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昨日に引き続き、以下の本の読書メモです。『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』(ジェイク・ナップ&ジョン・ゼラツキー著、櫻井祐子訳、ダイヤモンド社、2019、1760円)本書の「チャージ戦術」の章には、「カフェインをうまく使う」という章があります。(p247-258)そして、その中に、7つの戦術が紹介されています。僕は普段コーヒーをよく飲むので、カフェインをとりすぎかもしれない、と思うことがあります。それが不眠やパフォーマンスの低下につながっているのではないか、と危惧しています。本書の指針は、今後のコーヒーとの付き合い方を考える上で、大変有益なものでした。7つの戦術の中で、僕が特に気をつけたいと思ったことが、こちら。カフェインの「門限」を決める(p257より)これは、不眠の悩みへの具体的なアドバイスです。本書では、次のような説明がされています。・平均的な人が16時にコーヒーを飲むと、21時か22時ごろにカフェインの血中濃度が半分になるが、残りの半分はまだ体内に影響をおよぼしている。(p257より)引用した箇所以外でも、非常に科学的にカフェインの作用について説明されていて、しかもその説明が大変分かりやすく、腑に落ちるものでした。カフェインの「門限」は人によって違うらしいですが、本書を読むまでの僕は、わりと帰り際にコンビニでコーヒーを買って飲んだりしていたので、そういうことは基本的にはやめるようにしました。日によっては己の欲に負けて夕方にコーヒーを飲んでしまうこともまだまだあるのですが、不眠のつらさや生活への悪影響も知っているので、やはり、これについては気をつけないとなあと思っている次第です。本書はわりと分厚い本ですが、大変読みやすく、具体的なアドバイスに満ちているので、よかったら、皆さんも読んでみてください。ちなみに、著者のお2人は、GoogleやYouTubeの会社で働いてこられた方です。<予告>長年にわたって利用してきた楽天ブログですが、この5月をもって記事の執筆を終了しようかと思っています。明日の6月1日以降、新しい記事は、FC2ブログに書いていく予定です。理由は、今年になってから楽天ブログを閲覧する際に広告を見てからでないと閲覧できないことが頻繁にあるからです。見に来て下さった方にストレスを感じさせたり、我慢を強いることがあっては申し訳ないと思って、ブログの引っ越しを決めました。明日は楽天ブログにも記事を掲載しますので、そこで少し詳しく説明させていただく予定です。▼首こり・肩こりで眠れない人に「蒸気の温熱シート」(2017/09/17の日記)
2024.05.31
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僕が非常に影響を受けた本を紹介します。『時間術大全 人生が本当に変わる「87の時間ワザ」』(ジェイク・ナップ&ジョン・ゼラツキー著、櫻井祐子訳、ダイヤモンド社、2019、1760円)この本の中の教えの1つに重なることを、僕は実は、一時期、合い言葉にしていました。それは、「ハイライト・イズ・デライト」という言葉です。(昨年のブログに、書きました。)たぶん、本書を読む前に僕が思いついたことだったような気はするのですが、この本にも全く同じことが書いてありました。#もしかしたら、本書を読んだのが先だった??本書の中には、ほかにも、印象的で、ずっと記憶に残っていることが書いてありました。でも、なかには忘れてしまっていることもあります。今日は本書の中から、僕が忘れていたことで、今本書をぱらぱらめくって、「これは、覚えておきたい」と思ったことを、記録しておきます。それが、こちら。ツールに凝らない(p194より)「レーザー戦術 ”フローに入る”」の中の1節です。1ページにコンパクトにまとめられた、短い1節ですが、すぐにツールに凝りたがる僕には、これが必要だ、と思いました。「ツールに凝らない」はタイトルですが、その中身では「ツールにこだわるのは本末転倒だ。」といったことが書かれています。いやあ、まったくだ。なお、該当ページの右ページ(p195)には、これもまた短いコラムが入っていますが、そのタイトルは、「『最強のツール』は最もシンプルなツール」といったものです。そうです。実は、鉛筆が最強の筆記具だったりするのです。まさに、そういうものですね。明日は、本書を読んでからずっと気をつけているコーヒーのとりかたについてのメモを皆さんと共有したいと思います。よかったら、明日もまた、見に来てください。▼「ハイライト イズ ディライト」(「今日のハイライト」が喜びをもたらす)(2023/06/09の日記)
2024.05.30
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昨日に引き続き、今夜もさだまさしです。昨日のブログ記事の最後に紹介した、最新のトークアルバムを聴き終えました。【おまけCL付】2024.05.22発売 歌ってはいけないCD ~さだばなし 迷作集 令和六年版~ / さだまさしこの中に、「オーロラ写真家」の方の話が出てきます。CDの最後から2つめに収録されている「ロサンゼルス追突事件」というトークです。(AppleMusicへのリンクをはっておきます。)僕は、この話を聞いて、「そういえば、以前、『オーロラ』という曲をよく聴いていて、好きだった」ということを、思い出しました。さだまさしさんの「オーロラ」という曲、皆さん、ご存じですか?ずいぶん前ですが、テレビ番組で、『誰も知らない泣ける歌』というのがありました。そのなかで紹介されていて、知った歌です。実話をもとにした歌で、そのエピソードを知ってから聴くと、ほんとに、涙が出ます。この曲は、普通にアルバムに収録されているのですが、実は、曲名が「オーロラ」となっていません。アルバムでは「極光」と表記されています。なので、近年AppleMusicで頻繁に曲を聴き始めてからも、この曲が「オーロラ」だとは気づかず、スルーしてしまっていました。歌の中では思いっきり ♪オ~~ロ~ラ~~~~ と歌っているのですけどね。トークを聴いて、「そういえば」と思って、調べてみて、久しぶりに聴いてみました。やっぱりいい曲です。さだまさしは、隠れた名曲が多いです。ちなみに僕が一番好きな曲は、「奇跡~大きな愛のように~」です。大学時代に、先輩がカラオケで歌っていて、「なんだこの歌は!すごくいい歌!」と感動しました。あんまり感動したので、自分の結婚式の時にも、歌った歌です。今でも、クルマの中で、たまに歌います。3年前にこの曲のニューアレンジバージョンが発売されました。#奇跡2021この曲を復活させるとは、さすがさだまさし、わかっとるなあ、と思いました。▼4/22(土)とっておきの音楽祭 in 丹波篠山 (2023/04/16の日記)▼フィンランドのインクルーシブ教育 ~矢田明恵「フィンランドにおける学習困難への対応」 (2023/08/15の日記)
2024.05.29
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歌手さだまさしさんのコンサートに行くと、トークがとても面白いです。さだまさしさんは、高校時代・大学時代ともに落語研究会(いわゆる「おちけん」)に所属されていたそうで、落語家としての腕前もかなりのものです。思い出話のディテールを見事に再現するその話の奥深さとおもしろさ。「話をすること」に少しでも関係のある人は、この方のトークはぜひ一度聞いておかれたほうがいいんじゃないかと思います。#話し方の勉強になります!トークの内容は、多岐にわたります。めちゃくちゃ笑える話もありますが、ある教訓が得られたり、感動を覚えたりすることもしばしば。歌よりもトークを楽しみにしているお客さんも多い、というのもうなずけます。そういうわけでトークだけを集めたCDが以前から売られていたりするのですが、なんと、トークだけを集めた本も、出ていました。『さだのはなし ~さだまさしステージトーク集~』[ さだまさし ](絶版につき、リンク先は電子書籍版)この中に、「安本学級」という話が収録されています。(p79~85)「安本先生」は、さだまさしさんが高校2年の時の先生だそうです。とてもすてきな先生だったことが、さだまさしさんのトークの端々から伝わってきます。ぜひ、みなさん、読んでください。#もしくは、聴いてください。トークの最後で紹介されていた「安本先生」の言葉は、次のようなものでした。・「学校というところは勉強しに来るところじゃない。 勉強というものを勘違いするな、 勉強というのは学校を出てからするもんだ。 学校に通う時間というのは、勉強するための方法を教わりに来てるんだよ、 勘違いするなよ」(p85より)さだまさしさんの高校時代というと、ずいぶん昔のことになりますが、これは、今でも通じる、普遍的な、大切なことだと思います。「学校」というものをどうとらえるか?「勉強」というものをどうとらえるか?さだまさしさんのトーク集を読んで、僕は改めて考えさせられました。さだまさしさんのトークは前振りも含めた全体の構成が本当にうまいので、ぜひ全体を通して聞いてほしいと思います。トーク集の最後におさめられていた「『未来』は『希望』の別名」という話も、とてもよかったです。さだまさしさんの話は、笑えるところももちろんたくさんあるのですが、じーんとくる話もたくさんあって、それらが絶妙に混じり合っています。特に、50代以上の方は、さだまさしさんが昔を振り返って話されるエピソードの中のディテールに、共感できるところも多いのではないかと思います。ところで、この本には、「ファンが選んだBEST10ランキング ○○編」というのが、いくつか載っています。その中には「この歌詞が好き!」というランキングもありました。僕はずっと前にさだまさしのファンクラブに入っていたこともあるくらいなので、まあ、だいたいの曲やトークは知っているのですが、僕が知らない曲が、このランキングには何曲か入っていました。さだまさしと言えば、「詞がいい」ということで、有名です。さだまさしの場合は「作詞」と書かずに「作詩」と書く、というほど、詞にこだわりがあり、歌詞が胸を打つものが多いのです。僕の知らなかった曲でランキングインしていたものを調べて聴いてみました。そして、またまた「心の友」と呼べるような、名曲に出会えました。その中の1曲に、「祈り」という曲がありました。曲も詞も、ほんとうに素晴らしいと思いました。映画「祈り -幻に長崎を想う刻-」の主題歌だったそうです。長崎出身のさだまさしさんの平和への願いが、この曲に込められていると思いました。P.S.トークだけを集めたCD、なんと今年にも出ていました。比較的近年の録音が集められている気がします。#ネタは定番の鉄板ネタがおおいかな?【おまけCL付】2024.05.22発売 歌ってはいけないCD ~さだばなし 迷作集 令和六年版~ / さだまさし▼コスモス ~群れあった個々が、別の色~(2016/10/25の日記) ▼さだまさし『アントキノイノチ』(小説)(2009/09/23の日記)
2024.05.28
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ChatGPTが、進化したんだって!皆さん、知ってました?😄ChatGPTが、4o(フォー オー)になったんですって!ほお~~。(笑)まあ、ChatGPT4oが出たのは2週間くらい前なので、知っている人は、知っていると思います。o(オー)は、omni(オムニ)という意味だそうです。いろいろできるようになったそうです。AI界隈では、ここのところ、この話でもちきりです。話は変わりますが、先日久しぶりに楽譜集を買ったんです。それで、昨日の日曜日は、その楽譜集を見ながら、音源を聴いていました。今は、CDを買わなくても、AppleMusicでCDごと聴けるので、とても便利です。ちなみに、買ったのはこれ!楽譜 みんなのやさしいハーモニー 新沢としひこ&中川ひろたかソング〈祝・30周年記念 こども合唱版〉 / ドレミ楽譜出版社こども園や小学校低学年くらいで歌うのに最適な、名曲のオンパレード。シンプルで、やさしい感じの曲が多いです。一般的な「合唱曲」とは違う、やさしさいっぱいのアレンジです。↓下のCDの音源に対応しています。新沢としひこ&中川ひろたかソング 祝・30周年記念 こども合唱版 [ (キッズ) ]ところが、楽譜を見ていて、気になったことがあったんです。そういうのって、音楽に詳しい人に訊けばいいんでしょうけど、わざわざ訊くまでもないよな~という、ほんとにちょっとしたことなのでした。そこで、恥ずかしげもなく気軽に訊けることで有名な、AIのChatGPTさんに、訊いてみました。僕はChatGPTの無料会員なのですが、なんと、無料でも最新モデルのChatGPT4oが、ちゃんと使えるんです。#回数制限は、あります。すごいですGPT4oさん、めっちゃ音楽にも詳しいです。4oになって、回答がめっちゃ速く、すぐに返答してくれるようになっただけでなく、その正確性や、表現力も上がっていると思います僕は、GPT4oさんの回答を読んで、めちゃめちゃ勉強になりました。以下に、実際の質問と、GPT4oさんの回答を転載します。(回答は長文なので、冒頭部分のみを掲載)ひとつめの質問への回答の質に感動した僕は、その後も楽譜を見ていてちょっと気になったことを、質問してみました!いちおう、質問する前に、自分なりに「この答えはこうじゃないか」というのは持っていました。「借用和音」というのは、実は、僕が考えていた答えだったので、裏付けがとれて、うれしかったです。次が、3つめの質問です。このときの回答の「プラガル・ケーデンス」は、まったく予想外の言葉でした。「へえ!そんなの、あるんだ!」と思いました。楽典の勉強をした時に、もしかしたら勉強していたのかもしれませんが、今初めて聞いた気もしています。いやあ、ChatGPTとのやりとりは、本当に、勉強になります。あなたも、なんらかの専門分野でちょっと気になったことがあったとき、専門家に訊くのも訊きにくいなあと思ったら、ぜひ、ChatGPTさんに訊いてみてくださいね。いちおう、正確性が上がっているとは言え、「ChatGPTはウソも言う」というのは、最初にChatGPTが出てきた時にさんざん経験しているので、100%完全に信用していい答えかどうかは、要検証です。ただ、ChatGPTの答えを使ってキーワード検索することで、検証もできるし、さらなる勉強にもつながるので、やっぱりChatGPTとのやりとりは、まちがいなく勉強になる、という実感をもっています。▼驚異のAI「ChatGPT」について分かりやすく解説します!(2023/02/28の日記) ▼ChatGPTはウソばかり言う!? お笑い芸人がきいたら抱腹絶倒の回答が!(2023/10/19の日記)
2024.05.27
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うちの子はサッカーが大好きで、よく家の中でサッカーをしています。(笑)僕はサッカーが得意なわけではありませんが、中高生時代には『キャプテン翼』にハマっていました。あの時代、『キャプテン翼』に感化されてサッカーを始めた子が、いっぱいいました。その中からプロも出てきたようです。#ボールは友だち!こわくないよ!そんなわけで、今日は『キャプテン翼勝利学』という本を紹介します。マンガ『キャプテン翼』内のエピソードと、現実のサッカーの試合のエピソードの両方を参照し、興味深い考察を加えている本です。『キャプテン翼』作者の高橋陽一先生の公式の許可をいただいているようで、マンガの大ゴマもバシバシ引用されていて、「キャプつば」ファンなら読んで損はない1冊です。これが、けっこう勉強になります。『キャプテン翼勝利学 』(集英社文庫) [ 深川 峻太郎 ]上の本は文庫版ですが、僕が読んだのはその前の版です。引用に際し、手元の本のページ番号を書きますが、文庫版ともしかするとページ番号がずれているかもしれません。あらかじめご了承下さい。僕が特に勉強になったのは、次の箇所です。第6章の最後「思考を過去や未来に飛ばすべからず」(p72-74)のところです。・試合でのパフォーマンスは「実力+セルフイメージ」の総和で決まる・「セルフイメージは、思考が過去や未来に飛んでいるときに小さくなる」・昨日や明日のことを考えていると、今日のことがおろそかになる(p73より)・目の前のプレイに集中していないから、セルフイメージが縮小してパフォーマンスが落ちるのだ。・人間、「皮算用」にふけってボンヤリしていると、ろくなことはないのである。(p74より)上の考えはスポーツドクターの辻秀一先生のものらしいです。上の記述の前に、その先生の著書が紹介されていました。『痛快!みんなのスポーツ学』 / 辻 秀一 / 集英社インターナショナル スポーツだけでなく、広くいろいろな場面で、このことは覚えておくとよさそうです。大事な場面こそ、「今ここ」に集中することが大事ですよね!ところでこの本には『キャプテン翼』の名台詞も、もちろん引用されています。最後に、僕がたしかにこれは名台詞だと思った名台詞を引用して終わります。・「今のは次藤のオウンゴールじゃない。 おれたち全員のオウンゴールだ」(p93より このシーンのマンガはp92に掲載)このセリフ、覚えておいて、僕もぜひ使いたいと思います。(関連する過去記事)▼今読むべき 公立野球部 改革の物語 ~コージィ城倉/ちばあきお『キャプテン2』 (2021/05/29の日記)
2024.05.26
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録画していた「珍百景」を見ました。「珍百景」では、たまに「子ども社長」が出てきます。今回の子ども社長、アイデアが素晴らしく、社会的にも意義のある活動をされていると思いました!↓「珍百景」公式サイトでは、該当回の情報がこのように書かれています。■中学生がアクセサリーを開発して会社社長に愛知県名古屋市の中学2年生の水野さんが、耳ではなく髪につけるイヤリングを開発、起業し自ら会社の社長をつとめている光景。小学2年生の時に、ヘアピンとストロー、ビーズ、毛糸でイヤリングを作り、それを見た父親が弁理士に相談を持ちかけ、小学5年生の時に特許を取得し、髪につけるイヤリング「マイヤリング」として商標も登録したという。そして、小学6年生で取締役社長として本格的に活動を始めたそう。イヤリングは、水野さんがデザインを考え材料を購入、全てハンドメイドなんだとか。水野さんは先天性の胆道閉鎖症という国指定の難病で、小学生のとき母から生体肝移植を受けたのだそう。物づくりに興味をもったのは、闘病中に同じ病棟の子と一緒に画用紙にマスキングテープで絵を描いたり、工作したりしていたことがきっかけだったという。今では元気に社長として頑張っており、今後は国際特許を取得し、世界中に広げることが目標なんだとか。 (2024年5月19日放送 https://www.tv-asahi.co.jp/nanikore/backnumber2/0124/ より)番組に関しては、見逃し配信が、明日までだったら、TVerで見られます。▼ナニコレ珍百景 「日本一!?の駄菓子店&終わりの見えない階段…どこまで続く?長い&広い&多いSP!」 https://tver.jp/episodes/epwu78ked2 (5月19日(日)放送分、5月26日(日)19:00 配信終了)#番組冒頭の、長い&広い&多いSPも面白かったです。#めっちゃ長い廊下の雑巾がけとか、「どんだけ~!」と思いました。今回取り上げさせていただいた子ども社長さんのところは、番組の最後(40分12秒のところから)に放送されていました。ピアスのように耳に穴を開ける必要がなく、見た目はほとんどイヤリングであるところが、画期的です。特許を取るために非常に高額のお金がかかったそうですが、「それだけの価値があることなんだ」と前向きに捉えて特許を取り、起業されたお話を聞いて、感動しました。夢はこうやって実現していくのですね。この社長さん、今調べてみたら、以下のようなクラウドファンディングもされていました。▼中学生社長の挑戦!耳に付けないイヤリング “マイヤリング”を小児病棟の子ども達50人に届けたい目標を大幅に上回る204%の支援がされていて、非常にたくさんの方に共感され、応援をもらっていることが分かりました。上のクラウドファンディングページの中でも紹介されていますが、小6の時にすでに社長になって番組で取り上げられたことがあり、その番組を現在YouTubeで見ることができます。【発明】耳につけないイヤリング 父の後押しで特許取得した小学6年生の社長(中京テレビNEWS、2023/03/20)こういったいいニュースはどんどん広めていきたいと思い、取り上げさせていただきました!▼SDGsに取り組む小学生社長!(2023/10/22の日記) ▼中1がSDGsの学習の一環で「アップサイクル」について劇発表(2023/11/04の日記)
2024.05.25
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昨日は、フィンランドのインクルーシブ教育に関するブログ記事を書きました。それに関連して、来月のおすすめのシンポジウムの情報をシェアいたします。お世話になっている大学の先生から、教えていただきました!▼シンポジウム「インクルーシブ教育の実践と地域で生きる権利in大阪~障害者権利条約2022年総括所見の実現を目指して~」 (日本弁護士連合会)本シンポジウムでは、先駆けてインクルーシブ教育が実践されている大阪や外国の制度の紹介、当事者の体験などを報告いたします。(上のリンク先の公式の説明より引用)いやあ、いいですね!大阪では非常に長い原学級保障の歴史があり、ここから発信される弁護士会のシンポジウムというのは、大変貴重で、意味があると思っています。参加費は、無料。開催日時は、2024年6月29日(土) 13時00分~16時30分。会場まで行けない方も、オンラインでも視聴可能だそうです。以下、具体的な予定内容です。■基調講演「人権としてのインクルーシブ教育」 大谷恭子(東京弁護士会)■基調講演「北欧のインクルーシブ教育視察の報告」 大胡田誠(第一東京弁護士会)■人権救済申立事件報告「令和4年4月27日付け文部科学省通知が投げかけたもの」 橋本智子(大阪弁護士会)《パネリスト》 豊中市で育った元生徒たち・家族 常清麻紀氏(豊中市立小学校教員)、大谷恭子、大胡田誠《コーディネーター》 辻川圭乃(大阪弁護士会)(公式案内より)このところ頻繁に開催されている東京大学インクルーシブ定例研究会のオンラインセミナーでも、昨年、「弁護士が見た学校で起きている差別-インクルーシブ教育のために知っておいて欲しい権利と制度」というテーマで開催がありました。▼弁護士が見た学校で起きている差別-インクルーシブ教育のために知っておいて欲しい権利と制度 (東京大学インクルーシブ定例研究会、2023/10/13に開催済)このときは今回のシンポジウムに登壇される大谷弁護士の弟子の方のお話をうかがいました。「丁寧に進めていく背景にはすさまじい怒りがある」と言われていたのが、すごく、印象に残っています。今回のシンポジウムに先立って、大阪弁護士会の以下のサイトも、ぜひ、ご覧下さい。▼文部科学省が初等中等教育局長名義で発出した令和4年4月27日付「特別支援学級及び通級による指導の適切な運用について(通知)」(4文科初第375号)のうち、特別支援学級に在籍している児童生徒について、原則として週の授業時数の半分以上を目安として特別支援学級において授業を行うことを求めている部分を撤回するよう勧告した事例 (大阪弁護士会 人権擁護委員会)文科省が出した、いわゆる「4.27通知」に関して、人権侵害の恐れがあるとして、「原則として週の授業時数の半分以上を目安として特別支援学級において授業を行うことを求めている部分を撤回するよう、勧告する」という勧告書を大阪弁護士会が出した件の詳細が掲載されています。(引用部分は同サイト内の勧告書1ページ目による)リンク先の最下部にあるPDFファイルを開いていただくと、勧告書が表示されます。サイトの事例報告よりも、勧告書そのものを見ていただく方が、読みやすいと思います。国連の勧告でも「人権モデル」が強調されていました。「人権」の観点から「インクルーシブ教育」をとらえ直すことが、必要です。そのためにも、弁護士の方々のお話を聞くことは、今非常に求められていることではないかと思います。▼NHK「合理的配慮」特集が記事に! 『「合理的配慮」がよく分かる 考え方と具体例』など (2023/08/30の日記)
2024.05.24
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ずいぶん前に参加したオンラインセミナー。ネット記事でその詳細が出ているのを見つけました。こちらです。▼インクルーシブ教育先進国から日本が学ぶことは第130回オンラインシンポレポート・前半(2023.9.1、超教育協会)当日のスライドも掲載されており、大変詳細な報告となっています。最後まで読むと、後半へのリンクも掲載されています。「海外のインクルーシブ教育先進国について知りたい」という方は、ぜひご覧になるといいのではないかと思います!たとえば「何か支援を受けるにあたって医師や心理士からの診断は必要ありません。」「全ての子どもが「デイケア(保育園)」に入園した時点で教育計画が作成される」といったことが、紹介されています。いわゆる「特別な支援を受ける」ということへのハードルが非常に低いように感じます。「すべての通常学校にクラス担任を持たない特別支援教諭が常駐しています。」ということも紹介されいて、これは僕が今やっている「学校生活支援教員」(通級担当)としての動きに近いな、と感じました。具体的な個別事例についても紹介されていて、非常に興味深かったです。なお、YouTube動画も一般公開されています。海外のインクルーシブ教育~フィンランドのインクルーシブモデル(超教育協会、2023/10/06)こうやってアーカイブを誰でも見られる形で残していただけるのは、ありがたいです!▼フィンランドのインクルーシブ教育 ~矢田明恵「フィンランドにおける学習困難への対応」(2023/08/15の日記) ▼「カナダの学校に学ぶインクルーシブ教育」(8/11オンライン学習会の案内を含む) (2023/08/07の日記)▼2月12日「イタリアのフルインクルーシブ教育」無料オンラインセミナー (2023/01/29の日記)▼【紹介】「日本型インクルーシブ教育への挑戦 ― 大阪の「原学級保障」と特別支援教育の間で生じる葛藤とその超克 ―」(ネットで無料で読める論文) (2023/07/04の日記)
2024.05.23
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今回は、外国などの遠いところの散歩やドライブの疑似体験映像が見られるサイトのご紹介です。情報ネタは、次の動画です。最高にマニアックな暇つぶしサイト50選!タイパ時代こそ遠回り!ヒラメキはここに!煮詰まった貴方にオススメ!(365日の学び ~たいぞうのITカフェ~、2023/10/28)上の動画内では、50個の「最高にマニアックな暇つぶしサイト」が紹介されています。その中には、ちょっとこちらでは紹介がはばかられるものもありますが、丸亀市役所の方が作った「まるがめクエスト」など、興味深いものもたくさん!実はけっこう勉強にもなるサイトもかなり混ざっています。今回の「散歩やドライブの疑似体験サイト」も、そのうちの1つです。上の動画では39番目に紹介されています。その名も、「CityHop」。▼CityHop | Aesthetic walks and drives from around the world https://www.cityhop.cafe/リンク先でクリックをすると、知らない街に飛ばされます。(笑)「CHANGE SCENE」を押すと、違う場所に移動出来ます。#今度は自分で選べます#英語で、まず、大まかな地域を選んでください(Asia等)#その後、その地域の中の国を指定出来ます#たいていの場合、その国の中の都市名も、指定出来ます外国から来た転入生がいる場合に、その子の国の映像にアクセスしたり、地理の勉強の時に、その場所に実際に行く代わりに使ったりと、ぜひ、有意義な使い方をしてみてください。ちなみに、「大阪」のドライブ映像も再生出来ますが、僕が少し前に大阪で実際に運転したルートが出てきて、びっくりしました。「おお!この景色は、実際に見たぞ!」と思って、テンションが上がりました。なお、映像の再生時は、キーボードの「F11」キーを押すと全画面表示になりますので、臨場感がぐっと上がりますよ。(参考リンク)▼YouTubeの散歩&ドライブ映像にラジオや音楽を重ねてひたすら作業用映像として垂れ流しにできる「CityHop」 - GIGAZINE▼近兼拓史『80時間世界一周』 (2024/02/22の日記)▼ネットショッピングの疑似体験ができるサイトなど (2023/05/23の日記)
2024.05.22
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Amazonから、メールが来ました。#詐欺ではなく、ホンモノっぽかった。この度、Amazonコインをご利用いただいているお客様に、大切なお知らせがございます。2024年5月27日以降、Amazonコインは日本のAmazonアプリストアでご使用いただけなくなります。お客様のアカウントに未使用のAmazonコインがある場合、2024年5月26日の23:59までにご使用いただきますようお願いいたします。この期限を過ぎますと、日本におけるAmazonコインの使用は完全に終了し、Amazonコインをお得にご使用いただけなくなります。 Amazonコインを利用した覚えは特にないのですが、物忘れが激しいので、もしかしたら利用したのかもしれません。というか、このメールが来ているということは、利用したんだろうな。よく分からないけど、そのAmazonコインが5月27日以降、使えなくなるんだって!使えるお金が消滅してしまうとは、もったいない!というわけで、自分が今どれくらいAmazonコインを持っているか、調べることに。ところが!自分のAmazonコイン残高が、Amazonのサイトに行っても、確認出来ない!いろいろ調べて、残高表示サイトへの直リンクを見つけて・・・ようやく確認出来ました。645コインもあった!なんだか、へそくりを見つけた気分です。消滅しちまう前に、使っちまおうと、思います。Amazonコインの残高確認リンクは、こちらです。https://www.amazon.co.jp/gp/coins/account/同じようにメールが来た人は、ぜひ、確認してみてください。そして、もったいないので、残高は使っちゃいましょう!(参考リンク)▼Amazonコインの使い方から購入方法までスクショ付きで解説!Amazonギフト券との違いとは?(Picky's、2024/05/14更新)▼Kindleの電子書籍読み上げのクオリティをアップ↑(2021/01/28の日記)
2024.05.21
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「Google Chrome」というブラウザを使うと、「Chrome拡張機能」が使えます。この「Chrome拡張機能」、けっこういろんな便利な機能があるので、知っておくといいかもしれません。#Edgeでも利用出来るらしいです。今回は、Chrome拡張機能を使って、YouTube再生時の音を変化させるやり方をご紹介します。情報ネタは、次の動画です。YouTubeを劇的に変えるChrome拡張機能20選!最高の視聴環境を!(365日の学び ~たいぞうのITカフェ~、2024/03/23)上の動画内では、20個の「YouTubeを劇的に変えるChrome拡張機能」が紹介されています。今回の「音変」(音質変化)もそのうちの1つです。上の動画では10番目に紹介されています。使用する拡張機能の名前は、YouTube Video Effects。拡張機能の取得リンクは、以下になります。https://chromewebstore.google.com/detail/youtube-video-effects/jdjldbengpgdcfkljfdmakdgmfpneldd?hl=ja&pli=1この拡張機能では、ビデオ(映像)にも、音楽(音声)にも、エフェクトをかけられます。音楽(音声)には、8個のプリセットが用意されています。それぞれの名前をクリックするだけで、サウンドが、それに合ったものに変わります。パラメーターバーをいじってもいいですし、8個のプリセットを選んでもいい。いろいろ実験すると、楽しいかもしれません。試しに、僕が以前公開していた動画に、8個のプリセットを順に適用してみました。そして、それを録画して、YouTubeに公開しています。YouTubeの音変実録!(YouTube Video Effects の機能を使ってみた)僕は、「Bass」にしたときにけっこう音がよくなったように感じました。低音って、やっぱり大事ですね。あとは、「Voice」にしたときに、その名の通り、歌声がはっきり聞こえてきました。微妙な変化ですが、音質にこだわる人は、けっこうバカにできません。自分でYouTube動画を公開している人は、公開中の動画にこういった効果をつけて聴いてみると、自分の音をよりよくするエフェクトのかけ方を発見できることになるかもしれません。▼子ども向けのYouTube動画視聴設定を徹底解説!「制限付きモード」など (2021/08/21の日記)▼子どものiPadの設定強化! YouTube見過ぎ完全防止へ (2020/11/22の日記)
2024.05.20
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昨日まで3回にわたって読書メモを書いてきた『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』。ほかにも非常に興味深い、重要なことがたくさん書かれていました。「テスト」以外にも「通知表」のことなどにもふれられていました。今の教育をもう一度再点検したい方は、ぜひ読んでほしいと思います。『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』(渡辺道治・フォレスタネット、学事出版、2021、1980円)書きたいことがほかにもあるので、とりあえずこの本の読書メモはいったん一区切り。今回は少し視点を変えて、「おもしろい授業にしよう!」というテーマで書きます。最近いろんなところで「オモロー授業発表会」というのをやっています。▼公式サイト僕は、これ、かなり興味があったので、4月6日(土)に神戸で開催されたものに行ってきました。「教育」のあり方を真剣に考えておられる方々が、それぞれ20分くらい、話をされました。元教員で今は違う仕事をしておられる方々もいっぱいで、異業種交流会っぽい雰囲気もありました。既存の枠に当てはまらないお話が相次ぎ、とてもおもしろかったです。一例を挙げると、元教員の料治洋之さんは、「各単元の見開きページを子どもたちがショートドラマにして発表する」という取組をされていたそうです。#社会の授業だったかな。僕自身も以前演劇やミュージカルをやっていて、授業を面白くするために演劇的要素を取り入れたり、ドラマ化していくことが大事だと思っているので、とても共感しながら聞いていました。工夫次第で、いろんなことができる!ということに改めて気づかされた「オモロー授業発表会」でした。神戸では夏休みの7月28日(日)と8月23日(金)にまた開催されるそうです。神戸だと遠方の方も行きやすいと思いますので、興味がある方は、ぜひ行ってみてくださいね。そして、なんと今日も、同じ兵庫県内の三田市で開催されるようです。今知って、今から行ける方は、ぜひ、行ってみてください。▼オモロー授業発表会 兵庫県三田市 案内(公式サイト内) 日時:2024年5月19日(日) 13:30 ~ 17:30 場所:三田市総合福祉保健センター 1F 多目的ホール 定員:150名 参加費:1,000円 ※高校生以下参加無料 タイムスケジュール: 13:00 ~ 開場 13:30 ~ 15:00 第1部 15:15 ~ 16:45 第2部 16:45 ~ 17:30 茶話会神戸の会に参加した感じだと、すごくゆるい雰囲気だったので、多分、今から申し込んでも、行けると思います。教員だけでなく、子どもや、保護者、会社勤めの方も参加されていて、ほんとに異業種交流会って感じでした。こういう会、大事だと思います♪▼安住紳一郎さんの授業が「超」面白い(2022/03/28の日記)▼「かまぼこ先生」になるな! 黒板を子どもたちに開放せよ! (2023/08/06の日記)▼『たのしい授業』2021/1月号 (2021/02/06の日記)▼「ミュージカルのような授業」 ~マンガ家矢口高雄さんの体験より (2014/03/29の日記)
2024.05.19
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以下の本の読書メモを、かなり部分的な記述を拾いながら、何回かに分けて書いてマス。今回が、第3回。『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』(渡辺道治・フォレスタネット、学事出版、2021、1980円)第1回→ADHDの子どもにとって動くことは必要!第2回→作文の「書き出し」をプロから学ぶ図書館の活用僕のブログ記事では「足並みバイアス」に関わる中心的な論をあえて避けて周縁部にあたるところだけを紹介している気がしますが、そういった細かなことの積み重ねが、「足並みバイアス」を乗り越えることになるのだと思っています。とにかく良書であることは間違いないので、ぜひ買って読んでください。今回は、九九を覚えていない子に、九九表を見ながらわり算の学習をさせてもいいじゃない、といったお話。これ、実は「テストの時にも使わせていいのか」という議論が、よく起こります。「評価」は公平でなければならないという、呪縛です。通常学級の学習をインクルーシブなものにしていくには、この議論は、避けては通れません。みんな同じテストを、誰も頼らず、何も使わず、自力でやらないといけないという「思い込み」や「足並みバイアス」が、特に知的障害や学習障害のお子さんが通常学級で共にテストを受けることを妨げています。大事なことは何なのか、考えたいです。本書では以下のように書かれています。■算数の学習を変える 「算数の授業改善」ステップ3 お助け教材はどんどん使わせよう・私は、4年生以上であれば、以下の九九カードと割り算表を表裏印刷にしてラミネート加工し、全員に配布します。そして、いつでも使ってよいこととします。テストの最中もです。なぜなら、小数の割り算のテストは、かけ算九九の習得状況を図るものではないからです。(p96より)※同ページには九九表と割り算表の画像が紹介されていますが、著作権の関係でここには載せていません。僕は長年通級担当をしていますので、かけ算九九が覚えられなくて困っているお子さんは、とてもたくさん担当してきました。そういうお子さんには九九表を渡して、学級担任の先生にも「普段の学習から使わせてあげて」とお話をしています。そうすると、「〇〇さん以外にも、これが必要な子がほかにもいます」と言われることも多いです。なので、多めに作って、「いる子には、使わせてあげて」と、複数枚を担任に預けることも多いです。そんなときの僕は、九九表製造工場になって、せっせと九九表をつくっては担任に配ってまわるのです。ただ、普段の学習で使う分には、担任も快く了承していただけるのですが、テストでは使わせてあげられない、と言われることも、けっこうあります。#テストで普通に使わせてあげる担任も、います。#同じことが、電卓の使用についても、言えます。本書の実践ではテストでも使ってよいことにしていることが明確に書いてあるので、「テストでは使っちゃダメでしょ!」と言われる担任と話をする際に、この本の記述をちょっと読んでもらって、「こういう例もあるようですよ」とお話してみるのも、いいかもしれません。#あくまでも、例です。#これはいわゆる「合理的配慮」にあたるもので、合意形成のうえでおこなわれるべきものだと思っています。#「あなたは間違っている」と糾弾するものではありません。ちなみに僕が作る九九表は、上のリンク先のようなものではなく、イラストなしで数字が色分けされているシンプルなものと、段ごとに別々のカードになっているものをよく作ります。子どもによっては、マス計算のかたちで答えが並んでいるものが一番よかったりもします。↑これは、今さっきエクセルで作ってみたものです。子どもによってどんな形式の九九表がその子に合っているのかというのは違いますので、そのへんも含めて、子どもに合ったものを使わせてあげればいいんじゃないかと思います。↓世の中には、20までの九九表もあります。#もはや九九表ではないかけ算表【1-10のだん】【B3+A4 2枚セット】▼『算数の授業で教えてはいけないこと,教えなくてはいけないこと』5~算数のやり方は一つじゃない!(2010/04/30の日記)
2024.05.18
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昨日に引き続き、以下の本の読書メモをつづけます。『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』(渡辺道治・フォレスタネット、学事出版、2021、1980円)本書には、いろいろ気になる記述がめじろ押しなのですが、「ここの部分を取り上げるのは、もうちょっと自分でも調べてから」と思うところもあるので、少し飛ばします。今回は、作文の「書き出し」をプロから学ぶ図書館の活用というテーマで本書の中の記述から、あるアイデアを拾いたいと思います。僕が、「なるほど!」と思ったところです。作文において、「書き出し」はとても重要です。そう認識している僕のこのブログ記事の書き出し、まったく工夫がないですね。すみません。もし僕が仮にブログ一本でプロとしてやっていこうとするなら、きっと、今回のようないい加減な書き出しではだめなのだろうと思います。「書き出し」でひきつけてこそ、その続きも読んでもらえるというものです。実際、有料で配信されているプロの方の記事の書き出しを見ると、毎回すごく工夫されているのが分かります。#僕はあるオンラインサロンに入っていて、毎日記事を受け取っていますが、毎回書き出しでまず何らかの仕掛けをされていて、読むのが楽しみになっています。さて、そんな「書き出し」でひきつけるワザを、いかにして身につけていけばいいのか?本書の中で紹介されていた、作文における「書き出し」の工夫を学ばせる指導が、なかなか素晴らしいと思ったので、以下に、引用します。■作文指導の「足並みバイアス」を断捨離する 「書き出し」の指導の実際・図書館に、メモ用紙と筆箱を持って集合した後、 「ここには、プロの書き出しが山のように眠っています。 ノートにできるだけたくさん写してごらんなさい」 と言いました。(p89より)・同様に「書き終わり」「タイトル」など、 局面を限定して練習を積むことで、作文力は格段に伸びていきます。(p91より)「たしかに!」と、僕は思いました。プロの文章がいかに参考になるとはいえ、一冊全部読むのは大変ですし、時間がかかります。ところが、書き出しだけに限定することで、いろいろな本を手に取って、それぞれの書き出しの工夫に触れ、自然と、「プロの書き出し」に共通するエッセンスを、感じ取ることができるだろう、と思いました。軽井沢風越学園などの、新しくできた魅力的な学校は、図書館をベースにしたところがたくさんあります。図書館の活用をこんなふうにおこなっていくのは、新しい時代の学び方にも合致したものだと感じます。「図書館」という言い方で書いていますが、既存の学校の「図書室」も同じです。勤務校でも、なかなか図書室の活用が図れていなくて、子どもたちの読書離れがどんどん進んでいるのですが、図書室を積極的に使っていくことは、子どもたちが自分で学んでいく力をつけていくために、大変重要なことであると思います。また、これは単に作文のクオリティを上げるためだけの考え方にとどまるものではなく、ほかのいろいろなことの習得にも、応用できる考え方だと思いました。自分がプロになりたい分野で、プロの創作物の中から、「局面を限定して」そこだけを見る。それを、いくつものプロの創作物から見つけることを、繰り返す。そして、単に見るだけでなく、まねてみる。こういう手法を実行することで、子どもたちの自己実現力=夢を叶える力が、飛躍的に伸びる気がします。たとえば、教師や芸人の修行でも、同じことが言えて、とにかく「ツカミ」「導入」を勉強しようと思ったら、尊敬する先生の録画の、冒頭だけを、どんどん見る、といったことが考えられます。そうすることで、先達が一所懸命に考えて練りに練って創り上げた「ツカミ」「導入」の工夫を、量をこなすことで、自然と吸収していけるのではないでしょうか。ほかにも、たとえば作曲の場合でも、イントロを勉強する、と決めたら、とにかくイントロだけを聴きまくる。こういったやり方で、「コレ」と決めたところにしぼって情報収集をし、分析をし、まねてみて、気づいたことを自分の実践に生かすことは、自らの学びを自分主導でおこなっていくために、今後ずっと自分を支えてくれる「学び方」のひとつになるのではないかと思います。非常に重要なことを教えてもらった気がしています。ありがとうございます。▼読まずに書ける読書感想文!?~『女王さまがおまちかね』より(2012/08/13の日記)
2024.05.17
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相談を受けて、いろいろな授業を見に行くことをしています。すると、なかには、よく動く子ども、常に何か触っている子、考えなしに行動して雑に済ませてしまう子がいます。そういったお子さんのなかには、ADHDの診断を受けているお子さんもいます。さて、はたして前提として、授業中に落ち着きなく動くことは、いけないことなのでしょうか。もしかすると授業者は、子どもたちが動かずにだまって話を聞くことを前提に、授業を組み立てているかもしれません。その場合、授業中に動く子は、「いけない」存在になってしまいます。でも、その子どもの側からすれば、どうでしょうか。もしかするとその子どもにとっては、動くことは、必要なことなのかもしれません。動くことが学ぶために必要なタイプであれば、それを保障してやることが、学習権の保障になるのではないでしょうか。そういったことが、次の本の中の一節にも、書いてありました。『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』(渡辺道治・フォレスタネット、学事出版、2021、1980円)本書の内容は次回以降もふれたいと思いますが、まずは今日のところはp61~63「動きの足並みバイアス」というところを、ご紹介します。以下、引用です。■動きの足並みバイアス 学習中は静かに座っていなくていい・ADHDの子どもが学習する時には、足でリズムをとったり、足をぶらぶらさえたり、椅子をゆらしたりすることは必要な行為との結果が出た。 (p61 アメリカのセントラルフロリダ大学の発表より)・普通学級において2~3割程度の子どもは、何らかの配慮や支援が必要な子どもであり、その中において例えば「学習中に動かすことが必要」などの配慮が必要である (p62 杉山登志郎『発達障害の子どもたち』をふまえた記述より) 『発達障害の子どもたち』 (講談社現代新書) [ 杉山 登志郎 ]・授業で集中が切れたら、この飛び石をポンポンと移動して、自分の席に戻る。 欧米の学校では、こうしたことが普通に認められています。 (p63 「バランスストーン」について書かれた記述より) バランスストーン(楽天で販売しているもの)・「動くこと」を禁止事項ではなく、より良い学びを実現する上での「必須要素」としてとらえることで、学習の場づくりは大きく変わります。(p63)※中に挿入した画像やリンクは僕が見つけてきたものです。僕もけっこうこのブログの中でいろいろなことを紹介してきたつもりですが、本書もまた、いろいろな情報を紹介しつつ、今の日本の教育現場にとって実現可能な提案を、かなり具体的にされています。3年前の5月に出版された本ですが、内容は全然古びていません。「足並みバイアス」が気になっている方は、ぜひ、お読みください!▼LDの俳優が主人公のマンガ『君の名前をよんでみたい』(2023/03/19の日記)▼『うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!』『発達障害 うちの子、将来どーなるのっ!?』 (2020/06/21の日記)
2024.05.16
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『Neo classroom』という本があります。#いい本です。『Neo classroom 学級づくりの新時代』(小野領一、東洋館出版社、2023、税別2000円)この本の第4章「遊び」の冒頭で、とある動画が紹介されていました。TED動画です。それは、次のような文でした。・2013年度のTED賞を受賞したスガタ・ミトラ氏が1999年におこなった 「Hall in the Wall:壁の穴」という実験からも 「遊び」から「学び」が始まることがわかります。(同書p165)「遊び」から「学び」が生まれることは、言い古されていることかもしれません。子どもたちが大きくなっていく過程に関わっている人にとっては、当たり前のことかもしれません。ただ、ここで紹介されているTED動画が新しかったのは、それが「子どもたちにパソコンを与える」という実験で示されていることです。実験の概要は、本書p166にわかりやすくまとめられていますが、TED動画なので、もちろん、今すぐここで、ネットからその動画にアクセスすることが可能です。僕はさっきアクセスして見てみました。これは紹介する価値がある、と思ったので、紹介します。▼スガタ・ミトラ : 自己学習にまつわる新しい試み最初にサインインを求められるかもしれませんが、×で消すことができます。登録しなくても見られるはずです。「Read Transcript」というボタンを押すと、日本語の講演録が右サイドに表示されます。この機能が、めっちゃ便利です。講演録の区切りごとに、再生マークがついています。これを使えば、講演録を読んで興味を持ったところから再生することができます。#忙しいあなたは時短のために使ってみましょう。こちらの動画はほんとうに示唆的です。僕たちの「教育」を問い直す、ヒントがたくさんあります。驚くべきことは、大人が教えなくても、子どもたちは勝手に学ぶということです。その効果は、驚嘆に値します。少しだけ、講演録から引用してみます。・子どもたちは やり方を知りたいと思うと それを学習するのです ・コンピューターの操作やウェブサイトの見方は 子どもたちが自分で学習できるという結論に至りました ・子どもたちが興味を抱いたとき そこに教育が生まれる・自己学習システムでは常に創発がみられます(「スガタ・ミトラ : 自己学習にまつわる新しい試み」日本語Transcriptより)興味を持たれたら、ぜひ、動画をご覧下さい。YouTubeでも見られます。スガタ・ミトラさんの別のTED動画も紹介しておきます。子どもたちがどんどん自己学習できるようになっていく様子は、以下の動画でも報告されています。こちらのほうが「壁の穴」の実験の初期段階については詳しいです。▼スガタ:ミトラ: 子供の自己教育について・言語は障壁ではないとわかりました 本当にやりたいのであれば 言語は自己学習することもできるでしょう ・コンピュータの周りでは 小さな子供が年上に教える光景がよく見られます ・測定できたいかなる分野でも 自己学習していました 彼らはコンピュータにアクセス出来れば 自ら勉強するのです ・実験で示されたのは 大人が介入しなければ発揮される 子供のグループが持つ力です ・一人の子供が使用している間 大体3人ほどの子供が周りにいて どのようにするかアドバイスしています 彼らをテストしたら 4人とも同じ点数を取るでしょう ・トップダウンである必要はありません 自己学習システムが出来るのです・子供は自己学習し 教育目標を達成出来るということです (「スガタ・ミトラ :子供の自己教育について」日本語Transcriptより)僕たちは「大人が子どもに教えないといけない」と思ってしまいがちです。でも、今回紹介した動画では、パソコンだけ置いて、大人はすぐに立ち去ってしまいます。すると、子どもたちだけで、勝手に学習していっているのです。子どもたちの可能性に大きく気づかせてくれる動画でした▼ダニエル・ピンク「やる気に関する驚きの科学」 ~『TEDトーク 世界最高のプレゼン術【実践編】』その5 (2023/04/11の日記)
2024.05.15
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ミュージシャンの『ライブMCの教科書』に学ぶ、第2回です。(第1回は、こちら→▼2024年05月13日の日記 )『おまえ誰やねん!からでもモッていけるライブMCの教科書』(クマガイタツロウ)上の画像だと、オビに何が書いてあるかよく分かりませんが、拡大すると、こんなことが書いてあります。↓(リンク先販売サイトより)田村裕さん、森脇健児さん、井上あずみさん、とそうそうたる顔ぶれからの推薦文が!井上あずみさんは、「となりのトトロ」などのジブリの歌でおなじみの方ですね。芸人さんや歌手からの信頼も厚いことがうかがえます。さて、今日は、本書の後半部分からです。本書の後半には、ケースバイケースの対処法が載っています。たとえば、「お客さんにまつわるシチュエーション」として、次のようなものが載っていました。・「お客さんが子供ばかり」 ↓・あえて小さな声で話しはじめて注目を集める「絵本読み聞かせ戦法」・前のほうにいる子供たちの目をみてコソコソ話し始める事で 「よく聞こえないけど何かが始まったぞ。なになに?」 と 後ろのほうの騒いでいる子供たちの注意をひく戦法です。(p124-125より)これまた、やっぱり授業で使えるやり方だな、と思ったところです。#上に引用したところはあくまでも例のひとつです。#ほかにもいろいろ書いてあります。実際、1年生のクラスに入った時に、僕はこのワザを使ってみましたこれをやったからといって、そんなにすぐに静かになるわけではないのですが、「目の合った子にだけ聞こえるような小さな声で、その子の目を見て話しかける」のは、対話の基本を僕に思い出させてくれて、僕の精神衛生上、なかなかよかったです。そしてもちろん、後ろのほうのザワザワが、「よく聞こえないけど何かが始まったぞ。なになに?」に変わっていったのは、すごく感じられました!本書には、ほかにも、いろんなシチュエーションが書いてあります。たとえばビアガーデンでライブをするときには、自分もジョッキを持って、カンパイの音頭をとるといい、といったことが書いてありました。(p128)その状況に合ったことを、自分から率先してする。大事ですね状況にも相手にも合っていないことを、自分の都合でおしつけても、たぶん、聞いてもらえない。すごく簡単で、誰にでもできそうなのだけど、ともすれば、自分に余裕がなかったりして忘れがちなことが、さらりと書いてあると思いました。「小さな子供に絵本を読み聞かせする時や、耳の遠いおばあちゃんとお話をする時、いつも以上にゆっくり、ハッキリ、声を出しますよね?」(p136)といった、ほんとに基本のことなのですが、その基本を改めて思い出させてくれた本でした。ここからは、おまけ!最後に、ワタナベフラワーさんの曲で、僕が一番好きな曲のことを書いておきます。僕がワタナベフラワーさんを知ったきっかけでもあります。それが、「銀幕の詩(うた)」という曲。兵庫県丹波市に映画館ができた実話を元にした映画「銀幕の詩」のテーマソングです!なつかしの映画の実名が出てきたり、昭和世代の思い出心をくすぐる歌詞と、元気のかたまりのような歌い方にしびれました!以下のリンク先のCDに収録されています。ぜひ、聴いてみてください。▼映画「下町の詩」シリーズ主題歌集CD▼丹波市唯一の映画館「エビスシネマ」の音響は日本一!? (2021/10/11の日記)
2024.05.14
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一昨日のブログ記事の中で「授業はライブである」ということを部分的にちょこっと書きました。そこで、ミュージシャンがライブのときにどんな心がけで臨んでいるか、というのを今回は書きたいと思います。一昨日のブログで紹介した石川晋さんの本では、学校の先生が異職種の人と交流することの大切さがかなり書かれていて、音楽の話もかなり出てきていました。教員がミュージシャンから学ぶことは、きっと多いと思います!#断言!と言うわけで、僕があるライブの後に購入した、とあるミュージシャンの本から、今回は引用します。『おまえ誰やねん!からでもモッていけるライブMCの教科書』(クマガイタツロウ)著者のクマガイタツロウさんは、ワタナベフラワーというバンドのボーカルです。このバンドのライブはとにかく楽しいし、工夫があります。仕掛けだらけです。『ライブMCの教科書』まで書かれているとは、筋金入りです。きっと、他職種にとっても、参考になると思いますよ♪さて、本書第4章の「準備編」では、ライブの要諦が次のように書かれています。・まずは「そのライブで何がしたいのか。何が言いたいのか。」 を考え、それを最も表している曲を決めます。 それがそのライブでの最後の曲になります。・最初の曲は特に慎重に。 初見の人へのアプローチ、 そしていつも来てくれてる人への安心感or驚きの ちょうど良い配合を探すのがポイントです。・言いたい事・やりたい事を詰め込みすぎない事。(p48-49より)これを読んで、僕はやっぱり、授業にも通じる話だと思いました。もちろん、授業では「曲」を演奏するわけではありませんが、何をやって、次に何をやって、最後に何をするのかの構成は大事です。ライブというのはみんなでつくるものですから、みんなをひきつける構成にしなくてはなりません。そのためには、テーマをしっかり決めておき、クライマックスをしっかりと頭の中で思い描いておくことです。そして、そこへ、みんなで向かっていくのです。本書で言う「初見の人」や「ファンの人」は、授業で言うと、のってきにくい子どもたちや、のってきやすい子どもたちのことかなあと思います。まずい授業は、先生についてきてくれる子だけを相手にしてしまう授業です。ミュージシャンで言うと、ファンだけを相手にしてしまうライブです。そうならないように、いろんな人がその場にいることを前提に、バランスを探っていかなければなりません。僕は音楽が好きで、実際にライブめいたことも、ほんのたまに、ちょっとだけしているのですが、「授業はライブだよなあ」というのは、すごくよく感じます。ライブという英語には、たぶん「イキイキと」といった意味もあると思うのですが、ほんとに、イキイキと、みんなで楽しんでつくっていく時間になるといいですよね!↓ワタナベフラワーさんの実際のライブ映像が、こちら!のっけのツカミから、工夫のオンパレードです。授業でほんま、まんま使えそうやなあ。本書の読書メモ、次回も書こうと思います。お楽しみに~。▼加東市役所にすごいアーティストさんがいることが判明!(^o^) (2023/10/16の日記)
2024.05.13
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妻が「変なメールが来た」と言うので、見てみました。持っていないクレジットカードの、請求メールでした。#持っていないクレジットカードが東京で深夜に使われたらしいよくある迷惑メールの類いですね。クレジットカード業者や宅配便業者を装うのは、よくあるパターンです。「身に覚えのない方はこちらをクリック」みたいにしてURLが書いてありますが、もちろん、このURLをクリックしてはいけません。そこに誘導するのが、向こうの手です。僕がこういうメールでチェックするのは、まずURLの文字。公式なものかどうか、URLの文字列で判断することができる場合があります。#URLは偽装することができるので注意が必要です#見えているURLとは別のURLに飛ばされることもありますあとは、差出人のアカウントが、公式っぽいものかどうか。それから、メールの件名などでネット検索をかけます。こういう迷惑メールは大量に世間にばらまかれているので、件名検索をかけると、「こういうメールにご注意ください」といったサイトが見つかるはずです。妻はその結果、「あ。ここに出ているのと全く同じだ」と言っていました。僕が「これは迷惑メールだ」と言っても、「もしもホンモノだったらどうしよう」という一抹の不安がぬぐえなかったようで、迷惑メールの例としてそのものズバリが示されていたので、「ほんとだ」と安堵したようです。皆様も、ご注意ください。▼文科省の情報モラルサイト「スマホ・タブレットやネットを上手に活用できるかな?」(2023/01/31の日記)
2024.05.12
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昨日のブログ記事で、石川晋さんの『エピソードで語る教師力の極意』の中から、「登山」のエピソードを紹介しました。 「完璧なマニュアルを示してその通りにしなさいというのが一番危険だ」というお話でした。その話が載っている『エピソードで語る教師力の極意』という本自体、マニュアルではない、事例やエピソードで語られる教育書であります。#シリーズ化されています。#他の著名な教育実践家の方々も書かれています。『エピソードで語る教師力の極意 石川晋』(石川晋、明治図書、2013、税別1760円)この本の前に4回にわたって読書メモを書いていた拝野佳生『関係支援を核とした学級づくり 「特別でない」特別支援教育をめざして』もまた、事例やエピソードで語られる本でした。#『エピソードで語る教師力の極意』のシリーズであっても違和感ない。「教育」における「マニュアル」からの脱却について、彼ら先輩教員から示唆されていることの意味は大きい、と感じます。もちろん、子どもたちへの「教育」だけでなく、会社の新人教育などで考えても、「マニュアル」を整備した方が、圧倒的に、速いです。「コスパ」を考えるなら、そのほうが、断然コスパがいい。でも、状況が変わったら、その通りにはいかない。その通りにいかないと、思考停止してしまう子どもたち、新人社員が、圧倒的に生まれているのです。これは、マニュアル教育の弊害です。状況は、変わるのが、当たり前なのです。現実では、いつも想定外のことが起こります。マニュアル至上主義者はその想定外に対応できない。だからこそ、マニュアルに頼らず、今ここに起きているハプニングから学ぶことこそをやっていきたい。かく言う僕も、いろいろな方のお話を聞いて、やっとここ10年でそこに思い至ったところです。学校は、そのための、かっこうの場なのです。想定外を楽しめるようになりたいものです。「マニュアル」に似たものとして、「ハウ・ツー」という言葉があります。僕は「マニュアル」も「ハウ・ツー」も否定するものではありません。むしろ大好きです。すぐそれに頼ろうとします。コスパ大好き人間です。手軽にラクをしたいです。若い頃は、「ハウ・ツー」を求めて研修会に積極的に参加していました。なにか役立つネタがほしかったのです。教師は多忙な職業でもあり、授業はライブであるため、ライブで使えるネタを必死で求める人が多いのは、経験的に言って、よく分かります。でも、一方で・・・ということも、考えておきたい。石川晋さんは研修講師として多くの現場教師に話をされてきましたが、あるときから「提案されたものを消費されることに耐えられなくなった」として、研修講師を引き受けることをあまりされなくなったそうです。(p133)このことについて、『エピソードで語る教師力の極意』では、こう書かれています。・教室で使える「お役立ちセット」のように、 もらって帰って何も思考しようとせずにそのまま使う(消費する)人たちが 明らかに出てきました。・教育活動って、そんな簡単なものでもいい加減なものでもない。 そんな「消費されていく感覚」に耐えられなくなってきました。・研究会や研修会に参加している先生方の教室の実践が、あまり変わっていないのではないかという深刻な疑いが生まれてきた(p133)「役に立つ」ことを前面に押し出しているブログ「きょういくユースフル」を書いている身としては、耳が痛いです。また、情報化がますます進んでいく今のネット社会において、自らが率先して消費者となり、多くのコンテンツをただただ消費していく消費者であることもまた、自覚せずにはおれません。ただ消費するだけで、何も成長していないということは、我が身を振り返っても、あるかもしれません。本当に役に立つとはどういうことか。サカナをとってやることか。サカナの取り方を教えてやることか。いろいろと、もやもやするのです。考えるのです。そして、それが、今こそ、必要なことなのかもしれません。↑さっき見つけたフリー画像。 似たようなことを僕はしているなあ、と思いました。 「役に立つ」だけで、周りを育てることに本当になっているのかどうか、自問自答しています・・・。▼「人権意識の”変わり目”となったエピソード」 ~拝野佳生『関係支援を核とした学級づくり』その2 (2024/05/05の日記)▼ネットでの買い物に「クーリングオフ」は適用されません (2023/10/15の日記)
2024.05.11
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夏休みに富山県で学習会があるので、行きたいなあと思っています。そこで、富山県について調べていました。図書館で、富山県の「るるぶ」を借りてきました。ガイドブックの中で、僕の目には「立山黒部アルペンルート」がとりわけ魅力的に映りました。公共交通機関を乗り継いで、かなり高所まで行けるようです。その絶景が、スバラシイ!山は好きなので、ぜひ行きたいなあと思っています。#本格的な登山はできないけど#バスで行ける範囲でいいので行きたい山と言えば、授業づくりネットワーク理事長の石川晋さんが、著書『エピソードで語る教師力の極意』のなかで、登山のことを少し書かれていました。「エピソード12 登山ガイド執筆から学んだ俯瞰する力」のところです。#教育書だけでなく登山ガイドまで書かれているとはスゴイ!晋さんが、登山ガイドの編集代表の方に言われたというのが、次の言葉です。「山は状況によって大きく変わる。 完璧なマニュアルを示してその通りにしなさいというのが一番危険だ」(同書p31より)僕は、これを読んで、「ほほう!」と、うなりました。登山では安全のためにマニュアルを重視するのかと思っていたからです。完璧なマニュアルはむしろ危険だとは!このエピソードはたった1ページしか書かれていないエピソードですが、大変示唆的でした。晋さんはその後、「お気づきの通り、これは、教育の話にそのまま重ねられる指摘なのでした。」と書かれています。(p31)石川晋さんの本は、ジャンルとしては教育書にあたるものがほとんどだと思われますが、他の方の教育書とは、少し違っています。一般的にあまり教育書で語られないようなエピソードや視点が、さらりと含まれているのです。少し違った角度から、大事なことを言っておられることが多いように思います。『エピソードで語る教師力の極意 石川晋』(石川晋、明治図書、2013、税別1760円)明日も、本書から僕が印象に残ったところを切り取って、このブログで書きたいと思います。よかったら、また、見に来てください。▼★オススメ! 石川晋×ちょんせいこ『国語ファシリテーション』 (2023/03/21の日記)
2024.05.10
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2024/5/5放送のラジオ番組「あ、安部礼司」が神回でした。めっちゃおもしろかったです。第943回 あ、安部礼司 ~BEYOND THE AVERAGE~ 2024年5月5日(G RADIO、2024/05/05)上のYouTube版は著作権の関係で音楽がカットされています。完全版は「radiko」で聴けます↓https://radiko.jp/#!/ts/FMT/20240505170000※但し、聴取可能期限:2024年05月10日 19:45まで「あ、安部礼司」は、音声によるラジオドラマ。人気の長寿番組です。僕は、アーカイブ配信を、毎週楽しみにしています。今回は、「恥ずかしながら、知りませんでしたっ!」がテーマ。と言っても、「いやあ、これは知らんかったなあ」というのが、いっぱい。知らない立場で一度聴いて、その後、知っている立場でもういちど聴いてしまいました。この番組を聴けば、あなたも、「知ってる」「知らない」を客観的に笑いながら考察できるかも?結局、「知ってる」も、「知らない」も、紙一重なんですよね。番組では「知らない」ことを恥ずかしいと言ってはいるものの、登場人物のやりとりを客観的に聴いていると、「知らないことは、恥ずかしいことではないなあ」と、逆に思えてくるところが、いいです。#「知ったかぶり」は、恥ずかしいかも!(^o^;)「知ってる」「知らない」の中には、昭和ネタも出てきて、これが僕には、めっちゃツボでした。僕と同世代の方は、同じ所で笑えるかも!?僕はこの「あ、安部礼司」と武田鉄矢さんの「今朝の三枚おろし」の2つのラジオ番組をよく聴いています。今はスマホやPCで気軽に聴けますし、リアルタイムでなくても1週間は最新回がいつでも聴ける状態で公開されていますので、「運転しながら」などの「ながら聴き」に、おすすめです。↓「あ、安部礼司」は、マンガにもなっています。『あ、安部礼司です。2 BEYOND THE AVERAGE』 (PASH!コミックス)[ 青木 U平 ]▼「今朝の三枚おろし」で、感動的に語られた「通潤橋」 (2022/09/28の日記)
2024.05.09
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GW中に観に行こうと思っていて体調不良で観に行けなかった映画、なんと、オンライン配信があるようです。このブログで何度もとりあげさせてもらっている映画『夢みる小学校』と同じ監督が撮影された映画です。『夢みる給食』公式サイト:https://www.mirai-lunch.jp/新作映画だったので今までは映画館でのみ上映されていたのですが、6月1日から、自主上映会の受付が開始されます。それに合わせて6月2日のみ、日時限定でオンライン配信もされるとのこと。僕は、申し込みました。あなたも、観てみませんか?予告編 上の予告編の中で「全国にオーガニック給食がどんどん広がっている」というナレーションとともに、いろんな市町の名前が表示されているのですが、僕の住んでいる市や、勤務している市の名前もあり、びっくりしました。うちの給食も、オーガニックなんだ!なんだか、うれしいです。映画の中では、「オーガニック給食の最前線」に取材されているようです。具体的に言うと、「いすみ市、木更津市、佐渡市、亀岡市、武蔵野市、松川町、薩摩川内市、瑞穂市、喜多方市」で取材されたのだとか。ここでもやっぱり、我が家からクルマで1時間圏内の、ちょっと近所の市町も登場しています。近くにあるすてきなものに気づかせてくれる映画って、すてきです。観るのが楽しみです。なお、オンライン配信は『夢みる給食 60分Ver』となっており、少し編集されて短くなっているようです。6月2日の13時から限定で、しかも先着300名で締め切るとのこと。以下が、オンライン上映会の詳細です。(公式案内より転載)6月2日(日)ひと家族 1,500円(友達2人なら3000円)13:00〜14:10 『夢みる給食 60分Ver』VIMEO配信14:20~15:00 監督ZOOMトーク オーガニック給食 質疑応答ゲスト:白川久美子 すくすく保育園園長(映画出演者)中村陽子(めだかの学校 主宰)サテライト上映をして地域に給食仲間をつくり『夢みる給食』大規模上映会につなげてください。⭐ 個人視聴申込み↓↓↓↓https://mirai-lunch-online.peatix.com/(クラファン協賛者の方は無料視聴できます〜)⭐ サテライト上映申込み↓↓↓↓https://pro.form-mailer.jp/lp/b8f78ac9233779【サテライト上映会とは】自宅リビング、カフェ、会議室などで配信映像をプロジェクター、大型テレビモニターに接続して地域の人と配信映像上映会&お話会を開催。5人以上の観客を確保すればお申し込みできます。※「議員、政治関係者」はサテライトの主催はできません。*『夢みる給食』劇場公開まもなく終了 まず劇場で観てね!3月15日(土)~ 沖縄 シネマドーナツ 貸切り上映4月26日(金)~ 東京 シネマネコ 5/6 監督トーク4月26日(金)~ 兵庫 豊岡劇場4月26日(金)~ 宮崎キネマ館5月24日(金)~ 佐賀 シアターENYA皆さん、お見逃しなく!▼「どんな子どもも、それは1つの個性であり、正解である」 ~映画「夢みる小学校」 (2022/12/18の日記)
2024.05.08
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以下の本の読書メモを書いています。『関係支援を核とした学級づくり 「特別でない」特別支援教育をめざして』(拝野佳生(はいのよしき)、解放出版社、2023/11、税別2000円)今回が、第4回(最終回)です。↓過去記事は、こちら。第1回: 子どもたちをつなごう!第2回:「人権意識の”変わり目”となったエピソード」第3回:「『関係支援』の具体的展開」前回の続きのページで、僕がどうしてもふれておきたいのは、Dさんの事例です。(p62~69 第2章第2節第4項「『仲間の変化』とマイペースなD」)Dさんは転入生でした。広汎性発達障害の診断を受けており、「ちょっと変わったやつ」という印象をもった子だったそうです。(p62)トラブルメーカーだったDさんですが、トラブルつづきだったところから、変化が変化を呼び、Dさんは次第に落ち着いていきます。その説明の中で著者は、「まわりが変わってDが変わる。Dが変わり、まわりも変わる。」と書かれていました。(p65)そして、象徴的なのが、3学期に入ってすぐの、長なわの練習のシーンです。Dさんが長なわを跳べたことを自分のことのように喜ぶクラスメイトの作文が、紹介されていました。その作文について、担任だった著者は、次のような感想を述べています。・この文を書いた子はDが跳べたことをクラスの喜びとしてとらえ、 自分が跳べたかのように素直に綴っています。 こういう思い方ができる子を育てることが、 「関係支援」がめざす1つの着地点だと考えています。 (p66より)「関係支援」をテーマにした本書ですが、その「着地点」としての事例もこうやって示していただいていることで、読んでいる僕たちにとっても、めざすものが非常にイメージしやすくなっています。担任の経験がある者なら、こういった経験は、少なからずお持ちではないかと思います。仲間の成功を自分の成功のことのように喜ぶ。ここでは、自分と他者の境界線が区切られることなく、自分と他者が一体化しています。学校でみんなと学ぶ意味は、まさにこういったところにあるのではないかと思います。実は本書の後半では「着地点」だけでなく「終着点」としての事例も述べられています。本書でおそらく最もページ数が割かれているのは、この事例です。このブログ記事は公開直後に著者の拝野先生にも見ていただいているのですが、拝野先生から、次のような言葉をいただきました。「このように、関係支援の着地点は"周囲の変化"でした。しかしこの後に登場するGさんは、周囲の変化もさることながら、"本人の劇的な変化"が見られました。 これを私は『関係支援の"ひとつの"終着点』であると言ってます。」「終着点」に関する事例は、僕は拝野先生の研修会で直接お聞きしたのですが、これは「又聞き」ではなく、ぜひ、直接ふれていただきたい事例です。本書ではかなり詳細にそのことにふれられていますので、その詳細は、ぜひ本書でご確認ください。ほかにも、本書ではまだまだたくさんのことが述べられています。ただ、それを全て書いているときりがないので、最後に、ひとつだけ。「教育の目的」を大きくとらえ直すところについて、紹介して終わりたいと思います。前回もテーマに挙げた「育てる」ということ、「教育する」ということについて。その全体をとう捉えるのか。本書は一貫して、当事者の人権という視点に立った考察がされています。最後に引用するのは、「子どもの権利条約」です。その、「教育の目的」の部分です。・子どもの権利条約(6)「教育の目的」(第29条) 「教育は、子どもが自分のもっているよい所をのばしていくためのものです。 教育によって、子どもが 自分も他の人も みんな同じように大切にされるということや、 みんなとなかよくすること、 みんなの生きている地球の自然の大切さなどを 学べるようにしなければなりません」(p111 ユニセフ訳による)非常に分かりやすく、読みやすい訳です。本書では「ユニセフ訳」となっていますが、今ネットで検索すると、同様の内容はアムネスティ・インターナショナルのサイトで見られました。他の条文も含めて、ぜひ読んでみてください。▼子どもの権利 - 子どもの権利条約(アムネスティ日本のサイトより)分かりやすい本も出ています。興味があればそちらも参照してください。『子どもの権利条約ハンドブック』(木附 千晶・ 福田 雅章、自由国民社、2016、1870円)最近は、中学校の校則を子どもの意見をふまえて見直すなど、「第12条 意見を表す権利」にもスポットが当たるようになってきましたね。本書でおこなわれている「子どもをたいせつにする」ということの具体は、子どもの権利条約に表されているような、子どもの権利に依って立つものです。それは、決して大人の都合や、強制により、おこなわれるべきものではありません。そういった原点を再確認して、4回にわたって書いてきた本書の読書メモを終わります。この4回の連載記事については、公開直後に著者の拝野先生にも見ていただき、ご感想をいただくことができました。すばらしい著書を世に出していただいたことに、改めて感謝申し上げます。多くの皆様が本書を手に取って、読んでいただけることを、切に願います。たいせつなことを たいせつにしよう▼「どんな子どもも、それは1つの個性であり、正解である」 ~映画「夢みる小学校」 (2022/12/18の日記)▼「今、学校に求められていることは?」~佐藤豊先生より (2007/03/17の日記)
2024.05.07
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一昨日から、以下の本の読書メモを書いています。本日が、第3回です。『関係支援を核とした学級づくり 「特別でない」特別支援教育をめざして』(拝野佳生(はいのよしき)、解放出版社、2023/11、税別2000円)↓過去記事は、こちら。第1回: 子どもたちをつなごう!第2回:「人権意識の”変わり目”となったエピソード」本書には僕の心に突き刺さったエピソードや著者の考えがたくさんあるのですが、全部紹介しているときりがないので、絞りに絞って、書いていきます。今日は、「第2章 『関係支援』の具体的展開」の内容に、入ります。著者の拝野先生は、現場の教員を長く勤められておられましたが、1997年には兵庫教育大学の大学院に進学されています。#その後、現場に戻ってこられています実践者でありながら研究者でもあり、先行研究などにもお詳しいようです。そのため、本書には具体的な先行研究や文献の引用もみられます。たとえば、第2章では、鯨岡峻(くじらおか たかし)さんの次の言葉が引用されていました。・「子どもを育てる立場の多くの人は、 『育てる』ということの根本を見失って、 ひたすら何かを教えて力をつけることが育てることだと 錯覚してしまっているように見えます」(p57 鯨岡峻(2011)『子どもは育てられて育つ-関係発達の世代間循環を考える』慶應義塾大学出版会より)「育てる」ということを改めて問い直す、ドキリとする文です。「育てる」とは、はたして、「教える」ことなのでしょうか。「力をつける」ということなのでしょうか。鯨岡さんも、著者も、それは同義ではないと考えているようです。この引用の後、この項の最後で、著者は「個別支援をしてくれる大人が複数いることについて、いま一度、しっかり考えておく必要がある」と書かれています。ここに、大人が子どもを育てるのか、子どもが育つのか、という、発想の逆転があるのです。「子どもを主語にした教育」といったみみざわりのいい言葉は、昔からありました。しかし、それが単なる標語ではなく、ほんとうに子どもたちのものになっているのか、僕たちは今一度、しっかりと考えていかなくてはなりません。その次の項は事例ですが、その事例の中で著者は「当時、私は、友だち同士の『教え合い』を授業に取り入れた『仲間づくり』にとりくんでいたので、単刀直入にいえば、支援員は不要でした。」と書かれています。#「教え合い」の具体的な内容は本書をお読みください大人がいなくても子どもたちが育つ教室。僕は、これが、理想だと思います。僕も、ここ20年くらい、ずっと追い求めてきたかたちです。#昨年もこのブログで実践報告を書きました。支援員も、教師すら、いなくて成り立つような教室が、理想なのです。事例後の「考察」から、そのエッセンスを、少しだけ引用します。・友だち同士を互いの支援者にするという発想・そういう関係を意図的に組織すればいいのです。・私は、ここに特別支援教育の活路を見いだせると考えています。(p61)「特別支援教育」の発想を逆転させる。そのことで、むしろ、活路が見いだせるのです。一昨年、日本の「特別支援教育」のあり方が国連から批判されたのは、まだ記憶に新しいところです。(参考リンク)▼国連が日本政府に勧告「障害のある子どもにインクルーシブ教育の権利を」(Yahooニュース、野口晃菜、2022/9/10記事)過度に競争主義に陥っている通常学級のあり方を見直し、分離教育のシステムを改めるように、勧告がなされました。日本の「特別支援教育」は、舵を切る局面に立たされています。著者の提案はなにも珍しい突飛なものではなく、同じような考え方で実践されている教育実践者は無数にいます。その実践を、国を挙げて広げていくときにきているのではないでしょうか。「考察」の最後では、伊藤良子(2009)の論文中での言葉が引用されています。最後に、その言葉も、みておきましょう。#長くなるので、部分的な引用にとどめています。・「人間はみな偏りをもっている。 人間はみな発達障害なのである。 自らの偏りを誇り、他者の偏りを尊敬しよう。」(p57 伊藤良子(2009)「人間はみな発達障害」伊藤良子・角野善宏・大山泰宏編『京大心理臨床シリーズ7「発達障害」と心理臨床』創元社 より)ここにきて、発達障害か、そうでないかというくくりも、消えてしまいました。上の言葉を借りれば、みんなが発達障害であり、「障害者」なのです。みんなが、当事者なのです。僕は若い頃、国語の研究大会で、斎藤孝さんの講演を聞いたことがあります。斎藤孝さんは、「偏って愛す」と書いて「偏愛」というものを重視されていました。偏って愛しているものをお互いに知らせ合い、つながり合うことを説かれていました。「偏愛マップ」をつくり、お互いに見せ合うという取組は、上に書かれている考え方と、重なる取組ではないかと思います。『偏愛マップ キラいな人がいなくなるコミュニケーション・メソッド』/齋藤孝僕自身、かなり偏った人間です。#得意と不得意の差が激しい#好きなことについてはかなりこだわります日本社会は同調圧力が強いので、偏った人間が、偏っているところをまるでイケナイことかのように、錯覚してしまう傾向があります。そうでは、ないでしょう。むしろ、そこを、大切にしていかないと、いけないのではないでしょうか。それこそ、SDGsでも言われている、多様性尊重の教育の、ほんとうの意味です。いろいろな人がいるからこそ、いいのです。だからこそ、楽しいし、おもしろいし、学び合えるのです。長くなりました。あなたは、いかが思われたでしょうか?続きは、また明日!(明日が、本書の読書メモの最終回の予定です。)▼斎藤孝『今、そこにある苦悩からの脱出』1 ~四股踏み、ストレッチで身体に関わる (2012/09/09の日記)▼【障害理解教育】4 そのほかの教材(本や絵本) (2015/08/21の日記)
2024.05.06
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昨日から、以下の本の読書メモを書いています。『関係支援を核とした学級づくり 「特別でない」特別支援教育をめざして』(拝野佳生(はいのよしき)、解放出版社、2023/11、税別2000円)前書きについてふれた、前回のブログ記事は、こちら。本書には僕の心に突き刺さったエピソードや著者の考えがたくさんあるのですが、全部紹介しているときりがないので、絞りに絞って、書いていきます。最初の方の記述で、僕がどうしてもふれておきたいのは、第1章第1節第2項「在日コリアンとのかかわり」です。ここでは、著者が小学校教員として採用後に初めて勤めた小学校での出来事が書かれています。その学校は、当時、全校児童数の約1割が在日韓国人・在日朝鮮人の子どもたちだったそうです。(p15)このとき、著者は、ある人の発言で、「周りの子」にこそ目を向けるべきであると気づかされます。ある研究会で、朝鮮初級学校の先生が、こんなことを言われたそうです。・「ことばにこだわるようですが、 『在日朝鮮人問題』という言い方がありますよね。 私、これ、どうかと思うのです。 差別しているのは日本人ですよね。 問題は日本人なのに、なんで『在日朝鮮人問題』と言うのでしょう。 私たち朝鮮人が問題ですか?」(p15より)僕は、これを読んで、ガツンと、鉄槌をくらったような気がしました。そして、これは、「在日朝鮮人問題」に限らず、ほかのことでも、同じことが言えると思いました。「障害者」の問題にしても、そうです。「不登校」の問題にしても、そうです。「学力問題」ですら、そうです。「あの人たち」「あの子たち」の問題にしてしまっていて、自分たちの問題としてみなしていない。僕たちの姿勢が、問われている気がしました。「問題だ」と問題視している、僕たちのほうが、「問題」かもしれないのです。まさに、「問題はつくられる」であります。この後のページに、「在日朝鮮人問題」の当事者である、対象の子どもたちが、ホンネを吐露する場面の記述があります。「自分たちだけ別室で事前に人権学習をしていた話」(p20)についてです。・「私、あれ、あんまり好きじゃなかったわ。 なんで私らだけ特別なん? とか思っていた。」(p20)周りで思っていたことと、当事者が思っていたことが、違っていたのです。本人たちの思いが、おいてけぼりをくらっていた、というのです。別室で特別に学習すると言えば、今、「特別支援教育」のなかで、普通におこなわれていることです。いえ、「特別支援教育」という範疇にとどまらず、「集団での学習や集団生活についていけない子を、特別に個別に見てあげるのが丁寧だ」という考え方が、幅をきかせています。そういう指導が、その子たちの気持ちを確かめずに、おこなわれています。ここでも、やはり、「これは、この子たちだけの問題ではない」と思いました。本書が重要なのは、こういった当事者目線に立った、人権問題としての視点に、気づかせてくれるところにあります。僕たちは、ともすれば、親切心で対象の子どもたちだけを、別室で少人数で学習させるなどして、本人たちの気持ちも確かめずに、手前勝手な指導をしているのかもしれません。本書のサブタイトルに、「『特別でない』特別支援教育」という言葉があります。一見、矛盾したように見えるこの言葉に、「学校を特別なものにしない」という、著者の決意が隠されているように思えてなりません。当事者主体の「『特別でない』特別支援教育」を考え、それを実現しようと実践を重ねていくことは、すなわち「ともに」考えることであり、「ともに」実践をつくっていくことであります。今回ご紹介した第1章第1節のタイトルは、「人権意識の”変わり目”となったエピソード」です。僕は、まさにこの、本書での著者の立ち位置、スタート地点をこそ共有したいと思います。多くの皆様が本書を手に取って、この第1節だけでも、読んでいただけることを、切に願います。明日以降のブログでは、「第2章 『関係支援』の具体的展開」の内容に、入りたいと思います。よろしければ、明日もまた、見に来てくださいね。▼「困った」子への向き合い方 ~木村泰子『「ふつうの子」なんて、どこにもいない』 (2021/05/05の日記)▼「いろいろなものが分けられたことによって・・・」 ~孫泰蔵『冒険の書 AI時代のアンラーニング』その4 (2023/08/20の日記)
2024.05.05
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1ヶ月ほど前に、以下の本を読み終わりました。大変共感し、感銘を受けました。『関係支援を核とした学級づくり 「特別でない」特別支援教育をめざして』(拝野佳生(はいのよしき)、解放出版社、2023/11、税別2000円)タイトルに「インクルーシブ教育」という言葉はありませんが、学校現場におけるインクルーシブ教育の実践を追求している本です。「特別支援教育」が個別支援や個別指導に重きを置きすぎていることを問題視し、通常学級の集団内における関係支援こそ重要であると説かれています。具体的なエピソードも多数紹介されており、通常学級の中でインクルーシブ教育を実践しようとする際のまたとない参考書になると思います。今日から何回かにわたって、本書の内容を読書メモとして残していきます。冒頭部分だけでしたら、ネット上で試し読みができますので、皆さんもぜひ、チェックしてみてください。出版社公式サイトなどで、試し読みできます。▼〝関係支援〟を核とした学級づくり (出版社公式サイト)「版元ドットコム」でも、「前書き等」のところで、少し読めるようになっています。今日は、その冒頭のところから1つだけ、引用させていただきます。本書における著者の主張は、次のフレーズに集約されているように思いました。・たまにしか行けない教室で、私がいないときにこそ、子ども同士の支援が必要ではないかと考え、子どもたちを〝つないで〟いました。(「はじめに」ⅶより)僕も全く同じ考え方で、支援学級担任や、通級担当をしてきました。僕が以前働いていた勤務市の特別支援学級担任にとっては、この考え方は、当たり前だったのです。「支援学級担任の役割は、周りの子とつなぐことだ」と言われていました。ただ、全国的には、これが当たり前の考え方にはなっていません。でも、これは、今こそ必要な考え方だと思うのです。インクルーシブ教育関係の研修が増えてきて、国連の勧告もあり、子どもたち同士がつながりあって、いろんな子を包摂して一緒にやっていくことが、より一層求められてきています。「子どもは、子どもの中で育つ」僕が前の勤務市で教わったことです。「子どもたちをつなぐ実践」こそ、今まさに僕たち教職員が互いに実践交流をしあいながら、学んでいくべきことではないでしょうか。多くの皆様が本書を手に取って、読んでいただけることを、切に願います。明日以降のブログでも、本書の中の具体的なところで、僕が印象に残ったところを書いていきたいと思います。▼動画「分離教育をやめたイタリアのインクルーシブ教育の挑戦」 (2023/11/05の日記)
2024.05.04
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GW前半の休暇で、体調は順調に回復していました。ところが、あいだの平日で順調に悪化(笑)。今日からGW後半に突入しましたが、咳と鼻水に悩まされる5月3日となりました。なんとか、4日間の休日を使って、完全に回復させたいところです。さっきまで寝ていましたが、ちょっとよくなってきたので、ブログを書きます。僕は小学校に勤めています。「音楽」の先生ではないのですが、日ごろから職員室で「音楽の授業がしたい」と公言していたら、担任が出張などで不在の時に音楽授業を頼まれることが増えました。近年は1年生の学年付きをしているので、1年生のクラスによく入ります。#1年生の学年会計を昨年から担当していて、毎年教材費が爆上がりしているので驚いています。#ドリルとかの値段が上がってるの!連休前にも、小1のあるクラスに入りました。4時間目だったので後半は給食準備に早めにかかる都合上、授業は20分程度でしたが、「かえるのうた」をスモールステップでだんだんレベルアップしていく指導をやりました。楽しかったです!#コールアンドレスポンスの初歩をやったよ#そこから輪唱の初歩に移行していったよ#はじめは先生と子どもたちでやって、そのあと子どもたち同士でさせました#みんなの反応がすごくよくて、びっくり!連休後、今度はまた別のクラスで「音楽」の授業を請け負っています。#小1なので「おんがく」と表記すべきか小1の今の時期は自習にして先生不在で子どもたちだけにするということはできないので、誰かが入らないといけません。しかたないな~(笑)勤務市では今年から奇数学年の音楽の教科書会社が変わっています。「おんがくのおくりもの」という教科書になりました。教育出版の教科書です。小学音楽 おんがくのおくりもの1 [令和6年度改訂] 教育出版その指導用CDを聴いたら、1曲目がなんと「サンダーバード」!担任の先生からはこの曲の指導を頼まれています。今回も、楽しくやりたいと思います。サンダーバード、GO!この曲は、とにかく体を勝手に動かしたくなる曲。イントロの英語での秒読みが、最高です。「教科書会社の方、目の付け所がいいな~。ナイス選曲だなあ」と思います。学校の授業には必ず指導上の目標があります。この曲の場合だと、「音楽と一体となって動く」といったところでしょうか。どんな動きがこの曲に合っているのかを考えるのも、めあてのひとつになりそうです。教科書会社が作ったワークシートの例の中には、ぴったりの動きの例として「元気に行進する」というのが書いてありますが、僕は、それだけではちょっと物足りないのではないかと思います。やっぱり、元気に発進する!でしょ!子どもたちと一緒に「サンダーバード」の授業をするなんて、考えただけで、わくわくがとまりません。体調、治さないとな~。↓「サンダーバード」オープニング↓ホンモノの「サンダーバード」の第1話。1965年にしてこのクオリティ!▼♪鍵盤ハーモニカ奏「かえるのうた変奏曲」の編曲をしました!▼【練習用動画】小1鍵盤ハーモニカ奏「きらきら星」「~タンギング変奏曲」▼♪小1鍵盤ハーモニカ奏運指動画「こいぬのマーチ」
2024.05.03
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