森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.01.10
XML
集談会で連絡係りを引き受けている。
集談会の内容や開催場所、参加者の人数などを教えてあげる係りである。

ところが神経症で今まさに苦しんでいる人で、自分の悩みを相談してくる人がいる。
それも時間無制限で、何度も、気が向いたらすぐに電話してくる人もいる。
私が当初苦しみのさなかにあった時は、藁でもつかみたい気持ちだったので、
その気持ちはよく分かる。そこでなるべく私の経験の範囲で話してあげるようにしている。
ところがそういう状態が、日常化すると大変なことになる。

まず自分の生活が乱れてくる。家族にも迷惑がかかる。また電話をかけてくる人は、
同じ内容の話を繰り返されるので、返答のしようがなくなるのです。
終いには、自分が苦痛になるのです。

その態度はそのうち相手にも伝わります。相手は何度も電話をしているうちに、
応対してくれるのが当たり前という気持ちになっています。

それなのに冷たいような態度をとった。自分を拒否した。無視した。否定した。
というようにとられるのです。
これは友人や会社でのクレーム処理や同僚との人間関係の中でも発生することがあります。

森田理論ではこの問題をどう考えるのか。私は自分の苦痛を我慢して相談に乗るふりを
することは苦しみを増すばかりだと思います。
最後になって爆発することになるかもしれません。
優先することは、いまイライラしているという感情を大切にすることだと思います。
その気持ちを相手に伝えることです。

「今、他にしなければならないことがあるので、日を改めて電話してもらえませんか」
「いまイライラして考えがまとまらないんです。冷静になりたいので一旦電話を切らせ
てもらってもいいですか」
「仕事中なので、家に帰って相談に乗りますので夜の9時に電話してもらえますか」
「電話は苦手なので、メールをお願いしてもいいですか。」

また電話がかかってきたら、「今なら30分だけは時間が取れます。30分経ったら、
また別の日にしていただいてもよろしいですか。」とあらかじめ時間をくぎる。

とにかくだらだらと対応していると、自分も苦痛になるし、相手も自分の対応に
不信感を持ちます。最初が肝心です。

まだ相談に乗るかどうかわからない時に、自分の対応のスタンスを相手に伝えておくと
いうことが大切だと思います。
小さいうちに自分の気持ちやスタンスを相手に伝えておくことです。

私は以前有名な先生に講話をお願いしたことがある。
以前私に患者の相談に乗るように依頼があったので、融通がきくと思っていた。
ところがその先生が言われるには、講話を引き受けるには条件が3つあるといわれる。

一つは、聴衆を100名以上集める。
二つは、交通費は全額支払う。
三つ目は、講師料は5万円以上支払う。

二つ目を除いてハードルが高すぎて実現できなかった。
その時は腹が立ったが、それぐらい自分の気持ちを伝えたほうが、自分が納得して
引き受けられるかもしれないと思った。
とにかく、少々相手が気分を害しても、まずは自分の気持ちを優先したほうがよい。
気の進まない講話は断るに限ると思う。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.01.10 20:52:04
コメント(0) | コメントを書く
[自分中心の生き方 他人中心の生き方] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

森田生涯

森田生涯

Calendar

Comments

森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
軸受国富論@ Re:森田の正道を歩むとはどういうことか(06/05) かの有名なドクターDXの理論ですね。ほか…

© Rakuten Group, Inc.

Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: