[Stockholm syndrome]...be no-w-here

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2019.08.04
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カテゴリ: 宝塚
今回の【ON THE TOWN】で特に印象的なのは、女性達だ。
どこまで原作に忠実なのかは分からないが、ヒロインのアイヴィ(美園さくら)を除いて、宝塚らしいキャラクターが1人もいない(笑)。
皆、強烈な個性を持っている。
これも、舞台が大都会ニューヨークだからだろうか。

そして、何だかんだ、常に主導権を握っているのも女性達だ。
地方から出て来たであろうゲイビー達3人は、彼女達に振り回されっ放しだ。
しかし、女性キャラが男顔負けの個性を発揮する事で、この作品をより色濃いものにしている事は間違いない。

その中で、目を見張ったのはクレア役の夢奈瑠音だ。
これまで、彼女に対しては男役のイメージしか無かったが、意外なほど(失礼…?)女役が様になっている。
しかも、プロフィールを見て驚いたが、身長が168cmと、思っていたよりずっと小柄だった。
男役の時はそんな事を微塵も感じさせなかったので、彼女なりに努力しているのだろう。
芝居心もあるし、今回の女役を経て、更に演技の幅を広げて欲しい。

夏月都を始め、白雪さち花や海乃美月ら娘役はさすがの演技だった。
どんな役でもしっかり自分のものにしてしまうのは、それだけ実力と個性がある証拠だ。
今回は日程の都合で「役替わりA」にしたが、こうなると「-B」もそれぞれの持ち味が出て、違った面白さになるのではないかと思う。


そんな女性達に振り回されるオジーとチップ、そしてピットキン(英真なおき)もどちらかと言えば変わり者タイプ。
(3人ともキャラクターとしては面白いが、感情移入しながら観るタイプの役柄ではない)
そう考えると、この作品で唯一「普通」と呼べる人間は、実は主人公のゲイビーとアイヴィだけだったりする。
周りが強烈だからこそ、その中で2人の恋愛が自然と濾過され、純度の高いロマンスに感じられるようになるのだろう。

そんな普通のカップルを誠実に演じられる月組トップコンビ、珠城りょうと美園さくらは随分と息が合って来た印象を受ける。
特に、美園は大劇場公演を経て、余裕と存在感が出て来たようだ。
もう少し芝居が柔らかくなると更に良いが、それは今後の成長に期待しよう。

たまきちは等身大の男性を演じさせると、これ程しっくり来る男役はいない。
同じ男としては、そこに親近感を覚えるし、仲間意識すら湧く。
語弊があるかも知れないが、たまきちとなら普通に肩を組んで歩ける。
(他のトップスターが相手だと、きっと照れが入ると思う)

今回のゲイビー役も人柄の良さが溢れていたし、オジーやチップと一緒にいる場面では、舞台の外でもこんな感じなのではないかと思えるほど、3人の間に自然な空気感が流れていた。
それが珠城りょうというトップスターの魅力であり、本質である。

一方、残された時間と、「再び生きて逢えるか分からない」という想いが、オジーとチップの恋も純化させて行く。
第2幕の『第4場 コニー・アイランド行きの急行列車(地下鉄)』のシーンは、それまでのドタバタ感から一転して静かな時間が流れ、切なさが募る、個人的に好きな場面だ。


それにしても、これだけ場面転換があると、脇役達は衣裳替えが多くて大変だろうと思う。
(それに対して、主役級の3人はほぼ同じ衣裳のままという…笑)
別箱公演なので出演者も限られているし、おまけに豪華なフィナーレまであって、何度も着替えなければならないジェンヌもいるのではないだろうか。
皆、お疲れ様。(*^_^*)

そして、素晴らしい楽曲を聴かせてくれたオーケストラにも感謝を述べたい。

ありがとう!!



ところで、今回の【ON THE TOWN】を観て、ある写真を思い出した。
時代と場所は定かではないが、戦地へ赴く恋人を見送る女性達を写した1枚だ。
ゲイビー達も、最後はこんな風に別れたのかも知れない。
終戦記念日が近付くこの時期、改めて平和について考えてみたいと思った。





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Last updated  2019.08.05 23:04:16


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