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最近は庭いじりばかりやっている。親が作った庭だが、ほとんど手入れもせず放置していたので、目隠しとして植えた杉の根っこがやたら猛威を振るって地面を凸凹にし、庭石を押し上げ、縦横に地下に値を張り巡らせている状態、これを何とかしようと日々格闘しているのだが、つくづく思い知らされるのは、木と言う植物の物理的才能である。水のある方に根っこの先端は伸びていき、やがてそれは排水管の継ぎ目から侵入して管内にびっしり張り付き、中で繁殖して一種のスポンジ状になっている。水脈を辿るわけでもないから、水音でも聞きつける聴覚か水の香りをかぎ分ける嗅覚でも持っておるのだろうか。
最近言った温泉の近くに大きな杉があり、神木としてまつられているのだが、その根は昔築かれた砂防ダムとしての石垣にがっちり食い込み、それをXY方向の基礎のベース(専門用語ではフーチンと呼ぶ)に見立てて支柱として垂直に伸びているのだ。地盤調査の専門家が良く言うのは、地盤の耐力(どのぐらいの荷重を支えられるか)はその付近の木の高さを見れば見当がつくそうだ。高ければ地盤は強固、低ければヤバいということになる。一般に海岸に近いと地耐力は下がり、山間部に近づくと上がるようだ。と言うことは、樹木もまた物理学の基礎ぐらいは知っているようで、これ以上伸びるにはベクトルを分解して水平方向に何m必要かを計算するのだろう。根っこが伸びる時の土壌の硬度も計算しているのだろう。常に倒れないように最小限の根っこの長さと深さを絶えず計算してバランスしているのだろう。プレデターのように完全に透明になる物体は自然界にはないので、虫や鳥はこれで多大な損害を被っている。ガラスに衝突して死んでしまう鳥、ガラス窓があるのを知らずにその前に巣を張ってしまう蜘蛛など、生物は正直なのだ。
閑話休題
木をいじっていると、時々得も言われぬ薫りが立ち上る時がある。庭の殺風景な光景はたちどころに高級デパートのコスメ売り場の周辺と化す。化粧品の大部分は植物から成分を取り出し、それを化学的に合成して香りのデザイナーが調合するらしい。デパートの入り口でオーデコロンの新作ですとか言ってサンプルをくれる時があるが、まあ人間とはいろいろなことをするものだ。
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