森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.06.05
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カテゴリ: 認識の誤り
フロイトは心の領域を意識、前意識、無意識の3つに分けている。
これを氷山に例えている。意識は海面に浮いている。
前意識は海面に浮いたり、沈んだりしている。無意識は完全に海面下に沈んでいる。

意識は本人が、頭の中でいろいろと検討している知覚、思考、意思などである。
前意識とは、普段は意識されていないが、注意を向ければ、抵抗を受けずに容易に意識化できる部分である。思いだそうとすればすぐに思い出せるような記憶である。
無意識とは意識しようとしても意識されないものである。
でもこの無意識は、その人のものの考え方や行動の仕方にとても大きな影響力を持っているものです。
フロイトは不快で意識するのに耐えられない感情は、無意識の中に閉じ込められていると考えている。
この無意識は、欲望が発生したときや、困難な状況に出会った時に自然に出てくると考えている。

次にユングはこの無意識を2つに分けている。個人的無意識と普遍的無意識である。
この個人的無意識は思い出そうとしても意識に浮かびあがってこない願望や感情などがある。
それは個人の性格、資質などと深い関係がある。
一方普遍的無意識とは人類が共通して持っている無意識のことである。
または成長過程での両親、学校、社会の教育によって形作られるものと考えている。。

この無意識はその人の体質のようなものだ。
無意識が問題になるのは悲観的、ネガティブ、マイナス思考に陥っている場合である。
森田でいう認識の誤り、認知行動療法でいう認知の誤りの部分であろう。
人間は不快、不安、不満な状態に陥った時、それを解消するために様々な意識活動をする。
代償、抑圧、投射、転移、昇華、反動形成、否認、同一視、合理化、逃避、補償、知性化、白昼夢、攻撃機制などがあるという。これらは心理学で説明されている内容だ。
それらの行動が葛藤や苦しみを深めていることが多い。

フロイトはこのネガティブでマイナス思考の無意識を意識化すれば、精神的苦痛は取り除くことができると考えている。これが精神分析と呼ばれている手法である。
催眠療法やベッドに横たわって時間をかけて分析が行われる。

これは私たち森田理論学習の立場からいえば、認識の誤りを自覚していくことだと思う。
認知行動療法や論理療法では認知の間違い、認知の偏りを引き出して(いわゆる自動思考)反駁して修正していくということではないかと思う。
これはコラム法を使って行うが、それを集談会などの場で、みんなで行うことが有効である。
認知療法はベックという人が、うつ病患者を観察していて、悲観的、ネガティブ、決めつけ、先入観などに支配されて、事実を捻じ曲げたり、事実を観察しようとしない行動パターンを見つけ出したことから始まっている。神経症に陥っている人は多分にその傾向が強い。
私は神経症に陥っている人は、認知療法は必須であると考えている。
また森田理論学習のプログラムの中に一つの単元として、「認識の誤りとその修正」という単元を設けるべきであると考えている。





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