森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2023.12.12
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カテゴリ: 森田番外編
キューリング恵美子さんはドイツ人と結婚してドイツに住んでおられます。
その方がドイツ人の特徴について説明されています。

「残業はしない」
「有給休暇は完全取得する」
「通勤はジーンズにウィンドブレーカーを羽織る」
「自分の気持や考えをしっかりと相手に伝える」
「好き嫌いをはっきりと伝える」
「女性でも人と会う時にメイクはしない」
「ビールを注ぎ合わない」
「誕生日は自分が周囲をもてなす」
「土曜日、日曜日は店はクローズしている」
「子供は幼児のときから別の部屋で寝る」
「子どもの成績が悪くても責めない」

次にドイツ人と日本人の考え方の違いも分かってきたそうです。
生まれてからずっと、私は他人の目が気になり、自分の思いや主張を閉じ込めて、まわりのことばかり優先してきた。
他人からどう思われるのか恐怖で、自分は間違っているのではないかといつも不安だった。
結局のところ、私は私のものでない「他人の人生」を送っていたのだと気づいた。
(ドイツ人はなぜ「自己肯定感」が高いのか キューリング恵美子 小学館新書 41ページ)

たとえ「自分の人生」で躓いても、他人が責任を取ってはくれることはありません。
まわりを気にしながら選択したり、人の意見を聞いて選択した結果、躓いたとしても、それを選んだのは自分自身です。
だからこそ、「自分のための」「自分が選択した」「自分で責任が取れる」「自分の人生」を生きなければいけないと気づきました。(同書42ページ)

おもしろいデータがあります。
2019年内閣府の調査によると、「自分自身に満足している」日本人は45.1%、ドイツは81.8%と大幅に差がついている。
「自分には長所がある」と思っている日本人は62.2%、ドイツ人は91.4%である。

ドイツ人は他人のことを気遣うよりも、自分の気に入った生活スタイル、自分の気持ちや感情をなによりも大事にしているようです。
また他人の心の中に断りもなしに踏み込む方ことは大きな問題だと考えています。
森田でいう不即不離の人間関係作りが自然にできている。

日本ではそんな人は、空気の読めない人、気遣いのできない鈍感な人とみなされ、仲間外れにされることさえあります。
そのために本音を軽視・無視して、建前で仕事や生活をしている。
自分の仕事が終わったにもかかわらず、「お先に失礼します」という対応が取れない。
自分の人生を生きるよりも、他人の人生を生きてストレスをため込んでいるようにみえます。
その結果、毎日イライラして、うつ状態や神経症に陥っている。

森田では人の気持ちを思いやることは大切であるといわれています。
それができるのは日本人のよいところだと思います。
そこは大いに伸ばしていきたいものです。
しかし他人の気持を忖度することばかりに注意や意識を向けているのはいかかなものでしょうか。
その前に、自分の感情、気持ち、欲求、欲望、希望、夢を尊重する態度を持つことが大事になるのではないでしょうか。
自分の意思が曖昧なままになると、空中をさ迷う風船玉のようなふらついた生き方になってしまいます。
森田でいう「生の欲望の発揮」を軽視する人生は、後悔だらけの人生で終わってしまうのではないでしょうか。





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Last updated  2023.12.12 06:20:07
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