Brog Of Ropesu

Brog Of Ropesu

2008年10月25日
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カテゴリ: KDB


タイトル長いので、今回から略することにしました



”骸なる星 珠たる子”を略して”なるたる”みたいに




===



企画書

前回まで



===








「ま、そう言ってくれると思って言ったんだけどね。

その・・なんだ・・マジなセリフなんてさ、らしくないけど・・頼りにしてる」










「む。そうか。期待に添えられるよう尽力しよう。

・・しかし、魅楽殿?やぶさかではあるかも知れないが・・これほど重要な作戦ならば、何故音子殿を引き離したりしたのだ?

音子殿の性能は私に非常に近いモノがある。一人よりも二人の方が効率が上がる気がするのだが・・」








「こういうのは中途半端な人数だったら、かえって単独のが動いやすいんさ。

それに、彼女。少し情緒不安定だったからね。



・・・・つーのは建前で・・

・・本音はさ。個人的な都合さ。実質、さっきの音子は通常の精神状態に戻りつつあったからね」









「”個人的な都合”・・?」









「音子は既に、馬岡を殺っている。どんな事情や理由があるにせよ・・な。

だからさっきも喝入れして、少し反省して貰うって事で独りにしたんよ・・

効率やら生存率で言ったら、そりゃあかにゃめにゃんの言うとおり、まともになってた音子が居た方が高いさ。

シオンたんも襲撃したのもそうさ。警戒してたシオンたんが近くにいたリタにゃんを攻撃する可能性があった。

だから、シオンたんを気絶させリタにゃんに介抱させ二人は共闘出来るよう謀った。

・・けど、実際の所は違う。シオンたんを気絶させたら持っていた武器が欲しくなったんよ。
こっちは丸腰だっからな・・急に不安になったんだ・・

・・・・ま、理由を取り繕って良い人ぶったところで結局は一緒さ。言い訳がましい単なるエゴ・・だ。」








「魅楽殿・・それは・・・・」











「マジな話や過去を振り返るのはガラにあわねぇからさ・・そろそろ良いかい?


建屋の中は基本的に機械でセキュリティされていて、中には例のあの二人しかいないみたいだから、そちらにさえ気を付けていれば問題無いと思うさ。」











「・・・・その、疑いたくは無いのだが、魅楽殿。

・・どうしてそんな事を知っているのだ?

首輪の件もそうだ。外し方も知っていたし、それを衝撃で爆破させる事で”死亡”扱いさせる事が出来る事も知っていた。

それだけ聞くと、貴方があっち側の間者であると仮定すれば上手く説明できるかも知れないが・・
わざわざ首輪を外して私を”死んだ”事にして動き安くする意味が無い。そこに矛盾が生じている。

私を油断させる為だとしても、魅楽殿は私と互角・・いやそれ以上だ。やはり意味が無い。


答えてくれ・・考えれば考えるほどサッパリだ」









「いやいや、深く考え過ぎだってばよ。答えはシンプル!

俺は、百瀬たんから聞いたのさ」









「百・・瀬・・だと・・?」









「そそ。百瀬たんは姫神のヤツから聞いたらしいさ。

ほら?姫神ってコンピューターにすっげぇ詳しいじゃん?あれでハッキングかけたみたいなんよ。

少し話した後、「おしっこ漏れちゃいます~」とか言ってその場を離れちゃって、流石にあとを追うワケにもいかず、そのままはぐれちゃったんだけどね」









「(姫神がハッキングしたというのは納得出来る。彼女は、きっとそれくらいは朝飯前だろう。

しかし・・あの人見知りが激しい百瀬が・・?お世辞にも愛想が良いとは言えない姫神とだと・・?

違和感が拭い切れないな・・。果たして、魅楽殿を信じても良いものか・・?

いや・・しかし、面と向かって会話しているから解るが嘘を言っている様には毛頭感じられん・・

ますます解らなくなってきたな・・これは)」








「そーいや、百瀬たん・・一人で大丈夫かな~?

”変態!”って言われても良いからついていった方が良かったのかね?今思えばさ」










「(・・まぁいい。例え罠にせよ、かかってみない事には真意は掴めぬ。

”虎穴に入らずんば虎児を得ず”・・だ。何にせよ敵陣に乗り込むのが今出来ることだろう)


では、魅楽殿・・。私はこれより侵入を遂行する。合流場所でまた落ち合おう」







ダッ















    「お、もう行っちゃった・・さて、俺も自分のやるべき事をしないと・・ね?」







===







 数十分後

~廃校舎内~








「外観は木造の今にも壊れかけた学び舎・・といった所だが、中は大分改装されているな。

壁面全てが金属で・・・・まさに要塞そのものだ。それに大分入り組んでいる・・・・」










「とりあえず、時間が掛かりそうだが早めに図面に起こさないとな。いつあの二人が気付くか解らぬ。長居は無用だ」







タタタッ!








・・・・カツン








「・・・・一体ココに何の御用でありますか?」










「(くっ・・!やはり他にも警備の人間がいたか!・・迂闊!

情報で幾らか油断していたとはいえ早速見つかってしまうとは・・!

やはり・・!やはりなのか・・!クラスメートを・・仲間に裏切り者いるとは思いたく無いが・・これで疑惑は確信へと変わった・・

やはり・・・・あの人物は・・・・・・内通者・・・・!」










「黙ってたら解らないであります!本官に話すであります!」
























「(敵陣の真っ只中でこの状況は・・すまぬ。皆。この図面持って帰れそうに無いかも知れん)





===






・・一方その頃


~森林地帯 林間部側~












「・・・・へくちっ」










「どうした?百瀬?風邪でもひいたか~?」












「南国とは言え夜は冷えますからね。もし体調が悪いのならここで休んで行きますか?」












「い、いえ・・大丈夫です。ちょっと鼻がムズムズし・・・・」












「・・へくちょい!」














「・・ふん。頻繁に小水ばかりしているからでおじゃる。

小便と一緒に体温が体内から抜けておるからじゃろうて。さっきからトイレ休憩ばかりで先に進まん」










「おいおい。女の子に向かってその言い草は無いだろう。

百瀬は戦いに向いてないからこの状況下じゃあずっと緊張状態なんだ。

そりゃあ・・おしっ・・いや、その・・・・花摘みに行く頻度が増えても仕方がないさ」



(※”花摘み”とは”用を足す”の隠語です)














「いえ、いいんです。私もちょっと行き過ぎかなぁって思ってましたし・・・・


ホントにちょっと鼻がムズムズしただけなんでもう大丈夫です」











「・・・・何ともないならそれに越した事は無いでおじゃる」














「でも、急に出てきて驚きました、くしゃみ。私、普段あまりしないのに・・どうしてでしょう?」
























           「誰か・・・・私の噂でもしてたのかな・・・・?」






===




~廃校舎 管理者本拠地~











「はぁい。何いそいそと準備してるのかしら?ここは絶海の孤島なんだけど、どっかに買出しにでも行くの?」












「相変わらず皮肉たっぷりで、逆に清々しいですね。

・・どうやら、この島唯一の脱出ポイントに獲物がかかった様なので、私自ら出張ろうかと」










「あら?いつもクソ真面目なアンタらしく無いわね?管理側が出向くのはルール違反じゃない?

・・・・どういう風の吹き回しかしら?」












「いえいえ。私はいつも通りですよ。


・・ほら、一番最初に言ったじゃないですか






















            ――ルールはありません、と」







続く









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最終更新日  2008年10月26日 02時46分38秒
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