森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.01.10
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
動物園で飼育されているライオンやシマウマをアフリカの草原に戻すとどうなるか。
ライオンは獲物をとることができず餓死するかもしれません。
シマウマはその日のうちに肉食獣の餌食になるだろうという人がいます。

アフリカに住んでいるライオンは、毎日必死になって食べ物を探し回っています。
緊張感をもって生活しています。気力、体力が充実しています。
その状態で生活していると狩りの能力はどんどん向上していきます。

アフリカに住んでいるシマウマは肉食獣に食べられないように群れを作って生活しています。
仲間と協力しながら、肉食獣に近づきすぎないように、緊張感を持って周囲の状況を観察しています。

動物園にやってくると餌をとる必要がなくなります。
シマウマなどの草食獣は自分のテリトリーに肉食獣が入り込んでくることはなくなります。
全ての動物の安全は人間の手によって確保されています。
次第に緊張感はなくなってきます。心身とも弛緩してきます。
この状態では気力、体力、能力はたちまち衰えてしまいます。
丸々と太って動くことがしんどそうな動物がいます。
精悍だった目つきはいつの間にかうつろになっています。
そして子育てには興味も関心もなくなってしまうのです。
動物園で飼育されている動物は、姿はアフリカに住んでいるライオンやシマウマと一緒ですが、似て非なる動物なのです。

人間の場合、高額の宝くじに当たった。
競馬、株、FXなどで大儲けした。
多額の事故や病気の保険金が入った。
多額の遺産を手にした。土地の収用の補償金が入った。
働かなくても政府の補助金がもらえる。
年金が満額出るようになった。

全て喜ばしいことにように思えます。
働く必要がないと思った人はすぐに仕事を辞めてしまうかもしれません。
生活のために働くことを止めて、贅沢三昧、消費一辺倒の人間になってしまうのです。
いつの間にか緊張感がなくなり、生活は乱れてきます。
時間をもてあますようになると、刺激を求めてさまようことになります。
「なにかおもしろいことはないか」ということを考えるようになると問題です。
普通の場合は次々と手掛けなければいけないことが山のようにあって、心身ともに緊張して完全に弛緩状態になることはないはずです。
いったん精神が完全に弛緩状態に陥ると、再び緊張状態に戻すことは至難です。

日々緊張感を持った生活を維持するためには、規則正しい生活習慣化することだと思います。
森田では「休息は仕事の中止ではなく仕事の転換にある」といわれています。
毎日のルーティン作業を無意識の状態で次々にこなしていくようにする。
その際、問題点、課題、改善点、改良点、楽しみ、喜びを見つけ出すという意識を持って取り組む。
心をこめて丁寧に取り組むように心がけると、緊張感と弛緩状態のリズムが生まれ、行動に弾みがついてきます。
緊張と弛緩のリズムに乗って生活することが、森田理論の目指しているところです。

住吉神社





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Last updated  2024.01.10 06:39:01
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