森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2018.05.22
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カテゴリ: 認識の誤り
相田みつをさんの言葉に、 「しあわせはいつもじぶんのこころがきめる」と言うのがある。

森田理論学習をしていて思うことは、人によって物事や出来事に遭遇して受け取り方が大きく違うということを強く感じている。
特に神経質者の場合は、普通の人から見るととるに足らない小さいことを、すぐに自分の一生を左右するような大きな問題にしてしまう。
次に、楽観的に考えることが少なく、取り越し苦労ばかりする。
マイナス思考、ネガティブ思考一辺倒である。
現実、現状、事実を無視して、 「かくあるべし」から出発している。完全主義や完璧主義者である。
事実を受け入れるということが少なく、他人に責任を転嫁したり、自己否定に陥ってしまう。
予期不安が沸き起こってくると、それに翻弄されて目の前の仕事や日常茶飯事が手につかなくなる。
不安や恐怖に対して、しばらく持ちこたえて、耐えたり我慢するという気持ちが薄い。

普通の人は、ミスや失敗があると、すぐに必要な処置をとる。上司や得意先に正直に報告して、すぐに事後処理に走る。気分本位になってミスや失敗をやりくりしたり隠したりしない。
私たちのようにミスや失敗にとらわれて自分を追い込んでいくという事が少ない。
私たちは小さなミスで自分の将来が全てダメになったように拡大してしまうのが得意である。
私たちの注意や意識は、 「ひょっとしてまたミスや失敗をするのではないか」という方面に向かっており、目の前の仕事や物事に向かっていないので、思いがけないところでミスを連発してしまう。
それがますます自己嫌悪につながり、生きること自体が苦痛になってくる。
私達の意識は、うまく行ったときのことは蚊帳の外になっている。
ミスや失敗のことだけが頭の中を占めている。マイナス思考、ネガティブ思考一辺倒なのである。
これではバランスが悪い。両面観で考えると全くバランスがとれていない。
このような人は、「かくあるべし」という理想という視点から、現実、現状、事実を見ているのである。
そして理想とは程遠い現実を見て、批判や否定を繰り返しているのである。
そのような考え方をする人は、生きていくことそのものが苦痛となってしまう。
その反対の考え方をすることができる人は、苦しい時がたくさんあっても、人生そのものが苦痛の塊であるという事はない。

これらは認識の誤りから起きている現象である。
これを打開する方法としては、認知療法、論理療法、森田療法がある。
森田療法では、劣等感的差別化、部分的弱点の絶対視、劣等感的投射、防衛単純化等について学んできました。しかしそれだけでは不十分だと思う。
その他に、認知療法で指摘されていることも学習する必要がある。
全か無かの思考方法、一般化のしすぎ、心のフィルター、良い出来事を悪く考える、結論の飛躍、拡大解釈と過小評価、自分の感情を根拠に決めつける、 「かくあるべし」という思考、レッテル貼り、自分のせいにするなどである。
これらは自分ひとりで学習してもその誤りについてはほとんど理解できない。
集談会のような学習の場で具体例を取り上げて、相互学習が有効である。
認知療法では、まず落ち込みの原因となった出来事を具体的に書き出します。
次に落ち込んだ時に湧き上がってきた感情を書き出します。
そして、学習仲間と一緒になって、その感情について認知の誤りがないかどうかを検討していきます。
森田理論学習では、認知の誤りや認識の誤りはもっと掘り下げて学習する必要があると思う。





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Last updated  2018.05.22 06:41:36
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