森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.01.13
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こうしてみると、認識の誤りは、すべて頭の中で思考していることです。
またその思考方法は次のような特徴があります。
物事をよく見ていない。具体的でない。先入観が強すぎる。思い過ごしである。
否定的である。極端である。飛躍しすぎである。抽象的である。調和に欠ける。
自分勝手である。などです。

このことを考える前に、よく理解する必要があることがあります。
それは森田理論の中に出てくる、「純な心」です。事件や物事に遭遇した時、
とっさに感じる感情のことです。最初に感じる感情。直感や初一念といいます。

認知行動療法でいう「認知の誤り」というのは、そのことではありません。
森田理論でいうと、初二念、初三念といわれるものです。
初一念はすぐに忘却の彼方に飛び去って、すぐに初二念などが出てきますが、
これが感情だと思っているのです。正確にはこれを認知と言っているわけです。

つまり認知行動療法では、頭の中で過去の経験を加味して、解釈する考えには
「認知の誤り」があるといっているのです。

そういう意味では、森田理論でも認識の誤りは、よく理論学習の中で出てきますので
間違いではありません。そういう認識の誤りはよく自覚する必要があります。
そして普通の人のように、考え方のゆがみを修正していく必要があります。

しかし森田理論は、「認知の誤り」の学習よりももっと重要なことがありますよと
言っているのです。ここが最も肝心なところです。

それが「純な心」の生活態度を身につけるということです。
そういう意味では、私たちの行動は、常に直感、第一に感じる感情から出発する。
その後に発生する、頭で考えた認識の誤りにあたることは、基本的に無視するという
生活態度になることができればよいということになります。

現実には好き嫌い、快不快から出発して、その時、その場に合わせて行動を調整しな
がら生活するということです。

この考えのもとには、認知行動療法は、不安は生活や生き方に悪影響を起こしている
憎き相手だから取り去るべきものであるという視点が見え見えです。

森田理論では不安は人間にとってなくてはならないもの。親友のようなもの。
不安を取り去ろうとする限り、事態はより深刻になっていく。

不安に学び、不安を活用して、生の欲望の発揮に向かって進んでゆきましょう。
そういう人間賛歌の理論なのです。





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Last updated  2014.01.13 08:30:51
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