PR
Comments
Category
Freepage List
Calendar
新兵庫人
というシリーズがあり、日曜日は第14回、旋律の担い手と題され、中嶋仁さんのことが紹介されていましたので、そのまま引用させていただきます。オーケストラが、こういう人によって支えられているんだ。と実感させられます。これからも、お元気でご活躍をとお祈りします。
『取り外したトランペットのピストンに異常は見られない。「1時間に1回くらい、押さえた時にすぐに戻ってこないことがある」という奏者。楽器店「グランド楽器」(神戸市)のリペアマン(修理技術者) 中嶋仁
(48)は「落としたことは?」「どのように吹くの?」と質問を重ねた。「楽器を傾けながら演奏する」という言葉にピンときた。ピストンがほんのわずか変形していた。
金管楽器修理に携わって30年。約4万本の楽器を扱ってきた。話し好きで演奏者と雑談するうちに、故障個所が分かることが多い。「リペアマンの仕事は医者と似ている。話をして原因を突き止める」
修理が簡単なケース以外は、楽器店からメーカーへ送るのが一般的だが「部品交換しなくていい場合は直す」。
関西を代表する管弦楽団に属する近刊楽器奏者の8割前後が愛器を中嶋のところに持ち込んでくるという。「彼がいないと関西のオーケストラは成立しない」との声も聞かれるほどだ。
●
作業机に広げられていた50個もの金属部品が、鮮やかな手さばきでサクソホンに戻った。中学1年の時、神戸の楽器店で見たリペアマン福永一雄(63)の点検・修理の仕事は今も忘れられない。中嶋にとっての原点だ。プラモデル作りが趣味の少年には神業だった。福永の仕事を見たくて、高校卒業まで毎月1回通っていると「アルバイトしてみないか」と誘われた。
神戸市にあった真珠加工販売店の実家は歌謡曲はポップスが流れていた。小学3年でマリンバを学び、中高校の吹奏楽部でサクソホンやドラムを演奏。音楽は身近だった。
修理店で、使われなくなった楽器で練習を重ねるうち、細かな傷も残さないために内側からたたいて直すことを思いつき、先端にパチンコ玉をつけた棒状の修理道具を考案した。トランペットのピストン同士をつなぐ約1センチの枝管用など、修理に応じて作った棒は100本近くある。
最も多い仕事は、おとして変形した部分の復元。パチンコ玉で少しずつたたいて直す。汚れ除去にライターオイルを使い、潤滑油として化粧クリームを試したりしてきた。「この仕事は好奇心が必要」が持論だ。
微妙な作業に神経を張り巡らせる中嶋には演奏会招待状が毎週のように届く。差出人は修理した楽器の演奏者。演奏会打ち上げの席で感謝されたとき、初めてほっとする。
「演奏者のへこんだ(落ち込んだ)気持ちを元通りにできることがうれしい」
リペアマンとしての確かな誇りを胸に、今日も楽器と向かい合う。(敬称略)
中嶋仁さん
「元の90%まで仕上がれば演奏者は直ったと考えるが、私はそこからもう少しいい音にならないか努力している」=神戸市東灘区魚崎中町1、グランド楽器』
『刺激的情報で終わらぬために』。。。 2012.09.16 コメント(8)
『女性生徒が察知した暴力の匂い 男たち… 2012.09.04 コメント(2)