぉ~~~し!!!」中山競馬場もミキオとブルーのアッと驚く快勝に沸き立つ。オッサンと目が合い、数秒前まで他人だった二人はがっちり握手した。「ミキオが勝ったな!」「はい!」「いいマクリだったな!」「はい!」このオッサンも自分も、、、そしてほとんど馬券を外しただろうに、あちこちでミキオの名前を呼び、遠い阪神競馬場に拍手を送る人たちもみんな知ってるんだ。松永幹夫がどんな男かどんな道のりでここまで来たかどんな不遇の時代を耐えてきたかなぜステッキを置くことにしたのか。。。昨年秋の天皇賞・ヘヴンリーロマンスの勝利は松永幹夫20年間の騎手人生の中で、師匠・山本師の管理馬で初めて勝ったG1だった。 「ミキオがウチの馬で勝てて、ホッとしていますよ・・・」山本師も師匠として責任を果たせた安堵を隠さなかったそうだ。松永幹夫ほどの好騎手が20年間も同じ厩舎に所属しつづけることは珍しい。というより、平城の競馬業界ではまずない。この世界、騎手人生の最初は特定の厩舎に所属して馬を確保しながら技術と実績を積み上げ、一定のレベルに達したらより良い馬に乗れるよう、身軽なフリー騎手になるのが通例だからだ。レース慣れしてない新馬や気難しい牝馬を安定して好走させることでは日本一のミキオ。しかし、恩義を重んじるミキオは、所属厩舎の馬を最優先し、有力馬の騎乗依頼ををあえて断ってきた。ミキオが断った有力馬は他の一流ジョッキーのもとに。一度他のジョッキーの「お手馬」になった馬の乗替り依頼が来ることはほとんどない。これがミキオの不遇時代である。ミキオがフリーだったら・・・G1をもっと勝っていただろう。重賞もあと10や20、勝ち星も百の単位で増えたはずだ。だが、ミキオは馬も人も大事にする師匠を心から尊敬し「山本先生の弟子でなかったら、今の自分はありません」と師匠の管理馬を勝たせることにこだわった。20年・・・20年間こだわった。山本師はそんな弟子を強い馬に乗せたいと願い、ミキオはそんな師の意気に応えたかった。お互いが、お互いをなんとか勝たせようと努力した。そして、その想いが結実したのが「天皇賞」設立以来初の天覧競馬だった。賭博の世界にスポーツの風を送るターフの紳士。自分たち競馬ファンを代表して天皇陛下に挨拶してくれたのが、ミキオで本当によかった。興奮さめやらぬ中山競馬場。着順確定のアナウンスが聞こえる。確定の赤ランプを見てふと我にかえる。 「あ、、馬券は外したんですよ。あはは・・・」ちょっと恥ずかしくて、笑いながら外れ馬券をオッサンに見せた。オッサンは一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐにニヤリと笑った。「なんだぁ、そっちもか! わはは!」オッサンのポケットから取り出した馬券は・・・なんとマッテルゼの単勝1万円だった。その時自分は・・・きっとポカンとした表情をしていたんだろう。オッサンは実に気持ちよさそうに大声で笑いながら背中をバンバン叩いてきた。それがすごく心地よくて、小さく、でも腹から笑った。こんなことがあっていいんだ! いや、あるんだ!この臨場感! この一体感! この爽快感!最高!!!ヘヴンリーロマンスの天覧競馬勝利後天皇・皇后両陛下に深く頭を下げる松永騎手
2006/02/26
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日本馬がまるで野球選手のように普通に海外遠征する時代。いい時代だとつくづく思うとき、いつも戦時中、厩務員だったという、近所のお爺さんが教えてくれた話を思い出します。お爺さんが厩務員になったのは戦前ですが、すぐに太平洋戦争に。戦中~戦後、人間も食べるのに困っている状態だから、馬たちのカイバも2、3升もらえたら上等。 半升どころか、カイバなしの日も少なくなくって、お腹を空かせた馬たちは、放牧させたらもう雑草でも木の皮なんでも食べていたそうです。 お爺さんは痩せこけた馬たちがあんまり可愛そうだったので、軽トラックにのって農家やってる福島の実家に帰省し、親類縁者をはじめ近所のリンゴ農家を回り、傷みかけや割れて出荷できないリンゴをかき集めようとしたそうです。「半端もののリンゴありませんか?」頭下げて回って、農家の人だって切羽詰まってる時代だから、乞食となじられ怒鳴られ、水かけられたり、正直に「馬に喰わせてやりたい」と言ったら殴られたり・・・・嫌な思いもいっぱいしたけど、馬たちのためだと思ったら苦にはならなかったと言っていました。そんな中で、田舎で一番の大農家の主が「自分の祖父も父も馬で田畑を耕してここまでなった。 自分も含め、馬には三代の恩がある。 半端ものといわず甘いリンゴを持っていってやれ。 うまいリンゴ食わせてやれ。」と言ってくれたそうです。それは今までの人生で一番ありがたい言葉だった、今でも地主さんの言葉をそっくりそのまま思い出す、と言っていました。だけど、目の前にきれいなリンゴを見ると、馬と同じようにひもじい思いをしている他の人々のことが思い浮かび、どうしても手をつけられなかったそうです。大農家の主は「それならお前さんが食いなさい」と風呂敷に十個ほどの上等なリンゴを包んでくれたそうです。傷みかけているリンゴが本当に腐ってしまわないように、一睡もせずトラックを夜通し走らせて福島から厩舎へ。今のように高速も無い時代の話です。そうしてお爺さんが寝ずに持って帰った半分傷んだリンゴを、馬たちはそれはもうすごい勢いで実においしそうに食べて「うまい、うまい」という顔をしていたそうです。 なんと、馬たちの中には、生まれて初めてリンゴを食べた馬がほとんどだったそうです。そんな時代だったんですね。さぞかしおいしかったことでしょう。あんまり嬉しそうにリンゴを食べるの馬たちを見て・・・かえって不憫で可哀想で、お爺さんは思わず「すまない、すまない」とぼろぼろ泣いてしまったそうです。風呂敷包みのリンゴは、地主さんが自分のためとくれたリンゴ。義理堅く一口だけかじって、残りは全部馬たちにあげてしまいました。一口食べたリンゴは、それは夢のように甘くて、美味しくて・・・自分の馬たちにこんな美味しいリンゴをくださって・・・ありがたくって、ありがたくって・・・また涙が出てきて、思わず福島の方に手を合わせてしまったそうです。私が馬や競馬を好きになったのは、このお爺さんの影響が大です。他にも馬や牧場、競馬のいろんな話を聞きました。その中でもリンゴの話は私が子供のころ何度も聞かされましたが、その話をするとき、お爺さんはいつも目に涙浮かべていました。 まるで自分のせいで馬たちにひもじい思いさせてしまったみたいに。 きっと馬が大好きで厩務員をはじめたのに、どうしようもない、どうにもしてやれない酷な時代に生きなければならなかった。そう大人になった今想うと、お爺さんの切なさが少しだけ分かる気がします。 日本が復興し、リンゴが高級品でなくなってからも、お爺さんが決してリンゴを食べなかった理由も。お爺さんは十年ほど前に亡くなり、お爺さんの馬たちが走っていた足利競馬場も廃止されてなくなってしまいました。 きっと今は、世話した馬たちに「リンゴうまかったよ」ってお礼を言ってもらって、幸せだと思います。そんな辛い時代があったことと同時に、今の日本は競馬を娯楽として楽しめるほど幸福な国だということ、忘れたくないものです。かつて隆盛を誇った足利競馬場
2006/02/19
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都がヒューザーを刑事告発へ石原都知事の好き嫌いは別にして小嶋氏はやはり敵を誤りましたね。小嶋氏が違反を認知しつつ引き渡しを行ったのであれば、一連の逆ギレ訴訟は無効どころか逆に反撃をくらう爆弾になると前ブログに書きましたが、小国家・東京都はこんな訴訟を甘んじて受けるわけがないです。ヒューザーが訴訟を起こしたと同時に、強力な反撃措置を取るべく警察並の調査を行ったと聞いています。東京都の調査によると「小嶋氏は耐震強度に問題があることを知りながらマンション販売の指示を出した」ということでほぼ確定のようです。推測ですが調査の過程でヒューザーの社員からかなり信頼できる裏が取れたのでしょう。もっとも社員にしてみれば、敗色濃厚、先がない会社に嫌々協力するよりは、遵法精神を示して転職の口利きをしてもらうことが利益と考えて当然。穿った見方をすれば都が非公式に間接的に便宜を図ってくれる可能性もありますしね。そもそもあの社長に対して、末端の社員に愛社精神が芽生えるとも思えませんし。ともあれ、お役所が「告訴」をするっていうのは、勝ち戦だけなわけですから(ヘタな訴訟で税金を無駄遣いできないため)、これはほぼ勝負あったとみるのが妥当。おそらく今後は、同じくヒューザーから訴えられた横浜や千葉など、横のつながりが強い関東八都県市が総反撃に転じるでしょう。本件、東京都の告発が成立した段階で、小嶋氏は「詰み」と見ます。私利私欲のため、保身のため140億円もの税金を庶民から奪おうとした罪は大きいです。前にも述べたように、この悪質な行政訴訟、主張としていちおうスジは通ってますが、それはあくまで小嶋氏に悪質な違法行為がなかったら・・・の場合。容疑が確定したのであればトンデモ訴訟に一変です。そもそも原告適格の段階で裁判は停滞、そのうち司法の場で小嶋氏の容疑が確定し、140億の訴訟はパー。あとは悲惨な末路ですね。会社としての責任もさることながら、小嶋氏個人の責任も問われるわけですから、自己破産まで追い込みくらう可能性も高いと思います。犯罪を帳消しにするために血税140億を搾取しようとした。あってはならない前例として、判事にはこの前代未聞の悪質性を適当に評価していただきたいものです。
2006/02/17
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「ヒューザー小嶋社長が139億円求め全国の自治体を提訴」こんな記事がニュース番組を賑わしたのが4日前。中田横浜市長をはじめ、全国の首長が「逆ギレ」「盗人猛々しい」と不快感と憤りを隠さない。要は139億円もの税金を訴訟で勝ち取り、今回の不祥事の保障金にあてるプランだと思われている。・・・さて、こんなトンデモ提訴が果たして有効なのか?意外に思われるかもしれないが、ヒューザーがこうやって訴訟すること自体はそれほどトンデモとはいえないのだ。ヒューザー側の提訴内容をまとめるとこんなところである。1.ヒューザーが建築士に依頼してマンションの設計をさせた2.建築士の設計は建築基準法に違反する内容だった。(=耐震偽装)3.違反マンションを「知らずに」売ったため損害賠償を求められた。4.建築基準法に違反していることを見抜けなかった自治体が悪い。(=注意義務違反)5.金払え1、2は建築基準法違反としてはよくある事例である。問題は3、4である。そもそも「3.違反を知らなかった」の時点でおかしいのはだれでも気づく。ヒューザーは耐震偽装を知りつつマンションを販売したことが問題とされているのだから。ただ、これは現況では「疑い」にとどまる。ヒューザーは住民に会社側のミスを認めているが、その認め方はあくまで「ミスを見抜けないまま販売して申し訳ない」としている。小嶋社長は「違反については知らなかった」と言い訳している。だから、3については一応スジは通っている。んなわけねぇだろ!!というのが常識的な反応だろう。それはそのとおり。もし、知らなかったという発言がウソだと判明した場合は、まずヒューザーは提訴する資格がないとして「原告適格なし」となる。と同時に裁判所で原告として「知らなかった」とウソをついたとして「偽証罪(刑法169条)」が確定する。ほぼ同時にいま検察が捜査している耐震偽装を知りつつ、マンションを販売したという「詐欺罪(刑法246条)」もほぼ確定する。はたしてヒューザー・小嶋社長が「知らなかった」のは本当かウソか?が争点となる。「4.ちゃんと自治体が見抜いてくれなかったのが悪い」ヒューザー側はこれを「注意義務違反」だという。それで被害をこうむったのだから金を払って詫びろと。今回の事件の大きな問題点として、住み家の安全保障という重大な業務を役所ではなく民間が行っていたということがある。民間は営利のために業務を行うのだから、「安かろう悪かろう」はある意味当然だ。最悪、公共の福祉(住民の安全)のためではなく、金をくれる依頼主の利益のために働くという不法行為をやりかねない。そのため、建築基準法では3つの段階で行政が介入する。設計図のチェック(建築確認) 工事のやり方のチェック(中間検査) 出来上がりのチェック(完了検査)このうち、中間検査と完了検査は民間会社が「合格(不合格)でしたよ」と報告した結果を受けて対処する。つまり、合格、不合格は行政は判断しない。この時点では行政の注意義務そのものが発生しない。問題は最初の建築確認の段階だ。建築確認をした民間会社は「こんな確認をして合格にしました」と行政に報告する。ここで、行政はその内容をチェックし、合格にしてよいかを審査できる。「特定行政庁は、前項の規定による報告を受けた場合において、第1項の確認済証の交付を受けた建築物の計画が建築基準関係規定に適合しないと認めるときは、当該建築物の建築主及び当該確認済証を交付した同項の規定による指定を受けた者にその旨を通知しなければならない。」ヒューザー側は「このときちゃんと不合格にしてくれたらウチは違法マンションを売らずにすんだのに!」というわけである。なるほど、ヒューザー側が違法を知らなかったというのなら、それはそれで言い分としては分からなくもない。確かに行政の不注意でヒューザーや住民が損害をこうむったといえる。では、これは「注意義務違反」に該当するか・・・ヒューザー・小嶋社長はもしかしたら注意義務違反の意味をカン違いしているんじゃないか?現在の「注意義務違反」の一般的解釈はこのようなものである。「何かしら悪いことが起こることをちゃんと知っていたのに、な~にも対処しなかったので被害が発生(または拡大)した。」つまり「不注意」のことではなく「非注意」のことなのだ。非注意という言葉が分かりにくかったら「放置」「無視」と考えてもらっていい。行政が違反を見落としたのはもしかすると「不注意」になるかもしれないが、違法と知りつつ「放置」や「無視」したわけではない。これでは注意義務違反は成立しない。ここで万一、注意義務違反が成立する可能性があるとすれば、不注意がよっぽどひどく非注意に近い場合だ。例えば、民間会社からの報告書をぜんぜん審査せず「はいOK!」と見過ごしたような場合。これはもはや不注意ではなく放置といえる。ただ、このタイプの注意義務違反を認めるのはかなり難しいだろう。行政というところはハンコ社会である。ヒラからトップまでずらりとハンコを押してはじめてOKとなる。営業許可など、いろんな許可証をもらうのに何日も待たされてイライラした人も多いだろう。「みんなでがんばって審査してたけど、残念ながら発見できませんでした」といわれればアウト。現在の建築基準法や行政システムの問題ということにはなるかもしれないが、ひどい不注意とまではいえない。注意義務違反は不成立。ヒューザーが原告不適格として門前払いされる程度ならまだかわいい。いや、まだそのほうがいい。裁判が進み注意義務違反が不成立になり、裁判費用が全額自己負担になるどころか、偽証罪や詐欺罪に問われたり、逆に反撃提訴を食らう可能性が極めて高い。そういう意味では、この勝ち目がゼロに近い提訴はやはりトンデモ提訴といえるのかもしれない。
2006/02/03
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テムズ川のクジラは力尽きて亡くなった。今日もニュースでマッコウクジラの漂着が報道されていた。イルカやクジラの漂着や川や湾岸への迷い込みはストランディングといわれている。ちなみにイルカとクジラは生物学的には同種。ワシとタカの関係のようなもので、大きさや形で学者が勝手に名前をつけ分けているだけだ。ストランディング(Stranding)という言葉には馴染みがない人も多いだろう「(船などが)座礁すること」「(海洋生物が)岸や浅瀬に乗り上げること」という意味。実はこれは非常にありふれた出来事で、少なくとも日本各地で年間数百件の発生しているそうだ。最古の歴史書・古事記にもイルカの大量ストランディングで沖が血に染まったという記載がある。メディアではストランディングについて報道するものの、なぜクジラやイルカがそのような自殺的行動をしてしまうのか?ストランディングという名称はもとより、原因についてはほとんど触れられないのでちょっと解説。1.寄生虫・・・方向感覚をつかさどる耳の器官を寄生虫が狂わせる。2.感染性脳炎・・・ウイルス感染により脳炎が起こり異常行動を引き起こす。3.超音波障害・・・クジラやイルカは超音波で方向や距離感を把握する。海底の形が複雑な場所などでは超音波を正確に捉えにくくなる。特定の場所でストランディングが頻繁におこるのはこのため。実はこのストランディングが科学的に研究され、原因が明らかになってきたのはほんのここ10年ほどである。そして、ストランディング研究には日本の獣医学者たちが大きく貢献している。十数年前、日本のクジラ食文化を非難する過激な欧米の動物愛護団体や環境保護団体、特にグリーンピースが日本で起こったストランディングを、あたかも人為的な漁であるかのように報じたことがあった。日本を取り巻く海底はきわめて複雑でストンランディングが頻繁に起こりやすく、海外のメディアは日本各地で起こるストランディングを「日本のクジラ漁、イルカ漁」として連日報道した。このため、幼稚で感情的な国際的非難が集まり、国際捕鯨委員会(IWC)と商業捕鯨モラトリアムの問題と無理やり関連付けられ、国際的問題に発達しかけた。日本文化が「野蛮」と決め付けられそうになっていた。このピンチに日本の獣医学者たちが立ち上がった。日本で打ち上げられたイルカ、クジラを徹底的に調査し、寄生虫やウイルス感染を次々と証明し、国際的な学会や生物学誌で発表。数年にわたり、次々と発表される日本の高レベルな論文。ストランディング現象を解明し、獣医学、海洋生物学の進化を促した。海外の冷静で高名な獣医学者や海洋生物学者はこれらを正等に評価。感情的批判に走るグリーンピースをはじめとするエコファシズムはついに沈黙せざるをえなくなった。驚くべきことは、これらの調査研究を行った獣医学者には、海洋生物を専門とする学者はほとんどいなかったことだ。日本のピンチを救った獣医学者たちは、牛や豚、犬など他の動物を専門とする人たちであった。ある高名な国立大学の獣医学科教授が陸で大量死したイルカたちの耳から寄生虫を発見した。しかし、この教授はもともと"牛"の"先天性奇形"の専門家であった。もちろんイルカの寄生虫や病気になどついてほとんど知らなかった。「論文を書かなければ・・・、しかもレベルの高い論文を。」連日の海外の歪んだ報道に憤り、憂いていた老教授には、恥も外聞も投げ捨てる覚悟があった。頭を下げ、自分より年齢も若く、経歴も少ないが、専門性の高い学者達に教えを請うことにした。意外なことに協力を惜しむ学者はほとんどいなかった。それどころか、ほとんど全面的な協力を得ることができた。ドイツ語など専門家でも読みにくい論文を和訳して送ってきた若い大学講師もいた。協力などしても自分のキャリアにはほとんど上積みされないのに・・・。かくして、一つのきわめてレベルの高い研究がなされた。この研究は珍しい症例として海外でも高い評価を受けることとなった。このようなレベルの高い日本の研究に海外の学者は刺激され、ここ10年でストランディングの研究は飛躍的に進んだのだ。専門外の分野についてあれほど高度な研究調査を行った日本の獣医学者たちは、解剖学、微生物学、病理学など分野の垣根を越え、閉鎖的な大学の門を破り、お互いに協力し合ったのだった。個人的には捕鯨について反対も賛成もしない。ただ、他国の文化を自分たちの価値観で一方的に非難する人々を支持しない。そして、そのような卑劣な非難に正面から立ち向かい、堂々と勝利した日本の獣医学者たちを誇りに思う。閉鎖的な構造、独善的な行動が目立ち、政治力の獲得にばかり注力するあまり、若い医師達から見放されつつある日本の医学会も見習ってほしい事例である。
2006/01/28
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志と野心は違う北尾吉孝(SBIホールディングスCEO) 06/1/21堀江くんのケンカはケンカ下手の最たるものと言えよう。このままでは堀江くん自身が大けがをすることになることを忠告しておく。糸山英太郎(糸山政経塾塾長)05/12/16
2006/01/22
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不平等の中でも悪平等はもっとも見つけにくく、排除しにくく、それでいてもっとも悪質である
2006/01/21
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小泉改革では地方改革の一環として地方競馬の見直しを迫っているようだ。ただし見直しの対象となったのは地方競馬のみ、JRAは対象外とされた。JRAを含めた見直しにすればJRAと地方の連携が強化されたであろうに、つくづく長期的視野がない。競馬=JRAと考える人も多いが、競馬のレベルは競走馬として生まれてくる馬の数に大きく依存するからだ。もし、競走馬の受け入れ先がJRAしかないとすれば、多くの生産農家が廃業し、馬のレベルもレースのレベルも落ちる。さらに裾野が狭いと言うことは、いつも同じメンバーで競馬が行われ、堅い決着ばかり。そうなると競馬自体の魅力が損なわれる。今度はJRAすら衰退し、日本の競馬は危うい。この改革の中で、地方競馬が生き残るには地方同士が連携する以上にJRAとの連携が重要になることは間違いない。JRAと地方で交流が行われるのはなにも馬だけではない。馬に乗るジョッキーも交流する。いくら強い馬でもその能力を引き出すのはジョッキーである。では、地方競馬とJRAのジョッキーはどれほどレベルの差があるのだろうか?地方所属(一部は既にJRAに移籍)ながらJRAでも騎乗回数の多いジョッキーと、JRAのトップジョッキーを比較してみる。データは2005年[地方トップジョッキー] 名前 騎乗数 勝 率 連対率内田博幸 252 0.123 0.222岩田康成 265 0.106 0.223五十嵐冬樹 158 0.076 0.152石崎隆之 140 0.050 0.071[JRAトップジョッキー] 名前 騎乗数 勝 率 連対率横山典弘 770 0.174 0.308藤田伸二 805 0.151 0.245柴田善臣 804 0.132 0.265福永裕一 811 0.134 0.221数十年に一人の天才といわれる武豊は勝率0.248、連対率0.398とさすがに反則なので除外した(笑)JRA四天王は地方四天王のだいたい1.5倍の勝率、連対率があることがわかる。それでも内田、岩田らの勝率、連対率だけを見れば200人近くいるJRAのジョッキーの中でも5~15位以内のレベルである。五十嵐、石崎でも30位以内には入る。騎乗機会が少なくコースを知り尽くしているという「地の利」がない分を差し引いて考えれば、決して悪い成績ではない。地方笠松からJRAに移籍した安藤勝己がリーディングトップ10の上位であるのは若干特別であるが、岩田、内田らもJRAでトップクラスをはれるだろう。それは限られたエリートジョッキーの話ではないか?では、中堅以下のジョッキーは?男性と交じって健闘する女性ジョッキーは人気はあるが実力はいまひとつ。歴代女性騎手最多勝記録を持つ名古屋の宮下瞳ですらハンデ1kg(平均的に1馬身差に相当するといわれている)をもらって30名足らずの名古屋所属騎手の中で7~8位。ジョッキーは男女で体重差がないのに(むしろ女性が軽量なのに)ハンデとは不公平な感もあるがこれが名古屋の方針。他の競馬場のようにハンデ1kgがなくなればトップ10落ちは確実、おそらく本当に真ん中くらいの中堅ジョッキーというのが実力だろう。「史上最高」の宮下瞳がそうならば、その他の女性ジョッキーはいわずと知れず、JRAでも地方でもリーディングの下位をさまよっている。では、その下位レベル(失礼!)ジョッキーたちが地方とJRAで交流戦を行うと・・・「全日本レディース招待競走(女性騎手招待競走)」という全国から女性ジョッキーが集結する交流戦が行われている。05年の上位3名はすべて地方所属の女性ジョッキーであった。(ちなみに2位はみのり姫こと笹木美典!このブログで紹介済み)ちなみに、JRA所属の牧原は5位、西原は6位であった。牧原は過去の交流戦で優勝、準優勝の経験がそれぞれ1回ずつあるが、今回敗北したのはいずれも自分より経験の浅い若手騎手(20代前半)だけに差は感じられない。現状から言えるのは、たとえ牧原が地方に移籍しても、やはり男性ジョッキーの中、リーディングの下位をさまようであろうということだ。(ただし、牧原は交流戦では宮下瞳より常に上位に来ているが・・・)言い換えれば、JRAに劣らない優秀なジョッキーが恵まれていないのが地方競馬である。Jリーグやプロ野球のようにJRAを1部リーグ、地方を2部リーグと明確に位置付けて交流を図れば、地方の実力上位ジョッキーは実力にみあった賞金が得られる活躍の道が開かれ、希望も向上心も持てる。もちろん強い馬もそう。すなわち、生産農家や調教師も同じくということである。JRAと地方の交流を盛んにする、理想的には融合して一元化することは競馬界全体を活性化する。これは地方財源を確保、国民生活の向上につながる。地方財源はいまや国からの借金に頼っている。それは税金の消費にほかならない。そしてそれが消費税など税金の高騰を招く大きな原因の一つなのだ。およそ競馬に使われる金は「遊興費」である。つまりは「余りのお金」「生活に必要ではないお金」である。余ったお金が血税の換わりに、国を自治体を支える。余ったお金を効率的に動かすように誘導するのは不況脱出の鉄則である。いまは競馬場にお客さんが減り、それ以上に一人当たり賭け金が減少しているのが赤字経営の本質である。お客さんの減少はレジャーの多様化、賭け金の減少は不況がそれぞれ主な原因である。しかし、競馬は歴史ある娯楽スポーツでありゲームである。これから先も永く続く確立された文化であるとすらいえる。不況脱出と農水省(JRA)、自治体の努力が続けられれば、かならず競馬場に人とお金が戻る。そのときに競馬場跡地は駐車場になり、馬産農家も調教師も騎手学校もなかったら・・・?長期ビジョンのない安易な競馬場廃止(すなわち地域の馬産業廃絶)はしてはならない。そして、地方競馬場を運営する自治体の体質も変えなければならない。少なくとも、たった2~5年の短いスパンで異動してしまう、競馬に情愛のない一般職員を競馬場の担当にしてはならない。経済学・経営学に強い職員、獣医師・農業大学卒をはじめとした馬や農家・管理者に強い職員、そして熱意と柔軟な思考に溢れる"競馬バカ"な職員。こういった「適切な」職員を5~10年の中長期スパンで競馬場の管轄に配属し、これまでただ異動の日を待ち、放漫な経営で赤字を膨らませ続けた職員を左遷させて置き換えるべきであろう。地方競馬界の活性化(=地方財政の自立⇒税負担軽減)は馬好きオヤジのためというより、税負担の軽減など国民のための政策と位置付けて議論を進めるべきであろう。
2006/01/17
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最近、回転寿司に行って思ったこと。お客さんの10人中5人(それも男性ばかり)が威勢良く「おあいそお願い!」という。なかには部下だか後輩だかと思われる女性を連れているリーマン風の方も。客→店に「おあいそ(御愛想)」はよくある間違いですが、連れの方がこのことを知っていたら(文学部出身だったりして)と想像すると恥ずかしい。(「先輩ったら思いっきり使い方間違えてるのにあんな元気良く・・・(汗)」)よく言われているように、おあいそは例えば店主がお客さんに「お客様、ご歓談のところ誠に申し訳ございませんがおあいそ頂いてよろしいでしょうか~・・へぇ」のように、店→客に使われるへりくだった言葉。もともとは「お金の話なんてして愛想尽かしでしょうが一つ寛大にお願いしますよ」ってな意味合いだったらしい。私ですか?フツーに「お勘定お願いしまーす!」と板さんに言いましたよ。板さんはよく通る声で「へい!7番さんおあいそお願い!」とレジの店員さんに声をかけてくれました。
2006/01/10
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目新しい記事ではないが、一部マスコミの恐怖報道(混乱しか招かない利己的報道)については常々不快感を覚えていたところである。ただ、私の見解や意見も他人が作った医学・生物学誌や論文にもとづくものであり(一部マスゴミの記事よりは信頼がおけるが…)、私の私見が入っていることをまず断っておく。まず、鳥インフルエンザについては10年以上前から「近い将来、ほぼ確実に発生する」と予言されていた。ウイルス学が進歩したのはここ数十年のことにすぎない。学者たちの大きな興味の一つは「なぜインフルエンザウイルスはこうもコロコロと形を変えてしまうのか?」であった。その原因はウイルスより研究が進んでいた細菌で実証されていた仮説をあてはめることで比較的簡単に解明できた。すなわち「別の動物に感染するときに変異が起こる」というものだ。ものすごく大ざっぱに説明する。・同じ動物、例えばヒト→ヒトに感染したときには変異は起こらないかほとんど変化しない。・違う動物、例えばブタ→ヒトに感染したときには変異が起こりやすく大きく姿を変える。つまり、動物からヒトに「カゼがうつった」ときはキケンであるということだ。さらに、別の動物からカゼをもらった動物(例えばトリ→ブタ)の持っているウイルスはさらにキケンということだ。まとめるとこうなる。数種類の動物とヒトが共存し頻繁に接触するであって、不衛生な空間は、恐ろしいインフルエンザウイルスを生む可能性が高い例えば外国の獣医もいないような畜産農家…(日本の畜産農家にはお抱え獣医がいます)10年以上前から、強力なインフルエンザ発生が予言されていたと先に書いたが、新型ウイルスの発生源が中国南部、福建省や広東省のあたりになるだろうことも学者の間では通説であった。ウソだと思うならどこの大学でもいい、医学部や獣医学部の先生方(微生物学・公衆衛生学)に聞いてみるといい。ある先生は「まったくそのとおりだ」と言うだろうし、ある先生は「そのような説があったことは否定しない」というであろう。しかし、「そのような説は無かった」と否定する先生は一人もいないはずである。中国南部はインフルエンザウイルスが形を変えて生き残るには格好の場所であった。1)渡り鳥が他の国から新しいウイルスを運んできてくれる。2)カモやニワトリにそれらのウイルスが取り込まれる。3)カモのいる池に水を飲みにきたブタやウシにウイルスが感染する。(変異発生)4)カモやブタに直接触れて世話をする農家の人々に変異したウイルスが感染。(ヒト感染)変異といってもヒトには無害な変異もあれば非常に有害な変異もある。問題は後者のような有害な変異がいつ起こるか?それが1980年代後半ごろから「この先10年ほどの間に…」ということであった。疑問1.予言はなぜ「10年前」から唱えられてはじめたのか?1>ウイルス学の発展詳細は医学誌に譲るが、ウイルス学の発展には顕微鏡の技術の発展が急務であった。電子顕微鏡はウイルス学の発展に大きく寄与した。2>シミュレーション技術感染症の発生や広がりを予測するにはシミュレーションが必要だが、それにはコンピューターの発展と普及を待たなければならなかった。3>香港かぜと中国1960年台末、香港かぜといわれる世界的インフルエンザ大流行が起こった。その当時から香港政府は中国から輸入されるトリが原因ではないかと疑っていた。そして、97年、再びトリからではないかと疑われる致死的なインフルエンザが流行の兆しをみせた。そのとき香港政府が取った対応は「中国からのトリ輸入停止」。この対策は見事に効を奏し、インフルエンザは急速に収束した。もはや通説となっていた学者達の認識が確信に変わった瞬間であった。疑問2.現地の農民はなぜ大丈夫なのか?1>ウイルス慣れ?農民は常に家畜とウイルスに接触している。そのたびに、体の中で免疫反応が起き、新しいウイルスに対する抗体が作られる。抗体は新しいウイルスの形が少ししか違わなければ有効である。少し変わったウイルス→前のタイプの抗体が有効→その間に新しい抗体が作られる→ウイルス制圧しかし、大きく形が変わったウイルスに古い抗体は無効である。つまり、現地の人はウイルス慣れしているが、海外の人にそのウイルスが感染した場合は無防備であるという仮説が成り立つ。2>実際には多数の人が亡くなっているとはいえ、どのくらい変異するのか、毒性がどのように変わるのかは一定ではない。実際には多くの現地民が亡くなっているのが現実であろう。これは最近の新聞報道のとおりである。しかし、はたして中国南部のインフルエンザ死亡率がどの程度か?他地区と比べて高いのか?正確な数字は私が調べた限りないか、信頼できる数値(例えばWHOなど第三者機関が調査したもの)ではないかどちらかである。疑問3.中国政府は対応しないのか?1>SARS発生時の中国政府対応誤解があってはいけないので事実だけを言う。中国はSARS発生の際、情報操作を行い発生を隠蔽しようとしたというジャーナリストや亡命者が多数いる。中国には言論の自由はない、不適切な言論は政府の判断で制限される。また、中国政府によるSARS隠蔽工作を内部告発しようとした医学者が「中国政府」を名乗る者に拉致され行方不明になっている。2>香港への中国政府の抗議97年、香港政府がインフルエンザ対策として、中国からのトリ類輸入を禁止しようとしたとき、中国政府は猛烈な反対をし圧力をかけてきた。国家としては「アリ」だろう。香港のインフルエンザは消滅した。99年、再び香港でインフルエンザ流行のきざしがあり、原因を中国のトリと判断した香港政府が輸入禁止措置を取ろうとしたとき、またも中国は猛烈な抗議を行い輸入を継続するよう強要した。その理由は「科学的根拠がない」とのことであった。疑問4.日本の対応は? (最大の疑問)1>日本政府の弱腰外交これにつきる。SARS、トリインフルエンが海外から持ち込まれた可能性を認めつつ、輸入禁止措置や渡航制限をなかなかかけない。相手国の利益を損なうことに慎重なのである。自国の損失を想定し、断固たる対応は取れないのか?少なくとも現状では取りようがないであろう。なぜなら2>感染症対策システムがない次に、では渡航制限や輸入禁止措置が必要だったとしよう。誰が?どこのお役所が号令をかけるのか?常識的に考えれば、厚労省、農水省、外務省が総理に進言し、日本国として制限を発動するということになる。しかし、日本には米CDCのような感染症防止や制圧のための機関は存在しない。感染症法のどこを見てもそのような機関についての文言は無い。するとどうなるか?舵取りの座に座らされないよう(責任を取らされないよう)厚労省、農水省、外務省、その他がなすり合いをはじめる。実際、BSE問題で米国牛の輸入制限が遅れに遅れたのは、そのようななすり合いが起こったからであることは周知。3>現場(地方)が動けない政府がリーダーシップを取らず、保健所など地方は動けない。東京など小国家のような一部の地方自治体以外は、ただ国から「インフルエンザ対策を取れ」とだけ命令されても拠り所となる金も人も法律すら準備されていない。このような感染症を甘く見ている国はG8で日本国だけである。結核患者が再び増えつつあるのもG8で日本国だけである。隣の韓国で毎年狂犬病で人が死んでいるのに、著名な医師が新聞に「狂犬病予防接種はムダ」とわざわざ投稿する国である。結論:弱腰外交とシステム不備がこの国をトリインフルエンザをはじめ、感染症の危機に陥れている。「自分の身は自分で守る」これは大原則かもしれないが、社会的弱者は?偏った情報しか知らず無知な人々は?町役場に抗議の電話をしてもほとんど意味が無い。保健所や保健センターですら、素人に毛が生えた程度の医学的知識しかない職員がいるだけである。そこには医師はいないか1人しかいない。なにせ、地方の保健所には医師はもとより、医師に次ぐ高度医療職である薬剤師・獣医師すら定着しない。事務職や業務職の給与は一般に民間より高いが、医療専門職の給与は民間より安すぎるからである。また、保健職員の多数を占める保健師は医師の補助職であるため、主体にはなりえず、高度な知識や能力を得るような医学教育をそもそも受けていない。実際、法的にも医師や薬剤師のような業務独占権はない。(保健センターの健康相談は保健師の独占業務ではない。法的には事務職だろうが誰でもよい。)彼らに期待されるのは住民とのパイプであり、医師のよき補助である。このように、医師が日本医師会の助力で国に進言するならともかく、無難にお役所勤めをしたい事務職が事実上仕切る地方から国への発言など効果がないし、そもそもやらないだろう。現実にわれわれ国民が動かすべきはもっと全体的な国のシステムであろう。だれでもできて、しかも簡単な方法としては、世論を高め、国に伝えるということがある。ブログを持たなくても感染症に対して問題意識をもち、できればビジョンを持っている議員を選挙で勝たせれば良い。感染症対策のために選挙に行こう!という結論は「?」な感じがするかもしれないが、国を動かすもっとも有効な手段は選挙なのである。衆参議院戦で40%を切る投票率が70%になればガラリ国が変わる。議員も大臣も国民の顔色をしっかり見るようになる。議員はマニュフェストとして議会で発言する、そうすれば政治が動く。選挙権は成人であれば誰でも持っている。一人の投票にたしかにさほど影響力はない。当然だ。1億国民の1人にすぎないのだから。そうではなくて、国民全体が無力感にあまりにも囚われすぎているということが問題なのである。職場で学校でスーパーでスポーツクラブで「仕事あるんで期日前投票に行って来たよ」などという簡単なおしゃべりがあれば投票率は確実に動く。もちろん、どの党や誰に投票したなんて話題は一切必要ない。投票を当たり前の位置に戻すことで国が健全になるのだから。「そんなことしてもねぇ…」と、知った顔で言いたい人には言わせておけばいい。消極的に政治に意思表示をしない人間は、政治に参加することも議論することも無く、ただ規則や仕組みに縛られるだけの生活を積極的に選んでいるのだから。インフルエンザの件で言えば、ずさんすぎる感染症防止対策にも、備蓄が足りないワクチンや治療薬にも、高すぎる医療費についても、いっさい何も申しません。みなさんでお決めになったとおりで結構でございます・・・と言ってるようなものだ。「自分の一票なんて」と、消極的に選挙権を放棄することは「もったいない」というよりは「危険」なことだと思う。教育や社会によるスポイル(ダメ化計画)がうまくいったということなのだろうか。最低限の約束ごとを守れない身勝手な人間はもっとも危険であるが、自分の意見を持てない言えない人間はもっとも利用しやすいのだから、一部のエリートや特権階級、上層部と呼ばれる人間層にとってはこれほどいい世界はない。これだから弱者と強者の格差は広がる一方なのだろう。「これからは一太刀いれる、そのくらいの気分で選挙会場に行こう」という人が一人現れてくれればこんな長ったらしい文章を久しぶりに書いた価値があるというものだ。ふぅ・・・
2006/01/07
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インクジェット式のカラープリンタは発売から20年が経とうとしているが、いまだ目詰まり(特にEPSON、HP)しやすく問題である。かく言う私も十数年前からEPSON、HP、CANON、沖、富士通と各種メーカーの機種を一通り試したたが、インク詰まりと無縁だった機種ははっきり言って皆無だった。しかも、ヘッドクリーニングを一度やると、残量の数パーセントという大量のインクが浪費される。本体の価格低下で、インクで稼がなければならないとはいえ、あまりの搾取システムだ。今回はしつこい目詰まりに、普通の人でも対処できる簡単で確実な方法を紹介したい。□ 予防☆プリンタの電源を本体スイッチではなく電源タップ側で切っている・・・意外に知られていないが、本体スイッチで電源を切ると、プリンタヘッドがきちんと保管位置(乾燥しない)に収まるのに、電源タップでCRTやスキャナと一緒に電源を切ろうとすると、プリンタはヘッドを露出したままになるのですぐに乾燥してしまう。プリンタのオン・オフは本体で。電源もタップとは別にしたほうがよいかもしれない。☆その他・プリンタを使用する頻度が極端に少ない。・・・最低1週間に1回くらいは印刷したほうが良い。・プリンタにカバーをかけていない。・・・ホコリがヘッドに付着しやすくなる。・給紙トレイに用紙が長時間のったままになっている。・・・用紙にのったホコリがそのままヘッドに付着してしまう。□ 対策~エタノールカートリッジクリーニングを2~5回しても解消されないしつこい詰まりの場合に効果てきめんなのがエタノールカートリッジ。プリンタを分解してヘッドを取り出し、エタノールで漬け洗いする方法が有名だが、分解は素人には困難。プリンタ自体を破壊するおそれもある。分解せずにクリーニングするにはインクカートリッジ内にエタノールを注入する方法が有効。※注意:エタノールは樹脂成分を少々劣化させる性質がある。自己責任でどうぞ。□用意するもの・無水エタノール(無水アルコール)=99%エチルアルコール・・・薬局薬店で販売されている。消毒用は(使えることは使えるが)乾燥が遅いので注意。消臭用アルコールは間違っても使わないように(笑)・シリンジまたは先の細いスポイト・・・詰め替えインクセットを買って付いてくるシリンジで十分。注射などで使われるシリンジでも良いが「おクスリ」をやる方々の防止に通常単品では売っていないが、通販では詰替インク用のものが100円程度である。詰替インクとセットで購入するといいだろう。・使用済み(カラ)のインクカートリッジ・できれば新品のインクカートリッジもあるとよい・キッチン用手袋(薄いものでも厚手でも良い)・ハイター、ブリーチなど・・・インクがこぼれて汚れた場合に。漂白作用が強いのでインク汚れも消せる。■ エタノールカートリッジ作成手順とクリーニング法1. シリンジ(またはスポイト)にエタノールを吸引する。2. 使用済みカートリッジのインク排出口にシリンジを突っ込む。スポイトの場合は、カートリッジの背面にある穴(直径3~5mmほどの大きめの穴)をとがったもので破る。3.エタノールを注入する。多目のほうが効果的。シリンジだと注入できなくなる手ごたえが分かるときがあるが、空気抜きの穴かインク口からポタポタ漏れ始める程度で十分。4.エタノールを丁寧にふき取る。少し次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ブリーチ)で湿らせておくとインクの色が取れる。背面の穴をあけた場合セロハンテープでしっかり塞ぐ。⇒ エタノールカートリッジ完成!5.通常のカートリッジ交換法でエタノールカートリッジを装着する。※一部エプソン機の場合インクがカラにならないと交換できない。この場合、排紙口からヘッド方向を覗くと白いプラスチックの棒状のものが下に伸びているのが見える。それを割り箸のような細長いもので右方向に押し倒すと、ヘッドが自由に手で動くようになり、エタノール入りカートリッジと交換できる。6.ヘッドクリーニングを実施する。効果はてきめんで通常1回で詰まりが解消する。よほどしつこい詰まりでもほとんど2、3回で開通する。7.エタ・カートリッジを外し、ヘッド乾燥のために半日ほど置き、通常の手順で元の(できれば新品の)インク・カートリッジをセットする。8.エタノールカートリッジは、乾燥を防ぐため、インク口と空気穴をセロハンテープで塞ぎ、ジップロックなどに入れて冷蔵庫に保管しておくとまた使える。9.EPSON機などでICチップでインク残量を管理しているため、エタノールカートリッジや中古カートリッジを使いにくい場合はICチップリセッターを使うと良い。□ その他費用は2000~2500円程度とカラーインク1個ほどの値段だが、エタノールカートリッジとこれがあれば、目詰まりが簡単に解消できるため、次からは詰め替えインクを活用できるようになる。Yahoo!オークションでも型落ちプリンタのリセッターが大量に出品されており、送料込みでも1000円程度で入手できる。ほとんどのものが数十回は使える残量がある。この方法だと、インクメーカーによるが3~5回の詰め替えで元が取れる。私は1つのカートリッジで10回の詰め替えを行ったことがあるが、印字精度が徐々に落ちてくるので詰替は3~5回がいいだろうか。キャノンのプリンターの基盤を販売している友人が言っていたが、メーカー的にはカートリッジで儲けなくても本体と専用紙、カートリッジ販売で十分に採算はとれるそう。そもそも一番の大口客である企業や官公庁ではエタノールカートリッジや詰替インクは絶対使わないし、新品インクが飛ぶように売れるらしい。ちなみに一体型カラーインクだと、一番消費される黄色が切れた段階でまるまる替えてもらえるので実はかなりのインクロス(ただ、メーカーにとっては超おいしい)となる。実はこのエタノールカートリッジの作り方は彼に教わった。さすがはプロ!ただし、家電量販店ではEPSON、Canonの詰め替えインクばかり、しかも比較的最近の機種のインクしか置いていない。旧型プリンタの詰め替えインク、Brotherブラザー、Lexmarkレックスマーク、HPヒューレットパッカードなど、2大メーカー以外のプリンタの詰め替えインクなら、種類の豊富さと価格で通販のe-問屋がおすすめだ。何度でも詰替できる半永久インクカートリッジチップリセッター付きALLセットシリンジ不要の直接型補充インク(各社対応)
2005/10/04
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今年の競馬はJRAのディープインパクトが席巻しているが、地方競馬にも話題性で負けない騎手が現れた。その名も 笹木 美典(みのり)。昭和57年生まれの23歳。157cm・46kg。地元ではホッカイドウ競馬のアイドル「みのり姫」の愛称で親しまれている。カラオケでは浜崎あゆみが得意、109にフツーにいそうなギャルっぽさから「騎乗する若槻千夏」との異名を取る。女性ジョッキーといえば、JRA初の女性ジョッキー&看板娘である牧原由貴子、日本女性ジョッキー史上最高との呼び声高い宮下瞳がいるが、両者ともすでに20代も後半(宮下は04年結婚した)。"猛烈マクリ娘"西原玲奈も実力はあるものの、やはりなかなか鞍に恵まれない。お嬢様系の牧原由貴子、気の強そうな宮下瞳、薄めの顔立ちの西原玲奈。みな熱心なファンを集めるグッドルッキングではあるが、グラビアしてもいけそうな笹木美典のルックスは別格。正直、笹木美典に関しては、騎乗成績はそこそこでよいので、メディア露出を増やして欲しい。この3人は中央でがんばって欲しい。
2005/09/23
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今回の台風14号は未曾有の被害を引き起こした。沖縄とならんで台風に強い県、宮崎、鹿児島ですら大ダメージを被り、本州を横断。全国で数十名の死者を出している。(行方不明者多数で9/22現在未確定)さらには、南九州を中心として床上浸水ならぬ「天井浸水」による被害が多発。東京の年間降水量(1500mm)の約2/3にあたる1000mmもの雨がわずか2日たらずの間に集中したのだからたまらない。家、車はもちろん、電化製品、家財道具など多くの財産が粗大ごみと化した。宮崎市ではなんと2つあるうちの1つの浄水場が「水没」し、断水・給水制限状態が続いている。粗大ごみの回収・清掃、飲料水配布などは公務員、ボランティアによって行われている。しかし、公務員の数は少なく、残暑厳しい日中は「徒歩」で、断水地域にペットボトルの配布がてらひとり暮らし老人に声掛けをし、夕方帰って文書を処理するため、肉体労働と深夜残業のダブルパンチで疲労しきっているという。一方、ボランティアは特に南九州は交通アクセスの悪さもあって県外からの人手は期待できず、同じ被災者である同県民が助け合っているが、交通網もマヒしているため、これも十分というにはほど遠い。特に破損した家屋の応急処置や粗大ごみの搬出を行える建築・土木関係ボランティアの絶対数が足らず、関係者を悩ませている。国も異例の被災者生活再建支援法を適用することを決めたが、最大でも100万円程度の救済では家の一部しか補修できない。さらに、今回のような浸水被害を同法は「想定していない」ため、浸水損失は補償されないのである。悪いことに、この台風が総選挙とその後の国会の話題にかき消され、通常よりボランティアや義援金が集まりにくいことも被害の長期化を招いている。世界的な環境問題や貧困問題はもちろん重要である。しかし、まずは隣人から、と思うのは私だけだろうか?鹿児島県 義援金・ボランティア宮崎県 義援金・ボランティア日赤 台風14号義援金 、 NHK 台風14号義援金地域福祉・ボランティア 情報ネットワーク(台風14号関連)救済されない支援制度 被災民、市の説明に落胆
2005/09/22
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子供の貧困救済を謳った「ホワイトバンド プロジェクト」が世界のNGOを中心に展開を見せている。藤原紀香や北島、中田らスポーツ選手が出演するTVCMをご覧になった方もいるだろう。しかし、どうもこの運動、手放しで歓迎できない側面も疑わせる。一番の問題点はオフィシャルなホワイトバンド(白いリストバンド)の売上金が、ショップ販売をするためばらつきがあるなど、その原価と利差が発生したり、募金活動ではないため使途が不透明であることである。また、参加NGOの中にはゆきすぎた活動が問題になっていたり、会計透明性が疑わしいことが指摘されている団体があることも事実である。このことをして「世界規模の募金詐欺」と考える評者もおり、透明性の確保がこの運動と参加団体の成功のカギであろう。しかし、そもそもホワイトバンド運動は「貧困をなくそう」という意味の意志提示活動であり、オフィシャルバンドは便宜的に作成されたものにすぎない。オフィシャルHPでも明記されているように、「白い腕輪」を身につけることに意義がある。ヒモでも輪ゴムでも手芸品でもなんでもよいそうだ。自らの意志で透明性の高い活動として参加したいのであれば「白い腕輪」は自作であることがむしろ望ましいのかもしれない。理念自体は賛同できるし、参加する価値はあるプロジェクトではあると思う。
2005/09/22
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