森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2019.08.29
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カテゴリ: 認識の誤り
目を正面の一点を見える状態にしてボールペンなどを視野の端から徐々に中央へ動かしていくと、あるところで急にボールペンが見えなくなってしまいます。これは盲点といわれています。

これと同じように、人間の場合は、先入観や決めつけで凝り固まっていると、「視野狭窄」という現象が現れます。「かくあるべし」思考の強い人が陥りやすい現象です。
見たいものだけを恣意的に見ようとする。見たくないものは無意識的に排除してしまう。
これでは客観的で妥当性のある見方ができなくなります。
それを自分や他人に押し付けてしまうので、変な人、融通の利かない人、包容力のない人になってしまうのです。ですから森田でいう両面観の考え方、見方を身につける必要があるのです。

例えば、大都会に住むことが一番だと思っている人は、都会のいいところばかりに意識が向いています。
交通の便がよい。車がなくても生活できる。文化的施設などがたくさんある。お店がたくさんある。美味しい店が多い。刺激が多い。人が多くて活気がある。スズメバチ、イノシシ、蛇などがいない。
隣近所との共同作業に出なくてもよい。葬儀の手伝いをしなくてもよい。
そういう人は都会に就職して、都会に家を持ち、都会で子育てをするようになります。

すると、水がまずい、毎日たくさんのお金がかかる。そのためあくせく働く必要がある。
アスファルトやコンクリートばかりで緑が少ない。日常的に自然に接する機会がない。
家が狭い、家賃が高い、子供を自由にのびのびと育てられない。
ごちゃごちゃとして息が詰まりそうだ。アクシデントに遭遇する危険性が高い。
人間関係が煩わしいなどと言ったことは取り立てて問題視しなくなります。
「それが何か問題でもあるの」などと言います。

反対に、田舎暮らしが一番だという考え方を持っている人は違います。
自然が豊かで心が癒される。野菜つくりができる。花のある暮らしができる。犬や猫を飼える。
庭つくりを楽しむことができる。池を作って鯉を飼える。工芸、加工食品が作れる。
自然相手の楽しみが四季折々に楽しめる。ゆったりと時間が流れる気がする。
自給生活が楽しめる。自然の中で子供をのびのびと育てられる。水がおいしい、空気がおいしい。

そんな人にスーパーやコンビニや外食に行くのに車が必要だ。
夜になるとあたりが真っ暗で心細くなる。
よい病院もない。図書館もない。映画も見れない。刺激がなくてつまらないでしょう。
スズメバチが巣を作る。蜘蛛がいる。虫が多い。雑草だらけになる。
蛇がいる。イノシシや熊が出てもいいの。
などと指摘しても、「それがどうした」「問題はない」などと一蹴される。

つまりどういう考え方をとっているかによって、物の見方が片寄ってしまうということなのです。
自分の信念に沿って都合のよい情報だけを収集するようになってしまうのです。
そして都合の悪い情報は、無意識のうちにシャットアウトしてしまうのです。
プラスの面とマイナスの面をまんべんなく見つめて、客観的で妥当性のある見方はしたくでもできないのが普通の人間なのです。
森田理論では、両面観、多面観のものの見方をお勧めしています。
これはできないこともないのですが、一人では大変難しい。
学習仲間の意見を聞いてみることで修正できます。
ここに集団学習の意味があります。





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Last updated  2019.08.29 06:30:07
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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