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電車の中やバスの中で読んでいるうちに第2巻「睡蓮の池」も最後まで読むことができました。やっぱり児童文学、読むのがスムーズです。
イェーテボリの女子中学校に進学できたステフィ。それを実現するのにとても尽力してくださったご一家のおうちの一室に下宿させていただいて、中学生活と町の生活を始めました。
高級住宅街にあるそのおうちは昔ウィーンにいた頃のステフィ一家の生活を彷彿とさせるものでしたが、必ずしもステフィのことを本当に理解して下さっていたわけではなかったのです。
まぁ簡単に言えば、とても哀れな子供だから、助けてあげるはね!ということでお部屋は貸すけれども、家族というよりは女中と同等の扱いで、食事はキッチンでお客様をお呼びする時はお給仕を頼まれました。
それでもステフィは喜んで手伝います。だってあきらめていた中学校に通えるのですから。そのことをウィーンにいるご両親もとても喜んでくださっているのですから・・・。
その中学校でも奨学金をいただくために優秀な生徒でいなければならない。だから勉強も良く頑張るのです。でも意外な人たちから無理解やいじめの標的にされます。
それはドイツ語の先生と同じユダヤ人の同級生です。
スウェーデン人の子どもたちとは違ってドイツ語を母国語とするステフィにとってドイツ語こそ良い成績がもらえる、と楽勝気分だったのに、のっけから
『まぁ、あなたのそのものいいはどこのことば?ウィーン?
ちゃんとした標準語のドイツ語を使いなさい。なってないはねぇ~」
と、どの教科よりも悪い成績をつけられてしまいます。
ステフィは唯一の同じユダヤの血を引く子どもからの意地悪にも全く理解できませんでした。
どうして・・・
「私の家は立派な仕事を持つ父、それに素敵な母、皆が羨むお屋敷に住んでいる誇り高きユダヤ人なのよ。なのにあなたたち(ユダヤ人避難民の子ども)が来て以来どうなの?ユダヤ人のイメージはぼろぼろになったわ。
ほんとに嫌になっちゃう。迷惑な話よ!!」
というのです。ステフィはその言葉に愕然とします。
同じ民族の人にさえも私たちは理解されないのだ。
誰ひとりとして私たちのことを理解しようとはしてくれない・・・
そんな現実に13歳の女の子は直面するのです。
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