森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2024.05.27
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不安の立場に立って、神経症で苦しんでいる人を観察してみました。
そうすることで双方の関係性がよく見えてきます。
不安は不安から逃げ回っている人を見つけると嬉しくなります。
自分の居場所や活躍の場を見つけることができるからです。
アフリカのサバンナで獲物を見つけた肉食獣のようなものです。
思わず不敵な笑みがでてしまう。
不安から逃げまくり、取り除こうと必死になって努力している人を見ると、俄然力がみなぎってきます。
相手を身体的、精神的に二度と立ち直れないほど叩き潰してしまいたいと考えているのです。

最後に息の根を止めることが目的なのです。
勢いづくとますます戦力を増強して立ち向かってきます。
一旦アリ地獄の底に落ちてしまうと脱出することは容易ではありません。

太平洋戦争を戦った日本とアメリカのようなものです。
日本はうかつにもアメリカが仕掛けた挑発に乗ってしまったのです。
戦争を開始する前、日本軍の上層部はアメリカに勝てるのではないかと思っていました。 しかしガダルカナルで敗北してしまうと後退を余儀なくされました。
最後には原爆まで落とされて惨敗しました。

さて、不安にとって挑発に全く乗ってこない人は厄介な人です。
不安は欲望があるから湧き上がってくるものだ。
不安や症状を持ちこたえたまま、生の欲望にのって「なすべきをなす」方向に舵を切っている人は「のれんに腕押し」状態となります。
張り合いがない。居場所がない。活躍の場がない、手持ち無沙汰で時間ばかりが過ぎていく。 こういう人は見るだけで嫌気がさしてしまう。
こんな人と付き合うのはイヤだ。逃げたほうが得策だ。
武力の増強はもってのほかで、むしろ戦力の縮小を考えざるを得なくなるのです。
そうだ、不安から逃げ回っている人や取り除こうとしている別の人に乗り移ってしまえばいいのだ。

森田理論学習で不安の特徴や役割を理解している人は厄介です。
そして不安と欲望の関係をよく分かっている人もどうすることもできない。
不安の方は相手を痛めつけようとしているのに、相手は不安を自分の味方に取り込み、欲望が暴走しないための抑止力として活用している。
昨日の敵は今日の味方という関係を築いているのです。
不安の方も自分の本来の役割を与えられて、別の意味で存在価値を発揮している。
居場所や活躍の場を与えられているので反撃するよりも居心地がよい。
むしろ相手の役に立っていることがうれしいと思えるようになってきた。

不安の特徴や役割を身に着けている人は、不安を大事な仲間として付き合っていることになります。 さらに不安を大いに活用しているのです。
昨日の敵は今日の味方になっています。
取り入れた相手と共存共栄の関係に入ってしまっています。
当初の目論見とは全く違う関係が出来上がってしまうのです。
この関係は不安と敵対していた時には考えられないことです。
不安の方としても、自分の存在価値を認めてもらい、働き場所を提供してもらっているので異存はありません。
こういう関係が出来上がれば、双方とも友好的で、安全、安心、平和な幸せの時を享受できるようになるのです。
こういう方向性をみんなでめざしていこうとしているのが森田理論学習なのです。
素晴らしい世界が広がるように思えませんか。








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Last updated  2024.05.27 07:41:39
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森田生涯 @ Re[3]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ 今の生活は日中のほとんどが…
stst@ Re[2]:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、返信アドバイスをしていただ…
森田生涯 @ Re[1]:強情と盲従の弊害について(02/27) ststさんへ コメントありがとうございま…
stst@ Re:強情と盲従の弊害について(02/27) 森田生涯様、こんばんは。 過去に何度かコ…
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