森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.09.17
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藤井英雄氏のお話です。

傾聴とは「相手を理解したいと願い、相手の言葉に耳を傾けること」です。
受容し共感することは傾聴ではありません。
傾聴によって相手を理解できた時に、その結果として相手を受容できたり共感できたりするのです。

もしかしたら傾聴し理解した結果、それでも受容・共感できないかもしれません。
それがあるがままのあなたの気持であればそれでよいのです。
「あなたの気持は理解した。でも受け入れることも共感することもできない」と素直に言ってもよいのです。

例えば、自分の子どもが登校拒否を起こしました。
普通の親ならなんとか登校させたいと思うでしょう。
そのためにアドバイスしたりなだめたり、最後は脅したりと、様々なテクニックを駆使します。
「学校に行けば気分が変わるかもよ」
「1時間目だけでも、とりあえず行ってみたらどう」
「保健室に行くだけでも」
「このままじゃずるずる休んで、もっと行けなくなるよ」
「高校くらい出とかないで、将来どうするつもりなの」
しかし親が登校させようとすればするほど、自分の気持が分かってもらえないことで、子どもの不安は増大します。

結論から言えばそんな時こそ傾聴です。
傾聴されると、親が理解しようと努力してくれているとわかり、安心します。
すると、自分の中からすばらしい解決策が生まれてきます。
「そうだ、1時間目だけでもとりあえず行ってみようかな」など。

親のアドバイスとして聞いた時には反発心が湧いたことでも、自分の中から出てきたアイデアはとても素晴らしく思えます。
それも、親が傾聴することで安心できたからこそです。

安心できればさらに悩みを打ち明けてくれるかもしれません。
「勉強についていけないんだ」
「嫌な奴がいるんだよ」
「朝起きられないんだ」
それからさらに傾聴が続くのです。
(マインドフルネス「人間関係」の教科書 藤井英雄 クローバー出版 153ページ)

傾聴の反対は、批判、否定、同情、指示、命令、提案、脅しなどです。
これらは、森田でいう「かくあるべし」の押しつけであり、相手に寄り添う態度ではありません。
傾聴とは、相手の考え、思い、悩み、苦悩、欲望などをできるだけより深く理解したいという態度で接することです。
傾聴のメリットは相手が心を開いてくることです。
相手に信頼感や親近感が生まれると、さらに自己開示するようになります。
積極的な自己開示によって、自分の葛藤や苦悩の解決策を見つけ出してしまうのです。
指示命令されたことでやる気は生まれませんが、自分が見つけた解決策は俄然やる気が出てきます。
傾聴によって相手に良い変化をもたらすものであるならば、活用しない手はありません。





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Last updated  2023.09.17 06:20:07
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stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
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