森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2022.07.18
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生活の発見会の集談会活動は、神経症を克服することが唯一最大の目標でしょうか。私は、神経質性格を持った人が、人生観を確立して味わいのある生き方をすることが最終目標ではないかと思っております。

その集談会活動が現在停滞気味です。
今日はその原因と打開策について考えてみました。

今までの集談会は神経症を治すという目標を持って活動してきました。
神経症経験者が、神経症克服のためのノウハウ、情報を教示して、護送船団方式で神経症克服を目指した活動を続けてきました。
それは50年以上の歴史の中で、大きな成果を上げてきました。

しかし現在神経症を取り巻く環境は大きく様変わりしています。
様々な薬物療法、認知行動療法などの精神療法、カウンセリングなどが出てきました。森田先生の時代は、神経症克服については、森田療法が主力でした。
現在の森田療法は、あまたある神経症克服の選択肢の一つにすぎません。
神経症で苦しんでいる人は、アリ地獄から地上に這い出るために、自分に合った適切な治療方法を選択することが可能になったのです。
森田療法に固執しない人の割合が多くなり、その結果集談会は低迷しています。

そんな状況の中で、集談会が神経症の克服を唯一最大の目標に掲げて活動することに意味があるといえるのでしょうか。
ましてや私たちは医療の専門家ではありません。
私は神経症克服に向けての集談会の活動内容は、残念ながらその役割を終えつつあると考えています。では過去の栄光を取り戻すことは不可能なのか。

私はそうは思いません。
たとえ医療や精神療法で一旦症状を克服しても、神経質者の生きづらさは依然として続いていくわけです。
神経症を克服した人は、行動的になっていますので、それに伴い生きづらさも今まで以上に増加してきます。

今や集談会の目的は、神経症からの回復という大目標を放棄する時に差し掛かっているのではないでしょうか。
酷なことを言うようですが、再生はここから始まるように思っています。
でも今までの強固な成功体験を持っているために、目標を取り換えるということは、大きな抵抗が待ち構えていると思います。
でも転換しなければ、再生することは出来なくなると思います。

ではどんな目標に変えていくべきなのか。
森田療法には神経症の治療という側面は確かにありますが、それ以上に、 神経質性格者の人生観の確立 という大きな役割があります。
他の精神療法と大きく違うところはここにあります。

この方面の世界は、ブルーオーシャンの世界です。
どんなに頑張っても医療や精神療法が入り込めない世界です。
この分野にフォーカスした活動が望まれていると思います。

そういう意味では、集談会はさまざまな生きづらさを抱えながらも、なんとか日常生活を回している人が主な対象になると思います。
神経症真っただ中という人は、森田療法でも構いませんが、それよりも自分に合った医療や精神療法やカウンセリングを受けて、地上に這い出ることが肝心です。
地上に出るというのは、なんとか日常茶飯事、仕事、家事ができるようになるということです。
しかし地上に這い出たからといって、そこに留まっていると、いずれ神経症は再発すると思います。また生きづらさは解消することは出来ません。

この問題を解消するためには、生活の発見会の集談会に参加して森田理論学習を始めることだと思います。生涯学習として取り組むことが大切です。

手順としては、
1、森田理論の基礎的学習を徹底する。
2、森田理論の全体像を理解する。そしてその骨子となっている4本柱を深耕していく。
3、森田理論の活用方法について、その活用例を具体的に学習していく。
4、応用例をもとにして、生活の変化や進展具合を集談会で確認し合う。

神経質者が神経質性格を活かした人生観を確立して、人生100年時代に向かって船出をしたとき、輝かしい人生が開けてくるはずです。
そして「我が人生に悔いなし」という心境になれると思います。





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Last updated  2022.07.18 08:16:20
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