まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.09.11
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NHK「アストリッドとラファエル」シーズン3。
第7話は《知性のある植物》がネタになってました。



知性のある植物については、
Nスペの「超進化論」でも取り上げられてたし、

いとうせいこうやスティービーワンダーに絡んで、
朝ドラ「らんまん」にも繋がるテーマだと思ってたので、
ついつい、そっちの方面から興味をそそられてしまった。

↓くわしくはこちら。
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202301080000/
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/202304290000/




今回のエピソードには、
じつにいろんな植物ネタが出てきていました。

・マンチニールは死のリンゴ!
・オジギソウには知性と感受性がある!
・アカシアのタンニンでアンテロープが死ぬ?
・医療用大麻でラスタマンが喜ぶ?
・糞人参とトリカブトはマラリアの薬?
・ボードレールの「悪の華」(Les Fleurs du mal)
・アカシアの毒をもってトリカブトの毒を制する?
・青いバラの色素デルフィニジンは実在する!


たぶん、
植物オタクを大喜びさせるような、
かなりマニアックな内容だったと思います。

わたしは植物オタクじゃありませんが、
「いわゆる"毒リンゴ"ってあるんだなあ…」とか、
「猫がアカシアで中毒を起こすのは事実らしい」とか、
「大麻合法化とラスタファリアニズムの関係?」とか、
調べてみたら、いろんなネタが折り込まれている。



まず犯罪トリックをネタバレすると、

殺害に用いられた「悪の花」の正体は…
樹液で皮膚を火傷させるマンチニールでも、
タンニンで捕食者を攻撃するアカシアでもなく、
抗マラリア薬として服用されていたトリカブトだった。

しかも、そのトリックと犯人を見破ったのは、
知性あるオジギソウの「パコ」だった…というオチ!

ニコラとテツオが、
ボードレールの詩について語り合う場面もありましたが、
表題の「悪の華」はもちろんボードレールから取られてる。



殺されたのは、2人の女性。
植物学者のフランソワーズと疫学者のデルフィーヌです。

2人は同性愛者で恋愛関係にありましたが、
デルフィーヌには夫がいたので、いわゆる不倫でした。

ナイジェリア出身のデルフィーヌは、
両親をマラリアで亡くし、自身もマラリアに感染していて、
治療のためにトリカブト入りの薬を服用していた。

フランソワーズは、
恋人を病から救うため、
重篤な副作用のあるトリカブトではなく、
糞人参という別の植物でマラリア薬を作ろうとしていた。

同時に、彼女は、
青いバラの開発にも成功していて、
アジサイの遺伝子から抽出した青い色素を、
恋人の名にちなんで「デルフィニジン」と名づけていた。



これらについて調べてみると、
どうやら虚実入り混じる話のようなのです。

…たとえば、
青いバラの開発は実際に成功しています。
それを手掛けたのは日本とオーストラリアの企業。
(サントリーフラワーズとCalgene Pacific)

その色素が「デルフィニジン」という名前なのも事実。
(名前の由来は調べても分かりませんでした)
ドラマの中ではアジサイとなっていましたが、
実際にはパンジーの遺伝子から取られたらしい。
(鬼滅の青い彼岸花も作れるかも?)
https://ja.wikipedia.org/wiki/青いバラ

また、
糞人参が抗マラリア薬なのも事実です。
(トリカブトもマラリアに効くのかは不明ですが)
https://ja.wikipedia.org/wiki/クソニンジン


ナイジェリアでマラリアの感染が多いのも事実。
(世界のマラリア患者の4分の1以上を占めるらしい)
フランスにはアルジェリア移民がたくさんいるけれど、
ナイジェリア移民がマラリアを持ち込むこともあるのかしら?
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/medi/africa/nigeria.html




さらに、
次のアルチュールの話にも虚実が入り混じってる。
デルフィーヌの出身はナイジェリアで、両親をマラリアで亡くし、
WHOの決定に抗議して、 フランソワーズと同時に製薬会社を退職した。

このセリフだけを聞いても、
WHOの何の決定に抗議したのか分からないのですが、
これって実際にはマラリアではなく、
おそらく新型コロナの話から作られたエピソードなのです。

…というのも、
「糞人参やトリカブトは新型コロナの治療に効く」との説があり、
2020年の半ばまで、WHOはこうした説に否定的だったのです。

糞人参のWikipediaにはこうあります。
WHOは当初、新型コロナウイルス感染症の治療薬になり得るとうたわれている薬用植物については、効果や副作用、安全性などの試験が必要として、クソニンジンなどを用いた代替医療を巡り警鐘を鳴らしていたが、2020年9月19日になって、一転して新型コロナウイルス感染症の治療法となる可能性があるとして、WHOはクソニンジンを含む薬草を用いた植物療法の臨床試験計画を承認した。

ちなみに、ドラマの中では、
フランソワーズが「一年半前に退職した」とされていましたが、
この回がフランスで放送されたのは2022年9月16日ですから、
上記のWHOの動きは、おおむね時期的に一致する気がします。



ところで、
フランソワーズが育てていた「パコ」はオジギソウであり、
トリカブトを解毒するために食べたのはアカシアの葉でしたが、

これらの植物には、
日本にだけ特有の面倒くさい事情があります!!

…というのも、なぜか日本では、
ニセアカシアが「アカシア」と呼ばれ、
本物のアカシアは「ミモザ」と呼ばれ、
本物のミモザが「オジギソウ」と呼ばれているからw


たとえば、
北原白秋の「アカシアの花が咲いてる」 (この道) とか、
西田佐知子の「アカシアの雨がやむとき」は、
たぶん北海道や大連のアカシア並木を歌ってるのですが、

…それはニセアカシアのことです。
牧野富太郎が聞いたらブチ切れそうな話ですよね。

ついでにいうと、
「糞人参 くそニンジン 」ってのもすごい名前w
日本語吹き替えではこの単語を連発してたので、
個人的にかなりのパワーワードでした。
これも日本ならではの名前だと思います。



さて、余談ですが、

アストリッドはつねづね「恋愛は理解不能」と言ってたのに、
今回のエピソードでは、むしろラファエルのほうこそが、
ニコラの恋心に気づいてなかったことが判明!
おそらくはニコラもラファエルの恋心に気づいてないのですね。

つまるところ、
恋愛が理解できないのは自閉症の問題じゃないってことw

それどころか、
アストリッドはテツオとのキスを成功させたので、
立場が完全に逆転してしまいました。

どうせなら、
恋愛のことも「パコ」に聞けばよかったのにね。




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最終更新日  2024.03.14 19:57:55
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