森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.01.21
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森田先生の晩年は不幸が続いています。

昭和5年(森田先生56歳) 一人息子の正一郎君(20歳)が肺結核で亡くなる。
昭和10年(森田先生61歳) 奥さんの久亥さんが脳溢血で亡くなる。
昭和13年(森田先生64歳) 母親の亀さんが亡くなる。
母の死から3か月後、昭和13年4月森田先生死去。
森田先生の晩年の10年間は喘息と胸の病でほとんど病床についておられました。

正一郎君の出棺のときの様子を形外会会長の香取修平氏が次のように語っている。

私も告別式の時は、先生のそばにおりましたが、納棺の時は先生も非常に悲しまれ、はらわたを断つように慟哭されました。
出棺の時も、先生は門前で霊柩車を見送られましたが、後二階に帰られた時は、はや風光霽月といった風に他のことの話もされて、全く別人の如き態度になられたのを見て、私も非常に感銘したのであります。
(森田全集 第5巻 66ページ)

母の訃報に接したときの森田先生の様子が「森田正馬評伝」(野村章恒 249ページ)に載っている。

確かに訃報が入ってから2、3日おくれてお知らせしたところ非常に悲しまれた。
そして、言い訳のように、悲しみはそんなに身体には影響ないよ、僕はこんなに哭いてしまうから後はさっぱりする、と言いながら声をあげて哭かれた。

この件について森田先生は次のように説明されている。

若い人、心がけのよい人、道学者あるいは武士道とかいうものでは、男は泣いてはならぬとか、人に対して失礼である、みっともないとか、あるいは諸行無常と悟ったとか、おのおのその主義や理論や片意地やで、感情を抑えているのであるが、私にはそのような主義や理論がないから、感情のままに小児のようになる。
それでもさすがに告別式とか、多数の人の前では神妙にしているが、それは自然にきまりが悪いからであって、心安い人ばかりの時は、耐えきれないで泣くのである。
そういう風であるから、泣いてしまえば感情が放電されて、心が晴れてなんともなくなるのである。
(森田全集 第5巻 68ページ)

森田先生は悲しいときには思い切り涙を流した方がよいと言われている。
悲しい感情を意志の力で押さえつけると、いつまでも後を引くと言われているのである。

これは2023年11月23日の、「感動の涙を流してストレスを吹き飛ばそう」という投稿に通じるところがあります。
それによると涙にはストレスや辛い感情を押し流す効果があるということでした。
さらによいのは感動の涙を1週間に一度くらいの割合で流すと、精神の安定に大きな効果が期待できるということでした。
興味のある方はぜひご参照ください。





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Last updated  2024.01.21 06:20:08
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