Brog Of Ropesu

Brog Of Ropesu

2009年02月15日
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カテゴリ: KDB






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「・・アイツには決まったパターンってモンが無いのさ。

どんな人間にもそれぞれ得手、不得手ってものがある。それによって自ずと戦い方というモノはパターン化されてしまうんだが、アイツはそうじゃ無い。

ある日の演習では銃撃戦に特化していると思えば、いきなり次の日にはガチンコで殴りかかって、そのまた次の日にはブービートラップの雨霰・・・・

気分や状況次第で戦闘法を変えてくる・・そんな奴なんだ。

変幻自在・・荒々しかったと思えば、次の瞬間には掴みとれない。
私だって未だにアイツは何が得意で何が苦手かすら知らない。・・とんだペテン野郎さ。

例えるならば・・そう。

まるで・・砂。・・それも飛びきりでかい砂漠さ」









「むむ・・ルクスきゅん・・我がライバルに相応しい高スペックニャ」










「・・・・面倒だから突っ込まないぞ」










~数十分後~










「いやー確かにこのルートは最短よ。最短なんだけどな・・」










びゅぉぉおおおおおお











「登れど登れど出口が見えてこねぇってのはどういうこっちゃ?」











「確かに直線距離では最短なんですが、階段を上がるには相応のエネルギーを必要としますから・・・・流石にもう2/3は切ってますので、もう少しの辛抱です」








びゅぉぉおおおおお










「つってもよー、ここ吹きっ晒しだから風で体力奪われて見た目以上にシンドイんだぜー。おりゃあ鳶職かっつーの。・・落ちたら一巻の終わりだぜ」












「あばばばば・・出口付近のカメラから真下見ちゃったニャ・・落ちたら即死ってレベルじゃあねぇニャ!」








カンカンカンカンッ!










「む!誰かの人影を発見したニャ!」












「はっはっはっ・・・はぁはぁ・・・!ぜぇぜぇ・・・・」










「あれは・・・・Dr・・黒崎・・・・。ルクスさん!敵勢力の・・それも極めて危険な人物がそちらに接近しています!注意を怠らないでください!」











「あいよー」











「本当に大丈夫かニャ・・緊張感の欠片も無いニャ」











「それは貴女もですよ。・・・・それにしてもやはりすんなり通してはくれそうにないですね。

一般、表向きには処刑された筈の、戦後日本史における最低最厄の食人鬼・・・・黒崎遥音。出来れば出会わずに事を済ましたかったのですが・・」












「誰か・・!誰かいませんか・・!?はぁはぁ・・!助け・・!」











「・・・・う~ん。どうにも様子がおかしいニャ。何か誰かに追われているみただニャ」










「仲間割れ・・ですかね?」













「やっこさん、この非常階段まで出てきやがった。俺の方でも目視で確認したが、何だありゃ?

あの今にも泣きだしそうなねーちゃんが敵なんかい?」













「・・話し声!誰か!誰かそこに居るんですか?!」












「ありゃ。見つかっちまった」











「油断しまくりんぐ隙だらけニャ!ライバルとして恥ずかしいニャ!」












「・・いえ、あれは恐らくわざとです。・・・・ルクスさん。それが貴方の選択なんですね。何が正しい正しくない、というものは私には一概には言えません。」











「ぶーぶー!一人で悟っちゃってニャ!トワ姉様だけ未来覗いてズルいニャ!こっちにも教えて欲しいニャ!」











「アカシャは・・あくまでも可能性の中の選択肢の一つを垣間見るだけ。色々なファクターにより、未来というものは刻一刻と変化しておく無限のエントロピーなんです。


ここで私がネコ原さんに未来の内容を教えてしまう事によって、未来が変わってしまうかも知れない。そしてそれはより良い方向、より悪い方向のどちらかは箱を開けてみなければ解らないシュレディンガー・・

・・・・一見何の関わりの無い事象であっても、エントロピーを増大させる要因となり得る・・という事です」













「ふむふむ成程・・えんとろぴー?ってヤツが悪いって事かニャ?」←話半分も聞いて無い












「ん・・まぁ・・大体合ってます」














「・・さて、資料を見る限りじゃあ、救いようも無いクズ女なんだが、一応事情くらいは聞いてやるぜ?もしかしたら無能なマッポのスケープゴートにされた被害者かも知れねぇしな」






カンカンッ・・











「こ、来ないでください!私はもう・・貴方達に協力するのは嫌なんです!未来ある学生たちを殺し合せる催しなんて・・常軌を逸しています!」










「んー・・あー・・ヒートアップしてるとこ悪いんだが、俺は一応学生だぜ?

おっさん連中と勘違いされたと思うとけっこー悲しいんだが・・」











「え?もしかして君はこれに強制参加させられた学生さんの一人?

ご、ごめんなさい!私ったらつい興奮しちゃって勘違いしてしまって・・」











「あーかまねぇかまねぇ。で、ねーちゃんはどうしたんさ?見たところ追われているみてーだが?」











「あ、うん。あのね・・私、殺人罪で捕まって・・・・それで、検察と弁護士に騙されて死刑判決を下されちゃって・・それで刑を執行された元死刑囚なんだけど・・」









「それは知ってる。有名な事件だからな。・・俺の国にも届いてきたよ。あれが本当なら今すぐ俺がアンタの首をへし折ってある所さ」










「違うの!違うの!あれは冤罪なの!真犯人は警察の御偉方の身内で・・私は間接的に殺される所だったの!

死刑執行の日・・助けてくれた人たちがそう言ってたわ」










「ま、アンタにゃ気の毒だが良くある話ではあるな。助かった分僥倖な方だろう」









「うん・・それでね。命の恩人でもあるし今までお手伝いをしてきたのだけれど・・私はこんな境遇になっても医者・・

何の罪も無い子供達がただいたずらに命を・・理不尽に奪われていく・・それに耐えられなくなったから逃げだしてきたの。

・・・・今思えばストックホルム症候群だったのかしらね」













「・・成程。それで追われているって事かい」










「うん。それでね・・一つ御願いがあるんだけど良いかな・・?」


きっとね。私一人じゃ・・アイツらに殺される・・・・だから、一緒に付いて行っても良いかな?

大丈夫足手まといにはなるつもりは無いわ。医療に携わる人間としてみんなの治療とか体調とかも管理出来ると思うし・・やれることなら頑張るわ」









「・・特に断る理由も無いしな。実際問題、衛生要因が絶対的に不足してるんも事実だ。それの専門分野が居ると助かるっちゃあ助かる」









「ホント?!嬉しい!有難う!」

















            「・・・・あまりに嬉し過ぎて・・」










ざくっ












「うふふふ・・!貴方を解体しちゃいそうだわぁ・・・・!」





ブシュゥゥウウ・・!!








続く!






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最終更新日  2009年02月16日 03時00分11秒
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