森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2020.04.11
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対人恐怖症の人に限らず、他人とは対立したくない。
犬猿の仲、けんか腰の人間関係にはなりたくない。
他人とは基本的には和気あいあいと楽しく付き合いたい。
暖かい思いやりのある人間関係の中で、みんなと一緒に人生を楽しみたいと思っています。
誰でもそういう目的を持って生活していると思います。
その方が楽しいし、一人で生きて見せるといきがっても、自滅するだけです。

その目的を達成するためには、他人に好かれることを心がけて生活することが有効です。
カーネギーは「人を動かす」という有名な本の中で次のように述べています。
・誠実な関心をよせる。
・笑顔を忘れない。
・名前を覚える。
・聞き手にまわる。
・相手の関心のありかをつかむ。
・心からほめる。
誰でも簡単にできそうなことばかりですが、真剣に実行している人は少ない。

森田理論では、「かくあるべし」を他人に押し付けない。
それを前面に押し出していると、人は離れてしまいます。
ただし他人の思惑に振り回されて我慢し、耐え続ける事ではありません。
自分の気持ちは純な心や私メッセージの手法で吐き出していく。
この方法は相手と対立しません。

自分の欠点、弱点、ミス、失敗を隠さない。ごまかさない。責任転嫁しない。
ありのままの自分をさらけ出して生きていく。
不安を活用しながら生の欲望の発揮に邁進する。
事実本位に生きている人は、他人と対立しません。
むしろ自分の周りに人の輪が広がっていきます。

これらを心がけて生活すれば、人に好かれたいという目的はほぼ達成できると思います。
はたして現実はその方向に向かっているでしょうか。

例えば、他人から無視された。からかわれた。軽蔑された。批判された。否定された。
そんな時は誰でも不快になります。すぐに怒りが込み上げてきます。
その不快感を取り除いてすっきりしたい。楽になりたい。仕返しをしたい。

その気持ちに後押しされて、すぐに反発する。暴言をはき、暴力に訴えることはないでしょうか。
人と仲良くなりたいという気持ちとは裏腹な行動をとっていることが多いのではなりませんか。
頭で考えていることと、実際の行動があべこべになっています。
こんなことを繰り返していると、人と仲良くできるはずはありません。
むしろ、ますます他人からイヤな人と嫌われるようになります。

ここでの問題は、本来の目的をいつの間にか忘れているのです。
そして目的のすり替えが起きているのです。
人と仲良くしたいという目的から、途中で目の前に現れてきた怒りや不快感を払しょくするという目的にすり替わっているのです。
本来目指している目的をすっかりと忘れ去って、枝葉末節の無視したらよいような目的にとりつかれてしまっているのです。しかもそこに自分の持てる全エネルギーを投入しているのです。
これはピエロを演じているようなものですね。
自分ではその矛盾点に気がついていないというのが始末に悪いのです。

この問題を解決するためには、人と仲良くしたいという気持ち、目的、目標から目を離さないことだと思います。目的を言葉にして机の前に貼っておく。
自分なりのキャッチフレーズを作りいつも眺めるようにする。
例えば、「一日3つは人の役に立つことを見つける」
「一日のうちに一つは人の役に立つことを実行する」などです。
日記を書くときに、今日一日、目的を達成するために思いついたことや取り組んだことを書くようにする。

さらに、頭に血が昇って、暴言や暴力的になりそうなときは、森田の「不即不離」を活用する。
「申し訳ありません。ちょっとおなかが痛くなりましたので、トイレに行ってもよいですか。
後でどんな批判でも聞きますで」と中座する。一旦距離を置くことは大切です。
そのうち相手も幾分かは冷静さを取り戻している可能性があります。
さらに配偶者や親しい友達に、自分はすぐに激高してしまうので、そんな時は注意してほしいと日ごろから頼んでおくことです。
「そんなしようもないことをするな。お前はあほか」といわれるだけで、ハッと我に返ればしめたものだと思います。そして本来目指すべき目的を思いだしてみることです。





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Last updated  2020.04.11 17:30:04
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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