森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2017.09.09
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カテゴリ: 認識の誤り
以前の森田理論学習のノートを見ていたら、神経質者は幼弱性が強いとあった。
幼弱性は3つある。観念的である、依存的である、自己中心的であるということである。

観念的になると、「かくあるべし」が強く、事実に基づいた柔軟な考え方ができない。
融通性がなく意固地である。また考えているばかりで実行力が伴わない。

次に、依存性の強い人は、自分でやるべきことに自分で手をつけないで人に依存してしまう。
楽に生きているように思えるかもしれないが、やることがなくなって暇を持て余すようになる。
その結果、生きていくことが苦痛になる。人生に対して投げやりな気持ちになってしまう。

次に、自己中心的な人は、気分本位になりやすく、他人を思いやる気持ちがなく、独りよがりな言動が目立つ。また注意や意識が内向化してくる。
例えば、自分だけが身体や心が特別に弱いとか、他人と違って自分には放っておくことができない弱点があるとか、自分だけが外界の刺激に対して、特別に抵抗力が弱いなどと思いこんでしまう。

これらを放置すれば、生きていくことが味気なくなり、人間関係がいつもギクシャクしてくる。
その結果、本来は温かい人間関係の中で暮らしたいにもかかわらず、人と関わりあうこと避けるようになる。また、自分自身も砂を噛みながら生きているようなもので、生きていくこと自体に意義を見いだせなくなる。ですから、この3つの幼弱性は出来るだけ修正していかないと、閉塞状態に陥っていく。

まず「かくあるべし」を少なくするということですが、これは事実や現状を出発点にして物事を考えられる態度を養成していくことです。これは森田理論の核心的な考え方であり、このブログで何度も取り上げているとおりである。

今日は2番目の依存的態度の修正について考えてみたい。
例えば、お金に不自由してないからといって、 3度3度の食事をすべて外食に頼っているとどうなるか。その時々で見れば、煩わしい料理から解放されて、しかもプロの職人が作る美味しい料理を堪能できる。
それは対人恐怖症の人が、人と接触するといつも不愉快な気分にさせられるので、人を避けているようなものである。
逃避した瞬間は、不愉快な気分にならなくてよかったと思える。そんなことを続けていると、他人も自分を避けるようになる。最終的には人間関係がどんどん狭まり、孤立して、南海の無人島に1人で暮らしているような状態になる。
もともと人間は1人で生きていけるようにはできていない。そのような生き方は、本来の人間性に反する生き方であると思う。

共依存という言葉があるが、これは例えば、酒飲みでいつも様々な問題を起こす夫に、 「どうしようもない主人だ」と愚痴をこぼしながらも、いつも寄り添ってかいがいしく世話をやくようなような関係の夫婦のことである。
夫は自分で何をしなくても、すべて妻が解決してくれるので、ぐうたらな生活に甘んじていつまでも自立するということができない。
妻は夫の世話をするということが、唯一最大の生がいになっており、そんな生き方はどこかおかしいという疑問が湧かなくなっている。つまり共依存は、夫婦のどちらにとってもメリットはないのだ。それどころか、 2人してアリ地獄の底に落ちていくようなものである。

森田理論では基本的には、自分の出来る事は自分で手をつける。
特に、日常茶飯事については肝に銘じておく必要がある。
人に依存することなく、自分で丁寧に日常茶飯事に取り組んでいれば、少なくとも神経症に陥ってのたうちまわるという事は避けられる。
森田理論は、安易に人に依存するのではなく、自立して生きていく方向を目指しているのである。
そして自分のできないことだけは、人に甘えて依存してもよいという態度を堅持していく必要がある。
依存させてもらかわりに、自分も何か人に役に立つことをしてお返しをしていかないとバランスが崩れてくる。森田理論はバランスとか調和というを大事にしている。
バランスが崩れてくると、自己の存在自体が揺らいでくるということを忘れてはならない。





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Last updated  2017.09.09 06:30:05
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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