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記者たちは海に向かった 門田隆将 2014年 津波と放射能と福島民友新聞 過酷な災害の渦中で報道に携わる人の使命は何であるのか、記者と新聞社は報道機関としての使命をどのように理解してどこまで信念をもっていたのか、奇しくもそれらが試された。結果は、100年の地方新聞社の歴史は魂のこもったもので各人の中に生き続けていることが実証されたようだ。 世代、役割、おかれた危機の状況に応じて、各所の各人がそれぞれできることを考え、行動する。その起点は、読者のためになること。取材、執筆、編集、印刷、配送、戸配が同じ起点で自発的に行動している姿に感銘する。混乱の最中に必要とされている情報を集め、届け、人を勇気づける報道を命を懸けて行ったことに深く感動した。 目の前に過酷な状況が繰り広げられ、報道人として、また、人としての行動は容赦のない猛威の前に時として悲劇的結末に追い込まれてしまう。結果に対する自責が、葛藤を生み、未来を縛り、運命の受け入れや鎮魂の決意を促す。 100年の歴史に伝承すべき災害が深く深く刻まれた。
Apr 28, 2015
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黒澤明が選んだ100本の映画 黒澤和子 2014年 1999年の再録本で亡くなる前年の映画まで選んであります。幅広く公平で率直な印象を受けます。観たことのある映画は、30程ありましたが、観方が違ったようでまた楽しみに。 米を筆頭に、日、仏、独、伊、英、露、他10ヶ国からの監督100人の100作で、多民族、多文明、多年代、多分野に視界はひろく、忙しくしていて見失っていたものを見つけるようです。 今村昌平はありませんでした。
Apr 26, 2015
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世界を操る支配者の正体 馬淵睦夫 2014年 金融資本が世界の情勢を自己に有利なように画策してきたとして、その状況証拠を説明した本で、最初は眉唾かもと思いつつもなんだかそのように思えて来た興味深い内容。 政治から独立して通貨を市場で操り、自己の金儲けの実現のためには手段を厭わない強欲な勢力。その勢力が世界を突き動かし続け、悲惨な戦禍を招いていると言う。英仏戦争、南北戦争、ロシア革命、冷戦、ソビエト崩壊、東欧革命、アラブの春、ウクライナ紛争など、その背後の金融悪が披露される。現代は、新冷戦にあると。 リバタリアニズム、市場至上主義、超個人主義により、国家を超えて金融資本が格差社会を創出し、社会を支配し始めていると。 真贋の程は到底知りようがないが、国家を超えて実物経済を伴わないで浮利を創出して資本を奪う結社的勢力が秘密裏に拡大しているとすれば、言い知れぬ恐怖がある。沈みゆく大国アメリカ 堤未果 2014年 オバマの医療保険改革は、新たな貧困ビジネスに堕していて、製薬会社、医療保険会社、ウォール街に利するように仕組まれた偽善であると。本書では、制度と財政の分析・解説がないので、真贋のほどはよくわからないが、批判的発言や、逆に悪化した医療事情を収集紹介しており、そのように感じている人々がいるらしい。 本書も、資本を握った勢力とウォール街が貧困ビジネスの推進者であると断定する。政党も大統領も、巨大利権企業・団体から資金の援助を得て、貧困ビジネスを制度的に作り出す役割に堕していると。アメリカの国民皆保険は、もはや、偽善的であると。このビジネスモデルで日本などを狙い始めると。倒れゆく巨象 ロバート・クリンジー 2015年 The Decline and Fall of IBM IBMはなぜ凋落したのか 技術開発に邁進し、顧客の事業を理解してシステムを駆使してビジネスの改革を支援する信頼できる会社。従業員は一生勤め、誇れる企業文化を共有している会社と、ばかり思っていたが、この本によれば、それは全くの逆の会社になってしまっているらしい。 その原因は、販売優先で、先代の社長からは株価と一株あたり利益を経営目標にして、財務操作で市場価値を作り出し、高額報酬を手中にする経営をしているためであると。ウォール街を相手にする経営に堕したと。 そのために繰り広げられたのは、非正規雇用への切り替え、従業員の酷使、品質軽視、コスト削減優先、顧客満足軽視、利益優先、事業の切り売り、低賃金国への事業移転、低賃金国からの労働者移入、借金して自社株を買って見せかけの一株当たり利益増演出などなどで、真贋のほどはわからないが、本当ならブラック企業そのものとなる。 立て続けに資本の堕落を読んでしまった。世界情勢も、ノーベル賞政治家も、企業の雄も、金融資本の浮利を求めて事業から実業から顧客からも逃げているかのようだ。本当なのだろうか・・・
Apr 24, 2015
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もう一度 天気待ち 野上照代 2014年 監督・黒澤明とともに 2001年に発行された天気待ちのリバイス版でしたが、とても楽しく読めました。 黒澤明と一緒に働いた映画人達の一生が、爽快で豪快で快活で、黒澤映画のように駆け抜けるようでありました。傑人がいたことに嬉しくなります。 それにしても、この時代の映像の活力には圧倒されます。黒澤映画もおもいだしながら、同時代の映画も思いだされました。幕末太陽伝、無法松の一生、豚と軍艦、キューポラのある街など、役者の緩急つけた躍動がみなぎっていて、いずれもまさに活動写真でした。最近の間をおく演技や緩慢なこもったセリフのやりとりとは全く別次元の、生きものの映画と思います。 週末にまた、気持ちの良い映画を観よう。
Apr 20, 2015
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明治維新と幕臣 門松秀樹 2014年 「ノンキャリア」の底力 明治政府の立ち上がりは、幕府の統治機構の言わば「居ぬき」で、例えば、江戸や函館の奉行所の要員とその職責は踏襲され、明治の初動時期に立派に役目を果たし続けたことが実証的に説明されている。現実的な話としてよく理解できた。 革命政府の行政手腕が未熟で混乱をきたすという事態ではなく、幕臣と新政府間で武力衝突が展開されたが、混乱は戦域に限られ、行政分野では要職者は交代するものの、実務を果たしてきた官吏は継続登用され、統治が継続維持されたらしい。およそ、市民革命で封建領主と行政府が断罪、転覆され、世の中の統治構造がひっくり返るようなものとは異なったようだ。 背景には、徳川家の家政の統治と天下の統治の機構が区分けされていたことにあるようだ。地方の自治が幕藩体制として構築、運用され、公器として奉行制度も機能していたからなのであろうか。 人々は、役目を果たす人々を御役人として公的人材として認知し、彼らが果たす役割は、政治体制が変わっても有用性を確認できるほどの内容であったのであろう。旧体制での規範にもとづく行政であったとしても生産と流通を継続する上では、必要な統制上の有能な人材であったと言う事か。収奪と横領にまみれた統治行政であったならば、継続登用はとうてい無理であったであろう。 徳川時代には、記録と勘定と評議を行える人材が世襲的に育成補充されてきたと言うことになるのかもしれない。 廃藩置県、西洋近代技術の導入が進むにつれて、奉行所出身者や地域出身者は減り、他地域から新しい技能習得者が登用され、本格的な近代国家に変貌する時代に入っていったそうだ。その時期になると旧旗本級の資産階級の旧幕臣が教育により習得した能力を武器に登用され、薩長土肥の藩閥だけが登用されるという状況とはならなかったらしい。 渋沢栄一は徳川家とともに静岡に移封された幕臣で、新政府に請われて大蔵省に入り、近代制度づくりに力を発揮したらしい。榎本武揚、勝海舟も顕職について活躍したらしい。明治は、人材を生かす開明な時代であったようだ。 福沢諭吉が「痩せ我慢の説」としてそうした新政府で「顕職に就き富貴を得た」旧幕臣について、「隠棲すべきであった」と論戦を仕掛けたそうだ。それに対する榎本や勝の反応も合わせ、有能な人物達の歴史転換点での屈折を垣間見るようだ。 目を見張る偉人達の政治体制変革劇とは趣が全く違い、実務体制の移行は、地道に役目を果たす人々が支えていたと言う話で、新鮮で面白い。
Apr 18, 2015
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黒幕 伊藤博敏 2014年 巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」 バブルとその後に繰り広げられた政・官・財・暴の詐欺、横領、汚職、粉飾、破廉恥、破綻、逮捕、投獄の総ざらいで、欲望に狂奔していた世相を思い出してあの頃の日本社会への嫌な思いがよみがえってきました。 今では、とんでもない時代と言えばすむかもしれませんが、抜けきらない本性のようなものがまだ社会の底流に潜んでいる気がして、箍がはずれた者が職権を得たら何をするか、黒い野心や利己的な態度が心配です。 地方議員の政務費詐欺横領や、国会議員が国政を欠席してまで私的享楽を貪る報道をみると、繰り返されるたびに国民が唾棄してきた卑しさが見え隠れします。 本書の情報誌主宰者は、表と裏をつなぎ、先手の情報戦を指南して事を治めてきた人物のようで、窺い知れない複雑で繊細で肝の据わった生き様であったようですが、正義を笠に着るような右や左の権勢の嘘を見抜き、右でも左でも、商売でも公務でも、表でも裏でも、それぞれの分野でまっとうであることを求めていた人物であるような印象を持ちました。 この本に登場した数々の事件を見ると、もたれ合い、奪い合い、騙し合いの経営者は、ある日確実に未来を停止させられた訳ですが、規範と罰則が強化された今では、そうした者が浮利に群がる前に淘汰されて現れないようになっていることを祈るばかりです。
Apr 14, 2015
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奇跡のリンゴ 石川拓治 2008年 「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録 リンゴには明治の振興の歴史があるそうで、養蚕の道を選べない厳しい自然環境である東北の地ではリンゴは頼みの綱で、病害虫との30年の格闘の末にリンゴ栽培を成功させたそうだ。成功する大きなキッカケは、明治末期に始まった農薬の使用で、それにより収穫が安定したことによるそうだ。その後、リンゴの産地として地域は豊かになっていったらしい。 近代産業史は、化学と機械の活用が柱だが、農業においても産業として支えたのは、化学薬品と農耕機械であった訳だ。こうして当たり前のように半世紀以上行われてきた農法を捨て、自然の生態を利用した自然栽培の技術を会得したのが木村秋則さんであったのか。 福岡正信の自然農業の本に出会ってはじめた自己流の自然農法であったが、万策尽き、極貧の中で行き詰まり、思い詰めた末に命を捨てに岩木山に入る。その時、厳しい自然環境の中でたわわに育つ木を見て、農園を山の環境に戻す決意をしたシーンには、奮い立つ人の力がみなぎるようで嬉しくなれた。 手を加えすぎないようにして草木や昆虫の力を借りて農園の土を自然環境に戻し、その土でリンゴの木が根を張り力を伸ばして行く。遂にはたわわな実を結するまでになる。そこまで取り組めた姿は、科学的で実証的で謙虚で誠実な人間の証だと思う。更に体得した自然栽培の技術を惜しげもなく広めようとする氏の姿はとても尊い。 以前、工場排水の環境対策として本田の工場の話を読んだことがある。環境対策として工場排水の基準ができて担当官が本田の工場の担当部署に確認したところ、昔から水は浄化して排出してきたそうで、それは、「おやじ」に「水だって借りたものはきれいにしてかえせ」と言われ、そうしてきたと言うような話だった。 偉人は自然にも世間様にも丁寧なようだ。
Apr 12, 2015
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プリズム 百田尚樹 2011年 人格の形成は、生まれ持ったものと過ごしてきた人との関係の中で進行するので、外的なコントロールを受け続けてきた者と、思考して行動を試すことをお膳立てされた環境で過ごしてきた者では、大部異なる性格になる。その過程では、物的、肉体的な抑圧の程度も心情の形成に作用する。 自分自身をわかり、人や変化に対処していくようになると、自分の好きな事や好きな人を見つけて求めていくことが徐々にできるようになり、やがて自信の持てる人格が強固になっていく。 自分の中にある複数の心情を克服して人格が形成されていくこと、自分の異なる気持ちを全部ひっくるめて自身でそれらを理解し自分の人格をつくりだすこと、こうした人の成長を尊ぶのが作者の主題なのだろうか。
Apr 11, 2015
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日本の財政「最後の選択」 伊藤隆敏 2015年 健全化と成長の両立はなるか 人口動態予測の確度は高くて将来の現実と理解してよいと「地方消滅」を読んで理解し、厳しい将来に震撼しましたが、財政面でも、少子高齢化の人口動態変化と、これまでに使い果たした借金の為に、厳しい未来が待ち受けている現実を本書で再認識させられました。 日本がGDPの1.6倍もの国債残高になっていてもまだ価格・金利が破綻せずにギリシャのようにならないでいられるのは、第一には、その90%を金融機関や保険を通じて家計や企業からの預貯金で支えられているからだそうです。しかしながら、買い支えてきた家計貯蓄は、2017年以降に一年で200万人を超えている団塊の年代すべてが引退して年金生活者となってしまい、減り始め、国債の買い支えの資金が少なくなる現実が待っているそうです。 国債の金利は安くて済んでいますが、それでも毎年10兆円の利子を払っていて、国債の金利が1%上がれば10兆円の歳出増になってしまうそうです。景気がよくなり、成長率とインフレ率が2%ともなれば、金利も上がり、歳出増はさけられないそうです。そのためにも、国債の残高は減らしておかないと未来のためにならないそうです。 人口増加の成長に与える影響は、高度経済成長期で成長率9.7%のうち2.3%がその効果によるものであったそうで、少子化・高齢化・労働人口減により人口増の効果は減り続け、2001年からの10年では、逆にマイナスの影響になってしまったそうです。 人口動態をもとにして、経済成長率と消費税率と国債金利上昇による利子所得の国債購入への再投入率をパターン別に設定して、債務破綻時期をシュミレーションした結果が披露されています。結論的には、消費税は少なくとも15%まで引き上げないと2020年代の半ばには財政危機がおきるパターンが多くて、消費税を20%にすると危機は起きない可能性が高くなるそうです。 歳出の30%が社会保障費で年1兆増加するペースだそうで、歳出の23%は国債の償還と利子にあてられているそうです。社会保障と国債費合わせると歳出の56%になるそうです。この20年間の借金と団塊世代の半分しか子供を産めなくなってしまったツケは、21世紀の日本の子孫に大きな重荷を背負わせてしまったことに愕然とします。 今のままでは、1950年生まれまでの人は、年金介護は生涯の収支は+、医療は▲、1955年生まれ以降の人は、年金介護医療とも▲で後年になる程大きくなるそうです。 これから超高度経済成長を成し遂げたとしても消費税5%では財政危機を克服できないそうで、成長を実現すると同時に、引退した人、する人も何かしら身を削らねばならないようです。
Apr 10, 2015
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日本ー喪失と再起の物語 黒船、敗戦、そして3.11 デイビッド・ビリング 2014年Bending AdversityJapan and the Art of Survival 様々な書物、新聞記事、談話からの引用で成り立つ日本の近現代史の通説で面白く読める本でしたが、ジョン・ダワー、舟橋洋一の引用が頻繁に登場し、著者の思考の軸になっているようです。多数の人々から引用がなされていますが、引用したものについての実証的に分析判断する記述は少なく、ストーリー仕立ての素材として面白く並べられています。切り出した引用が原典の本意どおりなのか、話に都合よく切りとったのではないかよくわかりませんが、著者が日本の事をひろく調査したことがわかり、日本の近現代史の紹介本として読み易いものでした。 上下とも良い流れで読み下せ、英米の思考で類型化して理解しようとしてもつかみどころのない日本の浮き沈み振りがよくわかります。英米の史観を歴史評価軸として、日本の思考を異質とするところもちりばめられており、英米ジャーナリズムは、そう考えているのだと言うことがよくわかります。 平川祐弘は、ジョン・ダワー「敗北を抱きしめて」について自己満足的で米軍協力した日本人を描く共感できない書物と酷評し、家永三郎については朝日報道の吉田清治の虚構に歴史を表すとしてとびついた左翼ムードの御用学者と酷評していました。両人とも、著者の思考の中心となっているようでよく引用されてまして、それらについての他との比較分析もあればよいのにとも感じます。 また、日本の敗戦について軍国主義カルトの帰結との記述もあり、欧米帝国主義と日本帝国主義の戦争、共産主義と日本帝国主義との戦争との視点では引用はあまりありませんので、著者が英フィナンシャルタイムズ育ちである事がわかりました。 読者を楽しませる記事づくりの力量には驚きます。フィナンシャルタイムズの記事が本邦新聞とはやはり一味違うはずです。
Apr 7, 2015
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あんなに大きかったホッケがなぜこんなに小さくなったのか 生田與克 2015年 日本の財政は、身の丈以上の生活をこの四半世紀にしてきた結果、未来にとてつもない借金を残し、更にそれを続けていますが、かろうじて、その9割が国民や国内企業からの借金なので、外国からの借金で首の回らないギリシャのようにはならないですんでいると聞きます。また、国の保有資産は、国有地などの財産や外国債権を多く持っていて、差し引きするとまだましな国で、更には、消費税を増税する余地もまだあること、民間にはたくさんの資産があることで、日本全体でみれば、今のところは、まだ破綻しないでいられていると聞きます。 しかしながら、未来を先に食べてしまうような生活の仕方は、いち早く、自分の成長に合わせた生活に変えなければならなくなっていることに変わりはありません。 日本の魚についても、同じように未来を食べつくしつつある状態にあるとは・・・。自然の恵みを根絶やしにするまで喰らう民族であっていいはずはありません。 タンチョウは、乱獲で絶滅危機を招いたと聞きます。多くを食し過ぎたことになるのでしょう。ニシンも乱獲で稚魚まで根絶やしにしてしまったそうです。ホッケも同じことが起きているそうです。子を獲り、産卵期に産卵場で獲るから根絶やしになるそうです。 クロマグロも北西太平洋で同じことが起きているそうです。獲られている9割は、子供のまぐろで小振りだそうで、50KGの4歳以上は1.2%しかいないそうです。養殖も蓄養であって稚魚を獲って育てるので小振りなものだそうです。昔の養殖は産卵後の大きなまぐろを育てて脂ののりを再生していたそうです。 海外では、子は獲らず、産卵後の魚を獲るそうです。漁獲規制も業者ごとにきめ細かく、乱獲を防止しているそうです。日本は、学者がだした継続可能な数量以上に役所が漁獲高規制を設定してその値まで獲りつくしているそうです。こうした事実をマスコミは問題視せず、取材せずに水産庁発表の垂れ流ししかしていないそうです。 漁業規制もまったなしの改革時期だそうで、しばらく我慢して海の魚を育て貯えなければならないそうです。魚は借りることはできません。育てるやり方を実行しないかぎり未来はないようです。 とても勉強になりました。
Apr 4, 2015
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ドイツ大使も納得した、日本が世界で愛される理由 フォルカー・シュタンツェル 2015年 前駐日ドイツ大使の震災後の日本での大使館ブログを本にしたもので、著者の青年時代の京都留学時の日記も併録されてまして、なかなか日本文化へのドイツ人の感想として面白かったですが、配慮されたお話が多い気がしました。 ドイツは、明治以来の近代文明の師として、医学、陸軍はじめ多くの科学を学んだ国である訳ですが、共に敗戦国として同じ運命を辿った国でもあります。敗戦に際しては、ドイツ人との間で悲劇的な関わりがあったことを中田整一「ドクター・ハック」や吉村昭「深海の使者」で知りました。 ドクター・ハックは、親日家でナチスとは曲折の末に離反し、米国と日本の終戦を日本海軍武官とともにアラン・ダレスの諜報組織に画策した人物で驚きました。外国人が日本のために働くほど日本を思っていたことに感動しました。それまでの日本との深い関わり、日本での経験がその動機をつくったのだろうと思います。そのような外国人との関わり方を日本はできていたと言う事でしょう。 本書で披露される日独の逸話は、江戸、明治の難破船員救助・支援、捕虜の人道対応、第一次敗戦後の巨額の寄付など皆、戦前のものでした。戦後では、東日本大震災の時に東京を離れた25の大使館の筆頭にドイツ大使館が登場します。著者は、本国の命令でドイツ人を守るための措置で多くのドイツ人に怒られた、一番は妻に怒られたと本書で述べていました。 東日本大震災の時の英国大使館についての記事を最近よみまして、いち早く仙台入りし、物資配布と英国人安否確認に回り、放射能については、科学的知見をホームページで広報して、距離をとれば過度な恐れは必要なしとし、東京に留まったとの記事でした。「外国要人初」ウィリアム王子「被災地一泊」の意味 脱原発、健全財政、歴史認識を説く完璧なドイツ、したたかに自制的なイギリス、行動原理が異なるようです。ドイツは欧州に多額の貢献をしてきたものの戦時賠償はしていないそうです。韓国に巨額の賠償をした日本とも異なるようです。
Apr 3, 2015
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