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川端康成にタンポポという短編があったと思う。たしか最期の作品だったような記憶がある。対面した人の顔が見えない。人の顔が見えない。そんな症状で、療養所に入っている若い女性が主人公だった気がする。古本屋で川端康成読本という雑誌を買って一度読んだだけなのでうろ覚えだけれど、小説は完成していなかったようだ。川端の死によって中断されたままだった気がする。この作品は一番の駄作だと思う。思いついたアイデアだけでストーリーを構成している気がして、老いの衰えと作品に対する投げやりな姿勢が伺えた。けれど、川端康成の最高傑作は雪国だと思うし、それは日本の小説の中でも特に僕の好きな作品の一つだ。この生命どこへ達して終わるのだろう冬の星座を眺めて思う
2011/01/29
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車を停車させているとき、工事現場の槌音が響いて来た。どんどんという響きは内蔵にまで響いてくる。そのとき、ふと、トカトントン、という太宰治の小説を思い出した。何か真剣な真面目なことをしているとき、ふと、頭の中で、トカトントンという音が聞こえる。すると、その真剣なことが、不意に馬鹿らしく、意味のないものに思えてくる。というような小説だったと思う。僕も時々そのような気持ちがわいてくることもある。槌の音の響く冬日の朝にはもの思うこともむなしく聞こゆ
2011/01/15
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