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2011.05.31
東日本大震災の発生から間もない3月14日夜。日経225オプション市場で異変が起きた。日経225株価の同日終値(9620円)を大幅に下回る権利行使価格である7500円や8500円のプット(売る権利)の価格が突如として上昇。この値動きに呼応して、売りポジションを持つ投資家による反対売買が加速し、価格はみるみるうちに急騰した。端緒は午後8時43分ごろ、権利行使価格8500円のプットで起きた。直前まで200円台だったオプション価格が一気に970円にまで跳ね上がった。この時、同じく夜間取引が行われていた日経225先物は9320~9330円でほとんど値動きがなく、本来ならプットの価格が急上昇することは想定しにくい。だが、ここでオプション市場に生じていたのは、8500円という時価より安い価格で売る権利が、時価より高い1万円で売る権利よりも高くなる異常事態だった。こうした価格形成は長続きするはずもなく、実際、間もなく8500円のプットの価格は元の水準に戻ったが影響は権利行使価格が7500円や7000円のプットなどにも広がった。
2011.05.31
市場関係者の声から推察すると、時価から乖離(かいり)した銘柄への注文だけに 一部には誤発注ではないかとの指摘もあるが最初は取り立てて大きな注文が入ったわけではないようだ。個別株が取引されていない夜間取引では日経225オプションの商いは薄くなりがち。とりわけ7500円や8500円といった行使価格の低いプットであれば待機している指し値の売買注文も少ないため、少額の買い注文でも値段が上昇しやすく、注文の規模以上に相場に影響が出やすい面がある。 そうした価格変動に弾みをつけたと指摘されているのが松井証券が2月に導入したロスカット口座だ。この口座は1分おき程度の頻度で市場価格を参照して先物やオプションの持ち高の評価額を算出している。評価額が減少し、あらかじめ定められた必要証拠金を満たせなくなった場合は持ち高が反対売買によって強制的にロスカットされるというルールだ。市場でついた価格であれば、理論上は説明がつきにくい価格でもルールに基づいて反対売買は淡々と執行される市場では「最初の買い注文は誤発注だったかもしれないがその価格上昇によって雪崩のようにロスカットを巻き込んでいった可能性がある」(国内証券)との見方も出ている。 この口座でオプションを取引していた横浜市のAさんは反対売買が発動し、保有していたプットの売りポジションが高値で次々と買い戻されていた。「一度、ロスカットルールが発動すると何をどうしても注文を取り消すことはできなかった」といい数分のうちに損失は1億円超に達してしまった。Aさんは「8500円のプットの価格が1万円のプットの価格を上回るという理論上ありえない価格を異常値としてはじくことができなかったのは証券会社のシステム不備。口座勧誘時にもこうしたリスクの説明はなされなかった」として4月下旬、松井を相手に訴訟に踏み切った。松井は市場で売りと買いがマッチした価格をもとに契約に従って反対売買を発動した。むしろ、裁量で「異常値」として認識し、反対売買を取りやめる方が証券取引の仲介者として問題となりうるという面もある。個人投資家のオプション取引 大阪証券取引所によると
2011.05.31
3月14日にオプション市場で起きた「想定外」の事態。市場関係者の間では「今回のような異常値は証券取引所が約定を取り消すという対応も選択肢としてあったのではないか」との見方も出ている。想起されるのが昨年5月6日にニューヨーク市場で起こった「フラッシュ・クラッシュ」だ。ダウ工業株30種平均が突如急落し、一時1000ドル近く下げたこの事件。原因は究明されていないが、株価指数先物への誤発注をきっかけに高速度の電子取引により様々な裁定が働き、株価が急落したものとみられている。米ニューヨーク証券取引所などは価格が60%以上変動した取引を無効とするなどの異例の措置で対応した。 日経225オプションを上場している大阪証券取引所の規定では「過誤のある注文により取引が成立した場合においてその決済が極めて困難であり、本所(大証)の市場が混乱するおそれがあると認めるときは,本所が定める取引を取り消すことができる」としている。だが、「過誤のある注文」「決済が極めて困難」に数値などの明確な基準を設けることは難しい。「サーキットブレーカーなどの措置で誤発注などによる市場の混乱を防ぐ仕組みはある程度用意しているがむやみに規制を強めすぎてしまうと自由な取引に支障をきたす」(大証)という側面もある。 こうした状況を踏まえ、大証はネット証券各社と共同で、ワーキング・グループを設置。個人投資家のオプション取引での損失の原因を検証し、改善策の検討に入った。6月末までに議論をまとめ、必要な改善策は実施していく構えだ。 ハイ・フリークエンシー・トレーディング(HFT、超高速・高頻度取引)や金融工学に基づいたロスカットルールの仕組みは金融市場の効率性や流動性を高める上で重要ではある。だが、プログラムにまかせきるとなんらかのショックが起こったときに、事前に想定していなかったかたちでプログラムが「暴走」するリスクもある。今回の事件は効率性がもたらす副作用を投資家のみならず証券会社、証券取引所にも改めて突きつけている。
2011.05.31
2011.05.29
2011.05.28
2011.05.28
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2011.05.28
2011.05.28
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2011.05.27
2011.05.27
2011.05.21
2011.05.21
2011.05.21
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