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21世紀の針路
なるコラム欄があり、今日は、兵庫県立人と自然の博物館名誉館長でいらっしゃる、河合雅雄氏によるもの。早速、引用させて頂きます。。。
『ウォーキングが流行っている。
60歳を超えると、健康の自己管理をしっかりすることが大切になるが、数多くのサプリメントに頼るより、ウォーキングはだれにでも簡単にできる健康法である。第一お金がかからないし、いつでも気の向いたときにできる。
糖尿病、高血圧、動脈硬化や肥満などの生活習慣病の予防や治療に効果があるといわれている。そのほかに、もうひとつ重要なことが抜けている。それは二本足で歩くという行為は、最も人間的な行為だということだ。
ヒトはサル類から進化し、約6百万円前に地球上に誕生した。サルなどがヒトに進化するための第一の必要条件は、直立二足歩行である。つまり、身体を垂直に立て二本足で歩くということだ。
四本足で歩くさるがなぜ二本足で歩くようになったのか。その原因や過程は残念ながら未解決であるが、そのことによって大脳が進化し、大きくなっていったことは確実である。
つまり、歩くという行動は大脳に良好な刺激を与え、大脳を活性化するということなのだ。
類例のない民族精神
健康には身体の健康と心(精神)の健康とがある。ウォーキングは専ら前者に重心が置かれ、背筋をまっすぐに、歩幅を大きくなどのマニュアルがあり、日に七千から一万歩歩けという。
マニュアル通りでなければウォーキングでないと思っている人や、ウォーキングシューズがどうとか、果てはウォーキングファッションまでエスカレートすると、頭をかしげたくなる。
ウォーキングとことさらに言わなくても、わが国には昔から散歩、散策、漫歩、遊歩、しょうよう、そぞろ歩きなど、いい言葉がある。私の子ども時代には、鳥打帽やソフト帽、夏にはカンカン帽をかぶり、ステッキをもって散歩する姿を見かけた。健康のために手を大きく振り、大またで歩く勇ましい姿とは違い、どこか粋でゆとりがあった。
わが国は四季のめぐりが明瞭で、一年の暮らしの感情はそれに応じて変化する。あいさつにもまず天候を言うことが多い。外国人に会った時、いきなり「今日はいい天気ですね」と言えば、けげんな顔をされるだろう。「ハウアーユー ご機嫌いかがですか」と相手のことを尋ねるべきところを、なぜ天候のことを言うのか。言われなくても分かっているではないかと。
「雨ですね」というあいさつは、単に天候のことを意味しているのではない。行楽、洗濯や運動会、気分など諸々の事柄が含まれている。天候に関する生活感情を、私たちは文化として共有している。
これは一例だが、日本人の民族精神の基層を形成している重要な要素の一つは、四季のめぐりに応じた生活感情、美意識、宗教性など、自然との一体感から生まれたものである。
春の花見、秋の月見、紅葉狩りなどの風流に興じ、桃の節句や菖蒲の節句を祝う民族は類例を聞かない。人々は四季の移り変りとともに生きている。
大切な自然との対話
散歩はただ歩くことが目的ではない。四季のめぐりの変化に応じた自然の風趣を楽しみ、往き逢う知人と交わす軽やかな会釈で心のぬくもりを感じ、仕事の疲れやストレスを癒すのである。
今必要なことは、ウォーキングと散歩の融合であろう。雨の日はウォーキングにはいとわしいが、散歩には晴天では味わえない風情を楽しむことができる。日本語には雨に関する語が非常に多い。春雨、しぐれ、野分など、思いつくままでもすぐ幾つかあがるが、晴れに関する語が意外に少ないのが面白い。
散歩とウォーキングがドッキングした歩く行為を、仮に遊歩と呼ぼう。遊歩を豊かにするためには、自然物の名前を覚えることを推奨したい。動植物だけではなく、雲や石ころの名も。名は相手と親しさをつなぐチャンスである。
名前を知らない親しい人っているだろうか。石畳の割れ目に咲いている黄色い花ーカタバミと知った時、思わず言葉がもれる。「ああ、がんばってるな」。自然との対話が心を豊かにし、世界を広くしてくれる。』
自然との対話。。。高校を卒業して勤務の都合で大阪府住まいになったとき、何が違うんだろう?と感じたのは、もしかしたらこんなことだったのかも。当時の同僚が「大阪の海は海じゃない!」と仰ったことを今でも覚えている。確かに、神戸市と違って、大阪市内から観える山といえば、遥かに霞む生駒、葛城山系のみ。毎日の様に眺めていた山々。この緑が安らぎを与えてくれていたんだと思う。その点、海があって山がある神戸市は大阪とはまた違った雰囲気がある。。。淡路島も然り♪まぁ、都会の人には何も無いのが淡路島かも知れないけど。
銭湯地域で米軍に弾薬提供 2016.10.18
本日付地元紙『正平調』から。。。 2012.09.25 コメント(4)
5日付地元紙『正平調』より。。。 2012.09.06